JPS61164544A

JPS61164544A - 超音波診断装置用音響レンズ

Info

Publication number: JPS61164544A
Application number: JP487485A
Authority: JP
Inventors: 智斎藤
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1985-01-17
Filing date: 1985-01-17
Publication date: 1986-07-25

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［発明の技術分野］この発明は超音波診断装置用音響レンズに関し、ざらに
詳しく言うと、生体との良好な音響インピーダンスを有
する超音波診断装置用音響レンズに関する。

［発明の技術的背景とその＠照点］超音波診断装置等においては、超音波トランスジューサ
により電気信号を超音波に変換してその超音波を生体内
に発射すると共に、生体内から反射してきた超音波を再
び電気信号に変換して生体内からの情報を得ている。

また、超音波トランスジューサの表面には、第２図に示
すように、音波を所定の距離で集束させるために音響レ
ンズ１を使用している。この音響レンズ１の条件として
は、集束作用を起すために必要な音速が８００〜１２０
０ｍ／Ｓの範囲内にあることの他に、生体２と音響イン
ピーダンスとの整合がとれていること、及び音響レンズ
１内における音波の吸収減衰率が小さいことが挙げられ
る。

しかしながら、第３図に示すように、生体及び従来の音
響レンズの音響インピーダンスは温度と共に変化し、生
体については温度の上昇と共に音響インピーダンスも増
加しく直線３）、従来の音響レンズについては温度の上
昇と共に音響インピーダンスが減少する傾向にある（直
線４）。

従来、第３図に示すように、音響レンズに使用されるシ
リコンゴムは、１０〜２０℃で生体との音響インピーダ
ンスの整合点５を有し、２０℃よりも温度が高くなると
整合がとれなくなってくる。

尚、第３図において横軸は温度、縦軸は音響インピーダ
ンスを表わしている。

実際のトランスジューサの使用温度は周囲の環境条件に
より相違するが、２５〜４０℃程度になっていると推定
され、接触する生体と平衡状態になっていると仮定する
と前記使用温度は３６〜３７℃と推定するのが妥当であ
る。（実際上、低温のときには音響ゼリーを暖めてから
トランスジューサを使用することさえある。）したがって、従来の音響レンズは、生体との音響インピ
ーダンスの整合がとれておらず、生体との境界面での多
重反射が大きい。ざらに、最近では、音響レンズの減衰
を低減するために、減衰率の小さなシリコンゴムや厚み
の小さな音響レンズを使用する傾向にあり、このような
場合、なおさら多重反射の影響が無視し得なくなる。こ
の多重反射は虚像の発生や画像のコントラストの悪化を
生じさせている。

［発明の目的］この発明は前記事情に基づいてなされたものであり、こ
の発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究した
結果、シリコンゴムに所定の充填剤を配合すると音響イ
ンピーダンスの整合を可変することかできることを見出
してこの発明に到達した。すなわち、この発明の目的は
、前記従来の音響レンズの欠点を解消して、生体との境
界面での音波の多重反射を無くし良好な超音波画像を得
ることのできる超音波診断装置用音響レンズを提供する
ことにある。

［前記問題点を解決するための手段］前記目的を連成するためのこの発明の概要は、超音波診
断装置に使用されるＭｗレンズにおいて、シリコン合ム
と充填剤とを有し、前記充填剤の配合量を制御すること
により所定温度での生体との音響インピーダンスを整合
してなることを特徴とする超音波診断装置用音響レンズ
である。

この発明に使用するシリコンゴムは、従来の音響レンズ
を構成するのに使用されているものを使用することがで
きて特にその制限はなく、例えば、ケイ素原子に少量の
ビニル基と残余のメチル基とを結合すると共に平均重合
度が１０００を越えるポリオルガノシロキサンを有機過
酸化物の作用により、またはポリオルガノハイドロシュ
ンシロキサンと白金との存在下に反応させることにより
架橋してなるミラブル型シリコンゴム、分子末端に反応
基を有する平均重合度１００〜１０００のポリオルガノ
シロキサンを架橋剤及び触媒の存在下に加熱することに
より硬化してなる液状シリコンゴムが挙げられる。

この発明において、シリコンゴムに配合して音響インピ
ーダンスを調整するための充填剤としては、例えば、煙
霧質シリカ、沈澱シリカ、粉砕石英、溶融シリカ及びゼ
オライト等のシリカ系充填剤、ケイソウ土、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウム等が挙げられ、これらの中でも前記
シリカ系充填剤が好ましく、このシリカ系充填剤の中で
も粉砕石英が特に好ましい。

前記充填剤は、特に粉砕石英は、所望の音響インピーダ
ンスを得るために、その平均粒径が０゜５〜２０μｍの
範囲にあるのが好ましい。前記充填剤の平均粒径が０．
５μｍよりも小さいと、所定量を配合しても所望の音響
インピーダンスを得ることができないことがあり、また
前記平均粒径が２０μｍよりも大きいとＭ　Ｉ？レンズ
の表面が荒れ、また、十分な機械的強度を発揮すること
ができないことがある。

この発明では、シリコンゴムと充填剤との合計に対して
前記充填剤が５６〜５８重量％で配合されることが重要
である。前記充填剤の配合量が５８重量％よりも多いと
、音響インピーダンスの線形性が無くなると共に充填剤
の配合が困難になるし、音響レンズの機械的強度が小さ
くなってくる。

また前記充填剤の配合量が５６重量％よりも小さくなる
と、所望の温度で生体との音響インピーダンス整合がと
れなくなるという不都合がある。

前記充填剤の前記範囲の配合量の意義について次に説明
する。

音響インピーダンスＺは、次に示すように、その材料の
中の音速Ｖ　［ｍ／ｓ］　　（１速■は物質により固有
である。）との材料密度ρ［醇／ｍ３　］との積で表わ
される。

Ｚ＝ＶＸρ 生体の音響インピーダンスは正確には確認されていす、
また生体の部位によっても相違すると考えられるが、こ
こでは生体の音響インピーダンスを水の音響インピーダ
ンスに置換えて近似する（生体は水よりも音響インピー
ダンスが若干大きいと考えられる。）水の音響インピーダンスＺｍは２５〜４０℃で１．４９
〜１．５２ｘ１．０６　　［Ｋｇ／Ｔｒｔ−ｓｌと温度
の上昇と共に上昇する（生体の場合は１．５０〜１．５
６程度と考えられ、第４図に示すように、音響インピー
ダンスはほぼ線形に増加する）。一方、第３図に示した
ようにシリコンゴム等の音響インピーダンスは温度の上
昇と共に低下する傾向があるが、第５図に示したように
充填剤の罎によりその絶対値を可変することが可能であ
る（第５図中４ａ、４ｂ、４ｃの順に充填剤のけが大き
くなっている）。

第６図にシリコンゴムと配合する充填剤の重量比率と音
響インピーダンスとの関係を示した。この第６図から、
充填剤の重量比率が５０〜７０％の領域では、充填剤を
配合したシリコンゴムの音響インピーダンスはほぼ線形
に変化することがわかる。この発明では、２５℃におけ
る音響インピーダンスが１．５以上で、かつ、４０℃に
おける音響インピーダンスが１，６以下であるように音
響レンズを形成することが望ましいわけであり、前記条
件は２５℃における音響インピーダンスが１．５〜１．
７に相当する（第１図の斜線部分）から、前記第１図に
より前記音響インピーダンスの範囲を実現する充填剤の
ｔ量比率は５６〜５８重量％となり、この範囲外では音
響インピーダンスの整合がとれないのである。

この発明に係る音響レンズは、前記シリコンゴムと前記
充填剤との他に加工助剤ヤ、酸化防止剤。

滑剤、離型剤等の添加剤を適宜に配合しても良い。

前記加工助剤、添加剤等の配合量は、この音響レンズの
音響インピーダンスに悪影響を与えない程度で適宜に決
定することができる。

この音響レンズは、前記シリコンゴムと前記充填剤と、
必要により加工助剤、各種の添加剤等とを予備的に配合
し、次いで硬化機構に応じて架橋剤、触ｇ！ｉ等を配合
して十分に混線し、成形加工により所定の形状とし、そ
の後、常温波あるいは所定の温度に加熱して養生するこ
とにより得ることができる。尚、前記架橋剤または触媒
等は、前記予備的な配合の際に配合しても良い。

以とのようにして構成された音響レンズは、超音波診断
装置における超音波トランスジューサに装着される。

［発明の実施例］ケイ素原子に結合した有機基のうち、０．１モル％がビ
ニル基で残余がメチル基であると共に、平均重合度が５
５００であるポリオルガノシロキサン１００１ｔ１部と
、平均粒針３μｍの粉砕石英１６０重量部を２本ロール
により十分に混練して、ベースコンパウンドを得た。こ
のベースコンパ・ランド１００重量部を取り、２．５−
ジメチル−２゜５−ジｔ−ブチルペルオキシヘキサン０
．３１１部を添加してさらに混練し、深ざ１０ｇｕｇの
金型に入れて１７０℃で３０分間プレス成形し、さらに
２００℃で４時間加熱することにより、加硫シリコンゴ
ムシートを得た。この加硫シリコンゴムシート中の充填
剤量は、６１．６ｉ１！１％であり、３８℃における密
度は１．６０であった。又、この加硫シリコンゴムシー
トの音響インピーダンスは、２５℃で１．５８．４０℃
で１．５１であった。

［発明の効果］以上詳述したように、この発明によると、シリコンゴム
に充填剤を所定量配合して音響インピーダンスを調整し
たので、生体との音響インピーダンスの整合の良好な音
響レンズを提供することができ、この音響レンズをＫ１
１Ｆする超音波診断装置を使用すると、アーチファクト
を低減した診断画像を得ることができ、ｉＦ確な診断が
司能となる。

４、図面の簡単説明第１図はこの発明に関する音響インピーダンスの整合領
域を示す説明図、第２図は音響レンズを生体に当接した
状態を示す断面図、第３図は生体と従来の１ルンズに使
用したシリコンゴムとの音響インピーダンスの１ｍ特性
を示す説明図、第４図は水の音響インピーダンスの温度
特性を示す説明図、第５図は充填剤の量と充填剤入りシ
リコンゴムの音響インピーダンスとの関係を示す説明図
及び第６図は温度をパラメータとする充填剤入りシリコ
ンゴムの音響インピーダンスを示す説明図である。

１・・・音響レンズ、２・・・生体。

代理人　弁理士　則近憲佑（ばか１名）Ｎ　　　　　　
　″１

Claims

【特許請求の範囲】

（１）超音波診断装置に使用される音響レンズにおいて
、シリコンゴムと充填剤と有し、前記充填剤の配合量を
制御することにより所定温度での生体との音響インピー
ダンスを整合して成ることを特徴とする超音波診断装置
用音響レンズ。
（２）前記充填剤の平均粒径が０．５〜２０μｍである
と共に前記充填剤の配合量が前記シリコンゴムと前記充
填剤との合計に対して５５〜６８重量％である前記特許
請求の範囲第１項に記載の超音波診断装置用音響レンズ
。
（３）前記充填剤がシリカ系充填剤である前記特許請求
の範囲第１項及び第２項のいずれかに記載の超音波診断
装置用音響レンズ。
（４）前記シリカ系充填剤が、煙霧質シリカ、沈澱シリ
カ、粉砕石英及びゼオラトよりなる群から選ばれるいず
れか一種または二種以上である前記特許請求の範囲第３
項に記載の超音波診断装置用音響レンズ。
（５）前記シリカ系充填剤が粉砕石英である前記特許請
求の範囲第４項に記載の超音波診断装置用音響レンズ。