JP2009121358A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】EGRにクーラ側を通らないバイパスを形成するとともに、両者への還流量の割合を切替える手段を有するEGR機構において、両者への還流量の割合を変化させることによってEGRガス温度とともにEGRガス流量も変化すること、さらに温度不感帯や流量逆転帯が存在することにも対処できて、適切にEGRガス流量とEGRガス温度が制御できる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】EGR管におけるEGRクーラ53を備える本流部51とEGRクーラ53を備えないバイパス部52とが、合流部50へと合流する部位に装備された切替えバルブ54の開度の可動範囲を、ECU7によって、本流部51とバイパス部52の双方にEGRガスが流れている領域に限定する。
【選択図】図2
【解決手段】EGR管におけるEGRクーラ53を備える本流部51とEGRクーラ53を備えないバイパス部52とが、合流部50へと合流する部位に装備された切替えバルブ54の開度の可動範囲を、ECU7によって、本流部51とバイパス部52の双方にEGRガスが流れている領域に限定する。
【選択図】図2
Description
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関に対する排気浄化技術として、排気管を通過する排気を吸気管側へ還流して、シリンダ内の燃焼反応を抑えてエンジンからの窒素酸化物(NOx)等の排出を低減する排気還流(Exhaust Gas Recirculation、EGR)が知られている。通常、排気還流のためのEGR管の途中にはEGRクーラを装備して、これによって冷却したより多くの排気を還流することが多い。
しかし周知のとおり、一方的に冷却して排気を還流するのみでは、NOxの低減は達成できても、エンジンからの粒子状物質(PM)の排出が悪化してしまう。したがって、NOxの低減とPMの排出との両方を考慮してEGRを行う技術が下記特許文献1に開示されている。
特許文献1では、EGRによって還流される排気ガスの温度を運転状態ごとに最適な値に調節することによって、NOx排出量の低減のみでなくPM排出量の低減も達成できるとしている。そしてそのためにEGR管にEGRクーラを通らないバイパスと、EGRクーラ側を通る排気量とバイパス側を通る排気量の割合を切り替えるための切替えバルブを設けている。
しかし本発明者は、特許文献1の構成を用いると、図5に示されるような傾向が得られることを見出した。図5には横軸に切替えバルブの開度をとったときの、EGRによって還流される排気ガスの流量と温度とが示されている。なお図5での切替えバルブ開度は、0%がバイパス側全閉、クーラ側全開を、100%がバイパス側全開、クーラ側全閉を示している。
図5に示された傾向における特徴的な部分は、まず切替えバルブの開度を変化させると、それにつれてEGRガス温度のみでなく、EGRガス流量も変化する点である。さらに、開度を0%から増加させた場合に、その最初にEGRガス温度が上昇しない区間(図5では0%からA%まで)があり、また、開度を増加させていってEGRガス流量が最大値になると、それ以降は逆に開度が100%になるまでEGRガス流量が減少に転じる(図5ではB%から100%まで)。以下では前者を温度不感帯、後者を流量逆転帯と呼ぶ。
発明者の知見によれば、温度不感帯が発生する理由は、バルブを通過する排ガス流量の変化量はバルブ開弁時または閉弁時で大きく中間開度での変化は小さい。開度を0%から増加させた場合、クーラ側通路は中間開度から、バイパス側は閉弁から開弁するためにバイパス側の流量変化(感度)の方が大きくなる。結果、EGRガスの全体量は増加する。つまりクーラ側のガス低減量よりもバイパス側のガス増加量が大きくなる(図5)。さらにこのときバイパス流量はその流量が小さいためにバイパスの配管を排気が通過する際に配管表面でより冷却される。そのためにEGRガスのバイパス側の開弁時,開弁近傍では開度を上げてもEGRガス温度が上昇しない、あるいは上昇割合が小さい領域が存在すると考えられる。また流量逆転帯が発生する理由は、開度B%の点で既にバイパス側の流量は飽和状態にありそれ以上開度を上げてもバイパス側の流量は上がらないので、開度をあげるとクーラ側の流量が減って全体の還流排気量が減ると考えられる。
一般にEGRにおいては、還流するガス流量を制御することが重要であり、EGR管の途中に装備されたEGRバルブの開閉によってその制御が行われる。特許文献1ではEGRガス温度に着目しているが、EGRガス温度を変化させることによってEGRガス流量も変化してしまうことには認識がない。
また温度不感帯においては、同一の温度(図5ではT1)に対応する開度が温度不感帯内の任意の開度でよいので、一意に定まらず、その結果、目標温度と目標流量はそれぞれ切替バルブおよびEGRバルブにて制御するが、EGRガス温度をフィードバック制御によって目標値に制御した場合にその目標値が温度不感帯の境界線上でその境界線を跨いだ領域で制御された場合に切替えバルブまたはEGRバルブがばたつく(ハンチングする)可能性がある。流量逆転帯の存在によっても同様の現象が発生可能であり、例えば図5のEGRガス流量G1に対応する切替えバルブ開度は、C1とC2の2点の開度である。よって同様にEGRガス温度をフィードバック制御によって目標値に制御した場合、EGRバルブにハンチングが発生する可能性がある。ハンチングが発生すると、エンジンの燃焼が不安定になってNOx、PMがともに悪化する危険がある。
本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、EGRにクーラ側を通らないバイパスを形成するとともに、両者への還流量の割合を切り替える手段を有するEGR機構において、両者への還流量の割合を変化させることによってEGRガス温度とともにEGRガス流量も変化すること、さらに温度不感帯や流量逆転帯が存在することにも対処できて、適切にEGRガス流量とEGRガス温度が制御できる内燃機関の排気浄化装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、排気通路から吸気通路へ排気を還流する排気還流通路を備え、その排気還流通路は、排気還流通路の途中から本流通路とバイパス通路とに分岐し、より下流側で再度合流し、前記本流通路に備えられて、還流される排気を冷却する冷却部と、還流される排気を前記本流通路と前記バイパス通路とに分配し、排気の還流を行う際に、前記本流通路と前記バイパス通路との一方にのみ排気を還流することはしない分配手段とをさらに備えたことを特徴とする。
これにより本発明の内燃機関の排気浄化装置においては、分配手段によって、冷却部を有する本流通路と有さないバイパス通路とに還流排気を分配するが、どちらか一方にのみ還流することは行わない為、上で述べたハンチングが発生する開度範囲が縮小される。その結果、ハンチングが抑制される為EGRガス流量及びEGRガス温度の制御性が向上する。よって本発明により、適切にEGRガス流量及び温度が調節できることによって、優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置を実現できる。
また前記排気還流通路において、前記本流通路と前記バイパス通路とに分岐されていない部分を合流通路として、前記分配手段は、前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、その切替えバルブを経由せずに、前記本流通路と前記合流通路と、及び前記バイパス通路と前記合流通路とを直接つなぐ側流通路とを備えたとしてもよい。
これにより、本流通路及びバイパス通路を切替バルブの開口部を通過しないで下流の合流通路に直接つなぐ側流通路を備えるので、切替バルブの開度0%時および100%時でも常に本流側およびバイパス側の排ガスは停止することなく流れる。結果上述の温度不感帯および流量逆転帯を減少または無くすことができる。この現象は切替バルブのシール性能の緩和によっても達成できる。このような簡素な構成によって、適切にEGRガス流量及び温度が調節できることで優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置を提供できる。
また前記分配手段は、前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、その切替えバルブの開度を、前記本流通路と前記バイパス通路との一方の流路だけで排気を還流することはしないように制御する分配制御手段とを備えたとしてもよい。
これにより、分配制御手段によって、切替えバルブの開度を前記本流通路と前記バイパス通路との一方の流路だけで排気を還流することはしないように制御する。よってハード的な構成に変更は加えずに、分配制御手段によって切替えバルブを制御するという簡素な方法で、適切にEGRガス流量及び温度が調節できることによって、優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置を提供できる。
また前記分配手段は、前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、その切替えバルブの開度を、その開度の増加に対して前記本流通路と前記バイパス通路とへの排気の混合後の温度が単調に増加あるいは単調に減少し、かつ排気還流量が単調に増加あるいは単調に減少する範囲内で制御する分配制御手段とを備えたとしてもよい。
これにより、分配制御手段によって、切替えバルブの開度を、開度の増加に対して混合後の排気温度が単調に増加あるいは単調に減少し、かつ排気還流量が単調に増加あるいは単調に減少する範囲内で制御する。上述の特性によって温度不感帯または流量逆転帯を切替バルブの駆動範囲から削除できる。結果、切替バルブおよびEGRバルブのハンチングが回避されて、EGRガス流量及びEGRガス温度の制御性が向上する。よって適切にEGRガス流量及び温度が調節できることによって、優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置が提供できる。
また前記分配手段は、前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブを備え、前記切替えバルブの開度において、前記開度の変化に対して還流される排気の温度が変化しない開度の範囲を温度不感帯として、前記切替えバルブの開度において、排気還流量が最大値を示した後、減少に転じる開度からバイパス通路への排気還流量が増加する開度の範囲を流量逆転帯として、前記分配手段は、前記温度不感帯と前記流量逆転帯とを除いた開度の範囲内で、前記切替えバルブの開度を調節する分配制御手段を備えたとしてもよい。
これにより、分配制御手段によって、切替えバルブの開度を温度不感帯と流量逆転帯を除外して制御するので、上述のハンチングが発生する開度範囲が除外されるので、ハンチングが回避されて、EGRガス流量及びEGRガス温度の制御性が向上する。よって適切にEGRガス流量及び温度が調節できることによって、優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置が提供できる。
また前記温度不感帯と前記流量逆転帯の開度範囲を学習する学習手段を備え、前記分配制御手段は、前記学習手段によって学習された温度不感帯と前記流量逆転帯とを除いた開度の範囲内で前記切替えバルブの開度を調節するとしてもよい。
上記学習手段によって、経時変化による温度不感帯と流量逆転帯の開度範囲を学習できる。このように最新の情報を用いて適切にEGRガス流量及び温度が調節できることによって、優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置を提供できる。
また前記排気還流通路において、前記本流通路と前記バイパス通路とに分岐されていない部分を合流通路として、前記分配手段は、前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、その切替えバルブの開度を制御する分配制御手段と、前記合流通路に配置されて、前記合流通路の流路の断面積を増減させる還流量制御手段とを備え、前記切替えバルブの開度において、前記開度の変化に対して還流される排気の温度が変化しない開度の範囲を温度不感帯として、前記切替えバルブの開度において、排気還流量が最大値を示した後、減少に転じる開度からバイパス通路への排気還流量が増加する開度の範囲を流量逆転帯として、前記還流量制御手段の調節による前記流路の断面積の変化の割合または量または速度は、前記切替えバルブの開度が前記温度不感帯または前記流量逆転帯の範囲内にある場合よりも、前記切替えバルブの開度が前記温度不感帯または前記流量逆転帯の範囲外にある場合の方が大きいとしてもよい。
これにより、切替えバルブの開度が温度不感帯または流量逆転帯の範囲内にある場合は、範囲外にある場合よりも、還流量制御手段の調節による流路の断面積の変化の度合いを小さくする。よって、切替えバルブの開度が温度不感帯または流量逆転帯の範囲内にある場合は、還流排気量の変化を抑制するのでハンチングが抑制されて、それによりEGRガス流量及びEGRガス温度の制御性が向上する。よって適切にEGRガス流量及び温度が調節できることによって、優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置とできる。
また前記還流量制御手段は、前記切替えバルブの開度が前記温度不感帯または前記流量逆転帯の範囲内にある場合は、前記合流通路の流路の断面積の増減は行わないとしてもよい。
これにより、切替えバルブの開度が温度不感帯または流量逆転帯の範囲内にある場合は、合流通路の流路の断面積の変更は行わないので、ハンチングが抑制されて、それによりEGRガス流量及びEGRガス温度の制御性が向上する。よって適切にEGRガス流量及び温度が調節できることによって、優れた排気浄化性能を有する排気浄化装置とできる。
また前記還流量制御手段の故障を検出する故障検出手段を備え、その故障検出手段によって前記還流量制御手段の故障が検出された場合は、前記分配制御手段は、前記本流通路側の流路の断面積を最小とするか、あるいは前記バイパス通路側の流路の断面積を最小とするとしてもよい。
これにより、故障検出手段によって還流量制御手段の故障が検出された場合は、分配制御手段は、本流通路側の流路の断面積を最小とするか、バイパス通路側の流路の断面積を最小とするので、故障が検出されたときは開度制御が容易などちらかの通路側を全開とする制御を行う。よって故障時における信頼性が向上した排気浄化装置とできる。
以下で本発明の内燃機関の排気浄化装置の実施例1について、添付図面を参照しつつ説明する。まず図1には、本発明の実施例1としての排気浄化装置1全体の概要図が示されている。全体の主要な構成は、ディーゼルエンジン2(エンジン)を中心として、吸気管3、排気管4、EGR管5、ターボチャージャー6、電子制御装置7(ECU)からなる。
エンジン2へは、吸気管3から空気(新気)が供給され、排気は排気管4へと排出される。吸気管3上にはエアクリーナ31、吸気量センサ32、インタークーラ33、吸気スロットルバルブ34が配置されている。エアクリーナ31によってほこりなどがろ過された空気の吸気量(例えば単位時間当たりの質量流量)が吸気量センサ32によって計測されてECU7へ送られる。インタークーラ33では、ターボチャージャー6のコンプレッサで圧縮された空気を冷却する。また吸気スロットルバルブ34がECU7の制御によって開閉して吸気量が調節される。
排気管4上にはディーゼルパティキュレートフィルタ41(DPF)、排気酸素濃度センサ42、及びターボチャージャー6のタービンが配置されている。排気によってターボチャージャー6のタービンが回転し、それによってコンプレッサを稼動する。DPF41では、排気中の粒子状物質(パティキュレートマター、PM)を捕集して排気浄化の機能を果たす。排気酸素濃度センサ42では、排気中の酸素濃度が計測されてECU7へ送られる。
EGR管5へは排気管4から排気が還流されて吸気管3へと送られる。EGR管5は途中、本流部51とバイパス部52とに分岐されて、本流部51にEGRクーラ53が配置される。EGRクーラ53によって排気を冷却して、より多くの、かつ低温の排気を還流してEGRの効果を高めて、エンジン2からのNOx排出量を低減する。EGR管5のうちで、本流部51とバイパス部52とに分岐していない部分を合流部50とする。
本流部51とバイパス部52とが合流する部分には切替えバルブ54が配置されて、これがECU7の制御によって開閉することで、本流部51とバイパス部52との流路の断面積の割合が変化する。それによって本流部51のEGRクーラを通過することで冷却された排気と、バイパス部52を通過することによって冷却されてない排気との比率が変わって、還流される合計の排気の温度が変化する。
EGR管5のうち、本流部51とバイパス部52が合流する部分よりも(EGR管5内でのみ見たときの)下流側に排気温度センサ55が配置されて、合流後の還流される排気の温度が計測されてECU7へ送られる。また合流部50にはEGRバルブ56が配置されて、これの開閉がECU7によって制御されて、排気還流量が調節される。
以上の装置構成において、EGR管5で還流される排気の温度(EGRガス温度)と流量(EGRガス流量)とを望ましい値に制御する。基本的には切替えバルブ54によってEGRガス温度を制御し、EGRバルブ56によってEGRガス流量を制御するとすればよい。EGRガス流量を制御する際には、ECU7内にEGRガス流量を算出する以下で説明する算出プログラムを記憶しておき、それを用いればよい。
一般に、吸気量とEGRガス流量との合計に対して、エンジン2での燃料噴射量が作用することによって排気中の酸素濃度が決定する。この関係を利用して、上記算出プログラムは例えば、吸気量センサ32及び排気酸素濃度センサ42の計測値とエンジン2の燃料噴射量とからEGRガス流量を算出するプログラムとすればよい。そしてECU7によって、このようにして得たEGRガス流量が、望ましいEGRガス流量よりも小さい場合はEGRバルブ56の開度を上げ、望ましいEGRガス流量よりも大きい場合はEGRバルブ56の開度を下げる制御を行えばよい。
またEGRガス流量は上述の排気温度センサ55によって計測すればよい。そしてECU7によって例えば、EGRガス温度の計測値が、望ましいEGRガス温度よりも高い場合は切替えバルブ54のバイパス部52側の開度を上げ、望ましいEGRガス温度よりも低い場合は切替えバルブ54のバイパス部52側の開度を下げる制御を行えばよい。
図5の特性はEGRバルブ56の開度を一定としたときのものである。EGRバルブ56の開度を上げることにより図5のEGRガス流量は増加し、かつEGRガス流量のピークの点の位置も移動する傾向がある。上述のとおり図5の知見により切替えバルブ54の開度調節によってEGRガス流量も変動するので、例えば切替えバルブ54によるEGRガス温度調節を先に行い、その後EGRバルブ56によってEGRガス流量を調節するとすればよい。切替えバルブ54とEGRバルブ56との両者によってEGRガス流量が変動し、1つのEGRガス流量を達成する切替えバルブ開度とEGRバルブ開度の組み合わせは複数あるが、この点は従来技術では考慮されていない。しかし、上記のように順序を決めることで一意に決定されないことによるハンチングを含む混乱が回避できる。
実施例1における切替えバルブ54付近の拡大図が図2に示されている。また比較のために従来例における切替えバルブ54付近の拡大図が図4に示されている。従来例では切替えバルブ54の開度が開度0%から100%まで調節できた。それによって上述の図5における特性に従うこととなり、温度不感帯や流量逆転帯が存在することによる問題が発生する。それに対して実施例1では、図2に示されているように、切替えバルブ54の可動範囲をECU7によって限定する。ここでの可動範囲は例えば、図5におけるA%からB%までとすればよい。これにより上述のハンチングが抑制されて、EGRガス流量とEGRガス温度との制御性が向上する。
また図5におけるA%の点(開度)は、最も冷却された排気温度T1の排気流量が最も多い点である。すなわち排気還流における最も熱量の低い、あるいは冷却効率の高い点である。したがって実施例1では、温度不感帯においてA%の点のみを用いることにより、最も冷却効率の高い排気を還流できる。
また発明者の知見によれば、図5の特性のうちで、B%の開度におけるEGRガス流量及びEGRガス温度が最も熱量が高い。したがって以上より、実施例1において切替えバルブ54の開度をA%からB%までと限定することにより、熱量の最も高い点と低い点とを用いることができる。
なお図5の特性は、EGRバルブ56の開度を一定とした場合の特性である。実施例1では、切替えバルブ54の開度ごとのA%及びB%の値をECU7に記憶しておき、切替えバルブ54の開度ごとに図2の可動範囲を変更するとすればよい。これにより、切替えバルブ54の開度を考慮したよりきめ細かい制御が行える。
次に本発明の実施例2を説明する。実施例2は図3に示されている。上の実施例1ではECU7による制御によって切替えバルブ54の開度を限定していたが、それに対して実施例2では、切替えバルブ54付近に排気が切替えバルブ54を通過しないための側流部56を設ける。図3のとおり側流部56を形成することにより、切替えバルブ54を本流部51側かバイパス部側かのどちらか一方に寄せても、どちらからの排気流量もゼロとはならない。
これにより切替えバルブ54の開度を限定したことと同じ効果を得る。例えば、図3の切替えバルブ54の開度をバイパス部52側全開から本流部51側全開まで変化させたときに、図5における開度A%からB%までに対応する還流排気の割合になるとすればよい。これによって実施例1と同様の効果が得られ、さらにハードウェア的に実現しているので、ECU7にかかるソフトウェア的な負担が軽減できる。
次に本発明の実施例3を説明する。実施例3では、実施例1の構成において、温度不感帯及び流量逆転帯を学習する機能を付加して、学習によって順次更新された最新の温度不感帯及び流量逆転帯を用いる。温度不感帯及び流量逆転帯を学習するための方法としては例えば、切替えバルブ54を本流部51側全開からバイパス部52側全開までスイングして図5の特性を得ることによって、温度不感帯及び流量逆転帯の幅、つまり図5のAとBとの値を得る学習プログラムをECU7に記憶しておき、これを例えば間歇的あるいは周期的に実行すればよい。
学習をおこなうのを例えばアイドリング時とすればEGR率が高いので好適である。これによって、時々刻々のシステムの変化に対応して、最新の温度不感帯及び流量逆転帯の幅を用いることができるので、より高性能なEGRガス流量及び温度の制御が行える。
次に本発明の実施例4を説明する。上述の実施例1から3においては、図5のA%からB%に開度を限定したが、実施例4では、実施例1から3の構成において、A%からB%までに限らない、ただし0%と100%とは含まない開度範囲を用いる。そして切替えバルブ54の開度が温度不感帯や流量逆転帯にはいったら、EGRバルブ56の開度の変化の度合いを制限する。
ここで変化の度合いの制限とは、例えばEGRバルブ56の開度の時間に関する変化率の絶対値に上限を設定して、ECU7によってその上限を超える指令値が算出された場合は、それを上限値に置き換える制限プログラムをECU7に付加すればよい。これにより温度不感帯や流量逆転帯にはいったらEGRバルブ56の開度の変化が抑制されるので、上記ハンチングも抑制されることとなり、EGRガス温度及び流量の制御性が高まる。
次に本発明の実施例5を説明する。実施例5では、実施例1から4の構成において、EGRバルブ56が故障しているかどうかを判断して、故障していれば切替えバルブ54を本流部51側全開かバイパス部52側全開かのどちらかにする。そのために、EGRバルブ56が故障しているかどうかを判断する故障診断プログラムをECU7に記憶しておいて、それを用いればよい。
故障診断プログラムでは、例えばEGR量の変化指令を出したときに、吸気量センサ32の値がそれにつれて変化するかどうかを検知すればよい。通常EGR量を変化させるとそれにつれて吸気量が変動するので、EGR量を変化させても吸気量センサ32の計測値が変化しない場合はEGRバルブ56が故障しているとみなされる。
したがって故障診断プログラムにおいて、EGR量を変化させる指令を出したときに、吸気量センサ32の値がそれにつれて変化しない(例えば計測値の変動幅がある閾値より小さい)場合に故障だと判断すればよい。そして故障診断プログラムによって故障と判断されたときに、ECU7によって切替えバルブ54を、開度制御が容易な本流部51側全開かバイパス部52側全開かのどちらかにすればよい。
上の実施例において、EGR管5が排気還流通路を構成する。本流部51が本流通路を構成する。バイパス部52がバイパス通路を構成する。EGRクーラ53が冷却部を構成する。合流部50が合流通路を構成する。側流部57が側流通路を構成する。ECU7が分配制御手段を構成する。切替えバルブ54、側流部57、あるいはECU7が分配手段を構成する。学習プログラムが学習手段を構成する。EGRバルブ56が還流量制御手段を構成する。故障診断プログラムが故障検出手段を構成する。なおエンジン2はディーゼルエンジンでなくてもよい。例えばリーンバーンガソリンエンジンであってもよい。
1 排気浄化装置
2 ディーゼルエンジン(エンジン、内燃機関)
3 吸気管(吸気通路)
4 排気管(排気通路)
5 EGR管(排気還流通路)
6 ターボチャージャー
7 電子制御装置(ECU)
50 合流部(合流通路)
51 本流部(本流通路)
52 バイパス部(バイパス通路)
53 EGRクーラ(冷却部)
54 切替えバルブ
55 排気温度センサ
56 EGRバルブ
57 側流部(側流通路)
2 ディーゼルエンジン(エンジン、内燃機関)
3 吸気管(吸気通路)
4 排気管(排気通路)
5 EGR管(排気還流通路)
6 ターボチャージャー
7 電子制御装置(ECU)
50 合流部(合流通路)
51 本流部(本流通路)
52 バイパス部(バイパス通路)
53 EGRクーラ(冷却部)
54 切替えバルブ
55 排気温度センサ
56 EGRバルブ
57 側流部(側流通路)
Claims (9)
- 排気通路から吸気通路へ排気を還流する排気還流通路を備え、
その排気還流通路は、排気還流通路の途中から本流通路とバイパス通路とに分岐し、より下流側で再度合流し、
前記本流通路に備えられて、還流される排気を冷却する冷却部と、
還流される排気を前記本流通路と前記バイパス通路とに分配し、排気の還流を行う際に、前記本流通路と前記バイパス通路との一方にのみ排気を還流することはしない分配手段とをさらに備えたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記排気還流通路において、前記本流通路と前記バイパス通路とに分岐されていない部分を合流通路として、
前記分配手段は、
前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、
その切替えバルブを経由せずに、前記本流通路と前記合流通路と、及び前記バイパス通路と前記合流通路とを直接つなぐ側流通路とを備えた請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記分配手段は、
前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、
その切替えバルブの開度を、前記本流通路と前記バイパス通路との一方の流路だけで排気を還流することはしないように制御する分配制御手段とを備えた請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記分配手段は、
前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、
その切替えバルブの開度を、その開度の増加に対して、前記本流通路と前記バイパス通路との排気の混合後の温度が単調に増加あるいは単調に減少し、かつ排気還流量が単調に増加あるいは単調に減少する範囲内で制御する分配制御手段とを備えた請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記分配手段は、前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブを備え、
前記切替えバルブの開度において、前記開度の変化に対して還流される排気の温度が変化しない開度の範囲を温度不感帯として、
前記切替えバルブの開度において、排気還流量が最大値を示した後、減少に転じる開度からバイパス通路への排気還流量が増加する開度の範囲を流量逆転帯として、
前記分配手段は、前記温度不感帯と前記流量逆転帯とを除いた開度の範囲内で、前記切替えバルブの開度を調節する分配制御手段を備えた請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記温度不感帯と前記流量逆転帯との開度範囲を学習する学習手段を備え、
前記分配制御手段は、前記学習手段によって学習された前記温度不感帯と前記流量逆転帯とを除いた開度の範囲内で前記切替えバルブの開度を調節する請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記排気還流通路において、前記本流通路と前記バイパス通路とに分岐されていない部分を合流通路として、
前記分配手段は、前記本流通路側と前記バイパス通路側との流路の断面積の割合を切り替える切替えバルブと、
その切替えバルブの開度を制御する分配制御手段と、
前記合流通路に配置されて、前記合流通路の流路の断面積を増減させる還流量制御手段とを備え、
前記切替えバルブの開度において、前記開度の変化に対して還流される排気の温度が変化しない開度の範囲を温度不感帯として、
前記切替えバルブの開度において、排気還流量が最大値を示した後、減少に転じる開度からバイパス通路への排気還流量が増加する開度の範囲を流量逆転帯として、
前記還流量制御手段の調節による前記流路の断面積の変化の割合または量または速度は、前記切替えバルブの開度が前記温度不感帯または前記流量逆転帯の範囲内にある場合よりも、前記切替えバルブの開度が前記温度不感帯または前記流量逆転帯の範囲外にある場合の方が大きい請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。 - 前記還流量制御手段は、前記切替えバルブの開度が前記温度不感帯または前記流量逆転帯の範囲内にある場合は、前記合流通路の流路の断面積の増減は行わない請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記還流量制御手段の故障を検出する故障検出手段を備え、
その故障検出手段によって前記還流量制御手段の故障が検出された場合は、前記分配制御手段は、前記本流通路の流路の断面積を最小とするか、あるいは前記バイパス通路の流路の断面積を最小とする請求項7または8に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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-
2007
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