JP2009094149A - 積層インダクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ターン数が少ない場合でも十分な数の磁気ギャップ分散数が得られ、ギャップ近傍のコイルパターンでの渦電流損失を低減すると共に、直流抵抗も小さいという優れた低損失特性を有する積層インダクタを提供する。
【解決手段】NiZnフェライトからなる磁性体2に、Agからなる略1ターンのコイルパターン3と、ジルコニア(ZrO)からなる磁気ギャップ層4とを形成して構成されるコイル層を複数(図1では5、6、7の3層)ビアホール8を介して積層し直列に接続する。その積層体の上下のコイル層5、7と略同構成のコイル層9、11を、それぞれビアホール12を介して並列に接続して積層し、更にその積層体の上下にそれぞれコイルパターン3および磁気ギャップ4を形成していない例えばNiZnフェライトからなる磁性体2のみの無地の磁性体層13を複数層ずつ重ねた態様で、3ターンの積層インダクタ10が構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、積層した磁性体によって磁気回路を構成する積層インダクタに関し、特に、磁気回路の一部に非磁性体による磁気ギャップ層を設けた積層インダクタに関する.
最近の携帯電話を代表とする携帯電子機器には、さまざまな機能モジュールが組み込まれている。しかしモジュールごとに必要とする電源電圧が異なるため、元となるバッテリー(たとえばリチウムイオン電池)の電源電圧から、モジュールが必要とする電圧へ変換する電圧変換回路、すなわちDC−DCコンバーターがモジュールごとに必要となる。
DC−DCコンバーターの中で電圧を変換する素子がインダクタである。従来フェライトのドラムコアに絶縁皮膜されたマグネットワイヤを巻線し、更にドラムコアを筒状のフェライトコアで囲んで構成される巻線タイプのインダクタが広く用いられていた。
しかし、その構造上の問題から、小型化・低背化・低コスト化には限界があり、これに置き換わる物として、モノリシックで閉磁路構造の積層インダクタが注目されている。
積層インダクタは、磁性体(フェライト)と内部コイルパターン(Ag)とをシート積層法や印刷法などにより一体成型後、同時焼成して作成される。また、モノリシック(一体)構造となっているため、信頼性に優れ、小型化・低背化が容易であり、大量生産によるコストダウンと小型化によるコストダウンが容易であるという優れた特徴をもっている。
しかし従来の積層インダクタは、磁性体であるフェライトをベースとした積層構造であるため、コイルパターンの層間に磁路が存在し、巻線インダクタのように磁束の流れが均一にならず、その結果高いインダクタンスや直流重畳特性を出しにくいという問題点があった。
これに対し、特許文献1の図2には各層のコイルパターン形成領域を非磁性体で埋めることにより、コイルパターン間に磁束を通さないようにした積層インダクタが開示されている。
しかし、シート積層法での成型は困難であり、印刷法であってもプロセスがに非常に複雑になり、低コスト化には適さない。
一方特許文献2の図2には、全コイル層もしくはそれに近いコイル層に磁気ギャップを分散して、各層のコイルが発生する磁束が、それぞれ各層の磁気ギャップを鎖交するようにして、直流重畳を向上し高周波磁束によるコイルパターン上の渦電流損失を低減したインダクタも開示されている。
図11は、特許文献2の積層インダクタ40の一例の断面図であり、磁性体2(フェライト)にコイルパターン5、6、7が形成された複数のコイル層を積層しており、外部引出しリード部15を除くコイル層に非磁性体による磁気ギャップ4が設けられている。
特開平2−16507号 WO2007/088914
特許文献1に開示されている積層インダクタの構成では、コイルパターンを形成した磁性体層を積層して製造するシート積層法による製造が困難である。また印刷法であっても印刷プロセスが複雑になるという問題がある。
また、特許文献2の構成では、今後DC−DCコンバーターの高周波数化に伴う低インダクタンス化に対しコイルのターン数を低減していく場合、コイル層数が減り前記磁気ギャップの分散数が減って十分な分散効果が得られず前記渦電流損失が増大するという問題がある。図11の例では3ターンのインダクタであるがこの場合ギャップ分散数は最大3(引き出しリード部15含めれば4)となる。そのため、磁気ギャップの厚みを、コイルパターンの厚みに比べ十分薄くすることができなくなる。その結果、磁気ギャップの端面近傍で発生する磁束のフリンジング(広がり)がコイルパターンを鎖交し渦電流損失の原因となる。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、高周波数化に伴いコイルのターン数が減っても、十分な磁気ギャップの分散が可能であり、渦電流損失や直流抵抗による損失を低減でき、その結果Qが高くDC−DCコンバーターの高効率化に寄与する積層インダクタを提供することを目的とする。
本発明に係る積層インダクタは、磁性体層および第1のコイルパターンを交互に積層し、前記第1のコイルパターンを積層方向に直列接続してコイルを構成し、前記第1のコイルパターンに接する領域に第1の磁気ギャップパターンが形成され、積層方向に複数の磁気ギャップをもつ積層インダクタにおいて、一部または全ての前記第1のコイルパターンに対し並列接続された第2のコイルパターンを備え、該第2のコイルパターンに接する領域に第2の磁気ギャップパターンが形成されたことを特徴とする積層インダクタである。
したがって本発明の積層インダクタは、コイルのターン数が少ない場合であっても、十分な磁気ギャップの分散が可能であり、一ギャップあたりのギャップ長をコイルパターンの厚みより十分小さく設定することができる。その結果、ギャップ部における磁束のフリンジングは低減し、コイルパターンへ鎖交する磁束による渦電流損失を低減することができる。
本発明の積層インダクタは、磁気ギャップがコイルに囲まれた内側部分に形成されておりインダクタ端面に露出していないので、インダクタからの磁束の漏れが少なく、またこの漏れ磁束が外部電極と鎖交して生じる渦電流損失を低減することができる。
本発明の積層インダクタは、前記磁性体がNiZn系またはNiCuZnフェライトで、前記磁気ギャップがジルコニア(ZrO)で形成されていることを特徴とする。
したがって本発明の積層インダクタは、前記磁性体がNiZn系またはNiCuZn系フェライトで、前記磁気ギャップがジルコニア(ZrO)で形成されているので、磁性体と磁気ギャップを形成する異材質が反応することなく、設計値どおりの安定したインダクタ特性が得られる。
本発明の積層インダクタは、前記磁性体がNiZn系またはNiCuZn系フェライトで、前記磁気ギャップがZnフェライトで形成されていることを特徴とする。
したがって本発明の積層インダクタは、前記磁性体であるNiZn系フェライトと前記磁気ギャップであるZnフェライトとの異材質間の同時焼成が容易で、デラミやクラック等が発生しにくい。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態に係る積層インダクタ10の断面図、図2は第1の実施の形態に係る積層インダクタ10の分解斜視図である。
コイル層は例えばNiCuZnフェライトからなる磁性体2に、導電性材料例えばAgからなる略1ターンのコイルパターン5、6、7と、非磁性体材料例えばジルコニア(ZrO)からなる磁気ギャップパターン4とを形成して構成される。第1のコイルパターン5、6、7が形成されたコイル層を積層しビアホール8を介して直列に接続する。また、その積層体の上下のコイル層5、7と略同構成の第2のコイルパターン9、11が形成されたコイル層を、それぞれ積層しビアホール12を介して並列に接続する。このように構成されたコイルは外部引出しリード部15と外部引き出し部1により外部へ引き出される。更にその積層体の上下にそれぞれ例えばNiCuZnフェライトからなる磁性体2のみの無地の磁性体層13を複数層ずつ重ねた態様で、3ターンの積層インダクタ10が構成されている。積層インダクタ10は、LTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)法による形成が好ましい。
この第1実施の形態の積層インダクタでは、上下のコイルパターン5、7は略同一形状のコイル9、11とスルーホール12を介して並列接続されており、上中下の3コイルパターンは、スルーホール8を介して直列接続され、全体として3.5ターンのコイルとして機能する。電気的な接続回路図を図3に示す。
各コイル層の磁性体2は例えば、ソフトフェライトのペーストを用いて、ドクターブレード法、カレンダーロール法などによりグリーンシート(乾燥後15〜60μm)を形成する。その上にAgなどを含む合金の導電ペーストを所定のコイルパターン3に乾燥後20〜50μm厚で100〜400μm幅に印刷または塗布する。さらに磁気ギャップとなるジルコニアやZnフェライト等の非磁性体ペーストを所定の磁気ギャップパターン4に印刷または塗布する。
磁気ギャップパターンの乾燥後厚みは3μm以上でかつコイルパターンよりも薄くなることが好ましい。コイルパターンを構成するAgの乾燥後厚みが厚く、グリーンシート2とコイルパターン3の段差が大きい場合には、層間のデラミネーションや密着不足あるいはボイドの原因となる可能性があるため、磁気ギャップパターン4を覆うと共にコイルパターンの上面とほぼ同じ高さとなるよう、コイルパターンを除く領域に磁性体ペーストを印刷または塗布するのが好ましい。また、前記並列接続のためのビアホール12は第2のコイルパターンの巻き始めと巻き終わり近傍近くだけでなく、第2のコイルパターンの任意の位置に追加配置しても良い。
以上のプロセスにより作られた各コイル層を複数層積層しビアホール8を介して直列に、ビアホール12を介して並列に接続する。更にその積層体の上下にそれぞれ例えばNiZnフェライトからなる磁性体2のみの無地の磁性体層13を複数層積層する。
このようにして得られたグリーン状の積層体は800〜950℃で磁性体であるフェライトと導電体であるAgおよび非磁性体であるジルコニアあるいはZnフェライトを同時に焼成し20%程度収縮して焼結体となる。
本実施例ではコイルのターン数は3ターンであるにもかかわらずギャップ分散は5となり、一ギャップあたりのギャップ長を3/5に低減でき、コイルパターンの厚みより十分小さく設定することができる。従ってギャップ部における磁束のフリンジングは低減し、コイルパターンへ鎖交する磁束による渦電流損失を低減することができる。また3ターンのうちの2ターンが並列接続されているのでインダクタの直流抵抗を2/3に低減することができる。
(第2実施の形態)
図4は第2の実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。本実施例は第1の実施の形態と同じく3ターンのコイルとして機能しているが上中下のコイル層5、6、7のうち中のコイル層6が略同一形状のコイル層14とビアホール12を介して並列接続されている。
本実施例ではコイルパターンは3ターンであるにもかかわらずギャプ分散数は4となり、一ギャップあたりのギャプ長を3/4に低減できコイルパターンの厚みより十分小さく設定することができる。従ってギャップ部における磁束のフリンジングは低減し、コイルパターンへ鎖交する磁束による渦電流損失を低減することができる。また3ターンのうちの1ターンが並列接続されているのでインダクタの直流抵抗を5/6に低減することができる。
(第3実施の形態)
図5は第3の実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。本実施例は第1の実施の形態と同じく3ターンのコイルとして機能しているが全てのコイル層5、6、7が略同一形状のコイル層9、14、11とビアホール12を介して並列接続されている。
本実施例ではコイルパターンは3ターンであるにもかかわらずギャプ分散数は6となり、一ギャップあたりのギャプ長を1/2に低減でき、コイルパターンの厚みより十分小さく設定することができる。従ってギャップ部における磁束のフリンジングは低減し、コイルパターンへ鎖交する磁束による渦電流損失を低減することができる。また全てのコイルパターンが並列接続されているのでインダクタの直流抵抗を1/2に低減することができる。
以上のように並列接続されるコイルの位置や数は任意であり、並列されるコイル数が多ければ磁気ギャップの分散数が増え一ギャップあたりのギャップ長を短くすることにより、渦電流損失を低減できかつ直流抵抗も減らすことが可能である。
次に、第1、2及び3実施の形態に係る積層インダクタの製造工程について説明する。
NiCuZnフェライトは、例えばFe、ZnO、NiOおよびCuOを主成分とするフェライト組成物が用いられる。この仮焼粉末100重量%に対して、バインダーを10重量%加え、可塑剤および溶剤と共にボールミルにて混練して、磁性体合用スラリーを得る。このスラリーを、ドクターブレード法によるシート成型機を用いて厚み20μmのフェライトシートを成型する。
成型した所定のフェライトシートにスルーホールを形成し、磁気ギャップとなる非磁性体のペースト状に加工されたジルコニアを所定の形状に印刷し、その後コイルパターンとなるペースト状に加工されたAgを略1ターンのコイルパターンとなるように所定のパターンに印刷してコイル層を得る。なお、このジルコニアおよびAgの印刷順序は逆であっても良い。また、ジルコニアおよびAgの印刷による段差を無くし積層性を向上させるため、フェライトシートと同材質のペーストを印刷することもできる。
このようにして形成されたコイル層を、前記ビアホール8を介して電気的に直列に、また前記ビアホール12を介して並列に、前記第1のコイルパターンと前記第2のコイルパターンとを所定のターン数とギャップ分散数が得られるよう、複数の無地のフェライトシート13の上に積層し、さらに積層された該コイル層の上に複数層の無地のフェライトシート13を積層する。得られた積層体を、一定圧力で圧着させた後に所望の形状に加工し、900℃で4時間大気中で焼成させ直方体(例えば2.5x2.0x1.0mm)の焼結体を得る。更にこの焼結体の向かい合う端面(例えば2.0x1.0mmの面)に外部電極用の導電ペースト(例えばAg)を塗布した後、更に630℃で15分の焼き付け処理をして、積層インダクタを得る。
以上のようにして、本発明では、ターン数が少ないインダクタであっても、一部もしくは全てのコイルパターンに対し並列に接続されたコイルパターンを印刷された層が設けられており、並列接続されたコイルパターンの数だけ多くの磁気ギャップの分散が可能となる。そのため、ターン数が少なくても、十分な磁気ギャップ分散が得られ渦電流損失が抑えることができる。更に、並列接続されたコイルによりインダクタの直流抵抗も低減することができる。
従来の図11の積層インダクタと図1の本発明の積層インダクタについて、コイルパターンを鎖交する磁束密度を計算した。従来の積層インダクタの構成は、巻数は3ターンで最上コイル層以外の3コイル層に合計30μmのギャップを分散している。一方、本発明の積層インダクタの構成は、巻数は同じ3ターンであるがその内の2ターンに並列接続されたコイル層が追加されており、追加された2コイル層含め5コイル層に合計30μmのギャップを分散している。シミュレーションは日本総研ソリューションズの電磁界解析ソフトJ−MAG Ver8.4を用い、周波数2MHz、励磁電流0.1Appの条件で実施した。
コイルパターンを鎖交する磁束密度は、従来の積層インダクタの場合最大5。0mTであるが、本発明の積層インダクタの場合3.5mT程度となり30%程度低減していることがわかった。さらに渦電流損失を計算すると、従来の構造であれば2.98mWであるのに対し、本発明の構造は1.83mWとなり、40%程度渦電流損失が低減できることがわかった。
さらに従来の積層インダクタと本発明の積層インダクタとについて実際に素子を試作してその素子特性(Qの周波数特性、直流抵抗)および3MHzで動作するDC−DCコンバーターに適用した際の効率特性を測定した。
インダクタは、30μm厚のNiCuZn系の低温焼成フェライトを磁性材料としたシートに、Agペーストでコイルパターンを乾燥後40μm厚で360μm幅に印刷し、またジルコニアペーストでコイルパターンに囲まれた内側に乾燥後6μm厚で印刷した。このようにして作られたコイル層を複数所定のターン数およびギャップ分散数となるよう積層し、その後焼成しさらに外部電極を形成して積層インダクタを作成した。得られたインダクタの外形は、2.5x2.0x1.0mm、コイルの巻数は共に4.5ターンで巻き始めと終わりのコイル層以外の3コイル層に磁気ギャップを分散している。更に本発明の素子においてはその3コイル層のうち1コイル層に並列接続されたコイル層が追加挿入されており、計4コイル層にギャップが分散されている。図6に、その断面図を示している。図より従来の積層インダクタはギャップ分散数が3、本発明の積層インダクタはギャップ分散数が4となる。
以下その測定結果について詳述する。まずQの周波数特性はアジレントテクノロジーの4285Aを用いて70kHzから30MHzの周波数範囲内で励磁振幅1Vで測定した。結果を図7に示す.本発明の積層インダクタは従来の積層インダクタに比べ、最大値で比較すると29%向上した。
次に、直流抵抗の測定はアジレントテクノロジーの3458Aを用いて4端子法にて測定した。従来の積層インダクタは75mΩであったが、本発明の積層インダクタは67mΩ、となり12%低減した。
次に3MHzで動作するDC−DCコンバーターの回路構成を図8に示す。出力電圧Voは基準電圧Refと誤差増幅器EAにより比較増幅され、パルス幅変調回路PWMによりパルス幅に変調され2個のMOSFETのゲートに与えられ3MHzの周波数で2個のMOSFETを相補的にオンオフさせる。2個のMOSFETのスイッチング動作により、入力電圧ViはインダクタLを介して降圧され必要な出力電圧Voを得る。本回路のインダクタ素子Lを従来の積層インダクタを用いた場合と、本発明の積層インダクタを用いた場合とでDC−DCコンバーターの変換効率ηを出力電流を変化させて測定した。ここで入力電流をIi、出力電流をIoとすれば、η=VoxIo/(VixIi)x100(%)で求めることができる。Vi=3.6V、Vo=1.8Vの降圧形DC−DCコンバーターとして動作させた場合の結果を図9に示す。共に効率が出力電流が100mA近傍で急激に変化しているが、これはこの出力電流を境界に、制御ICの出力電圧の制御モードが変化しているためである。
本発明の積層インダクタは従来の積層インダクタに比べ、最大効率で0.8%、最大出力電流時で0.17%効率を向上できることがわかった。ここで最大効率時の効率向上は前述したQ特性の向上が、また最大出力電流時の効率向上は、前述した直流抵抗の低減が主に寄与している。
以上のようにQの周波数特性、直流抵抗およびDC−DCコンバーターの効率において本発明は効果があることを確認したが、図10に示すように直流重畳特性が本発明により劣化することは無かった。
また磁気ギャップとしてジルコニアの代わりに、Fe、ZnO、およびCuOを主成分とするZnフェライトを用いても同様な結果が得られた。
本発明によれば、磁気ギャップを分散して有する積層インダクタにおいて、そのターン数が少ない場合であっても、十分なギャップ分散数が得られるのでギャップ近傍のコイルパターンでの渦電流損失を低減できる。またコイル層の一部または全てが並列に接続されているので、インダクタの直流抵抗も低減できる。
第1実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 第1実施の形態に係る積層インダクタの分解斜視図である。 第1実施の形態に係る積層インダクタの電気的な等価回路図である。 第2実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 第3実施の形態に係る積層インダクタの断面図である。 試作素子の断面を示す模式図である。 試作素子のQの周波数特性を示すグラフである。 DC−DCコンバーターの回路構成である。 DC−DCコンバーターの効率を示すグラフである。 試作素子の直流重畳特性を示すグラフである。 従来の積層インダクタの断面を示す模式図である。
符号の説明
1 外部引き出し部
2 磁性体
4 磁気ギャップ
5 上コイル層
6 中コイル層
7 下コイル層
8 上中下のコイルパターンを直列に電気的に接続するビアホール
9 上コイル層と並列接続されるコイル層
10 第1の実施形態に係る積層インダクタの断面図
11 下コイル層と並列接続されるコイル層
12 上中下のコイルパターンと並列に電気的に接続するビアホール
13 無地の磁性体層
14 中コイルと並列接続されるコイル層
15 外部引出しリード部
20 第2の実施形態に係る積層インダクタの断面図
30 第3の実施形態に係る積層インダクタ断面図
40 従来の積層インダクタの断面図

Claims (4)

  1. 磁性体層および第1のコイルパターンを交互に積層し、前記第1のコイルパターンを積層方向に直列接続してコイルを構成し、前記第1のコイルパターンに接する領域に第1の磁気ギャップパターンが形成され、積層方向に複数の磁気ギャップをもつ積層インダクタにおいて、
    一部または全ての前記第1のコイルパターンに対し並列接続された第2のコイルパターンを備え、該第2のコイルパターンに接する領域に第2の磁気ギャップパターンが形成されたことを特徴とする積層インダクタ。
  2. 請求項1に記載の積層インダクタにおいて、前記第1および第2の磁気ギャップパターンが、それぞれ前記第1のコイルパターンおよび第2のコイルパターンの内側に囲まれるように設けられていることを特徴とする積層インダクタ。
  3. 請求項1または2に記載の積層インダクタにおいて、磁性体をNiZn系またはNiCuZn系のフェライトで、また第1ギャップパターンおよび第2のギャップパターンをジルコニア(ZrO)で形成されていることを特徴とする積層インダクタ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の積層インダクタにおいて、磁性体をNiZn系またはNiCuZn系のフェライトで、また第1ギャップパターンおよび第2のギャップパターンをZnフェライトで形成されていることを特徴とする積層インダクタ。
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