JP4193894B2 - 補正値決定方法、補正値決定装置、及び、プログラム - Google Patents
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Description
目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
を含む搬送量補正方法である。
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
を含む搬送量補正方法。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
前記第1の補正値に基づいて前記媒体を搬送させつつ記録された第2のパターンであって、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンに基づいて、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値と、
を記憶するメモリと、
(B)前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決める演算部と、
を備える補正値決定装置。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
を前記搬送量補正装置に行わせるプログラム。
このようにすることで、安定して媒体が搬送される部分に適用される補正値とそうでない部分に適用される補正値とで求め方を異ならせ、それぞれの部分に適した補正値を求めることができる。
<インクジェットプリンタの構成について>
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
<紙の搬送について>
図4は、搬送ユニット20の構成の説明図である。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙は所定の搬送量にて搬送される。
したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、紙の搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
そして、例えば搬送量1インチで紙を搬送する場合、搬送ローラ23が1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、紙を目標搬送量にて搬送する。
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。このため、搬送ローラ23の回転量と紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリー式エンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差の2種類がある。
まず第1に、搬送ローラの形状による影響が考えられる。例えば、搬送ローラが楕円形状や卵型である場合、搬送ローラの周面の場所に応じて、回転中心までの距離が異なっている。そして、回転中心までの距離が長い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が多くなる。一方、回転中心までの距離が短い部分で媒体を搬送する場合、搬送ローラの回転量に対する搬送量が少なくなる。
図6は、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の大きさの紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。グラフの横軸は、紙の総搬送量を示している。グラフの縦軸は、搬送誤差を示している。図中の点線は、DC成分の搬送誤差のグラフである。図中の実線の値(トータルの搬送誤差)から図中の点線の値(DC成分の搬送誤差)を引けば、AC成分の搬送誤差が求められる。AC成分の搬送誤差は、紙の総搬送量に関わらず、ほぼサインカーブになる。一方、点線で示されるDC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる。
図10は、搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフローチャートである。図11A〜図11Cは、補正値を決定するまでのデータの流れを説明するための図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。この処理に先立って、検査者は、組み立て完了後のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150も接続されており、プリンタドライバ、スキャナドライバ等が予めインストールされている。
まず、測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷と同様に、プリンタ1は、移動中のノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、測定用パターンを紙に印刷する。なお、以下の説明では、ドット形成処理のことを「パス」と呼び、n回目のドット形成処理のことを「パスn」と呼ぶ。
識別コードは、個々のプリンタ1をそれぞれ識別するための個体識別用の記号である。この識別コードは、S104及びS108において測定用パターンが読み取られるときに一緒に読み取られ、OCRによる文字認識によって、コンピュータ110に識別される。
各ラインは、いずれも移動方向に沿って形成されている。上端側から順にi番目のラインのことを「Li」と呼ぶ。特定のラインは、他のラインよりも長く形成されている。例えば、ラインL1、ラインL13、及び、ラインL22は、他のラインと比べて、長く形成されている。これらのラインは、以下のようにして形成される。
図13は、第1の補正値決定処理を説明するためのフローチャートである。以下に、補正値決定処理における各処理について説明する。
<スキャナの構成>
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ150の構成について説明する。
図14Aは、スキャナ150の縦断面図である。図14Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
後述するように、本実施形態ではスキャナ150は、テストシートTSの測定用パターンと基準シートの基準パターンとを、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で読み取る。このため、以下の説明では、720×720dpiの解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
図16Aは、基準シートSSの説明図である。図16Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。
基準シートSSの大きさは10mm×300mmであり、基準シートSSは長細い形をしている。基準シートSSには、基準パターンとして36dpi間隔にて多数のラインが形成されている。基準シートSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルムから構成される。また、基準パターンは、レーザー加工により、高精度に形成されている。
補正値の算出の説明の前に、スキャナ150から取得した画像データについて説明する。画像データは、複数の画素データから構成されている。各画素データは、対応する画素の階調値を示している。スキャナの読み取り誤差を無視すれば、各画素は1/720インチ×1/720インチの大きさに相当する。このような画素を最小構成単位として画像(ディジタル画像)が構成されており、画像データは、このような画像を示すデータになっている。
まず、コンピュータ110は、スキャナ150から取得した画像データの示す画像を2つに分割する(S131)。
図18は、画像の分割(S131)の説明図である。図中の左側には、スキャナから取得した画像データの示す画像が描かれている。図中の右側には、分割された画像が描かれている。以下の説明において、図中の左右方向(水平方向)をx方向と呼び、図中の上下方向(垂直方向)をy方向と呼ぶ。基準パターンの画像における各ラインはx方向にほぼ平行であり、測定用パターンの画像における各ラインはy方向にほぼ平行である。
次に、コンピュータ110は、画像の傾きを検出する(S132)。
図19Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図19Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。横軸は、画素の位置(Y座標)を示している。縦軸は、画素の階調値を示している。コンピュータ110は、取り出されたJY個の画素の画素データに基づいて、重心位置KY2、KY3をそれぞれ求める。
そして、コンピュータ110は、次式によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX2−KX3)}
なお、コンピュータ110は、測定用パターンの画像の傾きだけでなく、基準パターンの画像の傾きも検出する。基準パターンの画像の傾きの検出方法は、上記の方法とほぼ同様であるので、説明を省略する。
次に、コンピュータ110は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する(S133)。測定用パターンの画像は、測定用パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正され、基準パターンの画像は、基準パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正される。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
次に、コンピュータ110は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する(S134)。測定用パターンを印刷するときにテストシートの下端が搬送ローラを通過すると、テストシートの下端がヘッド41に接触し、テストシートが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートの下端がヘッド41に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
図20は、測定用パターンの印刷時の傾きの検出の様子の説明図である。まず、コンピュータ110は、ラインL1(一番上のライン)とラインL22における左側の間隔YLと、右側の間隔YRとを検出する。そして、コンピュータ110は、間隔YLと間隔YRの差を算出し、この差が所定範囲内であれば次の処理(S135)へ進み、この差が所定範囲外であればエラーとする。
次に、コンピュータ110は、余白量を算出する(S135)。
図21は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
仮に基準シートSSの傾きとテストシートTSの傾きとが異なると、付加される余白量が異なることになり、回転補正(S133)の前後において、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置が相対的にずれることになる。そこで、コンピュータ110は、次式により余白量Xを求め、S136において算出されるライン位置から余白量Xを差し引くことによって、基準パターンに対する測定用パターンのラインの位置のずれを防止する。
X=(w cosθ−W´/2)×tanθ
次に、コンピュータ110は、スキャナ座標系での基準パターンのラインの位置及び測定用パターンのラインの位置をそれぞれ算出する(S136)。
スキャナ座標系とは、1画素の大きさを1/720×1/720インチとしたときの座標系である。スキャナ150には読み取り位置の誤差があり、読み取り位置の誤差を考慮すると、各画素データの対応する実際の領域は厳密には1/720インチ×1/720インチにはならないが、スキャナ座標系では、各画素データの対応する領域(画素)の大きさを1/720×1/720インチとする。また、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
コンピュータ110は、階調値のピーク値の位置を求め、この位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とする。そして、この演算範囲の画素の画素データに基づいて、階調値の重心位置を算出し、この重心位置をラインの位置とする。
次に、コンピュータ110は、測定用パターンのラインの絶対位置をそれぞれ算出する(S137)。
図24は、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。ここでは、測定用パターンのi番目のラインは、基準パターンのj−1番目のラインと、基準パターンのj番目のラインとの間に位置する。以下の説明では、測定用パターンのi番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「S(i)」と呼び、基準パターンのj番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「K(j)」と呼ぶ。また、基準パターンのj−1番目のラインとj番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L」と呼び、基準パターンのj−1番目のラインと測定用パターンのi番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L(i)」と呼ぶ。
H=L(i)/L
={S(i)−K(j−1)}/{K(j)−K(j−1)}
R(i)={J(j)−J(j−1)}×H+J(j−1)
次に、コンピュータ110は、測定用パターンを形成する際に行われた複数回の搬送動作に対応する補正値をそれぞれ算出する(S138)。各補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて、算出される。
ところで、本実施形態のロータリー式エンコーダ52は原点センサを備えていないので、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転量は検出できるが、搬送ローラ23の回転位置までは検出していない。このため、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置をプリンタ1は保証することがでない。つまり、印刷する度に、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なるおそれがある。一方、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔は、1/4インチにて搬送するときのDC成分の搬送誤差の影響だけではなく、AC成分の搬送誤差の影響も受けている。
そこで、本実施形態では、DC成分の搬送誤差だけを補正するようにするため、次式のように4個の補正値Cを平均化することによって、DC成分の搬送誤差を補正するための補正量Caを算出している。
Ca(i)={C(i−1)+C(i)+C(i+1)+C(i+2)}/4
前述した通り、パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。そうすると、補正値Caを算出するための上式は、次式のような意味になる。
Ca(i)=[25.4mm−{R(i+3)−R(i−1)}]/4
ゆえに、4個の補正値Cを平均化して算出される補正値Ca(i)は、AC成分の搬送誤差の影響を受けず、DC成分の搬送誤差を反映した値になる。
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S104)。
図26は、メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。メモリ63に記憶される補正値は、補正値Ca(1)〜Ca(21)である。また、各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連付けられてメモリ63に記憶される。
ここでは、前に求めた第1の補正値を使用しつつ測定用パターンの印刷を行う。測定用パターンを印刷する点については、前述のS102における測定用パターンの印刷を同様であるが、目標搬送量を第1の補正値で補正しつつ搬送を行っている点で異なっている。よってここでは、前述のS102と異なる点である第1の補正値を使用しつつどのように用紙Sの搬送を行うかについて説明を行い、測定用パターンの印刷の説明については省略する。
このようにして、目標搬送量が第1の補正値Ca(i)を用いて補正されつつ用紙の搬送が行われ、ラインL1〜L22、及び、識別コードが印刷される。
図28は、第2の補正値決定処理を説明するためのフローチャートである。第2の補正値決定処理では、前述の第1の補正値決定処理とほぼ同様の処理が行われる。異なっているのは、第2の補正値決定処理において、図13のS116(補正値の記録)の処理がないことである。
次に最終補正値決定処理について説明する。
ここでは、4×6判の用紙が使用されている。このとき、ラインL4とラインL5との間に上端側のNIPラインが存在する。すなわち、ラインL4が描かれてからラインL5が描かれる間の搬送において用紙の上端がギザローラ27に突入するときが存在する。また、ラインL20とラインL21との間に下端側のNIPラインが存在する。すなわち、ラインL20が描かれてからラインL21が描かれるまでの間の搬送において、用紙の下端が搬送ローラから外れるときが存在する。つまり、ラインL4が描かれてからL5が描かれるまでの間の搬送と、ラインL20が描かれてからラインL21が描かれるまでの間の搬送において、用紙が安定して搬送されないときが存在する。一方、それ以外のときにおいて、用紙は安定して搬送されることとなる。尚、これらNIPラインの位置は、用紙のサイズに応じたものが予めコンピュータ110のメモリに記憶されている。
ここでは、第2の補正値は、第1の補正値を適用してもなお取りきれなかった搬送誤差を除去するためのものである。よって、第1の補正値と第2の補正値とを同時に適用すべく最終補正値は、これらの和で求められる。つまり、最終補正値Ca’’(i)は、
Ca’’(i)=Ca(i)+Ca’(i)
となる。
尚、第1の補正値Ca(i)のみで搬送誤差のほとんどを除去できる場合には、第2の補正値をCa’(i)=0とすることができる。
用紙が排紙ローラに突入するとき、及び、用紙が搬送ローラから外れるときの搬送を行うときのライン間の搬送量は、毎回異なった量となる。これは、毎回異なる量の搬送誤差が搬送量に含まれることとなるためである。このような場合に対応する搬送量補正としては、毎解雇となる用の搬送誤差における平均的な搬送誤差を補正するような最終補正値を使用することとして、全ての搬送誤差に対してある程度良好な搬送量補正を行うこととするのが望ましい。
Ca’’(i)=[Ca(i)+{Ca(i)+Ca’(i)}]/2
=Ca(i)+Ca’(i)/2 (式1)
で求めることができる。
一方、i=2〜5,18〜21の最終補正値Ca’’(i)は、(式1)が適用され、第1の補正値Ca(i)と、第1の補正値Ca(i)と第2の補正値Ca’(i)の和と、の中間値が補正値とされる。
このようにすることで、安定して搬送されないときの搬送において搬送量補正を行うときであっても、不確定な搬送誤差を考慮した補正値を適用して良好な搬送量補正を行うことができる。
Ca’’(i)=Ca(i)+h・Ca’(i)
(0<h<1)
となる。
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、搬送方法、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、ピエゾ素子を利用するものに限られず、例えばサーマルプリンタなどにも適用できる。また、液体を吐出するものに限られず、ワイヤドットプリンタなどにも適用できる。
(1)本実施形態では、まず、目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して用紙が搬送方向に搬送されつつ、この用紙の搬送量を確認するための測定用パターン(第1パターン)がヘッドによって記録される(S102)。次に、測定用パターン(第1パターン)に基づいて、用紙を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと用紙との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値Ca(i)が求められる(S104,第1の補正値決定処理)。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するとき以外の相対位置については、第1の補正値と第2の補正値との和を用いて搬送誤差を補正しつつ媒体を搬送することができる。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するときに対応する相対位置と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外に対応する相対位置とで補正値の求め方を異ならせて、それぞれに適した補正値を求めることができる。
このようにすることで、用紙が排紙ローラに進入するときに対応する相対位置と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外に対応する相対位置とで補正値の求め方を異ならせて、それぞれに適した補正値を求めることができる。
このようにすることで、用紙が搬送ローラから外れるときに対応する相対位置と、用紙が搬送ローラから外れるとき以外に対応する相対位置とで補正値の求め方を異ならせて、それぞれに適した補正値を求めることができる。
メモリには、用紙の搬送量を確認するための第1パターンに基づいて、用紙を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと用紙との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を記憶する。また、このメモリには、第1の補正値に基づいて用紙を搬送させつつ記録された第2のパターンであって、用紙の搬送量を確認するための第2パターンに基づいて、ヘッドと用紙との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を記憶する。
また、演算部は、用紙が排紙ローラに進入するときの相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方と、用紙が排紙ローラに進入するとき以外の相対位置に対応づけられた第1の補正値及び第2の補正値の用い方とを異ならせて、目標搬送量の補正値を決める。
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、26 従動ローラ、27 ギザローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、521 スケール、522 検出部、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、63 メモリ、
64 ユニット制御回路、
150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部、155 移動機構、
157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系、
TS テストシート、SS 基準シート
Claims (9)
- 目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決めるステップと、
を含む補正値決定方法。 - 前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として前記第1の補正値と前記第2の補正値との和を用いる、請求項1に記載の補正値決定方法。
- 前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として、前記第1の補正値と、前記第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間に存在する値を用いる、請求項1又は2に記載の補正値決定方法。
- 前記目標搬送量の補正値を決めるステップにおいて、前記ローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記目標搬送量の補正値として、前記第1の補正値と、前記第1の補正値と前記第2の補正値との和と、の中間値を用いる、請求項3に記載の補正値決定方法。
- 前記目標搬送量の補正値を決めるステップは、前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の上流側に設けられたローラから外れるときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決めることを、さらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の補正値決定方法。
- 前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるとき、及び、前記下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置は、前記上流側に設けられたローラと前記下流側に設けられたローラとの位置の関係から予め決められている、請求項5に記載の補正値決定方法。
- 前記媒体が前記上流側に設けられたローラから外れるときと、前記下流側に設けられたローラに進入するときとで前記相対位置に対応付けられた前記第1の補正値と前記第2の補正値の用い方が同じである、請求項5又は6に記載の補正値決定方法。
- (A) 媒体の搬送量を確認するための第1パターンに基づいて、媒体を搬送するときにおいて目標搬送量を補正するための補正値であって、ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値と、
前記第1の補正値に基づいて前記媒体を搬送させつつ記録された第2のパターンであって、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンに基づいて、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値と、
を記憶するメモリと、
(B)前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正値を決める演算部と、
を備える補正値決定装置。 - 搬送量補正装置を動作させるためのプログラムであって、
目標となる目標搬送量に応じて、ヘッドに対して媒体を搬送方向に搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第1パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第1パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第1の補正値を求めるステップと、
前記相対位置に対応する前記第1の補正値を用いて前記目標搬送量の補正を行って前記媒体を搬送させつつ、該媒体の搬送量を確認するための第2パターンを前記ヘッドに記録させるステップと、
前記第2パターンに基づいて、前記媒体を搬送するときにおいて前記目標搬送量を補正するための補正値であって、前記ヘッドと前記媒体との相対位置に対応づけられた補正値である第2の補正値を求めるステップと、
前記媒体が前記ヘッドの搬送方向の下流側に設けられたローラに進入するときの前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方と、前記媒体が前記ローラに進入するとき以外の前記相対位置に対応づけられた前記第1の補正値及び前記第2の補正値の用い方とを異ならせて、前記目標搬送量の補正を行うステップと、
を前記補正値決定装置に行わせるプログラム。
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