JP2009096315A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】実用性の高い電磁式サスペンションシステムを提供する。
【解決手段】サスペンションシステムに、アクチュエータが有する電磁式モータ54の発電電力の少なくとも一部を消費して、電源152に回生される電力を低減させることが可能な第1回生電力低減装置204に加えて、駆動回路146と電磁式モータ54との間と駆動回路146との一方に設けられ、自身の作動によって発電電力が電源152に回生されない状態を実現可能な第2回生電力低減装置を備えさせる。例えば、インバータ146のスイッチング素子の作動を制御して、モータ54の通電端子間を短絡させることで、発電電力が電源152に回生されない状態を実現し、インバータ146を第2回生電力低減装置として機能させる。その第2回生電力低減装置によって、電源,駆動回路,第1回生電力低減装置等にかかる負担を軽減することが可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は、ばね上部とばね下部とに対して接近・離間する向きの力を発生させる電磁式のアクチュエータを含んで構成される車両用サスペンションシステムに関する。
近年では、車両用のサスペンションシステムとして、電磁式モータの力に依拠してばね上部とばね下部とに対して接近・離間する向きの力を発生させる電磁式のアクチュエータを含んで構成されるサスペンションシステム、いわゆる電磁式サスペンションシステムが検討されている。そのようなサスペンションシステムには、例えば、下記特許文献に記載のシステムが存在する。これらのサスペンションシステムは、アクチュエータが、ばね上部とばね下部との間に配設されて電磁式のショックアブソーバとして機能するものであり、いわゆるスカイフックダンパ理論に基づく振動減衰特性を容易に実現できる等の利点から、高性能なシステムとして期待されている。
特開2003−223220号公報 特開2006−115556号公報 特開2007−37264号公報
上記電磁式サスペンションシステムは、一般的に、上記特許文献に記載されているシステムのように、アクチュエータが有する電磁式モータを駆動するための駆動回路を備えている。その駆動回路は、電磁式モータに生じた起電力に依拠して発生した電力を電源に回生可能な構造とされる場合がある。そのようなシステムにおいては、例えば、路面の凹凸等によりばね下部が急に動作させられた場合、つまり、外部から大きな力の入力があった場合に、電磁式モータに大きな起電力が生じ、その大きな起電力によって、システムに大きな負担がかかることになる。そのシステムにかかる大きな負担は、電磁式サスペンションシステムが抱える問題となっている。その問題へ対処することは、電磁式サスペンションシステムの信頼性の向上に寄与するため、その問題に対処することにより、電磁式サスペンションシステムの実用性を向上させ得ると考えられる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、電磁式アクチュエータを備えたサスペンションシステムの実用性を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明のサスペンションシステムは、駆動回路と電源との間に配設され、自身の作動によって発電電力の少なくとも一部を消費して、電源に回生される電力を低減させることが可能な第1回生電力低減装置に加えて、駆動回路と電磁式モータとの間と駆動回路との一方に設けられ、自身の作動によって発電電力が電源に回生されない状態を実現可能な第2回生電力低減装置を備えたことを特徴とする。
本発明のサスペンションシステムによれば、発電電力を消費させる第1回生電力低減装置だけでは、システムへの負担が大きくなるような起電力が生じた場合であっても、第2回生電力低減装置により発電電力が電源に回生されない状態を実現可能であることから、その第2回生電力低減装置によって、電源,駆動回路,第1回生電力低減装置等にかかる負担を軽減することが可能である。したがって、本発明の車両用サスペンションシステムは、実用性の高いシステムとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項ないし(3)項の各々が、請求項1ないし請求項3の各々に相当し、(4)項と(5)項とを合わせたものが、請求項4に、(6)項ないし(8)項の各々が、請求項5ないし請求項7の各々に、それぞれ相当する。
(1)電磁式モータを有し、その電磁式モータが発生させるモータ力に依拠して、ばね上部とばね下部とに対してそれらが接近・離間する向きの力であるアクチュエータ力を発生可能な電磁式のアクチュエータと、
前記電磁式モータと電源との間に配設され、その電磁式モータを駆動するとともに、前記電磁式モータに生じた起電力に依拠する発電電力を電源に回生可能な構造とされた駆動回路を有し、その駆動回路を制御することによって前記アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制御する制御装置と、
前記駆動回路と電源との間に配設され、自身の作動によって前記発電電力の少なくとも一部を消費して、電源に回生される電力を低減させることが可能な第1回生電力低減装置と、
前記駆動回路と前記電磁式モータとの間と前記駆動回路との一方に設けられ、自身の作動によって前記発電電力が電源に回生されない状態を実現可能な第2回生電力低減装置と
を備えた車両用サスペンションシステム。
本項の態様における「第1回生電力低減装置」は、それの構造が特に限定されるものではなく、既に検討されている各種の構造のものを採用可能である。具体的には、例えば、抵抗器と、その抵抗器に電流が流れる状態と流れない状態とを切り換えるスイッチとを有する回路を含んで構成されるようなものを採用することが可能である。その第1回生電力低減装置は、発電電力を消費して電源に回生される電力を低減させることで、電源等にかかる負担を軽減するものである。そのため、電磁式モータ(以下、単に「モータ」という場合がある)に生じた起電力が大きいほど、第1回生電力低減装置の負担が大きくなるとともに、電源の負担を充分に軽減させることは困難となる。また、駆動回路と電源との間に配設された第1回生電力低減装置では、駆動回路の負担を軽減することは不可能である。ちなみに、本項にいう「電源に回生される電力(以下、「回生電力」という場合がある)を低減する」には、0にまで低減することも含まれる。
本項の態様のサスペンションシステムには、上記第1回生電力低減装置に加えて、発電電力を電源に回生させないようにすることが可能な第2回生電力低減装置が、駆動回路とモータとの間あるいは駆動回路に設けられている。本項の態様は、モータに生じた起電力が非常に大きい場合であっても、第2回生電力低減装置によって、電源,第1回生電力低減装置の負担を無くすことが可能である。なお、第2回生電力低減装置には、駆動回路の負担を軽減あるいは無くすことができるように構成されたものを採用することも可能である。したがって、本態様のシステムによれば、自身の信頼性を向上させることが可能である。
本項の態様における「第2回生電力低減装置」は、それの構造が特に限定されるものではない。例えば、駆動回路とモータとの間あるいは駆動回路において発電電力を消費することで、発電電力が電源に回生されない状態を実現するものであってもよく、また、発電による電流を発生させないようにすることで、発電電力が電源に回生されない状態を実現するものであってもよい。この第2回生電力低減装置は、起電力に依拠する電流(以下、「発電電流」という場合がある)が、駆動回路から電源に向かって流れないようにすることが可能であるため、電源および第1回生電力低減装置の負担を無くすことが可能である。また、第2回生電力低減装置には、駆動回路の負担を軽減あるいは無くすことができるように構成されたものを採用可能である。例えば、後に詳しく説明するように、駆動回路内に発電電流が流れないように構成されたもの、あるいは、駆動回路内の電圧を低下させることが可能に構成されたもの等を採用することが可能である。
ちなみに、本項の態様のサスペンションシステムは、前述の第1回生電力低減装置によって、電源に回生されることになる発電電力を駆動回路と電源との間で消費して、回生電力を低減させる場合、モータは、起電力に依存したモータ力を発生させることになる。そして、そのモータ力、つまり、アクチュエータ力を駆動回路の制御によって制御することが可能である。簡単に言えば、第1回生電力低減装置の作動は、通常のアクチュエータの制御に影響しない。そのため、本態様のシステムは、乗り心地の悪化を回避するという観点からすれば、第1回生電力低減装置が第2回生電力低減装置に優先して作動する構成であることが望ましい。
本項の態様における「アクチュエータ」は、例えば、ばね上部側ユニットと、ばね上部とばね下部との接近・離間に応じたばね上部側ユニットとの相対移動が可能なばね下部側ユニットとを有し、前記電磁式モータの力に依拠してばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対移動に対する力を発生させる電磁式ショックアブソーバとすることが可能である。また、一端部がばね上部とばね下部との一方に連結される弾性体を備え、アクチュエータが、その弾性体の他端部とばね上部とばね下部との他方との間に配設されて、モータ力に依拠して自身が発生させる力を弾性体に作用させることで、自身の動作位置に応じて弾性体の変形量を変化させるとともに、その力を弾性体を介してばね上部とばね下部とに作用させて、それらが接近・離間する向きの力を発生させる構造の装置、いわゆる左右独立型のスタビライザ装置の一構成要素とすることも可能である。
本項の態様における「制御装置」は、上記アクチュエータが発生させるアクチュエータ力の制御として、例えば、ショックアブソーバとしての機能である振動減衰を目的とした制御、具体的には、例えば、ばね上絶対速度に基づく制御、つまり、いわゆるスカイフックダンパ理論に基づく制御を実行可能なものを採用可能である。また、車両の旋回に起因する車体のロールを抑制するためのロール抑制制御,車両の加減速に起因する車体のピッチを抑制するためのピッチ抑制制御や、ばね上部とばね下部との距離を調整する制御、つまり、いわゆる車高調整制御等を並行して実行可能なものであってもよい。
(2)前記第2回生電力低減装置が、前記電磁式モータの各相の通電端子間を導通させることで、前記発電電力が電源に回生されない状態を実現する(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、第2回生電力低減装置において発電電力が回生されない状態を実現する方法を限定した一態様である。本項の態様の第2回生電力低減装置は、通電端子間を導通させた箇所からモータまでの回路内で発電電力を消費することで、発電電力が回生されない状態を実現することになる。なお、本項の態様は、モータの各相の通電端子間に何らかの抵抗を存在させて導通させるものであってもよく、また、通電端子間を短絡させるようにして導通させるものであってもよい。例えば、第2回生電力低減装置が駆動回路とモータとの間に設けられた場合には、駆動回路に、発電電流が流れない、換言すれば、電圧がかからないため、駆動回路の負担を無くすことが可能である。また、例えば、第2回生電力低減装置が駆動回路に設けられた場合には、後に詳しく説明するように、駆動回路内にかかる電圧を低下させることも可能であり、そうすれば、駆動回路の負担を軽減することが可能である。
(3)前記第2回生電力低減装置が、前記電磁式モータの各相の通電端子を開放させることで、前記発電電力が電源に回生されない状態を実現する(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、第2回生電力低減装置において発電電力が回生されない状態を実現する方法を限定した一態様であり、モータと電源との接続を切り離す態様である。本項の態様の第2回生電力低減装置は、発電電力を発生させないようにすることで、発電電力が回生されない状態を実現することになる。なお、本項の態様は、複数の相のうち1つの相が接続された状態であっても、モータと電源との接続を切り離して、発電電力が電源に回生されない状態を実現することが可能である。
(4)前記駆動回路が、
(a)電源の高電位側端子と前記電磁式モータの1つの相の通電端子との間に設けられた高電位側スイッチング素子と(b)電源の低電位側端子と前記電磁式モータのその1つの相の通電端子との間に設けられた低電位側スイッチング素子とからなるスイッチング素子対を、前記電磁式モータの相数に対応して複数対有し、
前記制御装置が、それら複数のスイッチング素子対の作動を制御することによって前記アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制御する(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、駆動回路として、いわゆるインバータを採用した態様である。インバータは、例えば、各相ごとに設けられたFET等のスイッチング素子の作動を、電磁式モータの電気角に応じて制御可能な構造のものであればよく、PWM(Pulse Width Modulation)制御を実行可能な構造のものを採用することが望ましい。本項の態様によれば、電磁式モータの制御を容易にかつ正確に行うことができる。
(5)前記制御装置が、前記複数のスイッチング素子対の作動を制御することによって、前記発電電力が電源に回生されない状態を実現可能とされ、
前記駆動回路が、前記第2回生電力低減装置として機能する(4)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、例えば、駆動回路を制御して、先に述べたように、モータの各相の通電端子間を導通させることで、発電電力が電源に回生されない状態を実現する態様を採用可能である。なお、その場合には、各スイッチング素子のON/OFF状態を後述のような固定した状態とすることで、発電電力が回生されない状態を実現することが可能である。そのような態様とすれば、各スイッチング素子にかかる電圧を、第2回生電力低減装置を作動させる前の電圧より低下させることができるため、駆動回路の負担を軽減させることが可能である。また、本項の態様によれば、従来の電磁式サスペンションシステムに、余計に部品等を付け加える必要がないため、簡便な構造のシステムとなる。なお、本項の態様は、第2回生電力低減装置が、駆動回路と、その駆動回路に発電電力が回生されない状態を実現するための指令を出力する制御装置の一部分とを含んで構成されるような態様とすることが可能である。
(6)前記第2回生電力低減装置が、
前記駆動回路と前記電磁式モータとの間に配設され、前記駆動回路によって前記電磁式モータが駆動されるとともに前記発電電力が電源に回生されることが可能な状態と、前記発電電力が電源に回生されない状態とを選択的に実現する回生・非回生切換器を含んで構成された(1)項ないし(5)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の「回生・非回生切換器」としては、例えば、リレー,スイッチ等を採用することが可能である。本項の態様は、例えば、駆動回路とモータとの間に回生・非回生切換器を配設し、その回生・非回生切換器によって、モータの各相の通電端子間を導通あるいは通電端子を開放させる態様を採用することが可能である。本項の態様によれば、駆動回路から電源までの間に、発電電流が流れない、換言すれば、電圧がかからないため、駆動回路,電源,第1回生電力低減装置の負担を無くすことが可能である。なお、本項の態様は、第2回生電力低減装置が、上記回生・非回生切換器と、その回生・非回生切換器に指令を出力する制御装置の一部分とを含んで構成されるような態様とすることも可能である。
(7)当該車両用サスペンションシステムが、
前記第1回生電力低減装置および前記第2回生電力低減装置の各々が、前記電磁式モータに生じた起電力の大きさによって、自身が作動する状態と作動しない状態とが切り換わるように構成された(1)項ないし(6)項に記載の車両用サスペンションシステム。
(8)当該車両用サスペンションシステムが、
前記第1回生電力低減装置が、前記電磁式モータに生じた起電力が、電源の電圧より高い値に設定された第1閾電圧より大きくなった場合に、自身が作動しない状態から作動する状態に切り換わり、
前記第2回生電力低減装置が、前記電磁式モータに生じた起電力が、前記第1閾電圧より高い値に設定された第2閾電圧より大きくなった場合に、自身が作動しない状態から作動する状態に切り換わるように構成された(7)項に記載の車両用サスペンションシステム。
上記2つの項に記載の態様は、起電力の大きさによって、2つの回生電力低減装置の作動の有無が決まる態様である。後者の態様は、第1回生電力低減装置が第2回生電力低減装置に優先して作動する態様であり、先に述べた乗り心地の悪化を回避するという観点において望ましい態様とされている。なお、上記2つの項の態様は、「起電力の大きさ」そのものを検出して2つの回生電力低減装置の作動の有無を切り換える態様であってもよく、また、回路内のある箇所の電位差,電流、モータの回転速度等から起電力の大きさを推定して2つの回生電力低減装置の作動の有無を切り換える態様であってもよい。また、上記2つの項の態様は、システムにそれらを検出可能なセンサを設け、そのセンサの検出結果に基づいて、2つの回生電力低減装置の作動の有無が切り換えられてもよく、アナログ回路によって起電力が変化していることが判断されて、2つの回生電力低減装置の作動の有無が切り換えられてもよい。なお、モータと電源とを接続する回路内には、アクチュエータの制御等に用いるために、電圧センサ,電流センサ等の種々のセンサが設けられるため、それらのセンサを利用して、2つの回生電力低減装置の作動の有無が切り換えられる態様とすれば、従来の電磁式サスペンションシステムに、余計に部品等を付け加える必要がないため、簡便な構造のシステムとなる。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例およびそれの変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
≪第1実施例≫
<サスペンションシステムの構成>
図1に、請求可能発明の実施例である車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本サスペンションシステム10は、前後左右の車輪12の各々に対応する独立懸架式の4つのサスペンション装置を備えており、それらサスペンション装置の各々は、サスペンションスプリングとショックアブソーバとが一体化されたスプリング・アブソーバAssy20を有している。車輪12,スプリング・アブソーバAssy20は総称であり、4つの車輪のいずれに対応するものであるかを明確にする必要のある場合には、図に示すように、車輪位置を示す添え字として、左前輪,右前輪,左後輪,右後輪の各々に対応するものにFL,FR,RL,RRを付す場合がある。
スプリング・アブソーバAssy20は、図2に示すように、車輪12を保持してばね下部の一部分を構成するサスペンションロアアーム22と、車体に設けられてばね上部の一部分を構成するマウント部24との間に、それらを連結するようにして配設された電磁式のアクチュエータ26と、それと並列的に設けられたサスペンションスプリングとしてのエアスプリング28とを備えている。
アクチュエータ26は、アウタチューブ30と、そのアウタチューブ30に嵌入してアウタチューブ30の上端部から上方に突出するインナチューブ32とを含んで構成されている。アウタチューブ30は、それの下端部に設けられた取付部材34を介してロアアーム22に連結され、一方、インナチューブ32は、それの上端部に形成されたフランジ部36においてマウント部24に連結されている。アウタチューブ30には、その内壁面にアクチュエータ26の軸線の延びる方向(以下、「軸線方向」という場合がある)に延びるようにして1対のガイド溝38が設けられるとともに、それらのガイド溝38の各々には、インナチューブ32の下端部に付設された1対のキー40の各々が嵌まるようにされており、それらガイド溝38およびキー40によって、アウタチューブ30とインナチューブ32とが、相対回転不能、軸線方向に相対移動可能とされている。ちなみに、アウタチューブ30の上端部には、シール42が付設されており、後に説明する圧力室44からのエアの漏れが防止されている。
また、アクチュエータ26は、ねじ溝が形成された雄ねじ部としてのねじロッド50と、ベアリングボールを保持してそのねじロッド50と螺合する雌ねじ部としてのナット52とを含んで構成されたボールねじ機構と、動力源としての電磁式モータ54(以下、単に「モータ54」という場合がある)とを備えている。モータ54はモータケース56に固定して収容されるとともに、そのモータケース56の鍔部がマウント部24の上面側に固定されており、モータケース56の鍔部にインナチューブ32のフランジ部36が固定されていることで、インナチューブ32は、モータケース56を介してマウント部24に連結されている。モータ54の回転軸であるモータ軸58は、ねじロッド50の上端部と一体的に接続されている。つまり、ねじロッド50は、モータ軸58を延長する状態でインナチューブ32内に配設され、モータ54によって回転させられる。一方、ナット52は、ねじロッド50と螺合させられた状態で、アウタチューブ30の内底部に付設されたナット支持筒60の上端部に固定支持されている。
エアスプリング28は、マウント部24に固定されたハウジング70と、アクチュエータ26のアウタチューブ30に固定されたエアピストン72と、それらを接続するダイヤフラム74とを備えている。ハウジング70は、概して有蓋円筒状をなし、蓋部76に形成された穴にアクチュエータ26のインナチューブ32を貫通させた状態で、蓋部76の上面側においてマウント部24の下面側に固定されている。エアピストン72は、概して円筒状をなし、アウタチューブ30を嵌入させた状態で、アウタチューブ30の上部に固定されている。それらハウジング70とエアピストン72とは、ダイヤフラム74によって気密性を保ったまま接続されており、それらハウジング70とエアピストン72とダイヤフラム74とによって圧力室44が形成されている。その圧力室44には、流体としての圧縮エアが封入されている。このような構造から、エアスプリング28は、その圧縮エアの圧力によって、ロアアーム22とマウント部24、つまり、車輪12と車体とを相互に弾性的に支持しているのである。
上述のような構造から、ばね上部とばね下部とが接近・離間する場合、アウタチューブ30とインナチューブ32とは、軸線方向に相対移動が可能とされている。その相対移動に伴って、ねじロッド50とナット52とが軸線方向に相対移動するとともに、ねじロッド50がナット52に対して回転する。モータ54は、ねじロッド50に回転トルクを付与可能とされ、この回転トルクによって、ばね上部とばね下部との相対動作(ストローク動作)に対して、そのストローク動作を阻止する抵抗力を発生させることが可能とされている。この抵抗力をばね上部とばね下部とのストローク動作に対する減衰力として作用させることで、アクチュエータ26は、いわゆるショックアブソーバとして機能するものとなっている。また、アクチュエータ26は、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対移動に対する推進力をも発生させることが可能とされており、いわゆるスカイフックダンパ理論,擬似的なグランドフック理論等に基づく制御を実行することが可能とされている。アクチュエータ26が、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対移動に対して抵抗力および推進力を発生させることから、上記のような減衰力を発生させることに加えて、さらに、ばね上部とばね下部との離間距離、つまり、ばね上ばね下間距離を任意の距離に維持することが可能であり、車両旋回時の車体のロール,車両加速・減速時の車体のピッチ等を効果的に抑制することや、車両の高さいわゆる車高を調整すること等が可能とされているのである。
サスペンションシステム10は、図1に示すように、各スプリング・アブソーバAssy20が有するエアスプリング28に対して流体としてのエア(空気)を流入・流出させるための流体流入・流出装置、詳しく言えば、エアスプリング28の圧力室44に接続されて、その圧力室44にエアを供給し、圧力室44からエアを排出するエア給排装置80を備えている。詳しい説明は省略するが、本サスペンションシステム10は、エア給排装置80によって、各エアスプリング28の圧力室44内のエア量を調整することが可能とされており、エア量の調整によって、各エアスプリング28のばね長を変更し、各車輪12についてのばね上ばね下間距離を変化させることが可能とされている。具体的に言えば、圧力室44のエア量を増加させてばね上ばね下間距離を増大させ、エア量を減少させてばね上ばね下間距離を減少させることが可能とされている。つまり、本システム10は、いわゆる車高調整が可能とされているのである。
本サスペンションシステム10は、制御装置としてのサスペンション電子制御ユニット140(以下、「ECU140」という場合がある)によって、スプリング・アブソーバAssy20の作動、つまり、アクチュエータ26およびエアスプリング28の制御が行われる。ECU140は、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されたコントローラ[CONT]142と、エア給排装置80の駆動回路としてのドライバ[DRV]144と、各アクチュエータ26が有するモータ54に対応して設けられて、それぞれが、対応するモータ54の駆動回路として機能する4つのインバータ[INV]146とを有している。ECU140は、ドライバ144を制御することによってエアスプリング28を制御し、4つのインバータ146を制御することによってアクチュエータ26が発生させるアクチュエータ力を制御する。それらドライバ144およびインバータ146は、コンバータ[CONV]148を介してバッテリ[BAT]150に接続されており、エア給排装置80が有する各制御弁,ポンプモータ等、および、各アクチュエータ26のモータ54には、そのコンバータ148とバッテリ150とを含んで構成される電源152から電力が供給される。
車両には、イグニッションスイッチ[I/G]160,車両走行速度(以下、「車速」と略す場合がある)を検出するための車速センサ[v]162,各車輪12についてのばね上ばね下間距離を検出する4つのハイトセンサ[h]164,車高変更指示のために運転者によって操作される車高変更スイッチ[HSw]166,ステアリングホイールの操作角を検出するための操作角センサ[δ]170,車体に実際に発生する前後加速度である実前後加速度を検出する前後加速度センサ[Gx]172,車体に実際に発生する横加速度である実横加速度を検出する横加速度センサ[Gy]174,各車輪12に対応する車体の各マウント部24の縦加速度(上下加速度)を検出する4つのばね上縦加速度センサ[Gzs]176,各車輪12の縦加速度を検出する4つのばね下縦加速度センサ[Gzg]178,アクセルスロットルの開度を検出するスロットルセンサ[Sr]180,ブレーキのマスタシリンダ圧を検出するブレーキ圧センサ[Br]182等が設けられており、それらはECU140のコンピュータに接続されている。ECU140は、それらのスイッチ,センサからの信号に基づいて、スプリング・アブソーバAssy20の作動の制御を行うものとされている。ちなみに、[ ]の文字は、上記スイッチ,センサ等を図面において表わす場合に用いる符号である。また、ECU140のコンピュータが備えるROMには、後に説明するところのアクチュエータ26の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
図3に示すように、各アクチュエータ26のモータ54は、コイルがスター結線(Y結線)された3相DCブラシレスモータであり、上述したインバータ146によって制御される。インバータ146は、図3に示すような一般的なものであり、電源のhigh側(高電位側)のスイッチング素子と、low側(低電位側)のスイッチング素子とからなるスイッチング素子対を、モータ54の3つの相であるU相,V相,W相に対応して3対有するものである。つまり、6つのスイッチング素子HUS,HVS,HWS,LUS,LVS,LWSを備えている。また、インバータ146が有するスイッチング素子制御回路190には、モータ54に設けられてモータ54の回転角を検出するレゾルバ[θ]192と、インバータ146内に設けられてモータ54の3つの相の各々を実際に流れる電流である実通電電流を測定する3つの通電電流センサ[I]194と、インバータ146内に設けられて3つの相の各々の電圧を測定するための3つの電圧センサ[E]196とが接続されている。そのスイッチング素子制御回路190は、そのレゾルバ194によりモータ回転角を判断し、そのモータ回転角に基づいてスイッチング素子を開閉作動させる。インバータ146は、いわゆる正弦波駆動によってモータ54を駆動するのであり、モータ54の3つの相の各々に流れる電流が、それぞれが正弦波状に変化し、その位相差が電気角で120°ずつ異なるように、スイッチング素子が制御される。また、インバータ146は、モータ54に生じた起電力に依拠して発電された電力である発電電力を電源152に回生可能な構造とされており、モータ54は、供給電流に依存したモータ力だけでなく、起電力に依存したモータ力を発生可能となっている。つまり、インバータ146は、電源152からの供給電流であるか、起電力に依拠して生じた発電電流であるかに拘わらず、モータ54を流れる電流、つまり、モータ54の通電電流を調整して、モータ力を制御する構造とされている。なお、通電電流は、各インバータ146がPWM(Pulse Width Modulation)によるパルスオン時間とパルスオフ時間との比(デューティ比)を変更することによって調整される。
また、4つのインバータ146と電源152との間には、抵抗器200と、その抵抗器200に電流が流れる状態と流れない状態とを切り換えるスイッチング素子202とを含んで構成される単一の電力消費回路204(いわゆるブレーキ回路である)が配設されている。この電力消費回路204は、この電力消費回路204の高電位側と低電位側との間の電圧EB(以下、単に「電力消費回路204の電圧EB」という場合がある)が、電源電圧E0より大きな値である第1閾電圧E1を超えた場合に、スイッチング素子202をON状態として、抵抗器200に、起電力に依拠する電流である発電電流が流れる構成とされている。つまり、この電力消費回路204は、発電電力のうち電源に回生されることになる電力である回生電力を、自身の作動によって消費することで、電源に回生される電力を低減させることが可能であり、第1回生電力低減装置として機能するものとなっている。なお、本システム10においては、通常の制御の実行時における4つのモータ54の端子電圧EMの各々は等しく、かつ、その端子電圧EMが、電力消費回路204の電圧EBに等しい。つまり、電力消費回路204は、4つのモータ54のうちの少なくとも1つにおいて起電力が生じて、4つのモータ54の端子電圧EMおよび電力消費回路204の電圧EBが大きくなった場合に、自身が作動しない状態から作動する状態に切り換わるようになっている。ちなみに、詳しい説明は省略するが、スイッチング素子202がON状態とされた場合、電源152は、モータ54に向かって電流を流さないようになっている。
<サスペンションシステムの制御>
i)アクチュエータの制御の概要
本サスペンションシステム10では、4つのスプリング・アブソーバAssy20の各々を独立して制御することが可能となっている。それらスプリング・アブソーバAssy20の各々において、アクチュエータ26のアクチュエータ力が独立して制御されて、車体および車輪12の振動、つまり、ばね上振動およびばね下振動を減衰するための制御(以下、「振動減衰制御」という場合がある)が実行される。また、車両の旋回に起因する車体のロールを抑制するための制御(以下、「ロール抑制制御」という場合がある),車両の加減速に起因する車体のピッチを抑制するための制御(以下、「ピッチ抑制制御」という場合がある)が実行される。上記振動減衰制御,ロール抑制制御,ピッチ抑制制御は、各制御ごとのアクチュエータ力の成分である振動減衰成分,ロール抑制成分,ピッチ抑制成分を合計して目標アクチュエータ力が決定され、アクチュエータ26がその目標アクチュエータ力を発生させるように制御されることで、総合的に実行される。なお、以下の説明において、アクチュエータ力およびそれの成分は、ばね上部とばね下部とを離間させる方向(リバウンド方向)の力に対応するものが正の値,ばね上部とばね下部とを接近させる方向(バウンド方向)の力に対応するものが負の値となるものとして扱うこととする。
ii)振動減衰制御
振動減衰制御では、車体および車輪12の振動を減衰するためにその振動の速度に応じた大きさのアクチュエータ力を発生させるべく、アクチュエータ力の振動減衰成分FVが決定される。つまり、いわゆるスカイフックダンパ理論に基づいた制御と、擬似的なグランドフック理論に基づいた制御との両者を総合して行う制御である。具体的には、車体のマウント部24に設けられたばね上縦加速度センサ176によって検出されるばね上縦加速度から得られる車体のマウント部24の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね上絶対速度Vsと、ロアアーム22に設けられたばね下縦加速度センサ178によって検出されるばね下縦加速度から得られる車輪12の上下方向の動作速度、いわゆる、ばね下絶対速度Vgとに基づいて、次式に従って、振動減衰成分FVが演算される。
V=Cs・Vs−Cg・Vg
ここで、Csは、車体のマウント部24の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインであり、Cgは、車輪12の上下方向の動作速度に応じた減衰力を発生させるためのゲインである。つまり、Cs,Cgは、いわゆるばね上,ばね下絶対振動に対する減衰係数と考えることができる。
iii)ロール抑制制御
車両の旋回時においては、その旋回に起因するロールモーメントによって、旋回内輪側のばね上部とばね下部とが離間させられるとともに、旋回外輪側のばね上部とばね下部とが接近させられる。ロール抑制制御では、その旋回内輪側の離間および旋回外輪側の接近を抑制すべく、旋回内輪側のアクチュエータ26にバウンド方向のアクチュエータ力を、旋回外輪側のアクチュエータ26にリバウンド方向のアクチュエータ力を、それぞれ、ロール抑制力として発生させる。具体的に言えば、まず、車体が受けるロールモーメントを指標する横加速度として、ステアリングホイールの操舵角δと車速vとに基づいて推定された推定横加速度Gycと、横加速度センサ174によって実測された実横加速度Gyrとに基づいて、制御に利用される横加速度である制御横加速度Gy*が、次式に従って決定される。
Gy*=K1・Gyc+K2・Gyr (K1,K2:ゲイン)
そのように決定された制御横加速度Gy*に基づいて、ロール抑制成分FRが、次式に従って決定される。
R=K3・Gy* (K3:ゲイン)
iv)ピッチ抑制制御
車両の制動時等の減速時において車体のノーズダイブが生じる場合には、そのノーズダイブを生じさせるピッチモーメントによって、前輪側のばね上部とばね下部とが接近させられるとともに、後輪側のばね上部とばね下部とが離間させられる。また、車両の加速時において車体のスクワットが生じる場合には、そのスクワットを生じさせるピッチモーメントによって、前輪側のばね上部とばね下部とが離間させられるとともに、後輪側のばね上部とばね下部とが接近させられる。ピッチ抑制制御では、それらの場合のばね上ばね下間距離の変動を抑制すべく、アクチュエータ力をピッチ抑制力として発生させる。具体的には、車体が受けるピッチモーメントを指標する前後加速度として、前後加速度センサ172によって実測された実前後加速度Gxが採用され、その実前後加速度Gxに基づいて、ピッチ抑制成分FPが、次式に従って決定される。
P=K4・Gx (K4:ゲイン)
なお、ピッチ抑制制御は、スロットルセンサ180によって検出されるスロットルの開度、あるいは、ブレーキ圧センサ182によって検出されるマスタシリンダ圧が、設定された閾値を超えることをトリガとして実行される。
v)目標アクチュエータ力とモータの作動制御
アクチュエータ26の制御は、それが発生させるべきアクチュエータ力である目標アクチュエータ力に基づいて行われる。詳しく言えば、上述のようにして、アクチュエータ力の振動減衰成分FV,ロール抑制成分FR,ピッチ抑制成分FPが決定されると、それらに基づき、次式に従って制御目標値である目標アクチュエータ力F*が決定される。
*=FV+FR+FP
そして、上述のように決定された目標アクチュエータ力F*を発生させるためのモータ54作動制御が、インバータ146によって行われる。詳しく言えば、上述のように決定された目標アクチュエータ力F*に基づいて、目標となるデューティ比が決定され、そのデューティ比に基づいた指令がインバータ146に送信される。インバータ146は、その適切なデューティ比の下、インバータ146の備えるスイッチング素子の開閉が、スイッチング素子制御回路190によって制御されて、目標アクチュエータ力F*を発生させるようにモータ54を作動させる。つまり、アクチュエータ26の発生させるアクチュエータ力が、モータ54の作動が制御されることによって制御されるのである。
vi)アクチュエータ力と電力の供給・回生
アクチュエータ26は、モータ54の力に依拠してばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する力を発生させ、ばね上部とばね下部とにそれらの接近・離間動作に対する力が付与される。上述したように、本システム10の振動減衰制御では、スカイフックダンパ理論等に基づきアクチュエータ力が決定される。そのため、アクチュエータ力は、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作に対する抵抗力として作用させられるだけでなく、推進力としても作用させられる。
モータ54の発生させるトルクとアクチュエータ力とは比例関係にあり、また、ばね上部側ユニットとばね下部側ユニットとの相対動作と、ばね上部とばね下部との接近・離間動作が一致していると考えることができる。そこで、上記トルク若しくはアクチュエータ力を縦軸に、上記相対動動作の速度若しくはモータ54の回転速度を横軸にとって、モータ54の短絡特性を示せば、図4のようになる。図の第1象限は、ばね上部とばね上部とがリバウンド方向に動作し、アクチュエータ力がリバウンド方向に作用する領域であり、同様に、第2象限は、バウンド方向の動作に対してリバウンド方向のアクチュエータ力が作用する領域、第3象限は、バウンド方向の動作に対してバウンド方向のアクチュエータ力が作用する領域、第4象限は、リバウンド方向の動作に対してバウンド方向のアクチュエータ力が作用する領域である。つまり、第1,第3象限がアクチュエータ力が推進力として作用する領域であり、第2,第4象限が抵抗力として作用する領域である。図に示す短絡特性線は、モータ54の通電端子間を短絡させた場合において、モータ54が起電力に基づいて発生させる力を示す線である。
図4の〔A〕,〔B〕,〔D〕,〔E〕の領域では、モータ54が電源152から電力の供給を受けた状態で、アクチュエータ力が発生させられる。それに対して、〔C〕,〔F〕の領域、つまり、斜線を施した領域では、モータ54によって起電力に依拠した電力が発生し、その発電電力に依存したアクチュエータ力が発生させられつつ、発電電力の一部が電源152に回生される。
vii)車高変更制御
なお、本サスペンションシステム10では、エアスプリング28によって、路面の起伏が大きい道路の走行への対処、車両の操縦安定性の向上等を目的として運転者の意思に基づいて車両の車高を変更する制御(以下、「車高変更制御」という場合がある)も実行される。簡単に説明すれば、車高変更制御は、運転者の意図に基づく車高変更スイッチ166の操作によって実現すべき設定車高である目標設定車高が変更された場合において、実行される。その目標設定車高の各々に応じて、各車輪12についての目標となるばね上ばね下間距離が設定されており、ハイトセンサ164の検出値に基づいて、それぞれの車輪12についてのばね上ばね下間距離が目標距離になるように、エア給排装置80の作動が制御され、各車輪12のばね上ばね下間距離が目標設定車高に応じた距離に変更されるのである。さらに、この車高変更制御では、例えば、乗員数の変化,荷物の積載量の変化等による車高の変動に対処することを目的とした、いわゆるオートレベリングと呼ばれる制御も行われる。
<回生電力の低減>
先に述べたように、インバータ146は、モータ54に生じた起電力に依拠して発生した電力を電源152に回生可能な構造とされている。例えば、路面の凹凸等によりばね下部が急に動作させられた場合、つまり、外部から大きな力の入力があった場合には、モータ54に大きな起電力が生じ、その大きな起電力によって、電源152,インバータ146のスイッチング素子等に大きな負担がかかることになる。そこで、本サスペンションシステム10では、4つのモータ54のうちの少なくとも1つにおいて起電力が生じて、電力消費回路204の電圧EBが第1閾電圧E1より大きくなった場合に、電力消費回路204が作動して回生電力を低減させることで、電源152の負担が軽減されるようになっている。なお、この場合、ECU140は、先に述べた目標アクチュエータ力F*を発生させるように、インバータ146を制御している。
ところが、さらに大きな起電力が生じた場合には、その電力消費回路204による回生電力の消費だけでは、電源152の負担を軽減させる効果は充分とを言い難く、また、その電力消費回路204およびインバータ146の負担も大きくなる。そこで、本システム10では、モータ54の端子電圧EMが、第1閾電圧E1より大きな値に設定された第2閾電圧E2を超えた場合に、ECU140は、先に述べた目標アクチュエータ力F*を発生させる通常の制御におけるインバータ146の制御に代えて、モータ54の通電端子間を短絡させるようにインバータ146を制御する。より具体的に説明すれば、ECU140では、3つの電圧センサ196によって検出された3つの相であるU相,V相,W相の電圧EU,EV,EWと、レゾルバ192によって検出されたモータ54の回転角θとに基づいて、モータ54の端子電圧EMが求められるようになっている。そして、ECU140は、その求められたモータ54の端子電圧EMが第2閾電圧E2を超えた場合に、インバータ146のhigh側のスイッチング素子HUS,HVS,HWSのすべてをON状態,low側のスイッチング素子LUS,LVS,LWSのすべてをOFF状態とすることで、通電端子間を相互に短絡させた状態とするのである。ちなみに、本システム10においては、先に述べたように、通常の制御の実行時における4つのモータ54の端子電圧EMは等しいため、4つのアクチュエータ26の制御が、同時に切り換わるようになっている。
上記のようにインバータ146によって通電端子間を短絡させた状態においては、電源152および電力消費回路204に、発電電流が流れること、換言すれば、大きな起電力に依拠した電圧がかかることはなく、それら電源152,電力消費回路204の負担が無くなることになる。また、その状態においては、各相の電圧が互いに等しい大きさとされるため、インバータ146のON状態のhigh側のスイッチング素子にかかる電圧が均等化されるとともに、OFF状態のlow側のスイッチング素子には電圧がかからないため、本システム10においては、インバータ146の負担も軽減されることになる。つまり、本システム10では、インバータ146が第2回生電力低減装置として機能するようになっている。なお、この状態においては、アクチュエータ26は、ばね上ばね下間距離の変動速度(モータ54の回転速度)に応じて、図4に示した短絡特性線に従った特定の大きさの制動力(抵抗力)となるアクチュエータ力を発生させる。また、電力消費回路204は、上述したように電流が流れないため、この電力消費回路204の電圧EBが第1閾電圧E1より下がり、スイッチング素子202がOFF状態とされることになる。
<制御プログラム>
上述したアクチュエータ26の制御は、図5にフローチャートを示すアクチュエータ制御プログラムが、イグニッションスイッチ160がON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec〜数十msec)をおいてECU140により繰り返し実行されることによって行われる。以下に、その制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。なお、その制御プログラムは、4つの車輪12にそれぞれ設けられたスプリング・アブソーバAssy20のアクチュエータ26の各々に対して実行される。以降の説明においては、説明の簡略化に配慮して、1つのアクチュエータ26に対しての本プログラムによる処理について説明する。
ECU140において実行されるアクチュエータ制御プログラムにおいては、まず、ステップ1(以下、「S1」と略す、他のステップも同様である)において、3つの電圧センサ196からモータ54の3相の電圧が取得されるとともに、レゾルバ192からモータ54の回転角が取得され、S2において、それら3相の電圧とモータ回転角とから、モータ54の端子電圧EMが演算される。次いで、S3〜S5において、モータ54の端子電圧EMに基づいて、S6以下の通常の制御と、S11以下の短絡制御とのいずれを実行するかが判定される。S4において、モータ54の端子電圧EMが第2閾電圧E2以下である場合には、S6以下の通常の制御が実行される。詳しくは、S6で、振動減衰制御を行うための減衰力成分FVが、S7で、ロール抑制制御を行うためのロール抑制成分FRが、S8で、ピッチ抑制制御を行うためのピッチ抑制成分FPが、それぞれ、先に説明したような方法によって決定される。そして、S9において、それらの成分FV,FR,FPが合計されて目標アクチュエータ力F*が決定され、S10において、その目標アクチュエータ力F*に基づいて、モータ54の制御を行うためのデューティ比が決定され、そのデューティ比に基づいた指令がインバータ146に送信される。ちなみに、モータ54の端子電圧EMが第1閾電圧E1より大きく第2閾電圧E2より小さい場合には、上記のようなアクチュエータ26の通常の制御が実行されるとともに、電力消費回路204が作動して、発電電力が消費されるようになっている。
S4において、モータ54の端子電圧EMが第2閾電圧E2より大きい場合には、S11において、電源に発電電力が回生されない状態を実現するために、通常の制御に代えて、インバータ146によってモータ54の通電端子間を短絡させる短絡制御が実行される。詳しくは、スイッチング素子のON/OFF状態を前述したように、high側のスイッチング素子HUS,HVS,HWSのすべてをON状態,low側のスイッチング素子LUS,LVS,LWSのすべてをOFF状態とするように、制御信号がインバータ146に送信される。また、通常の制御から短絡制御に切り換わった場合には、S12において、短絡フラグFが[1]とされる。なお、本システム10においては、通常の制御の実行時においては、4つのモータ54の端子電圧は等しいため、4つのアクチュエータ26の制御は、同時に切り換わることになる。そのため、本システム10では、制御が切り換わっても、車体の挙動が、車両の前後左右においてバランスを失った挙動となることが回避されるようになっている。
上記のように短絡フラグFが[1]とされた場合、次回以降の本プログラムの実行時には、S3において短絡フラグFが[1]であるため、S5において、4つのアクチュエータ26のすべてに対応するモータ54の端子電圧EMが第1閾電圧E1より小さいか否かが判定される。4つのモータ54の端子電圧EMが第1閾電圧E1より小さい場合には、短絡制御から通常の制御に戻されるのであり、S13において、短絡フラグFが[0」とされて、S6以下が実行される。つまり、本システム10では、4つのモータにおいて生じる起電力が充分に低下した場合に、通常の制御に戻されるようになっている。
<制御装置の機能構成>
本サスペンションシステム10の制御装置であるECU140は、アクチュエータ制御プログラムの実行により、上述したような種々の処理を実行する。この種々の処理の実行によって、ECU140は、図6に示すような機能部を有していると考えることができる。基本的な機能部として、ECU140は、上記アクチュエータ制御プログラムのS6〜S10の処理を実行する機能部、つまり、アクチュエータ力制御部250を有している。このアクチュエータ力制御部250は、S6の処理を実行して振動抑制成分FVを決定する振動抑制制御部252と、S7の処理を実行してロール抑制成分FRを決定するロール抑制制御部254と、S8の処理を実行してピッチ抑制成分FPを決定するピッチ抑制制御部256とを有している。
また、ECU140は、モータ54に生じた起電力が大きい場合に対処する機能部として、短絡制御部260,制御判定部262を有している。具体的に言えば、短絡制御部260は、インバータ146の制御によってモータ54の通電端子間を短絡させる制御を実行する機能部であり、S11,S10の処理を実行する部分が相当する。また、制御判定部262は、アクチュエータ力制御部250による通常の制御と、短絡制御部260による短絡制御とのいずれを実行するかを、モータ54に生じた起電力の大きさによって決定する機能部であり、S1〜S5の処理を実行する部分が相当する。そして、ECU140は、それら短絡制御部260,制御判定部262,インバータ146を含んで構成される第2回生電力低減装置264を備えるものとなっているのである。
≪第2実施例≫
第2実施例の車両用サスペンションシステムは、その構成が、第2回生電力低減装置を除いて、第1実施例のシステムと同様の構成であるため、本実施例の説明においては、第1実施例のシステムと同じ機能の構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するものとする。
図7は、本実施例のサスペンションシステムにおけるモータ54から電源152までの回路を示す回路図である。本実施例のシステムが備えるECU300は、2つの開閉スイッチ302を有している。それら2つの開閉スイッチ302の各々は、インバータ146とモータ54との間、詳しくは、モータ54のV相の通電端子とそのV相に対応するスイッチング素子対と間,モータ54のW相の通電端子とそのW相に対応するスイッチング素子対と間の各々に、それぞれ配設されている。ECU300は、それら開閉スイッチ302を、それぞれが、通常はON状態(閉状態)としてインバータ146とモータ54とを接続した状態とするとともに、OFF状態(開状態)とすることでモータ54の通電端子を開放させることが可能とされている。
図8は、ECU300において実行されるアクチュエータ制御プログラムを表すフローチャートである。ECU300は、モータ54の端子電圧EMが第2閾電圧E2を超えた場合(S24)に、通常の制御に代えて、上記の開閉スイッチ302をOFF状態(開状態)として通電端子を開放させる開放制御を実行するようになっており(S33)、その制御により発電電力を発生させないようにすることが可能とされている。つまり、本実施例のシステムでは、2つの開閉スイッチ302が回生・非回生切換器として機能し、それら開閉スイッチ302を含んで構成される第2回生電力低減装置を備えるものとなっている。そして、本システムは、第2回生電力低減装置が発電電力を発生させないように構成されていることから、インバータ146,電源152,第1回生電力低減装置204の負担を無くすことが可能とされている。
ちなみに、本実施例のシステムにおいては、第2回生電力低減装置の作動によって、モータ54の通電端子を開放させるため、電圧センサ196によるモータ54の各相の電圧を検出不能となる。そこで、本システムにおいては、開放制御が実行されている場合、、レゾルバ192の検出結果から得られたモータ54の回転角速度に基づいて、モータ54の端子電圧EMが推定され(S30,31)、4つのアクチュエータ26のすべてに対応する推定された端子電圧EMが第1閾電圧より低下した場合に、通常の制御に戻されるようになっている(S32)。
上記第2実施例のサスペンションにシステムにおいては、回生・非回生切換器が、モータ54の通電端子を開放させるものであったが、回生・非回生切換器が、モータ54の通電端子間を導通(短絡)させるものであってもよい。図9は、本変形例のサスペンションシステムにおけるモータ54から電源152までの回路を示す回路図である。本変形例のシステムが備えるECU320は、2つの開閉スイッチ322を有している。それら2つの開閉スイッチ322の各々は、インバータ146とモータ54との間、詳しくは、U相とV相との通電端子間,V相とW相との通電端子間の各々に、それぞれが、通常はOFF状態(開状態)とされ、ON状態(閉状態)とされることでそれらの通電端子間を短絡させることが可能とされている。本変形例のシステムにおいては、インバータ146から電源152の間に、発電電流が流れないようにすること、換言すれば、電圧がかからないようにすることができるため、上記第2実施例と同様に、インバータ146,電源152,第1回生電力低減装置204の負担を無くすことが可能である。
請求可能発明の第1実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を示す模式図である。 図1に示すスプリング・アブソーバAssyを示す正面断面図である。 図2に示すアクチュエータが備える電磁式モータと電源までの回路を示す回路図である。 図2に示すアクチュエータのアクチュエータ力と、そのアクチュエータが有する電磁式モータへの電力の供給およびその電磁式モータからの電力の回生との関係を説明するためのグラフである。 図1に示すサスペンション電子制御ユニットによって実行されるアクチュエータ制御プログラムを表すフローチャートである。 図1に示す車両用サスペンションシステムが有するサスペンション電子制御ユニットの機能に関するブロック図である。 第2実施例の車両用サスペンションシステムが有するアクチュエータの電磁式モータから電源までの回路を示す回路図である。 第2実施例の車両用サスペンションシステムが有するサスペンション電子制御ユニットによって実行されるアクチュエータ制御プログラムを表すフローチャートである。 第2実施例の変形例である車両用サスペンションシステムが有するアクチュエータの電磁式モータから電源までの回路を示す回路図である。
符号の説明
10:車両用サスペンションシステム 12:車輪 20:スプリング・アブソーバAssy 22:ロアアーム(ばね下部) 24:マウント部(ばね上部) 26:アクチュエータ 28:エアスプリング 50:ねじロッド(雄ねじ部) 52:ナット(雌ねじ部) 54:電磁式モータ 80:エア給排装置 140:サスペンション電子制御ユニット(ECU,制御装置) 142:コントローラ 146:インバータ(駆動回路,第2回生電力低減装置) 148:コンバータ 150:バッテリ 152:電源 192:レゾルバ 196:電圧センサ[E] 200:抵抗器 202:スイッチング素子 204:電力消費回路(第1回生電力低減装置) 250:アクチュエータ力制御部 252:振動減衰制御部 254:ロール抑制制御部 256:ピッチ抑制制御部 260:短絡制御部 262:制御判定部 264:第2回生電力低減装置 300:サスペンション電子制御ユニット 302:開閉スイッチ(回生・非回生切換器,第2回生電力低減装置) 320:サスペンション電子制御ユニット 322:開閉スイッチ(回生・非回生切換器,第2回生電力低減装置)

Claims (7)

  1. 電磁式モータを有し、その電磁式モータが発生させるモータ力に依拠して、ばね上部とばね下部とに対してそれらが接近・離間する向きの力であるアクチュエータ力を発生可能な電磁式のアクチュエータと、
    前記電磁式モータと電源との間に配設され、その電磁式モータを駆動するとともに、前記電磁式モータに生じた起電力に依拠する発電電力を電源に回生可能な構造とされた駆動回路を有し、その駆動回路を制御することによって前記アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制御する制御装置と、
    前記駆動回路と電源との間に配設され、自身の作動によって前記発電電力の少なくとも一部を消費して、電源に回生される電力を低減させることが可能な第1回生電力低減装置と、
    前記駆動回路と前記電磁式モータとの間と前記駆動回路との一方に設けられ、自身の作動によって前記発電電力が電源に回生されない状態を実現可能な第2回生電力低減装置と
    を備えた車両用サスペンションシステム。
  2. 前記第2回生電力低減装置が、前記電磁式モータの各相の通電端子間を導通させることで、前記発電電力が電源に回生されない状態を実現する請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記第2回生電力低減装置が、前記電磁式モータの各相の通電端子を開放させることで、前記発電電力が電源に回生されない状態を実現する請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記駆動回路が、
    (a)電源の高電位側端子と前記電磁式モータの1つの相の通電端子との間に設けられた高電位側スイッチング素子と(b)電源の低電位側端子と前記電磁式モータのその1つの相の通電端子との間に設けられた低電位側スイッチング素子とからなるスイッチング素子対を、前記電磁式モータの相数に対応して複数対有し、
    前記制御装置が、
    それら複数のスイッチング素子対の作動を制御することによって、前記アクチュエータが発生させるアクチュエータ力を制御するとともに、前記発電電力が電源に回生されない状態を実現可能とされ、
    前記駆動回路が、前記第2回生電力低減装置として機能する請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
  5. 前記第2回生電力低減装置が、
    前記駆動回路と前記電磁式モータとの間に配設され、前記駆動回路によって前記電磁式モータが駆動されるとともに前記発電電力が電源に回生されることが可能な状態と、前記発電電力が電源に回生されない状態とを選択的に実現する回生・非回生切換器を含んで構成された請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
  6. 当該車両用サスペンションシステムが、
    前記第1回生電力低減装置および前記第2回生電力低減装置の各々が、前記電磁式モータに生じた起電力の大きさによって、自身が作動する状態と作動しない状態とが切り換わるように構成された請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
  7. 当該車両用サスペンションシステムが、
    前記第1回生電力低減装置が、前記電磁式モータに生じた起電力が、電源の電圧より高い値に設定された第1閾電圧より大きくなった場合に、自身が作動しない状態から作動する状態に切り換わり、
    前記第2回生電力低減装置が、前記電磁式モータに生じた起電力が、前記第1閾電圧より高い値に設定された第2閾電圧より大きくなった場合に、自身が作動しない状態から作動する状態に切り換わるように構成された請求項6に記載の車両用サスペンションシステム。
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