JP2009076583A - ステージ装置、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】性能の低下を抑制できるステージ装置を提供する。
【解決手段】チャンバの内側に配置されるステージ装置は、プレート部材と、プレート部材の上面側で移動可能な可動部材と、プレート部材を3箇所で支持する支持部と、プレート部材の下面と対向するチャンバの内側の設置部に設けられ、プレート部材の下面の少なくとも2箇所で接触可能な対向部を有するストッパ装置と、を備え、チャンバの内側の圧力に応じて、下面と交差する方向に関する対向部の位置が変化する。
【選択図】図1
【解決手段】チャンバの内側に配置されるステージ装置は、プレート部材と、プレート部材の上面側で移動可能な可動部材と、プレート部材を3箇所で支持する支持部と、プレート部材の下面と対向するチャンバの内側の設置部に設けられ、プレート部材の下面の少なくとも2箇所で接触可能な対向部を有するストッパ装置と、を備え、チャンバの内側の圧力に応じて、下面と交差する方向に関する対向部の位置が変化する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ステージ装置、露光装置、露光方法及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置は、露光光に対して所定部材を移動可能に保持するステージ装置を備えている。露光装置のステージ装置は、露光光に対してパターンが形成されたマスクを移動可能に保持するマスクステージ、及び感光性の基板を移動可能に保持する基板ステージの少なくとも一方を含む。ステージ装置は、例えばステージベース等のプレート部材と、そのプレート部材上を移動する可動部材とを有する。また、露光装置は、例えばチャンバと呼ばれる環境制御装置を有し、露光光が進行する空間の環境を制御する。下記特許文献には、チャンバの内側に配置されるステージ装置に関する技術の一例が開示されている。
米国特許出願公開第2003/0058426号明細書
特開2004−335510号公報
例えば可動部材の移動に応じて、プレート部材が変形する可能性がある。その場合、可動部材に動作不良が発生する等、ステージ装置の性能が低下する可能性がある。その結果、そのステージ装置を用いて露光される基板に露光不良が発生したり、不良デバイスが発生したりする可能性がある。
本発明は、性能の低下を抑制できるステージ装置を提供することを目的とする。また本発明は、露光不良の発生を抑制できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、チャンバの内側に配置されるステージ装置であって、プレート部材と、プレート部材の上面側で移動可能な可動部材と、プレート部材を3箇所で支持する支持部と、プレート部材の下面と対向するチャンバの内側の設置部に設けられ、プレート部材の下面の少なくとも2箇所で接触可能な対向部を有するストッパ装置と、を備え、チャンバの内側の圧力に応じて、下面と交差する方向に関する対向部の位置が変化するステージ装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、チャンバの内側に配置されるステージ装置であって、プレート部材と、プレート部材の上面側で移動可能な可動部材と、プレート部材を3箇所で支持する支持部と、プレート部材の下面と対向するチャンバの内側の設置部に設けられ、プレート部材の変形を抑えるために、プレート部材の下面の少なくとも2箇所で接触可能なストッパ装置と、を備え、ストッパ装置は、チャンバの内側の圧力に応じて、プレート部材の下面と交差する方向に伸縮する、所定圧力の内部空間を有する伸縮部材と、プレート部材の下面と伸縮部材の上端との間に配置され、伸縮部材の伸縮に応じて移動する、プレート部材の下面と接触可能な対向部材と、を有するステージ装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、露光光で基板を露光する露光装置であって、上記態様のステージ装置を含む露光装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、上記態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、基板を露光光で露光する露光方法であって、チャンバの内側に、プレート部材と、プレート部材の上面側で移動可能な可動部材とを配置することと、プレート部材に設けられた3箇所の第1部位をそれぞれ支持することと、プレート部材の下面と対向するチャンバの内側の設置面に、プレート部材の下面に設けられた少なくとも2箇所の第2部位とそれぞれ接触可能な対向部をそれぞれ有する複数のストッパ装置を配置することと、チャンバの内側の圧力を調整することと、チャンバの内側の圧力に応じて下面と交差する方向に関する対向部の位置を変化させて、プレート部材の変形を抑えることと、可動部材を用いて基板を露光光で露光することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、上記態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明によれば、ステージ装置の性能の低下を抑制できる。また本発明によれば、露光不良の発生を抑制し、不良デバイスの発生を抑制できる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。そして、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例にして説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と称する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態においては、露光装置EXが、極端紫外(EUV:Extreme Ultra-Violet)光で基板Pを露光するEUV露光装置である場合を例にして説明する。極端紫外光は、例えば波長5〜50nm程度の軟X線領域の電磁波である。以下の説明において、極端紫外光を適宜、EUV光、と称する。一例として、本実施形態では、波長13.5nmのEUV光を露光光ELとして用いる。
図1において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置4とを備えている。基板Pは、半導体ウエハ等の基材の表面に感光材(レジスト)等の膜が形成されたものを含む。マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。
本実施形態において、マスクMは、EUV光を反射可能な多層膜を有する反射型マスクである。露光装置EXは、多層膜でパターンが形成されたマスクMの表面(反射面)を露光光EL(EUV光)で照明し、そのマスクMで反射した露光光ELで感光性を有する基板Pを露光する。
本実施形態の露光装置EXは、露光光ELが進行する空間5を所定状態の環境に設定可能なチャンバ装置6を備えている。チャンバ装置6は、露光光ELが進行する空間5を形成するチャンバ部材7と、空間5の環境を調整する調整装置8とを備える。空間5は、チャンバ部材7の内側の空間である。本実施形態において、チャンバ部材7は、例えばクリーンルームの床面Fに設けられた支持機構7Sに支持されている。支持機構7Sは、防振ユニットを含む。本実施形態において、XY平面内におけるチャンバ部材7の形状は、ほぼ四角形であり、支持機構7Sは、そのチャンバ部材7の底面の4つの隅を支持する。
調整装置8は、チャンバ部材7の内側の圧力、すなわち空間5の圧力を調整することができる。本実施形態において、調整装置8は、真空システムを含み、空間5をほぼ真空状態に調整することができる。制御装置4は、調整装置8を用いて、所定のタイミングで、チャンバ部材7の内側の圧力を調整して、空間5をほぼ真空状態に調整することができる。一例として、本実施形態においては、空間5の圧力は、1×10−4〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。
以下の説明において、チャンバ部材7の内側の空間5を適宜、チャンバ空間5、と称する。本実施形態において、照明光学系ILの少なくとも一部、マスクステージ1、投影光学系PL及び基板ステージ2のそれぞれは、チャンバ部材7の内側のチャンバ空間5に配置される。
照明光学系ILは、光源装置(不図示)からの露光光ELでマスクMを照明する。光源装置は、例えばキセノン(Xe)等のターゲット材料にレーザー光を照射して、そのターゲット材料をプラズマ化し、EUV光を発生させるレーザ生成プラズマ光源装置、所謂、LPP(Laser Produced Prasma)方式の光源装置を含む。なお、光源装置が、所定ガス中で放電を発生させて、その所定ガスをプラズマ化し、EUV光を発生させる放電生成プラズマ光源装置、所謂、DPP(Discharge Produced Prasma)方式の光源装置でもよい。光源装置で発生したEUV光(露光光EL)は、照明光学系ILに入射する。
照明光学系ILは、複数の光学素子を含み、マスクM上の所定の照明領域を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明光学系ILの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
マスクステージ1は、ステージ本体9と、マスクMを保持しながらステージ本体9に対して移動可能なテーブル10とを含む。テーブル10は、ステージ本体9の−Z側に配置されている。ステージ本体9は、X軸、Y軸及びθZ方向の3つの方向に移動可能である。テーブル10は、マスクMを保持した状態で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
本実施形態においては、マスクステージ1は、マスクMの反射面が−Z側を向くように、マスクMを保持する。また、本実施形態においては、マスクステージ1は、マスクMの反射面とXY平面とがほぼ平行となるように、マスクMを保持する。照明光学系ILから射出された露光光ELは、マスクステージ1に保持されているマスクMの反射面に照射される。
マスクステージ1は、マスクステージ駆動装置3の作動によって移動する。マスクステージ駆動装置3は、ステージ本体9を移動可能な、例えばリニアモータを含む粗動用アクチュエータユニット3Aと、ステージ本体9に対してテーブル10を移動可能な、例えばボイスコイルモータ等を含む微動用アクチュエータユニット3Bとを含む。本実施形態においては、マスクステージ1(マスクM)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計を有する干渉計システム(不図示)及びマスクMの反射面の面位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられている。制御装置4は、干渉計システムの計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、マスクステージ駆動装置3を作動し、マスクステージ1に保持されているマスクMの位置制御を行う。
投影光学系PLは、複数の光学素子を含み、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で基板Pに投影する。投影光学系PLの光学素子は、EUV光を反射可能な多層膜を備えた多層膜反射鏡を含む。光学素子の多層膜は、例えばMo/Si多層膜を含む。
次に、図1及び図2を参照しながら、基板ステージ2について説明する。図2は、本実施形態に係る基板ステージ2の一例を示す斜視図である。
図1及び図2において、基板ステージ2は、上面14A及び下面14Bを有するプレート部材14を備えている。プレート部材14の上面14Aは、+Z側を向く面であり、下面14Bは、−Z側を向く面である。本実施形態において、プレート部材14の上面14A及び下面14Bは、XY平面とほぼ平行である。
また、基板ステージ2は、プレート部材14の上面14A側(+Z側)で移動可能な第1ステージ本体11と、プレート部材14の上面14A側で移動可能な第2ステージ本体12と、プレート部材14の上面14A側で、基板Pを保持した状態で移動可能なテーブル13と、プレート部材14の下面14Bを3箇所で支持する支持部15と、プレート部材14の下面14Bの2箇所で接触可能な対向部17を有するストッパ装置18とを備えている。支持部15及びストッパ装置18は、プレート部材14の下面14Bと対向するチャンバ部材7の内側の設置部19に設けられている。本実施形態において、設置部19は、チャンバ部材7の内側に設けられたほぼ平坦な面を含む。
本実施形態においては、基板ステージ2は、基板Pの表面(露光面)が+Z側を向くように、基板Pを保持する。また、本実施形態においては、基板ステージ2は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。投影光学系PLから射出された露光光ELは、基板ステージ2に保持されている基板Pの表面に照射される。
基板ステージ2は、第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13を移動可能な基板ステージ駆動装置20を備えている。基板ステージ駆動装置20は、第1ステージ本体11を移動可能な、例えばリニアモータを含む第1アクチュエータユニット21と、第2ステージ本体12を移動可能な、例えばリニアモータを含む第2アクチュエータユニット22と、テーブル13を移動可能な、例えばボイスコイルモータ等を含む第3アクチュエータユニット23とを含む。
第1ステージ本体11は、Y軸方向に移動可能である。本実施形態において、第1ステージ本体11は、2つ設けられている。第1ステージ本体11がY軸方向に移動するために、プレート部材14の上面14Aには、その第1ステージ本体11のY軸方向の移動をガイドする第1ガイド部材24が設けられている。第1ガイド部材24は、Y軸方向に長い。第1ガイド部材24の両端のそれぞれは、支持部材25に支持されている。支持部材25は、第1ガイド部材24とプレート部材14とが離れるように、第1ガイド部材24を支持する。第1ガイド部材24の両端のそれぞれは、支持部材25に固定されている。支持部材25は、プレート部材14に固定されている。第1ガイド部材24は、プレート部材14に固定された支持部材25に固定されている。
第1ガイド部材24は、2つの第1ステージ本体11に対応するように、2つ設けられている。プレート部材14の上面14Aにおいて、2つの第1ガイド部材24のそれぞれは、Y軸方向に沿って配置されている。また、プレート部材14の上面14Aにおいて、2つの第1ガイド部材24は、X軸方向に所定距離離れて配置されている。
第1アクチュエータユニット21は、第1ガイド部材24に配置されたリニアモータの固定子21Sと、第1ステージ本体11に配置されたリニアモータの可動子21Mとを含む。
本実施形態においては、第1ステージ本体11は、第1ガイド部材24が配置される開口26を有する。第1ステージ本体11は、第1ガイド部材24の周囲に配置される。第1ステージ本体11は、開口26の内側に、第1ガイド部材24の外面と対向する内面を有する。
固定子21Sは、第1ガイド部材24の外面又はその近傍に配置されている。可動子21Mは、第1ステージ本体11の内面又はその近傍に配置されている。第1ステージ本体11は、固定子21S及び可動子21Mを含む第1アクチュエータユニット21の作動によって、第1ガイド部材24にガイドされながら、Y軸方向に移動可能である。
本実施形態においては、第1アクチュエータユニット21の固定子21Sはコイルを含み、可動子21Mは磁石を含む。すなわち、本実施形態の第1アクチュエータユニット21は、所謂、ムービングマグネット方式のリニアモータを含む。なお、第1アクチュエータユニット21として、固定子21Sが磁石を含み、可動子21Mがコイルを含む、所謂、ムービングコイル方式のリニアモータでもよい。
また、本実施形態においては、基板ステージ2は、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間に配置されたガスベアリング27を備えている。ガスベアリング27の作動によって、第1ステージ本体11(可動子21M)は、第1ガイド部材24(固定子21S)に対して、非接触で支持される。
図3は、第1ステージ本体11及び第1ガイド部材24の断面図である。図3に示すように、基板ステージ2は、第1ステージ本体11と第1ガイド部材24とを非接触状態とするガスベアリング27を備えている。本実施形態のガスベアリング27は、差動排気型である。本実施形態のガスベアリング27は、第1ステージ本体11の内面に配置され、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24との間に気体を供給する給気口28と、給気口28に対して第1ステージ本体11の内面の所定位置に配置され、気体を排出する排気口29と、給気口28及び排気口29に対して第1ステージ本体11の内面の所定位置に配置され、気体を吸引する第1吸引口30及び第2吸引口31とを含む。本実施形態において、給気口28は、Y軸方向に関して第1ガイド部材24の外面の少なくとも2箇所に気体を供給するように、Y軸方向に関して第1ステージ本体11の中央に対して一方側(+Y側)及び他方側(−Y側)それぞれの第1ステージ本体11の内面の所定位置に配置されている。
排気口29は、Y軸方向に関して第1ステージ本体11の中央に対して給気口28の外側に配置されている。具体的には、排気口29は、Y軸方向に関して第1ステージ本体11の中央に対して+Y側の給気口28と第1ステージ本体11の+Y側の端部との間、及び−Y側の給気口28と第1ステージ本体11の−Y側の端部との間のそれぞれに配置されている。排気口29は、給気口28の近くに配置されている。本実施形態においては、排気口29は、不図示の排気管を介して、チャンバ部材7の外側の大気空間と接続されている。すなわち、本実施形態においては、排気口29は、大気開放されている。第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間の気体は、排気口29より、不図示の排気管を介して、チャンバ部材7の外側に排出される。
第1吸引口30は、Y軸方向に関して第1ステージ本体11の中央に対して排気口29の外側に配置されている。具体的には、第1吸引口30は、Y軸方向に関して第1ステージ本体11の中央に対して+Y側の排気口29と第1ステージ本体11の+Y側の端部との間、及び−Y側の排気口29と第1ステージ本体11の−Y側の端部との間のそれぞれに配置されている。本実施形態においては、第1吸引口30は、不図示の吸引管を介して、真空システムを含む吸引装置と接続されている。吸引装置は、第1吸引口30を介して、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間の気体を吸引可能である。
第2吸引口31は、Y軸方向に関して第1ステージ本体11の中央に対して第1吸引口30の外側に配置されている。具体的には、第2吸引口31は、Y軸方向に関して第1ステージ本体11の中央に対して+Y側の第1吸引口30と第1ステージ本体11の+Y側の端部との間、及び−Y側の第1吸引口30と第1ステージ本体11の−Y側の端部との間のそれぞれに配置されている。本実施形態においては、第2吸引口31は、不図示の吸引管を介して、真空システムを含む吸引装置と接続されている。吸引装置は、第2吸引口31を介して、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間の気体を吸引可能である。
ガスベアリング27は、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間に所定のギャップを形成するために、給気口28より第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間に気体を供給する。給気口28より第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間に供給された気体の少なくとも一部は、排気口29より排出される。これにより、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間に所定のギャップが形成され、第1ステージ本体11は、第1ガイド部材24に対して、非接触で支持される。また、ガスベアリング27は、第1吸引口30及び第2吸引口31から気体を吸引することによって、例えば第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間の気体が、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間の空間から外側の空間(すなわちチャンバ空間5)に流出することを抑制することができる。すなわち、第1吸引口30及び第2吸引口31を用いる吸引動作によって、ガスベアリング27の給気口28から供給された気体が、チャンバ空間5に流入することが抑制され、チャンバ空間5の真空状態が維持される。
図1及び図2に戻って、第2ステージ本体12は、X軸方向に移動可能である。本実施形態においては、第2ステージ本体12がX軸方向に移動するために、その第2ステージ本体12のX軸方向の移動をガイドする第2ガイド部材32が設けられている。第2ガイド部材32は、X軸方向に長い。第2ガイド部材32の両端のそれぞれは、第1ステージ本体11に接続されている。
第2アクチュエータユニット22は、第2ガイド部材32に配置されたリニアモータの固定子22Sと、第2ステージ本体12に配置されたリニアモータの可動子22Mとを含む。
本実施形態においては、第2ステージ本体12は、第2ガイド部材32が配置される開口33を有する。第2ステージ本体12は、第2ガイド部材32の周囲に配置される。第2ステージ本体12は、開口32の内側に、第2ガイド部材32の外面と対向する内面を有する。
固定子22Sは、第2ガイド部材32の外面又はその近傍に配置されている。可動子22Mは、第2ステージ本体12の内面又はその近傍に配置されている。第2ステージ本体12は、固定子22S及び可動子22Mを含む第2アクチュエータユニット22の作動によって、第2ガイド部材32にガイドされながら、X軸方向に移動可能である。
本実施形態においては、第2アクチュエータユニット22の固定子22Sはコイルを含み、可動子22Mは磁石を含む。すなわち、本実施形態の第2アクチュエータユニット22は、所謂、ムービングマグネット方式のリニアモータを含む。なお、第2アクチュエータユニット22として、固定子22Sが磁石を含み、可動子22Mがコイルを含む、所謂、ムービングコイル方式のリニアモータでもよい。
また、本実施形態においては、基板ステージ2は、第2ステージ本体12の内面と第2ガイド部材32の外面との間に配置されたガスベアリング34を備えている。ガスベアリング34の作動によって、第2ステージ本体12(可動子22M)は、第2ガイド部材32(固定子22S)に対して、非接触で支持される。
第2ステージ本体12の内面と第2ガイド部材32の外面との間に配置されたガスベアリング34は、図3を参照して説明した、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間に配置されたガスベアリング27と同等の構成を有する。ガスベアリング34についての説明は省略する。
テーブル13は、第2ステージ本体12に搭載されている。テーブル13は、基板Pを保持した状態で、第3アクチュエータユニット23の作動によって、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。第3アクチュエータユニット23は、第2ステージ本体12とテーブル13との間に配置されたボイスコイルモータを含む。
第1アクチュエータユニット21の作動によって、第1ステージ本体11がY軸方向に移動すると、その第1ステージ本体11に接続されている第2ガイド部材32及び第2ステージ本体12も、第1ステージ本体11とともに、Y軸方向に移動する。また、2つの第1ステージ本体11の一方の移動量と他方の移動量とを異ならせることによって、第2ガイド部材32及び第2ステージ本体12は、θZ方向に移動(回転)する。また、第2ステージ本体12は、第2アクチュエータユニット22の作動によって、X軸方向に移動する。すなわち、第2ステージ本体12は、第1、第2アクチュエータユニット21、22の作動によって、X軸、Y軸及びθZ方向に移動可能である。また、テーブル13は、第3アクチュエータユニット23の作動によって、第2ステージ本体12上で、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
本実施形態においては、基板ステージ2(基板P)の位置情報を計測可能なレーザ干渉計を有する干渉計システム(不図示)及び基板Pの表面の面位置情報を検出可能なフォーカス・レベリング検出システム(不図示)が設けられている。制御装置4は、レーザ干渉計の計測結果及びフォーカス・レベリング検出システムの検出結果に基づいて、基板ステージ駆動装置20を作動し、基板ステージ2に保持されている基板Pの位置制御を行う。
支持部15は、プレート部材14を3箇所で支持する。本実施形態において、支持部15は、プレート部材14の下面14Bに設けられた3箇所の第1部位B1をそれぞれ支持する。支持部15は、球面軸受を含む。本実施形態においては、球面軸受は、接触式の球面軸受であるが、差動排気型の非接触式の球面軸受でもよい。支持部15は、チャンバ部材7の内側の3箇所に配置されており、プレート部材14は、それら支持部15によって、3点支持される。すなわち、本実施形態においては、支持部15は、プレート部材14を3点で支持する3点支持構造を構築する。
ストッパ装置18は、プレート部材14の下面14Bの2箇所で接触可能な対向部17を有する。本実施形態において、ストッパ装置18は、プレート部材14の下面14Bに設けられた2箇所の第2部位B2と対向部17とをそれぞれ接触可能である。ストッパ装置18は、プレート部材14の変形を抑えるために、プレート部材14の下面14Bの2箇所と対向部17とを接触させる。
本実施形態においては、チャンバ部材7の内側の圧力に応じて、Z軸方向に関する対向部17の位置が変化する。本実施形態においては、ストッパ装置18は、プレート部材14の変形を抑えるために、Z軸方向に関する対向部17の位置を変化させて、プレート部材14の下面14Bの2箇所と対向部17とを接触させる。
プレート部材14の変形は、プレート部材14の上面14Aの平面度の低下を含む。プレート部材14の上面14Aの平面度の低下は、プレート部材14の上面14Aの傾き、歪み等を含む。ストッパ装置18は、プレート部材14の上面14Aがほぼ水平となるように、すなわち上面14AとXY平面とがほぼ平行となるように、Z軸方向に関する対向部17の位置を変化させる。
図4は、本実施形態に係るストッパ装置18の一例を示す側断面図である。図4において、ストッパ装置18は、少なくともZ軸方向に弾性変形可能な、所定圧力の内部空間35を有するベローズ部材36と、ベローズ部材36の上端(+Z側の端)に接続され、プレート部材14の下面14Bと接触可能な対向部17を有する第1部材37と、ベローズ部材36の下端(−Z側の端)に接続された第2部材38とを備える。
本実施形態において、ベローズ部材36は、ステンレス製である。ステンレスは、脱ガス(アウトガス)が少ない。そのため、ベローズ部材36が、チャンバ空間5に与える影響を抑制することができる。また、本実施形態においては、第1部材37及び第2部材38も、ステンレス製である。
第1部材37は、プレート部材14の下面14Bとベローズ部材36の上端との間に配置される。第2部材38は、ベローズ部材36の下端と設置部19との間に配置され、ベローズ部材36を支持する。本実施形態において、第1部材37は、+Z側に突出し、表面が曲面の凸部39を有する。本実施形態において、プレート部材14の下面14Bと接触可能な対向部17は、凸部39の表面(曲面)を含む。対向部17は、プレート部材14の下面14Bと、点接触することができる。
本実施形態においては、ベローズ部材36の内部空間35は、ほぼ密閉されている。本実施形態において、ベローズ部材36は、チャンバ部材7の内側の圧力に応じて、Z軸方向に伸縮する。図4(A)は、ベローズ部材36が縮んだ状態を示す。図4(B)は、ベローズ部材36が伸びた状態を示す。本実施形態においては、第2部材38は、設置部19に設けられており、ベローズ部材36の伸縮に応じて、第1部材37がZ軸方向に移動する。
チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)は、調整装置8によって、所定のタイミングで、例えば1×10−4〔Pa〕程度の減圧雰囲気に調整される。すなわち、チャンバ部材7の内側の圧力が、所定のタイミングで、外側の圧力(クリーンルーム内の圧力)より低くなるように調整される。また、本実施形態においては、ベローズ部材36の内部空間35の圧力は、チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)より高い。すなわち、少なくともチャンバ部材7の内側の圧力が外側の圧力より低くなるように調整された状態において、ベローズ部材36の内部空間35の圧力が、チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)より高くなるように、予め調整されている。本実施形態においては、ベローズ部材36の内部空間35の圧力は、例えばチャンバ部材7の外側の圧力(クリーンルーム内の圧力)とほぼ同じである。本実施形態においては、ベローズ部材36の内部空間35の圧力(チャンバ部材7の外側の圧力)は、ほぼ大気圧である。
例えば、調整装置8の作動によって、チャンバ部材7の内側の圧力が低下された場合、チャンバ部材7の内側の圧力の低下に応じて、図4(B)に示すように、ベローズ部材36がZ軸方向に関して伸びる。これにより、第1部材37の対向部17が、プレート部材14の下面14Bの方向に向かってZ軸方向に沿って移動する。換言すれば、チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)の低下に応じて、ベローズ部材36が伸び、対向部17が、プレート部材14の下面14Bに近付くように移動する。
本実施形態においては、XY平面内において、第1部材37は、ベローズ部材36より大きい。また、XY平面内において、第2部材38は、ベローズ部材36より大きい。第2部材38は、第1部材37の一部に配置された下面37Aと接触可能な上面38Aを有し、上面38Aと下面37Aとを接触させて、第1部材37を支持することができる。図4(A)に示すように、第2部材38は、ベローズ部材36がZ軸方向に縮んで、第1部材37が−Z方向に移動したときに、第1部材37を支持することができる。また、第2部材38は、上面38Aと下面37Aとを接触させることによって、ベローズ部材36の縮みを規制することができる。
図5は、支持部15とストッパ装置18の対向部17とプレート部材14と基板ステージ駆動装置20との位置関係を説明するための模式図である。上述のように、支持部15は、3点支持構造を構築する。本実施形態においては、支持部15に支持されるプレート部材14の下面14Bの第1部位B1は、XY平面内において、プレート部材14の重心Gの周囲に設けられている。また、XY平面内におけるプレート部材14の形状は、ほぼ四角形であり、XY平面内においてY軸方向に長いプレート部材14の2つの辺(+X側の辺、−X側の辺)のうち、+X側の辺の近傍に、2箇所の第1部位B1がY軸方向に配置され、−X側の辺の近傍に、1箇所の第1部位B2がY軸方向に関してほぼ中央に配置されている。
本実施形態においては、仮想線VLによってプレート部材14の下面14Bを、第1部位B1を1箇所含む第1領域AR1と、残りの2箇所を含む第2領域AR2とに分けたとき、ストッパ装置18の対向部17と接触可能な2箇所の第2部位B2が第1領域AR1に配置されるように、プレート部材14と支持部15とストッパ装置18との位置関係が調整されている。仮想線VLは、プレート部材14の重心Gを通り、Y軸とほぼ平行である。
また、本実施形態においては、第2領域AR2に配置される2箇所の第1部位B1と、第1領域AR1に配置される2箇所の第2部位B2とは、仮想線VLに関してほぼ線対称である。
また、本実施形態においては、第1領域AR1において、1箇所の第1部位B1と2箇所の第2部位B2とがほぼ直線SL1上に並ぶように、プレート部材14と支持部15とストッパ装置18との位置関係が調整されている。直線SL1は、Y軸とほぼ平行である。
また、本実施形態においては、プレート部材14の上面14A側において、第1ステージ本体11が直線SL1に沿って移動するように、プレート部材14と支持部15とストッパ装置18と基板ステージ駆動装置20(第1ガイド部材24)との位置関係が調整されている。すなわち、プレート部材14には、第1ステージ本体11が直線SL1に沿って移動するための第1ガイド部材24が設けられており、第1ステージ本体11は、第1ガイド部材24にガイドされながら、直線SL1に沿って移動する。
また、本実施形態においては、第2領域AR2において、2箇所の第1部位B1が、Y軸とほぼ平行な直線SL2上に並ぶように、プレート部材14と支持部15との位置関係が調整されている。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について説明する。
チャンバ部材7の内側に、プレート部材14と、プレート部材14の上面14A側で移動可能な第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13等が配置されるとともに、プレート部材14に設けられた3箇所の第1部位B1のそれぞれが、支持部15で支持される。支持部15は、チャンバ部材7の内側の設置部19に設けられる。
また、プレート部材14に設けられた2箇所の第2部位B2のそれぞれと対向部17とが接触できるように、チャンバ部材17の内側の設置部19の所定位置に、対向部17を有するストッパ装置18が配置される。ストッパ装置18のベローズ部材36の内部空間35は、大気圧に調整されており、ほぼ密閉されている。
図6は、チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)がほぼ大気圧であるときの、基板ステージ2の近傍の状態を示す模式図である。図6に示すように、チャンバ空間5の圧力が大気圧であるとき、チャンバ部材7の内側の圧力と外側の圧力とはほぼ同じであり、チャンバ部材7の内側と外側との圧力差に起因するチャンバ部材7の変形は生じないと考えられる。また、チャンバ部材7の内側の設置部19の変形も生じないと考えられる。チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)がほぼ大気圧である場合において、第1部位B1を支持部15によって支持(3点支持)されているプレート部材14の下面14Bの第2部位B2と、ストッパ装置18の対向部17とは、所定の力で接触する。プレート部材14の下面14Bの第2部位B2とストッパ装置18の対向部17との間に作用する所定の力は、プレート部材14の変形を抑制することができ、プレート部材14の上面14Aをほぼ水平にすることができる力であり、小さい力である。
本実施形態においては、チャンバ空間5の圧力がほぼ大気圧であるときに、第1部位B1を支持部15によって支持されているプレート部材14の下面14Bの第2部位B2とストッパ装置18の対向部17とが所定の力で接触することができるように、ストッパ装置18が予め調整されている。また、チャンバ空間5の圧力がほぼ大気圧であるときに、ストッパ装置18の第1部材37の下面37Aと第2部材38の上面38Aとは接触し、第1部材37は、第2部材38で支持される。本実施形態においては、チャンバ空間5の圧力がほぼ大気圧であるときに、第1部材37と第2部材38とは固定され、ストッパ装置18は、プレート部材14を、硬く支持する。
チャンバ部材7の内側に、プレート部材14、第1ステージ本体11、第2ステージ本体12、テーブル13、支持部15及びストッパ装置18を含む基板ステージ2が配置された後、制御装置4は、調整装置8を用いて、チャンバ空間5の環境を調整する。制御装置4は、調整装置8を用いて、チャンバ部材7の内側の圧力を調整し、チャンバ部材7の内側をほぼ真空状態に調整する。
図7は、チャンバ空間5がほぼ真空状態となるようにチャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)が減圧されたときの、基板ステージ2の近傍の状態を示す模式図である。図7に示すように、チャンバ空間5がほぼ真空状態であるとき、チャンバ部材7の外側の圧力はほぼ大気圧なので、チャンバ部材7の内側と外側との圧力差に起因して、チャンバ部材7の少なくとも一部が変形する可能性がある。例えば、チャンバ部材7の内側の設置部19の少なくとも一部が変形する可能性がある。
設置部19の少なくとも一部の変形によって、プレート部材14の下面14Bと設置部19の少なくとも一部とのZ軸方向に関する距離が変化する可能性がある。例えば、図7に示すように、設置部19がチャンバ部材7の内側に突出するように(チャンバ部材7の外側の空間に対して凹むように)変形した場合、プレート部材14の下面14Bと設置部19のほぼ中央の部分とのZ軸方向に関する距離が短くなる可能性がある。本実施形態においては、プレート部材14は、3点支持構造を構築する3つの支持部15に支持されており、設置部19の変形によって、3つの支持部15のうち、1つの支持部15(第1領域AR1の第1部位B1を支持する支持部15)が、残りの2つの支持部15(第2領域AR2の第1部位B1を支持する支持部15)より、+Z側に移動する可能性がある。第1領域AR1の第1部位B1を支持する支持部15は、設置部19のほぼ中央(本実施形態においてはY軸方向に関してほぼ中央)に配置されている支持部15であって、XY平面内におけるチャンバ部材7の4つの隅に対する距離は、第1領域AR1の第1部位B1を支持する支持部15のほうが、第2領域AR2の第1部位B1を支持する支持部15より長い。
また、設置部19の変形によって、設置部19のほぼ中央の部分とプレート部材14の下面14B(第1部位B1)とのZ軸方向に関する距離が、ストッパ装置18が配置される設置部19の一部分とプレート部材14の下面14B(第2部位B2)とのZ軸方向に関する距離より短くなる可能性がある。
本実施形態においては、チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)が低下し、チャンバ空間5がほぼ真空状態に調整された場合においても、支持部15によって第1部位B1を支持(3点支持)されているプレート部材14の下面14Bの第2部位B2と、ストッパ装置18の対向部17とは、所定の力で接触する。
ストッパ装置18のベローズ部材36の内部空間35の圧力は大気圧であり、チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)が低下すると、ベローズ部材36の内部空間35とその外側のチャンバ空間5との圧力差によって、ベローズ部材36は、Z軸方向に伸びる。ベローズ部材36が伸びることによって、ベローズ部材36の上端に接続されている第1部材37が、プレート部材14の下面14Bの方向(+Z方向)に向かって、Z軸方向に沿って移動する。すなわち、チャンバ空間5の圧力の低下に応じて発生する、ベローズ部材36の内部空間35とその外側のチャンバ空間5との圧力差によって、ストッパ装置18の対向部17がプレート部材14の下面14Bの方向に向かってZ軸方向に沿って移動する。
これにより、設置部19の変形によって、設置部19のほぼ中央の部分とプレート部材14の下面14B(第1部位B1)とのZ軸方向に関する距離が、ストッパ装置18が配置される設置部19の一部分とプレート部材14の下面14B(第2部位B2)とのZ軸方向に関する距離より短くなっても、支持部15によって第1部位B1を支持(3点支持)されているプレート部材14の下面14Bの第2部位B2と、ストッパ装置18の対向部17とは、所定の力で接触することができる。
本実施形態においては、チャンバ空間5がほぼ真空状態のときに、プレート部材14の上面14Aがほぼ水平となるように、プレート部材14、支持部15及びストッパ装置18の位置関係、及びストッパ装置18の構造等が調整されている。
チャンバ空間5が真空状態に調整され、マスクMがマスクステージ1に保持されるとともに、基板Pが基板ステージ2に保持された後、制御装置4は、基板Pの露光処理を開始する。マスクMを露光光ELで照明するために、制御装置4は、光源装置の発光動作を開始する。光源装置の発光動作により光源装置から射出された露光光ELは、照明光学系ILに入射する。照明光学系ILに入射した露光光ELは、その照明光学系ILを進行した後、マスクステージ1に保持されているマスクMに入射する。マスクステージ1に保持されているマスクMは、照明光学系ILからの露光光EL(EUV光)で照明される。マスクMの反射面に照射され、その反射面で反射した露光光ELは、投影光学系PLに入射する。投影光学系PLに入射した露光光ELは、その投影光学系PLを進行した後、基板ステージ2に保持されている基板Pに照射される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、マスクMの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、基板Pの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。露光装置EXは、基板Pのショット領域を投影光学系PLの投影領域に対してY軸方向に移動するとともに、その基板Pのショット領域のY軸方向への移動と同期して、照明光学系ILの照明領域に対してマスクMのパターン形成領域をY軸方向に移動しつつ、マスクMを露光光ELで照明する。これにより、そのマスクMからの露光光ELが基板Pに照射され、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態において、ストッパ装置18は、プレート部材14の変形を抑制する。上述のように、プレート部材14の変形は、プレート部材14の上面14Aの平面度の低下を含み、ストッパ装置18は、プレート部材14の上面14Aがほぼ水平となるように、対向部17の位置を変化させる。
本実施形態においては、ストッパ装置18は、プレート部材14の上面14A側で移動可能な第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13の移動によるプレート部材14の変形を抑えるために、チャンバ部材7の内側の圧力に応じて、対向部17の位置を変化させる。
図8及び図9は、比較例を示す模式図である。図8及び図9は、ストッパ装置18を省略した例を示す模式図であり、プレート部材14は、支持部15で支持(3点支持)されている。図8(A)及び図9(A)は、比較例に係る基板ステージ2Jの平面図、図8(B)及び図9(B)は、図8(A)及び図9(A)の側面図である。例えば図8に示すように、支持部15に支持されているプレート部材14の上面14A側で、第1ステージ本体11が+Y側に移動すると、その第1ステージ本体11の重量(偏荷重)によって、図8(B)に示すように、プレート部材14の上面14Aが傾斜したり、変形したりする可能性がある。すなわち、第1ステージ本体11の移動に伴って、XY平面内においてY軸方向に長いプレート部材14の2つの辺(+X側の辺、−X側の辺)のうち、−X側の辺の近傍においてY軸方向に関してほぼ中央に設けられている1箇所の第1部位B1(第1領域AR1の第1部位B1)を支持する支持部15を支点として、プレート部材14が傾斜(回転)したり、変形したりする可能性が高くなる。同様に、図9に示すように、支持部15に支持されているプレート部材14の上面14A側で、第1ステージ本体11が−Y側に移動すると、図9(B)に示すように、プレート部材14の上面14Aが傾斜(回転)したり、変形したりする可能性がある。
本実施形態においては、プレート部材14の下面14Bの第2部位B2と接触可能な位置に、ストッパ装置18の対向部17が配置されているので、例えば第1ステージ本体11の移動に起因して、プレート部材14が変形しようとしても、ストッパ装置18が対向部17をプレート部材14の下面14Bの第2部位B2に押し当てるように支持するので、プレート部材14の変形を抑制することができる。本実施形態においては、第1領域AR1の第1部位B1に対してY軸方向両側に、ストッパ装置18によって支持される第2部位B2が設けられているので、第1ステージ本体11の移動に伴うプレート部材14の変形を効果的に抑制することができる。
プレート部材14の変形を抑制することによって、第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13等の動作不良の発生を抑制することができる。プレート部材14が変形すると、そのプレート部材14に支持されている、例えば第1ガイド部材24等が変形(捻り変形)する可能性がある。例えば第1ガイド部材24が変形すると、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面とのギャップ(ガスベアリング27の静圧浮上量)が変化し、ガスベアリング27の静圧剛性が低下したり、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間の気体が、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面との間の空間から外側の空間(すなわちチャンバ空間5)に流出したり、第1ステージ本体11の内面と第1ガイド部材24の外面とが接触する現象(所謂、かじり現象)が発生したりする可能性がある。その場合、第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13の少なくとも一つの動作不良が発生し、基板ステージ2の性能が低下する可能性がある。また、第1ガイド部材24に限られず、プレート部材14が変形すると、第2ガイド部材32が変形し、その結果、第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13の少なくとも一つの動作不良が発生し、基板ステージ2の性能が低下する可能性がある。
第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13等の動作不良が発生し、基板ステージ2の性能が低下すると、例えば基板ステージ2の稼動率が低下し、その結果、露光装置EXの稼動率が低下する可能性がある。また、基板ステージ2の性能が低下すると、露光不良が発生する可能性がある。
本実施形態においては、ストッパ装置18によって、プレート部材14の変形を抑制しているので、第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13等の動作不良の発生を抑制することができ、基板ステージ2の性能の低下を抑制することができる。
特に、本実施形態においては、図5を参照して説明したように、ストッパ装置18は、第1ステージ本体11の移動経路である直線SL1に沿って配置されているので、第1ステージ本体11の移動に伴うプレート部材14の変形を効果的に抑制することができる。
そして、本実施形態においては、ストッパ装置18のベローズ部材36が、チャンバ部材7の内側の圧力(チャンバ空間5の圧力)に応じてZ軸方向に伸縮するので、例えばチャンバ空間5の圧力が大気圧でも減圧状態(真空状態)でも、プレート部材14の下面14Bとストッパ装置18の対向部17とを、所定の力で接触させ続けることができる。したがって、チャンバ空間5の圧力が大気圧でも真空状態でも、ストッパ装置18は、プレート部材14の変形を抑制することができる。
また、プレート部材14の下面14Bとストッパ装置18の対向部17との間に作用する力(ストッパ装置18がプレート部材14を押し上げる力)が強すぎると、その力によって、プレート部材14が変形してしまう可能性がある。本実施形態においては、対向部17のZ軸方向の位置を変化させる機構として、チャンバ空間5に対する圧力差を利用して伸縮するベローズ部材36を用いているので、チャンバ空間5の圧力が大気圧でも真空状態でも、プレート部材14の下面14Bとストッパ装置18の対向部17とを、所定の力(ほぼ一定の力)で接触させ続けることができる。なお、上述したように、所定の力は、プレート部材14の変形を抑制することができ、プレート部材14の上面14Aをほぼ水平にすることができる小さい力である。
このように、本実施形態のストッパ装置18は、プレート部材14の上面14Aの変形を抑えるために(プレート部材14の上面14Aをほぼ水平にするために)、プレート部材14の下面14Bと対向部17とが所定の力で接触し続けるように、チャンバ部材7の内側の圧力に応じて、対向部17の位置を変化させる。したがって、プレート部材14の変形に起因する第1ステージ本体11、第2ステージ本体12及びテーブル13等、プレート部材14の上面14A側で移動可能な部材の動作不良の発生を抑制することができる。また、ストッパ装置18は、チャンバ部材7(設置部19)の変位(変形)がプレート部材14に伝わることを抑制しつつ、プレート部材14の変形を抑制することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、チャンバ部材7の内側の圧力に応じて、Z軸方向に関する対向部17の位置を変化させるストッパ装置18を設けたので、チャンバ部材7の内側の圧力が変化した場合でも、プレート部材14と対向部17とを所定の力で接触させ続けることができる。したがって、プレート部材14の変形を抑制することができ、基板ステージ2の性能の低下を抑制することができる。したがって、その基板ステージ2を用いる基板Pの露光を良好に行うことができ、露光不良の発生、不良デバイスの発生等を抑制できる。
また、本実施形態によれば、チャンバ空間5の圧力が低下することによって、対向部17のZ軸方向の位置が自動的(受動的)に変化する。したがって、例えばプレート部材14の下面14Bと対向部17とが離れてしまう状況の発生を、簡易な構成で抑制することができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第2実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図10は、第2実施形態に係るストッパ装置18Bを示す図である。上述の実施形態と同様、ストッパ装置18Bは、内部空間35を有するベローズ部材36と、ベローズ部材36の上端(+Z側の端)に接続され、プレート部材14の下面14Bと接触可能な対向部17を有する第1部材37と、ベローズ部材36の下端(−Z側の端)に接続された第2部材38とを備えている。第2部材38は、上面38Aと下面37Aとを接触させることによって、ベローズ部材36の縮みを規制することができる。
また、本実施形態のストッパ装置18Bは、ベローズ部材36の伸びを規制する第3部材40を備えている。第3部材40は、凸部39の周囲に配置された第1部材37の上面41と接触可能である。第3部材40は、ベローズ部材36がZ軸方向に伸びて、第1部材37が+Z方向に移動したときに、第1部材37の上面41と接触することができる。第3部材40は、第3部材40の下面42と第1部材37の上面41とを接触させることによって、ベローズ部材36の伸びを規制することができる。
また、本実施形態においては、基板ステージ2は、ベローズ部材36の内部空間35の圧力を調整する圧力調整装置43を備えている。圧力調整装置43は、気体供給装置及び気体回収装置を含み、チューブによって形成される流路44を介して、ベローズ部材36の内部空間35と接続されている。圧力調整装置43は、流路44を介して、ベローズ部材36の内部空間35に気体を供給したり、あるいは気体を回収したりすることで、その内部空間35の圧力を調整することができる。圧力調整装置43は、内部空間35の圧力を調整することによって、ベローズ部材36をZ軸方向に伸縮させることができ、そのベローズ部材36の上端に接続されている第1部材37の対向部17のZ軸方向の位置を変化させることができる。また、圧力調整装置43は、内部空間35の圧力を調整して、ベローズ部材36の伸縮量を調整することによって、対向部17のZ軸方向の位置を調整することができる。なお、本実施形態においては、圧力調整装置43は、チャンバ部材7の外側に配置されている。また、図10には、1つのストッパ装置18Bを模式的に図示してあるが、上述の実施形態と同様、ストッパ装置18Bは、プレート部材14の下面14Bの2箇所の第2部位B2とそれぞれ接触可能に配置されている。
図11は、本実施形態に係るプレート部材14を上方(+Z側)から見た平面図である。図11に示すように、本実施形態において、基板ステージ2は、プレート部材14の上面14Aの傾斜を検出する傾斜センサ45を備えている。傾斜センサ45は、XY平面に対する上面14Aの傾斜を検出可能である。傾斜センサ45は、プレート部材14の上面14Aの複数の所定位置にそれぞれ配置されている。傾斜センサ45それぞれの検出結果は、制御装置4に出力される。制御装置4は、複数の傾斜センサ45の検出結果に基づいて、プレート部材14の上面14Aの傾き、変形等を含む、上面14Aの平面度情報を取得することができる。
次に、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例について説明する。
チャンバ部材7の内側に、プレート部材14、第1ステージ本体11、第2ステージ本体12、テーブル13、支持部15及びストッパ装置18Bを含む基板ステージ2が配置された後、制御装置4は、調整装置8を用いて、チャンバ部材7の内側の圧力を調整し、チャンバ空間5をほぼ真空状態に調整する。
チャンバ部材7の内側の圧力が低下すると、上述の実施形態で説明したように、チャンバ部材7の内側と外側との圧力差に起因して、設置部19のほぼ中央の部分が、チャンバ部材7の内側に突出するように変形し、その設置部19の変形によって、設置部19のほぼ中央の部分とプレート部材14の下面14B(第1部位B1)とのZ軸方向に関する距離が、ストッパ装置18が配置される設置部19の一部分とプレート部材14の下面14B(第2部位B2)とのZ軸方向に関する距離より短くなる可能性がある。
本実施形態においては、制御装置4は、支持部15によって第1部位B1を支持(3点支持)されているプレート部材14の下面14Bの第2部位B2と、ストッパ装置18Bの対向部17とが所定の力で接触し続けるように、圧力調整装置43を用いて、ベローズ部材36の内部空間35の圧力を調整する。上述のように、ベローズ部材36の内部空間35の圧力を調整することによって、対向部17のZ軸方向の位置を調整することができる。したがって、制御装置4は、プレート部材14の下面14Bの第2部位B2とストッパ装置18Bの対向部17とを所定の力で接触させ続け、プレート部材14の変形を抑制することができる。
また、本実施形態においては、制御装置4は、プレート部材14の上面14Aがほぼ水平になるように、傾斜センサ45の検出結果をモニタしつつ、圧力調整装置43を用いるベローズ部材36の内部空間35の圧力調整動作を実行する。すなわち、制御装置4は、傾斜センサ45の検出結果に基づいて、プレート部材14の上面14Aがほぼ水平になるように、圧力調整装置43を用いて、2つのストッパ装置18Bそれぞれのベローズ部材36の内部空間35の圧力を調整して、対向部17のZ軸方向の位置を調整する。これにより、プレート部材14の変形を抑制し、プレート部材14の上面14Aをほぼ水平にすることができる。
そして、プレート部材14の変形を抑制するための処理が終了した後、基板Pの露光処理が開始される。プレート部材14は、支持部15及びストッパ装置18Bに支持されているので、例えば第1ステージ本体11がプレート部材14の上面14A側で移動しても、その第1ステージ本体11の移動に伴うプレート部材14の変形は抑制される。
以上説明したように、本実施形態においても、プレート部材14の変形を抑制し、基板ステージ2の性能の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第3部材40が配置されているので、例えば内部空間35の圧力が高まって、ベローズ部材36が過剰に伸びようとしても、ベローズ部材36の伸びを規制し、対向部17の移動を規制することができる。したがって、プレート部材14の下面14Bとストッパ装置18Bの対向部17との間に作用する力が過剰に大きくなることを抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第3実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、第3実施形態に係るストッパ装置18Cを備えた基板ステージ2を示す図である。本実施形態のストッパ装置18Cは、対向部17をZ軸方向に移動可能なアクチュエータ46を有する。アクチュエータ46として、例えばピエゾアクチュエータ、ボイスコイルモータ等を用いることができる。
アクチュエータ46は、制御装置4によって制御される。制御装置4は、プレート部材14の変形を抑制するために、アクチュエータ46を作動して、対向部17のZ軸方向に関する位置を調整して、プレート部材14の下面14Bの第2部位B2とストッパ装置18Cの対向部17とを、所定の力で接触させ続けることができる。これにより、例えばチャンバ部材7の内側の圧力が低下しても、プレート部材14の変形を抑制し、基板ステージ2の性能の低下を抑制することができる。
また、上述の第2実施形態と同様、本実施形態においては、プレート部材14の上面14Aに、その上面14Aの傾斜を検出する傾斜センサ45が配置されている。制御装置4は、傾斜センサ45の検出結果に基づいて、プレート部材14の上面14Aがほぼ水平になるように、アクチュエータ46を用いて、2つのストッパ装置18Cそれぞれの対向部17をZ軸方向に移動して、その対向部17のZ軸方向の位置を調整する。これにより、プレート部材14の変形を抑制し、プレート部材14の上面14Aをほぼ水平にすることができる。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第4実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、第4実施形態に係る、支持部15とストッパ装置18の対向部17とプレート部材14との位置関係を説明するための模式図である。図13に示すように、プレート部材14の重心Gを通る仮想線VLによってプレート部材14の下面14Bを、第1部位B1を1箇所含む第1領域AR1と残りの2箇所を含む第2領域AR2とに分けたとき、2箇所の第2部位B2が、第1領域AR1に配置されている。
本実施形態においては、第1領域AR1において、1箇所の第1部位B1と2箇所の第2部位B2とは、直線SL1上に並んでいない。
支持部15とストッパ装置18の対向部17とプレート部材14との位置関係を、図13に示す位置関係にした場合でも、プレート部材14の変形を抑制でき、基板ステージ2の性能の低下を抑制することができる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第5実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、第5実施形態に係る、支持部15とストッパ装置18の対向部17とプレート部材14との位置関係を説明するための模式図である。図14に示すように、仮想線VLによってプレート部材14の下面14Bを、第1部位B1を1箇所含む第1領域AR1と残りの2箇所を含む第2領域AR2とに分けたとき、2箇所の第2部位B2が、第1領域AR1に配置されている。
第1領域AR1において、1箇所の第1部位B1と2箇所の第2部位B2とは、直線SL1上に並んでいる。
本実施形態において、第1領域AR1と第2領域AR2とを分ける仮想線VLは、プレート部材14の重心Gを通らない。
支持部15とストッパ装置18の対向部17とプレート部材14との位置関係を、図14に示す位置関係にした場合でも、プレート部材14の変形を抑制でき、基板ステージ2の性能の低下を抑制することができる。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
次に、第6実施形態について説明する。上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図15は、第6実施形態に係る、支持部15とストッパ装置18の対向部17とプレート部材14との位置関係を説明するための模式図である。図15に示すように、仮想線VLによってプレート部材14の下面14Bを、第1部位B1を1箇所含む第1領域AR1と残りの2箇所を含む第2領域AR2とに分けたとき、2箇所の第2部位B2が、第1領域AR1に配置されている。
第1領域AR1において、1箇所の第1部位B1と2箇所の第2部位B2とは、直線SL1上に並んでいる。
第1領域AR1と第2領域AR2とを分ける仮想線VLは、プレート部材14の重心Gを通る。
本実施形態においては、第2領域AR2にも、第2部位B2が配置され、その第2部位B2と接触可能なストッパ装置18が設けられる。
第2領域AR2において、2箇所の第1部位B2と1箇所の第2部位B2とは、直線SL2上に並んでいる。
このように、第2領域AR2にも、第2部位B2を設けることができる。また、図15に示すように、第2部位AR2がプレート部材14の下面14Bの3箇所に設けられていてもよい。
なお、上述の各実施形態において、第2部位AR2は、2箇所又は3箇所に限られず、4箇所以上の任意の複数箇所に設けられてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、チャンバ部材7の内側がほぼ真空状態になるまで、チャンバ部材7の内側の圧力を外側の圧力より低くする場合を例にして説明したが、真空状態でなくてもよい。また、上述の各実施形態においては、チャンバ部材7の外側の圧力がほぼ大気圧である場合を例にして説明したが、大気圧でなくでもよい。チャンバ部材7の外側の圧力は、大気圧より低い圧力でもよいし、高い圧力でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、チャンバ部材7の内側の圧力を外側の圧力より低くする場合を例にして説明したが、チャンバ部材7の内側の圧力を外側の圧力より高くしてもよい。その場合、例えば設置部19のほぼ中央が、チャンバ部材7の外側に突出するように(チャンバ部材7の内側の空間に対して凹むように)変形する可能性がある。このような場合でも、上述の各実施形態で説明したストッパ装置18(18B、18C)は、チャンバ部材7の内側の圧力に応じて、プレート部材14の下面14Bと対向部17とを所定の力で接触させ続けることによって、プレート部材14の変形を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、露光光ELがEUV光である場合を例にして説明したが、露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等を用いることもできる。その場合、チャンバ空間5は必ずしも真空状態に調整される必要はなく、例えばチャンバ空間5を所定のガスで満たすことができる。
なお、上記各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6400441号明細書、米国特許第6549269号明細書、米国特許第6590634号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。
更に、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載した計測ステージとを備えた露光装置にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態は、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上記各実施形態において、干渉計システムを用いてマスクステージ1及び基板ステージ2の各位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。この場合、干渉計システムとエンコーダシステムとの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り換えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
以上のように、本願実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図16に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、前述した実施形態に従って、マスクのパターンを基板に露光し、露光した基板を現像する基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の実施形態においては、本発明に係るステージ装置が、露光光ELが照射される基板Pを保持しながら移動可能な基板ステージ2である場合を例にして説明したが、マスクMを保持しながら移動可能なマスクステージ1に適用することもできる。
また、上述の各実施形態においては、本発明のステージ装置が、基板Pに露光光ELを照射してパターンを生成する露光装置に適用される場合を例にして説明したが、本発明のステージ装置は、基板上にパターンを形成する種々のパターン形成装置に適用可能である。そのようなパターン形成装置としては、例えばインクの滴を基板上に吐出することによってその基板上にパターンを形成するインクジェット装置、凹凸パターンが形成された原版と有機材料が塗布された基板とを基板のガラス転移温度以上に加熱しながら押し当て、その後、原版と基板とを離すとともに基板を冷却して基板上に原版のパターンを転写するナノインプリント装置などが挙げられる。これらの装置に基板を保持するステージ装置が設けられ、そのステージ装置がチャンバの内側に配置されている場合には、本発明のステージ装置を適用することによって、パターンを良好に形成することができる。
なお、法令で許容される限りにおいて、上記各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
なお、上述のように本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した全ての構成要素を適宜組み合わせて用いる事が可能であり、また、一部の構成要素を用いない場合もある。
1…マスクステージ、2…基板ステージ、4…制御装置、5…チャンバ空間、6…チャンバ装置、7…チャンバ部材、8…調整装置、11…第1ステージ本体、12…第2ステージ本体、13…テーブル、14…プレート部材、14A…上面、14B…下面、15…支持部、17…対向部、18…ストッパ装置、19…設置部、35…内部空間、36…ベローズ部材、37…第1部材、38…第2部材、40…第3部材、43…圧力調整装置、45…傾斜センサ、46…アクチュエータ、AR1…第1領域、AR2…第2領域、B1…第1部位、B2…第2部位、EX…露光装置、M…マスク、P…基板、VL…仮想線
Claims (22)
- チャンバの内側に配置されるステージ装置であって、
プレート部材と、
前記プレート部材の上面側で移動可能な可動部材と、
前記プレート部材を3箇所で支持する支持部と、
前記プレート部材の下面と対向する前記チャンバの内側の設置部に設けられ、前記プレート部材の下面の少なくとも2箇所で接触可能な対向部を有するストッパ装置と、を備え、
前記チャンバの内側の圧力に応じて、前記下面と交差する方向に関する前記対向部の位置が変化するステージ装置。 - 前記チャンバの内側の圧力が外側の圧力より低くなるように調整され、
前記チャンバの内側の圧力の低下に応じて、前記対向部が前記プレート部材の前記下面の方向に向かって前記交差する方向に沿って移動する請求項1記載のステージ装置。 - 前記プレート部材の上面がほぼ水平となるように、前記対向部の位置が変化する請求項1又は2記載のステージ装置。
- 前記ストッパ装置は、少なくとも前記交差する方向に弾性変形可能な、所定圧力の内部空間を有する変形部材を有する請求項1〜3のいずれか一項記載のステージ装置。
- 前記変形部材は、前記チャンバの内側の圧力に応じて、前記交差する方向に伸縮する請求項4記載のステージ装置。
- 前記内部空間の圧力は、前記チャンバの内側の圧力より高い請求項5記載のステージ装置。
- 前記ストッパ装置は、前記変形部材の伸縮を規制する規制部材を備える請求項5又は6記載のステージ装置。
- 前記内部空間の圧力を調整する圧力調整装置を備える請求項4〜7のいずれか一項記載のステージ装置。
- 前記プレート部材の上面の傾斜を検出する傾斜センサを備え、
前記圧力調整装置は、前記傾斜センサの検出結果に基づいて、前記内部空間の圧力を調整する請求項8記載のステージ装置。 - 前記ストッパ装置は、前記対向部を移動可能なアクチュエータを有する請求項1〜3のいずれか一項記載のステージ装置。
- 前記プレート部材の上面の傾斜を検出する傾斜センサを備え、
前記アクチュエータは、前記傾斜センサの検出結果に基づいて、前記対向部を移動する請求項10記載のステージ装置。 - チャンバの内側に配置されるステージ装置であって、
プレート部材と、
前記プレート部材の上面側で移動可能な可動部材と、
前記プレート部材を3箇所で支持する支持部と、
前記プレート部材の下面と対向する前記チャンバの内側の設置部に設けられ、前記プレート部材の変形を抑えるために、前記プレート部材の下面の少なくとも2箇所で接触可能なストッパ装置と、を備え、
前記ストッパ装置は、前記チャンバの内側の圧力に応じて、前記プレート部材の下面と交差する方向に伸縮する、所定圧力の内部空間を有する伸縮部材と、
前記プレート部材の前記下面と前記伸縮部材の上端との間に配置され、前記伸縮部材の伸縮に応じて移動する、前記プレート部材の前記下面と接触可能な対向部材と、を有するステージ装置。 - 前記支持部は、前記プレート部材の下面の3箇所の第1部位を支持し、前記ストッパ装置は、前記プレート部材の下面の少なくとも2箇所の第2部位と接触可能であり、
仮想線によって前記プレート部材の前記下面を、前記第1部位を1箇所含む第1領域と残りの2箇所を含む第2領域とに分けたとき、少なくとも2箇所の前記第2部位が、前記第1領域に配置される請求項1〜12のいずれか一項記載のステージ装置。 - 前記第2領域に配置される2箇所の前記第1部位と、前記第1領域に配置される2箇所の前記第2部位とは、前記仮想線に関してほぼ線対称である請求項13記載のステージ装置。
- 前記仮想線は、前記プレート部材の重心を通る請求項13又は14記載のステージ装置。
- 前記第1領域において、1箇所の前記第1部位と2箇所の前記第2部位とがほぼ直線上に並ぶ請求項13〜15のいずれか一項記載のステージ装置。
- 前記プレート部材には、前記可動部材が前記直線に沿って移動するための案内部が設けられている請求項16記載のステージ装置。
- 前記第2領域にも前記第2部位が配置される請求項13〜17のいずれか一項記載のステージ装置。
- 露光光で基板を露光する露光装置であって、
請求項1〜18のいずれか一項記載のステージ装置を含む露光装置。 - 請求項19記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
前記露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。 - 基板を露光光で露光する露光方法であって、
チャンバの内側に、プレート部材と、前記プレート部材の上面側で移動可能な可動部材とを配置することと、
前記プレート部材に設けられた3箇所の第1部位をそれぞれ支持することと、
前記プレート部材の下面と対向する前記チャンバの内側の設置面に、前記プレート部材の前記下面に設けられた少なくとも2箇所の第2部位とそれぞれ接触可能な対向部をそれぞれ有する複数のストッパ装置を配置することと、
前記チャンバの内側の圧力を調整することと、
前記チャンバの内側の圧力に応じて前記下面と交差する方向に関する前記対向部の位置を変化させて、前記プレート部材の変形を抑えることと、
前記可動部材を用いて前記基板を露光光で露光することと、を含む露光方法。 - 請求項21記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
前記露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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