JP2009138533A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量型斜板式圧縮機 Download PDF

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隆容 鈴木
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Abstract

【課題】高回転時に高容量運転とならないように規制することができ、且つ、システムの大幅な変更が不必要な可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
【解決手段】シリンダブロック12に軸支された回転軸17と、該回転軸17に固定されたラグプレート21と、傾斜角が変化可能に支持された斜板22と、斜板22の傾斜角を減少方向へ付勢するコイルスプリング24とを備えた圧縮機10において、ラグプレート21の斜板22側の面に、ラグプレート21の回転に基づく遠心力を受け、支軸38を支点として回転軸17の軸方向へ傾動可能とされた可動部材36を設け、可動部材36は、斜板22側に離間配置されたウェイト部39と、斜板22側に接近して斜板22の傾斜角を規制する当接部40とを有し、当接部40を斜板22と反対方向に付勢する捩りばね41を設け、ラグプレート21とコイルスプリング24の間のプレート部材35に当接配置させる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、例えば、車両空調設備等に用いられる可変容量型斜板式圧縮機に関する。
一般的に、車両空調設備等に用いられる圧縮機として、吐出容量を可変制御することができる可変容量型圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)が知られている。
この種の圧縮機においては、回転軸に対して傾斜可能な斜板がクランク室に収容されている。斜板は、クランク室の圧力が高くなるにつれて回転軸の軸線に対して直角に近づき(斜板の傾斜角が小さくなる)、一方、クランク室の圧力が低くなる場合には、回転軸の軸線に近づくように(斜板の傾斜角が大きくなる)斜板が傾斜する。
圧縮機が備えるピストンのストロークは、斜板の傾斜状態に応じて変化する。例えば、クランク室の圧力が高く斜板の傾斜角が小さい場合には、ピストンのストロークは小さく、逆に、クランク室の圧力が低く斜板の傾斜角が大きい場合には、ピストンのストロークは大きい。従って、ピストンのストロークが小さくなると吐出容量は少なくなり、ストロークが大きくなると吐出容量は大きくなる。
斜板の傾斜角が最大傾斜角位置にある場合には、圧縮機は最大容量運転を行い、斜板の傾斜角が最小傾斜角位置にある場合には、圧縮機は最小容量運転を行う。斜板の傾斜角は圧縮機と接続された外部冷媒回路からの冷媒負荷の大きさにより、最小傾斜角位置から最大傾斜角位置の間で適宜制御されている。
特許文献1で開示された従来技術では、この吐出容量の制御に用いられる容量制御弁として、内部制御弁と外部制御弁とに分類されることが記載されている。内部制御弁は、圧縮機の吸入室における吸入圧を内部の感圧機構で感知し、感圧機構によって設定されている設定圧と感知された吸入圧との大小関係に基づいて感圧機構が変位して弁開度を自律的に調節する。このことにより、冷房負荷に応じてクランク室の圧力の調整が行われ、斜板の傾斜角が決定される。
一方、斜板には、往復運動するピストンの慣性力に基づいて、傾斜角を増大させる方向のモーメントが作用している。斜板の傾斜角の決定には、クランク室とシリンダボアとの圧力差以外に、ピストンの慣性力に基づくモーメントが大きな影響を与えている。例えば、車両エンジンの回転速度が高くなり、ピストンが高速度で往復運動されると、ピストンの慣性力が増大し、斜板は傾斜角が増加する方向に力を受けることになる。
高冷房負荷運転時には、内部制御弁の弁開度の調節によりクランク室の圧力が低下し、斜板の傾斜角が増加する。このとき、車両エンジンの回転速度が高くなると、ピストンの慣性力の影響で、斜板は更に傾斜角が増加する方向に力を受けてしまう。このため、冷房フィーリングの悪化を招いたり、最悪の場合には圧縮機が破損してしまう恐れがある。
これに対し、外部制御弁は、エンジンの運転状況、走行状態などに基づいてコントローラが吐出能力を決定し、制御弁内の感圧機構と作動連結された電磁駆動機構を外部から電気的に駆動制御することで、設定圧を外部から他律的に設定する。
例えば、特許文献2で開示された従来技術では、この外部制御弁式の容量制御弁を用いた制御技術が開示されている。この従来技術では、ピストンによる慣性力を考慮した容量制御弁の制御が行われる。即ち、車両エンジンの回転速度に基づいて圧縮機が所定の高回転領域にある場合に、運転吐出容量がその時の上限吐出容量よりも大きい高実働状態(高容量運転)にあると判断された場合には、容量制御弁の設定圧の再調整が行われる。その結果、圧縮機は上限吐出容量を超えないように高速保護制御が行われるので、高回転で高容量運転時における上記問題点を対策できるとしている。
特開2000−161234号公報 特開2003−129956号公報
確かに、特許文献2で開示された従来技術においては、高速保護制御が行われることにより、高回転で高容量運転時における冷房フィーリングの悪化や圧縮機の破損の問題は対策可能であるが、以下のような新たな問題が発生する。即ち、電磁駆動機構を有する容量制御弁が必要となると共に、回転数検出センサ及び車室温度センサ等の設置、センサからの検出情報に基づく容量制御弁の駆動制御などの制御プログラムの変更など、システムの大幅な変更が必要となり、システムコストの上昇と開発及び製造工数の増大を招いてしまう問題がある。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、高回転時に高容量運転とならないように規制することができ、且つ、システムの大幅な変更が不必要な可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、シリンダブロックの中心部に回転可能に軸支された回転軸と、該回転軸に固定された回転体と、前記回転体と同期回転し、かつ前記回転軸の中心軸線と直交する平面に対する傾斜角が変化可能に支持された斜板と、前記回転体と前記斜板の間に装着され、前記斜板の傾斜角を減少方向へ付勢する傾斜角減少ばねと、を備えた可変容量型斜板式圧縮機において、前記回転体の斜板側の面に、前記回転軸の回転に基づく遠心力を受け、支軸を支点として前記回転軸の軸方向へ傾動可能とされた可動部材を設け、前記可動部材は、前記支軸に対し前記斜板側へ離間して配置されたウェイト部と、前記支軸に対し前記回転軸側へ離間して配置され、前記可動部材の傾動に伴い前記斜板側に接近して前記斜板の傾斜角を規制する当接部とを有し、前記当接部を前記斜板と反対方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、回転体の斜板側の面には、回転軸の回転に基づく遠心力を受け、支軸を支点として回転軸の軸方向へ傾動可能とされた可動部材が設けられ、可動部材は、支軸に対し斜板側へ離間して配置されたウェイト部と、支軸に対し回転軸側へ離間して配置された当接部とを有している。そして、当接部は可動部材の傾動に伴い斜板側に接近して斜板の傾斜角が規制される。また、当接部を斜板と反対方向に付勢する付勢部材が設けられている。
従って、圧縮機が高速回転になるほど、ウェイト部に作用する遠心力は大きくなり、この遠心力の作用で、ウェイト部は支軸を支点として付勢部材の付勢力に抗して回転軸より遠ざかる方向に回動しようとする。同時に、当接部が斜板側に接近するように変位するので、斜板の傾斜角がより一層規制されることになる。よって、高回転時に高容量運転とならないように規制することができ、冷房フィーリングの悪化とか、圧縮機の破損を防止できる。
また、機械的な規制手段を設けるだけで、センサの設置とか制御プログラムの変更等システムの大幅な変更が不必要なので、工数及びコスト面で有利である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の可変容量型斜板式圧縮機において、前記当接部は、前記回転体と前記傾斜角減少ばねとの間に介装されたプレートに当接可能に配置されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、当接部は、回転体と傾斜角減少ばねとの間に介装されたプレートに当接可能に配置されているので、遠心力が作用し当接部が斜板側に接近したときには、プレートが斜板側に押圧移動されることにより、傾斜角減少ばねは圧縮されてばね荷重が上昇し、斜板の傾斜角を減少する方向に付勢させることができる。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機において、前記当接部は、前記斜板の前記回転体側に突出し、前記可変容量型斜板式圧縮機の最大容量運転時における前記斜板の傾斜角の規制を行う突出部に当接可能に配置されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明よれば、当接部は、斜板の回転体側に突出し、可変容量型斜板式圧縮機の最大容量運転時における斜板の傾斜角の規制を行う突出部に当接可能に配置されているので、遠心力が作用し当接部が斜板側に接近したときには、当接部は斜板の突出部を押圧することにより、斜板の最大傾斜角を減少する方向に押圧させることができる。
この発明によれば、回転に伴う遠心力により傾動可能とされた可動部材を設けることにより、高回転時に高容量運転とならないように規制することができ、且つ、システムの大幅な変更が不必要なので工数及びコスト面で有利である。
(本発明の実施形態)
以下、本発明の実施形態に係るクラッチレス可変容量型斜板式圧縮機(以下、単に「圧縮機」と呼ぶ)を図1〜図5に基づいて説明する。尚、説明の便宜上、図1における左側を前側とし、右側を後側とする。
図1に示す圧縮機10には、圧縮機10の外殻であるハウジング11が形成されているが、このハウジング11は、複数のシリンダボア12aが形成されたシリンダブロック12と、そのシリンダブロック12の前部側に接合されるフロントハウジング13と、シリンダブロック12の後部側に接合されるリヤハウジング14とから構成されている。
そして、フロントハウジング13からリヤハウジング14まで通される通しボルト15の前後方向の締め付けにより、フロントハウジング13、シリンダブロック12及びリヤハウジング14が一体的に固定され、ハウジング11が形成される。
フロントハウジング13には、クランク室16が後部側をシリンダブロック12により閉鎖した状態にて形成されている。
そして、回転自在の回転軸17がそのクランク室16の中央付近を貫通するように備えられており、この回転軸17はフロントハウジング13に設けられるラジアル軸受18と、シリンダブロック12に設けられる別のラジアル軸受19により支持されている。
この回転軸17の前部を支持するラジアル軸受18の前方に、回転軸17の周面に渡って摺接する軸封機構20が備えられている。又、この実施形態における回転軸17の前端は、図示しない動力伝達機構を介して外部駆動源に作動連結されている。尚、この実施形態の圧縮機10は、車両のエンジンからの駆動が圧縮機10の回転軸17に常時伝達される形式のクラッチレス圧縮機である。
クランク室16における回転軸17には、回転体としてのラグプレート21が一体回転可能に固着されている。
ラグプレート21の後方における回転軸17には、容量変更機構を構成する斜板22が回転軸17の軸線方向へスライド可能及び傾動可能に支持されている。
斜板22には、その中心部に貫通孔22aが貫設され、この貫通孔22aに回転軸17が挿通されている。
斜板22とラグプレート21との間にはヒンジ機構23が介在され、このヒンジ機構23を介して斜板22がラグプレート21及び回転軸17に対して、同期回転可能及び傾動可能に連結されている。
回転軸17におけるラグプレート21と斜板22との間には傾斜角減少バネに相当するコイルスプリング24が巻装されているほか、コイルスプリング24の押圧により後方へ付勢される摺動自在の筒状の調芯部材25が回転軸17に嵌挿されている。また、ラグプレート21とコイルスプリング24との間には円板状のプレート部材35が回転軸17に介装されている。
斜板22は、コイルスプリング24の付勢力を受けた調芯部材25により常に後方、すなわち、斜板22の傾斜角が減少する方向へ向けて押圧される。尚、斜板22の傾斜角とは、ここでは回転軸17の中心軸線lと直交する面と斜板22の面により成す角度を意味している。
斜板22の後方における回転軸17には止め輪26が取り付けられ、この止め輪26の前方においてコイルスプリング27が回転軸17に巻装されている。このコイルスプリング27は、最小傾斜角位置近傍にある斜板22を傾斜角増加方向へ付勢する復帰バネに相当する。
図1において、実線で示す斜板22は最大傾斜角位置にあり、二点鎖線で示す斜板22は最小傾斜角位置にある。
シリンダブロック12の各シリンダボア12aには、片頭型のピストン28がそれぞれ軸線方向に往復移動可能に収容され、これらのピストン28の首部がシュー29を介して斜板22の外周部に係留されている。
そして、回転軸17の回転に伴い斜板22が回転軸17と同期回転しつつ、回転軸17の軸線方向に揺動運動される時、シュー29を介して各ピストン28が前後方向に往復移動される。
一方、図1に示されるように、リヤハウジング14の前部側とシリンダブロック12の後部側は、バルブプレート31を介在させて接合されている。
リヤハウジング14内の中心側には吸入室32が形成されており、リヤハウジング14内の外周側には吐出室33が形成されている。吸入室32及び吐出室33は、バルブプレート31に設けられている吸入ポート31a及び吐出ポート31bによりシリンダボア12a内の圧縮室30とそれぞれ連通されている。
ところで、各ピストン28が上死点位置より下死点位置へ移動する時に、吸入室32内の冷媒ガスは吸入ポート31aを介してシリンダボア12a内の圧縮室30に吸入される。圧縮室30内に吸入された冷媒ガスは、ピストン28の下死点位置より上死点位置への移動により所定の圧力にまで圧縮され、吐出ポート31bを介して吐出室33へ吐出される。
尚、この圧縮機10では、斜板22の傾斜角を変更させてピストン28のストローク、即ち、圧縮機10の吐出容量を調整するために、リヤハウジング14に容量制御弁34が配設されている。
そして、この容量制御弁34は、吐出室33とクランク室16とを連通する給気通路(図示せず)の途中に配置されている。
この容量制御弁34の弁開度の調整を介して吐出室33からクランク室16に導入される高圧の冷媒ガスの導入量と、クランク室16と吸入室32とを連通させる抽気通路(図示せず)を通じてクランク室16から吸入室32へ導出させる冷媒ガスの導出量とのバランスにより、クランク室16内の圧力が決定される。
これにより、ピストン28を挟んだクランク室16内と圧縮室30内の圧力の差が変更されて、斜板22の傾斜角が変更される。
ところで、ラグプレート21の斜板22側の面には、可動部材36が設けられており、可動部材36は回転軸17を挟んで対称となる位置に2個設けられている。図2及び図3に示されるように、可動部材36はL字型のアーム37と、アーム37の中央部に形成された軸孔に挿通され回転軸17の中心軸線lに直交する方向に配設された支軸38と、アーム37の一方の端部に設けられ支軸38に対し斜板22側へ離間して配置されたウェイト部39と、アーム37の他方の端部に設けられ支軸38に対し回転軸17側へ離間して配置された当接部40と、支軸38を介してアーム37とラグプレート21の間に装着されて当接部40を斜板22と反対方向に付勢する付勢部材としての捩りばね41とで構成されている。
可動部材36は、ヒンジ機構23等の周辺部材と干渉しない位置に設けられている。
ウェイト部39は、アーム37の端部に比重の大きい金属性のウェイトが取り付けられた形状を有している。
当接部40は、ラグプレート21とコイルスプリング24との間に介装されたプレート部材35の前側の面に当接可能に配置されている。
捩りばね41は、巻線部が支軸38に嵌め込まれ、直線状の一方の腕部がアーム37に係止され、他方の腕部はラグプレート21に係止されている。
可動部材36は、回転軸17の回転に基づく遠心力を受け、支軸38を支点として回転軸17の軸方向へ傾動可能とされている。即ち、図2において、回転軸17が高速で回転されると、ラグプレート21もそれに同期して高速回転し、可動部材36に設けられたウェイト部39には外向きの遠心力が作用する。そして、当接部40を斜板22と反対方向に付勢する捩りばね41の付勢力に打ち勝つほどに遠心力が強くなると、ウェイト部39は支軸38を支点として矢印方向に回動し、同時に、当接部40が斜板22側に接近するように傾動する。このため、当接部40と当接しているプレート部材35は後方に押圧され、コイルスプリング24のバネ荷重が上昇し、斜板22の傾斜角は減少する方向に付勢され、圧縮機10の吐出容量が規制される。尚、図2において、実線で示す可動部材36は、傾動する前の状態を示し、二点鎖線で示す可動部材36は、遠心力が作用して傾動した時の状態を示している。
ところで、斜板22の傾斜角が最大傾斜角位置近傍の大傾斜角位置にある高容量運転時において、圧縮機10が高速回転された場合に、ピストン28に作用する慣性力は増大し、この慣性力の作用で斜板22は傾斜角が増加する方向に大きな力を受ける。しかし、ウェイト部39に遠心力が作用し、当接部40がプレート部材35を後方へ押圧しコイルスプリング24のバネ荷重が上昇されることにより、斜板22の傾斜角は減少する方向に付勢されるので、慣性力による斜板22の傾斜角を増加させる方向のモーメントが打ち消され、斜板22の傾斜角は、更に減少する方向に付勢されて圧縮機10の吐出容量が規制される。
斜板22の傾斜角を規制する回転数は、ウェイト部39の重量、形状、捩りばね41のバネ定数、及びコイルスプリング24のバネ定数などによって任意に設定可能となっている。
尚、図3で示される可動部材36の状態は、ウェイト部39に遠心力が作用し、ウェイト部39は支軸38を支点として捩りばね41の付勢力に抗して回転軸17より遠ざかる方向に回動した状態を示している。
次に、以上の構成を有する圧縮機10の作用について説明する。
回転軸17の駆動に伴い、所定の傾斜角で斜板22が回転すると、斜板22と連結されたピストン28は、シリンダボア12a内で前後方向へ往復運動を行う。これにより、吸入室32より圧縮室30内に冷媒ガスが吸入され、冷媒ガスは圧縮されたのち吐出室33へ吐出される。
斜板22の傾斜角は、容量制御弁34によりピストン28を挟んだクランク室16内と圧縮室30内の圧力の差が変更されることにより制御されている。
例えば、容量制御弁34の弁開度が小さくなるように制御されると、吐出室33からクランク室16に導入される高圧の冷媒ガスの導入量が少なくなることにより、クランク室16内の圧力は低下して来て、斜板22の傾斜角は増大し、圧縮機10の吐出容量が大きくなる。
一方、容量制御弁34の弁開度が大きくなるように制御されると、吐出室33からクランク室16に導入される高圧の冷媒ガスの導入量が多くなることにより、クランク室16内の圧力は上昇し、これに伴い斜板22の傾斜角は減少し、圧縮機10の吐出容量が小さくなる。
ところで、可動部材36は、回転軸17の回転に基づく遠心力を受ける。
図4(a)に示されるように、回転軸17の中心軸線lとウェイト部39の中心間距離(回転半径)をrとし、ウェイト部39の質量をmとし、回転軸17の回転角速度をωとすれば、ウェイト部39に作用する遠心力F1は、F1=mrω*ωとなり、質量mと回転半径rと角速度ωの二乗に比例し回転軸17より遠ざかる方向に作用する。特に、回転軸17の回転角速度ωの影響を大きく受け、回転速度が高くなるほど遠心力F1は飛躍的に増大する。
一方、当接部40を斜板22と反対方向に付勢する捩りばね41の付勢力をF2とすれば、この付勢力F2はウェイト部39においては、回転軸17に向かう方向に作用する付勢力F2となる。また、当接部40には、プレート部材35を介してコイルスプリング24による付勢力F3が斜板22と反対方向に作用している。この付勢力F3はウェイト部39においては、回転軸17に向かう方向に作用する付勢力F3となる。
従って、この付勢力F2+F3に打ち勝つ遠心力F1が作用すると、即ち、F1−F2―F3>0となると、図4(b)に示すように、ウェイト部39は支軸38を支点として矢印方向に回動し、同時に、当接部40が斜板22側に接近するように傾動する。そのため、プレート部材35は後方に押圧されるが、その変位量をΔlとすれば、コイルスプリング24は変位量Δlだけ圧縮されて、その分だけバネ荷重が上昇することになる。
さて、斜板22には、往復運動するピストン28の慣性力に基づいて、傾斜角を増大させる方向のモーメントが作用している。斜板22の傾斜角の決定には、クランク室16と圧縮室30との圧力差及びコイルスプリング24による付勢力以外に、ピストン28の慣性力に基づくモーメントが大きな影響を与えている。
例えば、図5(a)に示すように、斜板22の傾斜角が最大傾斜角位置近傍の大傾斜角位置にある高容量運転時と、図5(b)に示すように、斜板22の傾斜角が最小傾斜角位置近傍の小傾斜角位置にある低容量運転時とを比較すると、高容量運転時の方がピストン28の往復動によるストロークは大きくなり、ピストン28に作用する慣性力F4も大きくなる。この慣性力F4に基づいて、斜板22の傾斜角を増大させる方向のモーメントMが斜板22に対して作用されている。このモーメントMの大きさは、ピストン28に作用する慣性力F4に比例して大きくなり、回転軸17の回転速度が高くなり、ピストン28が大きなストロークで、且つ高速度で往復運動されるときに、最も大きくなる。このモーメントMにより、斜板22は傾斜角が増加する方向に力を受ける。
図5(a)に示す高容量運転時において、回転軸17が高速回転された場合に、ピストン28に作用する慣性力F4は増大し、この慣性力F4の作用で斜板22は傾斜角が増加する方向に大きな力を受ける。しかし、ウェイト部39に遠心力F1が作用し、当接部40がプレート部材35を後方へ押圧し、コイルスプリング24が変位量Δlだけ圧縮されることにより、コイルスプリング24のバネ荷重が上昇されるので、斜板22の傾斜角は減少する方向に付勢される。(この時、コイルスプリング24の作用長さをh1とする。)この場合には、遠心力F1による斜板22の傾斜角を減少する方向の付勢力F5が、慣性力F4による斜板22の傾斜角を増加する方向のモーメントMよりも大きく設定されているために、斜板22の傾斜角は減少する方向に傾動され、圧縮機10の吐出容量が規制される。従って、高速回転時に高容量運転とならないように、斜板22の傾斜角を規制することができる。
一方、図5(b)に示す低容量運転時においては、回転軸17が高速回転された場合に、ピストン28に作用する慣性力F4はピストン28のストロークが小さいのでそれ程大きくはならず、この慣性力F4の作用による斜板22の傾斜角を増加させる方向のモーメントMも小さい。
また、ウェイト部39に遠心力F1が作用し、当接部40がプレート部材35を後方へ押圧し、コイルスプリング24が変位量Δlだけ変位しても、コイルスプリング24の作用長さh2が大きい(h2>h1)ので、コイルスプリング24のバネ荷重が上昇される度合は小さく、斜板22の傾斜角を減少する方向に付勢する付勢力F5は小さいことになる。よって、低容量運転時には高速回転となっても、斜板22の傾斜角に与える影響は、非常に小さい。
この実施形態に係る圧縮機10によれば以下の効果を奏する。
(1)ラグプレート21の斜板22側の面には、可動部材36が設けられており、可動部材36はアーム37と、支軸38と、ウェイト部39と、当接部40と、捩りばね41とで構成されている。可動部材36は、回転軸17の回転に基づく遠心力を受け、支軸38を支点として回転軸17の軸方向へ傾動可能とされているので、回転軸17が高速で回転されると、ラグプレート21もそれに同期して高速回転し、可動部材36に設けられたウェイト部39には外向きの遠心力が作用する。そして、当接部40を斜板22と反対方向に付勢する捩りばね41の付勢力に打ち勝つほどに遠心力が強くなると、ウェイト部39は支軸38を支点として回転軸17より遠ざかる方向に回動し、同時に、当接部40が斜板22側に接近するように傾動する。このため、当接部40と当接しているプレート部材35は後方に押圧され、コイルスプリング24のバネ荷重が上昇し、斜板22の傾斜角は減少する方向に付勢されることにより、圧縮機10の吐出容量を規制することができる。
(2)高容量運転時において、回転軸17が高速回転された場合に、ピストン28に作用する慣性力F4は増大し、この慣性力F4の作用で斜板22は傾斜角が増加する方向に大きな力を受ける。しかし、ウェイト部39に遠心力F1が作用し、当接部40がプレート部材35を後方へ押圧し、コイルスプリング24が変位量Δlだけ圧縮されることにより、コイルスプリング24のバネ荷重が上昇されるので、斜板22の傾斜角は減少する方向に付勢される。ところで、遠心力F1による斜板22の傾斜角を減少する方向の付勢力F5が、慣性力F4による斜板22の傾斜角を増加する方向のモーメントMよりも大きく設定されているために、斜板22の傾斜角は減少する方向に傾動され、圧縮機10の吐出容量が規制される。従って、高速回転時に高容量運転とならないように、斜板22の傾斜角を規制することができ、冷房フィーリングの悪化や、圧縮機10の破損を防止できる。
(3)可動部材36などの機械的な規制手段を設けるだけで、高回転時における高容量運転を防止することができ、センサの設置や制御プログラムの変更等システムの大幅な変更が不必要なので、工数及びコスト面で有利である。
(4)可動部材36の当接部40をラグプレート21とコイルスプリング24との間に介装されたプレート部材35に当接配置させることにより、可動部材36の遠心力による傾動をプレート部材35を介してコイルスプリング24に伝達させることができる。
(5)可動部材36は回転軸17を挟んで対称となる位置に2個設けられているので、可動部材が1個設けられている場合と比較して、プレート部材35を確実に後方に移動させることができる。
(6)容量規制が行われる回転数は、ウェイト部39の質量mや回転半径r、捩りばね41のバネ定数、及びコイルスプリング24のバネ定数などにより任意に設定可能である。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 本発明の実施形態では、可動部材36は回転軸17を挟んで対称となる位置に2個設けられているとして説明したが、回転軸17を挟んで対称となる位置に3個以上設けても構わない。
○ 本発明の実施形態では、当接部40をラグプレート21とコイルスプリング24との間に介装されたプレート部材35に当接させるとして説明したが斜板22のラグプレート21側に突出し、最大容量運転時における斜板22の傾斜角の規制を行う突出部に当接配置させても良い。この場合には、遠心力が作用し当接部40が斜板22側に傾動したときには、当接部40は斜板22の突出部を押圧することにより、斜板22は最大傾斜角が減少する方向に傾動され、最大吐出容量を規制することが可能である。
○ 本発明の実施形態では、プレート部材35として円板状であったが、プレート部材35の形状は、多角形形状などどのような形状でもよい。
本発明の実施形態に係る圧縮機の全体構成を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係る圧縮機の最大傾斜角時における要部拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る可動部材の全体形状を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る可動部材の動作を説明するための説明図である。(a)可動部材が傾動する前の状態。(b)可動部材に遠心力が作用し傾動した時の状態。 本発明の実施形態に係る可動部材の傾動と、ピストンに作用する慣性力の関係を説明するための説明図である。
符号の説明
10 圧縮機
12 シリンダブロック
17 回転軸
22 斜板
24 コイルスプリング
35 プレート部材
36 可動部材
38 支軸
39 ウェイト部
40 当接部
41 捩りばね
l 回転軸の中心軸線
F1 遠心力

Claims (3)

  1. シリンダブロックの中心部に回転可能に軸支された回転軸と、該回転軸に固定された回転体と、前記回転体と同期回転し、かつ前記回転軸の中心軸線と直交する平面に対する傾斜角が変化可能に支持された斜板と、前記回転体と前記斜板の間に装着され、前記斜板の傾斜角を減少方向へ付勢する傾斜角減少ばねと、を備えた可変容量型斜板式圧縮機において、
    前記回転体の斜板側の面に、前記回転軸の回転に基づく遠心力を受け、支軸を支点として前記回転軸の軸方向へ傾動可能とされた可動部材を設け、
    前記可動部材は、前記支軸に対し前記斜板側へ離間して配置されたウェイト部と、前記支軸に対し前記回転軸側へ離間して配置され、前記可動部材の傾動に伴い前記斜板側に接近して前記斜板の傾斜角を規制する当接部とを有し、
    前記当接部を前記斜板と反対方向に付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 前記当接部は、前記回転体と前記傾斜角減少ばねとの間に介装されたプレートに当接可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  3. 前記当接部は、前記斜板の前記回転体側に突出し、前記可変容量型斜板式圧縮機の最大容量運転時における前記斜板の傾斜角の規制を行う突出部に当接可能に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014194178A (ja) * 2013-03-29 2014-10-09 Toyota Industries Corp 容量可変型斜板式圧縮機
WO2018216420A1 (ja) * 2017-05-22 2018-11-29 Ntn株式会社 可変容量オイルポンプ

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