JP2006009627A - 可変容量圧縮機 - Google Patents

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Masaki Ota
太田  雅樹
Masanori Sonobe
正法 園部
Masaya Sakamoto
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Abstract

【課題】 カムプレートがラグプレートに対してガタつくことを抑制するヒンジ機構を有した可変容量圧縮機を提供すること。
【解決手段】 可変容量圧縮機において、ラグプレート17と斜板18とはヒンジ機構19を介して連結されている。ヒンジ機構19において、ラグプレート17側の第1ヒンジ部19Aには規制面43が、斜板18側の第2ヒンジ部19Bには規制面43に対向する被規制面44がそれぞれ設けられている。第1ヒンジ部19Aと第2ヒンジ部19Bとの間には、バネ48が介在されている。バネ48は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カムプレートの傾斜角度を変更することで吐出容量を変更する可変容量圧縮機に関する。
例えば、車両空調装置の冷媒循環回路においては、冷媒圧縮機として可変容量圧縮機を用いることが一般に実施されている。可変容量圧縮機としては、駆動軸、ラグプレート、斜板、ヒンジ機構、ピストン等によって構成されたものが存在する。各構成要素は、一般的に次のように結合されている。駆動軸は、車両のエンジンによって回転駆動されるように、エンジンの出力軸と接続されている。駆動軸にはラグプレートが一体回転可能に固定されている。駆動軸には斜板が支持されている。斜板は、駆動軸に対する傾斜角度が変更可能とされている。ラグプレートと斜板との間にはヒンジ機構が介在されている。斜板にはピストンが連結されている。
上記可変容量圧縮機は、以上のような構成を備えているため、駆動軸の回転力がラグプレート及びヒンジ機構を介して斜板に伝達され、ピストンが往復運動されて冷媒ガスの圧縮が行われる。また、ヒンジ機構の案内によって斜板の傾斜角度を変更することで、ピストンのストロークを変更することができ、これにより可変容量圧縮機の吐出容量を変更可能となっている。
また、可変容量圧縮機としては、エンジンと駆動軸との間の動力伝達機構にクラッチを設けず、エンジンからの動力が常時伝達される(クラッチレス機構を備えた)、いわゆるクラッチレスタイプのものが存在する。つまり、クラッチレスタイプの可変容量圧縮機は、エンジンの稼働時には、該エンジンによって駆動軸が常時回転駆動される。したがって、車両空調装置は、冷房不要時等においては可変容量圧縮機の吐出容量を最小化して、冷媒循環回路の冷媒循環を停止させる。冷媒循環回路の冷媒循環停止を確実とするために、クラッチレスタイプの可変容量圧縮機は、例えば動力伝達機構にクラッチを設けた可変容量圧縮機と比較して、最小吐出容量がゼロ又はゼロ近傍の極低い値に設定される。
さて、可変容量圧縮機に用いられるヒンジ機構としては、例えば特許文献1に開示されたような従来技術が提案されている。この従来技術に係るヒンジ機構は、図16に示すように、斜板101におけるラグプレート(スラストフランジ)102側の端面に、両端部に球状部103aを有するリンクピン103が設けられている。また、このヒンジ機構は、ラグプレート102における斜板101側の端面に、各球状部103aを案内するガイド溝102aがそれぞれ形成されている。
このような構成を備えたヒンジ機構では、ラグプレート102から斜板101への回転力の伝達は、駆動軸の回転方向Rの後側(図面右側)に位置するガイド溝102aの内面から、同じく回転方向Rの後側に位置する球状部103aへと行われる。また、斜板101の傾斜角度の変更は、リンクピン103の各球状部103aが各ガイド溝102aの内面を摺動することで案内されて行われる。
特開2001−289159号公報(第3図)
ところが、図16に示すヒンジ機構においては、製造公差等に起因して、リンクピン103の球状部103aとガイド溝102aの内面との間に隙間が存在する。この隙間が、ラグプレート102に対する斜板101の一定範囲での相対移動(例えば相対回転や駆動軸の軸線に沿う方向へのスライド移動)を許容してしまう。
ここで、例えば、可変容量圧縮機の吐出容量が低い場合には、ピストンを介して斜板101に作用する圧縮反力Xが小さくなり、ガイド溝102aの内面に対する球状部103aの押付け力が小さくなる。この状態で、例えば、前記駆動軸がエンジンのトルク変動の影響を受けたり、可変容量圧縮機が車両の走行振動の影響を受けたりすると、前述したリンクピン103とガイド溝102aとの間における隙間の存在によって、斜板101がラグプレート102に対して振動する(いわゆるガタつく)場合がある。このように斜板101がガタつくことによって、例えば、ガイド溝102aの内面に対して球状部103aが衝突してしまったり、この衝突によってさらに異音や振動等を発生してしまったりする問題が指摘されていた。
特に、クラッチレスタイプの可変容量圧縮機において吐出容量が最小化された状態では、斜板101に作用する圧縮反力Xが極小さくなるため、斜板101のガタつきが発生する可能性が極めて高くなっていた。
本発明の目的は、カムプレートがラグプレートに対してガタつくことを抑制するヒンジ機構を有した可変容量圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係る可変容量圧縮機は、ラグプレート側の第1ヒンジ部には規制面が設けられ、カムプレート側の第2ヒンジ部には規制面に対向する被規制面が設けられ、第1ヒンジ部と第2ヒンジ部との間にはバネが介在され、該バネは、規制面と被規制面とが近接する方向へ第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部を付勢することを特徴としている。
したがって、バネの付勢力によって、規制面と被規制面とが押し合う状態(少なくとも両面がほぼ常時接する状態)をもたらすことができる。そのため、規制面と被規制面とが離間する方向へ、第1ヒンジ部と第2ヒンジ部とが相対移動することを抑制可能となる。よって、例えば、規制面と被規制面とが接離する方向へのラグプレートに対するカムプレートのガタつきを抑制することができる。
上記可変容量圧縮機は、バネが、第1ヒンジ部及び第2ヒンジ部のうちの一方のヒンジ部によって支持され、一方のヒンジ部には、バネが当接するバネ座面が設けられ、かつ、可動部材が備えられ、他方のヒンジ部には、バネの付勢力を受けるバネ付勢力受承面が設けられており、可動部材は、バネ座面とバネ付勢力受承面との間に配置され、一方のヒンジ部が設けられたラグプレート又はカムプレートによって、バネ座面に対して接離する方向へ移動可能に支持され、バネは、可動部材とバネ座面との間に介在されて、可動部材をバネ付勢力受承面に近接する方向へ向けて付勢する可変容量圧縮機としてもよい。
つまり、バネは、他方のヒンジ部のバネ付勢力受承面に対して、可動部材を介して当接されている。したがって、カムプレートが駆動軸に対する傾斜角度を変更する際において、バネが他方のヒンジ部のバネ付勢力受承面と直接的に摺動することはない。よって、カムプレートの傾斜角度の変更にともなうバネの摩耗や劣化を抑制することが可能となる。また、バネ作用を奏しなくともよい可動部材は、例えばバネをバネ付勢力受承面に対して直接当接させる構成と比較して、バネ付勢力受承面との接触摺動性を良好とする設計が容易である。したがって、カムプレートの傾斜角度の変更がスムーズに行われ、可変容量圧縮機の容量制御性を向上させることが可能となる。
上記可変容量圧縮機は、規制面と被規制面、及びバネ座面とバネ付勢力受承面が、それぞれ駆動軸の回転方向の前後で対向して配置され、ヒンジ機構によるラグプレートからカムプレートへの回転力の伝達が、バネ座面とバネ付勢力受承面との間において、可動部材及びバネを介して行われる可変容量圧縮機としてもよい。
このようにすれば、例えば、何らかの理由によって、バネ座面とバネ付勢力受承面とが初期状態から(設定状態から)互いに傾いた場合でも、該傾きに応じてバネが追従変形する。そのため、バネに支持された可動部材をバネ付勢力受承面に対して安定した姿勢で当接させることが可能となる。よって、ラグプレートからカムプレートへの回転力の伝達を安定して行うことができ、回転力の伝達に起因したバネ付勢力受承面及び可動部材の摩耗や劣化を抑制することができる。また、バネ付勢力受承面に対する可動部材の当接姿勢が安定することで、カムプレートが駆動軸に対する傾斜角度を変更する際における、バネ付勢力受承面と可動部材との接触摺動性を良好とすることができる。したがって、例えばバネ付勢力受承面及び可動部材の摩耗や劣化を抑制することが可能となる。
上記可変容量圧縮機は、一方のヒンジ部にリンクピンが備えられ、リンクピンの第1端部には可動部材が支持され、リンクピンの第2端部には、ピストンを介してカムプレートに作用する圧縮反力を前記ラグプレートへと伝達するための圧縮反力伝達部が設けられている可変容量圧縮機としてもよい。
このようにすれば、ヒンジ機構は、可動部材を支持するための部材と圧縮反力伝達部を設けるための部材とを別に備える必要がない。したがって、例えばヒンジ機構の構成を簡素化することができる。
上記可変容量圧縮機は、可動部材が、円柱状をなすとともにその端面においてバネ付勢力受承面に対して当接し、他方のヒンジ部に、カムプレートが傾斜角度を変更する際に可動部材の外周面が摺動するカム面が設けられ、可動部材が、一方のヒンジ部が設けられたラグプレート又はカムプレートによって、自身の円柱中心軸線を中心として回動可能に支持されている可変容量圧縮機としてもよい。
このようにすれば、カムプレートが駆動軸に対する傾斜角度を変更する際において、可動部材がカム面上を転動するため、可動部材の外周面とカム面との間に生じる抵抗を転がり抵抗とすることができる。したがって、例えばカムプレートの傾斜角度の変更をスムーズに行うことが可能となる。よって、例えば、可変容量圧縮機の容量制御性を向上させることが可能となるし、カム面との摺動に起因した可動部材の摩耗や劣化を軽減することが可能となる。
上記発明によれば、カムプレートがラグプレートに対してガタつくことを抑制できる。したがって、例えばカムプレートのガタつきに起因した可変容量圧縮機からの異音や振動の発生を抑制することが可能となる。
以下、本発明の可変容量圧縮機を、車両空調装置の冷媒循環回路に用いられる可変容量圧縮機に具体化して説明する。まず、第1の実施形態に係る可変容量圧縮機について説明する。
○第1実施形態
図3は、可変容量圧縮機(以下、単に「圧縮機」と表記する)10の縦断面図である。図3に示すように、圧縮機10のハウジングは、シリンダブロック11と、シリンダブロック11の一端(図面左端)に接合固定されたフロントハウジング12と、シリンダブロック11の他端(図面右端)に弁・ポート形成体13を介して接合固定されたリヤハウジング14とを備えている。なお、図3において左方(フロントハウジング12側)を圧縮機10の前方と適宜表記し、右方(リヤハウジング14側)を圧縮機10の後方と適宜表記する。
フロントハウジング12の内壁とシリンダブロック11とで区画された空間はクランク室15を構成している。駆動軸16は、一端(前端)がフロントハウジング12によって回転可能に支持され、他端(後端)がシリンダブロック11によって回転可能に支持されている。駆動軸16は、圧縮機10のハウジング内において圧縮機10の前後方向に延在しており、クランク室15を通るように配置されている。
駆動軸16は、動力伝達機構PTを介して、車両の走行駆動源であるエンジン(内燃機関)Eの図示しない出力軸に連結されている。動力伝達機構PTは、外部からの電気制御によって動力の伝達/遮断を選択可能なクラッチ機構(例えば電磁クラッチ)であってもよく、または、そのようなクラッチ機構を持たない常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト/プーリの組合せ)であってもよい。本実施形態では、クラッチレス機構からなる動力伝達機構PTが採用されている。したがって、駆動軸16は、エンジンEの稼働時においては、エンジンEから動力の供給を常時受けて、矢印Rの方向に軸線Tを中心として回転する。
クランク室15内において駆動軸16には、実質的に円盤状をなすラグプレート17が一体回転可能に固定されている。駆動軸16は、ラグプレート17の略中央部を貫通している。クランク室15内には、実質的に円盤状をなす、カムプレートとしての斜板18が収容されている。斜板18の略中央部に形成された挿通孔18aには、駆動軸16が挿通されている。ラグプレート17と斜板18とは、ヒンジ機構19を介して連結されている。
斜板18は、以上のように、ヒンジ機構19を介してラグプレート17と連結し、また、挿通孔18aを介して駆動軸16に支持されているため、ラグプレート17及び駆動軸16と同期回転する。また、斜板18は、ヒンジ機構19がヒンジ作用を奏し得ることと、自身が駆動軸16の軸線Tに沿う方向への移動が可能であることとにより、駆動軸16に対する傾斜角度を変更することができる。なお、駆動軸16に対する斜板18の傾斜角度とは、具体的には、斜板18が駆動軸16の軸線Tと直交する仮想平面(図示しない)との間でなす角度のことである。
シリンダブロック11において駆動軸16の軸線T周りには、複数(図面には一つのみ示す)のシリンダボア27が略等角度間隔で形成されている。各シリンダボア27は、シリンダブロック11においてフロントハウジング12側の端面(前端面)からリヤハウジング14側の端面(後端面)へと貫通されている。片頭型のピストン28は、その一部(後端部(リヤハウジング14側の端部)であっていわゆる頭部と呼ばれる部分)が各シリンダボア27内に収容されている。各ピストン28は、弁・ポート形成体13の前端面(シリンダブロック11側の端面)に対して接離する方向へスライド移動可能なように、シリンダボア27つまりシリンダブロック11によって保持されている。
シリンダボア27の両開口は、弁・ポート形成体13の前端面及びピストン28によって閉塞されている。このようにシリンダボア27には閉塞された空間が存在するが、この空間は特に圧縮室29と表記される。圧縮室29は、シリンダボア27内において前記したように閉塞されて区画された空間であり、シリンダボア27に対するピストン28の相対的なスライド移動に応じて容積が変化する。
各ピストン28は、それぞれ半球状をなす一対のシュー30を介して斜板18の外周部に連結されている。この一対のシュー30は曲率中心点を同じとする。斜板18の回転運動は、シュー30を介してピストン28の往復運動(往復スライド移動の反復)に変換される。つまり、斜板18が駆動軸16の軸線Tに対して傾いている場合には、各ピストン28に保持されたシュー30の曲率中心点は、斜板18の回転に伴って弁・ポート形成体13の前端面との距離が変動する。したがって、シュー30を介して斜板18に繋がれたピストン28も、弁・ポート形成体13の前端面に対して接離する方向つまり圧縮室29の容積を変動させる方向へ往復運動する。
弁・ポート形成体13の後端面とリヤハウジング14の内側(内面)とによって、吸入室31及び吐出室40がそれぞれ区画されている。弁・ポート形成体13には、圧縮室29と吸入室31とを冷媒の流通が可能なように接続するための吸入ポート32、及びこの吸入ポート32を開閉するための吸入弁33が、各シリンダボア27に対応してそれぞれ設けられている。また、弁・ポート形成体13には、圧縮室29と吐出室40とを冷媒の流通が可能なように接続するための吐出ポート34、及びこの吐出ポート34を開閉するための吐出弁35が、各シリンダボア27に対応してそれぞれ設けられている。
吸入室31内の冷媒(例えば二酸化炭素)ガスは、各ピストン28の上死点位置から下死点位置側への移動により、吸入ポート32及び開放状態にある吸入弁33を介して圧縮室29へと吸入される。圧縮室29に吸入された冷媒ガスは、ピストン28の下死点位置から上死点位置側への移動により所定の圧力にまで圧縮された後、吐出ポート34及び開放状態にある吐出弁35を介して吐出室40へと吐出される。
圧縮機10のハウジングには、抽気通路36、給気通路37並びに制御弁38が設けられている。抽気通路36は、クランク室15と吸入室31とを冷媒の流通が可能なように接続する通路である。給気通路37は、吐出室40とクランク室15とを冷媒の流通が可能なように接続する通路である。給気通路37の途中には、電磁駆動構成つまり外部から電気制御可能な構成を備えた周知の制御弁38が配設されている。
制御弁38は、その開度を調節することで、給気通路37を介してクランク室15へ導入する吐出室40の冷媒ガス(高圧冷媒ガス)の量と、抽気通路36を介してクランク室15から吸入室31へ導出される冷媒ガスの量とのバランスを制御し、クランク室15の内圧を決定する。このようにして変更されたクランク室15の内圧に応じて、クランク室15の内圧と圧縮室29の内圧との(ピストン28を介した)差が変更され、ピストン28が斜板18を押す力が変わり、斜板18の傾斜角度が変更される。その結果、ピストン28のストローク、すなわち圧縮機10の吐出容量が調節される。圧縮機10の吐出容量は、具体的には次のように制御される。
クランク室15の内圧を低下させると斜板18の傾斜角度が増大し、ピストン28のストロークが増大し、圧縮機10の吐出容量が増大する。クランク室15の内圧を上昇させると斜板18の傾斜角度が減少し、ピストン28のストロークが減少し、圧縮機10の吐出容量が減少する。なお、斜板18の最小傾斜角度は、ゼロ又はゼロ近傍の極小さい角度(例えば約0°〜約3°)に設定されている。
次に、ヒンジ機構19について説明する。
まず、一方のヒンジ部たる斜板18側の第2ヒンジ部19Bについて説明する。
図1〜図4に示すように、斜板18においてラグプレート17側の面には、上死点対応位置TDC付近に、支持部20がラグプレート17側に向かって突設されている。なお、上死点対応位置TDCとは、斜板18においてピストン28を上死点に位置させる部位のことである。上死点対応位置TDCは、「上死点に位置するピストン28を斜板18に連結しているシュー30の曲率中心点」と言い換えることもできる。
図1及び図2に示すように、支持部20には、軸線Tと概略平行な平面(側面)が設けられ、当該平面はバネ座面42をなしている。バネ座面42は、回転方向Rの後側に向かって配置されている。支持部20には、その突出方向(バネ座面42が存する平面と概略平行な平面)と直交する方向に(斜板18におけるラグプレート17側の面が構成する平面若しくは仮想平面上の直線に沿って)挿通孔20aが貫通されている。したがって、挿通孔20aの一端は、バネ座面42に設けられている。
挿通孔20a内には、円柱状のリンクピン21が圧入等の手法を用いて入れられており、したがってリンクピン21は支持部20に固定されている。リンクピン21の一端部(第1端部)21aは、バネ座面42から支持部20の外へと突出されている。リンクピン21の他端部(第2端部)は「21b」と表記する。また、端部とは、端面を含む部分のことであって、少なくとも他の端部を含まない部位、一般には、(本例ではリンクピン21の)中央部よりも上記端面側の部分の一部若しくは全部のことをいう。
リンクピン21の第2端部21bの外周面には、円筒状のローラ22が回動可能に支持されている。ローラ22の内周面と、リンクピン21において第2端部21bの外周面との間には、軸受46が介在されている。軸受46にはプレーンベアリング(滑り軸受)が用いられている。軸受46は、ローラ22のリンクピン21に対する回動を滑らかとする。リンクピン21の第2端部21bにおけるローラ22から突出している部分には、サークリップ26が装着されている。サークリップ26は、ローラ22がリンクピン21の第2端部21b側から抜けることを防止する。
リンクピン21において第1端部21aの外側には、可動部材としての可動筒23が、リンクピン21に対してスライド移動及び回動することができるように(動きの余裕を持って)支持されている。可動筒23は、リンクピン21が挿入されるための円柱状の穴を有し、リンクピン21が貫通しないように底(蓋)が設けられている。つまり、可動筒23は、円柱状としての有底(有蓋)円筒状をなしている。支持部20において可動筒23とローラ22は、斜板18の上死点対応位置TDCを回転方向Rの前後に跨いで配置されている。可動筒23は、その端面たる外底面23a(リンクピン21の中心軸線Pと直交する面であって、リンクピン21とは対向していない面/外側に設けられた底面)を回転方向Rの後側に向けた状態で配置されている。つまり、可動筒23は、リンクピン21の第1端部21aの端面並びに、第1端部21aの一部若しくは全部を覆うように設けられている。
前記したように、可動筒23は、リンクピン21の第1端部21a側において、リンクピン21の中心軸線Pを中心として回動可能である。つまり、可動筒23は、リンクピン21を介することで、第2ヒンジ部19Bが設けられた斜板18によって回転可能に支持されている。また、可動筒23は、自身の円柱中心軸線たるリンクピン21の中心軸線Pに沿う方向へ、リンクピン21上をスライド移動可能である。つまり、可動筒23は、リンクピン21を介することで、第2ヒンジ部19Bが設けられた斜板18によって、バネ座面42に対して接離する方向へ移動可能に支持されている。
以上のように、第2ヒンジ部19Bは、支持部20、リンクピン21、ローラ22及び可動筒23等によって構成されている。
次に、他方のヒンジ部たるラグプレート17側の第1ヒンジ部19Aについて説明する。
図1及び図4に示すように、ラグプレート17における斜板18側の面には、可動筒23を案内するための(リンクピン21の中心軸線Pと概略平行な方向への移動(摺動)を可能にするための)第1カム部24が突設されている。第1カム部24の基部(ラグプレート17との接続部並びに当該部近傍)において支持部20寄り(リンクピン21が配置されている側)の部分には、カム面としての第1カム面24aが斜板18側に向かって設けられている。第1カム面24aには、可動筒23の外周面23bの一部が当接されている。第1カム面24aは、駆動軸16に近づくに連れてシリンダブロック11に近づくように傾斜されている。
第1カム部24におけるリンクピン21側の面(回転方向Rの前側に向かう平面状の側面)は、バネ付勢力受承面41を構成している。バネ付勢力受承面41と支持部20のバネ座面42とは、回転方向Rの前後で対向している。バネ付勢力受承面41には、可動筒23の外底面23aが当接されている。
ラグプレート17における斜板18側には、ローラ22を案内するための(リンクピン21の中心軸線Pと概略平行な方向への移動(摺動)を可能にするための)第2カム部25が突設されている。第2カム部25における斜板18と対向する面は、第2カム面25aとされている。ローラ22の外周面22aの一部は、第2カム面25aに当接されている。第2カム面25aは、駆動軸16に近づくに連れてシリンダブロック11に近づくように傾斜されている。
以上のように、第1ヒンジ部19Aは、第1カム部24及び第2カム部25等によって構成されている。
次に、第1ヒンジ部19Aと第2ヒンジ部19Bとの連結構成について説明する。
支持部20の先端においてローラ22寄りの部分には、ラグプレート17に向かって面形成用突部20bが突設されている。面形成用突部20bにおいて、第2カム部25の(好ましくは平面状の)側面は、被規制面44をなしている。第2カム部25において、支持部20側の(好ましくは平面状の)側面は、規制面43をなしている。つまり、規制面43と被規制面44は、回転方向Rの前後で対向するように配置されている。したがって、規制面43と被規制面44、及び前記したバネ付勢力受承面41とバネ座面42とは、次のような関係を有する。
例えば、斜板18が、図1の状態から、ラグプレート17に対して回転方向Rとは逆方向へ相対回転したとする。そうすると、バネ付勢力受承面41とバネ座面42とが近接するし、また、規制面43と被規制面44とが離間する。この状態から、斜板18が、ラグプレート17に対して回転方向Rへ相対回転したとする。そうすると、バネ付勢力受承面41とバネ座面42とが離間し、また、規制面43と被規制面44とが近接ひいては当接する。規制面43と被規制面44とが当接した状態では、ラグプレート17と斜板18との一方向(規制面43と被規制面44とが近接する方向)への相対回転が規制される。
さて、第1ヒンジ部19Aと第2ヒンジ部19Bとの間には、バネ48が介在されている。より詳細に説明すると、図1や図2に示すように、バネ48は、第1ヒンジ部19Aのバネ付勢力受承面41と第2ヒンジ部19Bのバネ座面42との間において、バネ座面42と可動筒23との間に配置されている。バネ48は、リンクピン21の周りに巻かれ、かつ、バネ座面42と可動筒23の開口端面23cとに端部がそれぞれ当接するように配置されたコイルバネで構成されている。可動筒23の開口端面23cは、バネ座面42に対向する面であり、より詳細にはこの面における、リンクピン21の第1端部21aが挿入された穴を除いた部分のことである。このように、バネ48は、第2ヒンジ部19Bによって支持されている。つまり、バネ48は、斜板18が傾斜角度を変更する際には、第2ヒンジ部19Bとともに駆動軸16に対して接離する方向へ移動する。
バネ48は、可動筒23をバネ付勢力受承面41に押し付ける機能を有する。言い換えれば、バネ48は、可動筒23をバネ座面42から離間させる方向へ押す(付勢する)機能を有する。つまり、バネ48は、可動筒23と支持部20とをリンクピン21の中心軸線Pに沿って離すように働く(付勢する)。したがって、バネ48の働く力(付勢力)は、最終的にバネ付勢力受承面41及びバネ座面42に働く(作用する)。その結果として、バネ48は、規制面43と被規制面44とが近接する(押し合う)方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。
次に、ヒンジ機構19の作用について説明する。
ヒンジ機構19において、ラグプレート17から斜板18への回転力の伝達は、第1カム部24のバネ付勢力受承面41から可動筒23の外底面23aへと行われる。可動筒23に伝達された回転力は、可動筒23の開口端面23cからバネ48を介して支持部20のバネ座面42へと伝達される。また、斜板18には、圧縮行程にあるピストン28を介して、圧縮反力(図1においては理解を容易とするために該圧縮反力の荷重中心を矢印Xで示す)が駆動軸16の周りで偏作用されている(ピストン28と接続する部位ごとに異なる大きさの力(圧縮反力)が働いている)。斜板18に偏作用する圧縮反力Xは、主として、圧縮反力伝達部たるローラ22を介して、第2カム部25の第2カム面25aによって受承される。
圧縮機10の吐出容量を増大するには斜板18の傾斜角度を増大する必要があるが、その場合には、ローラ22と可動筒23とが次のように動くことで斜板18の傾斜角度の増大が案内される。ローラ22が、第2カム面25a上を、駆動軸16から離間する方向へと摺動する(転動する)。また、可動筒23が、第1カム面24a上を、駆動軸16から離間する方向へと摺動する(転動する)。このように動作することで、斜板18の傾斜角度の増大が案内される。
圧縮機10の吐出容量を減少するには斜板18の傾斜角度を減少する必要があるが、その場合には、ローラ22と可動筒23とが次のように動くことで、斜板18の傾斜角度の減少が案内される。ローラ22が、第2カム面25a上を、駆動軸16に接近する方向へと摺動する(転動する)。また、可動筒23が、第1カム面24a上を、駆動軸16に接近する方向へと摺動する(転動する)。このように動作することで、斜板18の傾斜角度の減少が案内される。
ここで、圧縮機10の吐出容量が低く、ピストン28を介して斜板18に作用する圧縮反力Xが小さい場合には、圧縮反力Xに基づく、第2カム面25aに対するローラ22の押付け力が小さくなる。この状態で、駆動軸16がエンジンEのトルク変動の影響を受けたり、圧縮機10が車両の走行振動の影響を受けたりすると、斜板18がラグプレート17に対してガタつこうとする。特に、冷房不要時等、冷媒循環回路の冷媒循環を停止させる際には、圧縮機10の吐出容量を最小に維持すべく制御弁38が外部制御されるため、圧縮反力Xが極小さくなり、前記理由により斜板18のガタつきが極めて生じ易くなる。
しかし、第1ヒンジ部19Aと第2ヒンジ部19Bとの間に介在されたバネ48は、規制面43と被規制面44とが近接する方向に第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢して、規制面43と被規制面44とが押し合う状態をもたらす。したがって、斜板18がガタつこうとしても、バネ48の付勢力によって、規制面43と被規制面44とが押し合う状態を維持できる。規制面43と被規制面44とが押し合う状態をバネ48の付勢力で維持するということは、換言すれば、規制面43と被規制面44とが離間する方向及び規制面43と被規制面44とが摺動する方向へ斜板18がラグプレート17に対して相対移動することを、バネ48の付勢力で阻止するということである。よって、斜板18がラグプレート17に対して、規制面43と被規制面44とが接離する方向つまり回転方向Rの前後方向にガタつくことや、規制面43と被規制面44とが摺動する方向つまり例えば駆動軸16の軸線Tに沿う方向の前後方向にガタつくことを防止したり、これらガタつきを極めて微小なものにしたりすることができる。
なお、圧縮機10の吐出容量が高い場合には、圧縮機10を駆動するのに必要な回転力が大きくなる。ヒンジ機構19においては、この大きな回転力の作用によって、バネ48がバネ付勢力受承面41とバネ座面42との間で圧縮変形されることがある。バネ48が圧縮変形されると、斜板18がラグプレート17に対して回転方向Rと逆方向へ相対回転し、規制面43と被規制面44とが離間する。
しかし、圧縮機10の吐出容量が高い場合には、ピストン28を介して斜板18に作用する圧縮反力Xが大きくなる。したがって、この大きな圧縮反力Xに基づく、第2カム面25aに対するローラ22の押付け力は大きいものとなる。よって、駆動軸16がエンジンEのトルク変動の影響を受けたり、圧縮機10が車両の走行振動の影響を受けたりしても、斜板18がラグプレート17に対してガタつくことは殆どない。
上記構成の圧縮機10においては例えば次のような効果を奏する。
(1)ヒンジ機構19は、第1ヒンジ部19Aに規制面43が設けられているとともに、第2ヒンジ部19Bに規制面43と対向する被規制面44が設けられている。また、第1ヒンジ部19Aと第2ヒンジ部19Bとの間にはバネ48が介在され、このバネ48は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。したがって、前記したように、斜板18がラグプレート17に対してガタつくことを防止したり、このガタつきを極めて微小なものにしたりすることができる。よって、例えば斜板18のガタつきに起因した圧縮機10からの異音や振動の発生を抑制することができる。
(2)バネ48は、第2ヒンジ部(一方のヒンジ部)19Bによって支持されている。バネ48は、第1ヒンジ部(他方のヒンジ部)19Aが備えるバネ付勢力受承面41に対して、可動筒(可動部材)23を介して当接されている。可動筒23は、第2ヒンジ部19Bが設けられた斜板18によって、バネ座面42に対して接離する方向へ移動可能に支持されている。したがって、斜板18が傾斜角度を変更する際において、バネ48が第1ヒンジ部19Aのバネ付勢力受承面41と直接的に摺動しない。そのため、斜板18の傾斜角度が変わることに起因してバネ48が摩耗や劣化等することを防止できる。
(3)可動筒(可動部材)23は、バネ作用を奏しなくともよいので、例えばバネをバネ付勢力受承面に対して直接当接させる構成と比較して、バネ付勢力受承面との接触摺動性を良好とする設計(例えば素材の選択や形状の選択)が容易である。したがって、斜板18の傾斜角度の変更をスムーズに行うことができ、圧縮機10の容量制御性を向上させることができる。
(4)ヒンジ機構19による、ラグプレート17から斜板(カムプレート)18への回転力の伝達は、バネ付勢力受承面41から、可動筒(可動部材)23及びバネ48を介してバネ座面42へと行われる。したがって、例えば、何らかの理由によって、バネ付勢力受承面41とバネ座面42とが互いに傾いた場合でも、この傾きに応じたバネ48の追従変形によって、バネ48に支持された可動筒23を、バネ付勢力受承面41に対して安定した姿勢で当接させることができる。よって、ラグプレート17から斜板18への回転力の伝達を安定して行うことができる。これにより、例えば、回転力の伝達に起因したバネ付勢力受承面41及び可動筒23の摩耗や劣化を抑制することが可能となる。また、バネ付勢力受承面41に対する可動筒23の当接姿勢が安定することで、斜板18の傾斜角度の変更時における、バネ付勢力受承面41と可動筒23との接触摺動性を良好とすることができ、バネ付勢力受承面41及び可動筒23の摩耗や劣化を抑制することが可能となる。
(5)リンクピン21において可動筒(可動部材)23と反対側の第2端部21bには、ローラ(圧縮反力伝達部)22が設けられている。したがって、ヒンジ機構19は、可動筒23を支持するための部材とローラ22を設けるための部材とを別に備える必要がない。よって、例えば、ヒンジ機構19の構成を簡素化することも可能となる。
(6)可動筒(可動部材)23は、リンクピン21によって回動可能に支持されている。したがって、斜板18が傾斜角度を変更する際において、可動筒23が第1カム部24の第1カム面24a上を転動するため、可動筒23の外周面23bと第1カム面24aとの間に生じる抵抗を転がり抵抗とすることができる。よって、斜板18の傾斜角度の変更をスムーズに行うことが可能となり、圧縮機10の容量制御性も向上できる。また、第1カム面24aとの摺動に起因した可動筒23の摩耗や劣化を軽減することも可能となる。
○第2実施形態
図5には上記第1実施形態の変更例たる第2実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第1実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第1実施形態に係る圧縮機の部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第2実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機において、第1ヒンジ部19Aの第1カム部24から第1カム面24aが削除されている。第2ヒンジ部19Bから可動筒23が削除されている。また、支持部20から面形成用突部20bが削除されている。一方、支持部20の先端において、回転方向Rの前側に向かう平面状の側面20cが、被規制面44をなしている。
リンクピン21において第1端部21aの先端には、球状部50が設けられている。第1カム部24のバネ付勢力受承面41にはカム溝52が設けられている。斜板18の傾斜角度の変更は、リンクピン21の球状部50が、カム溝52の内面上を駆動軸16(図4参照)に対して接離する方向へ摺動することで案内される。
バネ48とバネ付勢力受承面41との間には、可動部材としての可動リング51が介在されている。可動リング51は、薄板でかつ円環状をなしている。可動リング51の略中央部には、リンクピン21の第1端部21aが挿通されている。つまり、可動リング51は、斜板18によって、リンクピン21の中心軸線Pに沿う方向つまり支持部20のバネ座面42に対して接離する方向へスライド移動可能に支持されている。
バネ48は、可動リング51がバネ付勢力受承面41に近接しかつバネ座面42から離間する方向へと、可動リング51及び支持部20をリンクピン21の中心軸線Pに沿って付勢して、該付勢力を第1ヒンジ部19Aのバネ付勢力受承面41及び第2ヒンジ部19Bのバネ座面42に作用させる。つまり、バネ48は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において斜板18がガタつこうとしても、バネ48の付勢力によって、規制面43と被規制面44とが押し合う状態を維持することができ、斜板18のガタつきを抑制することができる。
上記構成の圧縮機においては、第1実施形態における(1)〜(5)と同様な効果を奏する。その他にも下記(7)に記すような効果も奏する。
(7)リンクピン21の第1端部21aには、斜板18の傾斜角度の変更を案内する球状部50が、可動リング51とは別に備えられている。したがって、斜板18が傾斜角度を変更する際における、可動リング51と第1ヒンジ部19Aとの間での摺動は、可動リング51の端面とバネ付勢力受承面41との間でのみ行われる。よって、可動リング51の摺動環境を緩やかにすることができ、より軽量な薄板状の部材を可動リング51として採用することができた。軽量な可動リング51は、圧縮機10の軽量化に貢献し、特に、圧縮機10における回転部分の軽量化に貢献して、圧縮機10の動力損失を極めて軽減することができる。
○第3実施形態
図6には上記第1実施形態に係る圧縮機の変更例たる第3実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第1実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第1実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付して説明を省略する。また、斜板18のガタつきを抑制する作用も第1実施形態に係る圧縮機と同様であるため、その説明も省略する。
第3の実施形態に係る圧縮機は、第1の実施形態に係る圧縮機と比し、第2ヒンジ部19Bからローラ22及びサークリップ26が削除されている。一方、リンクピン21において第2端部21bの先端には、円柱状たる円盤状のフランジ部53が一体形成されている。リンクピン21は、フランジ部53が支持部20に当接する位置まで、支持部20の挿通孔20a内を押し進められている。第2カム部25には面形成用突部55が突設されている。面形成用突部55は、第2カム面25aから回転方向Rの前側へ若干ずれた位置に配置されている。
支持部20から面形成用突部20bが削除されている。支持部20は、上死点対応位置TDCから回転方向Rの前側へ若干ずれて配置されている。支持部20において凸曲面状をなす先端面20dは、第2カム部25の第2カム面25aに当接されている。したがって、斜板18に偏作用する圧縮反力X(図1参照)は、主として、支持部20の先端面20dを介して第2カム部25の第2カム面25aによって受承される。また、斜板18の傾斜角度の変更は、支持部20の先端面20dが、第2カム部25の第2カム面25a上を駆動軸16に対して接離する方向へ摺動することで案内される。
リンクピン21のフランジ部53において、回転方向Rの前側に向かう平面状の端面(リンクピン21の中心軸線Pと直交する平面)が、被規制面44をなしている。第2カム部25の面形成用突部55において、回転方向Rの後側に向かう平面状の側面が、規制面43をなしている。
上記構成の本実施形態においては、第1実施形態における(1)〜(4)及び(6)と同様な効果を奏する。その他にも、下記(8)に記す効果も奏する。
(8)支持部20の先端面20dは、第2カム部25の第2カム面25aに当接されて、ヒンジ機構19における圧縮反力Xの伝達を担っている。したがって、リンクピン21からローラ22を削除することができ、例えば、ヒンジ機構19を構成する部品点数を低減することが可能となる。
○第4実施形態
図7には上記第3実施形態に係る圧縮機の変更例たる第4実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第3実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第3実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第4の実施形態に係る圧縮機は、第3の実施形態に係る圧縮機と比し、第2ヒンジ部19Bからバネ48が削除されている。可動筒23には、可動部材としての役目は与えられていない。可動筒23は、開口端面23cが、支持部20において回転方向Rの後側に向かう側面20eに直接当接されることで、ラグプレート17の回転力を斜板18へと伝達する。面形成用突部55において回転方向Rの後側に向かう側面が、バネ付勢力受承面41をなしている。支持部20において回転方向Rの前側に向かう平面状の側面(リンクピン21の中心軸線Pと直交する平面)20fが、バネ座面42をなしている。可動筒23の外底面23aが被規制面44をなしている。第1カム部24において回転方向Rの前側に向かう側面が、規制面43をなしている。
リンクピン21は、支持部20の挿通孔20a内に、動きの余裕を持って挿入されている。したがって、リンクピン21は、支持部20に対して、自身の中心軸線Pを中心として回動可能でかつ自身の中心軸線Pに沿う方向へスライド移動可能である。リンクピン21のフランジ部53が可動部材をなしている。つまり、フランジ部53は、斜板18によって、バネ座面42に対して接離する方向へ移動可能に支持されている。
第1ヒンジ部19Aと第2ヒンジ部19Bとの間にはバネ56が介在されている。バネ56は皿バネよりなっている。バネ56は、リンクピン21のフランジ部53と支持部20のバネ座面42との間において、リンクピン21の第2端部21bの外周に配置されている。つまり、バネ56は、フランジ部53とバネ座面42とに端部がそれぞれ当接されている。このように、バネ56は、第2ヒンジ部19Bによって支持されている。つまり、バネ56は、斜板18が傾斜角度を変更する際には、第2ヒンジ部19Bとともに駆動軸16(図4参照)に対して接離する方向へ移動する。
バネ56は、バネ付勢力受承面41に近接しかつバネ座面42から離間する方向へとフランジ部53を付勢して、この付勢力をバネ付勢力受承面41及びバネ座面42に作用させる。つまり、バネ56は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において斜板18がガタつこうとしても、バネ56の付勢力によって、可動筒23の被規制面44と第1カム部24の規制面43とが押し合う状態を維持することができ、また、可動筒23の開口端面23cと支持部20の側面20eとが押し合う状態を維持することができる。その結果、斜板18のガタつきを抑制することができる。
このように、上記構成の圧縮機においては、第1実施形態に係る圧縮機における(1)〜(3)並びに第3実施形態の(8)と同様な効果を奏する。その他にも、下記(9)に記す効果も奏する。
(9)バネ56は皿バネよりなっている。皿バネは、例えばコイルバネと比較して、リンクピン21の中心軸線Pに沿う方向への小型化が容易である。中心軸線Pに沿う方向に小型のバネ56は、ヒンジ機構19におけるその他の部材(支持部20や可動筒23等)の中心軸線Pに沿う方向への大型化を容易とする。例えば、圧縮反力Xの伝達を担う支持部20の大型化は、支持部20の耐久性向上につながる。また、可動筒23の大型化は、可動筒23を支持するリンクピン21との間での嵌合距離を稼ぐことにつながり、リンクピン21による可動筒23の支持を安定化することが可能となる。
○第5実施形態
図8には第4実施形態に係る圧縮機変更例たる第5実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第4実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第4実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。また、斜板18のガタつきを抑制する作用も第4実施形態に係る圧縮機と同様であるため、その説明も省略する。
支持部20の挿通孔20a内には、リンクピン21を支持する軸受57が配設されている。軸受57はプレーンベアリングよりなっている。リンクピン21のフランジ部53は、大径とされかつ軸方向に長くされている。支持部20の先端面20dではなくフランジ部53の外周面53aが、カム面としての第2カム面25aに対して当接されることで、斜板18に作用する圧縮反力X(図1参照)がラグプレート17へと伝達される。斜板18が傾斜角度を変更する際には、フランジ部53が第2カム部25の第2カム面25a上を摺動しながら転動される。
上記構成の本実施形態圧縮機においては、第1実施形態に係る圧縮機における(1)〜(3)並びに第4実施形態の(9)と同様な効果を奏する。その他にも、下記(10)や(11)に記す効果も奏する。
(10)リンクピン21においてフランジ部53の外周面53aは、第2カム部25の第2カム面25aに当接されて、ヒンジ機構19における圧縮反力Xの伝達を担っている。したがって、リンクピン21からローラ22を削除することができる。このため、例えば、ヒンジ機構19を構成する部品点数を低減することができる。
(11)リンクピン21は、支持部20の挿通孔20a内において、軸受57を介して支持されている。したがって、リンクピン21をスムーズに回動させることができる。また、リンクピン21をスムーズにスライド移動させることができる。これにより、例えば、リンクピン21の回動及びスライド移動に起因した、支持部20との摺動による摩耗や劣化を抑制することも可能となる。
○第6実施形態
図9には上記第5実施形態に係る圧縮機の変更例たる第6実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第5実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第5実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第6実施形態に係る圧縮機は、第5実施形態に係る圧縮機と比し、リンクピン21のフランジ部53には、可動部材としての役目が与えられていない。一方、フランジ部53において回転方向Rの前側に向かう端面には、収容凹部58が形成されている。また、バネ56は、フランジ部53の収容凹部58内に一部が収容されている。したがって、バネ56は、斜板18が傾斜角度を変更する際には、収容凹部58内に保持された状態で、第2ヒンジ部19Bとともに駆動軸16(図4参照)に対して接離する方向へ移動する。
バネ56は、収容凹部58内において回転方向Rの前側に向かう内底面(リンクピン21の中心軸線Pと直交する平面)58aと、面形成用突部55において回転方向Rの後側に向かう平面状の側面55aとの間に介在されている。つまり、バネ56は、収容凹部58の内底面58aと面形成用突部55の側面55aとに端部がそれぞれ当接されている。バネ56は、フランジ部53(収容凹部58)の内底面58aと面形成用突部55の側面55aとが離間する方向へつまり規制面43と被規制面44とが近接する方向へ、第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。
したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において斜板18がガタつこうとしても、バネ56の付勢力によって、可動筒23の被規制面44と第1カム部24の規制面43とが押し合う状態を維持することができる。また、可動筒23の開口端面23cと支持部20の側面20eとが押し合う状態を維持することができる。これにより、斜板18のガタつきを抑制することができる。
上記構成を備えた本実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機における(1)及び第4実施形態に係る圧縮機における(9)、並びに、第5実施形態に係る圧縮機における(10)及び(11)と同様な効果を奏する。
○第7実施形態
図10には上記第6実施形態に係る圧縮機の変更例たる第7実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第6実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第6実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。また、斜板18のガタつきを抑制する作用も第6実施形態に係る圧縮機と同様であるため、その説明も省略する。
第7実施形態に係る圧縮機は、第6実施形態に係る圧縮機と比し、リンクピン21からフランジ部53が削除されている。一方、支持部20の先端面20dは、第2カム部25の第2カム面25aに当接されている。したがって、斜板18に偏作用する圧縮反力X(図1参照)は、主として、支持部20の先端面20dを介して第2カム部25の第2カム面25aによって受承される。
また、支持部20からは軸受57が削除されている。一方、リンクピン21は、支持部20の挿通孔20a内に圧入され支持部20に固定されている。バネ56は、面形成用突部55の側面55aと、支持部20において回転方向Rの前側に向かう側面20cとの間に介在されている。つまり、バネ56は、支持部20の側面20cと面形成用突部55の側面55aとに端部がそれぞれ当接されている。バネ56の中央部には、リンクピン21の第2端部21bが挿通されている。
上記構成を備えた本実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機における上記(1)記載の効果、第3実施形態に係る圧縮機における上記(8)記載の効果、並びに第4実施形態に係る圧縮機における(9)記載の効果と同様な効果を奏する。
○第8実施形態
図11には上記第5実施形態に係る圧縮機の変更例たる第8実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第5実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第5実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第8実施形態に係る圧縮機は、第5実施形態に係る圧縮機と比し、支持部20から軸受57が削除されている。支持部20の先端面20dは、第2カム部25の第2カム面25aに当接されて、圧縮反力X(図1参照)の伝達を担っている。一方、リンクピン21は、挿通孔20a内に圧入され支持部20に固定されている。リンクピン21の第1端部21aは支持部20から突出していない。したがって、支持部20の先端において回転方向Rの後側に向かう側面20cが、第1カム部24の規制面43に当接する被規制面44をなしている。
可動部材としての可動筒23からは底(蓋)が削除されている。可動筒23の外底面を示していた部材番号「23a」は、可動筒23の他方の開口端面(第1開口端面)を示すものとする。また、一方の開口端面23cは「第2開口端面23c」とする。可動筒23は、リンクピン21の第2端部21bにおいて、自身の中心軸線Pを中心として回動可能でかつ自身の中心軸線Pに沿う方向へスライド移動可能に支持されている。可動筒23の外周面23bの一部は、カム面としての第2カム面25aに当接されている。なお、リンクピン21のフランジ部53は、可動筒23がリンクピン21の第2端部21b側から抜けることを防止する。
バネ56は、可動筒23において回転方向Rの後側に向かう第2開口端面23cと、支持部20のバネ座面42との間に介在されている。つまり、バネ56は、可動筒23の第2開口端面23cと支持部20のバネ座面42とに端部がそれぞれ当接されている。バネ56は、バネ付勢力受承面41に近接しかつバネ座面42から離間する方向へと可動筒23を付勢して、可動筒23の第1開口端面23aをバネ付勢力受承面41に当接させ、該付勢力を第1ヒンジ部19Aのバネ付勢力受承面41及び第2ヒンジ部19Bのバネ座面42に作用させる。つまり、バネ48は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。
したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において斜板18がガタつこうとしても、バネ56の付勢力によって、支持部20の被規制面44と第1カム部24の規制面43とが押し合う状態を維持することができる。これにより、斜板18のガタつきを抑制することができる。
上記構成を備えた本実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機における上記(1)〜(3)記載の効果、及び第4実施形態に係る圧縮機における(9)記載の効果と同様な効果を奏する。その他にも、下記(12)や(13)に記す効果も奏する。
(12)可動筒(可動部材)23は、リンクピン21によって回動可能に支持されている。したがって、斜板18が傾斜角度を変更する際において、可動筒23が第2カム部25の第2カム面25a上を転動するため、可動筒23の外周面23bと第2カム面25aとの間に生じる抵抗を転がり抵抗とすることができる。よって、斜板18の傾斜角度の変更をスムーズに行うことが可能となり、圧縮機10の容量制御性も向上できる。また、第2カム面25aとの摺動に起因した可動筒23の摩耗や劣化を軽減することも可能となる。
(13)支持部20の先端面20dは、第1カム部24の第1カム面24aに当接されて、ヒンジ機構19における圧縮反力Xの伝達を担っている。したがって、リンクピン21からローラ22を削除することができ、例えば、ヒンジ機構19を構成する部品点数を低減することが可能となる。
○第9実施形態
図12には上記第1実施形態に係る圧縮機の変更例たる第9実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第1実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第1実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第9実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機と比し、ヒンジ機構19の第1ヒンジ部19Aから、第1カム部24及び第2カム部25等が削除されている。また、第2ヒンジ部19Bから、支持部20、リンクピン21、ローラ22、可動筒23及びバネ48等が削除されている。
第1ヒンジ部19Aは、第1ガイドアーム61及び第2ガイドアーム62を備えている。第1ガイドアーム61と第2ガイドアーム62は、ラグプレート17において回転方向Rの前後に配設されている。第2ヒンジ部19Bは、斜板18において上死点対応位置TDC付近に設けられたガイド突部63を備えている。第1ガイドアーム61とガイド突部63及び第2ガイドアーム62とガイド突部63は、それぞれ中間部材64を介して連結されている。中間部材64は、ラグプレート17側に配置された基部65と、基部65から斜板18側に向かってそれぞれ延在する第1中間アーム66及び第2中間アーム67とを有している。
ラグプレート17において第1ガイドアーム61と第2ガイドアーム62との間には、中間部材64の基部65が配置されている。基部65には挿通孔65aが貫通されている。第1ガイドアーム61と第2ガイドアーム62との間には第1リンクピン68が架設されている。中間部材64は、基部65の挿通孔65a内に第1リンクピン68が動きの余裕を持って挿入されることで、第1ガイドアーム61及び第2ガイドアーム62によって回動可能に支持されている。
中間部材64において第1中間アーム66と第2中間アーム67との間には、斜板18のガイド突部63が配置されている。第1中間アーム66には挿通孔66aが貫通されている。第2中間アーム67には挿通孔67aが貫通されている。ガイド突部63には第2リンクピン69が支持されている。中間部材64は、第2リンクピン69の一端部が第1中間アーム66の挿通孔66a内に、第2リンクピン69の他端部が第2中間アーム67の挿通孔67a内に、それぞれ動きの余裕を持って挿入されることで、ガイド突部63によって回動可能に支持されている。
ヒンジ機構19において、ラグプレート17から斜板18への回転力の伝達は、図面において回転方向Rの後側(右側)に位置する第1ガイドアーム61から、中間部材64の基部65、及び図面において回転方向Rの後側に位置する第1中間アーム66を介してガイド突部63へと行われる。また、斜板18に偏作用する圧縮反力X(図1参照)は、ガイド突部63から、第2リンクピン69及び中間部材64並びに第1リンクピン68を経由して、第1ガイドアーム61及び第2ガイドアーム62によって受承される。斜板18の傾斜角度の変更は、中間部材64が第1ガイドアーム61及び第2ガイドアーム62並びにガイド突部63に対してそれぞれ回動することで案内される。
ここで、中間部材64は、第1リンクピン68を介した第1ガイドアーム61及び第2ガイドアーム62との一体的な連結関係に着目すれば、第1ヒンジ部19Aの一部として把握することができる。この把握に基づいて本実施形態では、中間部材64の第1中間アーム66において、回転方向Rの前側に向かう平面状の側面(第2リンクピン69の中心軸線と直交する平面)が、規制面43をなしている。また、ガイド突部63において回転方向Rの後側に向かう平面状の側面(第2リンクピン69の中心軸線と直交する平面)が、被規制面44をなしている。
中間部材64(第1ヒンジ部19A)とガイド突部63(第2ヒンジ部19B)との間には、皿バネよりなるバネ70が介在されている。詳しくは、バネ70は、第2中間アーム67において回転方向Rの後側に向かう平面状の側面(第2リンクピン69の中心軸線と直交する平面)67bと、ガイド突部63において回転方向Rの前側に向かう平面状の側面(第2リンクピン69の中心軸線と直交する平面)63aとの間に介在されている。つまり、バネ70は、第2中間アーム67の側面67bとガイド突部63の側面63aとに端部がそれぞれ当接されている。バネ70の中央部には第2リンクピン69が挿通されている。
バネ70は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ中間部材64(第1ヒンジ部19A)及びガイド突部63(第2ヒンジ部19B)を付勢する。したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において、ガイド突部63が中間部材64に対してガタつこうとしても、バネ70の付勢力によって、中間部材64の規制面43とガイド突部63の被規制面44とが押し合う状態を維持することができる。よって、ガイド突部63のガタつき、つまりは斜板18のガタつきを抑制することができる。
一方、中間部材64は、第2リンクピン69を介したガイド突部63との一体的な連結関係に着目すれば、第2ヒンジ部19Bの一部として把握することができる。この把握に基づいて本実施形態では、第1ガイドアーム61において回転方向Rの前側に向かう平面状の側面(第1リンクピン68の中心軸線と直交する平面)が、規制面43をなしている。また、中間部材64の基部65において回転方向Rの後側に向かう平面状の側面(第1リンクピン68の中心軸線と直交する平面)が、被規制面44をなしている。
第2ガイドアーム62(第1ヒンジ部19A)と中間部材64(第2ヒンジ部19B)との間には、皿バネよりなるバネ71が介在されている。詳しくは、バネ71は、第2ガイドアーム62において回転方向Rの後側に向かう平面状の側面(第1リンクピン68の中心軸線と直交する平面)62aと、中間部材64の基部65において回転方向Rの前側に向かう平面状の側面(第1リンクピン68の中心軸線と直交する平面)65bとの間に介在されている。つまり、バネ71は、第2ガイドアーム62の側面62aと中間部材64の側面65bとに端部がそれぞれ当接されている。バネ71の中央部には第1リンクピン68が挿通されている。
バネ71は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第2ガイドアーム62(第1ヒンジ部19A)及び中間部材64(第2ヒンジ部19B)を付勢する。したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において、中間部材64が第1ガイドアーム61及び第2ガイドアーム62に対してガタつこうとしても、バネ71の付勢力によって、第1ガイドアーム61の規制面43と中間部材64の被規制面44とが押し合う状態を維持することができる。よって、中間部材64のガタつき、つまりは斜板18のガタつきを抑制することができる。
上記構成の本実施形態においては、第1実施形態に係る圧縮機における上記(1)記載の効果及び第4実施形態に係る圧縮機における上記(9)記載の効果と同様な効果を奏する。
○第10実施形態
図13には上記第1実施形態に係る圧縮機の変更例たる第10実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第1実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第1実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第10実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機と比し、ヒンジ機構19の第1ヒンジ部19Aから、第1カム部24及び第2カム部25等が削除されている。また、第2ヒンジ部19Bから、支持部20、リンクピン21、ローラ22、可動筒23及びバネ48等が削除されている。
ヒンジ機構19の第1ヒンジ部19Aは、図面において回転方向Rの後側に位置する第1固定アーム81と、同じく図面において回転方向Rの前側に位置する第2固定アーム82とを備えている。第2ヒンジ部19Bは、図面において回転方向Rの後側に位置する第1可動アーム83と、同じく図面において回転方向Rの前側に位置する第2可動アーム84とを備えている。第1可動アーム83の先端部及び第2可動アーム84の先端部は、第1固定アーム81と第2固定アーム82との間に配置されている。
第1固定アーム81において、回転方向Rの前側つまり第1可動アーム83側に向かう平面状の側面が規制面43をなしている。また、第1可動アーム83において、回転方向Rの後側つまり第1固定アーム81側に向かう平面状の側面が、被規制面44をなしている。ラグプレート17から斜板18への回転力の伝達は、第1固定アーム81の規制面43から、この規制面43に当接する第1可動アーム83の被規制面44へと行われる。
第1固定アーム81の基部(ラグプレート17との接続部並びに当該部近傍)において第2固定アーム82寄りの部分には、第1カム面81aが斜板18側に向かって設けられている。第1カム面81aには、第1可動アーム83の先端面83aが当接されている。第2固定アーム82の基部において第1固定アーム81寄りの部分には、第2カム面82aが斜板18側に向かって設けられている。第2カム面82aには、第2可動アーム84の先端面84aが当接されている。
したがって、斜板18に作用する圧縮反力X(図1参照)は、第1可動アーム83の先端面83aを介して第1固定アーム81の第1カム面81aによって、また第2可動アーム84の先端面84aを介して第2固定アーム82の第2カム面82aによって、それぞれ受承される。斜板18の傾斜角度の変更は、第1可動アーム83の先端面83aが第1固定アーム81の第1カム面81a上を、また第2可動アーム84の先端面84aが第2固定アーム82の第2カム面82a上を、それぞれ駆動軸16(図4参照)に対して接離する方向へ摺動することで案内される。
第2可動アーム84において回転方向Rの前側に向かう側面には、収容凹部86が形成されている。皿バネよりなるバネ87は、収容凹部86内に一部が収容されている。したがって、バネ87は、斜板18が傾斜角度を変更する際には、収容凹部86内に保持された状態で、第2ヒンジ部19Bとともに駆動軸16に対して接離する方向へ移動する。
バネ87は、第2可動アーム84の収容凹部86内において回転方向Rの前側に向かう平面状の内底面86aと、第2固定アーム82において回転方向Rの後側に向かう平面状の側面82bとの間に介在されている。つまり、バネ87は、第2可動アーム84(収容凹部86)の内底面86aと第2固定アーム82の側面82bとに端部がそれぞれ当接されている。バネ87は、第2可動アーム84(収容凹部86)の内底面86aと第2固定アーム82の側面82bとが離間する方向へつまり規制面43と被規制面44とが近接する方向へ、第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。
したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において斜板18がガタつこうとしても、バネ87の付勢力によって、斜板18の被規制面44とラグプレート17の規制面43とが押し合う状態を維持することができる。これにより、斜板18のガタつきを抑制することができる。
上記構成を備えた本実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機における(1)及び第4実施形態に係る圧縮機における(9)と同様な効果を奏する。
○第11実施形態
図14には上記第10実施形態に係る圧縮機の変更例たる第11実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第10実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第1実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第11実施形態に係る圧縮機は、第10実施形態に係る圧縮機と比し、ヒンジ機構19からバネ87が削除されているとともに、第2ヒンジ部19Bの第2可動アーム84から収容凹部86が削除されている。第1可動アーム83において、回転方向Rの前側つまり第2可動アーム84側に向かう平面状の側面は、バネ座面42をなしている。第2固定アーム82において、回転方向Rの後側つまり第1固定アーム81側に向かう側面82bは、バネ付勢力受承面41をなしている。
第2可動アーム84には可動部材88が支持されている。可動部材88は、大径円柱部88aと、小径円柱部88bと、大径円柱部88aに小径円柱部88bを連結するフランジ部88cとが、同一中心軸線Q上においてこの中心軸線Qに沿う方向(図面左右方向)へ連接されてなる。第2可動アーム84の先端部には、第1可動アーム83側に位置する側面から第2固定アーム82側に位置する側面へと挿通孔82cが貫通されている。挿通孔82c内には、可動部材88の大径円柱部88aが、動きの余裕を持って挿入されている。したがって、可動部材88は、第2可動アーム84に対して、自身の中心軸線Qを中心として回動可能でかつ自身の中心軸線Qに沿う方向へスライド移動可能である。
なお、可動部材88は、小径円柱部88b及びフランジ部88cが、第1可動アーム83と第2可動アーム84との間に位置するように配置されている。したがって、可動部材88において、回転方向Rの前側に向かう一端面つまり大径円柱部88aの端面88dは、第2固定アーム82のバネ付勢力受承面41と対向されている。また、可動部材88の大径円柱部88a(少なくとも端面88d)は、第2可動アーム84の挿通孔82c内から突出されてバネ付勢力受承面41に当接されている。
第1ヒンジ部19Aと第2ヒンジ部19Bとの間にはバネ89が介在されている。バネ89はコイルバネよりなっている。バネ89は、可動部材88のフランジ部88cと第1可動アーム83のバネ座面42との間において、可動部材88の小径円柱部88bの外周に一部が巻かれている。バネ89は、可動部材88のフランジ部88cと第1可動アーム83のバネ座面42とに端部がそれぞれ当接されている。このように、バネ89は、第2ヒンジ部19Bによって支持されている。つまり、バネ89は、斜板18が傾斜角度を変更する際には、第2ヒンジ部19Bとともに駆動軸16(図4参照)に対して接離する方向へ移動する。
バネ89は、バネ付勢力受承面41に近接しかつバネ座面42から離間する方向へと可動部材88を付勢して、この付勢力をバネ付勢力受承面41及びバネ座面42に作用させる。つまり、バネ89は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において斜板18がガタつこうとしても、バネ89の付勢力によって、第1可動アーム83の被規制面44と第1固定アーム81の規制面43とが押し合う状態を維持することができ、また、可動部材88(大径円柱部88a)の端面88dと第2固定アーム82のバネ付勢力受承面41とが押し合う状態を維持することができる。これにより、斜板18のガタつきを抑制することができる。
上記構成を備えた本実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機における(1)〜(3)と同様な効果を奏する。
○第12実施形態
図15には上記第10実施形態に係る圧縮機の変更例たる第12実施形態に係る圧縮機を示す。なお、以下においては第10実施形態に係る圧縮機との相違点についてのみ説明し、第1実施形態に係る圧縮機における部材と同一、同等又は類似の部材には同じ番号を付し、説明を省略する。
第12実施形態に係る圧縮機は、第10実施形態に係る圧縮機と比し、ヒンジ機構19からバネ87が削除されているとともに、第2ヒンジ部19Bの第2可動アーム84から収容凹部86が削除されている。また、第1ヒンジ部19Aの第1固定アーム81から第1カム面81aが削除されているとともに、第2固定アーム82から第2カム面82aが削除されている。
一方のヒンジ部たる第1ヒンジ部19Aにおいて、第1固定アーム81と第2固定アーム82との間には、リンクピン90が架設されている。リンクピン90は、第1固定アーム81と第2固定アーム82とによって、自身の中心軸線Sを中心として回動可能でかつ自身の中心軸線Sに沿う方向へスライド移動可能に支持されている。リンクピン90において第1固定アーム81側の端部には、フランジ部90bが設けられている。フランジ部90bは、リンクピン90の第2固定アーム82側へのスライド移動を、第1固定アーム81(詳しくは第1固定アーム81において回転方向Rの後側に向かう側面81b)との当接により規制する。
他方のヒンジ部たる第2ヒンジ部19Bにおいて、第1可動アーム83の先端面83a及び第2可動アーム84の先端面84aは、リンクピン90の外周面90aにそれぞれ当接されている。したがって、斜板18に作用する圧縮反力X(図1参照)は、第1可動アーム83の先端面83a及び第2可動アーム84の先端面84aを介して、リンクピン90の外周面90aによって受承される。斜板18の傾斜角度の変更は、第1可動アーム83の先端面83a及び第2可動アーム84の先端面84aが、リンクピン90の回動をともないながら、リンクピン90の外周面90a上を駆動軸16(図4参照)に対して接離する方向へ摺動することで案内される。
リンクピン90において、第1可動アーム83の先端面83aが当接する位置と第2可動アーム84の先端面84aが当接する位置との間には、サークリップ91が装着(固定)されている。リンクピン90において、第1可動アーム83の先端面83aが当接する位置とサークリップ91との間には、薄板でかつ円環状をなす可動リング92が、動きの余裕を持って支持されている。つまり、可動リング92は、ラグプレート17によって、リンクピン90の中心軸線Sに沿う方向つまり第1可動アーム83の先端部に対して接離する方向へ、ラグプレート17に対して及び/又はリンクピン90に対して相対的なスライド移動が可能に支持されている。
サークリップ91において、回転方向Rの後側つまり第1固定アーム81側に向かう端面がバネ座面42をなしている。第1可動アーム83の先端部において、回転方向Rの前側つまり第2可動アーム84側に向かう側面がバネ付勢力受承面41をなしている。サークリップ91と可動リング92との間においてリンクピン90の外周には、コイルバネよりなるバネ95が巻かれている。バネ95は、サークリップ91のバネ座面42と、バネ座面42に対向する可動リング92の端面とに端部がそれぞれ当接されている。このように、バネ95は、第1ヒンジ部19Aつまりラグプレート17によって支持されている。
バネ95は、可動リング92がバネ付勢力受承面41に近接しかつバネ座面42から離間する方向へと、可動リング92及びサークリップ91(リンクピン90)を中心軸線Sに沿って付勢して、該付勢力をバネ付勢力受承面41及びバネ座面42に作用させる。つまり、バネ95は、規制面43と被規制面44とが近接する方向へ第1ヒンジ部19A及び第2ヒンジ部19Bを付勢する。したがって、特に、圧縮機10の吐出容量が低い場合において斜板18がガタつこうとしても、バネ95の付勢力によって、規制面43と被規制面44とが押し合う状態を維持することができ、また、リンクピン90のフランジ部90bと第1固定アーム81の側面81bとが押し合う状態を維持することができる。その結果、斜板18のガタつきを抑制することができる。
上記構成を備えた本実施形態に係る圧縮機は、第1実施形態に係る圧縮機における(1)〜(3)と同様な効果を奏する。その他にも、下記(14)に記す効果も奏する。
(14)バネ95及び可動リング(可動部材)92はラグプレート17に支持されている。したがって、バネや可動部材言い換えれば重量物を偏心位置に備えない斜板18は、駆動軸16の軸線T周りにおける回転バランスを良好とするにおいて特に有効である。斜板18の回転バランスが良好となれば、斜板18の回転のアンバランスに起因した、例えば圧縮機10の容量制御性の悪化や、圧縮機10からの異音及び振動の発生を効果的に抑制することができる。
なお、上記第1〜第12の実施形態に係る圧縮機は、本発明の一実施形態を示すものにすぎず、それぞれ、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で変形することが可能である。例えば、以下に記すように変形することも可能であり、また、各変形例を、互いに矛盾しない範囲内で適宜組み合わせて実施することも可能である。
○バネとして、周方向に波打つ形状を有してバネ作用を奏するウエーブワッシャを用いること。ウエーブワッシャは、例えばコイルバネと比較して、リンクピン21の中心軸線Pに沿う方向への小型化が容易である。
○上記第5実施形態及び第6実施形態において、リンクピン21の軸受57を、ボールベアリングやローラベアリング等の転がり軸受に変更すること。
○上記第1実施形態及び第2実施形態において、ローラ22の軸受46を、ボールベアリングやローラベアリング等の転がり軸受に変更すること。
○上記第1実施形態及び第3実施形態〜第8実施形態において、可動筒23の内周面とリンクピン21の外周面との間に、可動筒23をスムーズに回動させるための軸受を介在させること。軸受としては、プレーンベアリング(滑り軸受)や、ボールベアリング或いはローラベアリング等の転がり軸受が挙げられる。また、軸受としては、可動筒23のスライド移動を許容するものが採用される。
○上記第1実施形態及び第3実施形態〜第8実施形態において、可動筒23をリンクピン21に対して回動不能とすること。
○上記第1実施形態及び第3実施形態〜第8実施形態において、可動筒23を両端が開口された円筒状とすること。
○上記各実施形態において、第2ヒンジ部19Bと同様な構成の第1ヒンジ部をラグプレート17側に設けるとともに、第1ヒンジ部19Aと同様な構成の第2ヒンジ部を斜板18側に設けること。
○バネとしてバネ力の強いものを用いることで、圧縮機10の吐出容量が最大の場合において斜板18がガタつこうとしても、バネが圧縮変形しない設定言い換えれば規制面43と被規制面44とが押し合う状態が解除されない設定とすること。このようにすれば、圧縮機10における吐出容量の全可変範囲において、斜板18のガタつきを確実に抑制することができる。
○上記各実施形態において、規制面43と被規制面44、及びバネ座面42とバネ付勢力受承面41を、それぞれ駆動軸16の軸線Tに沿う方向の前後で対向するように配置すること。
○本発明を、ワッブルタイプ等の他の形式の可変容量圧縮機に具体化すること。
○本発明を、空気圧縮機等の冷媒圧縮機以外の可変容量圧縮機に具体化すること。
第1実施形態の可変容量圧縮機においてヒンジ機構付近を示す平面図。 図1の拡大図であり要部を断面にして示す図。 可変容量圧縮機を示す縦断面図。 ヒンジ機構付近を示す側面図。 第2実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第3実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第4実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第5実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第6実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第7実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第8実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第9実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第10実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第11実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 第12実施形態におけるヒンジ機構付近の要部拡大断面図。 従来技術の可変容量圧縮機におけるヒンジ機構付近の平面図。
符号の説明
10…可変容量圧縮機、16…駆動軸、17…ラグプレート、18…カムプレートとしての斜板、19…ヒンジ機構(A…第1ヒンジ部、B…第2ヒンジ部)、21…リンクピン(a…第1端部、b…第2端部)、22…圧縮反力伝達部としてのローラ、23…可動筒(第1実施形態及び第3実施形態並びに第8実施形態においては可動部材として把握できる)(a…端面としての外底面、b…外周面)、24a…第1カム面(第1実施形態及び第3実施形態においてはカム面として把握できる)、25a…第2カム面(第5実施形態及び第8実施形態においてはカム面として把握できる)、28…ピストン、41…バネ付勢力受承面、42…バネ座面、43…規制面、44…被規制面、48…バネ、51…可動部材としての可動リング、53…フランジ部(第4実施形態及び第5実施形態においては可動部材として把握できる)、56…バネ、70,71…バネ、87…バネ、88…可動部材、89…バネ、92…可動部材としての可動リング、95…バネ、P…可動部材の自身の円柱中心軸線たるリンクピンの中心軸線、R…駆動軸の回転方向。

Claims (5)

  1. 駆動軸にはラグプレートが一体回転可能に連結され、前記駆動軸にはカムプレートが支持され、該カムプレートは前記駆動軸に対する傾斜角度を変更可能であり、前記ラグプレートと前記カムプレートとの間にはヒンジ機構が介在され、該ヒンジ機構は、前記ラグプレートに設けられた第1ヒンジ部と、前記カムプレートに設けられ前記第1ヒンジ部に連結された第2ヒンジ部とを有し、前記カムプレートにはピストンが連結され、前記駆動軸の回転力が前記ラグプレート及び前記ヒンジ機構を介して前記カムプレートに伝達されることで、前記ピストンが往復運動してガスの圧縮が行われ、前記ヒンジ機構による案内によって前記カムプレートの前記駆動軸に対する傾斜角度が変更されることで、前記ピストンのストロークが変更されて、吐出容量が変更される可変容量圧縮機において、
    前記第1ヒンジ部には規制面が設けられ、前記第2ヒンジ部には前記規制面に対向する被規制面が設けられ、前記第1ヒンジ部と前記第2ヒンジ部との間にはバネが介在され、該バネは、前記規制面と前記被規制面とが近接する方向へ前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部を付勢することを特徴とする可変容量圧縮機。
  2. 前記バネは、前記第1ヒンジ部及び前記第2ヒンジ部のうちの一方のヒンジ部によって支持され、
    前記一方のヒンジ部には、前記バネが当接するバネ座面が設けられ、かつ、可動部材が備えられ、他方のヒンジ部には、前記バネの付勢力を受けるバネ付勢力受承面が設けられており、
    前記可動部材は、前記バネ座面と前記バネ付勢力受承面との間に配置され、前記一方のヒンジ部が設けられた前記ラグプレート又は前記カムプレートによって、前記バネ座面に対して接離する方向へ移動可能に支持され、
    前記バネは、前記可動部材と前記バネ座面との間に介在されて、前記可動部材を前記バネ付勢力受承面に近接する方向へ向けて付勢する請求項1に記載の可変容量圧縮機。
  3. 前記規制面と前記被規制面、及び前記バネ座面と前記バネ付勢力受承面は、それぞれ前記駆動軸の回転方向の前後で対向して配置されており、
    前記ヒンジ機構による前記ラグプレートから前記カムプレートへの回転力の伝達は、前記バネ座面と前記バネ付勢力受承面との間において、前記可動部材及び前記バネを介して行われる請求項2に記載の可変容量圧縮機。
  4. 前記一方のヒンジ部にはリンクピンが備えられ、該リンクピンの第1端部には前記可動部材が支持され、該リンクピンの第2端部には、前記ピストンを介して前記カムプレートに作用する圧縮反力を前記ラグプレートへと伝達するための圧縮反力伝達部が設けられている請求項3に記載の可変容量圧縮機。
  5. 前記可動部材は、円柱状をなすとともにその端面において前記バネ付勢力受承面に対して当接し、前記他方のヒンジ部には、前記カムプレートが傾斜角度を変更する際に前記可動部材の外周面が摺動するカム面が設けられており、前記可動部材は、前記一方のヒンジ部が設けられた前記ラグプレート又は前記カムプレートによって、自身の円柱中心軸線を中心として回動可能に支持されている請求項3又は4に記載の可変容量圧縮機。
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