JP4192978B2 - 記録装置、搬送量補正方法、及び、プログラム - Google Patents
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Description
(A)媒体に記録を行うためのヘッドと、
(B)前記ヘッドの上流側のローラ及び下流側のローラを含む搬送機構であって、目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する前記搬送機構と、
(C)所定の大きさの媒体について、該媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリと、
(D)前記所定の大きさの媒体に記録を行う際、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行う際、前記所定の大きさの媒体が前記上流側のローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させるコントローラと、
を備える記録装置である。
(B)前記ヘッドの上流側のローラ及び下流側のローラを含む搬送機構であって、目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する前記搬送機構と、
(C)所定の大きさの媒体について、該媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリと、
(D)前記所定の大きさの媒体に記録を行う際、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行う際、前記所定の大きさの媒体が前記上流側のローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させるコントローラと、
を備える記録装置。
このようにすることで、補正値が記憶されている媒体と異なる大きさの媒体を搬送する場合であっても、記憶されている別の媒体の補正値に基づいて搬送量の補正を行うことができる。
このようにすることで、補正値が記憶されている媒体と異なる大きさの媒体を搬送する場合であっても、記憶されている別の媒体の補正値に基づいて搬送量の補正を行うことができる。
(B)前記所定の大きさの媒体に記録を行うときには、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行うときには、前記所定の大きさの媒体が上流側のローラと下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させるステップと、
を含む搬送量補正方法。
このようにすることで、補正値が記憶されている媒体と異なる大きさの媒体を搬送する場合であっても、記憶されている別の媒体の補正値に基づいて搬送量の補正を行うことができる。
(A)所定の大きさの媒体について、該媒体とヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値がメモリに記憶されているか否かを判定するステップと、
(B)前記所定の大きさの媒体に記録を行うときには、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行うときには、前記所定の大きさの媒体が上流側のローラと下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させるステップと、
を前記搬送量補正装置に行わせるプログラム。
このようにすることで、補正値が記憶されている媒体と異なる大きさの媒体を搬送する場合であっても、記憶されている別の媒体の補正値に基づいて搬送量の補正を行うことができる。
<インクジェットプリンタの構成について>
図1は、プリンタ1の全体構成のブロック図である。また、図2Aは、プリンタ1の全体構成の概略図である。また、図2Bは、プリンタ1の全体構成の横断面図である。以下、プリンタの基本的な構成について説明する。
図3は、ヘッド41の下面におけるノズルの配列を示す説明図である。ヘッド41の下面には、ブラックインクノズル群Kと、シアンインクノズル群Cと、マゼンタインクノズル群Mと、イエローインクノズル群Yが形成されている。各ノズル群は、各色のインクを吐出するための吐出口であるノズルを90個備えている。
各ノズルには、それぞれインクチャンバー(不図示)と、ピエゾ素子が設けられている。ピエゾ素子の駆動によってインクチャンバーが伸縮・膨張し、ノズルからインク滴が吐出される。
<紙の搬送について>
図4は、搬送ユニット20の構成の説明図である。
搬送ユニット20は、コントローラ60からの搬送指令に基づいて、所定の駆動量にて搬送モータ22を駆動させる。搬送モータ22は、指令された駆動量に応じて回転方向の駆動力を発生する。搬送モータ22は、この駆動力を用いて搬送ローラ23を回転させる。つまり、搬送モータ22が所定の駆動量を発生すると、搬送ローラ23は所定の回転量にて回転する。搬送ローラ23が所定の回転量にて回転すると、紙は所定の搬送量にて搬送される。
したがって、搬送ローラ23の回転量が検出できれば、紙の搬送量も検出可能である。そこで、搬送ローラ23の回転量を検出するため、ロータリー式エンコーダ52が設けられている。
そして、例えば搬送量1インチで紙を搬送する場合、搬送ローラ23が1回転したことをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、コントローラ60が搬送モータ22を駆動する。このように、コントローラ60は、目標とする搬送量(目標搬送量)に応じた回転量になることをロータリー式エンコーダ52が検出するまで、搬送モータ22を駆動して、紙を目標搬送量にて搬送する。
ところで、ロータリー式エンコーダ52は、直接的には搬送ローラ23の回転量を検出するのであって、厳密にいえば、紙Sの搬送量を検出していない。このため、搬送ローラ23の回転量と紙Sの搬送量が一致しない場合、ロータリー式エンコーダ52は紙Sの搬送量を正確に検出することができず、搬送誤差(検出誤差)が生じる。搬送誤差としては、DC成分の搬送誤差及びAC成分の搬送誤差の2種類がある。
図6は、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ)の大きさの紙を搬送する際に生じる搬送誤差のグラフ(概念図)である。グラフの横軸は、紙の総搬送量を示している。グラフの縦軸は、搬送誤差を示している。図中の点線は、DC成分の搬送誤差のグラフである。図中の実線の値(トータルの搬送誤差)から図中の点線の値(DC成分の搬送誤差)を引けば、AC成分の搬送誤差が求められる。AC成分の搬送誤差は、紙の総搬送量に関わらず、ほぼサインカーブになる。一方、点線で示されるDC成分の搬送誤差は、紙の摩擦等の影響によって、紙の総搬送量に応じて異なる値になる。
図7は、搬送量を補正するための補正値を決定するまでのフロー図である。図8A〜図8Cは、補正値を決定するまでの様子の説明図である。これらの処理は、プリンタ製造工場の検査工程において行われる。この処理に先立って、検査者は、組み立て完了後のプリンタ1を工場内のコンピュータ110に接続する。工場内のコンピュータ110には、スキャナ150も接続されており、プリンタドライバ、スキャナドライバ及び補正値取得プログラムが予めインストールされている。
そして、補正値取得プログラムは、取得した画像データを解析し、補正値を算出する(S103)。そして、補正値取得プログラムは、補正データをプリンタ1に送信し、プリンタ1のメモリ63に補正値を記憶させる(図8C)。プリンタに記憶される補正値は、個々のプリンタの搬送特性を反映したものになる。
なお、補正値を記憶したプリンタは、梱包されてユーザの下に届けられる。ユーザがプリンタで画像を印刷する際に、プリンタは、補正値に基づいて紙を搬送し、紙に画像を印刷する。
まず、測定用パターンの印刷について説明する。通常の印刷と同様に、プリンタ1は、移動中のノズルからインクを吐出してドットを形成するドット形成処理と、紙を搬送方向に搬送する搬送動作とを交互に繰り返し、測定用パターンを紙に印刷する。なお、以下の説明では、ドット形成処理のことを「パス」と呼び、n回目のドット形成処理のことを「パスn」と呼ぶ。
識別コードは、個々のプリンタ1をそれぞれ識別するための個体識別用の記号である。この識別コードは、S102において測定用パターンが読み取られるときに一緒に読み取られ、OCRによる文字認識によって、コンピュータ110に識別される。
各ラインは、いずれも移動方向に沿って形成されている。NIPラインよりも上端側には、多数のラインが形成される。NIPラインよりも上端側のラインについて、上端側から順にi番目のラインのことを「Li」と呼ぶ。また、NIPラインよりも下端側には、2つのラインが形成される。NIPラインよりも下端側の2つのラインのうち、上端側のラインをLb1と呼び、下端側のライン(一番下のライン)をLb2と呼ぶ。特定のラインは、他のラインよりも長く形成されている。例えば、ラインL1、ラインL13及びラインLb2は、他のラインと比べて、長く形成されている。これらのラインは、以下のようにして形成される。
<スキャナの構成>
まず、測定用パターンの読み取りに用いられるスキャナ150の構成について説明する。
図10Aは、スキャナ150の縦断面図である。図10Bは、上蓋151を外した状態のスキャナ150の上面図である。
後述するように、参考例ではスキャナ150は、テストシートTSの測定用パターンと基準シートの基準パターンとを、720dpi(主走査方向)×720dpi(副走査方向)の解像度で読み取る。このため、以下の説明では、720×720dpiの解像度で画像を読み取ることを前提にして説明を行う。
また、仮に、グラフの傾きがゼロであれば、1/720インチ毎に等間隔に、画像が読み取られるはずである。しかし、グラフの傾きがプラスの位置では、1/720インチよりも長い間隔で画像が読み取られることになる。また、グラフの傾きがマイナスの位置では、1/720インチよりも短い間隔で画像が読み取られることになる。
図12Aは、基準シートSSの説明図である。図12Bは、原稿台ガラス152にテストシートTSと基準シートSSをセットした様子の説明図である。
基準シートSSの大きさは10mm×300mmであり、基準シートSSは長細い形をしている。基準シートSSには、基準パターンとして36dpi間隔にて多数のラインが形成されている。基準シートSSは繰り返し使用されるため、紙ではなく、PETフィルムから構成される。また、基準パターンは、レーザー加工により、高精度に形成されている。
補正値の算出の説明の前に、スキャナ150から取得した画像データについて説明する。画像データは、複数の画素データから構成されている。各画素データは、対応する画素の階調値を示している。スキャナの読み取り誤差を無視すれば、各画素は1/720インチ×1/720インチの大きさに相当する。このような画素を最小構成単位として画像(ディジタル画像)が構成されており、画像データは、このような画像を示すデータになっている。
まず、コンピュータ110は、スキャナ150から取得した画像データの示す画像を2つに分割する(S131)。
図14は、画像の分割(S131)の説明図である。図中の左側には、スキャナから取得した画像データの示す画像が描かれている。図中の右側には、分割された画像が描かれている。以下の説明において、図中の左右方向(水平方向)をx方向と呼び、図中の上下方向(垂直方向)をy方向と呼ぶ。基準パターンの画像における各ラインはx方向にほぼ平行であり、測定用パターンの画像における各ラインはy方向にほぼ平行である。
次に、コンピュータ110は、画像の傾きを検出する(S132)。
図15Aは、測定用パターンの画像の傾きを検出する様子の説明図である。コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX2番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。同様に、コンピュータ110は、画像データの中から、左からKX3番目の画素であって、上からKY1番目からJY個の画素を取り出す。なお、取り出される画素の中にラインL1を示す画素が含まれるように、パラメータKX2、KX3、KY1及びJYが設定されている。
図15Bは、取り出された画素の階調値のグラフである。横軸は、画素の位置(Y座標)を示している。縦軸は、画素の階調値を示している。コンピュータ110は、取り出されたJY個の画素の画素データに基づいて、重心位置KY2、KY3をそれぞれ求める。
そして、コンピュータ110は、次式によりラインL1の傾きθを算出する。
θ=tan−1{(KY2−KY3)/(KX2−KX3)}
次に、コンピュータ110は、S132において検出した傾きθに基づいて、画像を回転処理し、画像の傾きを補正する(S133)。測定用パターンの画像は、測定用パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正され、基準パターンの画像は、基準パターンの画像の傾き結果に基づいて回転補正される。
画像の回転処理のアルゴリズムには、バイリニア法が用いられる。このアルゴリズムは良く知られているので、説明は省略する。
次に、コンピュータ110は、測定用パターンの印刷時の傾き(スキュー)を検出する(S134)。測定用パターンを印刷するときにテストシートの下端が搬送ローラを通過すると、テストシートの下端がヘッド41に接触し、テストシートが動くことがある。このようなことが起こると、その測定用パターンにより算出された補正値が不適切なものになる。そこで、測定用パターンの印刷時の傾きを検出することにより、テストシートの下端がヘッド41に接触したか否かを検出し、接触した場合にはエラーとする。
次に、コンピュータ110は、余白量を算出する(S135)。
図17は、余白量Xの説明図である。図中の実線の四角形(外側の四角形)は、S133の回転補正後の画像を示している。図中の点線の四角形(内側の斜めの四角形)は、回転補正前の画像を示している。回転補正後の画像を長方形状にするため、S133の回転補正処理が行われる際に、回転後の画像の四隅に直角三角形状の余白が付加される。
X=(w cosθ−W´/2)×tanθ
次に、コンピュータ110は、スキャナ座標系での基準パターンのラインの位置及び測定用パターンのラインの位置をそれぞれ算出する(S136)。
スキャナ座標系とは、1画素の大きさを1/720×1/720インチとしたときの座標系である。スキャナ150には読み取り位置の誤差があり、読み取り位置の誤差を考慮すると、各画素データの対応する実際の領域は厳密には1/720インチ×1/720インチにはならないが、スキャナ座標系では、各画素データの対応する領域(画素)の大きさを1/720×1/720インチとする。また、各画像における左上の画素の位置を、スキャナ座標系の原点とする。
コンピュータ110は、階調値のピーク値の位置を求め、この位置を中心とする所定の範囲を演算範囲とする。そして、この演算範囲の画素の画素データに基づいて、階調値の重心位置を算出し、この重心位置をラインの位置とする。
次に、コンピュータ110は、測定用パターンのラインの絶対位置をそれぞれ算出する(S137)。
図20は、測定用パターンのi番目のラインの絶対位置の算出の説明図である。ここでは、測定用パターンのi番目のラインは、基準パターンのj−1番目のラインと、基準パターンのj番目のラインとの間に位置する。以下の説明では、測定用パターンのi番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「S(i)」と呼び、基準パターンのj番目のラインの位置(スキャナ座標系)を「K(j)」と呼ぶ。また、基準パターンのj−1番目のラインとj番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L」と呼び、基準パターンのj−1番目のラインと測定用パターンのi番目のラインとの間隔(y方向の間隔)を「L(i)」と呼ぶ。
H=L(i)/L
={S(i)−K(j−1)}/{K(j)−K(j−1)}
R(i)={J(j)−J(j−1)}×H+J(j−1)
次に、コンピュータ110は、測定用パターンを形成する際に行われた複数回の搬送動作に対応する補正値をそれぞれ算出する(S138)。各補正値は、理論上のライン間隔と実際のライン間隔との差に基づいて、算出される。
ところで、参考例のロータリー式エンコーダ52は原点センサを備えていないので、コントローラ60は、搬送ローラ23の回転量は検出できるが、搬送ローラ23の回転位置までは検出していない。このため、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置をプリンタ1は保証することがでない。つまり、印刷する度に、搬送開始時の搬送ローラ23の回転位置が異なるおそれがある。一方、測定用パターンにおける隣接する2つの罫線の間隔は、1/4インチにて搬送するときのDC成分の搬送誤差の影響だけではなく、AC成分の搬送誤差の影響も受けている。
Ca(i)={C(i−1)+C(i)+C(i+1)+C(i+2)}/4
前述した通り、パスiとパスi+1との間で行われた搬送動作の補正値C(i)は、「6.35mm」(1/4インチ、すなわちラインLiとラインLi+1との理論上の間隔)から「R(i+1)−R(i)」(ラインLi+1の絶対位置とラインLiの実際の間隔)を引いた値になる。そうすると、補正値Caを算出するための上式は、次式のような意味になる。
Ca(i)=[25.4mm−{R(i+3)−R(i−1)}]/4
ゆえに、4個の補正値Cを平均化して算出される補正値Ca(i)は、AC成分の搬送誤差の影響を受けず、DC成分の搬送誤差を反映した値になる。
次に、コンピュータ110は、補正値をプリンタ1のメモリ63に記憶する(S104)。
図22は、メモリ63に記憶されるテーブルの説明図である。メモリ63に記憶される補正値は、NIP状態における補正値Ca(1)〜Ca(19)と、非NIP状態における補正値Cbである。また、各補正値を適用する範囲を示すための境界位置情報も、各補正値に関連付けられてメモリ63に記憶される。
補正値Ca(i)に関連付けられる境界位置情報は、測定用パターンのラインLi+1に相当する位置(理論上の位置)を示す情報であり、この境界位置情報は、補正値Ca(i)を適用する範囲の下端側の境界を示している。なお、上端側の境界は、補正値Ca(i−1)に関連付けられる境界位置情報から求めることができる。従って、例えば補正値C(2)の適用範囲は、紙Sに対してラインL1の位置とラインL2の位置の間(にノズル♯90が位置する)の範囲となる。なお、非NIP状態になる範囲は既知なので、補正値Cbには境界位置情報を関連付けなくても良い。
プリンタを購入したユーザの下で印刷が行われる際に、コントローラ60は、メモリ63からテーブルを読み出し、目標搬送量を補正値に基づいて補正し、補正された目標搬送量に基づいて搬送動作を行う。以下、ユーザの下での印刷時の搬送動作の様子について説明する。
<より小さいサイズの用紙を搬送する場合>
まず、第1実施形態において、メモリ63に補正値のテーブルが記憶されている用紙のサイズよりも、小さい用紙に印刷を行う場合について説明する。このとき、メモリ63には、101.6mm×152.4mm(4インチ×6インチ:以降、「4×6判」と呼ぶ)の大きさに対応する補正値のテーブルが記憶されているものとする。そして、補正値のテーブルが記憶されていないサイズである89mm×127mm(以降、「L判」と呼ぶ)の用紙を搬送する場合について説明する。
Ca(i)={C(i−3)+C(i−2)+C(i−1)
+C(i)+C(i+1)+C(i+2)
+C(i+3)+C(i+4)}/8
ここでは、メモリ63に補正値にテーブルが記憶されている用紙のサイズよりも、用紙の搬送方向について大きい用紙に印刷を行う場合について説明する。このとき、メモリ63には、101.6mm×152.4mm(4×6判)の大きさに対応する補正値が記憶されているものとする。そして、補正値が記憶されていないサイズである102mm×181mm(以降、「ハイビジョン判」と呼ぶ)の用紙に印刷を行う場合を説明する。
前述の実施形態では、用紙のサイズに変更があっても用紙の種類について変更はなかった。ここでは、メモリ63に記憶されている補正値のテーブルに対応する用紙と異なる種類の用紙について搬送を行う場合について説明する。
Ca’(x)=OFFSET+Ca(x)
で求めることができる。
上記の実施形態は、主としてプリンタについて記載されているが、その中には、印刷装置、記録装置、液体の吐出装置、搬送方法、印刷方法、記録方法、液体の吐出方法、印刷システム、記録システム、コンピュータシステム、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、表示画面、画面表示方法、印刷物の製造方法、等の開示が含まれていることは言うまでもない。
前述の実施形態では、プリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の記録装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
また、ピエゾ素子を利用するものに限られず、例えばサーマルプリンタなどにも適用できる。また、液体を吐出するものに限られず、ワイヤドットプリンタなどにも適用できる。
(1)前述の実施形態における記録装置としてのプリンタ1は、用紙に記録を行うためのヘッドと、ヘッドの上流側のローラ(搬送ローラ23)及び下流側のローラ(排紙ローラ25)を含む搬送ユニット20を備える。この搬送ユニット20は、目標となる目標搬送量に応じて、用紙Sを搬送方向に搬送する。また、プリンタ1は、所定の大きさの用紙について、この用紙とヘッドとの相対位置(詳しくは、ノズル#90と用紙Sとの相対位置)に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリ63を備える。
このようにすることで、搬送誤差の変動量が少ない部分の補正値を使用しないようにして、大きい用紙の大きさに合わせた補正値のテーブルを作成することができる。そして、目標搬送量の補正を行って用紙の搬送を行うことができる。
このようにすることで、搬送誤差の変動量が特に少ない部分の補正値を使用するようにして、大きい用紙の大きさに合わせた補正値のテーブルを作成することができる。そして、目標搬送量の補正を行って用紙の搬送を行うことができる。
このようにすることで、別の媒体の補正値のテーブルから予め決められた補正値を複数回使用するようにして新たな補正値のテーブルを作成し、これに基づいて搬送量補正を行いつつ搬送を行おうとする用紙Sの搬送を行うことができる。
このようにすることで、用紙の種類が変わった場合であっても、記憶されている別の種類の用紙の補正値を利用して、搬送量補正を行いつつ用紙の搬送を行うことができる。
このようにすることで、補正値が記憶されている用紙と異なる大きさの用紙を搬送する場合であっても、記憶されている大きいサイズの用紙の補正値に基づいて搬送量の補正を行うことができる。
そして、目標搬送量にて搬送する際に搬送前の相対位置に対応する補正値の前記範囲を超える場合、コントローラ60は、搬送前の相対位置に対応する補正値と、搬送後の相対位置に対応する補正値とに基づいて、目標搬送量を補正する。
これにより、用紙Sとヘッド41との相対位置に応じて変化するDC成分の搬送誤差を搬送量に応じて的確に補正することができる。
これにより、用紙Sとヘッド41との相対位置に応じて変化するDC成分の搬送誤差を、搬送量に応じて的確に補正することができる。
このようにすることで、きめ細かくDC成分の搬送誤差を補正することができる。
20 搬送ユニット、21 給紙ローラ、22 搬送モータ、23 搬送ローラ、
24 プラテン、25 排紙ローラ、26 従動ローラ、27 従動ローラ、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 キャリッジモータ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、51 リニア式エンコーダ、
52 ロータリー式エンコーダ、521 スケール、522 検出部、
53 紙検出センサ、54 光学センサ、
60 コントローラ、61 インターフェース部、62 CPU、
63 メモリ、64 ユニット制御回路、
150 スキャナ、151 上蓋、152 原稿台ガラス、
153 読取キャリッジ、154 案内部、155 移動機構、
157 露光ランプ、158 ラインセンサ、159 光学系、
TS テストシート、SS 基準シート
Claims (12)
- (A)媒体に記録を行うためのヘッドと、
(B)前記ヘッドの上流側のローラ及び下流側のローラを含む搬送機構であって、目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する前記搬送機構と、
(C)所定の大きさの媒体について、該媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリと、
(D)前記所定の大きさの媒体に記録を行う際、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行う際、前記所定の大きさの媒体が前記上流側のローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させるコントローラと、
を備える記録装置。 - 前記コントローラは、前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行う際、前記上流側のローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうち、前記媒体の下流側の部分が前記ヘッドの下部にあるときの前記相対位置に対応づけられた補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体の搬送をさせる、請求項1に記載の記録装置。
- 前記コントローラは、連続する前記相対位置に対応する複数の補正値として前記一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体の搬送をさせる、請求項2に記載の記録装置。
- 前記複数回使用される一部の補正値は、搬送を行おうとする媒体と前記メモリに記憶されている前記所定の大きさの媒体との関係から予め決められている、請求項1〜3のいずれかに記載の記録装置。
- 前記コントローラは、搬送を行おうとする媒体の種類が前記メモリに記憶されている前記所定の大きさの媒体の種類と異なっているとき、所定の定数を前記メモリに記憶されている補正値に加算し、該加算後の補正値に基づいて前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させる、請求項1〜4のいずれかに記載の記録装置。
- 前記コントローラは、前記所定の大きさよりも小さい媒体に記録を行う際、前記一部の補正値を使用しないようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させる、請求項1〜5のいずれかに記載の記録装置。
- 各前記補正値には、その補正値を適用すべき前記相対位置の範囲が対応づけられており、
前記目標搬送量にて搬送する際に搬送前の前記相対位置に対応する前記補正値の前記範囲を超える場合、前記コントローラは、搬送前の前記相対位置に対応する前記補正値と、搬送後の前記相対位置に対応する前記補正値とに基づいて、前記目標搬送量を補正する、請求項1〜6のいずれかに記載の記録装置。 - 各前記補正値には、その補正値を適用すべき前記相対位置の範囲が対応づけられており、
前記コントローラは、前記目標搬送量にて搬送する際の前記相対位置の変化する範囲と、前記補正値を適用すべき前記相対位置の前記範囲との比率に応じて前記補正値に重み付けを行い、前記目標搬送量を補正する、請求項1〜7のいずれかに記載の記録装置。 - 前記上流側のローラは、回転することによって前記媒体を搬送方向に搬送する搬送ローラであり、
各前記補正値は、前記搬送ローラを1回転させて前記媒体を搬送したときの搬送誤差に基づいて決定され、
前記補正値を適用すべき前記相対位置の範囲は、1回転未満の回転量にて前記搬送ローラを回転させて前記媒体を搬送したときの搬送量に相当する、請求項1〜7のいずれかに記載の記録装置。 - (A)媒体に記録を行うためのヘッドと、
(B)前記ヘッドの上流側のローラ及び下流側のローラを含む搬送機構であって、目標となる目標搬送量に応じて、前記媒体を搬送方向に搬送する前記搬送機構と、
(C)所定の大きさの媒体について、該媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を複数記憶するメモリと、
(D)前記所定の大きさの媒体に記録を行う際、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行う際、前記所定の大きさの媒体が前記上流側のローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させるコントローラと、を備え、
(E)前記コントローラは、前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行う際、前記上流側のローラと前記下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうち、前記媒体の下流側の部分が前記ヘッドの下部にあるときの前記相対位置に対応づけられた補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体の搬送をさせ、
(F)前記コントローラは、連続する前記相対位置に対応する複数の補正値として前記一部の補正値を複数回使用するようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体の搬送をさせ、
(G)前記複数回使用される一部の補正値は、搬送を行おうとする媒体と前記メモリに記憶されている前記所定の大きさの媒体との関係から予め決められており、
(H)前記コントローラは、搬送を行おうとする媒体の種類が前記メモリに記憶されている前記所定の大きさの媒体の種類と異なっているとき、所定の定数を前記メモリに記憶されている補正値に加算し、該加算後の補正値に基づいて前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させ、
(I)前記コントローラは、前記所定の大きさよりも小さい媒体に記録を行う際、前記一部の補正値を使用しないようにして前記目標搬送量の補正を行いつつ前記搬送機構に媒体を搬送させ、
(J)各前記補正値には、その補正値を適用すべき前記相対位置の範囲が対応づけられており、前記目標搬送量にて搬送する際に搬送前の前記相対位置に対応する前記補正値の前記範囲を超える場合、前記コントローラは、搬送前の前記相対位置に対応する前記補正値と、搬送後の前記相対位置に対応する前記補正値とに基づいて、前記目標搬送量を補正し、
(K)各前記補正値には、その補正値を適用すべき前記相対位置の範囲が対応づけられており、前記コントローラは、前記目標搬送量にて搬送する際の前記相対位置の変化する範囲と、前記補正値を適用すべき前記相対位置の前記範囲との比率に応じて前記補正値に重み付けを行い、前記目標搬送量を補正し、
(L)前記上流側のローラは、回転することによって前記媒体を搬送方向に搬送する搬送ローラであり、各前記補正値は、前記搬送ローラを1回転させて前記媒体を搬送したときの搬送誤差に基づいて決定され、前記補正値を適用すべき前記相対位置の範囲は、1回転未満の回転量にて前記搬送ローラを回転させて前記媒体を搬送したときの搬送量に相当する、記録装置。 - (A)所定の大きさの媒体について、該媒体とヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値がメモリに記憶されているか否かを判定するステップと、
(B)前記所定の大きさの媒体に記録を行うときには、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行うときには、前記所定の大きさの媒体が上流側のローラと下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させるステップと、
を含む搬送量補正方法。 - 搬送量補正装置を動作させるためのプログラムであって、
(A)所定の大きさの媒体について、該媒体とヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値がメモリに記憶されているか否かを判定するステップと、
(B)前記所定の大きさの媒体に記録を行うときには、前記媒体と前記ヘッドとの相対位置に対応づけられた補正値を使用して目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させ、
前記所定の大きさよりも大きい媒体に記録を行うときには、前記所定の大きさの媒体が上流側のローラと下流側のローラとの両方に搬送されているときに使用される補正値のうちの一部の補正値を複数回使用するようにして目標搬送量の補正を行いつつ媒体を搬送させるステップと、
を前記搬送量補正装置に行わせるプログラム。
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