JP2009099766A - コイル部品及びその実装構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コイル部品1はコイル本体11を内包した絶縁体12とグランド用電極13と外部電極14−1,14−2とを有する。グランド用電極13は下面12cだけを露出させて絶縁体12を覆う。コイル本体11の両端部11a,11bが外部電極14−1,14−2に接続されている。基板2はグランド電極層21を表面2aに有し、非グランド領域23がグランド電極層21内に形成されている。パッド24−1,24−2が、非グランド領域23内に配設され、線路22に接続されている。外部電極14−1,14−2とパッド24−1,24−2とが接続され、グランド用電極13の端部13aがグランド電極層21に接合され、半田3が接合部位に付着された状態で、コイル部品1が基板2の表面2aに実装されている。
【選択図】図1
Description
図12は、従来のコイル部品を示す斜視図である。
このコイル部品100は、表面実装型のリードレスコイルであり、図12に示すように、巻線又は積層等によるインダクタンス形成部(図示省略)をコイル外装剤102の内部に有し、コイル電極103をコイル外装剤102の外面に有している。そして、コイル電極103が設けられている部位以外のコイル外装材102の部位に、アース用のシールドケース電極104を有するシールドケース101を設けた構成になっている。このシールドケース101は、コイル電極103と接触しないように形状が設定され、シールドケース電極104は、使用回路上のアースに接続することができるようになっている。
シールドケース101が、コイル電極103と接触しないようにしなければならないため、隙間105をシールドケース101とコイル電極103との間に設けなければならい。このため、インダクタンス形成部から放射された磁界が隙間105から漏れるおそれがあり、完全な磁気シールド構造を実現することは不可能であった。
かかる構成により、コイル部品を基板の表面に配して、その1対の外部電極を基板の線路に接続されたパッドに接続すると共に、グランド用電極を接地することができる。かかる状態で、基板の線路に信号や電源を流すと、この信号等がパッド及び外部電極を通じて、コイル本体に入,出力する。このとき、磁界が、コイル本体から発生し、絶縁体の上面及び側面から外部に放射されるおそれがある。しかし、この発明のコイル部品は、絶縁体の下面の大半を露出させた状態で、グランド用電極を絶縁体の下面以外の上面及び側面の全てを覆った構成をとっているので、絶縁体の上面及び側面から外部に放射しようとする磁界は、このグランド用電極によってシールドされる。
かかる構成により、信号や電源を、コイル部品が表面に実装された基板の線路に流すと、この信号等がパッド及び外部電極を通じて、コイル本体に入,出力し、コイル本体から発生した磁界が、絶縁体の上面,側面及び下面から外部に放射されるおそれがある。しかし、この発明のコイル部品の実装構造では、コイル部品の1対の外部電極が基板の1対のパッドに接続され且つグランド用電極の下面側の端部がグランド電極層上に接合された状態で、コイル部品が基板の表面に実装されているので、絶縁体の上面及び側面から外部に向かう磁界が、グランド用電極によってシールドされ、絶縁体の下面から非グランド領域を通って基板表面側に向かう磁界が、基板表面のグランド電極層によってシールドされる。
かかる構成により、グランド用電極の下面側の端部とグランド電極層との接合部の隙間から漏れようとする磁界を半田によってシールドすることができる。
かかる構成により、コイル部品の下面から非グランド領域を通って基板裏面に向かう磁界が、基板裏面に設けられたグランド電極層によってシールドされる。
かかる構成により、コイル部品の下面から基板内部に放射された磁界が、基板表面のグランド電極層と裏面のグランド電極層と非グランド領域の周りを檻のように囲んだ複数のスルーホールとによって、シールドされる。
特に、請求項3の発明によれば、グランド用電極とグランド電極層との接合部の隙間から漏れようとする磁界を半田によって完全にシールドすることができるという効果がある。
特に、請求項5の発明によれば、コイル部品の下面から放射された磁界が、基板表面のグランド電極層と裏面のグランド電極層とスルーホールとによって、シールドされるので、基板表面及び基板裏面側に放射される磁界だけでなく、基板内部を伝搬しようとする磁界をもシールドすることができ、磁気シールドのほぼ完全化を達成することができる。
具体的には、図1に示すように、外部電極14−1,14−2は、絶縁体12の下面12cとほぼ面一になるように、絶縁体12の下面12cに埋め込まれており、下面12cから露出したコイル本体11の両端部11a,11bが、これら外部電極14−1,14−2にそれぞれ接続されている。
具体的には、図3に示すように、グランド電極層21が、基板2の表面2a全面に形成され、非グランド領域23がグランド電極層21内に形成されている。そして、電源や信号を流す線路22が基板2内に形成され、非グランド領域23の真下を通っている。
そして、このような非グランド領域23の内側には、1対のパッド24−1,24−2が配設されている。
具体的には、パッド24−1,24−2は、外部電極14−1,14−2とほぼ同じ間隔で非グランド領域23内に配設され、非グランド領域23の真下を通る線路22,22にスルーホール22a,22aを介して接続されている。
具体的には、図1に示すように、外部電極14−1,14−2とパッド24−1,24−2とが接続され、グランド用電極13の下面側の端部13aがグランド電極層21上に接合されている。そして、半田3がかかる接合部に沿って付着され、接合部に発生する可能性のある微少な隙間が半田3によって覆われるようにしている。
図4は、この実施例のコイル部品の実装構造が示す作用及び効果を説明するための模式的断面図である。なお、磁界の方向を理解し易くするため、コイル部品1と基板2との内部のハッチングは除いた。
図4に示すように、信号Sを、基板2内部の線路22に流すと、この信号Sは、パッド24−1,24−2及びコイル部品1の外部電極14−1,14−2を通じて、コイル本体11を入力した後、外部電極14−1,14−2及びパッド24−1,24−2を通じて線路22側に出力される。
このとき、信号Sが、コイル本体11を流れるので、磁界がコイル本体11から発生し、この磁界がコイル部品1や基板2を通じて、外部に放射されるおそれがある。
しかし、この実施例では、上記したように、コイル部品1のグランド用電極13の下面側の端部13aがグランド電極層21上に隙間なく接合され、しかも、この接合部が半田3で覆われているので、コイル部品1内部の磁界が、少なくとも基板2の表面側(図4の上方側)に漏れることはない。
すなわち、コイル本体11から絶縁体12の上面12aや側面12b側に向かう磁界H1は、グランド用電極13によってシールドされる。そして、グランド用電極13とグランド電極層21との接合部に向かう磁界H2は、隙間がほとんどない接合部と半田3とによってシールドされる。さらに、基板2の非グランド領域23を通り抜けて基板2内部から表面2a側に向かう磁界H3は、グランド電極層21によってシールドされる。
図5は、この発明の第2実施例に係るコイル部品の実装構造を示す概略断面図であり、図6は、グランド用電極の端部を折り曲げない場合の実装構造を示す概略断面図であり、図7は、この実施例に適用されるコイル部品の斜視図である。
すなわち、図1に示したように、第1実施例では、コイル部品1の外部電極14−1,14−2を絶縁体12の下面12cに埋め込んで、外部電極14−1,14−2と下面12cとがほぼ面一になるように設定したが、この実施例で適用されるコイル部品1では、図5に示すように、外部電極14−1,14−2を絶縁体12の下面12cに埋め込まず、平坦の下面12c上に形成した。
このように、外部電極14−1,14−2を平坦な下面12cに形成すると、図6に示すように、微少な隙間Gが生じるおそれがある。
しかし、外部電極14−1,14−2の厚さは、例えば、10μmであり、非常に薄い。このため、コイル部品1を基板2側に押圧することで、隙間Gはほとんど生じないと考えられる。しかも、半田3でグランド用電極13とグランド電極層21との接合部を覆っているので、隙間Gが生じたとしても、半田3によって覆われることとなる。
これにより、図5に示すように、グランド用電極13の端部13aがグランド電極層21上に完全に当接し、図6に示すような隙間Gは生じない。したがって、製造誤差や半田付け不良等が生じた場合においても、隙間が生じる可能性が非常に低くなる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図8は、この発明の第3実施例に係るコイル部品の実装構造を示す概略断面図である。なお、磁界の方向を理解し易くするため、コイル部品1と基板2との内部のハッチングは除いた。
この実施例は、基板2の裏面にも、グランド電極層を設けた点が、上記第1及び第2実施例と異なる。
具体的には、グランド電極層25の大きさを、コイル部品1の下面12cよりも若干大きく設定した。そして、グランド電極層25を基板2の非グランド領域23の真裏に位置する部位に設けた。
その他の構成、作用及び効果は、上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
図10は、この発明の第4実施例に係るコイル部品の実装構造を示す概略断面図であり、図11は、基板2の平面図である。なお、図10において、磁界の方向を理解し易くするため、コイル部品1と基板2との内部のハッチングは除いた。
この実施例は、複数のスルーホールを設けた点が、上記第3実施例と異なる。
具体的には、図10に示すように、複数のスルーホール26を基板2の表面2aのグランド電極層21と裏面2bのグランド電極層25との間に接続した。このとき、スルーホール26は、ほぼ半田3の下側に半田3に沿って形成され、且つその間隔は、一定の間隔に設定されている。
これにより、図11に示すように、複数のスルーホール26が、非グランド領域23を下側から檻のように囲み、図10に示すように、グランド電極層25とスルーホール26とによる室が、非グランド領域23の下側に画成された状態になる。
その他の構成、作用及び効果は、上記第3実施例と同様であるので、その記載は省略する。
例えば、上記各実施例では、半田3を、コイル部品1のグランド用電極13と基板2のグランド電極層21との接合部に付着させた例を示したが、半田3を当該接合部に付着させない構造の実装構造を、この発明の範囲から除外する意ではない。
また、上記各実施例では、線路22が基板2の内部に設けられた例を示したが、線路22は、非グランド領域23の真下を通っておれば良く、基板2の裏面2bに設けても良いことは勿論である。
Claims (5)
- 巻線型又は積層型のコイル本体を内包した絶縁体と、
上記絶縁体の下面の大半を露出させた状態で、この下面以外の上面及び側面の全てを覆ったグランド用電極と、
上記絶縁体の上記下面の露出部分に島状に設けられ且つ上記コイル本体の両端がそれぞれ接続された1対の外部電極と
を備えることを特徴とするコイル部品。 - 請求項1に記載のコイル部品を、表面にグランド電極層を有する基板の当該表面に実装したコイル部品の実装構造であって、
上記基板は、基板表面の上記グランド電極層内に設けられ且つコイル部品の上記下面の大きさ以下の大きさに設定された非グランド領域と、この非グランド領域内に配設された状態でこの非グランド領域の真下を通る線路に接続され且つ上記コイル部品の1対の外部電極を接続可能な1対のパッドとを有し、
上記コイル部品は、上記コイル部品の1対の外部電極が上記基板の1対のパッドに接続され且つ上記グランド用電極の上記下面側の端部が上記グランド電極層上に接合された状態で、基板の表面に実装されている、
ことを特徴とするコイル部品の実装構造。 - 請求項2に記載のコイル部品の実装構造において、
上記グランド用電極の上記下面側の端部と上記グランド電極層との接合部の全てに、隙間なく半田を付着した、
ことを特徴とするコイル部品の実装構造。 - 請求項2又は請求項3に記載のコイル部品の実装構造において、
上記線路を、上記基板の内部に配設し、
上記コイル部品の上記下面以上の広さを有するグランド電極層を、上記基板の裏面であって且つ上記非グランド領域の真裏に位置する部位に設けた、
ことを特徴とするコイル部品の実装構造。 - 請求項4に記載のコイル部品の実装構造において、
上記基板の表面のグランド電極層と裏面のグランド電極層とを接続する複数のスルーホールを所定間隔で設け、これら複数のスルーホールで、上記非グランド領域の周りを檻のように囲んだ、
ことを特徴とするコイル部品の実装構造。
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