JP2018071372A - 内燃機関の排気還流装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EGR管から分岐してEGRクーラを迂回してEGR管に合流するバイパス管を備える内燃機関の排気還流装置において、EGR管の合流部よりも吸気管側を流れるEGRガスの温度の収束性を高める。【解決手段】先ず、総流量Gegr、温度Tegr、排気温T4、水温thw、大気温度tha、吸入空気量Gaなどが取得される(S10)。続いて、要求分流比が算出される(S12)。ステップS12では、ステップS10において取得した総EGR通過ガス量と、ECU30に記憶していたマップとに基づいて、係数α、係数β、係数γおよび係数εを特定する。そして、特定した係数α、係数β、係数γおよび係数εや、ステップS10で取得したパラメータを式(9)の解の公式に代入する。これにより、要求分流比が算出される。続いて、制御バルブ22の開度が算出される(S14)。【選択図】図5

Description

この発明は、内燃機関の排気還流装置に関する。
特開2008−175101号公報には、内燃機関の排気還流装置が開示されている。この従来の装置は、排気管と吸気管を接続するEGR管と、EGR管の排気管側に設けられた水冷式のEGRクーラと、EGR管の吸気管側に設けられたEGRバルブと、を備えている。この従来の装置は、また、EGR管の途中でEGR管から分岐してEGRクーラを迂回し、EGRクーラとEGRバルブの間でEGR管に合流するバイパス管と、バイパス管のEGR管との合流部に設けられたバイパスバルブと、を備えている。バイパスバルブは、EGRクーラが設けられたEGR管(以下「第1分岐管」ともいう。)およびバイパス管(以下「第2分岐管」ともいう。)の一方の流通面積を可変とし、他方を開放するように構成されている。
この従来の装置では、バイパスバルブの開度制御が行われる。第1分岐管にはEGRクーラが設けられていることから、第1分岐管を流れるEGRガスからの放熱量と、第2分岐管を流れるEGRガスからの放熱量とは異なることになる。そのため、バイパスバルブの開度制御が行われると、EGR管の合流部よりも吸気管側を流れるEGRガスの温度や、このEGRガスと合流した吸気の温度を調整することができる。
特開2008−175101号公報 特開2009−121358号公報 特開2016−065484号公報
しかし、特開2008−175101号公報では、第1および第2分岐管を流れるEGRガスからの放熱量が、各管を流れるEGRガスの流量に依存することが考慮されていない。また、第1および第2分岐管の中心部におけるEGRガスの温度が、これらの管の内部圧力に依存することも考慮されていない。そのため、上記従来の装置での開度制御では、次の問題が生じるおそれがある。即ち、第1および第2分岐管を流れるEGRガスの流量と管内圧力の変化に併って、これらの管を流れるEGRガスの温度がそれぞれ変化してしまう。その結果、バイパスバルブの開度の調整が繰り返され、EGR管の合流部よりも吸気管側を流れるEGRガスの温度の収束に時間を要するおそれがある。
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものである。即ち、EGR管から分岐してEGRクーラを迂回してEGR管に合流するバイパス管を備える内燃機関の排気還流装置において、EGR管の合流部よりも吸気管側を流れるEGRガスの温度の収束性を高めることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための内燃機関の排気還流装置であって、
排気管と吸気管を接続するEGR管と、
前記EGR管の排気管側に設けられた水冷式のEGRクーラと、
前記EGR管の途中で前記EGR管から分岐し、前記EGRクーラを迂回して前記EGR管に合流するバイパス管と、
前記EGR管を流れるEGRガスの総流量に対する、前記EGRクーラを流れるEGRガスの流量の比率である流量比率を変更する制御バルブと、
前記EGR管の前記バイパス管との合流部よりも吸気側を流れるEGRガスの温度を目標値に追従させる前記流量比率の目標値に基づいて、前記制御バルブの開度を制御する制御手段と、
前記合流部での合流前後のEGRガスのエネルギに関して成立するエネルギバランス式を前記流量比率の2次式で表現したときの当該2次式の解の一方を前記流量比率の目標値として算出する算出手段であって、前記2次式の係数には、第1の1次関数の傾きおよび切片と、第2の1次関数の傾きおよび切片と、が含まれ、前記第1の1次関数は、前記EGRクーラを流れるEGRガスの流量を排気温で除して得られる第1除算値を変数とする、前記EGRクーラでの冷却効率と前記第1除算値との関係を線形近似した1次関数であり、前記第2の1次関数は、前記バイパス管を流れるEGRガスの流量を排気温で除して得られる第2除算値を変数とする、前記バイパス管での冷却効率と前記第2除算値との関係が線形近似される区間ごとに近似した1次関数である算出手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、合流部での合流前後のEGRガスのエネルギに関して成立するエネルギバランス式を、EGR管を流れるEGRガスの総流量に対するEGRクーラを流れるEGRガスの流量の比率(流量比率)の2次式で表現することができる。この2次式の係数には、第1除算値を変数とする、EGRクーラでの冷却効率と当該第1除算値との関係を線形近似した1次関数の傾きおよび切片と、第2除算値を変数とする、バイパス管での冷却効率と当該第2除算値との関係が線形近似される区間ごとに近似した1次関数の傾きおよび切片が含まれている。ここで、第1除算値は、EGRクーラを流れるEGRガスの流量を排気温で除して得られる値であり、第2除算値は、バイパス管を流れるEGRガスの流量を排気温で除して得られる値である。そのため、本発明によれば、流量比率の目標値の算出に際して、EGRクーラやバイパス管を流れるEGRガスの流量を考慮することが可能となる。加えて、本発明によれば、上記2次式の解の一方を、上記流量比率の目標値として算出することができる。従って、EGRクーラやバイパス管を流れるEGRガスの流量が変わった場合としても、上記2次式の解の一方を上記流量比率の目標値の最適解として直ちに算出できる。よって、本発明によれば、バイパス管との合流部よりも吸気側を流れるEGRガスの温度を、短時間で目標値に追従させることが可能となる。
本発明の実施の形態に係るシステムの構成例を説明する図である。 図1に示した制御バルブ22の一般的な開度制御における問題点を説明する図である。 図1に示した制御バルブ22の一般的な開度制御における問題点を説明する図である。 値TegrC/T4と冷却効率ηcとの関係、および、値TegrCbp/T4と冷却効率ηcbpとの関係の一例を示す図である。 本発明の実施の形態において、ECU30が実行する処理ルーチンの一例を示す図である。 本発明を適用可能な他のシステムの構成例を説明する図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[システム構成例の説明]
図1は、本発明の実施の形態に係るシステムの構成例を説明する図である。図1に示すシステム10は、車両に搭載されるエンジンシステムであり、EGR管12を備えている。EGR管12は、エンジンの排気管(図示しない)を流れる排気を吸気管14に還流させるEGR装置の一部を構成する。このEGR装置は、EGR管12に加え、EGR管12を流れる排気(EGRガス)を冷却水によって冷却する水冷式のEGRクーラ16と、このEGRクーラ16を迂回するバイパス管18と、を備えている。このEGR装置は、また、バイパス管18がEGR管12に合流する合流部20に、電磁弁等からなる制御バルブ22を備えている。なお、本発明に適用されるエンジンの構成は特に限定されない。
制御バルブ22は、EGR管12を流れるEGRガスの総流量Gegrに対する、EGRクーラ16と合流部20の間を流れるEGRガスの流量GegrCの流量比率R(但し流量比率Rは0≦R≦1)を変更するように構成されている。本実施の形態において、流量比率Rは、EGRクーラ16と合流部20の間を流れるEGRガスの流量GegrCと、バイパス管18を流れるEGRガスの流量GegrCbpとの和が総流量Gegrと、を用いた下記式(1)によって表される。
R=GegrC/Gegr
=GegrC/(GegrC+GegrCbp) ・・・(1)
なお、総流量Gegrと流量GegrCbpを用いると、上記式(1)は、下記式(2)で表される。
GegrCbp=(1−R)・Gegr ・・・(2)
図1に示すシステム10は、また、EGR管12の制御バルブ22よりも吸気管14側に、電磁弁等からなるEGRバルブ24を備えている。EGRバルブ24は、EGR管12、EGRクーラ16、バイパス管18や制御バルブ22と共に、EGR装置の一部を構成する。EGRバルブ24は、EGR管12を経由して内燃機関のシリンダに還流されるEGRガスの吸気全体に占める割合(EGR率)を変更するにように構成されている。なお、EGRバルブ24が全閉された状態においては、EGR管12が遮断されてEGR率がゼロになる。
図1に示すシステム10は、また、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30は、RAM(ランダムアクセスメモリ)、ROM(リードオンリメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)等を備えている。ECU30は、システム10に付随して車両に搭載された各種センサの信号を取り込み処理する。各種センサには、吸入空気量Gaを検出するエアフローメータ、大気温度thaを検出する大気温度センサ、EGRクーラ16に流れる冷却水の水温thwを検出する水温センサ、排気管を流れる排気温T4を検出する排気温センサなどが含まれている。ECU30は、取り込んだ各センサの信号を処理して所定の制御プログラムに従って各種アクチュエータを操作する。ECU30によって操作されるアクチュエータには、上述した制御バルブ22、EGRバルブ24などが含まれている。
[実施の形態の制御の説明]
本実施の形態の制御を説明する前に、図1に示した制御バルブ22の一般的な開度制御について、図2乃至図3を参照しながら説明する。この一般的な開度制御は、後述する本実施の形態に係る制御の比較例として位置付けられるものである。この比較例に係る制御(以下「比較制御」ともいう。)では、図1に示した制御バルブ22とEGRバルブ24の間を流れるEGRガスの温度Tegrを目標値に追従させるべく、次のステップS1〜S4によって流量比率Rが算出される。
ステップS1:現在の流量GegrCおよび流量GegrCbpの推定
ステップS2:EGRクーラ16での熱交換量とバイパス管18での熱交換量の予測
ステップS3:EGRクーラ16と合流部20の間を流れるEGRガスの温度TegrCと、バイパス管18を流れるEGRガスの温度TegrCbpの推定
ステップS4:合流部20の上流と下流においてEGRガスが有するエネルギに関して成立する式(エネルギバランス式)に基づいた流量比率Rの算出
なお、比較制御中においてEGRクーラ16を流れる冷却水の流量は、十分な量に保たれているものとする。図2は、比較制御における問題点を説明する図である。図2の上段には、比較制御中のEGR上流ガス温度と総EGR通過ガス量が描かれている。この「EGR上流ガス温度」は、図1に示したEGR管12に流入した直後のEGRガスの温度を意味しており、上述の排気温T4に相当している。また、「総EGR通過ガス量」は、図1に示したEGR管12に流入した直後のEGRガスの総流量を意味しており、上述の総流量Gegrに相当している。
図2の中段には、比較制御中のEGR下流ガス温度と、その目標温度が描かれている。この「EGR下流ガス温度」とは、図1に示した合流部20において合流した後のEGRガスの温度を意味しており、上述の温度Tegrに相当している。図2の下段には、比較制御中のクーラガス温度、バイパスガス温度およびクーラ比率(分流比)が描かれている。この「クーラガス温度」とは、上述のステップS3で推定される温度TegrCを意味している。また、「バイパスガス温度」とは、同ステップS3で推定される温度TegrCbpを意味している。また、「クーラ比率(分流比)」とは、上述のステップS4で算出される流量比率Rを意味している。
図2の上段に示すように、EGR上流ガス温度は一定に保たれている。一方、総EGR通過ガス量は、一定に保たれる期間が3つに分かれている。これは、時刻tから時刻tまでの間において一定に保たれていた総EGR通過ガス量が、時刻tと時刻tにおいて段階的に増やされたためである。時刻tと時刻tにおいて総EGR通過ガス量が段階的に増やされたのは、EGR率の増加要求に従ってEGRバルブ24の開度が増やされたためである。なお、このEGRバルブ24の開度制御は、上述のステップS1〜S4の処理とは別に、ECU30において行われるものである。
図2の下段に示すように、時刻t、時刻tおよび時刻tの直後においてクーラ比率が急上昇する。時刻tの直後にクーラ比率が急上昇するのは、時刻tにおいてはクーラ比率がゼロであり、EGRクーラ16へのEGRガスの導入を開始するための流量比率Rが、上述のステップS1〜S4の処理を経て算出されたためである。時刻tおよび時刻tの直後にクーラ比率が急上昇するのは、時刻tおよび時刻tに総EGR通過ガス量が急増したためである。総EGR通過ガス量が急増されれば、上述のステップS1〜S4の処理を経て算出される流量比率Rの値も大きく上昇する。
ここで、図2に示す時刻tの直後の期間(A)は、EGR下流ガス温度が目標値に収束するまでに要する時間を表している。この理由は、次の問題が原因である。即ち、EGRクーラ16やバイパス管18での熱交換量は、これらを流れるEGRガスの流量に依存する。加えて、EGRクーラ16やバイパス管18の中心部を流れるEGRガスの温度は、これらの内部の圧力の変化速度と同等の速度で変化する。そのため、上述のステップS1〜S4の処理を経て算出した流量比率Rに基づいて制御バルブ22の開度を変更すると、ステップS3で推定した温度TegrCや温度TegrCbpの推定値が変わることになる。故に、ステップS1〜S4の処理を繰り返れてしまい、EGR下流ガス温度がなかなか目標値に収束しない。換言すると、ステップS1〜S4の一度の処理によって、流量比率Rの最適解に辿り着くことができない。
また、図2に示す時刻tの直後の期間(B)では、クーラ比率が安定せずハンチングしてしまっている。この理由は、次の問題が原因である。即ち、図2の下段に示すバイパスガス温度がクーラガス温度よりも高い状況下で、同図の中段に示す温度Tegrが目標値よりも高いときは、クーラ比率を高めることでEGR下流ガス温度が下がるはずである。しかし、クーラ比率を高めたことで、上述のステップS3で推定されるバイパスガス温度の値が下がり、時刻tにおいてクーラガス温度を下回ってしまう。但し、この時刻tでは、図2の中段に示す温度Tegrが目標値よりも依然として高い。そうすると、理論上、温度Tegrを下げるには、相対的に低いバイパスガス温度を利用すれば良いということになるので、ステップS1〜S4の処理を経て算出される流量比率Rの値が小さくなる。つまり、時刻t以降はクーラ比率が下がってしまう。
クーラ比率が下がるということは、図1に示したバイパス管18を流れるEGRガスの流量GegrCbpが増えることを意味する。ここで、図1に示したバイパス管18にはEGRクーラ16の様な熱交換器が設けられておらず、バイパス管18を流れるEGRガスと熱交換するのは外気である。そのため、EGRガスの流量GegrCbpが増えれば、バイパスガス温度は程なく上昇に転じることになる。故に、図2の下段に示すバイパスガス温度は、時刻tの直後の時刻tにおいて、クーラガス温度を上回ることになる。しかし、この時刻tにおいても、図2の中段に示す温度Tegrが目標値よりも依然として高い。そうすると、理論上、今度は相対的に低いクーラガス温度を利用すれば良いということになる。従って、時刻t以降は、クーラ比率が上がることになる。このように、図2の中段に示す温度Tegrが目標値よりも高い状態が続くと、クーラ比率がハンチングしてしまう。
クーラ比率のハンチングは、クーラ比率を高い値に保ち続けるべきであるにも関わらず、クーラ比率を下げてしまうことがそもそもの原因である。しかし、クーラ比率を高い値に保ち続けたにも関わらず、温度Tegrが目標値よりも依然として高い状況が続くと、また別の問題が発生する可能性がある。この問題を説明するのが図3である。クーラ比率を高い値に保ち続けると、図3の中段に示すように、バイパス温度が低下してクーラガス温度を大きく下回ることになる。このような状況下、時刻tにおいて温度Tegrが急変して目標値を大きく下回ったときには、理論上、相対的に高いクーラガス温度を利用すれば良いということになってしまう。つまり、図1に示したバイパス管18に流すEGRガスを増やせば結果的に短時間で温度Tegrを上昇できるにも関わらず、時刻tにおいて相対的に高いクーラガス温度を利用すれば良いと判断し、その結果、クーラ比率が一向に下がらないことになる。
以上述べた比較制御での問題を踏まえ、本実施の形態に係る制御では、温度Tegrを排気温T4で除した値と、EGRクーラ16での冷却効率ηcとの関係を線形近似した下記式(3)、および、温度Tegrを排気温T4で除した値と、バイパス管18での冷却効率ηcbpとの関係を線形近似した下記式(4)を用いて流量比率Rを算出する。
ηc=α・GegrC/T4+β ・・・(3)
ηcbp=γ・GegrCbp/T4+ε ・・・(4)
なお、上記式(3),(4)のα,β,γおよびεは係数である。本実施の形態において、係数αおよび係数βは流量GegrC/T4に関連付けたマップとして、係数γおよび係数εは流量GegrCbp/T4に関連付けたマップとして、それぞれECU30のROMまたはRAMに記憶されているものとする。
先ず、上述の2つの関係の線形近似について、図4を参照しながら説明する。図4は、値TegrC/T4と冷却効率ηcとの関係、および、値TegrCbp/T4と冷却効率ηcbpとの関係の一例を示す図である。図4の上方に示すように、値TegrC/T4と冷却効率ηcとの関係は、線形で近似することができる。これは、EGRクーラ16を流れる冷却水の流量が十分な量に保たれているからである。上記式(3)の係数αおよび係数βは、図4の上方に示す1次関数の傾きおよび切片として算出することができる。
一方、値TegrCbp/T4と冷却効率ηcbpとの関係は、線形で近似することができない。但し、値TegrCbp/T4と冷却効率ηcbpとの関係が線形近似できる間隔I〜Iで区切っていけば、各間隔でこの関係を線形で近似することができる。上記式(4)は、このような間隔I〜Iで値TegrCbp/T4を区切ったときにおける、値TegrCbp/T4と冷却効率ηcbpとの関係を表す式である。上記式(4)の係数γおよび係数εは、図4の下方に示す値TegrCbp/T4の区間毎に近似される1次関数の傾きおよび切片として、当該区間毎に算出することができる。
本実施の形態に係る制御では、合流部20の上流と下流においてEGRガスが有するエネルギに関して成立する式(エネルギバランス式)に上記式(3),(4)を代入することで得られる2次式を解くことにより、流量比率Rを算出する。先ず、エネルギバランス式について説明する。エネルギバランス式は、合流部20の下流におけるEGRガスのエネルギEegrが、合流部20の上流におけるEGRガスのエネルギと等しいことを示した式である。エネルギバランス式は、具体的に、EGRクーラ16と合流部20の間を流れるEGRガスのエネルギEcと、バイパス管18を流れるEGRガスのエネルギEcbpと、を用いた下記式(5)で表される。
Eegr=Ec+Ecbp ・・・(5)
上記式(5)をEGRガスの温度と流量比率Rに着目して変形すると、下記式(6)が導出される。
(5)⇔Tegr=R・TegrC+(1−R)・Tegrcbp
⇔Tegr=R・{T4−(T4−thw)・ηc}+(1−R)・{T4−(T4−tha)・ηcbp} ・・・(6)
上記式(6)に下記式(7),(8)を代入して流量比率Rで整理すると、下記式(9)が導出される。なお、下記式(7),(8)は、上記式(1),(2)に基づいて上記式(3),(4)の変数であるGegrC/T4およびGegrCbp/T4を、何れもGegr/T4に置き換えたものである。
ηc=α・R・Gegr/T4+β ・・・(7)
ηcbp=γ・(1−R)・Gegr/T4+ε ・・・(8)
0={(T4w・α+T4a・γ)・Gegr/T4}・R
+{−2・T4a・γ・Gegr/T4+(T4w・β−T4a・ε)}・R
+(T4a・γ・Gegr/T4+T4a・ε−T4e) ・・・(9)
但し、式(9)において、T4a=T4−tha、T4w=T4−thw、T4e=T4−Tegrである。
上記式(9)は流量比率Rの2次式であることから、この2次式の解(R1,R2)の一方は、温度Tegrを目標値に追従させる流量比率Rの最適解であるといえる。そして仮に、解(R1,R2)の一方R1がR1<0またはR1>1であるときは、この解R1が流量比率Rの前提条件を満たさないことになるので、解R2が流量比率Rの最適解であると決定する。このように、本実施の形態に係る制御によれば、上述のステップS1〜S4の処理を行うことなく、流量比率Rの最適解に一度に辿り着くことが可能となる。即ち、図2や図3で説明した不具合の発生を回避しつつ、温度Tegrを短時間で目標値に収束させることが可能となる。
図5は、本実施の形態において、ECU30が実行する処理ルーチンの一例を示す図である。本処理ルーチンは、所定の制御周期ごと(例えば、エンジンが有する気筒の燃焼サイクルごと)に実行されるものとする。
図5に示すルーチンでは、先ず、総流量Gegr、温度Tegr、排気温T4、水温thw、大気温度tha、吸入空気量Gaなどが取得される(ステップS10)。本ステップS10において、総流量Gegrは、例えば、エアフローメータで検出した吸入空気量Gaと、EGR率の現在値とに基づいて推定される。EGR管12に別途設けたセンサにより総流量Gegrを検出してもよい。なお、エンジン始動時の総流量Gegrはゼロに設定される。また、温度Tegrは、例えば、温度Tegrの目標値の前回値が取得される。なお、「温度Tegrの目標値の前回値」とは、ECU30による本処理ルーチンの前回の実行時において設定されていた温度Tegrの目標値を指す。また、排気温T4、水温thwおよび大気温度thaは、上述したセンサにより検出される。
ステップS10に続いて、要求分流比が算出される(ステップS12)。この「要求分流比」は、温度Tegrを目標値に追従させるために必要な流量比率Rの目標値を意味している。本ステップS12において、要求分流比は例えば次のように算出される。先ず、ステップS10において取得した総EGR通過ガス量と、ECU30に記憶していたマップとに基づいて、係数α、係数β、係数γおよび係数εを特定する。そして、特定した係数α、係数β、係数γおよび係数εや、ステップS10で取得したパラメータを上記式(9)の解の公式に代入する。これにより、要求分流比(つまり、流量比率R)が算出される。なお、流量比率Rの第1条件として、総流量Gegrがゼロの場合は2次式の解(R1,R2)の値に関わらず流量比率Rをゼロとする。また、第2条件として、2次式の解(R1,R2)の平方根の中の値が何れも負の場合は、解(R1,R2)の値に関わらず流量比率Rを1とする。
ステップS12に続いて、バルブ開度が算出される(ステップS14)。この「バルブ開度」は、制御バルブ22の開度である。本ステップS14においては、流量比率Rを実現する制御バルブ22の開度が算出され、指令値として制御バルブ22に入力される。
以上、図5に示した処理ルーチンによれば、比較制御において行っていた上述のステップS1〜S4の処理を行わずに、流量比率Rの最適解に一度に辿り着くことが可能となる。即ち、図2や図3で説明した不具合の発生を回避しつつ、温度Tegrを短時間で目標値に収束させることが可能となる。
なお、上述の実施の形態においては、ECU30が図5のステップS14の処理を実行することにより本発明の「制御手段」が実現され、ECU30が図5のステップS12の処理を実行することにより本発明の「算出手段」が実現されている。
また、上述の実施の形態においては、上記式(9)が本発明の「流量比率の2次式」に相当し、上記式(3)の係数αおよび係数βが本発明の「第1の1次関数の傾きおよび切片」に相当し、上記式(4)の係数γおよび係数εが本発明の「第2の1次関数の傾きおよび切片」に相当する。
ところで、上述の実施の形態においては、図1に示したシステム10の制御バルブ22の開度制御を前提として説明した。しかし、本発明は、図6に示すシステムにも適用が可能である。図6は、本発明を適用可能な他のシステムの構成例を説明する図である。図6に示すシステム40は、図1に示したシステム10同様、車両に搭載されるエンジンシステムである。システム40は、EGRクーラ16と合流部20の間のEGR管12に設けられた制御バルブ26と、バイパス管18に設けられた制御バルブ28と、を備えている。本発明をシステム40に適用する場合は、上記式(9)から算出した流量比率Rを、制御バルブ26,28の協調制御によって実現すればよい。
10,40 システム(エンジンシステム)
12 EGR管
14 吸気管
16 EGRクーラ
18 バイパス管
20 合流部
22,26,28 制御バルブ
24 EGRバルブ
30 ECU

Claims (1)

  1. 排気管と吸気管を接続するEGR管と、
    前記EGR管の排気管側に設けられた水冷式のEGRクーラと、
    前記EGR管の途中で前記EGR管から分岐し、前記EGRクーラを迂回して前記EGR管に合流するバイパス管と、
    前記EGR管を流れるEGRガスの総流量に対する、前記EGRクーラを流れるEGRガスの流量の比率である流量比率を変更する制御バルブと、
    前記EGR管の前記バイパス管との合流部よりも吸気側を流れるEGRガスの温度を目標値に追従させる前記流量比率の目標値に基づいて、前記制御バルブの開度を制御する制御手段と、
    前記合流部での合流前後のEGRガスのエネルギに関して成立するエネルギバランス式を前記流量比率の2次式で表現したときの当該2次式の解の一方を前記流量比率の目標値として算出する算出手段であって、前記2次式の係数には、第1の1次関数の傾きおよび切片と、第2の1次関数の傾きおよび切片と、が含まれ、前記第1の1次関数は、前記EGRクーラを流れるEGRガスの流量を排気温で除して得られる第1除算値を変数とする、前記EGRクーラでの冷却効率と前記第1除算値との関係を線形近似した1次関数であり、前記第2の1次関数は、前記バイパス管を流れるEGRガスの流量を排気温で除して得られる第2除算値を変数とする、前記バイパス管での冷却効率と前記第2除算値との関係が線形近似される区間ごとに近似した1次関数である算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気還流装置。
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