JP2009102001A - 車線逸脱防止装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制駆動力コントロールユニットは、自車両が逸脱傾向にある方向が曲線路の内側であると判定した場合(ステップS9〜ステップS11)、その逸脱傾向にある方向でかつ自車両の後方に、該自車両と略同方向に走行する他の車両が存在するか否かを判定し、前記他の車両が存在しないと判定した場合、ヨーモーメントの付与を抑制する(ステップS14)。
【選択図】図14
Description
そこで、本発明は、前述の問題に鑑みてなされたものであり、走行路の形状に応じて車線逸脱防止の制御を最適に行うことができる車線逸脱防止装置の提供を目的とする。
この実施の形態は、本発明の車線逸脱防止装置を搭載した後輪駆動車両である。この後輪駆動車両は、自動変速機とコンベンショナルディファレンシャルギヤとを搭載し、前後輪とも左右輪の制動力を独立制御可能な制動装置を搭載している。
図1は、本発明の車線逸脱防止装置の第1の実施の形態を示す概略構成図である。
また、この車両には、画像処理機能付きの撮像部13が設けられている。撮像部13は、自車両の車線逸脱傾向検出用に走行車線内の自車両の位置を検出するためのものである。例えば、撮像部13は、CCD(ChargeCoupled Device)カメラからなる単眼カメラで撮像するように構成されている。この撮像部13は車両前部に設置されている。
なお、検出された車両の走行状態データに左右の方向性がある場合には、いずれも左方向を正方向とする。すなわち、ヨーレートφ´、横加速度Yg及びヨー角φは、左旋回時に正値となり、横変位Xは、走行車線中央から左方にずれているときに正値となる。
前輪駆動の場合
V=(Vwrl+Vwrr)/2
後輪駆動の場合
V=(Vwfl+Vwfr)/2
・・・(1)
ここで、Vwfl,Vwfrは左右前輪それぞれの車輪速度であり、Vwrl,Vwrrは左右後輪それぞれの車輪速度である。すなわち、この(1)式では、従動輪の車輪速の平均値として車速Vを算出している。なお、本実施の形態では、後輪駆動の車両であるので、後者の式、すなわち前輪の車輪速度により車速Vを算出する。
続いてステップS3において、走行環境を判定する。具体的には、自車両が走行している道路の種類、自車両の走行車線を検出する。そして、その検出結果から、安全度に基づいた方向の判定をする。判定は、道路情報、すなわち車線数や一般道路か高速道路かを示す道路種別情報や撮像部13が得た画像情報に基づいて行う。図3はその走行環境判定の具体的な処理手順を示す。
続いてステップS23において、撮像部13が得た撮像画像から白線部分(車線区分線部分)を抽出する。ここで、図4に示すように自車両が片側3車線の道路を走行している場合を例に挙げて説明する。この図4に示すように、道路は、左側から第1乃至第4白線LI1,LI2,LI3,LI4により区分されることで、片側3車線の道路として構成されている。このような道路を自車両が走行する場合、車線毎で得られる撮像画像は異なる。さらにその画像中から白線を抽出して構成される画像も、走行車線に応じて異なるものになる。
また、右側車線を自車両100Cが走行している場合、左方向、すなわち隣車線に逸脱するときよりも、右方向、すなわち対向車線に逸脱したときの方が安全度が低くなる。よって、この場合、右側車線を自車両100Cが走行している場合、障害物等存在方向Soutが右方向であると判定する(Sout=right)。
また、車線数で比較した場合、左方向が路肩になり、右方向が対向車線になる片側1車線のときがより安全度が低くなる。この場合には、左右両方向が障害物等存在方向Soutであると判定する(Sout=both)。
続いてステップS4において、車線逸脱傾向の判定を行う。この判定の処理の処理手順は具体的には図6に示すようになる。
先ずステップS41において、逸脱予測時間Toutを算出する。具体的には、dxを前記横変位Xの変化量(単位時間当たりの変化量)とし、Lを車線幅とし、横変位Xを用いて、下記(2)式により逸脱予測時間Toutを算出する(X,dx,Lの値については図7を参照)。
Tout=(L/2−X)/dx ・・・(2)
なお、車線幅Lについては、撮像部13が撮像画像を処理することで得ている。また、ナビゲーション装置15から車両の位置を得たり、ナビゲーション装置15の地図データから車線幅Lを得てもよい。
続いてステップS43において、横変位Xに基づいて逸脱方向Doutを判定する。具体的には、車線中央から左方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにし(Dout=left)、車線中央から右方向に横変位している場合、その方向を逸脱方向Doutにする(Dout=right)。
続いてステップS5において、運転者の車線変更の意図を判定する。具体的には、前記ステップS1で得た方向スイッチ信号及び操舵角δに基づいて、次のように運転者の車線変更の意図を判定する。
方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と、前記ステップS4で得た逸脱方向Doutが示す方向とが同じである場合、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。すなわち、逸脱しないとの判定結果に変更する。
また、方向指示スイッチ20が操作されていない場合には、操舵角δに基づいて運転者の車線変更の意図を判定する。すなわち、運転者が逸脱方向に操舵している場合において、その操舵角δ及びその操舵角の変化量(単位時間当たりの変化量)Δδが設定値以上のときには、運転者が意識的に車線変更していると判定し、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する(Fout=OFF)。
ここでは、前記ステップS3で得た障害物等存在方向Sout、ステップS4で得た逸脱方向Dout及びステップS5で得た逸脱判断フラグFoutに基づいて、逸脱回避のための制御内容を決定する。
具体的には、前記ステップS1で得た横変位Xと前記変化量dxとに基づいて、下記(3)式により目標ヨーモーメントMsを算出する。
Ms=K1・X+K2・dx ・・・(3)
ここで、K1,K2は車速Vに応じて変動するゲインである。例えば、図8はその例を示す。この図8に示すように、例えばゲインK1,K2は、低速域で小さい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加に対応して大きくなり、その後ある車速Vに達すると一定値になる。
Pgf=Kgv・V+Kgx・dx ・・・(4)
ここで、Kgv,Kgxはそれぞれ、車速V及び横変化量dxに基づいて設定する、制動力を制動液圧に換算するための換算係数である。例えば、図9はその例を示す。この図9に示すように、例えば換算係数Kgv,Kgxは、低速域で大きい値になり、車速Vがある値になると、車速Vの増加に対応して小さくなり、その後ある車速Vに達すると一定値になる。
このようにステップS8において、逸脱回避用の減速度(具体的には目標制動液圧Pgf,Pgr)を得る。
続いてステップS9において、逸脱傾向があるか否かを判定する。具体的には、逸脱判断フラグFoutにより逸脱傾向があるか否かを判定する。ここで、逸脱判断フラグFoutがONの場合、逸脱傾向があるとして、ステップS10に進み、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合、逸脱傾向がないとして、ステップS12に進む。
具体的には、前記ステップS1で読み込んだ走行車線曲率βと曲線路判断しきい値βcurとを比較して、現在の走行路が直線路か、又は曲線路かを判定する。
ここで、走行車線曲率βが曲線路判断しきい値βcurより大きい場合(β>βcur)、現在の走行路が曲線路と判定して、ステップS11に進む。この場合、曲線路内判断フラグFcurinをONにする(Fcurin=ON)。また、曲線路が曲がっている向きの情報を取得する。一方、走行車線曲率βが曲線路判断しきい値βcur以下の場合(β≦βcur)、現在の走行路が直線路と判定して、ステップS13に進む。
先ずステップS12では、逸脱判断フラグFoutがOFFの場合(Fout=OFF)、すなわち逸脱しないとの判定結果を得た場合として、次のように目標制動液圧を算出する。
下記(5)式及び(6)式に示すように、各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)をマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrにする。
Psfl=Psfr=Pmf ・・・(5)
Psrl=Psrr=Pmr ・・・(6)
ここで、Pmfは前輪用のマスタシリンダ液圧である。また、Pmrは後輪用のマスタシリンダ液圧であり、前後配分を考慮して前輪用のマスタシリンダ液圧Pmfに基づいて算出した値になる。
先ず前記目標ヨーモーメントMsに基づいて、前輪目標制動液圧差ΔPsf及び後輪目標制動液圧差ΔPsrを算出する。具体的には、下記(7)式〜(10)式により目標制動液圧差ΔPsf,ΔPsrを算出する。
Ms<Ms1の場合
ΔPsf=0 ・・・(7)
ΔPsr=2・Kbr・Ms/T ・・・(8)
Ms≧Ms1の場合
ΔPsf=2・Kbf・(Ms−Ms1)/T ・・・(9)
ΔPsr=2・Kbr・Ms1/T ・・・(10)
ここで、Ms1は設定用しきい値を示す。また、Tはトレッドを示す。なお、このトレッドTは、簡単のため前後で同じ値にする。また、Kbf,Kbrは、制動力を制動液圧に換算する場合の前輪及び後輪についての換算係数であり、ブレーキ諸元により定まる。
ここで、前記ステップS6で決定する制動制御方法を説明する。
ここで、逸脱を回避するために車両に付与するヨーモーメントの大きさが前記目標ヨーモーメントMsになる。そして、車両へのヨーモーメントの付与は、左右の車輪に与える制動力に差をつけることで行う。具体的には、前述したように、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1未満のときには、左右後輪で制動力差を発生させて、車両に当該目標ヨーモーメントMsを付与し、また、目標ヨーモーメントMsが設定用しきい値Ms1以上のときには、前後左右輪で制動力差を発生させて、車両に当該目標ヨーモーメントMsを付与する。
また、逸脱判断フラグFoutがONからOFFになる場合とは、逸脱傾向がある場合に、逸脱回避のための制動制御が実施されたり、或いは運転者自身が回避操作をしたようなときである。
さらに、前記第1逸脱判断しきい値Ts未満の第2逸脱判断しきい値Tr(Ts>Tr>0)を定義して、この第2逸脱判断しきい値Trよりも逸脱予測時間Toutが小さくなったときに(Tout<Tr)、逸脱回避用ヨー制御に加えて、車両を減速させるための制動制御(以下、逸脱回避用減速制御という。)を行う。この逸脱回避用減速制御は、左右両車輪に同程度の制動力を与えて行う。
さらに、この場合、逸脱予測時間Toutが0になったときに、逸脱回避用ヨー制御に加えて、逸脱回避用減速制御を行う。
例えば、前記第1のケース〜第3のケースの場合における逸脱回避用ヨー制御では、下記(11)式により各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。
Psfl=Pmf
Psfr=Pmf+ΔPsf
Psrl=Pmr
Psrr=Pmr+ΔPsr
・・・(11)
Psfl=Pmf+Pgf/2
Psfr=Pmf+ΔPsf+Pgf/2
Psrl=Pmr+Pgr/2
Psrr=Pmr+ΔPsr+Pgr/2
・・・(12)
また、この(11)式及び(12)式が示すように、運転者による減速操作、すなわちマスタシリンダ液圧Pmf,Pmrを考慮して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。
以上のようにステップS12及びステップS13では、逸脱判断フラグFoutの状態に基づいて各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。そして、逸脱判断フラグFoutがONの場合(ステップS13)には、前記ステップS6で障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとの状態に応じて決定した種々の制動制御方法に対応して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出している。
ステップS14では、前記ステップS13で行っているような逸脱回避のための逸脱回避用ヨー制御を禁止する。すなわち、逸脱傾向に応じて逸脱回避用減速制御のみを実施する。また、このとき、逸脱回避用ヨー制御が禁止されている旨を運転者に報知するための警報音を出力する。
先ず、各センサやコントローラ、コントロールユニットから各種データを読み込む(前記ステップS1)。続いて車速Vを算出する(前記ステップS2)。
続いて、走行環境を判定して、安全度が低い方向(障害物等存在方向Sout)を決定する(前記ステップS3、図3)。例えば、前記図4において左側車線を自車両100Aが走行している場合、障害物等存在方向Soutを左方向にする、といったようにである。
また、そのようにして得た逸脱方向Doutと方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)とに基づいて運転者の車線変更の意図を判定する(前記ステップS5)。
例えば、方向スイッチ信号が示す方向(ウインカ点灯側)と逸脱方向Doutが示す方向とが同じである場合、運転者が意識的に車線変更していると判定する。この場合、逸脱判断フラグFoutをOFFに変更する。
そして、前記逸脱判断フラグFout、障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutに基づいて決定した制動制御方法を実現するための各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出し、この目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として制動流体圧制御部7に出力している(前記ステップS9〜ステップS13)。
第2のケースとは、前述したように、障害物等存在方向Soutと逸脱方向Doutとが一致し、かつ道路種別Rが一般道路の場合である。すなわち、図10に示すように、左側が路肩Aになり、右側が対向車線(中央車線L5側)になるような片側1車線を自車両100が走行している場合において、当該自車両100(図10中最上位置の自車両100)が左方向或いは当該自車両(図10中中間位置の自車両100)が右方向に逸脱する傾向にある場合である。
なお、図10及び図11中、黒塗りしている車輪は、液圧を発生させて制動力が与えられている車輪を示す。すなわち、左右車輪のうちのいずれか一方が黒塗りの車輪の場合、左右車輪で液圧或いは制動力に差がある。この場合、車両にヨーモーメントが付与されることを示す。また、左右車輪が黒塗りの車輪の場合でも、その液圧値に差があるときもあり、この場合には、車両にヨーモーメントが付与されつつ、同時に当該車両が減速制御されていることを示す。このような関係は以降の図面でも同様である。
さらに、走行路が曲線路であっても、逸脱方向がその曲線路の外側方向である場合には、逸脱回避用ヨー制御により、車両挙動は図12中(B)に示すようになる。これにより自車両は、曲線路の外側方向への逸脱を回避できる。
前述したように、曲線路の内側方向に逸脱する傾向がある場合、逸脱回避用ヨー制御を行わないようにしている。
曲線路を走行している場合、運転者はその曲線路の内側に沿って走行する傾向がある。このような場合も、逸脱傾向があるとして、逸脱回避用ヨー制御を行ってしまうと、かえって運転者に違和感を与えてしまう。さらに、そのように逸脱回避用ヨー制御を行ってしまった場合、今度は自車両は曲線路の外側方向に向いてしまう場合がある。これでは、自車両が曲線路の外側方向に逸脱してしまう。
その一方で、曲線路の外側方向に逸脱する傾向がある場合には、逸脱回避用ヨー制御を禁止することなく、通常通りに必要に応じて逸脱回避用ヨー制御を行うことで、曲線路の外側方向に逸脱してしまうことを防止している。
すなわち、ステップS1〜ステップS8において、前記第1の実施の形態と同様に、各種データの読み込み、車速の算出、走行環境の判定、車線逸脱傾向の判定、運転者の意図の判定、制御方法の決定、目標ヨーモーメントの算出及び逸脱回避用の減速度の算出を行う。
先ずステップS61において、前記ステップS13と同様な処理を行う。すなわち、前記障害物等存在方向Sout及び逸脱方向Doutに基づいて制動制御方法を決定し、その決定した制動制御方法に対応して各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を算出する。そして、制駆動力コントロールユニット8は、算出した各車輪の目標制動液圧Psi(i=fl,fr,rl,rr)を制動流体圧指令値として、制動流体圧制御部7に出力する(ステップS61)。これにより、逸脱回避用ヨー制御が行われる(ステップS62)。
ここで行う減速制御では、左右両輪に与える目標制動液圧Pgf,Pgrを次のようにする。前輪用の目標制動液圧Pgfについては下記(13)式により算出する。
Pgf=Kgcv・V+Kgcβ・β ・・・(13)
以上のような処理により、走行路が直線路の場合、又は走行路が曲線路であっても、逸脱方向がその曲線路の外側方向である場合には、前述の第1の実施の形態と同様に、逸脱回避用ヨー制御を行う(前記ステップS10、ステップS11、ステップS13)。
また、走行路が曲線路の場合において、逸脱方向がその曲線路の内側方向であるが、その逸脱方向における自車後方に車両が存在しない場合には、前述の第1の実施の形態と同様に、逸脱傾向に応じて逸脱回避用減速制御のみを実施する(前記ステップS10、ステップS11、ステップS51、ステップS14)。
曲線路内制御では、逸脱回避用ヨー制御を行い(前記ステップS62)、その逸脱回避用ヨー制御が終わった後、減速制御を行う(前記ステップS63、ステップS64)。図18は、この曲線路内制御を行った場合の車両挙動を示す。この図18に示すように、曲線路で逸脱する方向に後方接近車両101が存在する場合、自車両100は、逸脱回避用ヨー制御の実施により曲線路の外側方向に向きが変わるとともに、その曲線路内で減速するようになる。
前述したように、曲線路の内側方向に逸脱する傾向がある場合でも、曲線路で逸脱する方向に後方接近車両101が存在する場合、逸脱回避用ヨー制御を行い、かつ当該逸脱回避用ヨー制御により逸脱を回避した後、自車両を減速させている。
これにより、曲線路の内側方向に逸脱する傾向がある場合でも、曲線路で逸脱する方向に後方接近車両101が存在する場合、逸脱回避用ヨー制御を行うことで、自車両が隣車線にはみ出して後方接近車両101の運転者に不快感を与えてしまうことを防止したり、自車両が隣車線にはみ出して後方接近車両101に接触してしまうことを防止することができる。
すなわち、前述の実施の形態では、逸脱を回避するためのヨーモーメントが車両に付与されるように制動制御(逸脱回避用ヨー制御)、逸脱を回避するために減速させるための制動制御(逸脱回避用減速制御)との組み合わせ方法、その作動順序、その制御量(ヨーモーメントの大きさ、減速度の大きさ)を具体的に説明した。しかし、これに限定されないことはいうまでもない。
また、前述の実施の形態では、運転者の車線変更の意図を操舵角δやその操舵角の変化量Δδに基づいて得ている(前記ステップS5参照)。しかし、運転者の車線変更の意図を他の手法により得るようにしてもよい。例えば、操舵トルクに基づいて運転者の車線変更の意図を得てもよい。
Ms=K3・φ+K4・X+K5・β ・・・(14)
ここで、K3,K4,K5は車速Vに応じて変動するゲインである。
Pgf=Kgv・V+Kgφ・φ+Kgβ・β ・・・(15)
ここで、Kgφ,Kgβはそれぞれ、ヨー角φ及び走行車線曲率βに基づいて設定する、制動力を制動液圧に換算するための換算係数である。
△Psf=2・Kbf・Ms/T ・・・(16)
なお、前述の実施の形態の説明において、制駆動力コントロールユニット8におけるステップS9〜ステップS11の処理は、曲線路の内側方向に逸脱する傾向がある場合、前記自車両へのヨーモーメントの付与を行わないようにする処理或いは手段を実現している。
Claims (5)
- 自車両が走行車線から逸脱する傾向にあるか否かを判定する逸脱傾向判定手段と、
前記逸脱傾向判定手段が自車両が走行車線から逸脱する傾向にあると判定した場合、ヨーモーメントを自車両に付与して走行車線からの自車両の逸脱を回避する逸脱回避制御手段と、
走行路が曲線路か否かを判定する道路形状判定手段と、
前記道路形状判定手段が走行路が曲線路であると判定し、かつ前記逸脱傾向判定手段が自車両が走行車線から逸脱する傾向にあると判定した場合、自車両が逸脱傾向にある方向が前記曲線路の内側であるか否かを判定する逸脱方向判定手段と、
前記逸脱方向判定手段が、自車両が前記逸脱傾向にある方向が前記曲線路の内側であると判定した場合、その逸脱傾向にある方向でかつ自車両の後方に、該自車両と略同方向に走行する他の車両が存在するか否かを判定する後方車両有無判定手段と、
前記後方車両有無判定手段が前記他の車両が存在しないと判定した場合、前記逸脱回避制御手段によるヨーモーメントの付与を抑制する制御変更手段と、
を備えることを特徴とする車線逸脱防止装置。 - 前記制御変更手段は、前記後方車両有無判定手段が前記他の車両が存在しないと判定した場合、前記逸脱回避制御手段によるヨーモーメントの付与を抑制するとともに、自車両を減速させることを特徴とする請求項1に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制御変更手段は、前記後方車両有無判定手段が前記他の車両が存在しないと判定した場合、前記逸脱回避制御手段によるヨーモーメントの付与を抑制するとともに、警報音を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制御変更手段は、前記ヨーモーメントの付与を禁止することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車線逸脱防止装置。
- 前記制御変更手段は、禁止したヨーモーメントの本来の付与開始タイミングで、前記自車両の減速を開始させることを特徴とする請求項4に記載の車線逸脱防止装置。
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