JP2009120800A - プロピレン系樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物およびその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】日本薬局方、一般試験の規格を満足し、優れた耐熱性、剛性、耐衝撃性、射出成形性、透明性、ガスバリヤー性を有するプロピレン系樹脂組成物およびその成形品を提供する。
【解決手段】(a)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜80g/10分であるプロピレン単独重合体60〜99重量部と、(b)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが1〜60g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、特定の構造式の造核剤(A)が0.01〜0.6重量部、または他の造核剤と併用して配合されていることを特徴とする医療用プロピレン系樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系樹脂組成物およびその成形品に関し、さらに詳しくは剛性と耐衝撃性、耐熱性、透明性のバランスに優れ、且つ医療用途向け薬剤、薬液保存容器のうち、特に、第15改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目をすべて満足するプロピレン系樹脂組成物およびその成形品に関する。
プロピレン系重合体は、その優れた安全衛生性や成形加工性、力学特性、ガスバリヤー性の特徴を生かし、各種の医療器具に使用されている。特に近年、高レベルの安全衛生性が求められる薬剤や薬液の保存容器として、アンプルやバイアルの代替容器用材としての活用が散見されるようになってきており、その用途向け材料開発が行われてきた(例えば、特許文献1参照。)。
これら保存容器向けの樹脂では、保存容器としての剛性、耐衝撃性、透明性や蒸気滅菌時の耐熱性、耐失透性、耐添加剤抽出性が求められ、水蒸気や酸素のガスバリヤー性が維持されることや、使用添加剤が保存薬剤、薬液に相互作用を及ぼさないことが必要であり、具体的には、第15改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目をすべて満足することが必須要件である。
プロピレン系重合体は、剛性や耐熱性、ガスバリヤー性の点ではプロピレン単独重合体が、透明性や耐衝撃性の点ではエチレン−プロピレンランダム共重合体が、耐熱性、耐衝撃性ではエチレン−プロピレンブロック共重合体が好適であり、状況に応じて適宜選択的に用いられているが、保存容器に用いる場合、プロピレン単独重合体では、耐衝撃性の点において、十分な性能を発揮させることが困難あり、エチレン−プロピレンランダム共重合体では、蒸気減滅菌時における耐熱性が十分ではなく、変形してしまう問題があり、エチレン−プロピレンブロック共重合体では、透明性の点において、十分な性能を発揮させることが困難であった。
したがって、保存容器として主となる性能の最適化を、造核剤や中和剤などを種々組み合わせた添加剤配合に頼らざるを得なかった。
しかしながら、例えば、ソルビトール系透明造核剤を用いた場合には、耐添加剤抽出性や局方試験を満足せず、これらの用途には不適であり、アルミニウム系や有機リン酸系合成造核剤を添加したものは、透明性の発現が十分でなかったり、また、添加量を増やすと、局方試験の「泡立ち」や「過マンガン酸カリウム還元性物質」等の項目で満足すべき結果が得られなかった。
局方試験に合格する必要のある医療用途の例としては、薬液をあらかじめ充填してなるプレフィルドシリンジやキット製剤などが挙げられる。
この薬液をあらかじめ充填してなるキット製剤をポリプロピレンで製造する事を検討し始めたのは、1980年代半ば頃からで(例えば、特許文献2参照。)、近年、プロピレン系重合体と、特定の造核剤とからなる透明な注射筒又は透明な容器に薬剤液を充填してなる製剤(例えば、特許文献3参照。)に関する検討がなされている。
また、プレフィルドシリンジなどの製品は、輸送したり使用する時に、衝撃が加わり、製品が破損してしまう問題が従来から挙げられており、より耐衝撃性の高い材料が求められてきた。
しかしながら、高い透明性と耐衝撃性があり、局方試験に合格し、しかも、薬剤、薬液の保存容器として満足できる耐熱性や剛性、成形性などを有する成形品が得られていないのが現状であった。
特開平1−178541号公報 特開昭62−194866号公報 特開平5−222078号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、第15改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目の規格を満足し、かつ、優れた耐熱性、剛性、耐衝撃性、射出成形性、透明性、ガスバリヤー性を有するプロピレン系樹脂組成物およびその成形品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のプロピレン単独重合体と特定のポリエチレンとを特定量配合した重合体混合物に対し、特定の造核剤を特定量用いたプロピレン系樹脂組成物が耐熱性、剛性、耐衝撃性、射出成形性、透明性、ガスバリヤー性に優れ、且つ日本薬局方の試験項目の規格を満足する樹脂組成物になり得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(a)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜80g/10分であるプロピレン単独重合体60〜99重量部と、(b)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが1〜60g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、(c)下記一般式(1)で示される造核剤(A)が0.01〜0.6重量部配合されていることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
[但し、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、同一または異なって、それぞれ水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、プロピレン系重合体100重量部に対し、下記一般式(2)で示される造核剤(B)が0.005〜0.3重量部、下記一般式(3)で示される造核剤(C)が0.005〜0.15重量部、下記一般式(4)で示される造核剤(D)が0.005〜0.15重量部および下記一般式(5)で示される造核剤(E)が0.005重量部以上で0.3重量部未満の範囲で成る少なくとも1種の造核剤が配合されていることを特徴とする医療用プロピレン系樹脂組成物が提供される。
[式中、Rは、直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基又はアルキリデン基であり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、MはNaであり、nはMの価数である。]
[式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは、周期律表第III族または第IV族の金属原子を示し、Xは、Mが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。]
[式中、MおよびMは、同一または異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウムおよび一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一または異なって、水素、C−Cアルキル(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキレンオキシ、アミンおよびC−Cアルキルアミン、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素および沃素)並びにフェニルからなる群からそれぞれ選択される。]
(CONHR …(5)
[式中、Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、一般式(1)で示される造核剤(A)が下記一般式(6)で示される造核剤であり、一般式(5)で示される造核剤(E)が下記一般式(7)であることを特徴とする医療用プロピレン系樹脂組成物が提供される。
[但し、nは、0〜2の整数であり、R、R、R、Rは、水素原子であり、Rは、水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
[式中、Rは、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
本発明の第4の発明によれば、第1〜3のいずれかの発明において、ポリエチレンは、密度が0.860〜0.915g/cmであることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いて重合され、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5未満であることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、重合体混合物100重量部に対し、さらに、滑剤が0.001〜0.5重量部配合されていることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明に係るプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる成形品が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第7の発明において、医療用成形品であることを特徴とする射出成形品が提供される。
さらに、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、キット製剤であることを特徴とする成形品が提供される。
またさらに、本発明の第10の発明によれば、第9の発明において、キット製剤がプレフィルドシリンジであることを特徴とする成形品が提供される。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、特定のプロピレン単独重合体に特定のポリエチレンを配合したことにより、材料のモルフォロジーが変化し、耐衝撃性良好な重合体混合物となる上、更に、特定の造核剤を特定量配合して、剛性と透明性をバランス良く向上し、優れた耐熱性、ガスバリヤー性を保持する組成物であり、また、合格基準の厳しい第15改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目の規格を満足する。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、(a)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜80g/10分であるプロピレン単独重合体60〜99重量部と、(b)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが1〜60g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、(c)前記一般式(1)で示される造核剤(A)が0.01〜0.6重量部配合されていることを特徴とするものである。
以下、プロピレン系樹脂組成物を構成する成分、樹脂組成物の製造方法、成形品について、詳細に説明する。
プロピレン系重合体(a)とポリエチレン(b)との配合割合
本発明のプロピレン系樹脂組成物において、(a)プロピレン単独重合体と(b)ポリエチレンとを混合する場合の配合割合は、(a)プロピレン単独重合体が60〜99重量部、(b)ポリエチレンが40〜1重量部であり、好ましくは、(a)プロピレン単独重合体が80〜95重量部、(b)ポリエチレンが20〜5重量部である。この範囲内であると、耐衝撃性、引張特性が優れる樹脂組成物となる。しかし、成形性、加工性、相溶性、透明性などの特性を考慮すれば、(a)プロピレン単独重合体のメルトフローレート(MFR)を、2〜80g/10分とする必要がある。同様に、(b)ポリエチレンのMFRが1〜60g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmである、特定のMFRと特定の密度を有するものが、密接に関連して、医療用プロピレン系樹脂組成物として適正に機能する。これは、医療用プロピレン系樹脂組成物を構成する二種類の樹脂の相互関係に有利に機能して、その特性を向上させるにおいて有利であるばかりでなく、これに併用する他の添加剤、例えば、造核剤、加工助剤、滑剤、中和剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤のような添加剤との配合性において有利に機能するばかりでなく、各添加剤の、特に特定の結晶造核剤の性能を発現するにおいても十分な特性を備えた組成物である。
例えば、(a)MFR45g/10分程度のポリプロピレン単独重合体80重量部と(b)MFR40g/10分程度、密度0.891g/cm程度のポリエチレン20重量部ブレンドしたプロピレン系樹脂組成物を参考にすれば、その組成物を溶融冷却すれば、まず融点の高い(a)ポリプロピレン単独重合体(約Tm176℃)が結晶化し、次いで融点の低い(b)ポリエチレン(約Tm137℃)が結晶化する。そうすると、(a)ポリプロピレン単独重合体相に、(b)ポリエチレン(b)が分離析出した、いわゆる海島構造になることが考えられる。そうすると、相分離構造になり、一方で、(a)ポリプロピレン単独重合体の球晶の発達が進むことが予測される。このような、本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物の相分離構造は、散乱、屈折により不透明になることも懸念されるが、このような、本発明の本質的に特定の二成分系プロピレン系樹脂組成物からなる、しかも特殊な構造も有り得るブレンド系において、上記の一般式(1)で示される造核剤(A)が、0.01〜0.6重量部という、比較的少量の添加にもかかわらず、二成分系樹脂特有の組成物の結晶造核剤の機能を発揮するにおいて非常に有利に作用するということを知見したものである。さらに、このような少なくとも二成分系樹脂組成物に、一般式(1)で示される造核剤(A)に、一般式(2)で示される造核剤(B)、一般式(3)で示される造核剤(C)、一般式(4)で示される造核剤(D)、および一般式(5)で示される造核剤(E)の少なくとも一種の特定の結晶造核剤を選定して併用すれば、本発明の特定のプロピレン系樹脂組成物において、相乗的に造核剤の機能を発現することができるということを知見したものである。このような、本質的に二成分系樹脂からなる特定の医療用樹脂組成物において、一般式(1)で示される造核剤(A)と一般式(2)で示される造核剤(B)の併用、一般式(1)で示される造核剤(A)と一般式(3)で示される造核剤(C)の併用、一般式(1)で示される造核剤(A)と一般式(4)で示される造核剤(D)の併用、および一般式(1)で示される造核剤(A)と一般式(5)で示される造核剤(E)の併用というな、特定の化合物からなる造核剤の併用系においても、造核剤の機能が適正に発揮されるということであります。このような、特定の造核剤を含む特定の少なくとも二成分系プロピレン系樹脂組成物が、医療用材料、医療器具として優れた機能および有用性を備えたものであることは本発明者らの知見に基づくものであります。
[I]プロピレン系樹脂組成物の構成成分
1.プロピレン単独重合体(a)
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いるプロピレン単独重合体(a)は、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が、2〜80g/10分、好ましくは5〜40g/10分、さらに好ましくは10〜30である。MFRがこの範囲にあると、樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、成形温度に由来する高生産速度に適した樹脂組成物を与え、MFRが2g/10分未満では、成形が困難になり、一方、80g/10分を超えると、良好な耐衝撃性が得られなくなる。
ここで、230℃におけるMFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定する値である。
また、立体規則性は、96%以上が好ましく、96.5%以上がさらに好ましい。立体規則性が96%未満では、剛性および熱変形温度が低下しやすくなる傾向があり、成形時に成形品が変形しやすくなる恐れがある。
ここで、立体規則性は、13C−NMR法で測定する値である。
プロピレン単独重合体の分子量分布の指標の一つであるMw/は、Mn(重量平均分子量(Mw),数平均分子量(Mn))の好ましい例を示すと、アイソタクチックポリプロピレン、ステレオブロックポリプロピレンなどを含む、GPCで測定をした重量平均分子量(Mw)が5000〜200000の程度の標準仕様の例で見れば、チーグラー触媒のポリプロピレンは、Mw/Mnは,約3〜12、メタロセン触媒のポリプロピレンは、約2、約2.4のような、約2〜6程度のものが多い。分子量分布が狭いということは、溶融張力が小さく、MFRが高くなり、これは比較的安定をした加工ができる。耐熱性が高く、熱変形温度が高いという特徴を有する。さらに、透明性、光沢、強度においても有利である。さらに重要なことは、分子量分布が狭いということは、溶媒抽出量が少ないということ、いわゆるアタックチックプロピレン、或いは低分子量副生物が少ないということであるから、製品のブロッキング性が低いばかりでなく、医療材料として使用した場合に、例えば、医療材料、医療容器、医療器具のような、デイスポーサブル製品、ドラッグデリバリー用において、または人工血管、人工腎臓、人工肺、人工心臓、フイルターのような人工臓器の製品に使用しても、血液への溶出、凝固のような問題がないばかりか、生体に好ましくない、低分子量副生物の排出を抑制できるので好ましい。このような、意味で、本発明の(a)プロピレン単独重合体としては、Mw/Mnは2〜10、好ましくは、2〜8、より好ましくは2〜4程度のものが好ましい。このような範囲のものは、透明性においても優れており、特に造核剤の機能を高めるにおいても有利に作用する。
本発明において、この様なプロピレン単独重合体(a)を使用することで、得られる成形品の剛性、耐衝撃性および耐熱性を向上させることができる。特に、プレフィルドシリンジ向けに、本願医療用プロピレン系樹脂組成物を用いる場合、プロピレン単独重合体(a)は、高圧蒸気滅菌時や高負荷の条件下で危惧される、成形品の変形を効果的に改善するのに有効である。
本発明で用いられるプロピレン単独重合体(a)を得るために用いられる触媒としては、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022号公報等に記載)が使用できる。本発明では、剛性、耐衝撃性のバランスが良いプロピレン単独重合体が特に好ましいため、一般的に立体規則性の高いチーグラー・ナッタ触媒がより好ましい。また、メタロセン触媒を用いて製造したプロピレン単独重合体(a)は、ポリエチレン(b)がメタロセン触媒を用いて製造した低密度ポリエチレンである場合、相溶性が良く、より好ましい。
2.ポリエチレン(b)
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いられるポリエチレン(b)は、密度が0.860〜0.940g/cmのポリエチレンであって、エチレン単独重合体でも構わないが、ポリエチレン(b)の30wt%以下、好ましくは15〜25wt%の他のα−オレフィンとを共重合させた重合体を用いると、耐衝撃性が良好となる。他のα−オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。
具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−3−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。
また、分子量分布の幅の指標である(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は、7.0未満が良く、好ましくは3.5未満で、更に好ましくは3.0未満であると、剛性と耐衝撃性の物性バランスが良好となる。
ここで、(重量平均分子量)/(数平均分子量)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で定義されるものである。Mw/Mnの測定方法は、以下の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本
[カラムの較正は、東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。]
測定温度:140℃
注入量:0.2ml
濃度:20mg/10mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/min
また、試料の分子量は、ポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いて、ポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数は、α=0.723、logK=−3.967であり、ポリエチレンは、α=0.723、logK=−3.407である。
ポリエチレン(b)の190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、1〜60g/10分、好ましくは3〜40g/10分である。この範囲にあると、樹脂組成物を構成するプロピレン単独重合体(a)とポリエチレン(b)との混合具合が良く、透明性に優れたバランスのとれた樹脂組成物を得ることができる。ポリエチレン(b)のMFRが1g/10分未満、または60g/10分を超えると、プロピレン単独重合体(a)への分散が悪くなり、安定した組成物が得られなくなることが懸念される。
ここで、190℃におけるMFRは、JIS K7210に準拠して190℃、2.16kg荷重下で測定した値である。
また、ポリエチレン(b)をプロピレン単独重合体(a)に混合する際、ポリエチレン(b)とプロピレン単独重合体(a)とのMFR差が小さくなると、ポリエチレン(b)は、プロピレン単独重合体(a)に微分散されたマトリックスとして存在する傾向があるため、透明性が良好となり、ポリエチレン(b)として、プロピレン単独重合体(a)とのMFR差が小さくなるものを、使用することが望ましい。
具体的には、ポリエチレン(b)のMFR/プロピレン単独重合体(a)のMFRは、0.05〜16が好ましく、0.1〜0.9がさらに好ましく、0.15〜0.7が特に好ましい。
また、ポリエチレン(b)の密度は、0.860〜0.940g/cmである。密度が0.860g/cm未満であると、剛性が不十分となり、一方、0.940g/cmを超えると、透明性が著しく悪化する。プロピレン単独重合体に対し、ポリエチレンを配合すると、透明性を悪化させる傾向にあるが、密度の低いものを用いると、透明性悪化傾向を緩和させることができ、耐衝撃性を向上させることができるため、ポリエチレン(b)の密度は、0.925g/cm以下が好ましく、0.915g/cm以下がさらに好ましい。
ここで、密度は、JIS K7112に準拠して測定する値である。
このようなポリエチレン(b)は、オレフィンの立体規則性重合触媒を用い、分子量調整を図りつつ、エチレンおよび必要に応じて他のα−オレフィンを共存させて重合することによって、製造することができる。具体的には、ポリエチレン(b)は、オレフィンの立体規則性重合触媒として、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の触媒を使用して、気相法、溶液法、高圧法、スラリー法等のプロセスで、エチレンと、必要に応じてプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンとを共重合させて、製造することができるが、特に、(重量平均分子量)/(数平均分子量)を小さく、密度を低くするには、オレフィンの立体規則性重合触媒として、メタロセン触媒を用いて、高圧法、又は溶液法で製造されることが望ましい。
また、本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いるポリエチレン(b)は、本発明の効果を損なわない範囲で、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いるポリエチレン(b)は、市販品としては、日本ポリエチレン(株)製のノバテックLLシリーズやハーモレックスシリーズ、カーネルシリーズ、三井化学(株)製のタフマーPシリーズやタフマーAシリーズ、(株)プライムポリマー製のエボリューシリーズ、住友化学(株)製のスミカセンE、EPシリーズ、エクセレンGMHシリーズなどが例示できる。
また、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン(b)としては、日本ポリエチレン(株)製のハーモレックスシリーズ、カーネルシリーズ、プライムポリマー製のエボリューシリーズ、住友化学(株)製のエクセレンFXシリーズ等が例示できる。
3.プロピレン単独重合体(a)およびポリエチレン(b)の配合割合
本発明のプロピレン系樹脂組成物における、プロピレン単独重合体(a)とポリエチレン(b)の配合割合は、プロピレン単独重合体(a)が60〜99重量部、ポリエチレン(b)が40〜1重量部であり、好ましくは、プロピレン単独重合(a)が80〜95重量部、ポリエチレン(b)が20〜5重量部である。この範囲内であると、耐衝撃性が優れる樹脂組成物となる。
4.造核剤
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物で用いられる造核剤(A)は、一般式(1)で示される化合物であり、中でも、一般式(6)で示される化合物が好ましく、化学構造式(8)で示される化合物がより好ましい。
[但し、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、同一または異なって、それぞれ水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
[但し、nは、0〜2の整数であり、R、R、R、Rは水素原子であり、Rは、水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、ミリケン(株)社製NX8000を挙げることができる。
本発明に用いられる造核剤(A)は、得られる成形品に優れた透明性を与え、溶出性が極めて少ないという特性を有し、合格基準の厳しい第15改正日本薬局方試験に合格し得る数少ない造核剤である。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物に用いられる造核剤(A)の配合量は、プロピレン系重合体100重量部に対し、0.01重量部以上であり0.6重量部未満の範囲で用いられる。0.01重量部未満では十分な効果が得られ難く、0.6重量部以上を用いると、さらなる性能の向上が期待できず不経済であるばかりか第15改正日本薬局方試験の溶出物試験「泡立ち」や「紫外吸収スペクトル」などの項目で不合格となる。0.1〜0.4重量部が好ましく、0.2〜0.35重量部がさらに好ましい。
また、本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物においては、一般式(2)〜(5)で示される造核剤(B)〜(E)の少なくても1種類が配合されていることが望ましい。造核剤(B)〜(E)を単独、又は複数併用させることにより透明性や剛性、成形性などをさらに向上させることができる。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物において、選択的に用いられる造核剤(B)は、一般式(2)で示される有機リン酸金属塩化合物である。
[式(2)中、Rは、直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基又はアルキリデン基であり、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、MはNaであり、nはMの価数である。]
一般式(2)で表される有機リン酸金属塩化合物の具体例としては、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート、およびこれらの2種以上の混合物を例示することができる。これらのうち特に、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、旭電化工業(株)社製NA−11を挙げることができる。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物に選択的に用いられる造核剤(B)の配合量は、プロピレン系重合体100重量部に対し、0.005〜0.3重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.2重量部の範囲がより好ましい。0.005重量部未満では効果が得られず、0.3重量部を超える範囲は、更なる効果が得られないばかりか経済的にも好ましくない。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物において、選択的に用いられる造核剤(C)は、一般式(3)で示される芳香族燐酸エステル類である。
[式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは、周期律表第III族または第IV族の金属原子を示し、Xは、Mが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。]
一般式(3)で表される芳香族燐酸エステル類の具体例としては、例えば、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]等が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびこれらの2種以上の混合物を例示することができる。
一般式(3)で表される芳香族燐酸エステル類は、有機アルカリ金属塩と併用させることが効果的である。
該有機アルカリ金属塩とは、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩からなる群より選択される少なくとも一種の有機アルカリ金属塩を示すことができる。
該有機アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
上記アルカリ金属カルボン酸塩を構成するカルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸、β−ドデシルメルカプト酢酸、β−ドデシルメルカプトプロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン酸、β−N−メチル−ラウロイルアミノプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、ナフテン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の脂環式モノ又はポリカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族モノ又はポリカルボン酸等が挙げられる。
上記アルカリ金属β−ジケトナートを構成するβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、ピバロイルアセトン、パルミトイルアセトン、ベンゾイルアセトン、ピバロイルベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等が挙げられる。
また、上記アルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩を構成するβ−ケト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸ラウリル等が挙げられる。
該有機アルカリ金属塩の成分であるアルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート又はアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩は、各々上記アルカリ金属とカルボン酸、β−ジケトン化合物又はβ−ケト酢酸エステルとの塩であり、従来周知の方法で製造することができる。また、これら各アルカリ金属塩化合物の中でも、アルカリ金属の脂肪族モノカルボン酸塩、特に、リチウムの脂肪族カルボン酸塩が好ましく、とりわけ炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸塩が好ましい。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、旭電化工業(株)社製NA−21を挙げることができる。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物に選択的に用いられる造核剤(C)の配合量は、プロピレン系重合体100重量部に対し、0.005〜0.15重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.1重量部の範囲がより好ましい。0.005重量部未満では効果が得られず、0.15重量部を超える範囲は、更なる効果が得られないばかりか経済的にも好ましくない。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物において、選択的に用いられる造核剤(D)は、一般式(4)で示される造核剤である。
[式(4)中、MおよびMは、同一または異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウムおよび一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一または異なって、水素、C−Cアルキル(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキレンオキシ、アミンおよびC−Cアルキルアミン、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素および沃素)並びにフェニルからなる群からそれぞれ選択される。]
ここで、「一塩基性アルミニウム」なる用語は周知であり、2つのカルボン酸基が結合した単一カチオンとしてアルミニウムヒドロキシド基を含むことを意図している。さらに、これら可能な塩のそれぞれにおいて、非対称炭素原子の立体配置は、シスまたはトランスのいずれでもよいが、シスが好ましい。
一般式(4)で表される造核剤は、凝集等を防止する目的で、他の化合物を混合して用いても差し支えない。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、メリケン(株)社製ハイパフォームHPN68Lを挙げることができる。ハイパフォームHPN68Lの造核剤成分の構造を下記に示す。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物に選択的に用いられる造核剤(D)の配合量は、プロピレン系重合体100重量部に対し、0.005〜0.15重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.1重量部の範囲がより好ましい。0.005重量部未満では効果が得られず、0.15重量部を超える範囲は、局方試験に不合格になる場合がある。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物において、選択的に用いられる造核剤(E)は、一般式(5)で示される造核剤である。好ましくは、一般式(9)で示される造核剤であり、より好ましくは、一般式(10)で示される造核剤である。
(CONHR …(5)
[式中、Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
[式(9)中、Rは、炭素数3〜10の3価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数4〜10の4価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数5〜15の3価もしくは4価の飽和脂環族炭化水素基、又は炭素数6〜15の3価もしくは4価の芳香族炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
[式(10)中、Rは、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸[(シクロヘキシルアミド)ジ(2−メチルシクロヘキシルアミド)]、1,2,3−プロパントリカルボン酸[ジ(シクロヘキシルアミド)(2−メチルシクロヘキシルアミド)]、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸[ジ(シクロヘキシルアミド)ジ(2−メチルシクロヘキシルアミド)]等が挙げられる。
上記アミド系化合物の中でも、特に造核作用(核剤効果)の観点から、一般式(9)もしくは(10)におけるRが水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であるアミド系化合物が好ましい。
具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(シクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)等が挙げられる。
これら好ましいアミド系化合物の中でも、特に透明性・剛性のバランス及び原料入手の容易性の観点から、一般式(9)もしくは(10)におけるRが水素原子又はメチル基であるアミド系化合物が特に好ましい。具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)などが例示される。
又、透明性の改良効果を重視する場合には、一般式(5)、(9)もしくは(10)におけるRが1,2,3−プロパントリカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基であるアミド系化合物が特に好ましい。具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)などが挙げられる。
上記のアミド系化合物は、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明に選択的に用いられる造核剤(E)の結晶形態は、本発明の効果が得られる限り特に限定されず、六方晶、単斜晶、立方晶等の任意の結晶形態が使用できる。これらの結晶も公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。
本発明に選択的に用いられる造核剤(E)は、実質的に純度100%のものが好ましいが、若干不純物を含むものであってもよい。不純物を含有する場合であっても、当該造核剤(E)の純度は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に97重量%以上が推奨される。不純物としては、反応中間体又は未反応体由来のモノアミドジカルボン酸若しくはそのエステル化合物、ジアミドモノカルボン酸若しくはそのエステル化合物、副反応体由来のイミド化合物などが例示される。
本発明に選択的に用いられる造核剤(E)の製造方法は、特に限定はなく目的の造核剤(E)が得られればよい。例えば、特定の脂肪族ポリカルボン酸成分と特定の脂環式モノアミン成分とから従来公知の方法(例えば、特開2006−298881号、特開2007−291029号、PCT/JP2006/307246号、特開平7−242610号の各公報など)に従って製造することができる。
上記脂肪族ポリカルボン酸成分としては、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、該ポリカルボン酸の酸塩化物や無水物、該ポリカルボン酸と炭素数1〜4の低級アルコールとのエステル等の誘導体等が例示される。これら脂肪族ポリカルボン酸成分は、単独で又は2種を混合してアミド化に供することができる。
上記脂環式モノアミン成分は、シクロヘキシルアミン及び炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基で置換されたシクロヘキシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、単独で又は2種以上を混合してアミド化に供することができる。
具体的には、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンのメチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
上記のアルキル基で置換されたシクロヘキシルアミンは、シス体、トランス体及びこれら立体異性体の混合物のいずれであってもよい。好ましいシス体:トランス体の比率としては、50:50〜0:100の範囲が好ましく、特に35:65〜0:100の範囲が好ましい。
本発明に選択的に用いられる造核剤(E)の粒径は、本発明の効果が得られる限り特に限定されないが、溶融プロピレン系重合体に対する溶解速度(又は溶解時間)の観点から、できる限り粒径の小さいものが好ましい。レーザー回折光散乱法で得られる粒径の測定値を採用した場合、造核剤(E)の粒径としては、その最大粒径が200μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm、特に10μm以下が推奨される。
最大粒径を上記範囲内に調製する方法としては、この分野で公知の粉砕装置を用いる方法が一般的であり、必要に応じて公知の分級装置を用いることもできる。具体的には、粉砕装置として流動層式カウンタージェットミル100AFG(商品名、ホソカワミクロン社製)、超音速ジェットミルPJM−200(商品名、日本ニューマチック社製)、ピンミル等、分級装置として振動篩、乾式分級機(サイクロン、ミクロンセパレーターなど)等が例示される。
本発明の医療用プロピレン系樹脂組成物には、造核剤(A)〜(E)以外に、他の造核剤として、ソルビトール系造核剤、有機リン酸塩系造核剤および芳香族燐酸エステル類、タルクなど既知の造核剤を本発明の効果を大きく阻害しない範囲で添加することができる。
5.中和剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、中和剤を配合することが望ましい。中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイト(商品名:協和化学工業(株)の下記一般式(11)で表されるマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(下記一般式(12)で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられる。特に、プレフィルドシリンジ、キット製剤、輸液バッグなど長期接液する部材として用いる場合には、接触する液体に溶出しないハイドロタルサイトやミズカラックが有利である。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO …(11)
[式中、xは、0<x≦0.5であり、mは3以下の数である。]
[AlLi(OH)X・mHO …(12)
[式中、Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオン(X)の価数であり、mは3以下である。]
中和剤の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.005〜0.2重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.05重量部の範囲がより好ましい。
6.滑剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、滑剤を配合することが望ましい。滑剤としては、既知の滑剤が挙げられるが、ステアリン酸ブチルやシリコーンオイルが好ましく、特にシリコーンオイルが良い。
具体的なシリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヒドロジエンポリシロキサン、α−ωビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン(C〜C)ジメチルポリシロキサン、ポリオルガノ(C〜Cのアルキル基および/またはフェニル基)シロキサンとポリアルキレン(C〜C)グリコールの縮合物などが挙げられる。この中でもジメチルポリシロキサンとメチルフェニルポリシロキサンが好ましい。該滑剤は単独、又は複数用いても構わない。
ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンを添加した場合、成形時に発生する傷を防止するだけでなく、シリンダー内やホットランナー内で発生する焼けを防止することができる。
滑剤の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.15重量部がより好ましく、0.03〜0.1重量部が特に好ましい。0.001重量部未満では効果が期待できず、一方、0.5重量部を超えると、更なる効果が期待できないばかりか経済的に好ましくない。
7.その他の添加剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、上述した成分に加えて、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等の光安定剤を挙げることができる。
さらに、放射線処理で変色がなく耐NOxガス変色性が良好な下記一般式(13)や下記一般式(14)で表されるアミン系酸化防止剤、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4 ジ−メチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−ワン等のラクトン系酸化防止剤、下記一般式(15)等のビタミンE系酸化防止剤を挙げることができる。
さらに、その他に、帯電防止剤、スリップ剤、脂肪酸金属塩等の分散剤、高密度ポリエチレン、オレフィン系エラストマー等を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
[2]プロピレン系樹脂組成物の製造方法
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、プロピレン単独重合体(a)、およびポリエチレン(b)、造核剤(造核剤(A)と必要に応じて造核剤(B)〜(E)の少なくとも1種の混合物)および、必要に応じて他の添加剤とを、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で190〜260℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
[3]成形品
本発明の成形品は、上記のプロピレン系樹脂組成物を、公知の射出成形機により射出成形することにより得られる。
本発明の成形品としては、食品容器、キャップ、医療用器具、理化学実験器具、自動車部品、電気部品を挙げることができ、中でも、合格基準の厳しい第15改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目をすべて満足し得ることから、注射筒、医療用器具および医療用容器、薬剤液を充填してなる注射筒および容器などに好適である。
具体的には、ディスポーザブルシリンジ及びその部品、カテーテル・チューブ、輸液バッグ、血液バッグ、真空採血管、手術用不織布、血液用フィルター、血液回路などのディスポーザブル器具や、人工肺、人工肛門などの人工臓器類の部品、ダイアライザー、プレフィルドシリンジ、キット製剤、薬剤容器、試験管、縫合糸、湿布基材、歯科用材料の部品、整形外科用材料の部品、コンタクトレンズのケース、PTP(PRESS THROUGH PACKAGE)、SP(STRIP PACKAGE)・分包、Pバイアル(プラスチックバイアル)、目薬容器、薬液容器、液体の長期保存容器、キャップなどを挙げることができる。
この中でもキット製剤として特に有用であり、薬剤液を充填してなる注射筒および保存容器などに適しており、キット製剤の中でも特に、プレフィルドシリンジに好適である。プレフィルドシリンジとは、薬液や薬剤があらかじめ充填されているシリンジ形状の製剤であり、1種類の液が充填されたシングルチャンバータイプのものと、2種の薬剤が充填されたダブルチャンバータイプがある。ほとんどのプレフィルドシリンジはシングルチャンバータイプであるが、ダブルチャンバータイプについては、粉末とその溶解液からなる液・粉タイプの製剤と2種類の液からなる液・液タイプの製剤がある。シングルチャンバータイプの内溶液の例としては、ヘパリン溶液などが挙げられる。
なお、本発明の成形品は、オートクレーブ滅菌、放射線滅菌、EOG滅菌、紫外線滅菌など公知の滅菌処理を行っても良い。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた物性値の測定法、評価法、樹脂および添加剤は、以下の通りである。
1.物性値の測定法、評価法
(1)MFR:JIS K7120、230℃ 2.16Kg荷重に準拠して測定した。
(2)曲げ弾性率:
JIS K7203の「硬質プラスチックの曲げ試験方法」に準拠して23℃で測定した。
(3)アイゾット衝撃強度(IZOD衝撃):
ノッチ付きの試験片を用い、23℃にて、JIS K7203に準じて測定した(単位:KJ/m)。
(4)ヘイズ値:
厚さ1mmのシート片を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
(5)荷重たわみ温度(熱変形温度:HDT):
JIS K7207に準拠して荷重0.45MPaにて測定した。この温度が高い程、得られた成形品は、耐熱性に優れる。

(6)結晶化温度(ピーク値):JIS K7121の「プラスチックの転移温度測定方法」に準拠して、示差走査型熱量計を用い測定した。この温度が高い程、射出成形において成形時間が短縮でき生産性をあげることができる。

(7)成形性:各ペレットを射出成形機により、樹脂温度240℃、射出圧力900kg/cm及び金型温度40℃で射出成形し、成形性評価用の成形品(12cm×12cm×2.5mm板上に、厚み1mmの25mm×20mm×20mmの箱型が3×4並んでいる形状)を作成し、この射出成形によって得られた成形品を目視で観察し、造核剤やその他添加剤、および反応物質などが成形時金型に析出・付着した為に発生する傷の有無を確認し、次の2段階で評価した。
傷有:多数成形しても、細かい傷がほとんど発生しない。
傷無:多数成形すると成形品に細かい傷が発生する。
(8)第15改正 日本薬局方一般試験(日本薬局方試験):
45.プラスチック製薬品容器試験法(プラスチック製水性注射剤容器)の1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の項の試験法に従って、透明性、重金属、鉛、カドミウム、強熱残分、泡立ち、PH、過マンガン酸カリウム還元性物質、紫外吸収スペクトル、蒸発残留分を測定した。
但し、試料調製は、0.5ミリ厚で表面積1200cmに相当する重量のペレットを秤量し、220℃でプレスしてシート片として、長さ約5センチ、幅約0.5センチの大きさに細断し、水で洗った後、室温で乾燥した。これを内容積約300mlの硬質ガラス製容器に入れ、水200mlを正確に加え、適当な栓で密封した後、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で1時間加熱した後、室温になるまで放置し、この内溶液を試験液とし、別に水につき、同様の方法で空試験液を調製した。
2.樹脂、添加剤
(A−1)プロピレン単独重合体(a):MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)14g/10分、立体規則性97%(日本ポリプロ(株)社製ノバテックSA2E)
(A−2)プロピレン単独重合体(a):MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)11g/10分、立体規則性95%(日本ポリプロ(株)社製ノバテックMA3)
(A−3)エチレン−プロピレンランダム共重合体:エチレン含有量2.5wt%、MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)9g/10分(日本ポリプロ(株)社製MG3F)
(B−1)メタロセン系ポリエチレン(b):密度(JIS K7112)0.898g/cm、MFR(JIS K7210,190℃、2.16kg荷重)2.2g/10分、(Mw/Mn)2.2。(日本ポリエチレン(株)社製カーネルKF262)
(B−2)チーグラーナッタ系ポリエチレン(b):密度(JIS K7112)0.920g/cm、MFR(JIS K7210、190℃、2.16kg荷重)2.1g/10分、(Mw/Mn)3.8。(日本ポリエチレン(株)社製ノバテックUF240)
(B−3)チーグラーナッタ系ポリエチレン:密度(JIS K7112)0.951g/cm、MFR(JIS K7210、190℃、2.16kg荷重)5.5g/10分、(Mw/Mn)4.6。(日本ポリエチレン(株)社製ノバテックHJ360)
(C−1)ミラッドNX8000:(NX8000;ミリケン・アンド・カンパニー社製):造核剤(A)相当品:下記化学構造式(8)
(C−2)有機リン酸金属塩化合物系造核剤 アデカスタブNA−11(NA−11;(株)ADEKA製):造核剤(B)に相当
(C−3)有機リン酸金属塩化合物系造核剤 アデカスタブNA21(NA−21;(株)ADEKA社製):造核剤(C)に相当
(C−4)ハイパフォームHPN68L(HPN68L;ミリケン・アンド・カンパニー社製):造核剤(D)に相当
(C−5)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド):造核剤(E)に相当
(C−6)ソルビトール系造核剤 ゲルオールMD(新日本理化(株)製):造核剤(A)〜(E)のいずれにも相当しない造核剤
(D−1)リン系酸化防止剤:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト
(D−2)ヒンダードアミン系酸化防止剤:コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物
(E)DHT−4A:ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製)
(F)シリコーンオイル:Dowcorning360Medical Fluid(シリコーン)−1000 東レ・ダウコーニング(株)製
(実施例1〜5、実施例7〜10、 比較例1〜7)
プロピレン系重合体、造核剤及び他の添加剤(酸化防止剤、中和剤など)を表1に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、30ミリ径の単軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部温度230℃でダイから押し出しペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度230℃、射出圧力600kg/cm及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成した。得られた試験片を用い、物性を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例6)
プロピレン系重合体、造核剤及び他の添加剤(酸化防止剤、中和剤など)を表1に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、30ミリ径の単軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部温度230℃でダイから押し出しペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度200℃、射出圧力600kg/cm及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成した。得られた試験片を用い、物性を測定した。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1は、本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いたものであり、剛性、耐衝撃性、透明性、耐熱性および成形性に優れ、日本薬局方試験にも適合し、優れた成形品が得られる。
また、実施例2は、造核剤(A)の配合量を増したものであり、配合量を増すことにより、さらに透明性が向上し、かつ、日本薬局方試験にも適合する。
さらに、実施例3、4および6は、造核剤(A)に造核剤(B)、造核剤(C)または造核剤(E)を併用したものであり、造核剤(A)のみを用いる場合よりも、剛性、耐熱性のバランスに優れ、日本薬局方試験にも適合する。
実施例5は、造核剤(A)に造核剤(D)を併用したものであり、造核剤(A)のみを用いる場合よりも、耐熱性に優れているうえ、結晶化温度が向上し、射出成形における成形サイクルの向上(生産性の向上)が期待でき、日本薬局方試験にも適合する。

また、実施例7は、チーグラーナッタ系触媒を用いて製造された密度の低いポリエチレン(b)を用いたもので、透明性が若干劣るものの、剛性、耐衝撃性、および耐熱性に優れ、日本薬局方試験にも適合し、優れた成形品が得られる。
さらに、実施例8は、シリコーンが配合されているものであり、この程度の配合量であれば、日本薬局方試験に適合させつつ、離型性を格段に向上させ、傷のない成形品を得ることができる。
また、実施例9は、本発明で用いられるポリエチレン(b)の配合比率を高めたものであり、これにより耐衝撃性が著しく向上していることがわかる。
さらに、実施例10は、立体規則性が若干高いプロピレン単独重合体(a)を用いたもので、立体規則性の向上に伴い、剛性と耐熱性が若干向上する傾向にあることがわかる。
一方、比較例1と2は、本発明で用いられるポリエチレン(b)を使用しないものであるため、本発明のプロピレン系樹脂組成物と比較して、耐衝撃性がかなり劣っており、使用時に、容器の破損を招く可能性が高い。
また、比較例3は、透明性、耐衝撃性が必要な成形品に用いられてきた従来の樹脂であるエチレン−プロピレンランダム共重合体に、造核剤(A)を配合したものであり、本発明のプロピレン系樹脂組成物と比較して、透明性に優れるものの、剛性と耐衝撃性が低い傾向にあり、熱変形温度(HDT)が100℃以下であり耐熱性も劣っているため、高圧蒸気滅菌時や高負荷の条件下で、成形品の変形を招く可能性が高い。現在、プレフィルドシリンジは一般的に、高圧蒸気滅菌を施されるが、この際に変形し、良好な製品を得る事ができない。
さらに、比較例4と5は、本発明で用いられる造核剤(A)が配合されていないプロピレン系樹脂組成物である。比較例4は、造核剤(A)の代わりに、造核剤(B)が用いられており、実施例2と比較すると、明らかに透明性に劣っていることがわかる。また、比較例5は、造核剤(A)の代わりに、透明性に優れる造核剤であるゲルオールMDを用いたもので、実施例2には劣るものの、優れた透明性を発現している。しかし、実施例2より造核剤の添加量を少なくしたにも関わらず、溶出性すなわち、日本薬局方試験に適合できなくなる。
また、比較例6は、本発明で用いられるポリエチレン(b)の密度範囲が外れるポリエチレンを用いたもので、著しく透明性に劣っていることがわかる。
さらに、比較例7は、本発明で用いられるプロピレン単独重合体(a)の代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体を用いたものであるが、実施例3と比較すると、剛性が低い傾向にあり、著しく耐熱性に劣っていることがわかる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、剛性、耐衝撃性、透明性が良く、第15改正 日本薬局方一般試験に合格し、優れた成形品を得るのに非常に有用であることが判る。特に高圧蒸気滅菌処理される場合の製品においては、透明性があり耐熱変形性と耐衝撃性に優れた成形品を得ることができ、注射筒、医療用器具および医療用容器に非常に適しており、中でも、薬剤液を充填してなる注射筒および容器、具体的には、キット製剤であるプレフィルドシリンジに好適である。

Claims (10)

  1. (a)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜80g/10分であるプロピレン単独重合体60〜99重量部と、(b)190℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが1〜60g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、(c)下記一般式(1)で示される造核剤(A)が0.01〜0.6重量部配合されていることを特徴とする医療用プロピレン系樹脂組成物。
    [但し、nは、0〜2の整数であり、R〜Rは、同一または異なって、それぞれ水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
  2. 重合体混合物100重量部に対し、さらに、下記一般式(2)で示される造核剤(B)が0.005〜0.3重量部、下記一般式(3)で示される造核剤(C)が0.005〜0.15重量部、下記一般式(4)で示される造核剤(D)が0.005〜0.15重量部および下記一般式(5)で示される造核剤(E)が0.005重量部以上で0.3重量部未満の範囲で成る少なくとも1種の造核剤が配合されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用プロピレン系樹脂組成物。
    [式中、Rは、直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基又はアルキリデン基であり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、MはNaであり、nはMの価数である。]
    [式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは、周期律表第III族または第IV族の金属原子を示し、Xは、Mが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。]
    [式中、MおよびMは、同一または異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウムおよび一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一または異なって、水素、C−Cアルキル(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキレンオキシ、アミンおよびC−Cアルキルアミン、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素および沃素)並びにフェニルからなる群からそれぞれ選択される。]
    (CONHR …(5)
    [式中、Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
  3. 造核剤(A)が下記一般式(6)で示される造核剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療用プロピレン系樹脂組成物。
    [但し、nは、0〜2の整数であり、R、R、R、Rは、水素原子であり、Rは、水素原子もしくは炭素数が1〜20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、カルボニル基、ハロゲン基およびフェニル基であり、Rは、炭素数が1〜20のアルキル基である。]
  4. ポリエチレンは、密度が0.860〜0.915g/cmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  5. ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いて重合され、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  6. 重合体混合物100重量部に対し、滑剤が0.001〜0.5重量部の範囲で配合されたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療用プロピレン系樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を用いた医療用成形品。
  9. 請求項8に記載の医療用成形品がキット製剤であることを特徴とするキット製剤。
  10. 請求項9記載のキット製剤がプレフィルドシリンジであることを特徴とするプレフィルドシリンジ。
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