JP2008138638A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】EGRクーラの大型化を抑制でき、かつ吸気通路に還流される排気の温度を適切に調整することが可能な内燃機関の排気還流装置を提供する。
【解決手段】排気通路4から吸気通路3に排気を還流するEGR通路20と、EGR通路20に設けられてEGR通路20の排気を冷却するEGRクーラ21と、EGRクーラ21を迂回して吸気通路3に排気を導くEGRバイパス通路23と、を備えた内燃機関1の排気還流装置において、EGRバイパス通路23に設けられ、酸化能を有する酸化触媒25と、吸気通路3に還流される排気のうちEGRクーラ21を迂回する排気の割合を調整するEGRクーラバイパス弁24と、を備え、EGRクーラバイパス弁24は内燃機関1の運転状態に基づいて制御される。
【選択図】図1
【解決手段】排気通路4から吸気通路3に排気を還流するEGR通路20と、EGR通路20に設けられてEGR通路20の排気を冷却するEGRクーラ21と、EGRクーラ21を迂回して吸気通路3に排気を導くEGRバイパス通路23と、を備えた内燃機関1の排気還流装置において、EGRバイパス通路23に設けられ、酸化能を有する酸化触媒25と、吸気通路3に還流される排気のうちEGRクーラ21を迂回する排気の割合を調整するEGRクーラバイパス弁24と、を備え、EGRクーラバイパス弁24は内燃機関1の運転状態に基づいて制御される。
【選択図】図1
Description
本発明は、EGR通路にEGRクーラが設けられた内燃機関の排気還流装置に関する。
メインEGR通路に上流側から順にクーラ前触媒及びEGRクーラが設けられるとともに、クーラ前触媒の上流とEGRクーラの下流とを接続する第一EGRバイパス路及びクーラ前触媒とEGRクーラとの間とEGRクーラの下流とを接続する第二EGRバイパス路を備え、内燃機関の運転状態に応じてメインEGR通路、第一EGRバイパス路及び第二EGRバイパス路の各通路を流れる排気量をそれぞれ調整する内燃機関が知られている(特許文献1参照)。また、EGRクーラが設けられるEGR通路とそのEGRクーラをバイパスして排気を吸気系に導くためのEGRクーラバイパス通路とを備えた内燃機関が知られている(特許文献2及び3参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献4及び5が存在する。
特許文献1の内燃機関においては、EGRクーラにはクーラ前触媒を通過した排気が導かれるため、クーラ前触媒によって温度が上昇した排気をEGRクーラで冷却しなければならない。そのため、EGRクーラが大型になるおそれがある。特許文献4及び5の排気還流装置においても同様の問題が生じる。特許文献2及び3の排気還流装置では温度を上昇させることなく排気をEGRクーラに導くことができるが、EGR通路に触媒が設けられていないので、吸気通路に還流させる排気(以下、EGRガスと呼ぶこともある。)の温度の制御範囲が制限される。
そこで、本発明は、EGRクーラの大型化を抑制でき、かつ吸気通路に還流される排気の温度を適切に調整することが可能な内燃機関の排気還流装置を提供することを目的とする。
本発明の排気還流装置は、排気通路から吸気通路に排気を還流するEGR通路と、前記EGR通路に設けられて前記EGR通路の排気を冷却する排気冷却手段と、前記排気冷却手段を迂回して吸気通路に排気を導くバイパス通路と、を備えた内燃機関の排気還流装置において、前記バイパス通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、前記吸気通路に還流される排気のうち前記排気冷却手段を迂回する排気の割合を調整するバイパス弁と、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記バイパス弁の動作を制御する制御手段と、を備えていることにより、上述した課題を解決する(請求項1)。
本発明の排気還流装置によれば、触媒をバイパス通路に設けたので、EGRクーラに排気通路から直接排気を導くことができる。これにより、温度を上昇させることなく排気をEGRクーラに導くことができるので、EGRクーラの大型化を抑制できる。また、EGRクーラにて冷却した排気と触媒にて昇温した排気とを吸気通路に導くことができ、かつこれらの排気の割合をバイパス弁によって調整できるので、吸気通路に還流されるEGRガスの温度の適切に調整することができる。
本発明の一形態において、前記制御手段は、前記内燃機関の負荷が低いほど前記排気冷却手段を迂回する排気が増加するように前記バイパス弁の動作を制御してもよい(請求項2)。一般に内燃機関の負荷が低い場合、排気に含まれる炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の量が多く、また排気の温度も低い。この形態では、内燃機関の負荷が低いほど触媒に導く排気の量を増加させるので、負荷が高いときよりも触媒にて温度を高めた排気を多く吸気通路に還流させて吸気温度を高めることができる。これにより内燃機関の燃焼温度を高めることができるので、排気中のHC及びCOを低減でき、低負荷運転時における排気エミッションを改善できる。
本発明の一形態においては、前記吸気通路に還流される排気の量を調整する還流排気量調整手段と、前記触媒の温度及びその温度と相関する物理量の少なくともいずれか一つを取得する触媒温度取得手段と、をさらに備え、前記制御手段は、前記触媒温度取得手段が取得した前記触媒の温度又は前記物理量の少なくともいずれか一つに基づいて前記還流排気量調整手段を制御してもよい(請求項3)。EGRガスの量を増加させることにより、より多くのHC及びCOを触媒にて反応させることができるので、この反応熱により触媒を昇温できる。また、EGRガスから触媒に伝達される熱量も増加するので、触媒を昇温できる。一方、EGRガスの量を減少させると触媒におけるHC及びCOの反応が抑制され、またEGRガスから伝達される熱量も減少するので、触媒の温度を下げることができる。そのため、触媒の温度又はその温度と相関する物理量に基づいて触媒に導かれるEGRガスの量を調整することにより、触媒の温度を適切に制御することができる。
この形態において、前記制御手段は、前記触媒温度取得手段が取得した前記触媒の温度又は前記物理量に基づいて前記触媒の温度が所定の許容上限温度以上に変化すると判断した場合、前記吸気通路に還流される排気の量が減少するように前記還流排気量調整手段を制御してもよい(請求項4)。触媒の温度が過度に上昇すると、触媒が焼損して触媒の性能が低下する。上述したようにEGRガス量を減少させることにより触媒の温度を下げることができるので、このようにEGRガス量を調整することにより、触媒の焼損を防止できる。また、このように吸気通路に還流される排気の量を減少させることにより、バイパス弁の状態に関わりなく触媒の温度を下げることができる。そのため、例えばバイパス弁が固着して触媒への排気の流れを止めることができない場合でも、触媒の温度を下げることができ、触媒の焼損を防止できる。
また、前記制御手段は、前記触媒温度取得手段が取得した前記触媒の温度又は前記物理量に基づいて前記触媒の温度が所定の許容下限温度以下に変化すると判断した場合、前記吸気通路に還流される排気の量が増加するように前記還流排気量調整手段を制御してもよい(請求項5)。触媒は所定の活性温度域にてその性能を適切に発揮するため、触媒の温度がその活性温度域の下限値より低下するとEGRガス中のHC及びCOが触媒において適切に浄化されずに吸気通路に還流される。この形態では、触媒の温度が所定の許容下限温度以下に変化すると判断した場合にEGRガス量を増加させるので、触媒を昇温して触媒の温度を活性温度域に調整できる。そのため、触媒にてHC及びCOを適切に浄化できる。
触媒温度取得手段を備えた排気還流装置の一形態において、前記触媒温度取得手段は、前記物理量として前記EGR通路の接続位置より下流の吸気通路における吸気の温度を取得してもよい(請求項6)。この吸気の温度は、EGRガスの温度の影響を受け、EGRガスの温度が高くなるほど高くなる。また、排気が触媒に導かれている場合、EGRガスの温度と触媒の温度とは相関関係を有し、EGRガスの温度が高くなるほど触媒の温度も高くなると考えられる。そのため、EGRガスが合流した後の吸気の温度を参照することにより触媒の温度を推定できる。
この形態において、前記制御手段は、前記触媒温度取得手段により取得された吸気の温度が所定の上限吸気温度以上の場合、前記触媒の温度が所定の許容上限温度以上になると判断してもよい(請求項7)。上述したようにEGRガスが合流した後の吸気の温度が高い場合は触媒の温度が高くなると考えられるため、このように判断してEGRガス量を減少させることにより、触媒の焼損を防止できる。
また、前記所定の上限吸気温度を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定する上限吸気温度設定手段をさらに備えていてもよい(請求項8)。周知のように排気通路の排気の温度は内燃機関の運転状態に応じて変化し、EGRガスの温度は排気通路の排気の温度に応じて変化する。この場合、内燃機関の運転状態が変化したことによるEGRガスの温度変化を考慮した所定の上限吸気温度を設定できるので、EGRガスが無駄に減少されることを抑制できる。
前記制御手段は、前記触媒温度取得手段により取得された吸気の温度が所定の判定温度未満の場合、前記触媒の温度が所定の許容下限温度以下に変化すると判断してもよい(請求項9)。上述したようにEGRガスが合流した後の吸気の温度が低い場合は触媒の温度が低下していると考えられるため、このように判断してEGRガス量を増加させることにより、触媒の温度を活性温度域に調整できる。
以上に説明したように、本発明の排気還流装置によれば、触媒をバイパス通路に設けたので、EGRクーラに排気通路から直接排気を導くことができる。そのため、EGRクーラの大型化を抑制できる。また、EGRクーラにて冷却した排気と触媒にて昇温した排気とを吸気通路に導くことができ、かつこれらの排気の割合をバイパス弁によって調整できるので、吸気通路に還流されるEGRガスの温度の適切に調整することができる。
図1は、本発明の一形態に係る排気還流装置が組み込まれた内燃機関を示している。図1の内燃機関1は、車両に走行用動力源として搭載される4気筒直列式のディーゼルエンジンとして構成されている。以下、内燃機関1をエンジンと呼ぶこともある。エンジン1の各気筒2には、吸気通路3及び排気通路4がそれぞれ接続されている。吸気通路3には、吸気濾過用のエアクリーナ5、ターボ過給機6のコンプレッサ6a、吸気を冷却するインタークーラ7、及び吸気の流量を調整する吸気絞り弁8が設けられている。また、図1に示したように吸気通路3には、ターボ過給機6のコンプレッサ6aよりも上流側の吸気通路とコンプレッサ6aよりも下流側の吸気通路とを接続するコンプレッサバイパス通路9と、吸気の流れをコンプレッサ6a又はコンプレッサバイパス通路9のいずれか一方に切り替え可能な吸気バイパス弁10とが設けられている。なお、通常運転時は吸気がコンプレッサ6aに導かれるように吸気バイパス弁10の位置が切り替えられる。排気通路4には、ターボ過給機6のタービン6b、排気を浄化するための排気後処理装置11、及び排気後処理装置11の機能再生時などに燃料を排気通路4内に添加するための燃料添加弁12が設けられている。ターボ過給機6はモータ(不図示)を備えており、このモータにて駆動可能なモータアシストターボである。エンジン1は、各気筒2にそれぞれ設けられて各気筒2内に燃料を噴射するインジェクタ13と、各インジェクタ13から噴射する高圧の燃料を蓄えるコモンレール14とを備えている。
図1に示したように、排気通路4と吸気通路3とはEGR通路20で接続され、EGR通路20には排気を冷却する排気冷却手段としてのEGRクーラ21と吸気通路3に還流される排気、すなわちEGRガスの量を調整する還流排気量調整手段としてのEGR弁22とが設けられている。また、図1に示したようにEGR通路20には、EGRクーラ21を迂回して排気を吸気通路3に導くためのEGRバイパス通路23と吸気通路3に導かれるEGRガスのうちEGRクーラ21を迂回するEGRガスの割合を調整するEGRクーラバイパス弁24とが設けられ、EGRバイパス通路23には酸化触媒25が設けられている。酸化触媒25は、酸化能を有する周知の触媒でよいため、詳細な説明は省略する。なお、EGRクーラバイパス弁24は、吸気通路3に還流されるEGRガスの全量をEGRクーラ21に導く第1位置と、吸気通路3に還流されるEGRガスの全量をEGRバイパス通路23に導く第2位置とに切り替えることができる。
EGR弁22及びEGRクーラバイパス弁24の動作は、エンジンコントロールユニット(ECU)30にてそれぞれ制御される。ECU30は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータとして構成され、インジェクタ13、吸気絞り弁8、及び燃料添加弁12といった各種の装置を操作してエンジン1の運転状態を制御する周知のコンピュータユニットである。また、ECU30は、モータアシストターボコントローラ15を介してターボ過給機6のモータの動作を制御する。ECU30には、このような制御において参照されるべき各種の物理量又は状態量を検出する検出手段として、例えば吸入空気量に対応した信号を出力するエアフローメータ31、吸気の温度に対応した信号を出力する吸気温センサ32、エンジン1のクランク角に対応した信号を出力するクランク角センサ33、及びアクセルの開度に対応した信号を出力するアクセル開度センサ34などが接続されている。図1に示したように吸気温センサ32は、EGR通路20の接続位置よりも下流の吸気通路3に設けられている。そのため、吸気温センサ32からは、EGRガスが合流した後の吸気の温度に対応した信号が出力される。
吸気通路3に還流すべきEGRガスの温度及び流量は、エンジン1の運転状態に応じて変化する。例えば、エンジン1の負荷が低い場合は負荷が高い場合と比較してEGRガスの温度を高めることにより、エンジン1の燃焼温度を上げることができるので、これにより排気中のHC及びCOを低減できる。このようなEGRガスの制御は、例えば図2に一例を示したようにエンジン1の負荷及びエンジン1の回転数とEGRガスの制御内容との対応付けを予め設定してECU30のROMにマップとして記憶させておき、このマップに基づいて行えばよい。なお、図2の領域AはEGRガスの全量をEGRバイパス通路23に導く領域(以下、EGRクーラバイパス領域と呼ぶこともある。)として設定され、領域BはEGRガスの全量をEGRクーラ21に導く領域(以下、EGRクーラ領域と呼ぶこともある。)として設定される。また、図2の領域Cは、吸気通路3へのEGRガスの還流を停止する領域として設定される。
図3は、ECU30がエンジン1の運転状態に応じて吸気通路3へのEGRガスの還流を制御するべく実行するEGR制御ルーチンを示している。図3のEGR制御ルーチンは、エンジン1の運転中に所定の周期で繰り返し実行される。なお、この制御ルーチンを実行することにより、ECU30が本発明の制御手段として機能する。
図3の制御ルーチンにおいてECU30は、まずステップS11でエンジン1の運転状態を取得する。エンジン1の運転状態としては、例えば、エンジン1の回転数、エンジン1の負荷、EGR通路20の接続位置よりも下流の吸気通路3の吸気の温度Tb、及びアクセル開度accpfなどを取得する。エンジン1の回転数は、例えばクランク角センサ33の出力信号に基づいて取得する。エンジン1の負荷は、例えば吸入空気量又はインジェクタ13からの燃料噴射量に基づいて取得する。
続くステップS12においてECU30は、取得したエンジン1の回転数及びエンジン1の負荷にて特定される位置が図2のEGRクーラバイパス領域A内か否か判断する。EGRクーラバイパス領域A内と判断した場合はステップS13に進み、ECU30はEGRクーラバイパス弁24を第2位置に切り替える。すなわち、EGRガスの全量をEGRバイパス通路23に導く。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、EGRクーラバイパス領域A外と判断した場合はステップS14に進み、ECU30は、取得したエンジン1の回転数及びエンジン1の負荷にて特定される位置が図2のEGRクーラ領域B内か否か判断する。EGRクーラ領域B内と判断した場合はステップS15に進み、ECU30はEGRクーラバイパス弁24を第1位置に切り替える。すなわち、EGRガスの全量をEGRクーラ21に導く。その後、今回の制御ルーチンを終了する。一方、EGRクーラ領域B外と判断した場合はステップS16に進み、ECU30はEGR弁22を全閉にする。これにより、EGRガスの還流が停止される。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
図3の制御ルーチンによれば、エンジン1の運転状態が図2のEGRクーラバイパス領域A内の場合、EGRガスの全量をEGRバイパス通路23に導くので、酸化触媒25にて排気中のHC及びCOを酸化させて浄化できるとともに、このときの反応熱によりEGRガスを昇温できる。エンジン1が低負荷の時又はエンジン1が低回転で運転されているときには、エンジン1の燃焼温度が低く、排気中のHC及びCOが増加する。EGRクーラバイパス領域Aは、このような運転状態に対応付けられているため、図3の制御ルーチンが実行されてEGRガスの温度が高められることにより、エンジン1の燃焼温度を高めて排気中のHC及びCOを低減できる。
EGRクーラ領域Bにおいては、EGRガスの全量がEGRクーラ21に導かれるので、EGRクーラ21で冷却して容積を減少させたEGRガスを吸気通路3に還流できる。そのため、多量のEGRガスを吸気通路3に還流させて窒素酸化物(NOx)の発生を抑制できる。このように本発明では、吸気通路3に還流される排気の温度を適切に調整することができる。また、EGRクーラ21には、排気通路4の排気を直接導くことができるので、EGRクーラ21はこの排気を冷却可能な性能を有していればよい。そのため、EGRクーラ21の大型化を抑制できる。
吸気通路3へのEGRガス還流時に酸化触媒25の温度が過度に上昇すると酸化触媒25が焼損し、浄化性能が低下するおそれがある。そこで、ECU30は酸化触媒25の温度の過度の上昇を防止するべく図4に示した触媒過熱防止制御ルーチンをエンジン1の運転中に所定の周期で繰り返し実行する。なお、図4において図3と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図4の制御ルーチンにおいてECU30は、まずステップS11でエンジン1の運転状態を取得する。続くステップS21においてECU30は、取得したエンジン1の負荷及びエンジン1の回転数に基づいて上限吸気温度αを設定する。上限排気温度αは、酸化触媒25の温度が酸化触媒25が焼損する許容上限温度以上に変化するか否か判断するための基準として設定する基準値である。EGR通路20の接続位置よりも下流の吸気通路3の吸気温度TbはEGRガスの温度の影響を受けるため、この吸気温度TbにてEGRガスの温度が推定できる。EGRガスの温度が過度に高いと酸化触媒25が過度に昇温されてその温度が許容上限温度以上になる可能性がある。そのため、吸気温度Tbが上限吸気温度α以上の場合、酸化触媒25の温度が許容上限温度以上に変化する可能性がある。なお、EGRガスの温度はエンジン1の運転状態の影響を受ける。そこで、上限吸気温度αは、エンジン1の負荷及びエンジン1の回転数に基づいて設定される。この設定は、例えば図5に一例を示した関係を予め実験などにより求めてECU30のROMに記憶させておき、そのマップを参照して行えばよい。なお、この処理を実行することにより、ECU30が本発明の上限吸気温度設定手段として機能する。また、このように吸気温度Tbにて酸化触媒25の温度を推定することにより、吸気温センサ32及びECU30が本発明の触媒温度取得手段として機能する。
次のステップS22においてECU30は、EGR通路20の接続位置よりも下流の吸気通路3の吸気温度Tbが上限吸気温度α以上か否か判断する。吸気温度Tbが上限吸気温度α未満と判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。一方、吸気温度Tbが上限吸気温度α以上と判断した場合はステップS23に進み、ECU30はEGR弁22を所定開度分閉じ側に制御する。なお、すでにEGR弁22が全閉状態の場合はその状態を維持する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
図4の制御ルーチンによれば、吸気温度Tbが上限吸気温度α以上の場合、EGR弁22を閉じ側に制御してEGRガスの量を減少させるので、これにより酸化触媒25の温度を下げることができる。そのため、酸化触媒25の焼損を防止し、性能の低下を抑制できる。また、EGR弁22にてEGRガスの量を減少させて酸化触媒25の温度を下げるので、EGRクーラバイパス弁24が固着して動作しなかった場合でも酸化触媒25の温度を下げることができる。
酸化触媒25は、所定の活性温度域においてその性能を適切に発揮するため、吸気通路3にEGRガスを還流する場合は酸化触媒25の温度をその活性温度域内に維持する必要がある。エンジン1が低負荷で運転されている場合は排気の温度が低下するため、酸化触媒25の温度が活性温度域の下限値未満に低下するおそれがある。そこで、ECU30は、酸化触媒25の温度を活性温度域内に調整するべく図6に示した触媒温度維持制御ルーチンをエンジン1の運転中に所定の周期で繰り返し実行する。なお、図6において図3及び図4と同一の処理には同一の参照符号を付して説明を省略する。
図6の制御ルーチンにおいてECU30はまずステップS11でエンジン1の運転状態を取得する。続くステップS31においてECU30は、アクセル開度accpfが0、又はエンジン1がアイドリング中か否か判断する。アイドリング中か否かは、例えば車速が0で、かつ所定の時間エンジン1の回転数が所定のアイドリング回転数範囲内の場合にアイドリング中と判断する。アクセル開度accpfが0以外であり、かつエンジン1がアイドリング中ではないと判断した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、アクセル開度accpfが0、又はエンジン1がアイドリング中と判断した場合はステップS32に進み、ECU30はEGR通路20の接続位置よりも下流の吸気通路3の吸気温度Tbが所定の判定温度β未満か否か判断する。判定温度βは、酸化触媒25の温度が活性温度域の下限値以下に変化するか否か判断するための基準として設定する基準値である。そのため、判定温度βには、例えば、酸化触媒25の温度が活性温度域の下限値の場合におけるEGR通路20の接続位置よりも下流の吸気通路3の吸気温度が設定される。なお、このような吸気温度は、予め実験又は数値計算などにより求めてECU30のROMに記憶させておく。吸気温度Tbが判定温度β以上と判断した場合は今回の制御ルーチンを終了する。一方、吸気温度Tbが判定温度β未満と判断した場合はステップS33に進み、ECU30はEGR弁22を所定開度分開き側に制御する。なお、すでにEGR弁22が全開状態の場合はその状態を維持する。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
図6の制御ルーチンによれば、吸気温度Tbが判定温度β未満の場合、EGR弁22を開き側に制御してEGRガス量を増加するので、これにより酸化触媒25の温度を上げることができる。そのため、酸化触媒25の温度を活性温度域内に維持することができる。これにより、エンジン1が低負荷で運転されていても酸化触媒25にてHC及びCOの浄化を行うことができる。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明が適用される内燃機関はディーゼルエンジンに限定されない。本発明は、EGRクーラが設けられたEGR通路及びEGRクーラを迂回するバイパス通路を備えた種々の内燃機関に適用できる。上述した形態においては、EGR通路の接続位置よりも下流の吸気通路の吸気の温度に基づいてEGR弁の制御を行っているが、制御に使用するパラメータは吸気の温度に限定されない。酸化触媒の温度を検出してこの触媒の温度に基づいてEGR弁の制御を行ってもよい。また、酸化触媒の温度と相関関係を有する種々の物理量に基づいてEGR弁の制御を行ってもよい。EGRクーラバイパス弁は1つでなくてもよい。EGR通路とEGRバイパス通路にそれぞれ弁を設け、これらの弁の開度をそれぞれ調整することによって各通路を流れるEGRガスの割合を調整してもよい。
1 内燃機関
3 吸気通路
4 排気通路
20 EGR通路
21 EGRクーラ(排気冷却手段)
22 EGR弁(還流排気量調整手段)
23 EGRバイパス通路
24 EGRクーラバイパス弁
25 酸化触媒
30 エンジンコントロールユニット(制御手段、触媒温度取得手段、上限吸気温度設定手段)
32 吸気温センサ(触媒温度取得手段)
3 吸気通路
4 排気通路
20 EGR通路
21 EGRクーラ(排気冷却手段)
22 EGR弁(還流排気量調整手段)
23 EGRバイパス通路
24 EGRクーラバイパス弁
25 酸化触媒
30 エンジンコントロールユニット(制御手段、触媒温度取得手段、上限吸気温度設定手段)
32 吸気温センサ(触媒温度取得手段)
Claims (9)
- 排気通路から吸気通路に排気を還流するEGR通路と、前記EGR通路に設けられて前記EGR通路の排気を冷却する排気冷却手段と、前記排気冷却手段を迂回して吸気通路に排気を導くバイパス通路と、を備えた内燃機関の排気還流装置において、
前記バイパス通路に設けられ、酸化能を有する触媒と、前記吸気通路に還流される排気のうち前記排気冷却手段を迂回する排気の割合を調整するバイパス弁と、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記バイパス弁の動作を制御する制御手段と、を備えていることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。 - 前記制御手段は、前記内燃機関の負荷が低いほど前記排気冷却手段を迂回する排気が増加するように前記バイパス弁の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記吸気通路に還流される排気の量を調整する還流排気量調整手段と、前記触媒の温度及びその温度と相関する物理量の少なくともいずれか一つを取得する触媒温度取得手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記触媒温度取得手段が取得した前記触媒の温度又は前記物理量の少なくともいずれか一つに基づいて前記還流排気量調整手段を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気還流装置。 - 前記制御手段は、前記触媒温度取得手段が取得した前記触媒の温度又は前記物理量に基づいて前記触媒の温度が所定の許容上限温度以上に変化すると判断した場合、前記吸気通路に還流される排気の量が減少するように前記還流排気量調整手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記制御手段は、前記触媒温度取得手段が取得した前記触媒の温度又は前記物理量に基づいて前記触媒の温度が所定の許容下限温度以下に変化すると判断した場合、前記吸気通路に還流される排気の量が増加するように前記還流排気量調整手段を制御することを特徴とする請求項3又は4に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記触媒温度取得手段は、前記物理量として前記EGR通路の接続位置より下流の吸気通路における吸気の温度を取得することを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記制御手段は、前記触媒温度取得手段により取得された吸気の温度が所定の上限吸気温度以上の場合、前記触媒の温度が所定の許容上限温度以上になると判断することを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記所定の上限吸気温度を前記内燃機関の運転状態に基づいて設定する上限吸気温度設定手段をさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載の内燃機関の排気還流装置。
- 前記制御手段は、前記触媒温度取得手段により取得された吸気の温度が所定の判定温度未満の場合、前記触媒の温度が所定の許容下限温度以下に変化すると判断することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の内燃機関の排気還流装置。
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