JP2009137136A - 記録装置、搬送量補正方法、及び、プログラム - Google Patents

記録装置、搬送量補正方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】媒体の搬送に適用する補正値の相対的な位置を修正しつつ搬送量の補正を行って媒体の搬送を行う。
【解決手段】目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、補正値を複数記憶するメモリと、前記媒体の下端を検出するためのセンサと、前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させ、前記センサによって前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させるコントローラと、を備える記録装置。
【選択図】図30

Description

本発明は、記録装置、搬送量補正方法、及び、プログラムに関する。
媒体である用紙を搬送させつつインク滴を吐出して印刷を行うプリンタがある。このようなプリンタでは、画像の品質を向上させるために高い用紙の搬送精度が要求される。特許文献1には、紙送り誤差を補正する技術が開示されている。また、特許文献2には、各行にそれぞれ対応する補正値を適用して搬送量の補正を行うことが開示されている。
特開2003−11345号公報 特開平5−96796号公報
搬送されている媒体のプリンタに対する相対的な位置毎に対応する補正値を適用して精度の高い搬送を行うこともできる。このとき、搬送量を補正するための補正値は、用紙の搬送方向の各相対位置にあわせて用意され、それぞれの補正値が対応する相対位置において適用されることで搬送量の補正が適切に行われる。
しかしながら、それぞれの補正値の適用が予定される媒体の相対的な位置が、実際の搬送において異なってしまう場合がある。このような場合には、適用する補正値の媒体に対する相対的な位置が一致せず、搬送量の適切な補正ができない。よって、搬送過程において、媒体の搬送に適用する補正値の相対的な位置を修正する必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、媒体の搬送に適用する補正値の相対的な位置を修正しつつ搬送量の補正を行って媒体の搬送を行うことを目的とする。
上記目的を達成するための主たる発明は、
(A)媒体に記録を行うためのヘッドと、
(B)前記ヘッドの上流側のローラを含む搬送機構であって、目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
(C)媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリと、
(D)前記上流側のローラよりも上流側に設けられたセンサであって、前記搬送方向に搬送されている前記媒体の下端を検出するためのセンサと、
(E)前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させ、
前記センサによって前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させるコントローラと、
を備える記録装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
(A)媒体に記録を行うためのヘッドと、
(B)前記ヘッドの上流側のローラを含む搬送機構であって、目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
(C)媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリと、
(D)前記上流側のローラよりも上流側に設けられたセンサであって、前記搬送方向に搬送されている前記媒体の下端を検出するためのセンサと、
(E)前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させ、
前記センサによって前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させるコントローラと、
を備える記録装置。
このようにすることで、媒体の搬送に適用する補正値の相対的な位置を修正しつつ搬送量の補正を行って搬送を行うことができる。
かかる記録装置であって、前記搬送機構は、前記媒体を搬送方向に搬送するための前記ヘッドの下流側のローラをさらに含み、前記媒体の下端を検出するべき相対位置までの搬送を行っても前記媒体の下端が検出されないとき、前記コントローラは、前記上流側に設けられたローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記媒体の搬送を行うことが望ましい。また、前記搬送機構は、前記媒体を搬送方向に搬送するための前記ヘッドの下流側のローラをさらに含み、前記媒体の下端を検出するべき相対位置までの搬送を行う前に前記媒体の下端が検出されたとき、前記コントローラは、前記上流側に設けられたローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値の一部の補正値を使用しないようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記媒体の搬送を行うことが望ましい。また、各前記補正値には、その補正値を適用すべき前記相対位置の範囲が対応づけられており、前記コントローラは、前記目標搬送量にて搬送する際の前記相対位置の変化する範囲と、前記補正値を適用すべき前記相対位置の前記範囲との比率に応じて前記補正値に重み付けを行い、前記目標搬送量を補正することが望ましい。
このようにすることで、媒体の搬送に適用する補正値の相対的な位置を修正しつつ搬送量の補正を行って搬送を行うことができる。
媒体を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するステップと、
前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送させるステップと、
上流側のローラよりも上流側に設けられたセンサが、搬送方向に搬送されている前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送するステップと、
を含む搬送量補正方法。
このようにすることで、媒体の搬送に適用する補正値の相対的な位置を修正しつつ搬送量の補正を行って搬送を行うことができる。
搬送量補正装置を動作させるためのプログラムであって、
媒体を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するステップと、
前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送させるステップと、
上流側のローラよりも上流側に設けられたセンサが、搬送方向に搬送されている前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送するステップと、
を前記搬送量記録装置に行わせるプログラム。
このようにすることで、媒体の搬送に適用する補正値の相対的な位置を修正しつつ搬送量の補正を行って搬送を行うことができる。
===プリンタの構成===
<インクジェットプリンタの構成について>
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
プリンタ1は、搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40、検出器群50、及びコントローラ60を有する。外部装置であるコンピュータ110から印刷データを受信したプリンタ1は、コントローラ60によって各ユニット(搬送ユニット20、キャリッジユニット30、ヘッドユニット40)を制御する。コントローラ60は、コンピュータ110から受信した印刷データに基づいて、各ユニットを制御し、用紙に画像を印刷する。プリンタ1内の状況は検出器群50によって監視されており、検出器群50は、検出結果をコントローラ60に出力する。コントローラ60は、検出器群50から出力された検出結果に基づいて、各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体(例えば、用紙Sなど)を所定の方向(以下、搬送方向という)に搬送させるためのものである。この搬送ユニット20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22(PFモータとも言う)と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、用紙挿入口に挿入された用紙をプリンタ内に給紙するためのローラである。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって給紙された用紙Sを印刷可能な領域まで搬送するローラであり、搬送モータ22によって駆動される。プラテン24は、印刷中の用紙Sを支持する。排紙ローラ25は、用紙Sをプリンタの外部に排出するローラであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転する。
なお、搬送ローラ23が用紙Sを搬送するとき、用紙Sは搬送ローラ23と従動ローラ26との間に挟まれている。これにより、用紙Sの姿勢が安定する。一方、排紙ローラ25が用紙Sを搬送するとき、用紙Sは排紙ローラ25と従動ローラ27との間に挟まれている。排紙ローラ25は印刷領域よりも搬送方向下流側に設けられているので、従動ローラ27は、用紙Sとの接触面が小さくなるように構成されている(図4も参照)。このため、用紙Sの下端が搬送ローラ23を通過して、用紙Sが排紙ローラ25のみによって搬送されるとき、用紙Sの姿勢は不安定になり易く、搬送特性も変化しやすい。
キャリッジユニット30は、ヘッドを所定の方向(以下、移動方向という)に移動(「走査」とも呼ばれる)させるためのものである。キャリッジユニット30は、キャリッジ31と、キャリッジモータ32(CRモータとも言う)とを有する。キャリッジ31は、移動方向に往復移動可能であり、キャリッジモータ32によって駆動される。また、キャリッジ31は、インクを収容するインクカートリッジを着脱可能に保持している。
ヘッドユニット40は、用紙にインクを吐出するためのものである。ヘッドユニット40は、複数のノズルを有するヘッド41を備える。このヘッド41はキャリッジ31に設けられているため、キャリッジ31が移動方向に移動すると、ヘッド41も移動方向に移動する。そして、ヘッド41が移動方向に移動中にインクを断続的に吐出することによって、移動方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が用紙に形成される。
検出器群50には、リニア式エンコーダ51、ロータリー式エンコーダ52、用紙検出センサ53、および光学センサ54等が含まれる。リニア式エンコーダ51は、キャリッジ31の移動方向の位置を検出する。ロータリー式エンコーダ52は、搬送ローラ23の回転量を検出する。用紙検出センサ53は、給紙中の用紙の先端及び後端の位置を検出する。光学センサ54は、キャリッジ31に取付けられている発光部と受光部により、用紙の有無を検出する。そして、光学センサ54は、キャリッジ31によって移動しながら用紙の端部の位置を検出し、用紙の幅を検出することができる。また、光学センサ54は、状況に応じて、用紙の先端(搬送方向下流側の端部であり、上端ともいう)・後端(搬送方向上流側の端部であり、下端ともいう)も検出できる。
コントローラ60は、プリンタの制御を行うための制御ユニット(制御部)である。コントローラ60は、インターフェース部61と、CPU62と、メモリ63と、ユニット制御回路64とを有する。インターフェース部61は、外部装置であるコンピュータ110とプリンタ1との間でデータの送受信を行う。CPU62は、プリンタ全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリ63は、CPU62のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU62は、メモリ63に格納されているプログラムに従って、ユニット制御回路64を介して各ユニットを制御する。
<ノズルについて>
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。
各ノズル群の複数のノズルは、搬送方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向における最小のドットピッチ(つまり、用紙Sに形成されるドットの最高解像度での間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが90dpi(1/90インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=8である。
各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されている(♯1〜♯90)。つまり、ノズル♯1は、ノズル♯90よりも搬送方向の下流側に位置している。なお、前述の光学センサ54は、用紙搬送方向の位置に関して、一番上流側にあるノズル♯90とほぼ同じ位置にある。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
===搬送誤差===
<用紙の搬送について>
図4は、搬送ユニット20の構成の説明図である。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、用紙は所定の搬送量にて搬送される。
用紙の搬送量は、搬送ローラ23の回転量に応じて定まる。ここでは、搬送ローラ23が1回転すると、用紙が1インチ搬送されるものとする(つまり、搬送ローラ23の周長は、1インチである)。このため、搬送ローラ23が1/4回転すると、用紙が1/4インチ搬送される。
したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、用紙の搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
ロータリー式エンコーダ52は、スケール521と検出部522とを有する。スケール521は、所定の間隔毎に設けられた多数のスリットを有する。このスケール521は、搬送ローラ23に設けられている。つまり、スケール521は、搬送ローラ23が回転すると、一緒に回転する。そして、搬送ローラ23が回転すると、スケール521の各スリットが検出部522を順次通過する。検出部522は、スケール521と対向して設けられており、プリンタ本体側に固定されている。ロータリー式エンコーダ52は、スケール521に設けられたスリットが検出部522を通過する毎に、パルス信号を出力する。搬送ローラ23の回転量に応じてスケール521に設けられたスリットが順次検出部522を通過するので、ロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて、搬送ローラ23の回転量が検出される
そして、例えば搬送量1インチで用紙を搬送する場合、搬送ローラ23が1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、用紙を目標搬送量にて搬送する。
また、排紙ローラ25の周長も1インチであり、排紙ローラ25が1回転すると、用紙が1インチ搬送される。前述のとり、排紙ローラ25は、搬送ローラ23と同期して回転するため、ロータリー式エンコーダ52の出力に基づいて、排紙ローラ25の回転量も検出可能となっている。
<搬送誤差について>
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、用紙Sの搬送量を検出していない。このため、搬送ローラ23の回転量と用紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリー式エンコーダ52は用紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差の2種類がある。
DC成分の搬送誤差とは、搬送ローラが1回転したときに生じる所定量の搬送誤差のことである。このDC成分の搬送誤差は、製造誤差等によって搬送ローラ23の周長が個々のプリンタ毎に異なることが原因と考えられる。つまり、DC成分の搬送誤差は、設計上の搬送ローラ23の周長と実際の搬送ローラ23の周長が異なるために生じる搬送誤差である。このDC成分の搬送誤差は、搬送ローラ23が1回転するときの開始位置に関わらず、一定になる。但し、実際のDC成分の搬送誤差は、用紙の摩擦等の影響によって、用紙の総搬送量に応じて異なる値になる(後述)。言い換えると、実際のDC成分の搬送誤差は、用紙Sと搬送ローラ23(又は用紙Sとヘッド41)との相対位置関係に応じて異なる値になる。
AC成分の搬送誤差とは、搬送時に用いられる搬送ローラの周面の場所に応じた搬送誤差のことである。AC成分の搬送誤差は、搬送時に用いられる搬送ローラの周面の場所に応じて、異なる量になる。つまり、AC成分の搬送誤差は、搬送開始時の搬送ローラの回転位置と搬送量に応じて、異なる量になる。
図5は、AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。横軸は、基準となる回転位置からの搬送ローラ23の回転量である。縦軸は、搬送誤差を示す。このグラフを微分すれば、その回転位置で搬送ローラが搬送しているときに生じる搬送誤差が導き出される。ここでは、基準位置における累積搬送誤差をゼロとし、DC成分の搬送誤差もゼロとしている。
搬送ローラ23が基準位置から1/4回転すると、δ_90の搬送誤差が生じ、用紙は1/4インチ+δ_90にて搬送される。但し、搬送ローラ23が更に1/4回転すると、-δ_90の搬送誤差が生じ、用紙は1/4インチ−δ_90にて搬送される。
AC成分の搬送誤差が生じる原因としては、例えば、以下の3つが考えられる。
まず第1に、搬送ローラの形状による影響が考えられる。例えば、搬送ローラが楕円形状や卵型である場合、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの距離が異なっている。そして、回転中心までの距離が長い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が多くなる。一方、回転中心までの距離が短い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が少なくなる。
第2に、搬送ローラの回転軸の偏心が考えられる。この場合も、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの長さが異なっている。このため、たとえ搬送ローラの回転量が同じであっても、搬送ローラの周面の場所に応じて、搬送量が異なることになる。
第3に、搬送ローラの回転軸と、ロータリー式エンコーダ52のスケール521の中心との不一致が考えられる。この場合、スケール521が偏心して回転することになる。この結果、検出部522が検出するスケール521の場所に応じて、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が異なることになる。例えば、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から離れている場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が少なくなるため、搬送量が少なくなる。一方、検出されるスケール521の場所が搬送ローラ23の回転軸から近い場合、検出されたパルス信号に対する搬送ローラ23の回転量が多くなるため、搬送量が多くなる。
上記の原因のため、AC成分の搬送誤差は、図5に示す通り、ほぼサインカーブになる。
<補正する搬送誤差>
図6は、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の大きさの用紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。グラフの横軸は、用紙の総搬送量を示している。グラフの縦軸は、搬送誤差を示している。図中の点線は、DC成分の搬送誤差のグラフである。図中の実線の値(トータルの搬送誤差)から図中の点線の値(DC成分の搬送誤差)を引けば、AC成分の搬送誤差が求められる。AC成分の搬送誤差は、用紙の総搬送量に関わらず、ほぼサインカーブになる。一方、点線で示されるDC成分の搬送誤差は、用紙の摩擦等の影響によって、用紙の総搬送量に応じて異なる値になる。
既に説明したように、AC成分の搬送誤差は、搬送ローラ23の周面の場所に応じて異なる。このため、たとえ同じ用紙を搬送する場合であっても、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なれば、AC成分の搬送誤差が異なるため、トータルの搬送誤差(グラフの実線で示す搬送誤差)は異なることになる。これに対し、DC成分の搬送誤差はAC成分の搬送誤差とは異なり搬送ローラの周面の場所とは無関係なので、たとえ搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なっていても、搬送ローラ23が1回転したときに生じる搬送誤差(DC成分の搬送誤差)は同じになる。
また、AC成分の搬送誤差を補正しようとする場合、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転位置を検出する必要がある。しかし、搬送ローラ23の回転位置を検出するためには、ロータリー式エンコーダ52に原点センサを更に用意する必要があり、コストアップとなる。
そこで、以下に示す参考例の搬送量の補正では、DC成分の搬送誤差を補正することにしている。
ところで、DC成分の搬送誤差は、用紙の総搬送量(言い換えると、用紙Sと搬送ローラ23との相対位置関係)に応じて異なる値になる(図6の点線参照)。このため、より多くの補正値を搬送方向の位置に応じて用意できれば、きめ細かく搬送誤差を補正することができる。そこで、参考例では、搬送ローラ23の1回転分に相当する1インチの範囲ごとではなく、1/4インチの範囲ごとに、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値を用意している。
尚、このような搬送誤差は排紙ローラ25とその従動ローラ27のみによる搬送のときにも生ずるものと考えられる。よって、後述するDC成分の搬送誤差の補正は、排紙ローラ25とその従動ローラ27のみによる搬送のときにも用いることができる。
===概略説明===
図7は、搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフロー図である。図8A〜図8Cは、補正値を決定するまでの様子の説明図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。この処理に先立って、検査者は、組み立て完了後のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150も接続されており、プリンタドライバ、スキャナドライバ及び補正値取得プログラムが予めインストールされている。
まず、プリンタドライバが印刷データをプリンタ1に送信し、プリンタ1がテストシートTSに測定用パターンを印刷する(S101、図8A)。次に、検査者はテストシートTSをスキャナ150にセットし、スキャナドライバがスキャナ150に測定用パターンを読み取らせ、画像データを取得する(S102、図8B)。なお、スキャナ150にはテストシートTSとともに基準シートがセットされており、基準シートに描画されている基準パターンも一緒に読み取られる。
そして、補正値取得プログラムは、取得した画像データを解析し、補正値を算出する(S103)。そして、補正値取得プログラムは、補正データをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させる(図8C)。プリンタに記憶される補正値は、個々のプリンタの搬送特性を反映したものになる。
なお、補正値を記憶したプリンタは、梱包されてユーザの下に届けられる。ユーザがプリンタで画像を印刷する際に、プリンタは、補正値に基づいて用紙を搬送し、用紙に画像を印刷する。
===測定用パターンの印刷(S101)===
まず、測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷と同様に、プリンタ1は、移動中のノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、用紙を搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、測定用パターンを用紙に印刷する。なお、以下の説明では、ドット形成処理のことを「パス」と呼び、n回目のドット形成処理のことを「パスn」と呼ぶ。
図9は、測定用パターンの印刷の様子の説明図である。測定用パターンの印刷されるテストシートTSの大きさは、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)である。
図中の右側には、テストシートTSに印刷される測定用パターンが示されている。図中の左側の長方形は、各パスにおけるヘッド41の位置(テストシートTSに対する相対位置)が示されている。説明の都合上、ヘッド41がテストシートTSに対して移動しているように描かれているが、同図はヘッドとテストシートTSとの相対的な位置関係を示すものであって、実際にはテストシートTSが搬送方向に間欠的に搬送されている。
テストシートTSが搬送され続けると、テストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過する。テストシートTSの下端が搬送ローラ23を通過する時に最上流ノズル♯90と対向するテストシートTSの位置が、「NIPライン」として図中に点線で示されている。つまり、図中においてヘッド41がNIPラインよりも上にあるパスでは、搬送ローラ23と従動ローラ26との間でテストシートTSが挟まれた状態(NIP状態)で、印刷が行われる。また、図中において、ヘッド41がNIPラインよりも下にあるパスでは、搬送ローラ23と従動ローラ26との間にテストシートTSがない状態(排紙ローラ25と従動ローラ27だけでテストシートTSを搬送する状態であり、これも「非NIP状態」という)で、印刷が行われる。
NIPラインは、プリンタ1の搬送ローラ23とヘッドとの距離により決まるものであり、前述の通り、用紙の下端が搬送ローラ23を通過するときにノズル#90と対向する位置であった。ここでは、用紙の下端からDnの距離の位置がNIPラインとなっている。
測定用パターンは、識別コードと、複数のラインとから構成される。
識別コードは、個々のプリンタ1をそれぞれ識別するための個体識別用の記号である。この識別コードは、S102において測定用パターンが読み取られるときに一緒に読み取られ、OCRによる文字認識によって、コンピュータ110に識別される。
各ラインは、いずれも移動方向に沿って形成されている。上端側から順にi番目のラインのことを「Li」と呼ぶ。特定のラインは、他のラインよりも長く形成されている。例えば、ラインL1、ラインL13、及び、ラインL22は、他のラインと比べて、長く形成されている。これらのラインは、以下のようにして形成される。
まず、テストシートTSが所定の印刷開始位置まで搬送された後、パス1において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL1が形成される。パス1の後、コントローラ60は、搬送ローラ23を1/4回転させて、テストシートTSを約1/4インチだけ搬送する。搬送後、パス2において、ノズル♯90のみからインク滴が吐出され、ラインL2が形成される。以下、同様の動作が繰り返し行われ、約1/4インチ間隔でラインL1〜ラインL22が形成される。このように、ラインL1〜ラインL22は、ノズル♯1〜ノズル♯90のうちの最上流ノズル♯90により形成される。なお、ラインL1〜ラインL22はノズル♯90のみによって形成されるが、識別コードを印刷するパスでは、識別コードを印刷する際に、ノズル♯90以外のノズルも用いられる。
ところで、テストシートTSの搬送が理想的に行われた場合、ラインL1〜ラインL22におけるライン同士の間隔は、ちょうど1/4インチになるはずである。しかし、搬送誤差があると、ライン間隔は1/4インチにならない。仮に理想的な搬送量よりも多くテストシートTSが搬送されると、ライン間隔は広がる。逆に、理想的な搬送量よりも少なくテストシートTSが搬送されると、ライン間隔が狭まる。つまり、ある2つのラインの間隔は、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を反映している。このため、2つのラインの間隔を測定すれば、一方のラインが形成されるパスと他方のラインが形成されるパスとの間に行われる搬送処理での搬送誤差を測定することが可能になる。
===パターンの読み取り(S102)===
<スキャナの構成>
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ150の構成について説明する。
図10Aは、スキャナ150の縦断面図である。図10Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
スキャナ150は、上蓋151と、原稿5が置かれる原稿台ガラス152と、この原稿台ガラス152を介して原稿5と対面しつつ副走査方向に移動する読取キャリッジ153と、読取キャリッジ153を副走査方向に案内する案内部154と、読取キャリッジ153を移動させるための移動機構155と、スキャナ150内の各部を制御するスキャナコントローラ(不図示)とを備えている。読取キャリッジ153には、原稿5に光を照射する露光ランプ157と、主走査方向(図10Aにおいて紙面に垂直な方向)のラインの像を検出するラインセンサ158と、原稿5からの反射光をラインセンサ158へ導くための光学系159とが設けられている。図中の読取キャリッジ153の内部の破線は、光の軌跡を示している。
原稿5の画像を読み取るとき、操作者は、上蓋151を開いて原稿5を原稿台ガラス152に置き、上蓋151を閉じる。そして、スキャナコントローラが、露光ランプ157を発光させた状態で読取キャリッジ153を副走査方向に沿って移動させ、ラインセンサ158により原稿5の表面の画像を読み取る。スキャナコントローラは、読み取った画像データをコンピュータ110のスキャナドライバへ送信し、これにより、コンピュータ110は、原稿5の画像データを取得する。
<読み取り位置精度>
後述するように、参考例ではスキャナ150は、テストシートTSの測定用パターンと基準シートの基準パターンとを、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で読み取る。このため、以下の説明では、720×720dpiの解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
図11は、スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。グラフの横軸は、読み取り位置(理論値)を示している(すなわち、グラフの横軸は、読取キャリッジ153の位置(理論値)を示している)。グラフの縦軸は、読み取り位置の誤差(読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置との差)を示している。例えば、読取キャリッジ153を1インチ(=25.4mm)移動させると、約60μmの誤差が生じることになる。
仮に、読み取り位置の理論値と実際の読み取り位置が一致していれば、基準位置(読み取り位置がゼロの位置)を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置からちょうど1インチ離れた位置の画像を示すはずである。しかし、グラフに示すような読み取り位置の誤差が生じた場合、基準位置を示す画素から副走査方向に720画素離れた画素は、基準位置から1インチ離れた位置よりも60μmだけ更に離れた位置の画像を示すことになる。
また、仮に、グラフの傾きがゼロであれば、1/720インチ毎に等間隔に、画像が読み取られるはずである。しかし、グラフの傾きがプラスの位置では、1/720インチよりも長い間隔で画像が読み取られることになる。また、グラフの傾きがマイナスの位置では、1/720インチよりも短い間隔で画像が読み取られることになる。
この結果、仮に測定用パターンのラインが等間隔に形成されたとしても、読み取り位置の誤差がある状態では、画像データ上のラインの画像が等間隔にならない。このように、読み取り位置の誤差がある状態では、測定用パターンを単に読み取っただけでは、ラインの位置を正確に計測することができない。
そこで、ここでは、テストシートTSをセットして測定用パターンをスキャナに読み取らせる際に、基準シートをセットして基準パターンも読み取らせている。
<測定用パターンと基準パターンの読み取り>
図12Aは、基準シートSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。
基準シートSSの大きさは10mm×300mmであり、基準シートSSは長細い形をしている。基準シートSSには、基準パターンとして36dpi間隔にて多数のラインが形成されている。基準シートSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルムから構成される。また、基準パターンは、レーザー加工により、高精度に形成されている。
不図示の治具を用いることによって、テストシートTS及び基準シートSSは、原稿台ガラス152上の所定の位置にセットされる。基準シートSSは、長辺がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち基準シートSSの各ラインがスキャナ150の主走査方向に平行になるように、原稿台ガラス152上にセットされる。この基準シートSSの横に、テストシートTSがセットされる。テストシートTSは、長辺がスキャナ150の副走査方向に平行になるように、すなわち測定用パターンの各ラインが主走査方向に平行になるように、原稿台ガラス152上にセットされる。
このようにテストシートTSと基準シートSSをセットした状態で、スキャナ150は、測定用パターンと基準パターンを読み取る。このとき、読み取り位置の誤差の影響のため、読取結果における測定用パターンの画像は実際の測定用パターンと比べて歪んだ画像になる。同様に、基準パターンの画像も実際の基準パターンと比べて歪んだ画像になる。
なお、読取結果における測定用パターンの画像は、読み取り位置の誤差の影響だけではなく、プリンタ1の搬送誤差の影響も受けている。一方、基準パターンはプリンタの搬送誤差とは何も関わりなく等間隔にて形成されているので、基準パターンの画像は、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響を受けているが、プリンタ1の搬送誤差の影響は受けていない。
そこで、補正値取得プログラムは、測定用パターンの画像に基づいて補正値を算出する際に、基準パターンの画像に基づいて、測定用パターンの画像における読み取り位置の誤差の影響をキャンセルさせる。
===補正値の算出(S103)===
補正値の算出の説明の前に、スキャナ150から取得した画像データについて説明する。画像データは、複数の画素データから構成されている。各画素データは、対応する画素の階調値を示している。スキャナの読み取り誤差を無視すれば、各画素は1/720インチ×1/720インチの大きさに相当する。このような画素を最小構成単位として画像(ディジタル画像)が構成されており、画像データは、このような画像を示すデータになっている。
図13は、S103における補正値算出処理のフロー図である。コンピュータ110は、補正値取得プログラムに従って、各処理を実行する。つまり、補正値取得プログラムは、各処理をコンピュータ110に実行させるためのコードを有する。
<画像の分割(S131)>
まず、コンピュータ110は、スキャナ150から取得した画像データの示す画像を2つに分割する(S131)。
図14は、画像の分割(S131)の説明図である。図中の左側には、スキャナから取得した画像データの示す画像が描かれている。図中の右側には、分割された画像が描かれている。以下の説明において、図中の左右方向(水平方向)をx方向と呼び、図中の上下方向(垂直方向)をy方向と呼ぶ。基準パターンの画像における各ラインはx方向にほぼ平行であり、測定用パターンの画像における各ラインはy方向にほぼ平行である。
コンピュータ110は、読取結果の画像から所定の範囲の画像を取り出すことによって、画像を2つに分割する。読取結果の画像が2つに分割されることにより、一方の画像が基準パターンの画像を示し、他方の画像が測定用パターンの画像を示すことになる。このように分割する理由は、基準シートSSとテストシートTSがそれぞれ別々に傾いてスキャナ150にセットされるおそれがあるので、それぞれ別々に傾き補正(S133)をするためである。
<各画像の傾きの検出(S132)>
次に、コンピュータ110は、画像の傾きを検出する(S132)。
図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。横軸は、画素の位置(Y座標)を示している。縦軸は、画素の階調値を示している。コンピュータ110は、取り出されたJY個の画素の画素データに基づいて、重心位置KY2、KY3をそれぞれ求める。
そして、コンピュータ110は、次式によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX2−KX3)}
なお、コンピュータ110は、測定用パターンの画像の傾きだけでなく、基準パターンの画像の傾きも検出する。基準パターンの画像の傾きの検出方法は、上記の方法とほぼ同様であるので、説明を省略する。
<各画像の傾きの補正(S133)>
次に、コンピュータ110は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する(S133)。測定用パターンの画像は、測定用パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正され、基準パターンの画像は、基準パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正される。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
<印刷時の傾きの検出(S134)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する(S134)。測定用パターンを印刷するときにテストシートの下端が搬送ローラを通過すると、テストシートの下端がヘッド41に接触し、テストシートが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートの下端がヘッド41に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
図16は、測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。まず、コンピュータ110は、ラインL1(一番上のライン)とラインL22における左側の間隔YLと、右側の間隔YRとを検出する。そして、コンピュータ110は、間隔YLと間隔YRの差を算出し、この差が所定範囲内であれば次の処理(S135)へ進み、この差が所定範囲外であればエラーとする。
<余白量の算出(S135)>
次に、コンピュータ110は、余白量を算出する(S135)。
図17は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
仮に基準シートSSの傾きとテストシートTSの傾きとが異なると、付加される余白量が異なることになり、回転補正(S133)の前後において、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置が相対的にずれることになる。そこで、コンピュータ110は、次式により余白量Xを求め、S136において算出されるライン位置から余白量Xを差し引くことによって、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置のずれを防止する。
X=(w cosθ−W´/2)×tanθ
<スキャナ座標系でのライン位置の算出(S136)>
次に、コンピュータ110は、スキャナ座標系での基準パターンのラインの位置及び測定用パターンのラインの位置をそれぞれ算出する(S136)。
スキャナ座標系とは、1画素の大きさを1/720×1/720インチとしたときの座標系である。スキャナ150には読み取り位置の誤差があり、読み取り位置の誤差を考慮すると、各画素データの対応する実際の領域は厳密には1/720インチ×1/720インチにはならないが、スキャナ座標系では、各画素データの対応する領域(画素)の大きさを1/720×1/720インチとする。また、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
図18Aは、ラインの位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図である。図中の点線で示す範囲の画像の画像データが、ラインの位置を算出する際に用いられる。図18Bは、ラインの位置の算出の説明図である。横軸は、画素のy方向の位置(スキャナ座標系)を示している。縦軸は、画素の階調値(x方向に並ぶ画素の階調値の平均値)を示している。
コンピュータ110は、階調値のピーク値の位置を求め、この位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とする。そして、この演算範囲の画素の画素データに基づいて、階調値の重心位置を算出し、この重心位置をラインの位置とする。
図19は、算出されたラインの位置の説明図である(なお、図中に示す位置は、所定の演算が施されて無次元化されている)。基準パターンは等間隔のラインから構成されているにもかかわらず、基準パターンの各ラインの重心位置に注目すると、算出された各ラインの位置は、等間隔にはなっていない。これは、スキャナ150の読み取り位置の誤差の影響と考えられる。
<測定用パターンの各ラインの絶対位置の算出(S137)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンのラインの絶対位置をそれぞれ算出する(S137)。
図20は、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。ここでは、測定用パターンのi番目のラインは、基準パターンのj−1番目のラインと、基準パターンのj番目のラインとの間に位置する。以下の説明では、測定用パターンのi番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「S(i)」と呼び、基準パターンのj番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「K(j)」と呼ぶ。また、基準パターンのj−1番目のラインとj番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L」と呼び、基準パターンのj−1番目のラインと測定用パターンのi番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L(i)」と呼ぶ。
まず、コンピュータ110は、次式に基づいて、間隔Lに対する間隔L(i)の比率Hを算出する。
H=L(i)/L
={S(i)−K(j−1)}/{K(j)−K(j−1)}
ところで、実際の基準シートSS上の基準パターンは等間隔であるので、基準パターンの1番目のラインの絶対位置をゼロとすれば、基準パターンの任意のラインの位置を算出できる。例えば、基準パターンの2番目のラインの絶対位置は1/36インチである。そこで、基準パターンのj番目のラインの絶対位置を「J(j)」とし、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置を「R(i)」とすると、次式のようにしてR(i)を算出できる。
R(i)={J(j)−J(j−1)}×H+J(j−1)
ここで、図19における測定用パターンの1番目のラインの絶対位置の算出の具体的な手順について説明する。まず、コンピュータ110は、S(1)の値(373.768667)に基づいて、測定用パターンの1番目のラインが、基準パターンの2番目のラインと3番目のラインの間に位置していることを検出する。次に、コンピュータ110は、比率Hが0.40143008(=(373.7686667-309.613250)/(469.430413-309.613250))であることを算出する。次に、コンピュータ110は、測定用パターンの1番目のラインの絶対位置R(1)が0.98878678ミリ(=0.038928613インチ={1/36インチ}×0.40143008+1/36インチ)であることを算出する。
このようにして、コンピュータ110は、測定用パターンの各ラインの絶対位置を算出する。
<補正値の算出(S138)>
次に、コンピュータ110は、測定用パターンを形成する際に行われた複数回の搬送動作に対応する補正値をそれぞれ算出する(S138)。各補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて、算出される。
パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。例えば、パス1とパス2との間で行われた搬送動作の補正値C(1)は、6.35mm−{R(2)−R(1)}となる。コンピュータ110は、このようにして補正値C(1)〜補正値C(21)を算出する。
図21は、補正値C(i)の対応する範囲の説明図である。もし仮に、測定用パターンを印刷するときのパス1とパス2との間の搬送動作の際に、当初の目標搬送量から補正値C(1)を引いた値を目標にすれば、実際の搬送量がちょうど1/4インチ(=6.35mm)になったはずである。
<補正値の平均化(S139)>
ところで、本実施形態のロータリー式エンコーダ52は原点センサを備えていないので、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転量は検出できるが、搬送ローラ23の回転位置までは検出していない。このため、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置をプリンタ1は保証することがでない。つまり、印刷する度に、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なるおそれがある。一方、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔は、1/4インチにて搬送するときのDC成分の搬送誤差の影響だけではなく、AC成分の搬送誤差の影響も受けている。
従って、目標搬送量を補正する際に、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔に基づいて算出された補正値Cをそのまま適用してしまうと、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量が正しく補正されないおそれがある。例えば、測定用パターンの印刷時と同じようにパス1とパス2との間で1/4インチの搬送量の搬送動作を行う場合であっても、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が測定用パターンの印刷時と異なるのであれば、目標搬送量を補正値C(1)で補正しても、搬送量は正しく補正されない。もし、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が測定用パターンの印刷時と比べて180度異なっていると、AC成分の搬送誤差の影響のため、搬送量は正しく補正されないどころか、むしろ搬送誤差が悪化することもあり得る。
そこで、本実施形態では、DC成分の搬送誤差だけを補正するようにするため、次式のように4個の補正値Cを平均化することによって、DC成分の搬送誤差を補正するための補正量Caを算出している。
Ca(i)={C(i−1)+C(i)+C(i+1)+C(i+2)}/4
ここで、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値Caを上式によって算出できる理由を説明する。
前述した通り、パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。そうすると、補正値Caを算出するための上式は、次式のような意味になる。
Ca(i)=[25.4mm−{R(i+3)−R(i−1)}]/4
つまり、補正値Ca(i)は、理論上1インチ離れるべき2つのライン(ラインLi+3とラインLi−1)の間隔と1インチ(搬送ローラ23の1回転分の搬送量)との差を4で割った値である。言い換えると、補正値Ca(i)は、ラインLi−1と、そのラインを形成してから1インチ搬送した後に形成したラインLi+3との間隔に応じた値になる。
ゆえに、4個の補正値Cを平均化して算出される補正値Ca(i)は、AC成分の搬送誤差の影響を受けず、DC成分の搬送誤差を反映した値になる。
なお、パス2とパス3との間で行われる搬送動作の補正値Ca(2)は、補正値C(1)〜C(4)の総和を4で割った値(補正値C(1)〜C(4)の平均値)として算出される。言い換えると、補正値Ca(2)は、パス1で形成されるラインL1と、ラインL1を形成してから1インチ搬送した後のパス5で形成されるラインL5との間隔に応じた値になる。
また、補正値Ca(i)を算出する際にi−1がゼロ以下になる場合、補正値C(i−1)はC(1)を適用する。例えば、パス1とパス2との間で行われる搬送動作の補正値Ca(1)は、{C(1)+C(1)+C(2)+C(3)}/4として算出される。また、補正値Ca(i)を算出する際にi+1が22以上になる場合、補正値Caを算出するためのC(i+1)はC(21)を適用する。同様に、i+2が22以上になる場合、C(i+2)はC(21)を適用する。例えば、パス21とパス22との間で行われる搬送動作の補正量Ca(21)は、{C(20)+C(21)+C(21)+C(21)}/4として算出される。
コンピュータ110は、このようにして補正値Ca(1)〜補正値Ca(21)を算出する。これにより、DC成分の搬送誤差を補正するための補正値が、1/4インチの範囲ごとに求められる。
===補正値の記憶(S104)===
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S104)。
図22は、メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。メモリ63に記憶される補正値は、補正値Ca(1)〜Ca(21)である。また、各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連付けられてメモリ63に記憶される。
補正値Ca(i)に関連付けられる境界位置情報は、測定用パターンのラインLi+1に相当する位置(理論上の位置)を示す情報であり、この境界位置情報は、補正値Ca(i)を適用する範囲の下端側の境界を示している。なお、上端側の境界は、補正値Ca(i−1)に関連付けられる境界位置情報から求めることができる。従って、例えば補正値C(2)の適用範囲は、用紙Sに対してラインL1の位置とラインL2の位置の間(にノズル♯90が位置する)の範囲となる。
プリンタ製造工場では、製造されるプリンタ毎に、各プリンタの個体の特徴を反映したテーブルがメモリ63に記憶される。そして、このテーブルを記憶したプリンタは、梱包されて出荷される。
===ユーザの下での印刷時の搬送動作===
プリンタを購入したユーザの下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、メモリ63からテーブルを読み出し、目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送動作を行う。以下、ユーザの下での印刷時の搬送動作の様子について説明する。
図23Aは、第1のケースでの補正値の説明図である。第1のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置(用紙に対する相対位置)が補正値Ca(i)の適用範囲の上端側の境界位置と一致し、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲の下端側の境界位置と一致している。このような場合、コントローラ60は、補正値をCa(i)とし、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
図23Bは、第2のケースでの補正値の説明図である。第2のケースでは、搬送動作前後のノズル♯90の位置が、ともに補正値Ca(i)の適用範囲内にある。このような場合、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fと適用範囲の搬送方向長さLとの比F/LをCa(i)で掛けた値を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値Ca(i)×(F/L)を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
図23Cは、第3のケースでの補正値の説明図である。第3のケースでは、搬送動作前のノズル♯90の位置が補正値Ca(i)の適用範囲内にあり、搬送動作後のノズル♯90の位置が補正値Ca(i+1)の適用範囲内にある。ここで、目標搬送量Fのうちの補正値Ca(i)の適用範囲内での搬送量をF1とし、補正値Ca(i+1)の適用範囲内での搬送量をF2とする。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)をF2/Lで掛けた値との和を補正値とする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
図23Dは、第4のケースでの補正値の説明図である。第4のケースでは、補正値Ca(i+1)の適用範囲を通過するように用紙が搬送される。このような場合、コントローラ60は、Ca(i)をF1/Lで掛けた値と、Ca(i+1)と、Ca(i+2)をF2/Lで掛けた値との和を補正値にする。そして、コントローラ60は、当初の目標搬送量Fから補正値を加えた値を目標にして搬送モータ22を駆動して、用紙を搬送する。
このように、コントローラが当初の目標搬送量Fを補正して、補正後の目標搬送量に基づいて搬送ユニットを制御すると、実際の搬送量が当初の目標搬送量Fになるように補正され、DC成分の搬送誤差が補正される。
<各相対位置における補正値の重要度>
図24Aは、搬送ローラ23から用紙が外れる前の状態を示す図であり、図24Bは、搬送ローラ23から用紙が外れる瞬間の状態を示す図である。搬送ローラ23と対をなす従動ローラ26は、ゴムなどの弾性体でできている。よって、図24Aに示すように用紙Sを搬送しているときにおいて、搬送ローラ23と従動ローラ26との間に挟み込まれた用紙Sには弾性力により圧縮される力が加わっている。前述の通り、従動ローラ26は弾性体でできていることから、図24Bに示すように搬送ローラ23と従動ローラ26から用紙Sが外れる瞬間、用紙Sを搬送方向にはじき飛ばすような力が生ずる。このような力の影響により、搬送ローラ23から外れるときの搬送誤差は、その他の位置における搬送よりも大きくなることが考えられる。そのため、搬送ローラ23から外れるときに適用される補正値は、その他の位置における搬送において適用される補正値よりも重要度は高いということが考えられ、この補正値は的確に搬送ローラ23から外れるときの搬送において適用されるべきである。
<用紙のサイズが異なる場合>
用紙Sに印刷を行う前に、用紙サイズの設定が行われる。設定された用紙のサイズと、実際に印刷が行われる用紙のサイズが一致していれば、各位置の搬送に適切な補正値が適用され、精度の高い搬送が行われる。しかしながら、設定された用紙のサイズ(ここでは、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ))よりも実際の用紙Sが搬送方向に短い場合、適切な位置に補正値が適用されない場合がある。
図25は、用紙の搬送方向の長さが短いときのNIPラインの位置を説明するための図である。図に示す用紙のサイズは、設定のサイズのものより搬送方向について短い。NIPラインは、下端からDnの距離の位置に存在することとなるため、このときNIPラインは、境界位置L19への搬送が行われているときに訪れる。一方、設定のサイズ(101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ))の用紙のときのNIPラインは、境界位置L21への搬送が行われるときに訪れていた。
よって、用紙の搬送方向のサイズが短いときに、設定の用紙のサイズの補正値をそのまま適用したのでは、用紙が搬送ローラからはずれるときに適用するべき補正値を他の位置の搬送のときに適用してしまうこととなる。そうすると、搬送誤差がかえって悪化することも考えられる。
図26は、用紙の搬送方向の長さが長いときのNIPラインの位置を説明するための図である。図に示す用紙のサイズは、設定のサイズのものより搬送方向について長い。NIPラインは、下端からDnの距離の位置に存在することとなるため、このときNIPラインは、境界位置L22への搬送が終了した後に訪れる。このように、用紙の搬送方向のサイズが長いときに、設定の用紙のサイズの補正値をそのまま適用したのでは、用紙が搬送ローラからはずれるときに適用するべき補正値を他の位置の搬送のときに適用してしまうこととなる。そうすると、搬送誤差がかえって悪化することも考えられる。
<用紙の下端の補正値について>
図27Aは、用紙が搬送ローラ23と排紙ローラ25とによって搬送されるときにおける、初期段階の用紙の位置を示す図である。初期段階では、用紙の上端付近(用紙の下流側付近)が搬送ローラ23と排紙ローラ25に挟まれている。そして、用紙の後端の大部分が給紙台29に接している。図27Bは、用紙が搬送ローラ23と排紙ローラ25とによって搬送されるときにおける、後期段階の用紙の位置を示す図である。後期段階では、用紙の後端付近(用紙の上流側付近)の給紙台29に接している部分少なくなっている。
図27Aを参照すると、給紙台29と搬送ローラ23との間において用紙がたわんでいる箇所がある(図中の点線で囲んだ箇所)。この用紙のたわみ量は、用紙搬送の初期段階から後期段階に入るまでにおいてほぼ同様のたわみ量を有するものと考えられる。一方、図27Bを参照すると、後期段階では、上流側の用紙のほとんどの部分が給紙台29に接しておらず、用紙が搬送されるにつれて図中の点線で囲んだ箇所のたわみ量が大きく変化していく。
用紙のたわみ量の変化は、搬送誤差の変化に影響を与える。よって、用紙搬送の後期段階に入る前においては、搬送誤差は生じるものの搬送誤差の変動量は小さい。用紙のたわみ量の変化が少ない初期段階から中期段階における用紙の相対位置は、用紙の下流側(上端側)の部分から中央の部分がヘッド近傍にあるときとなる。よって、用紙の上端側から中央の部分がヘッド近傍にあるときの搬送誤差の変動量は、用紙の下端側の部分がヘッド近傍にあるときの搬送誤差の変動量に比べて小さいものと考えられる。補正値は、搬送誤差の量に対応する量となる。よって、搬送誤差の変動量が少ない場合、隣り合う位置の搬送誤差は比較的近い量となり、隣り合う補正値も比較的近い値となる。
用紙のサイズを小さくした場合、搬送誤差の変動量が少ないとき、すなわち、たわみ量の変化が比較的少ない部分の搬送が省略されたものと考えることができる。よって、設定のサイズの用紙の補正値のテーブルから、より小さいサイズの用紙の補正値のテーブルを作成する場合には、上述のたわみ量の変化が小さい部分に対応する補正値を削除することで、小さいサイズの補正値のテーブルを作成することが望ましい。
一方、設定のサイズの用紙のテーブルから、より大きいサイズの補正値のテーブルを作成する場合には、上述のたわみ量の変化が比較的小さい部分の補正値を複数回使用し、足りない補正値を補間するようにして作成することが望ましい。これは、搬送する用紙のサイズを大きくした場合、上述のたわみ量の変化が小さい部分の搬送が追加されたものと考えられることができるからである。
これらのことから、用紙のサイズが設定のサイズと異なっている場合、搬送誤差の変動量が大きい下端部付近の搬送について、下端からの距離を基準にして対応する補正値を適用することが望ましい。また、下端からの距離を基準にして対応する補正値を適用することで、用紙のサイズが異なっていても、確実に、搬送ローラから用紙が外れるときに適用するべき補正値を用紙が外れるときの位置に適用することができる。
以下に示す実施形態では、用紙の下端部を検出した後、下端からの相対的な距離に対応した補正値を適用するようにして、用紙のサイズが設定のサイズと異なっている場合であっても、下端部付近に適用するべき補正値を確実に下端部付近に適用するようにしている。
===実施形態===
図28A及び図28Bは、用紙検出センサ53の動作を説明するための図である。用紙検出センサ53は、前述の通り、用紙の上端及び後端を検出するように、上流側のローラである搬送ローラ23よりもさらに上流側に取り付けられる。用紙検出センサ53は、用紙と接触する用紙接触部材534と光路遮断部材531を含む。用紙接触部材534と光路遮断部材531とは一体に成型されており、これらは軸533を支点に回転可能にプリンタ1内に取り付けられている。また、用紙検出センサ53は、光学センサ532も含まれる。
用紙Sが用紙接触部材534に接触していないときには、用紙接触部材534及び光路遮断部材531との自重により、これらの位置は図28Aに示すような位置となっている。一方、用紙Sが用紙接触部材534に接触すると、用紙接触部材は軸533を支点に時計回りに移動させられ、一体成型されている光路遮断部材531も支点533を軸として時計回りに移動させられる(図28B)。
図において、紙面手前側には、この光学センサ532に光を照射するための不図示のレーザ発光装置が取り付けられている。用紙Sが用紙接触部材534に接触していないときには、光路遮断部材531がレーザ発光装置からのレーザ光を遮るため、センサ532はレーザ光を検出しない。一方、用紙Sが用紙接触部材534に接触することによって時計回りに移動させられると、光路遮断部材531も時計回りに回転させられ、レーザ光を遮っていた光路遮断部材531が移動して、光学センサ532が光を検出する。
用紙Sの搬送が進み、用紙接触部材534が用紙Sの下端との接触を終えると、用紙接触部材534及び光路遮断部材531の位置は、再び図28Aに示す位置に戻る。光学センサ532の出力はコントローラ60に接続されている。そして、コントローラ60は、光学センサ532がレーザ光を受光しているか否かに基づいて、用紙接触部材534に用紙Sが接触しているか否かを検知できるようになっている。このようにして、用紙の上端及び下端を検出することができるようになっている。
尚、用紙検出センサ53とコントローラ60は、用紙の下端を検出するためのセンサに相当する。また、用紙の下端を検出することが可能であれば、他のセンサを使用することとしてもよい。
図29は、本実施形態において使用される補正値のテーブルについて説明するための図である。図には、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の用紙Sを搬送するときにおいて使用される補正値が対応する境界位置情報と共に示されている。
補正値のテーブルは、用紙のサイズごとに用意されている。用紙に印刷を行う際、印刷対象の用紙のサイズがコンピュータ110を介して設定されることで、用紙のサイズに合わせた補正値が適用され、搬送が行われる。本実施形態の場合にも、コンピュータ110から4インチ×6インチの用紙を使用した印刷を行うという情報がプリンタ1のコントローラ60に予め送られており、コントローラ60は、図に示すような補正値のテーブルをメモリ63から読み出して使用することとする。
尚、以降の説明について、「Liまでの搬送範囲」とは「Li−1に相当する理論位置からLiに相当する理論位置までの搬送範囲」を示すこととして説明を行う。
本実施形態のプリンタ1において、用紙検出センサ53が設けられている位置の関係から、上述の用紙Sの下端が検出されるのは、L16までの搬送範囲となっている。また、下端を基準にした搬送範囲に対応する補正値が、Ca(16)〜Ca(21)であることが示されている。また、搬送ローラから用紙が外れるときの搬送が、L21までの搬送範囲であることが示されている。そして、L21に相当する理論位置に対応する補正値がCa(20)であることが示されている。
図30は、本実施形態を説明するためのフローチャートである。最初に、コントローラ60は、用紙Sの下端を既に検出したか否かについて判定する(S202)。用紙の下端を検出していない場合、コントローラ60は、用紙の下端を検出する予定の搬送範囲(ここでは、L16までの搬送範囲)を超えているか否かについて判定する(S204)。用紙Sの下端を検出する予定の搬送範囲を超えていないときには、設定された補正値のテーブル(図29)をそのまま使用し、対応する境界情報に基づいて搬送量の補正を行って(S206)、用紙の搬送を行う。そして、再度、ステップS202を実行することになる。このような動作を繰り返すことにより、用紙Sは、用紙Sの上端を基準とした境界位置情報に対応した補正値が適用されつつ、搬送が行われる。
用紙の搬送方向の長さが短い場合において、このような搬送が続けられると下端検出予定の搬送範囲に達する前に用紙の下端を検出する(S202)。用紙Sの下端を検出すると、現在の搬送範囲の次の搬送範囲に対応する補正値から、下端を基準として補正値を適用するように補正値のテーブルを書き換える(S210)。そして、書き換えられた補正値のテーブルに基づいて搬送量の補正を行いつつ搬送を行う。例えば、L14までの搬送範囲の搬送を行っているときにおいて用紙の下端が検出されると、この境界位置情報L14の後の境界位置情報L15以降に対応する補正値を下端を基準とした補正値を適用するように補正値のテーブルを書き換える。
図31は、用紙の搬送方向のサイズが短い場合に適用される補正値の順序の一例である。ここでは、L14までの搬送範囲の搬送を行っているときに用紙の下端が検出されたので、次の境界位置情報L15〜L20に対応する補正値が下端を基準とした補正値Ca(16)〜Ca(21)に書き換えられている。このように、用紙の下端を検出した後に、下端を基準とした補正値を適用することとするので、下端部付近に適用するべき補正値を確実に下端部付近に適用することができる。
ところで、ステップ204において、下端検出予定の搬送範囲を超えていた場合、コントローラ60は、次の搬送範囲において、下端検出予定の搬送範囲に対応づけられた補正値を再度使用するように対応づける(S208)。これは、ステップS202において用紙Sの下端を検出しておらず、さらに、ステップS204において下端検出予定の搬送範囲を超えている場合、本来、下端を既に検出しているはずであるのに未だ下端が訪れていないことを示している。これは、用紙Sの搬送方向の長さが設定された用紙の長さよりも長いことを示している。
このような場合には、下端検出予定の範囲に対応する補正値を再度適用して、足りなくなるであろう補正値を補っている。本実施形態では、下端検出予定の搬送範囲はL16までの搬送範囲であり、これに対応する補正値はCa(15)である。よって、この場合には、Ca(15)が再度使用されるようになる。
図32は、用紙の搬送方向のサイズが大きい場合に適用される補正値の順序の一例である。用紙の搬送方向の長さが長いために補正値Ca(15)が2回分多く繰り返して使用されていることが示されている。
下端検出予定の範囲の補正値が繰り返し使用されて搬送が行われると、用紙Sの下端が検出される(S202)。用紙Sの下端が検出されると、コントローラ60は、ステップS210を実行し、現在の搬送範囲の次の搬送範囲に対応する補正値から、下端を基準とした補正値を適用するように補正値のテーブルを書き換える。ここでは、L18までの搬送範囲において用紙の下端が検出されたので、次の境界情報L19〜L24に対応する補正値が下端を基準とした補正値Ca(16)〜Ca(21)に書き換えられていることが示されている(図32)。
このようにすることによって、用紙の搬送方向のサイズが小さい場合又は大きい場合であっても、下端を基準とした補正値を用いて下端部付近の搬送を行うことができる。そして、搬送が不安定になりがちな、下端部付近の搬送を適切な補正値を適用して搬送することができる。特に、用紙のサイズが異なっていても、確実に、搬送ローラ23から用紙が外れるときに適用されるべき補正値を用紙が外れるときの位置に適用することができる。
本実施形態では、印刷を予定している用紙のサイズよりも小さい用紙、又は、大きい用紙を使用してしまった場合について説明を行った。しかしながら、設定した媒体のサイズと同じサイズの媒体を用いたものの、何らかの原因により使用するべき補正値の相対位置がずれてしまった場合にも適用することができる。例えば、媒体の製造誤差などの個体差によるサイズの変動、及び、環境による媒体のサイズの若干の変化などにより、適用するべき補正値の相対位置がずれてしまった場合にも上述の実施形態を適用することができる。これは、用紙検出センサ53によって下端を検出しながら、適用するべき補正値の位置を修正するからである。そして、搬送が不安定になりがちな下端部付近の搬送を適切な補正値を適用して搬送することができる。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、搬送方法、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
また、一実施形態としてのプリンタ等を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンタについて>
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、ピエゾ素子を利用するものに限られず、例えばサーマルプリンタなどにも適用できる。また、液体を吐出するものに限られず、ワイヤドットプリンタなどにも適用できる。
プリンタ1の全体構成のブロック図である。 図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図であり、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。 ノズルの配列を示す説明図である。 搬送ユニット20の構成の説明図である。 AC成分の搬送誤差の説明用グラフである。 用紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。 搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフロー図である。 図8A〜図8Cは、補正値を決定するまでの様子の説明図である。 測定用パターンの印刷の様子の説明図である。 図10Aは、スキャナ150の縦断面図であり、図10Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。 スキャナの読み取り位置の誤差のグラフである。 図12Aは、基準シートSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。 S103における補正値算出処理のフロー図である。 画像の分割(S131)の説明図である。 図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図であり、図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。 測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。 余白量Xの説明図である。 図18Aは、ラインの位置を算出する際に用いられる画像の範囲の説明図であり、図18Bは、ラインの位置の算出の説明図である。 算出されたラインの位置の説明図である。 測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。 補正値C(i)の対応する範囲の説明図である。 メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。 第1のケースでの補正値の説明図である。 第2のケースでの補正値の説明図である。 第3のケースでの補正値の説明図である。 第4のケースでの補正値の説明図である。 図24Aは、搬送ローラ23から用紙が外れる前の状態を示す図であり、図24Bは搬送ローラ23から用紙が外れる瞬間を示す図である。 用紙の搬送方向の長さが短いときのNIPラインの位置を説明するための図である。 用紙の搬送方向の長さが長いときのNIPラインの位置を説明するための図である。 図27Aは、用紙が搬送ローラ23と排紙ローラ25とによって搬送されるときにおける、初期段階の用紙の位置を示す図であり、図27Bは、用紙が搬送ローラ23と排紙ローラ25とによって搬送されるときにおける、後期段階の用紙の位置を示す図である。 図28A及び図28Bは、用紙検出センサ53の動作を説明するための図である。 本実施形態において使用される補正値のテーブルについて説明するための図である。 本実施形態を説明するためのフローチャートである。 用紙の搬送方向のサイズが短い場合に適用される補正値の順序の一例である。 用紙の搬送方向のサイズが長い場合に適用される補正値の順序の一例である。
符号の説明
1 プリンタ、110 コンピュータ、
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、26 従動ローラ、27 従動ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、521 スケール、522 検出部、
53 用紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、
64 ユニット制御回路、
150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部、155 移動機構、
157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系、
TS テストシート、SS 基準シート

Claims (6)

  1. (A)媒体に記録を行うためのヘッドと、
    (B)前記ヘッドの上流側のローラを含む搬送機構であって、目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する搬送機構と、
    (C)媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリと、
    (D)前記上流側のローラよりも上流側に設けられたセンサであって、前記搬送方向に搬送されている前記媒体の下端を検出するためのセンサと、
    (E)前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させ、
    前記センサによって前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記搬送機構に前記媒体を搬送させるコントローラと、
    を備える記録装置。
  2. 前記搬送機構は、前記媒体を搬送方向に搬送するための前記ヘッドの下流側のローラをさらに含み、
    前記媒体の下端を検出するべき相対位置までの搬送を行っても前記媒体の下端が検出されないとき、前記コントローラは、前記上流側に設けられたローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記媒体の搬送を行う、請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記搬送機構は、前記媒体を搬送方向に搬送するための前記ヘッドの下流側のローラをさらに含み、
    前記媒体の下端を検出するべき相対位置までの搬送を行う前に前記媒体の下端が検出されたとき、前記コントローラは、前記上流側に設けられたローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値の一部の補正値を使用しないようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記媒体の搬送を行う、請求項1に記載の記録装置。
  4. 各前記補正値には、その補正値を適用すべき前記相対位置の範囲が対応づけられており、
    前記コントローラは、前記目標搬送量にて搬送する際の前記相対位置の変化する範囲と、前記補正値を適用すべき前記相対位置の前記範囲との比率に応じて前記補正値に重み付けを行い、前記目標搬送量を補正する、請求項1〜4のいずれかに記載の記録装置。
  5. 媒体を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するステップと、
    前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送させるステップと、
    上流側のローラよりも上流側に設けられたセンサが、搬送方向に搬送されている前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送するステップと、
    を含む搬送量補正方法。
  6. 搬送量補正装置を動作させるためのプログラムであって、
    媒体を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するステップと、
    前記媒体の上端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送させるステップと、
    上流側のローラよりも上流側に設けられたセンサが、搬送方向に搬送されている前記媒体の下端を検出した後、前記媒体の下端を基準とする前記相対位置に対応づけられた補正値により前記目標搬送量を補正し、補正された前記目標搬送量にて前記媒体を搬送するステップと、
    を前記搬送量記録装置に行わせるプログラム。
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