JP2009072605A - 音響レンズ組成物、超音波プローブおよび超音波診断装置 - Google Patents

音響レンズ組成物、超音波プローブおよび超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】生体を対象とする超音波診断装置への適用においてその要求特性を満たす音響レンズ組成物を提供する。
【解決手段】バッキング材5とバッキング材上に設けられ、圧電体1とこの圧電体がバッキング材と対向する第1面及びこの第1の面と反対側の第2面に形成される一対の電極2、3とを有する圧電素子4と圧電素子の電極面上に設けられる音響整合層6、および音響整合層上に設けられ、シリコーンゴム40wt%以上と酸化イッテルビウム粉末12〜56wt%とを含む音響レンズ7を備える超音波プローブ。
【選択図】図1

Description

本発明は、音響レンズ組成物、超音波プローブおよび超音波診断装置に関する。
超音波プローブは、例えば魚群探知器や生体を対象とした超音波診断装置などに用いられている。これらの超音波プローブには、超音波ビームを収束させて分解能を向上させるために音響レンズが用いられている。
特に、生体を対象とする超音波診断装置、つまり医用超音波診断装置の超音波プローブに組込まれる音響レンズは、生体との密着性をよくするために凸面形状にすることが望まれている。また、前記音響レンズは主には次の6つの特性を満たすことが望まれている。
(1)音響レンズは、生体と間で超音波の反射を最小にすることが望まれている。このため、音響レンズはその音響インピーダンス(AI=音速×密度)が生体の音響インピーダンスである1.53MRaylsに近似する材料から作られることが望まれている。
(2)音響レンズは、超音波を高感度で送受信することが望まれている。このため、音響レンズは使用周波数において減衰率が小さい材料から作られることが望まれている。
(3)音響レンズは、凸面形状にするためにその音速が生体内の音速(約1500m/s)以下の材料から作られることが望まれている。特に、音響レンズの曲率半径は音響レンズの音速と生体内の音速の関係から求められ、音響レンズの音速を生体内の音速に比べて小さい材料から作ることによって、音響レンズの曲率半径を大きくできる。その結果、音響レンズの厚さを薄くすることが可能になる。
(4)音響レンズは、成型性に優れ、特に引き裂き強度が大きい材料から作られることが望まれている。すなわち中心周波数が2〜13MHz程度の超音波プローブに用いられる音響レンズは0.5〜1.5mm程度の厚さを有する。この音響レンズを精度の高い凸面形状に成型するには、ゴム系材料が良好な流動性を有することが望まれる。特に、中心周波数が7MHzを越える超音波プローブでは、音響レンズの厚さを1.0mm以下に薄くするために優れた成型性を持つゴム系材料が望まれる。さらに、最近では複雑なキャップ型等の形状の音響レンズが多用されるに従い、成型性のみならず引き裂き強度の高いゴム系材料が望まれている。
(5)音響レンズは、添加物を含む構成材料が生体に対して安全であることが望まれている。また、音響レンズは音響カップリングゲルまたは消毒薬として一般的に用いられるグリセリン水溶液、エチルアルコール、オリーブオイル、ひまし油などに対しても化学的、物理的に安定な材料から作られることが望まれている。
(6)音響レンズは、使用時において生体に相当の圧力で押し当てられる。この場合、音響レンズのゴム硬度が不足すると、音響レンズの変形が起こり、焦点がずれて得られた画質が低下する。このため、音響レンズはヂュロメータA硬度で50度以上の硬さを有する材料から作られることが望まれている。
なお、音響レンズの減衰特性は、前記(2)の減衰率のみならず、減衰率と音速との積により大きく関与する。このため、音響レンズは性能指数(FOM :Figure of Merit)を考慮した材料から作られることが望まれている。性能指数は、同一の音響インピーダンスの場合にはより低い方が好ましい。
従来の音響レンズは、シリコーンゴムにシリカ粉末を配合したゴム系材料から作られている。
また、特許文献1には無添加のシリコーンゴムに特定粒径の酸化チタン粉末を特定量配合した音響レンズが開示されている。
特許文献2には、シリコーンゴムコンパウンドと、特定粒径のアルミナ粉末および酸化チタン粉末と、ナイロンのような融点が80℃以上の熱可塑性樹脂とからなる音響レンズ用組成物が開示されている。
特許文献3には、シリコン系ゴムとブタジエンゴムの混合物に酸化亜鉛を加硫助剤として添加した音響レンズが開示されている。
しかしながら、シリコーンゴムにシリカ粉末を添加した組成物の音響レンズにおいて、その音響インピーダンスを生体の音響インピーダンスである1.53MRaylsに近づけるにはシリカ粉末の添加量を増大させることが必要である。すなわち、シリカ粉末の密度は約2.2g/cm3であり、音響レンズ全体の密度を約1.4〜1.6g/cm3にするためには、平均粒径が15〜30nm程度と微細で比表面積の大きなシリカ粉末を重量で約40〜50wt%程度、体積で24〜32vol%程度配合する必要がある。その結果、前記量のシリカ粉末をシリコーンゴムへの練り込むことが困難になるばかりか、練り込み後の脱泡も困難となる。その上、音響レンズの成型においてシリコーンゴムの流動性が低下するため、割れ、ポアなどが生じ易くなる。さらに、音響レンズの引き裂き強度も低下する。一方、このようなシリカ粉末の添加によるシリコーンゴムに対する減衰率は比較的小さいものの、前記(3)の音速が約1000m/s以上となる。その結果、音響レンズの減衰率が例え小さくても、厚さを薄くできないため、前述した性能指数(減衰率×音速)が低下し、減衰が大きくなる。また、
特許文献1および特許文献2に記載の音響レンズにおいて、添加する酸化チタン粉末、アルミナ粉末はシリカ粉末に比べて音速を下げる効果を有する。しかしながら、これらの音響レンズの音響インピーダンスを生体の音響インピーダンスである1.53MRaylsに近づけるにはシリカ粉末と同様にシリコーンゴムに対する酸化チタン、アルミナの添加量を増大させることが必要である。その結果、このような音響レンズは前記(2)の減衰率が増加するのみならず、前記(4)の成型性も低下する。
さらに、特許文献3に記載の音響レンズはシリコーン系ゴムとブタジエン系ゴムとの混合物を含むために、音響カップリング材として用いられるオリーブオイルやひまし油などに対して膨潤が生じ、長期の信頼性が低下する。
特公平1−34396号公報 特公平5−9039号公報 特開平8−615号公報
本発明は、生体を対象とする超音波診断装置への適用において前記(1)〜(6)の特性を満たす音響レンズ組成物、音響レンズが組込まれた超音波プローブおよび超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によると、シリコーンゴム40wt%以上と、酸化イッテルビウム粉末12〜56wt%とを含む音響レンズ組成物が提供される。
本発明の第2の態様によると、バッキング材;
前記バッキング材上に設けられ、圧電体とこの圧電体が前記バッキング材と対向する第1面及びこの第1の面と反対側の第2面に形成される一対の電極とを有する圧電素子;
前記圧電素子の前記電極面上に設けられる音響整合層;および
前記音響整合層上に設けられ、シリコーンゴム40wt%以上と酸化イッテルビウム粉末12〜56wt%とを含む音響レンズ;
を備える超音波プローブが提供される。
本発明の第3の態様によると、前記超音波プローブ;
スクリーンを有する超音波診断装置本体;および
前記超音波プローブと超音波診断装置本体とを接続するケーブル;
を備える超音波診断装置が提供される。
本発明は、生体を対象とする超音波診断装置への適用において前記(1)〜(6)の特性を満たす音響レンズ組成物、音響レンズが組込まれた超音波プローブおよび超音波診断装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る音響レンズ組成物は、シリコーンゴム40wt%以上と酸化亜鉛(ZnO)粉末15〜60wt%とを含有する。
前記シリコーンゴムは、分子骨格としてSi−O結合であるシロキサン結合を持つ材料であり、例えばジメチルポリシロキサンを主成分とするもの等を用いることができる。シリコーンゴムは、重合度が100−2000の液状シリコーンゴムと3000−10000のミラブル型シリコーンゴムとに大別される。
前記シリコーンゴムは、音響レンズ組成物中に40wt%以上含有される。シリコーンゴムを40wt%未満にすると、成型性が低下するのみならず、この組成物を有する音響レンズの減衰率も大きくなる虞がある。また、音響レンズにおいて必要とされる音速や音響インピーダンスが得られなくなる虞がある。音響レンズ組成物中のより好ましいシリコーンゴムの含有量は、50wt%以上である。
前記酸化亜鉛粉末は、音響レンズ組成物中に15〜60wt%含まれる。酸化亜鉛粉末の含有量を15wt%未満にすると、この組成物を有する音響レンズの音速を下げる効果を十分に達成することが困難になり、適切な性能指数を得られなくなる虞がある。また、密度も十分に高められず、音響レンズを必要な音響インピーダンスである1.3〜1.7MRayls程度にすることが困難になる。一方、酸化亜鉛粉末の含有量が60wt%を超えると、音響レンズの音響インピーダンスが高くなりすぎるのみならず、減衰率も大きくなる虞がある。さらに、酸化亜鉛粉末の含有量が前記範囲を逸脱すると、適切なゴム硬度を有する音響レンズを得ることが困難となる。より好ましい酸化亜鉛粉末の含有量は、20〜55wt%、さらに好ましい酸化亜鉛粉末の含有量は30〜55wt%である。
前記酸化亜鉛粉末は、200nm以下の平均粒径を有することが好ましい。このような微細な酸化亜鉛粉末を用いることによって、その粉末のシリコーンゴムへの均一分散性が図られ、音響レンズ組成物を有する音響レンズの減衰をより抑え、さらに成型性もより向上させることが可能になる。より好ましい酸化亜鉛粉末の平均粒径は、1〜100nm、さらに好ましい酸化亜鉛粉末の平均粒径は10〜50nmである。なお、平均粒径は測定する粉末の比表面積(m2/g)の値を用いて、粉末形状が球状であると仮定して計算から求めることができる。
前記酸化亜鉛粉末は、表面がシリコーン樹脂で被覆されることを許容する。このシリコーン樹脂としては、例えばメチコーン、ジメチコーンを用いることができる。シリコーン樹脂被覆酸化亜鉛粉末は、例えばこれらのシリコーン樹脂の溶液に酸化亜鉛粉末を浸漬した後、この溶液から酸化亜鉛粉末を取り出し、乾燥処理することにより得ることができる。このようなシリコーン樹脂被覆酸化亜鉛粉末は、シリコーンゴムに容易に練り込みことができ、その粉末の分散性も向上できるため、音響レンズ組成物を有する音響レンズの減衰をより抑え、さらに成型性もより向上させることが可能になる。なお、シリコーン樹脂の被覆量は、酸化亜鉛粉末に対して1〜10wt%にすることが好ましい。
本発明の第1実施形態に係る音響レンズ組成物には、加硫剤が含有される。この加硫剤としては、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどの過酸化物系の加硫剤を用いることができる。この過酸化物系の加硫剤の量は、例えば音響レンズ組成物中のシリコーンゴムに対して0.3〜2重量%にすることが好ましい。ただし、前記過酸化物系の加硫剤以外の加硫剤を用いてもよい。
本発明の第1実施形態に係る音響レンズ組成物中には、シリカ(SiO2)粉末が30wt%以下含まれることを許容する。シリカ粉末は、音響レンズの強度を向上させる働きを有する。シリカ粉末の含有量が30wt%を超えて音響レンズ組成物中に含まれると、超音波の減衰が現れると同時に成型性が低下して精密な音響レンズの成型が困難になる。より好ましいシリカ粉末の含有量は20wt%以下である。
前記シリカ粉末は、平均粒径が50nm以下、さらに好ましくは平均粒径が20nm以下であることが望ましい。シリカ粉末としては、例えばアエロジルシリカが好ましい。
本発明の第1実施形態に係る音響レンズ組成物において、音響レンズの特性を損なわない範囲で、少量の添加物を含むことを許容する。これらの添加物としては、例えば酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム、有機物フィラー、着色顔料などが挙げられる。これらの添加物は、その量が5wt%程度以下であれば本発明の実施形態の効果を大きく損なうことはない。
次に、本発明の第1実施形態に係る音響レンズ組成物を用いて音響レンズを作製する方法を説明する。
まず、酸化亜鉛粉末を乾燥させて、付着した水分などを蒸発させる。この酸化亜鉛粉末および必要に応じてシリカ粉末をシリコーンゴムに添加して密度を1.4〜2.0g/cm3程度になるように混練する。この混練物に前述した過酸化物系の加硫剤のような加硫剤添加して100〜180℃程度で加硫成型することにより音響レンズの形状を有する成形品とする。つづいて、この成型品を180〜240℃程度の温度で2次加硫を行うことにより音響レンズを作製する。
このような条件での過酸化物を用いた加硫方法により、充分な強度と減衰の低い音響レンズを得ることが可能になる。この際、シリコーンゴムと加硫剤を適切に選択することにより2次加硫の温度や時間を低減したり、2次加硫を省したりすることが可能になる。
次に、前述した組成物を有する音響レンズを用いた超音波プローブについて図面を参照して説明する。
図1は、圧電素子および音響整合層を一次元アレイ状とした場合の超音波プローブの斜視図を示す。圧電体1および第1、第2の電極2,3を含む圧電素子4は、バッキング材5上に接着されている。音響整合層6は、圧電素子4の超音波送受信面に形成されている。圧電体1は、第1電極2、第2電極3および音響整合層6と共に複数に分割されている。分割された各々の圧電体1は、短冊形状をなし、2番目に面積が大きい面を超音波送受信面として有し、各々の圧電体1は、図1の矢印A方向に振動する。第1電極2は、圧電体1の超音波送受信面からそのうちの1つの側面および超音波送受信面と反対側の面の一部に亘って形成されている。第2電極3は、圧電体1の超音波送受信面と反対側の面に第1電極3と絶縁するよう所望の距離を隔てて形成されている。
音響レンズ7は、音響整合層6上に形成されている。アース電極板8の各配線は、第1電極2にそれぞれ接続されている。フレキシブル印刷配線板9の各配線は、第2電極3に例えばはんだ付けによりそれぞれ接続されている。
このような構成の超音波プローブの動作を説明する。第1、第2の電極2,3間に電圧を印加して、圧電体1を共振させることにより超音波送受信面から超音波を送信する。受信時には、超音波送受信面から受けた超音波によって圧電体1を振動させ、この振動を電気的に変換して信号とし、画像を得る。
次に、超音波プローブを備えた超音波診断装置について、図4を参照して説明する。対象物に対し超音波信号を送信し、その対象物からの反射信号(エコー信号)を受信して対象物を画像化する医療用の超音波診断装置(または超音波画像検査装置)は、超音波信号送受信機能を有するアレイ式の超音波プローブ11を備えている。この超音波プローブ11は、前述した組成の音響レンズが組込まれている。この超音波プローブ11は、ケーブル12を通して介して超音波診断装置本体13に接続されている。この超音波診断装置本体13には、スクリーン14が設けられている。
以上説明した第1実施形態によれば、シリコーンゴム40wt%以上と酸化亜鉛粉末15〜60wt%とを含む組成にすることによって、この組成物を複雑なキャップ型のレンズ形状に成型する際、優れた成型性を発現できるのみならず、音響レンズの良好な引き裂き強度を維持できる。同時に、音響インピ−ダンスが生体のそれに近似し、減衰率が小さく、音速が生体内の音速(約1500m/s)以下で、減衰率と音速との積である性能指数が小さい音響レンズを得ることができる。
すなわち、成型時において前記酸化亜鉛は密度が約5.6g/cm3と高いため、この酸化亜鉛粉末をシリコーンゴムに重量率に比べて低い体積率で練り込むことができる。その結果、酸化亜鉛粉末をシリコーンゴムに容易に練り込むことができるため、成型性を向上できると共に、均一な分散化により引き裂き強度のような機械的強度の高い音響レンズを得ることができる。特に、200nm以下の平均粒径を有する酸化亜鉛粉末を用いることにより、シリコーンゴムに対する練り込み性をより向上できる。また、シリコーン樹脂で表面が覆われた酸化亜鉛粉末を用いることにより、シリコーンゴムに対する練り込み性をより一層向上できる。さらに、シリコーンゴムおよび酸化亜鉛粉末にさらに30wt%以下のシリカ粉末を含有させることによって、音響レンズの引き裂き強度のような機械的強度をより一層向上させることができる。
また、密度が高い酸化亜鉛粉末をシリコーンゴムに対して15〜60wt%含有させることによって、音響インピ−ダンスが生体のそれに近似した、例えば1.3〜1.7Mrayls程度で、周波数約10MHzでの減衰率が小さく(例えば約12dB/mm以下)、音速が生体内の音速(約1500m/s)以下である例えば820〜980m/s程度の特性を有し、性能指数が例えば10000以下と小さい音響レンズを得ることができる。
特に、酸化亜鉛粉末は前記範囲の添加において音響レンズの超音波の減衰を抑える効果、例えば周波数約10MHzでの減衰率が約12dB/mm以下と小さい効果を奏する。本発明者らは、シリコーンゴムに含有し得る酸化亜鉛と同等の密度を有するZrO2、Fe23、BaSO4の粉末に関して音響レンズの超音波の減衰効果を調べた結果、それらの化合物の粉末は超音波の減衰を抑える効果が極めて低いことを究明し、酸化亜鉛が超音波の減衰抑制に特異的に作用することを見出した。
また、音響インピーダンスの値を1.3〜1.7Mrayls程度とするのに適切な1.4〜2.0g/cm3程度の密度を有する音響レンズを得ることができる。
さらに、第1実施形態に係る音響レンズはシリコーンゴムをベース材料とするため、音響カップリングゲルまたは消毒薬として一般的に用いられるグリセリン水溶液、エチルアルコール、オリーブオイル、ひまし油などに対しても安定した化学的、物理的性質を有する。その上、音響レンズは所定量の酸化亜鉛粉末の含有によりヂュロメータA硬度で50度以上の硬さを有する。
また、シリコーンゴムおよび酸化亜鉛粉末にさらに30wt%以下のシリカ粉末を含有させることによって、音響レンズの引き裂き強度のような機械的強度をより一層向上させることができる。
したがって、第1実施形態の音響レンズ組成物によれば厚さが薄く、超音波の送受信感度が向上され、更に周波数特性の劣化を低減した音響レンズを得ることができる。
また、このような特性を有する音響レンズが組込まれた超音波プローブは、超音波画像の高分解能化、高感度化が可能になる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る音響レンズ組成物は、シリコーンゴム40wt%以上と白金粉末、少なくとも表面に白金酸化物を有する白金粉末および白金酸化物粉末から選ばれる少なくとも1つの粉末10〜52wt%とを含有する。
前記シリコーンゴムは、第1実施形態で説明したのと同様なものが用いられ、かつその機能も同様である。
前記白金粉末のような粉末は、音響レンズ組成物中に10〜52wt%含まれる。白金粉末のような粉末の含有量を10wt%未満にすると、この組成物を有する音響レンズの音速を下げる効果を十分に達成することが困難になり、適切な性能指数を得られなくなる虞がある。また、密度も十分に高められず、音響レンズを必要な音響インピーダンスである1.3〜1.7MRayls程度にすることが困難になる。一方、白金粉末のような粉末の含有量が52wt%を超えると、音響レンズの音響インピーダンスが高くなりすぎるのみならず、減衰率も大きくなる虞がある。さらに、白金のような粉末の含有量が前記範囲を逸脱すると、適切なゴム硬度を有する音響レンズを得ることが困難となる。より好ましい白金のような粉末の含有量は、15〜47wt%、さらに好ましい粉末の含有量は25〜47wt%である。
前記白金粉末のような粉末は、200nm以下の平均粒径を有することが好ましい。このような微細な粉末を用いることによって、その粉末のシリコーンゴムへの均一分散性が図られ、音響レンズ組成物を有する音響レンズの減衰をより抑え、さらに成型性もより向上させることが可能になる。より好ましい白金粉末のような粉末の平均粒径は、1〜100nm、さらに好ましい白金粉末のような粉末の平均粒径は10〜50nmである。特に、粉末の下限を10nmにすることによって自然発火を防いで安全な作業を遂行することが可能になる。
前記白金粉末のような粉末は、表面がシリコーン樹脂で被覆されることを許容する。このシリコーン樹脂としては、例えばメチコーン、ジメチコーンを用いることができる。シリコーン樹脂被覆粉末は、例えばこれらのシリコーン樹脂の溶液に白金のような粉末を浸漬した後、この溶液からその粉末を取り出し、乾燥処理することにより得ることができる。このようなシリコーン樹脂被覆粉末は、シリコーンゴムに容易に練り込みことができ、その粉末の分散性も向上できるため、音響レンズ組成物を有する音響レンズの減衰をより抑え、さらに成型性もより向上させることが可能になる。なお、シリコーン樹脂の被覆量は、白金のような粉末に対して1〜10wt%にすることが好ましい。
本発明の第2実施形態に係る音響レンズ組成物には、第1実施形態で説明したの同様に加硫剤、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどの過酸化物系の加硫剤を用いることができる。この過酸化物系の加硫剤の量は、例えば音響レンズ組成物中のシリコーンゴムに対して0.3〜2重量%にすることが好ましい。ただし、前記過酸化物系の加硫剤以外の加硫剤を用いてもよい。
本発明の第2実施形態に係る音響レンズ組成物中には、第1実施形態で説明したの同様にシリカ粉末が30wt%以下含まれることを許容する。より好ましいシリカ粉末の含有量は20wt%以下である。
前記シリカ粉末は、平均粒径が50nm以下、さらに好ましくは平均粒径が20nm以下であることが望ましい。シリカ粉末としては、例えばアエロジルシリカが好ましい。
本発明の第2実施形態に係る音響レンズ組成物において、音響レンズの特性を損なわない範囲で、少量の添加物を含むことを許容する。これらの添加物としては、例えば酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム、有機物フィラー、着色顔料などが挙げられる。これらの添加物は、その量が5wt%程度以下であれば本発明の実施形態の効果を大きく損なうことはない。
本発明の第2実施形態に係る音響レンズ組成物から音響レンズを作製するには、前述した第1実施形態の方法において酸化亜鉛粉末の代わりに白金粉末、少なくとも表面に白金酸化物を有する白金粉末および白金酸化物粉末から選ばれる少なくとも1つの粉末を用いることによりなされる。
前述した組成物を有する音響レンズを用いた超音波プローブおよび超音波診断装置は、図1、図4および第1実施例で説明したのと同様な構造を有する。
以上説明した第2実施形態によれば、シリコーンゴム40wt%以上と白金粉末、少なくとも表面に白金酸化物を有する白金粉末および白金酸化物粉末から選ばれる少なくとも1つの粉末10〜52wt%とを含む組成にすることによって、この組成物を第1実施形態と同様に複雑なキャップ型のレンズ形状に成型する際、優れた成型性を発現できるのみならず、音響レンズの良好な引き裂き強度を維持できる。同時に、音響インピ−ダンスが生体のそれに近似した、例えば1.3〜1.7Mrayls程度で、周波数約10MHzでの減衰率が小さく(例えば約12dB/mm以下)、音速が生体内の音速(約1500m/s)以下である例えば820〜980m/s程度で、減衰率と音速との積である性能指数が例えば10000以下と小さい優れた特性を有し、さらに前記音響インピーダンスの値にするのに適切な1.4〜2.0g/cm3程度の密度を有する音響レンズを得ることができる。
特に、密度が約21g/cm3と高い白金粉末のような粉末は前記範囲の添加において、音響レンズの音響インピ−ダンスを生体のそれに近似した、例えば1.3〜1.7Mrayls程度にできると共に、超音波の減衰を抑える効果を奏する。本発明者らは、シリコーンゴムに含有し得る白金と同等の密度を有する金、タングステンの粉末に関して音響レンズの超音波の減衰効果を調べた結果、それらの化合物の粉末は超音波の減衰を抑える効果が極めて低いことを究明し、白金粉末(表面が酸化された白金粉末を含む)が超音波の減衰抑制に特異的に作用することを見出した。
また、シリコーンゴムおよび白金粉末のような粉末にさらに30wt%以下のシリカ粉末を含有させることによって、音響レンズの引き裂き強度のような機械的強度をより一層向上させることができる。
したがって、第2実施形態の音響レンズ組成物によれば厚さが薄く、超音波の送受信感度が向上され、更に周波数特性の劣化を低減した音響レンズを得ることができる。
また、このような特性を有する音響レンズが組込まれた超音波プローブは、超音波画像の高分解能化、高感度化が可能になる。
(第3実施形態)
この第3実施形態に係る音響レンズは、シリコーンゴム40wt%以上と酸化イッテルビウム(Yb23)粉末12〜56wt%とを含有する。
前記シリコーンゴムは、第1実施形態で説明したのと同様なものが用いられ、かつその機能も同様である。
前記酸化イッテルビウム粉末は、音響レンズ組成物中に12〜56wt%含まれる。酸化イッテルビウム粉末の含有量を12wt%未満にすると、この組成物を有する音響レンズの音速を下げる効果を十分に達成することが困難になり、適切な性能指数を得られなくなる虞がある。また、密度も十分に高められず、音響レンズを必要な音響インピーダンスである1.3〜1.7MRayls程度にすることが困難になる。一方、酸化イッテルビウム粉末の含有量が56wt%を超えると、音響レンズの音響インピーダンスが高くなりすぎるのみならず、減衰率も大きくなる虞がある。さらに、酸化イッテルビウム粉末の含有量が前記範囲を逸脱すると、適切なゴム硬度を有する音響レンズを得ることが困難となる。より好ましい酸化イッテルビウム粉末の含有量は、17〜51wt%、さらに好ましい粉末の含有量は27〜51wt%である。
前記酸化イッテルビウム粉末は、200nm以下の平均粒径を有することが好ましい。このような微細な粉末を用いることによって、その粉末のシリコーンゴムへの均一分散性が図られ、音響レンズ組成物を有する音響レンズの減衰をより抑え、さらに成型性もより向上させることが可能になる。より好ましいイッテルビウム粉末の平均粒径は、1〜100nm、さらに好ましいイッテルビウム粉末の平均粒径は10〜50nmである。
前記酸化イッテルビウム粉末は、表面がシリコーン樹脂で被覆されることを許容する。このシリコーン樹脂としては、例えばメチコーン、ジメチコーンを用いることができる。シリコーン樹脂被覆粉末は、例えばこれらのシリコーン樹脂の溶液に酸化イッテルビウム粉末を浸漬した後、この溶液からその粉末を取り出し、乾燥処理することにより得ることができる。このようなシリコーン樹脂被覆粉末は、シリコーンゴムに容易に練り込みことができ、その粉末の分散性も向上できるため、音響レンズ組成物を有する音響レンズの減衰をより抑え、さらに成型性もより向上させることが可能になる。なお、シリコーン樹脂の被覆量は、酸化イッテルビウム粉末に対して1〜10wt%にすることが好ましい。
本発明の第3実施形態に係る音響レンズ組成物には、第1実施形態で説明したの同様に加硫剤、例えば2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイドなどの過酸化物系の加硫剤を用いることができる。この過酸化物系の加硫剤の量は、例えば音響レンズ組成物中のシリコーンゴムに対して0.3〜2重量%にすることが好ましい。ただし、前記過酸化物系の加硫剤以外の加硫剤を用いてもよい。
本発明の第3実施形態に係る音響レンズ組成物中には、第1実施形態で説明したの同様にシリカ粉末が30wt%以下含まれることを許容する。より好ましいシリカ粉末の含有量は20wt%以下である。
前記シリカ粉末は、平均粒径が50nm以下、さらに好ましくは平均粒径が20nm以下であることが望ましい。シリカ粉末としては、例えばアエロジルシリカが好ましい。
本発明の第3実施形態に係る音響レンズ組成物において、音響レンズの特性を損なわない範囲で、少量の添加物を含むことを許容する。これらの添加物としては、例えば酸化チタン、アルミナ、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウム、有機物フィラー、着色顔料などが挙げられる。これらの添加物は、その量が5wt%程度以下であれば本発明の実施形態の効果を大きく損なうことはない。
第3実施形態に係る音響レンズ組成物による音響レンズの作製は、前述した第1実施形態の方法において酸化亜鉛粉末の代わりに酸化イッテルビウム粉末を用いることによりなされる。
前述した組成物を有する音響レンズを用いた超音波プローブおよび超音波診断装置は、図1および図4、第1実施例で説明したのと同様な構造を有する。
以上説明した第3実施形態によれば、シリコーンゴム40wt%以上と酸化イッテルビウム粉末12〜56wt%とを含む組成にすることによって、この組成物を第1実施形態と同様に複雑なキャップ型のレンズ形状に成型する際、優れた成型性を発現できるのみならず、音響レンズの良好な引き裂き強度を維持できる。同時に、音響インピ−ダンスが生体のそれに近似した、例えば1.3〜1.7Mrayls程度で、周波数約10MHzでの減衰率が小さく(例えば約12dB/mm以下)、音速が生体内の音速(約1500m/s)以下である例えば820〜980m/s程度で、減衰率と音速との積である性能指数が例えば10000以下と小さい優れた特性を有し、さらに前記音響インピーダンスの値にするのに適切な1.4〜2.0g/cm3程度の密度を有する音響レンズを得ることができる。
特に、密度が約9.0g/cm3と高い酸化イッテルビウム粉末は前記範囲の添加において、音響レンズの音響インピ−ダンスを生体のそれに近似した、例えば1.3〜1.7Mrayls程度にできると共に、超音波の減衰を抑える効果を奏する。本発明者らは、シリコーンゴムに含有し得る酸化イッテルビウムと同等の密度を有する酸化ルテシウム、酸化ビスマスの粉末に関して音響レンズの超音波の減衰効果を調べた結果、それらの化合物の粉末は超音波の減衰を抑える効果が極めて低いことを究明し、酸化イッテルビウム粉末が超音波の減衰抑制に特異的に作用することを見出した。
また、シリコーンゴムおよび酸化イッテルビウム粉末にさらに30wt%以下のシリカ粉末を含有させることによって、音響レンズの引き裂き強度のような機械的強度をより一層向上させることができる。
したがって、第3実施形態の音響レンズ組成物によれば厚さが薄く、超音波の送受信感度が向上され、更に周波数特性の劣化を低減した音響レンズを得ることができる。
また、このような特性を有する音響レンズが組込まれた超音波プローブは、超音波画像の高分解能化、高感度化が可能になる。
なお、本発明の他の実施形態においてシリコーンゴムと酸化亜鉛粉末、少なくとも表面に白金酸化物を有する白金粉末および白金酸化物粉末から選ばれる少なくとも1つの粉末、並びに酸化イッテルビウム粉末から選ばれる2種以上の粉末と含む組成から音響レンズを構成することを許容する。この場合、各粉末はシリコーンゴムに前述した範囲内で配合される。
以下、本発明を具体例を示してさらに詳細に説明する。
(実施例1)
まず、平均粒径30nmの酸化亜鉛(ZnO)粉末を200℃の高温槽に入れ、2時間乾燥し、付着した水分などを蒸発させた。
ベースゴムとなるシリコーンゴムが0.60重量部、ZnO粉末が0.40重量部となるよう秤量してゴム系組成物を調製し、このゴム系組成物を2段ロールを用いて充分に混練した。つづいて、加硫剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサンを前記ゴム系組成物にシリコーンゴムに対して1.0wt%の量で加え、さらに得られた音響レンズ組成物を混練りした。その後、この混練音響レンズ組成物を170℃の温度、15分間の加硫成形を行って30×30×1mm3の評価用ゴム角板を成型した。また、前記混練音響レンズ組成物を用いて図2に示す内部がくりぬかれた中空状ゴムキャップ10を同様な条件で加硫成型した。これらの加硫成型品を200℃に保持した乾燥機中で4時間の2次加硫を行なった。
(実施例2〜5)
シリコーンゴムと平均粒径30nmのZnO粉末とが重量比で0.5:0.5、0.45:0.55の割合で配合された2種のゴム系組成物、シリコーンゴムと平均粒径30nmのZnO粉末と平均粒径が16nmのシリカ(SiO2)粉末とが重量比で0.5:0.4:0.1、0.48:0.42:0.1の割合で配合された2種のゴム系組成物を用いた以外、実施例1と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)をそれぞれ製造した。
(比較例1、2)
シリコーンゴムと平均粒径が30nmのZnO粉末とが重量比で0.9:0.1の割合で配合されたゴム系組成物(比較例1)およびシリコーンゴムと平均粒径が30nmのZnO粉末とが重量比で0.38:0.62の割合で配合されたゴム系組成物(比較例2)を用いた以外、実施例1と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)をそれぞれ製造した。
(比較例3〜8)
シリコーンゴムと平均粒径が16nmのSiO2粉末とが重量比で0.5:0.5の割合で配合されたゴム系組成物(比較例3)、シリコーンゴムと平均粒径が100nmの酸化チタン(TiO2)粉末とが重量比で0.45:0.55の割合で配合されたゴム系組成物(比較例4)、シリコーンゴムと平均粒径が500nmのアルミナ(Al23)粉末とが重量比で0.45:0.55の割合で配合されたゴム系組成物(比較例5)、シリコーンゴムとブタジエンゴムと平均粒径が30nmのZnO粉末とが重量比で0.48:0.48:0.04の割合で配合されたゴム系組成物(比較例6)、シリコーンゴムと平均粒径が200nmのジルコニア(ZrO2)粉末とが重量比で0.5:0.5の割合で配合されたゴム系組成物(比較例7)、およびシリコーンゴムと平均粒径が30nmの硫酸バリウム(BaSO4)粉末とが重量比で0.5:0.5の割合で配合されたゴム系組成物(比較例8)を用いた以外、実施例1と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)を製造した。
得られた実施例1〜5および比較例1〜8の評価用ゴムを用いて密度、縦波音速、音響インピーダンス、減衰率、性能指数を求め、かつ各例の中空形状のキャップ型ゴムを用いて成型不良率を求めた。その結果を下記表1に示す。
なお、密度は前記評価用ゴム角板の重量を測定すると共に体積をノギスで測定することにより求めた。
減衰率および音速の測定は、前記評価用ゴム角板を水中法により10MHzの測定用超音波探触子を用いて求めた。これらの測定は水温を37℃で行った。性能指数(音速×減衰率)は測定した音速および減衰率から求めた。
音響インピーダンスは得られた音速と密度からその積として求めた。
レンズの成型性は、前記中空状ゴムキャップを20個成型し、割れ、ポアを観察し、成型不良率(%)を求めた。
Figure 2009072605
前記表1から明らかなようにシリコーンゴム40wt%以上とZnO粉末15〜60wt%の範囲の組成を有する実施例1〜5の加硫成形品は、音響インピーダンスが1.370〜1.569MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似しているため、音響レンズを作製したときに生体内での多重反射を低減できることがわかる。また、実施例1〜5の加硫成形品は、縦波音速が1000m/s以下で、10MHzの周波数での減衰率が11dB/mm以下であり、性能指数が9500以下と小さく、音響レンズを作製したときに減衰を小さくできるために高感度な超音波プローブの作製が可能であることがわかる。キャップ型の音響レンズの成型でも成型不良は全く発生せず、製造歩留まりも優れていることがわかる。
これに対し、シリコーンゴムとZnO粉末が0.9:0.1で本発明に比べてZnO粉末量が少ない組成を有する比較例1の加硫成形品は、音響インピーダンスが1.100MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)との差が大きく、音響レンズを作製したときに生体内での多重反射が問題になる。
シリコーンゴムとZnO粉末が0.38:0.62で本発明に比べてZnO粉末量が多い組成を有する比較例2の加硫成形品は、減衰率が13.5dB/mmと大きくなって性能指数も10000以上と大きなり、さらに成型不良率が10%と製造歩留まりも劣ることがわかる。
音響インピーダンスを1.416MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似させるようにシリコーンゴムとSiO2粉末を0.5:0.5の組成にした比較例3の加硫成形品は、性能指数が10000以上と大きくなる上、成型不良率が30%と製造歩留まりも極めて劣ることがわかる。
音響インピーダンスを生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似させるようにシリコーンゴムとTiO2粉末を0.45:0.55の組成にした比較例4、シリコーンゴムとAl23粉末を0.45:0.55の組成にした比較例5の加硫成形品は、性能指数が10000以上と大きくなる上、成型不良率がそれぞれ20%,15%と製造歩留まりも極めて劣ることがわかる。
シリコーンゴムとブタジエンゴムとZnO粉末が0.48:0.48:0.04の組成を有する比較例6の加硫成形品は、音響インピーダンスが1.210MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)との差が大きく、成型不良率が60%と製造歩留まりも極めて劣ることがわかる。また、この加硫成形品はひまし油やオリーブオイルに対する溶剤性も実施例1〜5に比べて劣り、音響レンズとしては実用に耐えないものである。
音響インピーダンスを生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似させるようにシリコーンゴムとZnOと同等の密度を有するZrO2の粉末を0.5:0.5の組成にした比較例7の加硫成形品は、減衰率が17dB/mmが大きくなって、性能指数も10000以上と大きくなることがわかる。
音響インピーダンスを生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似させるようにシリコーンゴムとZnOと同等の密度を有するBaSO4の粉末を0.5:0.5の組成にした比較例8の加硫成形品は、減衰率が15dB/mmが大きくなって、性能指数も10000以上と大きくなり、さらに成型不良率が10%と製造歩留まりも劣ることがわかる。
なお、実施例1のシリコーンゴムとZnO粉末からなるゴム系組成物と比較例3のシリコーンゴムとSiO2粉末からなるゴム系組成物を用いて、フォーカスが15mmの10MHz用音響レンズを作製した場合には、比較例3に対して実施例1では音響レンズの厚さを15%程度薄くすることが可能である。このため、最終的な音響レンズでの減衰の差が4dB/mm以上となり、実施例1のゴム系組成物を用いることにより高感度な超音波プローブの実現が可能となる。
また、フォーカスが80mmの3MHzである低周波用の音響レンズを作製した場合には、比較例に対して実施例1では音響レンズの厚さを25%程度薄くすることが可能である。このため、最終的な音響レンズでの減衰の差が3dB/mm以上となり、実施例1のゴム系組成物を用いることにより3〜12MHzの超音波プローブの性能向上が可能になる。
(実施例6)
まず、平均粒径15nmの白金(Pt)粉末を200℃の高温槽に入れ、2時間乾燥し、付着した水分などを蒸発させた。
ベースゴムとなるシリコーンゴムが0.65重量部、Pt粉末が0.35重量部となるよう秤量してゴム系組成物を調製し、このゴム系組成物を2段ロールを用いて充分に混練した。加硫剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサンを前記ゴム系組成物にシリコーンゴムに対して1.0wt%の量で加え、さらに得られた音響レンズ組成物を混練りした。その後、この混練音響レンズ組成物を170℃の温度、15分間の加硫成形を行って30×30×1mm3の評価用ゴム角板を成型した。また、前記混練音響レンズ組成物を用いて図2に示す内部がくりぬかれた中空状ゴムキャップ10を同様な条件で加硫成型した。これらの加硫成型品を200℃に保持した乾燥機中で4時間の2次加硫を行なった。
(実施例7〜14)
シリコーンゴムと平均粒径15nmのPt粉末とが重量比で0.55:0.45、0.48:0.52の割合でそれぞれ配合された2種のゴム系組成物、シリコーンゴムと平均粒径15nmのPt粉末と平均粒径が16nmのシリカ(SiO2)粉末とが重量比で0.5:0.4:0.1、0.5:0.3:0.2、0.5:0.2:0.3、0.55:0.15:0.3の割合でそれぞれ配合された4種のゴム系組成物、シリコーンゴムと平均粒径50nmのPt粉末とが重量比で0.65:0.35の割合で配合されたゴム系組成物、およびシリコーンゴムと平均粒径200nmのPt粉末とが重量比で0.65:0.35の割合で配合されたゴム系組成物を用いた以外、実施例6と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)をそれぞれ製造した。
(比較例9、10)
シリコーンゴムと平均粒径15nmのPt粉末とが重量比で0.92:0.08の割合で配合されたゴム系組成物(比較例9)、およびシリコーンゴムと平均粒径15nmのPt粉末とが重量比で0.4:0.6の割合で配合されたゴム系組成物(比較例10)を用いた以外、実施例6と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)を製造した。
(比較例11)
シリコーンゴムと平均粒径200nmの金(Au)粉末とが重量比で0.5:0.5の割合で配合されたゴム系組成物を用いた以外、実施例6と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)を製造した。
得られた実施例6〜14および比較例9〜11の評価用ゴム角板を用いて密度、縦波音速、音響インピーダンス、減衰率、性能指数を実施例1と同様な方法で求め、かつ各例の中空状ゴムキャップを用いて成型不良率を実施例1と同様な方法で求めた。その結果を下記表2に示す。
Figure 2009072605
前記表2から明らかなようにシリコーンゴム40wt%以上とPt粉末10〜52wt%の範囲の組成を有する実施例6〜14の加硫成形品は、音響インピーダンスが1.350〜1.626MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似しているため、音響レンズを作製したときに生体内での多重反射を低減できることがわかる。また、実施例6〜14の加硫成形品は、縦波音速が1000m/s以下で、10MHzの周波数での減衰率が11.4dB/mm以下であり、性能指数が9700以下と小さく、音響レンズを作製したときに減衰を小さくできるために高感度な超音波プローブの作製が可能であることがわかる。さらに、実施例6〜10,13、14の加硫成形品において、キャップ型の音響レンズの成型でも成型不良は全く発生せず、製造歩留まりも優れていることがわかる。ただし、SiO2粉末が30wt%の量で配合された実施例11,12の加硫成形品は、成型不良が5%と若干の歩留まり低下を招くものの、総合的な音響レンズ特性が優れている。
なお、同一組成で、平均粒径の異なるPt粉末を用いた実施例6,13,14の加硫成形品において、平均粒径が増加するに従って密度は変化しないものの、音速がやや低下し、性能指数が大きくなる。つまり、より微細なPt粉末の使用によって性能指数を小さくできることがわかる。
これに対し、シリコーンゴムとPt粉末が0.92:0.08で本発明に比べてPt粉末量が少ない組成を有する比較例9の加硫成形品は、音響インピーダンスが1.072MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)との差が大きく、音響レンズを作製したときに生体内での多重反射が問題になる。
シリコーンゴムとPt粉末が0.4:0.6で本発明に比べてPt粉末量が多い組成を有する比較例10の加硫成形品は、減衰率が16.0dB/mmと大きくなって性能指数も10000以上と大きくなり、さらに成型不良率が5%で製造歩留まりも若干低下することがわかる。
音響インピーダンスを生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似させるようにシリコーンゴムとPtと同等の密度を有するAuの粉末とを0.5:0.5の組成にした比較例11の加硫成形品は、減衰率が25dB/mmが大きくなって、性能指数も10000以上と大きくなることがわかる。
(実施例15)
まず、平均粒径25nmの酸化イッテルビウム(Yb23)粉末を200℃の高温槽に入れ、2時間乾燥し、付着した水分などを蒸発させた。
ベースゴムとなるシリコーンゴムが0.65重量部、酸化イッテルビウム粉末が0.35重量部となるよう秤量してゴム系組成物を調製し、このゴム系組成物を2段ロールを用いて充分に混練した。加硫剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサンを前記ゴム系組成物にシリコーンゴムに対して1.0wt%の量で加え、さらに得られた音響レンズ組成物を混練りした。その後、この混練音響レンズ組成物を170℃の温度、15分間の加硫成形を行って30×30×1mm3の評価用ゴム角板を成型した。また、前記混練音響レンズ組成物を用いて図2に示す内部がくりぬかれた中空状ゴムキャップ10を同様な条件で加硫成型した。これらの加硫成型品を200℃に保持した乾燥機中で4時間の2次加硫を行なった。
(実施例16〜22)
シリコーンゴムと平均粒径25nmのYb23粉末とが重量比で0.6:0.4、0.45:0.55の割合でそれぞれ配合された2種のゴム系組成物、シリコーンゴムと平均粒径25nmのYb23粉末と平均粒径が16nmのシリカ(SiO2)粉末とが重量比で0.55:0.4:0.05、0.5:0.4:0.1、0.5:0.3:0.2、0.5:0.2:0.3の割合でそれぞれ配合された4種のゴム系組成物、およびシリコーンゴムと表面がシリコーン樹脂で覆われた平均粒径25nmのYb23粉末と平均粒径が16nmのシリカ(SiO2)粉末とが重量比で0.5:0.4:0.1の割合で配合されたゴム系組成物を用いた以外、実施例15と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)をそれぞれ製造した。
(比較例12、13)
シリコーンゴムと平均粒径25nmのYb23粉末とが重量比で0.92:0.08の割合で配合されたゴム系組成物(比較例12)、およびシリコーンゴムと平均粒径25nmのYb23粉末とが重量比で0.35:0.65の割合で配合されたゴム系組成物(比較例13)を用いた以外、実施例15と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)を製造した。
(比較例14,15)
シリコーンゴムと平均粒径25nmの酸化ルテチウム(Lu23)粉末とが重量比で0.55:0.45の割合で配合されたゴム系組成物、およびシリコーンゴムと平均粒径300nmの酸化ビスマス(Bi23)粉末とが重量比で0.55:0.45の割合で配合されたゴム系組成物を用いた以外、実施例15と同様な方法で2次加硫した加硫成形品(評価用ゴム角板および中空状ゴムキャップ)を製造した。
得られた実施例15〜22および比較例12〜15の評価用ゴム角板を用いて密度、縦波音速、音響インピーダンス、減衰率、性能指数を実施例1と同様な方法で求め、かつ各例の中空状ゴムキャップを用いて成型不良率を実施例1と同様な方法で求めた。その結果を下記表3に示す。
Figure 2009072605
前記表3から明らかなようにシリコーンゴム40wt%以上とYb23粉末12〜56wt%の範囲の組成を有する実施例15〜22の加硫成形品は、音響インピーダンスが1.371〜1.648MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似しているため、音響レンズを作製したときに生体内での多重反射を低減できることがわかる。また、実施例15〜22の加硫成形品は、縦波音速が1000m/s以下で、10MHzの周波数での減衰率が11.4dB/mm以下であり、性能指数が9600以下と小さく、音響レンズを作製したときに減衰を小さくできるために高感度な超音波プローブの作製が可能であることがわかる。特に、表面がシリコーン樹脂で覆われたYb23粉末を用いた実施例22の加硫成形品は、これと同組成の実施例19の加硫成形品と密度および音速が同等であるが、減衰率が低下して性能指数がより小さい値を示した。さらに実施例15〜22の加硫成形品は、キャップ型の音響レンズの成型でも成型不良は全く発生せず、製造歩留まりも優れていることがわかる。
これに対し、シリコーンゴムとYb23粉末が0.92:0.08で本発明に比べてYb23粉末量が少ない組成を有する比較例12の加硫成形品は、音響インピーダンスが1.077MRaylsと生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)との差が大きく、音響レンズを作製したときに生体内での多重反射が問題になる。
シリコーンゴムとYb23粉末が0.35:0.65で本発明に比べてYb23粉末量が多い組成を有する比較例13の加硫成形品は、減衰率が14.5dB/mmと大きくなって性能指数も10000以上と大きくなり、さらに成型不良率が10%で製造歩留まりも低下することがわかる。
音響インピーダンスを生体の音響インピーダンス(1.53MRayls)に近似させるようにシリコーンゴムとYb23と同等の密度を有するLu23,Bi23の粉末をそれぞれ0.55:0.45、0.5:0.5の組成にした比較例14,15の加硫成形品は、減衰率がそれぞれ12dB/mm、14dB/mmと大きくなって、性能指数も10000以上と大きくなることがわかる。
(実施例23)
まず、平均粒径30nmの酸化亜鉛(ZnO)粉末、平均粒径15nmの白金(Pt)粉末および平均粒径25nmの酸化イッテルビウム(Yb23)粉末を200℃の高温槽に入れ、2時間乾燥し、付着した水分などを蒸発させた。
ベースゴムとなるシリコーンゴムが50wt%、ZnO粉末が15wt%、Pt粉末が15wt%、Yb23粉末が15wt%、SiO2粉末が5wt%となるよう秤量してゴム系組成物を調製し、このゴム系組成物を2段ロールを用いて充分に混練した。加硫剤としての2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサンを前記ゴム系組成物にシリコーンゴムに対して1.0wt%の量で加え、さらに得られた音響レンズ組成物を混練りした。その後、この混練音響レンズ組成物を170℃の温度、15分間の加硫成形を行って30×30×1mm3の評価用ゴム角板を成型した。また、前記混練音響レンズ組成物を用いて図2に示す内部がくりぬかれた中空状ゴムキャップ10を同様な条件で加硫成型した。これらの加硫成型品を200℃に保持した乾燥機中で4時間の2次加硫を行なった。
得られた実施例23の評価用ゴム角板を用いて密度、縦波音速、音響インピーダンス、減衰率、性能指数を実施例1と同様な方法で求め、かつ中空状ゴムキャップを用いて成型不良率を実施例1と同様な方法で求めた。
その結果、密度は1.75g/cm3、縦波音速は890m/s、音響インピーダンス1.554Mrayls、減衰率は10.2dB/mm、性能指数は9078で、音響レンズを作製したときに生体内での多重反射を低減することができ、減衰を小さくできるために高感度な超音波プローブの作製が可能である。また、成型不良率はゼロで、製造歩留まりも優れている。
なお、図3に前述した実施例1〜23の加硫成型品における音響インピーダンスと10MHzにおける性能指数の関係を示す。図3から実施例1〜23の加硫成型品は音響インピーダンスが生体のそれに近似し、かつ音速と減衰率の積である性能指数が低く、音響レンズに要求される総合的な特性に優れていることが明瞭に理解される。
本発明の実施形態に係る超音波プローブの斜視図。 本発明の実施形態に係るキャップ型音響レンズの斜視図。 本発明の実施例1〜23に係る音響レンズの音響インピーダンスと性能指数との関係を示す図。 本発明の実施形態に係る超音波診断装置の概略図。
符号の説明
1…圧電体、4…圧電素子、6…音響整合層、7…音響レンズ、11…超音波プローブ、13…超音波診断装置本体。

Claims (9)

  1. シリコーンゴム40wt%以上と酸化イッテルビウム粉末12〜56wt%とを含むことを特徴とする音響レンズ組成物。
  2. 前記酸化イッテルビウム粉末は、200nm以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項1記載の音響レンズ組成物。
  3. 前記酸化イッテルビウム粉末は、表面がシリコーン樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項1または2記載の音響レンズ組成物。
  4. 30wt%以下のシリカ粉末をさらに含むことを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の音響レンズ組成物。
  5. バッキング材;
    前記バッキング材上に設けられ、圧電体とこの圧電体が前記バッキング材と対向する第1面及びこの第1の面と反対側の第2面に形成される一対の電極とを有する圧電素子;
    前記圧電素子の前記電極面上に設けられる音響整合層;および
    前記音響整合層上に設けられ、シリコーンゴム40wt%以上と酸化イッテルビウム粉末12〜56wt%とを含む音響レンズ;
    を備えることを特徴とする超音波プローブ。
  6. 前記音響レンズ中の酸化イッテルビウム粉末は、200nm以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項5記載の超音波プローブ。
  7. 前記音響レンズ中の酸化イッテルビウム粉末は、表面がシリコーン樹脂で被覆されていることを特徴とする請求項5または6記載の超音波プローブ。
  8. 前記音響レンズは、30wt%以下のシリカ粉末をさらに含むことを特徴とする請求項5ないし7いずれか記載の超音波プローブ。
  9. 請求項5ないし8いずれか記載の超音波プローブ;
    スクリーンを有する超音波診断装置本体;および
    前記超音波プローブと超音波診断装置本体とを接続するケーブル;
    を備えることを特徴とする超音波診断装置。
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