JP2009075712A - 偽造防止用icラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ラベルに内蔵された非接触ICインレット部を剥がそうとすると、破壊されて使い回すことができないようなアンテナを持ち、かつ、高いセキュリティ機能を有することで高精度な真贋判定を行うことができるようなラベル基材を持つ偽造防止用ICラベルを提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも、ラベル基材(1)と、電磁波を受信するアンテナ(6)及びICチップ(4)からなる非接触ICインレット部(11)と、被貼付体(21)に接着する接着層(7)とが設けられた偽造防止用ICラベルにおいて、前記非接触ICインレット部(11)のアンテナ(6)がラベル基材(1)の一方の面に離型性層(16)を介して設けられ、さらに該離型性層(16)及び該アンテナ(6)を覆う状態で接着層(7)が設けられたことを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
【選択図】図1

Description

本発明は、商品やその包装物に貼り付けて使用する偽造防止用ICラベルに関するものであり、非接触ICインレット部、およびラベルの取り替え等による偽造・変造を防止する技術に関する。
近年、高級酒などの比較的高価な商品や電化製品の消耗品など、偽造されては困る物品などにおいては、それらの真贋を判定するために、商品本体やそれを包装したケース等に封印ラベルを貼り付けることが行われている。
そこで、高いセキュリティ機能を有する非接触ICインレット部を搭載することで、偽造防止機能を持つ封印ラベル等が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特に、固有の識別情報が記憶されたICチップを埋め込むことで、個々の判別が可能となる。
以下に先行技術文献を示す。
特開2003−150924号公報
しかしながら、上記のような非接触ICインレット部に用いられるアンテナは、通常、ポリイミドやポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)など強靭な基材上にアルミニウムや銅をエッチングで設けることから、アンテナを破壊することは難しく、非接触ICインレット部を取り出して容易に使い回すことができてしまう。
また、一方で、上記のような封印ラベルでは、カラーコピーなどの手段によって封印ラベル自体を容易に偽造することができることから、正規物品に貼り付けられていた封印ラベルから非接触ICインレット部のみを取り外し、偽造した封印ラベルにその取り外した非接触ICインレット部を貼り付けることによって、非接触ICインレット部を容易に使い回すことができてしまうという問題がある。そのため、真贋判定の精度が低下してしまう。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、ラベルに内蔵された非接触ICインレット部を剥がそうとすると、破壊されて使い回すことができないようなアンテナを持ち、かつ、高いセキュリティ機能を有することで高精度な真贋判定を行うことができるようなラベル基材を持つ偽造防止用ICラベルを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、ラベル基材(1)と、電磁波を受信するアンテナ(6)及びICチップ(4)からなる非接触ICインレット部(11)と、被貼付体(21)に接着する接着層(7)とが設けられた偽造防止用ICラベルにおいて、前記非接触ICインレット部(11)のアンテナ(6)がラベル基材(1)の一方の面に離型性層(16)を介して設けられ、さらに該離型性層(16)及び該アンテナ(6)を覆う状態で接着層(7)が設けられたことを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ICチップ(4)が前記アンテナ(6)の所定の位置に異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電性フィルム(ACF)、非導電性ペースト(NCP)、超音波(USB)のいずれかにより、接合して設けられたことを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記アンテナ(6)は、銀、銅、ニッケル、導電性カーボン、金属粒子のいずれかの粒子を樹脂バインダー中に分散した導電性ペーストで形成されたことを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ラベル基材(1)は易破壊性を有する材質からなることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ラベル基材(1)の少なくとも一部にスリット、切込みを設けたことを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ラベル基材(1)のアンテナ(6)接着面とは反対面に剥離溶剤に溶解する溶剤発色層(2)、または、該剥離溶剤と化学反応する溶剤発色層(2)のいずれか一方が設けられていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項6記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ラベル基材(1)の溶剤発色層(2)上にマーク・文字・パターン等の印刷層(3)が設けられていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記接着層(7)は、JIS Z0237により粘着力が8000mN/25mm以上30000mN/25mm以下であることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ICチップ(4)にはユニークなIDが格納され該識別情報は、個々のICチップ内に固有な値であることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項10に係る発明は、請求項9記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記識別情報が被貼付体(21)を管理する管理情報と紐付けられていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項11に係る発明は、請求項1乃至10のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ICチップ(4)は読み取り専用メモリーを有していること、また前記識別情報が前記読み取り専用メモリーに格納されていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項12に係る発明は、請求項7乃至11のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ラベル基材(1)の印刷層(3)上の少なくとも一部に目視、あるいは機械検知可能なセキュリティ機能層(8)が設けられていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項13に係る発明は、請求項12記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記セキュリティ機能層(8)は、該セキュリティ機能層(8)と入射光源、および観察者の視点の位置関係に応じて色調が変化するOVD機能材料、もしくは、特定波長の電磁波で励起し、異なった波長の電磁波を返す蛍光材料や蓄光材料、もしくは、特定パターンで偏光性を持たせ、特定偏光を取り出すことでパターン化する液晶材料のいずれか少なくとも1つ以上の材料から形成されていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項14に係る発明は、請求項9乃至13のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記ラベル基材(1)の印刷層(3)上の少なくとも一部領域に光学的に読み取り可能な光学識別情報を有するナンバリング印字部(10)が設けられ、前記識別情報と前記光学識別情報との少なくとも一部が互いに対応付けられていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明の請求項15に係る発明は、請求項14記載の偽造防止用ICラベルにおいて、前記セキュリティ機能層(8)と前記ナンバリング印字部(10)とが、前記ラベル基材(1)の印刷層(3)上の同一面の少なくともそれぞれの一部領域に形成されていることを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
本発明によれば、ラベルに内蔵された非接触ICインレット部を構成するアンテナを導電性ペーストの印刷層からなるものにし、かつ、ラベル基材を易破壊性にすることで、脆弱なアンテナになるので、この非接触ICインレット部を故意に剥がして取り替えようとすると、アンテナが破壊、もしくは剥離されて、取り替え等による不正使用を不可能にすることができる。また同時に、ラベル基材に複製を防止するためのセキュリティ機能層を設けることで、ラベルの使い回しによる不正使用を不可能にすることができる。さらにナンバリング印字部を同一平面上に設けることにより、写真的なコピーの防止にも役立つ。
本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る偽造防止用ICラベルの1実施例を示す説明図であって、剥離シートとともに示す側断面図であり、図2は本発明に係る偽造防止用ICラベルの1実施例を説明する平面図であり、図3は本発明に係る偽造防止用ICラベルのその他の実施例を示す説明図であって、剥離シートとともに示す側断面図であり、図4は本発明に係る偽造防止用ICラベルのその他の実施例を説明する平面図であり、図5は非接触ICインレット部をラベル基材に対して傾斜させて設けた偽造防止用ICラベルを被貼付体に貼り付けた様子を示す説明図である。
本発明に係る1実施例の偽造防止用ICラベルは、図1に示すように、少なくとも、ラベル基材(1)と、電磁波を受信するアンテナ(6)及びICチップ(4)からなる非接触ICインレット部(11)と、被貼付体(21)に接着する接着層(7)とが設けられた偽造防止用ICラベルにおいて、前記非接触ICインレット部(11)のアンテナ(6)がラベル基材(1)の一方の面に離型性層(16)を介して設けられ、さらに該離型性層(16)及び該アンテナ(6)を覆う状態で接着層(7)が設けられたことを特徴とする偽造防止用ICラベルである。
前記非接触ICインレット部(11)は、ラベル基材(1)上に離型性層(16)を設け、銀などの導電性ペーストの印刷により形成されたアンテナ(6)と、そのアンテナ(6)の所定位置に搭載され、アンテナ(6)に電気的な接合部(5)を介して接続されたICチップ(4)とを備えている。
前記離型性層(16)は、ラベル基材(1)からアンテナ(6)を容易に剥離、もしくは破壊する機能層でアンテナ(6)の全面、或いは部分的に設けても良い。使用される材料としては、シロキサン系、フッ素系の添加剤やシリコーン樹脂やテフロン(登録商標)、ポリエチレンワックス等の離型剤をアクリル樹脂やポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等に添加あるいは分散させ、コーティング法、オフセット印刷やシルク印刷にて設けることができる。
アンテナ(6)は、導電性ペーストを印刷によって形成している。この導電性ペーストによる導電性材料としては、銀系が好ましく、バインダーの樹脂、溶剤、銀粉を含みそれらの接触により導電性を得る蒸発乾燥型の銀ペーストがあげられる。ただし、導電性材料としては、銀系に限らず、銅、ニッケルなどの金属粉末、導電性カーボン粉末、導電性繊維、導電性ウィスカーなどをバインダーとともに溶媒に溶解または分散したものも使用できる。
アンテナ(6)は、例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの印刷方法で印刷して形成することができる。また、導電性のインキをプリンタでプリントすることも可能である。
ICチップ(4)は、正方形状に形成されており、その辺部の長さ寸法が0.5mm、高さ寸法が0.1mmとされている。なお、辺部の長さ寸法は、0.5mmに代えて、適宜変更可能である。この場合、辺部の長さ寸法を、0.05mmから0.5mmの範囲とすることが好ましい。下限である0.05mmは、物理的に回路形成可能な最小サイズである。また、ICチップ(4)の形状は、例えば長方形状などのように、適宜変更可能である。この場合も、辺部(長辺部)の長さ寸法を0.05mmから0.5mmの範囲とすることが好ましい。なお、このような寸法のチップは、例えば、幅0.4mm、奥行き0.4mm、高さ0.1mm程度という寸法にて、(株)日立製作所のミューチップ(TM)で既に実現されており、技術的にそのようなICチップを量産製造できることは周知となっている。
アンテナ(6)とICチップ(4)とは、電気的な接合部(5)を介して接続している。電気的な接合部(5)としては、異方性導電ペースト(ACP)などのような金属粒子と接着剤バインダーから構成され、熱・圧力条件下における接着剤バインダーの硬化により電気的接続が実現されるものなどが使用される。
例えば、前記アンテナ(6)の所定の位置に異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電性フィルム(ACF)、非導電性ペースト(NCP)、超音波(USB)を用いてICチップ(4)を接合して設けることが好ましい。
本実施形態におけるラベル基材(1)は、脆性(脆弱性)を有している。すなわち、ラベル基材(1)は、脆性を有するプラスチックフィルムや紙等によって形成されている。
ラベル基材(1)の材質としては、例えば、カオリン、炭酸カルシウムなどの可塑剤を適量混合して脆質化した脆性塩化ビニル、脆性ポリエステルなどの合成樹脂フィルムや、又は、セルロースアセテート、低密度ポリエチレン、ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイドなどの高結晶性プラスチック素材を溶液成膜により形成したフィルムなどがあげられる。その他の材質として、UV硬化法合成樹脂又はカオリン、炭酸カルシウムなどの粉体を適量混合したUV硬化型合成樹脂を用い、その樹脂薄膜をUV照射により硬化乾燥させて成膜したフィルムなどがあげられる。また、合成繊維での不織布、又は、アート紙、コート紙、上質紙などの用紙があげられる。
これにより、被貼付体(21)に貼り付けられた偽造防止用ICラベル(20)を無理に剥がそうとすると、ラベル基材(1)を破断させることができ、偽造防止効果を奏することができる。
また、ラベル基材(1)をさらに破断し易くするためにスリット、切り込みを設ける。例えば、図2に示すように、ラベル基材(1)に、スリット(12、13、14、15)が形成されている。なお、スリット(12、13、14、15)の形状は、必要に応じて適宜変更可能であり、直線的でも曲線でもよい。さらに、アンテナ(6)にも一定間隔にスリット(15)を設けることにより、該ICラベル(20)を剥がすとき、アンテナ(6)も同時にさらに破断し易くすることができる。これにより、スリットを起点としてラベル基材(1)及びアンテナ(6)が切断され、完全に非接触ICインレット部(11)を有する偽造防止用ICラベルとしての機能を破壊することができる。
さらに、本実施形態におけるラベル基材(1)のアンテナ(6)接着面とは反対面に剥離溶剤に溶解する溶剤発色層(溶剤検出部)(2)、または、該剥離溶剤と化学反応する溶剤発色層(2)のいずれか一方が設けられている。
接着層(7)の粘着材は、有機溶剤に対し可溶性を示す。偽造防止用ICラベル(20)の剥離を試みる場合、溶解性の弱い有機溶剤(エチルアルコールや除光液として用いられるアセトンなど)や市販のシールはがし液等を用いて、被貼付体(21)から破損せずに剥がそうとすると、溶剤発色層(2)に分散状態で保持した染料が溶解し、ラベル基材(1)に発色として痕跡が残る。すなわち、溶剤発色層(2)は、溶剤発色機能を有するものである。
本発明で使用する染料粒子は、水不溶性でかつ有機溶剤に可溶性であれば何れでも使用できるが、ロイコ染料や蛍光増白剤などの染料が使用できる。
なお、偽造する側としては、溶剤で剥がす行為以外にドライヤなどの熱で接着層(7)の粘着材を軟化させて、偽造防止用ICラベル(20)を剥がすことが想定される。この場合、上記の染料だけでは溶融する温度までに至らず効果が不十分である。そこで、このロイコ染料と熱刺激によってロイコ染料と結合する顕色剤を合わせて分散させることにより、熱刺激に対してはサーマル発色材料を使用することができる。この場合、溶剤発色層(2)は、サーマル発色機能を有するものである。サーマル発色の場合、ロイコ染料は通常無色か淡色の材料が使用され、サーマルで反応した際に色調として顕在化するのが適している。なお、溶剤発色層(2)は、溶剤発色機能又はサーマル発色機能の少なくとも一方の機能を有していればよい。
また、前記ラベル基材(1)の溶剤発色層(2)上にマーク・文字・パターン等の印刷層(3)を設けることができる。例えば、スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷などの印刷方法を使用し、印刷インキとしては、それぞれの印刷方式に適合した印刷インキを用いることが必要であるが、特に前記溶剤発色層(2)に含まれる染料などの着色剤等を阻害しない印刷インキ材料や印刷・乾燥方式などを選択する必要が要求される。例えば、溶剤を必要としないUV印刷方式、もしくは出来る限り、溶剤の少ないインキの選択などが考えられる。
さらに、本実施形態における接着層(8)の粘着力は、JIS Z0237により、8000mN/25mmに設定されている。ここで、偽造防止用ラベルにおいて、非接触ICインレット部(11)を被覆した接着層(8)には、被貼付体(21)からラベル基材(1)を剥がそうとした際に、ラベル基材(1)が破断するようにするために、ラベル基材(1)の破断力よりも被貼付体(21)と接着層(8)との粘着力を強くする必要がある。
したがって、接着層(8)には、JIS Z0237により、粘着力が、8000mN/25mm以上30000mN/25mm以下の強度を持つ材料を選定する。接着層(8)の粘着力はラベル基材(1)の破断強度より大きいことが望まれるが、実際の剥離作業においてスリット等で脆弱化したラベル基材(1)は8000mN/25mm程度の粘着力があれば剥離の痕跡を残すことができる。
次に、前記ラベル基材(1)の前記印刷層(3)の少なくとも一部に目視、あるいは機械検知可能なセキュリティ機能層(セキュリティ機能部)(8)を設けることができる。
前記セキュリティ機能層(8)は、該セキュリティ機能層(8)と入射光源、および観察者の視点の位置関係に応じて色調が変化するOVD機能材料、もしくは、特定波長の電磁波で励起し、異なった波長の電磁波を返す蛍光材料や蓄光材料、もしくは、特定パターンで偏光性を持たせ、特定偏光を取り出すことでパターン化する液晶材料のいずれか少なくとも1つ以上の材料から形成されている。
該セキュリティ機能層(8)としては、目視により、又は簡単な機器を用いることにより、真偽判定が可能な材料を用いることが好ましい。このような材料として、例えば、(1)OVD機能材料、(2)蛍光材料、もしくは蓄光材料、又は(3)液晶材料などがあげられる。すなわち、セキュリティ機能層(8)は、(1)OVD機能材料、(2)蛍光材料、もしくは蓄光材料、又は(3)液晶材料の少なくともいずれか一つの材料からなっている。
以下では、(1)OVD機能材料、(2)蛍光材料、もしくは蓄光材料、又は(3)液晶材料について、順に説明する。
まず、(1)OVD機能材料について説明する。OVD(Optical Variable Device)とは、光の干渉を利用した画像であり、立体画像の表現や見る角度により色が変化するカラーシフトを生じる表示体であって、目視により真偽判定が可能な媒体である。その中でホログラムや回折格子などのようなOVDとしては、光の干渉縞を微細な凹凸パターンとして平面に記録するレリーフ型や、体積方向に干渉縞を記録する体積型が挙げられる。また、ホログラムや回折格子とは手法が異なるが、光学特性の異なるセラミックスや金属材料の薄膜を積層した多層膜方式や、或いは液晶材料等による見る角度により色の変化(カラーシフト)を生じる材料もその例である。これらOVDは、立体画像やカラーシフトといった独特な印象を与え、また高度な製造技術を要することから、偽造防止の有効な手段と言える。
これらOVDの中でも量産性やコストを考慮した場合には、レリーフ型ホログラム(又はレリーフ型回折格子)や多層薄膜方式のものが好ましく、一般にこれらのOVDが広く利用されている。まず、レリーフ型ホログラムについて述べる。このレリーフ型ホログラム又はレリーフ型回折格子は、それぞれホログラム又は回折格子を成す微細な凹凸パターンからなるレリーフ型のプレス版を用いて量産を行なう。すなわち、このプレス版でOVD形成層を加熱・加圧して、微細な凹凸パターンを複製する。
OVD形成層は、その回折効率を高めるためのものであり、レリーフ面を構成する高分子材料とは屈折率の異なる材料からなる。用いる材料としては、屈折率の異なるTiO2、Si23、SiO、Fe23、ZnS、などの高屈折率材料や、より反射効果の高いAl、Sn、Cr、Ni、Cu、Au等の金属材料が挙げられ、これらの材料が単独あるい
は積層して使用される。これらの材料は真空蒸着法、スパッタリング等の公知の薄膜形成技術にて形成され、その膜厚は用途によって異なるが、0.5〜100nm程度で形成される。 なお、ホログラムは非接触ICインレット部(11)の通信に影響を及ぼすことがないように、金属蒸着の部分を特定するか、又は非金属蒸着材料による透明ホログラムを用いることが望ましい。
さらに、多層薄膜方式について述べる。多層薄膜方式を用いる場合、前述したように、OVD形成層は、異なる光学適性を有する多層薄膜層からなり、金属薄膜、セラミックス薄膜又はそれらを併設してなる複合薄膜として積層形成される。例えば、屈折率の異なる薄膜を積層する場合、高屈折率の薄膜と低屈折率の薄膜を組み合わせても良く、また特定の組み合わせを交互に積層するようにしてもよい。それらの組み合わせにより、所望の多層薄膜を得ることができる。
この多層薄膜層は、セラミックスや金属などの材料が用いられ、おおよそ2つ以上の高屈折率材料と屈折率が1.5程度の低屈折率材料を所定の膜厚で積層したものである。以下に、用いられる材料の例を挙げる。先ず、セラミックスとしては、Sb23(3.0=屈折率n:以下同じ)、Fe23(2.7)、TiO2(2.6)、CdS(2.6)、CeO2(2.3)、ZnS(2.3)、PbCl2(2.3)、CdO(2.2)、Sb23(2.0)、WO3(2.0)、SiO(2.0)、Si23(2.5)、In23(2.0)、PbO(2.6)、Ta23(2.4)、ZnO(2.1)、ZrO2(2.0)、MgO(1.6)、SiO2(1.5)、MgF2(1.4)、CeF3(1.6)、CaF2(1.3〜1.4)、AlF3(1.6)、Al23(1.6)、GaO(1.7)等がある。
そして、金属単体又は合金の薄膜としては、例えば、Al、Fe、Mg、Zn、Au、Ag、Cr、Ni、Cu、Si等が挙げられる。また、低屈折率の有機ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン(1.51)、ポリプロピレン(1.49)、ポリテトラフロロエチレン(1.35)、ポリメチルメタアクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.60)等が挙げられる。
これらの高屈折率材料、又は30%〜60%透過の金属薄膜から少なくとも一種を選択し、低屈折率材料から少なくとも一種選択し、所定の厚さで交互に積層させることにより、特定の波長の可視光に対する吸収又は反射を示すようになる。なお、金属から構成される薄膜は、構成材料の状態や形成条件などにより、屈折率などの光学特性が変わってくるため、本願では一定の条件における値を示している。
上記した各材料から屈折率、反射率、透過率等の光学特性や耐候性、層間密着性などに基づき適宜選択され、薄膜として積層され多層薄膜層を形成する。形成方法は公知の手法を用いることができ、膜厚、成膜速度、積層数、あるいは光学膜厚(=n・d、n:屈折率、d:膜厚)などの制御が可能な、通常の真空蒸着法、スパッタリング法にて形成される。 これらOVDを非常に薄い箔状にして、ラベル基材(1)の印刷層(3)上の少なくとも1部に転写するか、又は該ラベル基材(1)に漉き込むか、又は微細化したOVD箔を樹脂バインダー中に分散してインキ化し印刷するかによって、偽造防止ICラベル(20)を剥がして再利用することが不可能になる。
次いで、(2)蛍光材料又は蓄光材料について説明する。蛍光材料又は蓄光材料として、管理がされているインキ、又は入手が困難な特殊なインキを、ラベル基材(1)の印刷層(3)上に印刷法によって設けることで、目視によって、又は簡易検証器を用いることによって真贋判定が可能となる。例えば、光学的な効果をもたらすものとしては、紫外線や赤外光を照射すると発光するインキや蛍光インキ、蛍光繊維などを印刷したり、紙に漉き込んだりする手法があげられる。
描かれた文字やパターンの画像が、ブラックランプ(紫外線)又は赤外線(780nm以上)の照射により発光する。その結果、本来、可視光線(400〜700nm)下で検知されなかった画像が、目視又は受光素子を通じて検証することが可能となり、特に材料限定の特定波長を返すため、簡易検証器での検証が容易で確実となる。蛍光発色部に用いられる材料は、紫外線又は赤外線の照射により色調パターンが変化するものであり、インキ樹脂中に分散する場合、屈折率が当該インキ樹脂と同一又は近似する無色透明のものが好ましい。
また、蛍光材料又は蓄光材料として、蛍光体がある。蛍光体には、紫外線発光蛍光体及び赤外線発光蛍光体があり、以下にはその例を挙げる。紫外線蛍光体は紫外線を照射することにより、可視波長領域の光を発光するもので、例えばCa253Cl:Eu2+、CaWO4、ZnO:Zn2SiO4:Mn、Y22S:Eu、ZnS:Ag、YVO4:Eu、Y33:Eu、Gd22S:Tb、La22S:Tb、Y3Al512:Ce等がある。これら蛍光体の添加量は、ブラックライトを照射した際の発光が目視で碓認できるか、又は検出器の受光素子にて蛍光が検知可能となるようにする。
なお、これらの特殊なインキをラベル基材(1)の表面上に印刷するか、又はラベル基材(1)内に漉き込むか、又はその際に全体を星型など特殊な形状にすることで、さらに偽造防止効果が得られると期待できる。
また、赤外線発光蛍光体は、赤外線を照射することにより、可視波長領域の光を発光するものと、赤外波長領域の光を発光するものとがある。前者のものとして、例えばYF3:YB、Er、ZnS:CuCo等がある。また後者のものとして、例えばLiNd0.9Yb0.1412、LiBi0.2Nd0.7Yb0.1412、Nd0・9Yb0.1Nd5(MoO4)4、NaNb0.3Yb0.1P4O12、Nd0.8Yb0.2Na5(W04)4、Nd0.8Yb0.2Na5(Mo0.5WO0.5)4、Ce0.05Gd0.05Nd0.75Yb0.25Na5(W0.7Mo0.34)4、Nd0.3Yb0.1Al3(BO34、Nd0・9Yb0.1Al2.7Cr0.3(BO3)4、Nd0.45O4、Nd0.8Yb0.23(PO42等がある。後者のものは、赤外線の波長800nm近辺の光を照射することにより、980nm〜1020nmに発光スペクトルのピークを有する赤外線を発光する。インキ中の赤外線発光蛍光体の添加量は、発光が目視で確認できるか、又は検出器の受光素子が蛍光を検出可能となるようにする。
次いで、(3)液晶材料について説明する。液晶材料としては、例えばコレステリック液晶が挙げられる。コレステリック液晶は、螺旋状に配向する液晶で、特定の波長の右又は左の円偏光を反射する偏光分離能を持つ。反射する波長は、螺旋周期のピッチにより決まり、また、円偏光の左右は、螺旋の方向によって決まる。通常の観察光では偏光の左右光が混在しているため画像の確認は出来ないが、偏光フィルタをかざすことによって偏光の一方のみを取り出すことが出来、画像として認識できるものである。つまり、潜像技術と言われるものであり、コレステリック液晶は、反射光が角度により反射波長が変化すため、一見、カラーシフトインキとして用いられ、カモフラージュすることができる。なお、液晶材料としては、コレステリック液晶に限定されるものではなく同様の効果を発揮するものであればよい。
次に、図3および図4に示すように、印刷層(3)の表面に、光学的に読み取り可能な光学識別ID(光学識別情報)が刻印されたナンバリング印字部(光学識別部)(10)が設けられている。ナンバリング印字部(10)は、レーザー刻印などによって形成されるものであり、印刷インキをレーザー照射により飛ばして、その印刷インキを削ることによって文字などを形成するものである。そのため、光学識別IDの改ざん防止効果を向上
させることができる。このような光学識別IDとしては、目視も可能な例として単純な英数字などがあり、機械的な読取りの例として1次元バーコード、2次元バーコード、電子透かし等の技術により識別IDが重畳された任意の画像、ドットや記号の配列、等がある。
このような光学識別IDは、ICチップ(4)に記録された識別IDと以下のように関連を持たせることができる。すなわち、データベース上での光学識別IDと、ICチップ(4)の識別IDとの関連付けとして、ICチップ(4)の識別IDから光学識別IDをデータ変換で生成し、光学識別IDからICチップ(4)の識別IDをデータ変換で生成する。データ変換の例として、CRCやハッシュなどを含む関数変換、対称暗号化、非対称暗号化、などを用いることが出来る。このような光学識別IDを用いた場合、目視又は光学的読取装置により、簡便に偽造防止用ICラベル(20)の真正性を確認することの出来る効果がある。
このような光学識別IDを、セキュリティ機能層(セキュリティ機能部)(8)が設けられたラベル基材(1)の印刷層(3)の表面に印刷することにより、すなわち、ナンバリング印字部(10)とセキュリティ機能層(8)とをラベル基材(1)の同一面に設けることにより、偽造防止用ICラベル(20)の写真的なコピーを防止する事の出来る効果がある。
このように、ラベル基材(1)として脆弱なプラスチックフィルムや紙等を用い、さらにその1部にスリット、切込みを設け、印刷されたアンテナ(6)を設けてなる偽造防止用ICラベル(20)を用いることにより、被貼付体(21)に貼り付けた偽造防止用ICラベル(20)を剥離しようとすると、簡単にアンテナ(6)が破壊され、さら離型性層(16)からラベル基材(1)とアンテナ(6)を剥離破壊することができ、ICチップ(4)からの情報読み出しが正常に行われなくなり、偽造防止用ICラベル(20)の破壊や剥離を試みようとした履歴を残すことが可能となる。また同時に、アンテナ(6)が破壊されるために非接触ICインレット部(11)の使い回しによる偽造を不可能にすることが可能である。
また、接着層(8)の表面には、容易に剥離できるような剥離シート(9)が仮粘着されている。剥離シート(9)としては、紙製又はプラスチック製のシートにシリコン樹脂などの離型剤層(図示せず)がコーティングなどによって積層されているセパレータが用いられる。
以上により、本実施形態における偽造防止用ICラベル(20)によれば、ラベル内の非接触ICインレット部(11)がラベル基材(1)に印刷等によりアンテナ(6)が形成されていることから、剥離・不正時に容易にアンテナ(6)が破断して、さらに離型性層(16)からラベル基材(1)とアンテナ(6)を剥離破壊することができ、ICチップ(4)からの情報読み出しが不可能になる。さらに、ラベル基材(1)にスリット(12、13、14、15)を設けることにより、よりアンテナ(6)を含めた非接触ICインレット部(11)が破断しやすくすることができる。
また、偽造防止用ICラベル(20)をカラーコピーなどにより複製しようとしても、セキュリティ機能層(8)が設けられていることから、オリジナルとまったく同じものを複製することを防止することができる。そのため、カラーコピー機による偽造・改ざん・変造をはじめ不正行為を防止することができ、また特殊な光を与えることで検証をより確実かつ迅速に行なうこともできる。さらには、受光素子を用いることで機械による判定も可能となる。
また、ICチップ(4)に識別IDが記憶されていることから、個々の偽造防止用ICラベル(20)を判別することができる。
そのため、偽造防止用ICラベル(20)の電気的な確認と、セキュリティ機能層(8)による視覚的な確認との二重のセキュリティ管理を行うことができ、高精度な真贋判定を行うことができる。さらに、セキュリティ管理だけでなく、ICチップ(4)に各種情報を記憶しておくことにより、物流などのトレーサビリティもでき、貴重品、個人情報などの厳重な管理も可能となる。
また、ラベル基材(1)自体が脆性を有していることから、被貼付体(21)に貼り付けられたラベル基材(1)を引き剥がそうとした場合、その引き剥がそうとする力により、ラベル基材(1)は容易に破断する。そのため、ラベル基材(1)の形態をそのまま維持しながら、そのラベル基材(1)を剥がすことを防止することができる。
また、接着層(7)の粘着力が、8000mN/25mm以上に設定されていることから、被貼付体(21)に貼り付けられたラベル基材(1)を引き剥がそうとした場合に、ラベル基材(1)を確実に破断させることができ、かつ、非接触ICインレット部(11)をも破壊させることができる。
さらに、ラベル基材(1)にスリット(12、13、14、15)が設けられていることから、ラベル基材(1)を引き剥がそうとした場合に、ラベル基材(1)を確実に破断させることができる。
また、ラベル基材(1)に溶剤発色層(2)が設けられていることから、溶剤や市販のシールはがし液等を用いてラベルを被貼付体(21)から破損せずに剥がそうとすると、ラベル基材(1)が発色し、その痕跡を残すことができる。
以上のように、ラベル内の非接触ICインレット部(11)がラベル基材(1)と一体であるため、ラベルからICチップ(4)を取り出すことが不可能になる。かつ、またラベル基材(1)自体にも脆性を持たせ、セキュリティ機能を持たせることにより、ラベル基材(1)の回収も不可能となる。これにより、非接触ICインレット部(11)もラベル基材(1)も取り出して使い回すことは不可能となり、偽造・変造を確実に防止することができる。
本発明を、具体的な実施例をあげて詳細に説明する。
<実施例1>
アート紙からなるラベル基材に、溶剤発色性のインキを塗布した。その上に、オフセット印刷により絵柄を印刷した。さらに、紫外線にて発光する蛍光インキをセキュリティ機能層として印刷した。一方、他面にアクリル樹脂にテフロン(登録商標)パウダーを分散させ離型効果をもたせた離型性層を設け、この上層に銀ペーストをスクリーン印刷(350メッシュ)にて印刷し、アンテナを該ラベル基材に対して傾斜させて印刷した。このアンテナに0.4mm角のICチップの端子をACP(異方導電性ペースト)により接合し、紙ベースの非接触ICインレット部を得た。得られた該ICインレット部は、ICリーダー・ライターで読み取りが可能であった。
上記ラベル基材層に12000mN/25mmの粘着力を持つアクリル系の粘着剤を塗布し、クラフト紙の片面にポリエチレンをラミネートし、その上にシリコン処理を施したセパレータ(厚さ112μm)を仮粘着した。さらに、周囲、および各角部やアンテナ設
置部分にスリットを設け偽造防止用ICラベルAを作製した。
<実施例2>
前記実施例1と同様のラベル基材層の上にオフセット印刷により絵柄を印刷、さらに波長780nmの赤外線を照射することによって発色する特殊なインキを印刷して、二重のセキュリティ機能層を形成した。また、アクリル樹脂にポリエチレンワックスを分散させ離型効果をもたせた離型性層をアンテナを設ける部分にパターンで設けた。これ以外は実施例1の材料および構成として、偽造防止用ICラベルBを作製した。
以下に、本発明の比較例について説明する。
<比較例1>
厚さ38μmのPETフィルムの上に、アルミニウム薄膜のアンテナをエッチングにて形成し、前記実施例1のラベル基材に先の非接触ICインレット部を実装した。また、ラベル基材上に絵柄を印刷した。その際、ラベル基材の周囲にのみスリットを設け、セキュリティ機能層のないICラベルCを作製した。
<比較例2>
前記PETフィルムベースの非接触ICインレット部の周囲に4mm間隔にスリットを入れた。脆弱性のフィルム基材に絵柄を印刷し、他方の面に前記のPETフィルムベースの非接触ICインレット部を積層形成した。その上に接着強度の弱い8000mN/25mm未満の粘着力を持つ接着層を設け、ICラベルDを作製した。
このようにして作製した、実施例1、2及び比較例1、2の偽造防止用ICラベルA、B、並びにICラベルC、Dを、図5に示すように、商品が内蔵されたボックス(21)に貼り付けた。その後、偽造防止用ICラベルA、B、並びにICラベルC、Dをボックス(21)から慎重に剥がした。
実施例1及び2の偽造防止用ICラベルA、Bでは、4種類のスリットを起点にして、ラベル基材が切断され、同時に、離型性層から印刷されたアンテナは容易に剥離破壊され、完全に非接触ICインレット部を有する偽造防止用ラベルとしての機能を破壊することができた。特に、偽造防止用ICラベルBは離型性層のパターンでアンテナが破壊され効果が大きかった。さらに、偽造防止用ICラベルA、Bを溶剤を用いてボックス(21)から剥がしたところ、ラベル基材自体が溶剤により発色して、その痕跡をはっきり確認することができた。また、非接触ICインレット部のみ抜き取ったラベル基材はカラーコピーして、スリットも真正物と同様に入れたが、セキュリティ機能層が無く偽造品として確認できた。実施例2の偽造防止用ICラベルBでは、赤外光ランプを照射することにより印刷を確認することができ、非常に類似した偽造品、複製品との判別が可能であった。
それに対し、比較用の比較例1及び2のICラベルC、Dでは、勢いよく剥がした際には、スリットや接着強度の違いからラベル基材の破断が期待できるが、慎重に剥がした際にはラベルは破断しなかった。特に、強靭なPETフィルムベースのアンテナの破断は困難であった。ICラベルDのように非接触ICインレット部自体にスリットを入れても破断は難しかった。また、溶剤等を用いることによって、容易にボックス(21)から剥がすことができた。そして剥がしたICラベルC、Dを他のボックス(21)に再び貼りつけて、再利用することもできた。さらに、図柄をカラーコピーすることで類似品を容易に作製することもできた。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る偽造防止用ICラベルの1実施例を示す説明図であって、剥離シートとともに示す側断面図である。 本発明に係る偽造防止用ICラベルの1実施例を説明する平面図である。 本発明に係る偽造防止用ICラベルのその他の実施例を示す説明図であって、剥離シートとともに示す側断面図である。 本発明に係る偽造防止用ICラベルのその他の実施例を説明する平面図である。 非接触ICインレット部をラベル基材に対して傾斜させて設けた偽造防止用ICラベルを被貼付体に貼り付けた様子を示す説明図である。
符号の説明
1・・・ラベル基材
2・・・溶剤発色層(溶剤検出部)
3・・・印刷層
4・・・ICチップ
5・・・接合部
6・・・アンテナ
7・・・接着層(粘着剤)
8・・・セキュリティ機能層(セキュリティ機能部)
9・・・剥離シート
10・・・ナンバリング印字部(光学識別部)
11・・・非接触ICインレット部
12・・・スリット
13・・・スリット
14・・・スリット
15・・・スリット
16・・・離型性層
20・・・偽造防止用ICラベル
21・・・被貼付体

Claims (15)

  1. 少なくとも、ラベル基材と、電磁波を受信するアンテナ及びICチップからなる非接触ICインレット部と、被貼付体に接着する接着層とが設けられた偽造防止用ICラベルにおいて、前記非接触ICインレット部のアンテナがラベル基材の一方の面に離型性層を介して設けられ、さらに該離型性層及び該アンテナを覆う状態で接着層が設けられたことを特徴とする偽造防止用ICラベル。
  2. 前記ICチップが前記アンテナの所定の位置に異方性導電ペースト(ACP)、異方性導電性フィルム(ACF)、非導電性ペースト(NCP)、超音波(USB)のいずれかにより、接合して設けられたことを特徴とする請求項1記載の偽造防止用ICラベル。
  3. 前記アンテナは、銀、銅、ニッケル、導電性カーボン、金属粒子のいずれかの粒子を樹脂バインダー中に分散した導電性ペーストで形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の偽造防止用ICラベル。
  4. 前記ラベル基材は易破壊性を有する材質からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  5. 前記ラベル基材の少なくとも一部にスリット、切込みを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  6. 前記ラベル基材のアンテナ接着面とは反対面に剥離溶剤に溶解する溶剤発色層、または、該剥離溶剤と化学反応する溶剤発色層のいずれか一方が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  7. 前記ラベル基材の溶剤発色層上にマーク・文字・パターン等の印刷層が設けられていることを特徴とする請求項6記載の偽造防止用ICラベル。
  8. 前記接着層は、JIS Z0237により粘着力が8000mN/25mm以上30000mN/25mm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  9. 前記ICチップにはユニークなIDが格納され該識別情報は、個々のICチップ内に固有な値であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  10. 前記識別情報が被貼付体を管理する管理情報と紐付けられていることを特徴とする請求項9記載の偽造防止用ICラベル。
  11. 前記ICチップは読み取り専用メモリーを有していること、また前記識別情報が前記読み取り専用メモリーに格納されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  12. 前記ラベル基材の印刷層上の少なくとも一部に目視、あるいは機械検知可能なセキュリティ機能層が設けられていることを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  13. 前記セキュリティ機能層は、該セキュリティ機能層と入射光源、および観察者の視点の位置関係に応じて色調が変化するOVD機能材料、もしくは、特定波長の電磁波で励起し
    、異なった波長の電磁波を返す蛍光材料や蓄光材料、もしくは、特定パターンで偏光性を持たせ、特定偏光を取り出すことでパターン化する液晶材料のいずれか少なくとも1つ以上の材料から形成されていることを特徴とする請求項12記載の偽造防止用ICラベル。
  14. 前記ラベル基材の印刷層上の少なくとも一部領域に光学的に読み取り可能な光学識別情報を有するナンバリング印字部が設けられ、前記識別情報と前記光学識別情報との少なくとも一部が互いに対応付けられていることを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1項記載の偽造防止用ICラベル。
  15. 前記セキュリティ機能層と前記ナンバリング印字部とが、前記ラベル基材の印刷層上の同一面の少なくともそれぞれの一部領域に形成されていることを特徴とする請求項14記載の偽造防止用ICラベル。
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