JP5640439B2 - ポリプロピレン樹脂組成物及び成形体 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、結晶性ポリプロピレンからなるマトリックスに、プロピレン/α−オレフィン共重合体からなるドメインが分散している樹脂組成物に、酸化防止剤や中和剤等の各種添加剤を添加する旨が記載されている。
また、特許文献2には、ビニル化合物単位を含有するポリマー状核剤で核成形されたプロピレンポリマーと、タルクとを含有する樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献3には、ポリオレフィンマトリックスとマトリックス中に分散又は溶解した造核剤を含有する樹脂組成物が記載されている。
また、樹脂組成物の結晶化速度を高くして成形サイクルを短くし、生産性をより向上させることが求められている。
以上の課題に鑑み、本発明では従来の成形体の機械特性を維持し、かつ、成形収縮率が小さく、高結晶化速度のポリプロピレン樹脂組成物及び成形体を提供することを目的とする。
前記(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対して、下記一般式(I)で示される少なくとも一種の金属塩(D)0.001〜1.0重量部を含むポリプロピレン樹脂組成物を提供するものである。
−(R11O)n−X・・・(II)
〔式中、R11は、炭素原子数1〜9個のアルキレン基を表し、nは1〜9の整数を表し、Xは水素原子、炭素原子数1〜9個のアルキル基、ベンゾイル基、フェニル基、炭素原子数1〜9個のアルキル基及び/又はハロゲン原子によって置換されたベンゾイル基、炭素原子数1〜9個のアルキル基及び/又はハロゲン原子によって置換されたフェニル基を表す。〕
−NR12R13・・・(III)
〔式中、R12及びR13は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜9個のアルキル基からなる群から選択される基である。〕
本発明に係るポリプロピレン樹脂組成物(以下、単に樹脂組成物ともいう)は、プロピレン重合体(A)と、エチレン重合体(B)と、無機フィラー(C)と、金属塩(D)とを含有する。以下、各成分について説明する。
[プロピレン重合体(A)]
本発明におけるプロピレン重合体(A)(以下、(A)成分ともいう)とは、プロピレン単独重合体又はプロピレンと他のモノマーとの共重合体をいう。これらは単独で使用してもよく、2種以上をブレンドして使用してもよい。前記共重合体はランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、プロピレン由来の構成単位とエチレンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体;プロピレン由来の構成単位とプロピレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体;プロピレン由来の構成単位とエチレンに由来する構成単位と、プロピレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体が挙げられる。
ブロック共重合体としては、プロピレン単独重合体成分又はプロピレン由来の構成単位からなる重合体成分(以下、重合体成分(I)と称する)と、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとの共重合体成分(以下、重合体成分(II)と称する)からなる重合材料が挙げられる。
また、プロピレン重合体(A)が上記ランダム共重合体又は上記ブロック共重合体の場合には、共重合体中のプロピレン単位の連鎖について測定される値を用いる。
重合触媒としては、例えば、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、又はシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα−オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてもよい。
上記の触媒系としては、例えば、特開昭61−218606号公報、特開平5−194685号公報、特開平7−216017号公報、特開平9−316147号公報、特開平10−212319号公報、特開2004−182981号公報に記載の触媒系が挙げられる。
これらの重合方法は、バッチ式、複数の重合反応槽を直列に連結させた多段式のいずれでもよく、また、これらの重合方法を任意に組み合わせてもよい。工業的かつ経済的な観点から、連続式の気相重合法又はバルク重合法と気相重合法を連続的に行うバルク−気相重合法による方法が好ましい。
なお、重合工程における各種条件(重合温度、重合圧力、モノマー濃度、触媒投入量、重合時間等)は、目的とするプロピレン重合体(A)に応じて、適宜決定すればよい。
上述のように、本発明におけるランダム共重合体はプロピレン由来の構成単位とエチレンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体;プロピレン由来の構成単位とプロピレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体;プロピレン由来の構成単位とエチレンに由来する構成単位と、プロピレン以外のα−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体である。
上記ランダム共重合体を構成するプロピレン以外のα−オレフィンとしては、炭素原子数4〜10個のα−オレフィンであり、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンである。
プロピレン由来の構成単位とエチレンに由来する構成単位と、α−オレフィンに由来する構成単位とからなるランダム共重合体としては、例えば、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−エチレン−1−オクテン、プロピレン−エチレン−1−デセン共重合体等が挙げられる。
上述のように、本発明におけるブロック共重合体は、プロピレン単独重合体成分又はプロピレン由来の構成単位からなる重合体成分((以下、重合体成分(I)と称する)と、プロピレンとエチレン及び/又はα−オレフィンとの共重合体成分(以下、重合体成分(II)と称する)からなる重合材料をいう。
重合体成分(I)は、プロピレン単独重合体成分又はプロピレン由来の構成単位からなる重合体成分である。プロピレン由来の構成単位からなる重合体成分とは、エチレン及び炭素原子数4〜10個のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する単位と、プロピレン由来の単位とからなるプロピレン共重合体成分が挙げられる。
炭素原子数4〜10個のα−オレフィンとしては、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、より好ましくは1−ブテンである。
重合体成分(I)としては、好ましくは、プロピレン単独重合体成分、プロピレン−エチレン共重合体成分、プロピレン−1−ブテン共重合体成分、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体成分が挙げられる。
重合体成分(II)に含有されるエチレン及び炭素原子数4〜10個のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーに由来する単位の含有量は、1〜80重量%であり、好ましくは5〜60重量%、より好ましくは20〜60重量%である(但し、重合体成分(II)の重量を100重量%とする)。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1dl/g、0.2dl/g及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
プロピレン重合体(A)が重合体成分(I)と重合体成分(II)とを多段重合させて得られる重合材料である場合、前段の重合槽から一部抜き出した重合体パウダーから重合体成分(I)又は重合体成分(II)の極限粘度を求め、この極限粘度の値と各成分の含有量を用いて残りの成分の極限粘度を算出する。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段重合工程後に重合槽より抜き出した重合体パウダーの極限粘度(dl/g)
XI:プロピレン重合体(A)全体に対する重合体成分(I)の重量比
XII:プロピレン重合体(A)全体に対する重合体成分(II)の重量比
尚、XI、XIIは重合時の物質収支から求める。
本発明におけるエチレン重合体(B)(以下、(B)成分ともいう)とは、密度が0.85〜0.93(g/cm3)のエチレン重合体をいい、エチレン単独重合体でもエチレンとα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
具体的には、ラジカル開始剤を用いて高圧ラジカル重合により繰り返し単位のエチレンがランダムに分岐構造をもって結合した、密度が0.91〜0.93(g/cm3)の高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)が挙げられる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒に代表される均一系触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系等が挙げられる。
均一系触媒系としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、又はシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とそれと反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒系、シリカ、粘土鉱物等の無機粒子にシクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物、イオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物等の触媒成分を担持し変性させた触媒系等が挙げられ、また、上記の触媒系の存在下でエチレンやα‐オレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒系が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒系としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分を組み合わせて用いる触媒系が挙げられる。
なお、高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)を用いる場合には、ラジカル開始剤を重合触媒として用いることができる。
本発明における無機フィラー(C)(以下、(C)成分ともいう)とは、非繊維状無機充填材又は繊維状無機充填材をいう。
非繊維状無機充填材としては、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、クレー、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウム、けい砂、カーボンブラック、酸化チタン、水酸化マグネシウム、ゼオライト、モリブデン、けいそう土、セリサイト、シラス、水酸化カルシウム、亜硫酸カルシウム、硫酸ソーダ、ベントナイト、黒鉛等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このうちタルクを用いることが好ましい。
非繊維状無機充填材は、無処理のまま使用してもよいが、プロピレン重合体(A)との界面接着性を向上させ、かつ、プロピレン重合体(A)に対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又はチタンカップリング剤、若しくは界面活性剤で表面を処理して使用しても良い。界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸塩類等が挙げられる。
非繊維状無機充填材は、粉状、フレーク状、顆粒状などが挙げられ、いずれの形態のものを用いてもよい。
繊維状無機充填材は、無処理のまま使用してもよいが、プロピレン重合体(A)との界面接着性を向上させ、かつ、プロピレン重合体(A)に対する分散性を向上させるために、シランカップリング剤、又は高級脂肪酸金属塩で表面を処理して使用しても良い。高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明における金属塩類(D)(以下、(D)成分ともいう)とは、下記一般式(I)で示される少なくとも一種の金属塩類をいう。
−(R11O)n−X・・・(II)
〔式中、R11は、炭素原子数1〜9個のアルキレン基を表し、nは1〜9の整数を表し、Xは水素原子、炭素原子数1〜9個のアルキル基、ベンゾイル基、フェニル基、炭素原子数1〜9個のアルキル基及び/又はハロゲン原子によって置換されたベンゾイル基、炭素原子数1〜9個のアルキル基及び/又はハロゲン原子によって置換されたフェニル基を表す。〕
−NR12R13・・・(III)
〔式中、R12及びR13は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜9個のアルキル基からなる群から選択される基である。〕
脂肪酸は炭素原子数が10〜24個の脂肪酸であり、脂肪酸の金属塩はアルキル金属又はアルカリ土類金属の金属塩である。アルカリ金属としてはナトリウム、カリウム、リチウムであり、アルカリ金属としてはカルシウム、マグネシウム、亜鉛等である。また、多価アルコール及びそのエステル類は、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール及びそのエステル等である。中でも脂肪酸の金属塩が好ましく用いられる。
本発明に係る樹脂組成物は、光安定剤(E)(以下、(E)成分ともいう)を含有していてもよい。
光安定剤(E)としては、低分子量体、オリゴマー型高分子量体のいずれの光安定剤を使用してもよい。これらは単独又は2種以上併用して用いることが可能である。
デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステルと1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンとの反応生成物と、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート;
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールと高級脂肪酸のエステル混合物と、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;
コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、及び、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ−メチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート;
ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N´−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物と、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル){(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}};
N,N´,N´´,N´´´−テトラキス−(4,6ビス−(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、及び、ミックスト{1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル/β,β,β´,β´−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオクスアスピロ(5,5)ウンデカン]ジメチル}−1,2,3,4ブタンテトラカルボキシレート;
等が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、上記(A)成分と、(B)成分と、(C)成分と、(D)成分とを含有する。各成分の含有量は、(A)成分が50〜98重量%であり、好ましくは55〜82重量%である。(B)成分の含有量は1〜40重量%であり、好ましくは10〜40重量%である、(C)成分の含有量は1〜30重量%であり、好ましくは8〜22重量%である(但し、前記(A)、(B)及び(C)の合計量を100重量%とする)。
そして(D)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100重量部に対して0.001〜1.0重量部であり、好ましくは0.01〜0.7重量部であり、より好ましくは0.05〜0.5重量部である。
また、(E)成分の含有量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100重量部に対して0.01〜1重量部であり、好ましくは0.01〜0.5重量部である。
方法1:(A)成分、(B)成分、及び(C)成分と共に、配合する方法
方法2:(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の少なくともいずれか一種と、(D)成分をマスターバッチとし、このマスターバッチを残りの成分と混合する方法
そこで、フィッシュアイの発生を抑制する目的で樹脂組成物を製造する際、各成分を溶融混練後、フィルターを通過させることが好ましい。フィルターは1段式又は多段式であってもよい。
MgYAl2(OH)2Y+4CO3・mH2O
(式中、Yは、Y≧4であり、mは正の数である。)
また、ハイドロタルサイト類として、より好ましくは下記のハイドロタルサイトである。
Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2O
Mg4.5Al2(OH)13(CO3)0.8・O0.2
Mg4Al2(OH)12CO3・3H2O
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O
Zn4Al2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
Mg3ZnAl2(OH)12CO3・mH2O(mは0〜4)
好ましくは、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤である。
酸化防止剤の配合量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量100重量部に対して0.01〜2重量部であり、好ましくは0.01〜1重量部であり、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。
例えば、ポリスチレン樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合)樹脂、AAS(特殊アクリルゴム/アクリロニトリル/スチレン共重合)樹脂、ACS(アクリロニトリル/塩素化ポリエチレン/スチレン共重合)樹脂、ポリクロロプレン、塩素化ゴム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、フッ素樹脂、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、芳香族ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレートプリポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン/ブタジエン共重合体、ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム、天然ゴム等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物は、バイオ原料から抽出された植物由来のモノマーを重合して製造される重合体を含有してもよい。例えば、PLA樹脂(ポリ乳酸)、PBT樹脂などが挙げられる。
この成形体は、例えば、自動車材料、家電材料、モニター用材料、OA機器材料、医療用材料、排水パン、トイレタリー材料、ボトル、コンテナー、シート、フィルム、建材等が挙げられる。
プロピレン重合体、エチレン重合体、無機フィラー及び添加剤を下記に示す。
(A−1)プロピレン単独重合体
MFR(230℃、2.16kg荷重):20g/10分
極限粘度([η]):1.34dl/g
MFR(230℃、2.16kg荷重):120g/10分
極限粘度([η]):0.92dl/g
特開2004−182981号公報の実施例1記載の方法によって得られる重合触媒を用いて、下記物性のプロピレン重合体が得られるような条件で液相−気相重合法によって製造した。
重合材料のMFR(230℃、2.16kg荷重):27g/10分
重合材料のエチレン含量:7.5重量%
重合材料の極限粘度([η]total):1.41dl/g
[η]II/[η]I=2.64
重合体成分(I):プロピレン単独重合体成分
重合体成分(I)の極限粘度([η]I):1.06dl/g
重合体成分(II):プロピレン−エチレン共重合体成分
重合体成分(II)の含有量:20.5重量%
重合体成分(II)のエチレン含有量:37.0重量%
重合体成分(II)の極限粘度([η]II):2.8dl/g
重合材料のMFR(230℃、2.16kg荷重):32g/10分
重合材料のエチレン含量:6.5重量%
重合材料の極限粘度([η]total):1.64dl/g
[η]II/[η]I=5.00
重合体成分(I):プロピレン単独重合体成分
重合体成分(I)の極限粘度([η]I):1.00dl/g
重合体成分(II):プロピレン−エチレン共重合体成分
重合体成分(II)の含有量:16.0重量%
重合体成分(II)のエチレン含有量:34.5重量%
重合体成分(II)の極限粘度([η]II):5.0dl/g
重合材料のMFR(230℃、2.16kg荷重):67g/10分
重合材料のエチレン含量:4.0重量%
重合材料の極限粘度([η]total):1.45dl/g
[η]II/[η]I=5.93
重合体成分(I):プロピレン単独重合体成分
重合体成分(I)の極限粘度([η]I):0.86dl/g
重合体成分(II):プロピレン−エチレン共重合体成分
重合体成分(II)の含有量:14.0重量%
重合体成分(II)のエチレン含有量:30.0重量%
重合体成分(II)の極限粘度([η]II):5.1dl/g
(B−1)エチレン−1−ブテン共重合体エラストマー
(登録商標)タフマー A1050S(三井化学(株)製)
密度:0.862(g/cm3)
MFR(190℃、2.16kg荷重):1.3g/10分
α−オレフィン:1−ブテン
(登録商標)タフマー A4050S(三井化学(株)製)
密度:0.862(g/cm3)
MFR(190℃、2.16kg荷重):3.5g/10分
α−オレフィン:1−ブテン
(登録商標)ENGAGE EG8100(ダウ・ケミカル日本(株)製)
密度:0.87(g/cm3)
MFR(190℃、2.16kg荷重):1g/10分
α−オレフィン:1−オクテン
(C−1)タルク
(登録商標)MWHST:林化成製
平均粒子径:4.9μm
(登録商標)モスハイジA:宇部マテリアルズ製
平均繊維径:0.5μm
平均繊維径:10μm
アスペクト比:20
プロピレン単独重合体(A−2)50重量%と宇部マテリアルズ(株)製モスハイジA(C−2)50重量%とを混合し、溶融混練して、モスハイジA含有量50重量%のマスターバッチ(C−3)を得た。
(D−1)(登録商標)Hyperform HPN−20E:ミリケン・ジャパン(株)製
主成分の化学名:1,2−シクロヘキサンジカルボキシル酸カルシウム塩
CAS Reg.NO.:491589−22−1
主成分の構造式:
副成分の化学名:ステアリン酸亜鉛
CAS Reg.NO.:557−05−1
副成分の含有量:34重量%
HPN−20Eの平均粒子径: 主成分の平均粒子径:2.6μm
(平均粒子径はレーザー回折式の粒度分布測定器(Sympatec社製HELOS(商品名))を用いて測定した。)
主成分の化学名:ジナトリウム=(1R,2R,3S,4S)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシラート(80重量%含有)
主成分の化学構造式:以下の通り
化学名:ヒドロキシ−ジ(p−tert−ブチル安息香酸)アルミニウム
(E−1)(登録商標)アデカスタブLA52:(株)ADEKA製
化学名:テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート
(E−2)(登録商標)TINUVIN770DF:チバ・ジャパン(株)製
化学名:ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート
(F−1)中和剤
ステアリン酸カルシウム:共同薬品(株)製
(F−2)酸化防止剤
(登録商標)スミライザーGA80:住友化学(株)製
化学名:3,9−ビス[2−(3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン
(登録商標)SONGNOX6260:松原産業(株)製
化学名:ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト
(F−4)紫外線吸収剤
(登録商標)スミソーブ400:住友化学(株)製
化学名:2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
(F−5)滑剤
(登録商標)ニュートロン−S:日本精化(株)製
化学名:エルカ酸アミド
(F−6)滑剤
(登録商標)デノンSL−12:丸菱油化工業(株)製
化学名:オレイン酸アミド
(F−7)滑剤
(登録商標)アーモワックスEBS−P:ライオン(株)製
化学名:エチレンビスステアリン酸アマイド
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS−K−7210に規定された方法に従って測定した。
・プロピレン重合体(A):測定温度は230℃で、荷重は2.16kg
・エチレン重合体(B):測定温度は190℃で、荷重は2.16kg
・樹脂組成物:測定温度は230℃で、荷重は2.16kg
JIS−K−7112に規定された方法に従って測定した。
ウベローデ型粘度計を用いて濃度0.1、0.2及び0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。極限粘度は前述のように還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。
前段の重合工程で得た重合体成分(I)の極限粘度([η]I)、後段の重合工程後の最終重合体(成分(I)と成分(II)の合計)の前記(2)の方法で測定した極限粘度([η]Total)、最終重合体に含有される重合体成分(II)の含有量(重量比)から、後段の工程で重合された重合体成分(II)の極限粘度[η]IIを、下記式から計算して求めた。
[η]II=([η]Total−[η]I×XI)/XII
[η]Total:後段重合工程後の最終重合体の極限粘度(dl/g)
[η]I:前段重合工程後に重合槽より抜き出した重合体パウダーの極限粘度(dl/g)
XI:前段の工程で重合された成分の重量比
XII:後段の工程で重合された成分の重量比
尚、XI、XIIは重合時の物質収支から求めた。
株式会社パーキンエルマージャパン製「Diamond DSC」(示差走査熱量測定装置)を用いて測定した。具体的には、樹脂組成物のペレットを圧縮成形加工機によりフィルム(100μm)化して測定用試料を作製した。DSCに作製した試料を約10mgセットして、一旦、220℃へ昇温して220℃の状態で5分間放置することにより試料を完全に溶解させた。その後、300℃/分の降温速度で140℃まで急冷して等温結晶化を行った。得られた吸熱カーブから半結晶化時間を測定した。結晶化時間が短いほど、結晶化速度が速いことを示す。
住友重機械工業製SE130DU型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型温度50℃で射出成形を行い、物性評価用試験片(6.4mm厚)を得た。ASTM D790に準拠し、同試験片を使用して、23℃における曲げ弾性率を測定した。
住友重機械工業製SE180D型射出成形機を用い、成形温度220℃、金型冷却温度50℃の条件により射出成形を行い、縦400mm、横100mm、厚み3mmの直方体の試験片を作製した。この試験片を、室温23℃、湿度50%の標準状態下にて48時間放置後、この試験片の縦方向(MD)と横方向(TD)の長さを測定した。縦方向の成形収縮率と横方向の成形収縮率は、下記算出式から算出した。
MD成形収縮率=(400−MD寸法/400)×1000
TD成形収縮率=(100−TD寸法/100)×1000)
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−1)、(A−2)、(A−5)、(B−1)及び(C−1)の合計量を100重量%とする)。
プロピレン単独重合体(A―1):9重量%
プロピレン単独重合体(A―2):15重量%
(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体(A−5):36重量%
エチレン−1−ブテン共重合体エラストマー(B−1):30重量%
タルク(C−1):10重量%
また、(F)成分のうち、(F−1)、(F−2)、(F−3)及び(F−7)の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−1)、(A−2)、(A−5)、(B−1)及び(C−1)の合計量を100重量部とする)。
中和剤(F−1):0.05重量部
酸化防止剤(F−2):0.05重量部
酸化防止剤(F−3):0.05重量部
滑剤(F−7):0.03重量部
これらをタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44αII−49BW−3V型)を用いて、押出量50kg/hr、シリンダ設定温度200℃、スクリュー回転数を200rpm、ベント吸引下で混練押出して、樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物の物性を下記の表1に示す。
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−4)、(B−1)、(C−1)及び(C−3)の合計量を100重量%とする)。
(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体(A−4):65重量%
エチレン−1−ブテン共重合体エラストマー(B−1):19重量%、
タルク(C−1):4重量%
繊維状マグネシウムオキシサルフェート マスターバッチ(C−3):12重量%
また、(E)成分、(F)成分の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−4)、(B−1)、(C−1)及び(C−3)の合計量を100重量部とする)。
中和剤(F−1):0.05重量部
酸化防止剤(F−2):0.05重量部
酸化防止剤(F−3):0.05重量部
滑剤(F−7):0.03重量部
光安定剤(E−1):0.1重量部
紫外線吸収剤(F−4):0.2重量部
滑剤(F−5):0.15重量部
これらをタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44αII−49BW−3V型)を用いて、押出量50kg/hr、シリンダ設定温度200℃、スクリュー回転数を200rpm、ベント吸引下で混練押出して、樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物の物性を下記の表2に示す。
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−3)、(B−2)及び(C−1)の合計量を100重量%とする)。
(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体(A−3):70.5重量%
エチレン−1−ブテン共重合体エラストマー(B−2):8重量%
タルク(C−1):21.5重量%
また、(F)成分の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−3)、(B−2)及び(C−1)の合計量を100重量部とする)。
中和剤(F−1):0.05重量部
酸化防止剤(F−2):0.05重量部
酸化防止剤(F−3):0.05重量部
滑剤(F−7):0.07重量部
これらをタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44αII−49BW−3V型)を用いて、押出量50kg/hr、シリンダ設定温度200℃、スクリュー回転数を200rpm、ベント吸引下で混練押出して、樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物の物性を下記の表3に示す。
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−1)、(A−2)、(A−5)、(B−3)及び(C−1)の合計量を100重量%とする)。
プロピレン単独重合体(A―1):9重量%
プロピレン単独重合体(A―2):15重量%
(プロピレン)−(プロピレン−エチレン)共重合体(A−5):36重量%
エチレン−1−オクテン共重合体エラストマー(B−3):30重量%
タルク(C−1):10重量%
また、(E)成分、(F)成分の配合割合は、下記の通りである(但し、(A−1)、(A−2)、(A−5)、(B−3)及び(C−1)の合計量を100重量部とする)。
光安定剤(E−1):0.1重量部
中和剤(F−1):0.05重量部
酸化防止剤(F−2):0.05重量部
酸化防止剤(F−3):0.05重量部
滑剤(F−6):0.2重量部
滑剤(F−7):0.03重量部
これらをタンブラーで均一に予備混合した後、二軸混練押出機(日本製鋼所社製TEX44αII−49BW−3V型)を用いて、押出量50kg/hr、シリンダ設定温度200℃、スクリュー回転数を200rpm、ベント吸引下で混練押出して、樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物の物性を下記の表4に示す。
Claims (4)
- プロピレン重合体(A)50〜98重量%と、密度が0.85〜0.93(g/cm3)のエチレン重合体(B)1〜40重量%と、タルク及び/又は繊維状無機充填材である無機フィラー(C)8〜30重量%とを含み(前記(A)、(B)及び(C)の合計重量を100重量%とする)
前記(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対して、下記一般式(I)で示される少なくとも一種の金属塩(D)0.001〜1.0重量部を含むポリプロピレン樹脂組成物。
−(R11O)n−X・・・(II)
〔式中、R11は、炭素原子数1〜9個のアルキレン基を表し、nは1〜9の整数を表し、Xは水素原子、炭素原子数1〜9個のアルキル基、ベンゾイル基、フェニル基、炭素原子数1〜9個のアルキル基及び/又はハロゲン原子によって置換されたフェニル基を表す。〕
−NR12R13・・・(III)
〔式中、R12及びR13は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜9個のアルキル基からなる群から選択される基である。〕 - 前記(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対して、光安定剤(E)0.01〜1.0重量部更に含有する請求項1に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリプロピレン樹脂組成物からなる成形体。
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