JP2009134140A - 画像形成用トナー、現像剤及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックス、及びバインダ樹脂を含有する母体粒子を有し、該母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークの該パラフィンワックス由来の吸熱量が2.0J/g以上5.5J/g以下であり、かつアスペクト比が0.80以上0.90以下であることを特徴とする画像形成用トナー。
【選択図】なし
Description
一方、溶解懸濁法は、低温定着が可能なポリエステル樹脂を使用できるメリットはあるが、オイルレス定着を達成するために離型幅を広げる制御の中で、樹脂や着色剤を溶剤に溶解又は分散させる工程において、高分子量成分を加える。このため、液粘度が上がり、生産性上の問題が発生しやすくなる。また、特許文献1には、結着樹脂と着色剤とを水と混和しない溶剤中で混合する工程、得られた組成物を分散安定剤の存在下で水系媒体中に分散させる工程、得られた懸濁液から加熱および/または減圧により溶剤を除去し、表面に凹凸を有する粒子を形成する工程、および加熱により球形化または変形する工程よりなる静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されている。しかしながら、規則性のない不定形トナーであるため、帯電安定性に欠け、さらに、基本的な耐久品質や離型性を確保するための高分子量設計がされていない。
(1)耐ホットオフセット性および低温定着性に優れたかつ、長期の使用においてもキャリアへのトナー成分の付着が少なく、帯電能力を低下させないトナーを提供する。
(2)微小ドット再現性に優れた高品位な画質を得ることができる小粒径かつシャープな粒径分布トナーを提供する。
(1)融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックス、及びバインダ樹脂を含有する母体粒子を有し、該母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークの該パラフィンワックス由来の吸熱量が2.0J/g以上5.5J/g以下であり、かつアスペクト比が0.80以上0.90以下であることを特徴とする画像形成用トナー。
(3)前記無機フィラーは、モンモリロナイト又はモンモリロナイトの変性物であることを特徴とする前記(2)に記載の画像形成用トナー。
(5)前記母体粒子は、ガラス転移点が40℃以上60℃以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
(6)前記母体粒子は、粒径が2μm以下である母体粒子を1個数%以上10個数%以下含有することを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
(8)感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナー、もしくはトナーとキャリアからなる現像剤を保持し、該トナーは前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の画像形成用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
(FPIA、平均円形度、アスペクト比)
本発明の画像形成用トナーは、トナー母体粒子のアスペクト比が0.80以上0.90以下である。
アスペクト比、及び平均円形度の計測には、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−3000」;シスメックス社製)を用いて計測し、付属の解析ソフトを用いて解析を行った。解析条件として、測定対象粒径限定を2〜200μmとして解析して得られるアスペクト比および平均円形度を求めた。平均円形度及びアスペクト比は下記のように定義される。
平均円形度=(粒子面積と等しい円の周囲長)/粒子周囲長)
アスペクト比=(粒子最大長垂直長)/(粒子最大長)
平均円形度が主として粒子の凹凸度合いを表現する形状係数なのに対し、アスペクト比は主として粒子の針状度を表現する形状係数である。
(イ)トナーの形状が球に近いほど、トナーとキャリアが点接触であり、トナーがキャリア上で回転しながら接触するため、キャリアの表面でトナーが転がりやすくなり、パラフィンワックス、低分子量樹脂成分等のトナー成分がキャリア上に固着しやすくなる。その結果、キャリアの帯電能力を低下させやすくなる。これはトナーとキャリアとの接触面積が小さい(二成分現像方式)、トナーと現像スリーブとの接触面積が小さい(一成分現像方式)ことに対応する。
(ロ)一方、トナーの表面形状が粗く、凹凸の多い形状では、トナーとキャリアが面接触となるため、キャリアの表面でトナーが転がりにくくなるが、トナーとキャリアの接触面積が大きく、パラフィンワックス、低分子量樹脂成分等のトナー成分がキャリア上に固着しやすくなる。その結果、キャリアの帯電能力を低下させやすくなる。これはトナーとキャリアとの接触面積が大きい(二成分現像方式)、トナーと現像スリーブとの接触面積が大きい(一成分現像方式)ことに対応する。
(ニ)このためトナーの帯電性、特に長期の攪拌によるキャリアの帯電能力の低下と関連するトナー形状としては、トナーの凹凸度合いを表現する平均円形度よりも、針状度を表現するアスペクト比が好ましく、アスペクト比が低いほど、キャリア上で転がりにくく、アスペクト比が高いほど球形に近いためキャリア上を転がりやすい。このためトナーとキャリアが適度な接触を維持しつつトナー成分がキャリア上に固着しない範囲のアスペクト比としては0.80〜0.90の範囲にあることが重要である。
離型剤としては、融点が50〜120℃の低融点のワックスが、バインダー樹脂との分散の中でより離型剤として効果的に定着ローラとトナー界面との間で働き、これにより定着ローラにオイルの如き離型剤を塗布することなく高温オフセットに対し効果を示す。特に融点60〜90℃のパラフィンワックスが好ましい。
このようなワックス成分としては、以下のものが挙げられる。ロウ類及びワックス類としては、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス、ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス、オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス、及びおよびパラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス等が挙げられる。また、これら天然ワックスの外に、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス、エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス等が挙げられる。さらに、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド及び、低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等)等、側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子等も用いることができる。
離型剤は、マスターバッチ、バインダー樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶媒に溶解、分散する際に加えても良い。
本発明の画像形成用トナーは、離型剤として融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックスを含有する母体粒子を有し、該母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークの該パラフィンワックス由来の吸熱量が2.0J/g以上5.5J/g以下である。
定着性能のうち耐ホットオフセット性を得るためには離型材料が多いことが好ましく、一方、離型剤はキャリアに固着しやすいため、現像剤キャリアの帯電能力を長期間維持する上では少ないことが好ましい。この観点から、トナー中の離型剤の含有量として、DSCにおける離型剤由来の吸熱ピークの吸熱量が2.0〜5.5J/gの範囲にあることが優れた耐ホットオフセット性とキャリアの帯電能力維持の両面で好ましい。より好ましくは、3.5〜5.5J/gである。
測定条件
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50ml/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
本発明において、トナー母体粒子のガラス転移点(Tg)は、通常40〜70℃、好ましくは40〜60℃である。40℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、70℃を超えると低温定着性が不十分となる。ウレア変性ポリエステル樹脂等の変性ポリエステルの共存により、本発明のトナーにおいては、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
600dpi以上の微少ドットを再現するために、トナー母体粒子の重量平均粒径(D4)は3〜8μmが好ましい。重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(Dn)との比(D4/Dn)は1.00〜1.30の範囲にあることが好ましい。(D4/Dn)が1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。同様の理由で、粒径が2μm以下のトナー母体粒子が1〜10個数%であることが好ましい。このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では現像効率を高くすることができる。一方でトナーを小粒径化するときの課題として、粒径の大きな粒子に較べてキャリアへの非静電的付着力が大きいため、キャリア表面に長くとどまり攪拌ストレスを受けやすくキャリア表面へ固着しキャリアの帯電能力を下げる原因となる。こうした問題を防止するため粒径が2μm以下のトナー母体粒子は1〜10個数%であることが好ましい。尚、粒径に関しては、トナーとトナー母体粒子は差がない。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー母体粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナー母体粒子の重量平均粒径(D4)、個数平均粒径を求めることができる。
フルカラー画像形成装置においては、現像剤中のトナー濃度としてはトナー濃度3〜12wt%の範囲で用いられることが多い。画像濃度の制御は現像剤中のトナーとキャリアの粒径、すなわち表面積を考慮し、キャリア表面積に締めるトナーの占有面積が100%以下となるよう制御されるが、これはトナーとキャリアの十分な接触を維持し、トナーとキャリアの接触不良によるトナーの帯電不足を防止するための処置である。ここで、高トナー濃度の現像剤においては、トナー中の低融点ワックス、樹脂などがキャリア表面上に固着しキャリアの帯電能力を下げるという問題が生じやすが、本発明のトナーを用いることにより、これらの問題を解決することができる。
−変性ポリエステル−
本発明のトナーはバインダ樹脂として変性ポリエステル(i)を含むことが好ましい。変性ポリエステル(i)としては、ポリエステル樹脂中にエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。具体的には、ポリエステル末端に、カルボン酸基、水酸基と反応するイソシアネート基などの官能基を導入し、さらに活性水素含有化合物と反応させ、ポリエステル末端を変性したものを指す。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)及び3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、又は(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1及びB1と少量のB2の混合物である。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、未変性ポリエステル(ii)をバインダ樹脂成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様な多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の質量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の質比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
着色剤としては、公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナーに対して通常1〜15質量%、好ましくは3〜10質量%である。
荷電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、4級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、4級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、4級アンモニウム塩のコピーチャージPSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、4級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。このうち、特にトナーを負極性に制御する物質が好ましく使用される。
トナー形状を制御するための無機フィラーとしては、モンモリロナイト、もしくはその有機変性物(クレイトンAPA)が好ましく用いられる。無機フィラーの機能は、トナー表面に凹凸を形成させることでありそのメカニズムは下記のとおりである.
トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させるトナー製造方法においては、乳化時にトナー材料液中の無機フィラーが有機溶媒と水系溶媒の界面に移動し、乳化分散体(反応物)の表面形状に集まる。次に、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥する工程において、表面に存在する無機フィラーが反応物表面に凸凹を形成する。従って、本発明の形状を得る上で、樹脂100質量部に対して無機フィラー量を0.1〜10質量部の範囲で制御し形状を変化させることが出来、無機フィラー量が多いほどSF−1、2の値が大きくなり異形化する。
また、一般にトナー母体粒子の帯電性は、トナー母体粒子の表面での荷電性を有する物質の存在量の影響が大きいと考えられおり、本発明で用いる無機フィラー、特にはモンモリロナイトもしくはその変性物は帯電性を有しており、これらをトナー母体粒子表面に多く存在させることで十分な帯電性が得られる。したがって、無機フィラーは前述の表面の凸凹制御に加え、トナー母体の帯電量を高める作用を併せ持つモンモリロナイト等の層状無機鉱物が好ましい。
少なくとも一部を有機イオンで変性したモンモリロナイト等の層状無機鉱物を水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いることにより容易にトナーの形状を異形化することが出来る。層状無機鉱物はその層状構造により親水性が高い。その為、層状無機鉱物を少なくとも一部を有機アニオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナーを異形化することが出来る。
トナー粒子の流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤として、無機微粒子が好ましく用いられる。この無機微粒子の一次粒子径は、5×10-3〜0.3μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、100〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5質量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0質量%であることが好ましい。
この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
特に、シリカ、酸化チタンに上記の表面処理を施して得られる疎水性シリカ、疎水性酸化チタンを用いることが好ましい。
(トナーバインダの製造方法)
トナーバインダは以下の方法などで製造することができる。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を溜去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート化合物(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するプレポリマー(A)を得る。さらに(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア結合で変性されたポリエステルを得る。
未変性ポリエステル(ii)を併用する場合は、水酸基を有するポリエステルと同様な方法で(ii)を製造し、これを前記(i)の反応完了後の溶液に溶解し、混合する。
この場合、未変性ポリエステル(ii)を併用する場合は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーと未変性ポリエステルを含有するトナー材料を有機溶媒に分散させ、鎖伸張又は/及び架橋反応させ、造粒する。
1)着色剤、ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)、離型剤等を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。好ましくは、少なくとも、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)、未変性ポリエステル(i)、着色剤、パラフィンワックス及び無機フィラーを有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100質量部に対し、通常25〜300質量部、好ましくは25〜100質量部、さらに好ましくは25〜70質量部である。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000質量部、好ましくは100〜1000質量部である。50質量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000質量部を超えると経済的でない。
また、その重量平均分子量は15万以下であることが望ましい。好ましくは5万以下である。その下限値は、通常、4000である。重量平均分子量が10万を超える場合、樹脂微粒子が定着紙との接着性を阻害してしまい、定着下限温度が上がってしまう。
樹脂微粒子において、その体積平均粒径は、光散乱光度計(大塚電子製)にて測定した値で、10〜200nm、好ましくは20〜80nmである。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
荷電制御剤の打ち込み、及び無機微粒子の外添は、ミキサー等を用いた公知の方法によって行われる。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状からラクビーボール状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
本発明のトナーは、一成分現像剤として用いることもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用することもできる。
前記キャリアとしては、通常のフェライト、マグネタイト等のキャリアも樹脂コートキャリアも使用することができる。
また、キャリアとして
(MgO)x(MnO)y(Fe2O3)z
(式中Xは1〜5、Yは45〜55、Zは45〜55で示される)
からなる平均粒径20〜45μmの概略球形のフェライトの芯材の表面に、微粒子を分散した樹脂を被覆したキャリアが好ましい。本芯材においては、上記組成の範囲を満足すれば、それ以外の成分(不純物や、置換や、処理による添加などによる成分)を含有しても問題ない。具体的には、SnO2、SrO、アルカリ土類金属酸化物、Bi2O5、ZrOなどの処理などが挙げられるが、これに限られるものではない。
キャリアの機能は、以下の2つであり、1つは、現像装置内での撹拌により、トナーを現像領域まで搬送する機能と、同じく撹拌によりトナーを帯電させる機能である。特に上記キャリアを用いることにより、トナー現像装置内でのキャリアの流動性が良好で、トナーを均一に搬送することが可能となって、均一な現像特性が得られるものと考えられる。更に、現像されたトナー層が均一であることは、転写時にも均一なトナー層の状態で転写することが可能となり、本発明の目的を達成するために必要な条件となる。
また、理由は定かではないが、均一な現像特性に関して、たとえトナーの特性が若干変化したとしても、現像特性が変化し難いことも上記キャリアの特徴の一つである。
微粒子をキャリアの被覆樹脂層中に分散させる理由として、キャリア表面へ加わる外力から被覆層を守る効果が挙げられる。そして、この外力により粒子が容易に砕けたり摩耗したりすると、被覆層の保護効果は初期的には得られるが、長期にわたり維持することができず、安定した品質を得ることができず好ましくない。ここで挙げた粒子は、強靭な性質を有しているためこの外力に対し強く、割れ摩耗が生じず、長期にわたり被覆層保護効果を維持することができる。また、粒径は5μm以下が好ましく、被覆膜中における粒子の存在場所はアクリル樹脂に存在させることが好ましい。理由は、アクリル樹脂の強い接着性により、粒子を長期にわたり保持することが可能であるためであるが、必ずしもアクリル樹脂中に存在させる必要はない。
なお、本発明のキャリアを製造する方法として、前述した溶媒中に樹脂及び微粒子を十分に分散させ、樹脂被覆膜形成溶液を得、この溶液をキャリア表面へ塗布乾燥する方法がとられる。
本発明のトナー、現像剤は、感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジに用いることができる。
図1に本発明のプロセスカートリッジの概略構成を示す。
図1において、プロセスカートリッジは、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段を有する。本発明においては、上述の感光体、帯電装置手段、現像手段及びクリーニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やプリンター等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。現像手段には、本発明のトナー又は現像剤が保持される。
実施例1
(有機微粒子エマルションの合成)
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水683部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業製)11部、スチレン83部、メタクリル酸83部、アクリル酸ブチル110部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、3800回転/分で30分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し4時間反応させた。さらに、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部加え、75℃で6時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。[微粒子分散液1]をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920:堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、110nmであった。[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。該樹脂分のTgは58℃であり、重量平均分子量は13万であった。
水990部、[微粒子分散液1]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3%水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)37部、酢酸エチル90部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とする。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物724部、テレフタル酸276部を入れ、常圧下230℃で7時間重縮合し、さらに10〜15mmHgの減圧下で5時間反応して[低分子ポリエステル1]を得た。[低分子ポリエステル1]は、数平均分子量2300、重量平均分子量6700、ピーク分子量3800、Tg43℃、酸価4であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下230℃で7時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2200、重量平均分子量9700、ピーク分子量3000、Tg54℃、酸価0.5、水酸基価52であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
撹拌棒及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で4時間半反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。[ケチミン化合物1]のアミン価は417であった。
水1200部、カーボンブラック(Printex35:デクサ製)540部[DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5]、ポリエステル樹脂1200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて130℃で1時間混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、[マスターバッチ1]を得た。
撹拌棒及び温度計をセットした容器に、[低分子ポリエステル1]378部、パラフィンワックス(融点70℃)100部、酢酸エチル947部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500部、有機変性モンモリロナイト(クレイトンAPA、Southern Clay Products社製)30部、酢酸エチル500部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。
[原料溶解液1]1324部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル:アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジ
ルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[低分子ポリエステル1]の65%酢酸エチル溶液1324部を加え、上記条件のビーズミルで2パスし、[顔料・ワックス分散液1]を得た。[顔料・ワックス分散液1]の固形分濃度は50%であった。
[顔料・ワックス分散液1]749部、[プレポリマー1]を115部、[ケチミン化合物1]2.9部を容器に入れ、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmで2分間混合した後、容器に[水相1]1200部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで25分間混合し[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で7時間脱溶剤した後、45℃で7時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
I:濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
II:Iの濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
III:IIの濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
IV:IIIの濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を得た。その後、[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ1部と、疎水化酸化チタン1部をヘンシェルミキサーにて混合して実施例1のトナーを得た。
有機変性モンモリロナイト30部を0部に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1のトナーを得た。
比較例2
離型剤であるパラフィンWAX(融点70℃)100部をカルナバWAX(融点70℃)100部にした以外は実施例1と同様にして比較例2のトナーを得た。
比較例3
有機変性モンモリロナイト30部を0部に、離型剤であるパラフィンWAX(融点70℃)100部をパラフィンWAX(融点110℃)100部にした以外は実施例1と同様にして比較例3のトナーを得た。
比較例4
有機変性モンモリロナイト30部を0部に、離型剤であるパラフィンWAX(融点70℃)100部をカルナバWAX(融点70℃)100部にした以外は実施例1と同様にして比較例4のトナーを得た。
有機変性モンモリロナイト30部を48部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例2のトナーを得た。
実施例3
有機変性モンモリロナイト30部を12部に変更した以外は実施例1と同様にして実施例3のトナーを得た。
比較例5
有機変性モンモリロナイト30部を疎水性シリカ60部に変更した以外は実施例1と同様にして比較例5のトナーを得た。
上記実施例、比較例のトナーと、下記製造法のキャリアをトナーとキャリアの総量を1kg、トナー濃度3wt%、12wt%となるようをターブラーミキサーで攪拌強度最強で10分間混合し表2記載の評価に使用した。
<キャリア製造法>
アクリル樹脂溶液(固形分50wt%) 21.0部
グアナミン溶液(固形分70wt%) 6.4部
アルミナ粒子[0.3μm、固有抵抗1014(Ω・cm)] 7.6部
シリコン樹脂溶液
[固形分23wt%(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
65.0部
アミノシラン
[固形分100wt%(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)]
0.3部
トルエン 60部
ブチルセロソルブ 60部
をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコン樹脂のブレンド被覆膜形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:平均粒径;35μm]を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、[キャリア1]とした。結着樹脂膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆膜を観察することができるため、その膜厚の平均値をもって膜厚とした。
(キャリアの帯電能力低下)
デジタルフルカラー複写機(リコー社製imagioColor2800)を用い、温度25℃、湿度50%の環境において単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚、60,000枚ランニング出力した後、現像剤を一部サンプリングしてブローオフ法により帯電量を測定して、キャリアの帯電能力の低下量を評価した。30,000枚、60,000枚ランニング前後での帯電量の変化量が5μc/g未満の場合は○、5〜10μc/gの場合は△、5〜10μc/gを超える場合は×とした。また本試験において、トナー濃度を3wt%とした場合、12wt%とした場合の二通りの条件で試験を行った。
定着ローラとしてテフロン(登録商標)ローラを使用した(株)リコー製複写機MF2200定着部を改造した装置を用いて、これにリコー製のタイプ6200紙に未定着画像を作像したもの(トナー付着量1.0mg/cm2、2cm×7cmの長方形ベタ画像)を通紙し定着テストを行なった。
定着温度を5℃ずつ変化させてコールドオフセット発生温度とホットオフセット発生温度を求めた。なお、低温定着の評価条件は、紙送りの線速度を120mm/sec、面圧1.2Kgf/cm2、ニップ幅3mm、高温オフセットの評価条件は紙送りの線速度を50mm/sec、面圧2.0Kgf/cm2、ニップ幅4.5mmと設定した。
実施例及び比較例で得たトナーの性能評価結果を表2に示す。
Claims (8)
- 融点が60℃以上90℃以下であるパラフィンワックス、及びバインダ樹脂を含有する母体粒子を有し、該母体粒子は、DSC測定における吸熱ピークの該パラフィンワックス由来の吸熱量が2.0J/g以上5.5J/g以下であり、かつアスペクト比が0.80以上0.90以下であることを特徴とする画像形成用トナー。
- 前記母体粒子は、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、前記パラフィンワックス及び無機フィラーが有機溶媒中に分散されている分散液を、水系媒体中で分散させて該ポリエステルプレポリマーを架橋反応及び/又は伸長反応させることにより得られることを特徴とする請求項1に記載の画像形成用トナー。
- 前記無機フィラーは、モンモリロナイト又はモンモリロナイトの変性物であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成用トナー。
- 前記母体粒子は、重量平均粒径が3μm以上8μm以下であり、個数平均粒径に対する重量平均粒径の比が1.00以上1.30以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記母体粒子は、ガラス転移点が40℃以上60℃以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 前記母体粒子は、粒径が2μm以下である母体粒子を1個数%以上10個数%以下含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像形成用トナー。
- 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像形成用トナー及びキャリアからなることを特徴とする現像剤。
- 感光体と、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記現像手段は、トナー、もしくはトナーとキャリアからなる現像剤を保持し、該トナーは請求項1〜6のいずれか一項に記載の画像形成用トナーであることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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