本実施例の遊技盤面の特有な構造を説明する前に図1〜図5を参照して、パチンコ機の一般的な構造につき概略を説明する。図1〜図5では、特に遊技盤(遊技領域)については一般的な構造を示すが、その他の構造については図6以降に示した構造についても共通に用いることができる。
<全体構成>
まず、図1を用いて、パチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、下記遊技盤を前方から覆い、機器の前面を形成する前面枠として、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠154を有する扉部材156を有し、この扉部材156の奥側にガラスを通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。
扉部材156の下方には、球発射手段として、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を後述する外レール106に導くための発射レール142を配置している。さらに、扉部材156の下方には、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。
図2は、遊技盤102を正面から見た略示正面図である。
遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、演出装置200を配設している。この演出装置200には、略中央に横長の装飾図柄表示装置110を配設している。この演出装置200、特にその装飾図柄表示装置110の部分は、後述の図6〜図13で説明する遊技盤の構造においても同等のものが用いられるものとする。
また、装飾図柄表示装置110の周囲には、普通図柄表示装置112と、特別図柄表示装置114と、普通図柄保留ランプ116と、特別図柄保留ランプ118と、高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
演出装置200は、可動部を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図4(b)参照)ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、ここでは液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび左図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置110は、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図(図4(c参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図4(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、ここでは7セグメントLEDによって構成する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、ここでは、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。高確中ランプ120は、遊技状態が高確率状態であること、または高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を低確率状態から高確率状態にする場合に点灯し、高確率状態から低確率状態にする場合に消灯する。
また、この演出装置200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。
一般入賞口122は、ここでは遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは10個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。ここでは、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、ここでは遊技盤102の左側に1つ配設している。普図始動口124を通過した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口124を通過したことを所定の玉検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126は、ここでは遊技盤102の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口126への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは3個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口126に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口128は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、ここでは第1特図始動口126の真下に1つだけ配設している。この第2特図始動口128は、左右に開閉自在な羽根を備え、羽根の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当たり図柄を停止表示した場合に羽根が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。第2特図始動口128への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは5個)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口128に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口130は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、ここでは遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、開閉自在な扉部材を備え、扉部材の閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当たり図柄を停止表示した場合に扉部材が所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサが検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(ここでは15球)の球を賞球として後述する貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、転動態様に変化を付与する手段として、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。
<演出装置>
次に、パチンコ機100の演出装置200について説明する。
この演出装置200の前面側には、ワープ装置230およびステージを配設し、演出装置200の背面側には、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250を配設している。すなわち、演出装置200において、装飾図柄表示装置110および遮蔽手段250は、ワープ装置230およびステージの後方に位置することとなる。
ワープ装置230は、演出装置200の左上方に設けた入球口232に入った遊技球を演出装置200の前面下方の前面ステージ234に排出し、さらに、前面ステージ234に排出した遊技球が前面ステージ234の中央部後方に設けた第2の入球口236に入った場合は、遊技球を、第1特図始動口126の上方である演出装置200の下部中央に設けた排出口238から第1特図始動口126に向けて排出するものである。この排出口238から排出した遊技球は特図始動口126に入球しやすくなっている。
遮蔽手段250は、格子状の左扉250aおよび右扉250bからなり、装飾図柄表示装置110および前面ステージ234の間に配設する。左扉250aおよび右扉250bの上部には、図示しない2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉250aおよび右扉250bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽手段250は、左右扉250a、250bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置110を視認し難いように遮蔽する。左右扉250a、250bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置110の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置110の表示の全てを視認可能である。また、左右扉250a、250bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左右扉250a、250bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置110の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置110による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置110を全く視認不可にしてもよい。
図3は、パチンコ機100を背面側から見た外観斜視図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、球を一時的に貯留するための球タンク152と、この球タンク152の下方に位置し、球タンク152の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置154に導くためのタンクレール153とを配設している。
払出装置154は、筒状の部材からなり、その内部には、スプロケット157と払出センサ158とを備えている。
スプロケット157は、モータによって回転可能に構成されており、タンクレール153を通過して払出装置154内に落下した球を一時的に滞留させると共に、モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した球を払出装置154の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
払出センサ158は、スプロケット157が送り出した球の通過を検知するためのセンサであり、球が通過しているときにオンの信号を出力し、球が通過していないときはオフの信号を出力する。なお、この払出センサ158を通過した球は、図示しない球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した貯留皿144に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
払出装置154の左側には、後述する主制御部300を構成する主基板161と、後述する副制御部400を構成するサブ基板164とを配設している。また、これら主基板161やサブ基板164の下方には、後述する発射制御部600を構成する発射基板166と、後述する電源管理部650を構成する電源基板162と、後述する払出制御部550を構成する払出基板165と、この払出基板165に接続したCRインターフェース部163とを配設している。
<図柄の種類>
次に、図4(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図4(a)は特図の停止表示態様の一例を示したものである。この例では、特図の停止表示態様には、大当たり図柄である「特図1」と、特別大当たり図柄である「特図2」と、外れ図柄である「特図3」の3種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として特図変動遊技を開始した場合には、特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図の変動表示」を行う。そして、特図の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図変動遊技の当選を報知する場合には「特図1」または「特図2」を停止表示し、特図変動遊技の外れを報知する場合には「特図3」を停止表示する。なお、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
図4(b)は装飾図柄の一例を示したものである。この例では、装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口126または第2特図始動口128に球が入賞したことを所定の球検出センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、大当たりを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾2−装飾2−装飾2」))を停止表示し、特別大当たりを報知する場合には、特別大当たりに対応する図柄組合せ(ここでは、同一の奇数番号数字の装飾図柄の組合せ(例えば、「装飾1−装飾1−装飾1」))を停止表示する。なお、大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、大当たり遊技または特別大当たり遊技を開始し、特別大当たりに対応する図柄の組合せを停止表示した場合には、特別大当たり遊技を開始する。また、外れを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに大当たりに対応する図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示した後で、保留している装飾図柄の変動表示があれば、その変動表示を開始する。
図4(c)は普図の停止表示態様の一例を示したものである。この例の場合、普図の停止表示態様には、当たり図柄である「普図1」と、外れ図柄である「普図2」の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを所定の球検出センサが検出したことを条件として普図表示遊技を開始した場合には、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図1」を停止表示し、普図変動遊技の外れを報知する場合には「普図2」を停止表示する。
<制御部>
次に、図5を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成している。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発信器314が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発信器314が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316(この回路には2つのカウンタを内臓しているものとする)と、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。
なお、第1特図始動口126に球が入賞したことを球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、第1特図始動口126に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口126に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路316は、第2特図始動口128に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口128に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第2特図始動口128に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インターフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インターフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の副制御部400について説明する。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発信器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC418と、各種ランプ420の制御を行うための表示回路422と、演出装置200の演出用可動体等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路426と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110および遮蔽手段250の制御を行うための副制御部500と、チャンスボタン146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路380を接続している。
副制御部400は、後述するように装飾図柄表示装置110、スピーカ416、各種演出用駆動装置424などを用いた遊技演出の制御(演出制御)を行う。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御すると共に、払出センサ554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インターフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<遊技盤の構造>
次に図6〜図13を参照して、本実施例のパチンコ機の構造を説明する。図6〜図13では、遊技盤廻りの構造を中心に説明するが、その他の構成については上述の図1〜図5で説明した構造が用いられるものとする。以下の説明では、図1〜図5におけるものと同一ないし類似の部材については同一符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本発明の特徴は、遊技盤上に第1の所定領域と、第1の所定領域と連通(接続)し、球が第1の所定領域から流入できる第2の所定領域を設けた点にある。
特に、本実施例では、第1の所定領域で入賞口に入賞した球(いわゆる死に球)を第2の所定領域で転動させ、これにより例えば何らかの演出を行い、遊技者の遊技への興趣を刺激する。
本実施例では、遊技盤上に立設された外レールと内レールとによって第1の所定領域として遊技領域(104)を区画形成する。また、第2の所定領域として、転動領域(700)を設けるが、転動領域(700)は、第1の所定領域としての遊技領域(104)よりも前面側、遊技盤を前方から覆う扉部材に配置する。
遊技盤を前方から覆う扉部材(前面枠、ないし枠扉:156)は、第1の所定領域を前方から視認可能に覆うガラス又は樹脂製の透明部材と、透明部材の周縁部を囲むと共に遊技球1球を格納可能な領域(701a)を複数区画形成されモータ等の駆動装置によって回転可能な略円形状の回転部材(701)と、この回転部材(701)の略外側に形成され遊技球が転動可能な第2の所定領域(700)と、第1の所定領域と回転部材とを連通させる略透明な第1連通路(第1進入口702、703、704)と、回転部材と第2の所定領域とを連通させる略透明な第2連通路(705、706、707)と、を備える。
発射装置によって発射された遊技球は、外レール(106)に沿って第1の所定領域(104)に移動し、釘や風車などの障害物によって転動態様を変化させながら落下する。遊技球が普図始動口であるゲート(124)を通過すると普図抽選が行われる。遊技球が特図始動口(126)に入賞すると特図抽選が行われるとともに所定数の遊技球(賞球)が払い出され、入賞した遊技球は遊技盤裏面に移動する。遊技球が一般入賞口(122)や大入賞口(130)に入賞すると入賞口に対応した所定数の遊技球が払い出され、入賞した遊技球は遊技盤裏面に移動する。
遊技球が連通入賞口に入賞すると所定数の遊技球が払い出され、入賞した遊技球は第1連通路(702〜704)を経由して回転部材(700)に移動する。遊技球は、回転部材(701)によって上方に移動し、第2連通路(705〜707)を経由して第2の所定領域(700)に移動する。なお、回転部材(701)は、一定の周期で駆動装置によって左回りに回転する。
第2の所定領域(700)には、モータやソレノイドなどの駆動装置によって複数の状態に変換可能な可動障害役物(721)、遊技釘、風車などの遊技球の転動態様に変化を与える障害物(132)と、演出用遊技球検知センサが設けられた通過口(708)と、遊技球が入球可能な入球口(709)と、入球口に入球しなかった遊技球を遊技盤裏面に移動させるアウト口(710)と、遊技盤に設けられた表示装置を視認可能に覆う透明部材(711a)と、が配設されている。可動障害役物(721)は、略板形状を有し、一定の周期で駆動軸を中心に一端と他端を交互に上下に可動する。また、入球口(709)に入球した遊技球はアウト口(710)から遊技盤裏面へ遊技球を移動させる通路に合流する。
所定時間内(例えば、左・右・中の順に図柄が停止するときに図柄が回転開始してから右図柄が停止するまで)に外側領域の演出用遊技球検知センサ(たとえば708)が遊技球を検知すると、変動態様がリーチか否かを判定し、リーチの場合には、RAM(408)の右停止図柄をオールマイティ図柄(1202)に書き換える。なお、外側領域(700)の演出用遊技球検知センサ(たとえば708)が遊技球を検知したとき、表示装置(110、711a)やランプやスピーカでの報知態様パターンを変化させてもよい。
以下、本実施例の遊技盤の構成につき詳述する。
図6は、本実施例の遊技盤面の概略をパチンコ機の正面方向から示している。第1の所定領域たる遊技領域104内の部材配置は、図2に示したものと少々異なっているが、基本構成は同様で、遊技領域104中央には上述の装飾図柄表示装置110を含む演出装置200を配置し(ただし、演出装置200の装飾図柄表示装置110以外の部分、たとえば遮蔽用の可動部分などの構成は任意)、盤面には遊技釘134、一般入賞口122、普図始動口124、特図始動口126、128、可変入賞口130、アウト口136などを配置しており、各部の機能は上述と同等である。
本実施例では、遊技領域104を囲むように、駆動装置によって時計廻りに回転する略円形状の回転部材701を設けている。回転部材701は、たとえば樹脂などの材質から一体成型により構成され、球を1つづつ収容して運ぶための収容室701aを複数、区画形成してある。
回転部材701の収容室701aには、入賞口702に入った球が通路702、開口704を経由して収容される。入賞口702の機能は、たとえば一般入賞口122と同じとし、入賞口702に球がに入った場合には一定数の球を払い出すよう制御するが、例えば普図ないし特図始動口として機能させてもよい。
本実施例では、入賞口702に入った球を回転部材701で運び、後述の第2の所定領域たる転動領域700に導入するが、入賞口702への入賞に応じて払い出しを行うため入賞口702へ入った球は、以後は、再度の入賞に用いることができない、いわゆる死に球として取り扱うことになる。例えば、転動領域700に入った球は、後述するような演出制御や抽選にともなう装飾表示の態様を変更する処理のみに利用する。
時計でいう3時の位置にある開口704から回転部材701の収容室701aに収容された球は、回転部材701の時計廻りの回転によって、12時位置にある開口705、通路706、開口707を経て第2の所定領域たる転動領域700に導入する。
なお、通路703、706や回転部材701は、好ましくは、樹脂などの透明ないし半透明部材から構成し、球が通過ないし運搬される様子が遊技者から視認できるようにする。
第2の所定領域たる転動領域700は、本実施例では後述するような構造により、扉部材156側、すなわち、遊技領域104よりも前面側の部位において、扉部材156の内部の空間にレール720により区画形成する。レール720は、外レール106、内レール108などと同様に、例えば、転動領域700の盤面上に立設した金属板などから構成する。
転動領域700には、転動態様に変化を付与する手段として、遊技釘134、ゲート(708)、風車(132)や揺動板(721)のような打球方向変換部材708、132、721、入球口709、709…、アウト口710などを配置する。入球口709、709に入った球は、アウト口710から遊技盤裏面へ遊技球を移動させる通路に合流する。
打球方向変換部材のうち揺動板として構成された打球方向変換部材721はいわゆるシーソー形式の揺動板で、モータなどの駆動手段により一定周期(一定のリズム)で、数10度程度の角度範囲内を揺動するように駆動する。この打球方向変換部材721は、後述の実施例2の打球方向変換部材814と同等のもので、打球方向変換部材721の駆動系の構造は例えば後述の図16に示す通りである。
本実施例では、第2の所定領域たる転動領域700は、第1の所定領域たる遊技領域104と類似の構成を有するが、入球口709、709…への入球に応じて行なうのは後に例示するような演出(の変更)処理であって、基本的には入球口709、709…への入球に応じた払い出しは行わない。
また、転動領域700の中央部には、透明ないし半透明の表示領域(以下、窓とも記す)711aが設けられている。この表示領域711aの後方には液晶表示装置711を配置する。液晶表示装置711は、転動領域700への球の進入、転動領域700の入球口709、709…への入球や、打球方向変換部材(ゲート708)の球の検知、などに応じて、あるいは遊技領域104側の演出装置200での表示に同期して、特定の演出表示を行うことができる。
図7〜図9は、図6の遊技台の構成例を示している。図7〜図9では、以上で説明した各部材には同一符号を用いている。
図8に示すように、回転部材701、および転動領域700廻りの構造は、遊技領域104よりも前面の扉部材156の内側に設けている。
図7は、図8の遊技盤部分を正面から示したもので、樹脂などの一体成型により形成されたベース104a上に、木材その他から成る盤面が配置され、その上に上述の遊技領域104上の各部材が組み上げられている。この部分には、転動領域700の実体部分はなく、転動領域700に連通する上記の入賞口702〜通路703、および上記の開口704に相当する開口704aを設けてある。また、遊技領域104の右方の転動領域700の下部に相当する位置には、上述の液晶表示装置711を設けている。さらに、転動領域700のアウト口710に相当する位置に、遊技島側に球を排出する開口710aを設けてある。
一方、転動領域700は、図8に示すように、その閉成時に遊技領域104よりも前面に位置することになる扉部材156側に設けてある。
転動領域700は、例えば図9に示すような構造によって、扉部材156内に組み込むことができる。図9は、転動領域700を組み込むための扉部材156の構造の一例を示している。
図9の例では、図示のように、扉部材156は4枚のパネル部材712a、712b、712c、712dから構成されている。
このうち、遊技領域104側の2枚のパネル部材712c、712dの間には、リング状の回転部材701を回動自在に支持する。回転部材701は、パネル部材712cに設けられた回転部材701よりもわずかに大きな外形の溝701dの内部に収容する。
回転部材701の外周にはギヤ701cが形成されており、このギヤ701cはパネル部材712cの溝701dに沿って設けられたピニオンギヤ701bと噛合する。そして、扉部材156内部に配置した不図示のモータなどの駆動手段により、ピニオンギヤ701bを介して回転部材701を回転駆動する。
パネル部材712dには、回転部材701の収容室701aに球を導入するための上記開口704aと連通した開口704bを設けている。また、上記の液晶表示装置711に相当する位置には、窓711dを、また、アウト口710に相当する位置には開口710dを設けてある。パネル部材712dは、遊技領域104を視認できるよう、透明樹脂(あるいはガラス)などの材質から構成する。
同様に、パネル部材712cは、遊技領域104を視認できるよう少なくとも溝701dより内側の部分を大きな円形の開口とするか、あるいは、全体を透明樹脂(あるいはガラス)などの材質から構成する。パネル部材712cには、液晶表示装置711に相当する位置には、窓711cを、また、アウト口710に相当する位置には開口710cを設けてある。
転動領域700、および転動領域700に必要な背面側の遊技球の連通路は、パネル部材712aおよびパネル部材712bの間に区画形成する。パネル部材712b側には、主に転動領域700の背面側において必要な遊技球の連通路を配置する(図9では、パネル部材712a側に配置される部材の位置等を破線によりパネル部材712b側にも示してある)。また、パネル部材712aの前面にはガラスなどの窓を配置する。あるいは転動領域700とその背面の連通路は、パネル部材712aの前面に区画形成してもよい
パネル部材712bには、球を運んできた回転部材701の収容室701aと連通して球を受け取る開口705が設けてある。開口705はパネル部材712bに溝などとして形成された通路706と連通し、さらに通路706はパネル部材712aの開口707と連通する。
パネル部材712aおよび712bには、には、それぞれ液晶表示装置711に相当する位置には、窓711a、711bを設けてある。また、パネル部材712bにおいて、パネル部材712aのアウト口710に相当する位置には開口710bを設けてある。
パネル部材712aは、扉部材156の前面を直接構成するよう製作することができる。あるいは、パネル部材712aのさらに前面化粧パネルなどを被せて扉部材156の前面を構成するようにしてもよい。いずれの場合でも、前述の透明板部材152をパネル部材712a前面の位置に配置する。
図9に示した4枚のパネル部材712a〜712dは、ビスやボルト、接着、あるいは嵌合などの手法により結合される。各パネル部材の位置合せには、ボスや溝などの構造を必要に応じて用いる。
<転動領域を用いた遊技制御>
以上の図6〜図9に示した転動領域700を設けた遊技盤を採用する場合でも、図5に示した制御回路を用いることができる。すなわち、図5の主制御部300を用いて各種センサ318〜センサ回路320で検出した入賞状態や球の通過状態などに応じて、払出制御部〜払出装置552で賞球の払い出し、および抽選処理を行う。
また、主制御部300が副制御部400に対して入賞状態や球の通過状態、あるいは抽選処理の進行などに応じて定められた所定の演出コマンドを送信することにより、副制御部400に装飾図柄表示装置110、スピーカ416、各種演出用駆動装置424などを用いてパチンコ機の現在の動作状態に応じた演出制御を行わせる。
本実施例では、前述のように入賞口702へ入った球を転動領域700に導入し、入賞口702への入賞に応じて払い出しを行うよう制御する。このため、転動領域700に入った球は、後述のように演出制御や抽選に伴う装飾表示の態様を変更する処理のみに利用する。
図10〜図12に、副制御部400が行う演出処理の概略と、転動領域700内での遊技球検出に応じて行う演出処理の一例を示す。
<副制御部メイン処理>
ここで、図10(a)を用いて、副制御部400のCPU354が実行する副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路352のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM406に予め記憶した制御プログラムに従って処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期設定を行う。この初期設定では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化などを行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、I/O410の出力ポートを介して副制御部500にコマンドを出力する。副制御部400は、後述するストローブ処理または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302およびS303の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図10(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS401では、後述するコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
図10(f)は変動パターン選択処理の流れを示すフローチャートであり、同図(g)は図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。ステップS402では、コマンド記憶領域に記憶している未処理コマンドのうちの次に処理するべき未処理コマンドの種類に基づいて、図10(f)に示す変動パターン選択処理(例えば未処理コマンドが上記変動開始コマンドに基づいて実行する)や、同図(g)に示す図柄停止処理などを行う。未処理コマンドに基づく処理は他にも備えている。例えば、大当たり中に可変入賞口130の開放制御を開始するたびに主制御部300が出力し、大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を含むラウンド開始コマンドが未処理コマンドである場合に行うラウンド開始処理などである。その他の処理は、ここでは割愛する。
図10(f)ステップS501の変動パターン処理では、未処理コマンドに含まれている上記大当たりフラグの値、確変フラグの値、およびタイマ番号を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶する。また、あらかじめROM406などに用意した変動番号選択テーブル、および図柄決定テーブルを参照して演出データ(本実施例では変動番号および仮停止図柄・停止図柄の組合せなど)を選択し、これをRAM408に設けた記憶領域に記憶した後、処理を終了する。
具体的には、副制御部400は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を変動決定用乱数値として取得し、RAM358に設けている変動決定用乱数値記憶領域に記憶する。次に、大当たりフラグの状態に基づいて、あらかじめ用意した大当たりフラグがオン(大当たり当選)、および大当たりフラグがオフ(大当たり不当選)の場合に用いるいずれか一方の変動番号テーブルを参照すると共に、タイマ番号、確変フラグ、取得した変動決定用乱数値に基づいて、対応する変動番号を選択し、選択した変動番号をRAM408に設けている変動番号記憶領域に記憶する。
次に、副制御部400は、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を図柄決定用乱数値として取得し、RAM408に設けている図柄決定用乱数値記憶領域に記憶する。次に、変動番号、取得した図柄決定用乱数値に基づいて仮停止図柄の組合せ、および停止図柄の組合せをRAM408に設けたそれぞれの図柄記憶領域に記憶して処理を終了する。
図10(g)のステップS601の図柄停止処理では、上記図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域の3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。また、上記ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当たり開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図10(c)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図10(d)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路380によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS901では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<副制御部タイマ割り込み処理>
次に、図10(e)を用いて、副制御部400のCPU404によって実行する副制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は副制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、上記ステップS501で記憶した変動番号、仮停止図柄の組合せ、停止図柄の組合せ、後述する操作演出パターン、および装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、スピーカ416および各種ランプ420による装飾図柄変動表示を制御するための動作制御データの更新を行う。なお、上記変動番号は、変動開始から変動停止までの1回の装飾図柄変動の態様を示す大分類データの識別子であり、この大分類データはさらに詳細な複数の小分類データで構成されている。小分類データは装飾図柄表示装置が表示する動画像の切り替えタイミング、スピーカから出力する音の切り替えタイミング、および各種ランプの点灯態様の切り替えタイミングなどを割り込み処理の開始周期(ここでは2ms)を最小単位とする数値で記憶しているタイムチャートデータで構成している。例えば、変動時間が10秒である変動番号が変動2で示される装飾図柄変動の場合を例示する。ここで、ステップSS501で変動番号=変動2、停止図柄の組合せとして「装飾7-装飾6-装飾7」を選択し、それぞれを記憶領域に記憶したものとする。この場合、変動2で示す大分類データには装飾図柄表示装置を制御するための小分類データA、スピーカを制御するための小分類データB、および各種ランプを制御するための小分類データCが関連付いている。小分類データAにはさらに演出情報A〜演出情報Gという識別子の7つの時系列的な演出情報で構成している。ここでは簡単にするため装飾図柄の変動開始からの経過時間を単に秒数で示し(例えば「装飾図柄の変動開始からの経過時間が5秒〜7秒の期間は」といった文章を「5〜7秒間は」と示し)、装飾図柄表示装置の左、中、右図柄表示領域のそれぞれ、および図柄の種類を単に位置と図柄の名称で示し(例えば「装飾図柄表示装置の左図柄表示領域に装飾図柄「装飾7」を停止する」といった文章を「左に装飾7を停止する」と示す)、また複数の装飾図柄を所定の表示領域に変動表示することを単に変動表示と呼ぶ。
演出情報Aは0〜2秒間は左、中、右に高速度で変動表示することを示している。演出情報Bは2〜3秒間は左に低速度で、中、右には高速で変動表示することを示している。演出情報Cは3〜4秒間は左に装飾7を停止し、中、右には高速で変動表示することを示している。演出情報Dは4〜5秒間は左に装飾7を停止し、中は高速で、右は低速で変動表示することを示している。演出情報Eは5〜7.5秒間は左、右に装飾7を停止し、中は高速で変動表示することを示している。演出情報Fは7.5〜9.5秒間は左、右に装飾7を停止し、中は低速で変動表示することを示している。演出情報Gは9.5〜10秒間は左、右に装飾7を停止し、中に装飾6を停止表示することを示している。小分類データBおよびCも同様に複数の時系列的な演出情報で構成している。
ステップS801では、演出を切り替えるタイミング、例えば演出情報Aによる演出の終了タイミングで演出情報をAからBに切り替える処理を行うと共に、切り替えた演出情報が示している態様で装飾図柄変動表示を行うように次回実行する上記ステップS303の処理で副制御部500に出力するコマンド(例えば左に装飾7を停止することを指示するコマンドなど)をRAM408に設けた液晶コマンド格納領域に格納するなど、後述するステップS802、S803によるスピーカ416または各種ランプ420を制御する準備を行う。
また、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否かの抽選を行う。ここでは装飾図柄の変動を開始する場合(例えば演出情報Aを選択したタイミング)、左、右に同一種類の装飾図柄を停止することを示す演出情報(例えば演出情報E)に演出情報が切り替わった場合、および大当たり開始後最初の可変入賞口130の開放を演出表示する場合に、あらかじめ用意した操作演出パターン選択用テーブル1、2を用いたチャンスボタン関係の演出をするかどうか、する場合には演出の内容を決定し、決定結果をRAM408に設けた操作演出パターン記憶領域に記憶し、さらに決定結果結果によっては上記装飾図柄の変動表示に用いる小分類データとは別の小分類データに関連する演出情報に基づく装飾図柄表示装置110、スピーカ416ないし各種ランプ420を制御する準備を行う。これらの処理を行ってからこのステップS801を終了する。
このチャンスボタン関係の演出決定について具体例を示すと、大当たりフラグがオンである場合の変動開始時に、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を演出決定用乱数値として取得し、RAM408に設けている演出決定用乱数値記憶領域に記憶する。ここで取得した演出決定用乱数値が110である場合には、1行目および2行目の乱数値の範囲は0〜63および64〜103であるので操作演出パターンとして1または2を選択せず、3行目の乱数値の範囲は104〜119であるので、操作演出パターンとして3を選択し、操作演出パターン記憶領域に記憶する。一方、大当たりフラグがオフである場合のリーチ発生時に、取得した演出決定用乱数値が90である場合には、1行目の乱数値の範囲は0〜63であるので操作演出パターンとして1を選択せず、2行目〜4行目は乱数の範囲が0であるので操作演出パターン2〜4は選択出来ないことを示している。次に5行目の乱数値の範囲は64〜79であるので、操作演出パターンとして5を選択せず、6行目の乱数値の範囲は80〜95であるので、操作演出パターンとして6を選択し、操作演出パターン記憶領域に記憶する。
次に、大当たり中におけるチャンスボタン関係の演出決定について図10(b)を用いた具体例を示すと、確変フラグがオンである場合の最初の可変入賞口130開放演出の開始時(上記大当たり開始後の可変入賞口の開放回数を示す情報が1回を示す大分類データの実行を開始する場合)に、所定の乱数生成部により生成した0〜127の数値範囲のうちのいずれかの値を取る乱数値を演出決定用乱数値として取得し、RAM408に設けている演出決定用乱数値記憶領域に記憶する。ここで取得した演出決定用乱数値が15である場合には、1行目の乱数値の範囲は0〜7であるので操作演出パターンとして1を選択せず、2行目の乱数値の範囲は8〜15であるので、操作演出パターンとして9を選択し、操作演出パターン記憶領域に記憶する。一方、確変フラグがオフである場合の最初の可変入賞口130開放演出の開始時に、取得した演出決定用乱数値が120である場合には、1行目の乱数値の範囲は0〜119であるので操作演出パターンとして1を選択せず、2行目は乱数の範囲が0であるので操作演出パターン9は選択出来ないことを示している。次に2行目の乱数値の範囲は120〜125であるので、操作演出パターンとして10を選択し、操作演出パターン記憶領域に記憶する。
上記のとおり各操作演出パターンは複数の小分類データ、時系列的な演出情報で構成しており、例えば操作演出パターン3に対応する装飾図柄表示装置を制御するための小分類データに含まれる変動開始から1秒が経過した場合に参照する演出情報には、装飾図柄表示装置に「ボタンを押してください」といったメッセージを表示することを示す情報を記憶している。またリーチ発生時に参照する演出情報には、上記メッセージを表示してからチャンスボタンを遊技者が操作したことを検出していた場合には装飾図柄表示装置の左から右に紙飛行機が飛行する動画像の表示開始することを示す情報を記憶している。
ステップS802では、音出力処理を行う。この音出力処理では、上記ステップS801で取得したスピーカ制御用の情報(例えば小分類データB、または演出情報)に含まれるスピーカ416に出力する音声データをI/O410の出力ポートに設定し、スピーカ416の出力制御を音源IC418に行わせる。
ステップS803では、ランプ制御処理を行う。このランプ制御処理では、上記ステップS801で取得した各種ランプ制御用の情報(例えば小分類データC、または演出情報)に含まれる各種ランプ420に出力するランプの点灯・消灯を示すデータなどをI/O410の出力ポートに設定し、各種ランプ420の点灯や消灯の制御を表示回路422に行わせる。
ステップS804では、ソレノイド制御処理を行う。このソレノイド制御処理では、上述のようにして決定された演出内容に応じて、演出用駆動装置制御回路426を介して各種演出用駆動装置424に含まれるソレノイドやモータを駆動制御する。
ステップS805では、遊技球検出処理を行った後、元処理へ復帰(割り込み処理を終了)する。この遊技球検出処理では、転動領域700への球の進入、転動領域700内の入球口への入球、あるいは転動領域700に配置したゲート708(あるいはスルーチャッカー)などで検出した転動領域700内における球の動きなどに応じて、所定の演出制御や抽選にともなう装飾表示の態様を変更する処理を行う。この演出制御や抽選にともなう装飾表示の態様を変更する処理の契機は、上記のいずれでも任意であるが、以下では説明を簡単にするために、転動領域700内に配置したゲート708で球を検知した場合に演出制御や抽選にともなう装飾表示の態様を変更する処理を行うものとする。この遊技球検出処理の一例は図11、図12、および図13に示してある。
図11は、上記のゲート708による遊技球の検出に応じて副制御部400が行う演出処理の流れを示している。なお、本実施例では、ゲート708による遊技球の検出に応じて後述のような演出制御を行なうが、この演出制御は抽選や入賞、払い出しの制御(これらは主制御部300が行なう)に関与しない副制御部400により行う。
図11のステップS101では、抽選処理中、装飾図柄表示装置110で左、右、中央の図柄表示領域で各々3つの図柄を回転表示させる処理をスタートさせてから、所定時間内、例えば、装飾図柄表示装置110の右図柄表示領域で図柄を停止させるまでの間にゲート708により遊技球を検知したか否かを判定する。ステップS101が肯定された場合にはステップS102に移行し、ステップS101が否定された場合、および抽選処理中でない場合もそれ以後の処理を実行せず元の処理(図10(e)の副制御部タイマ割り込み処理)に復帰する。
ステップS102では、装飾図柄表示装置110で表示中の変動態様がリーチであるか否かを判定する。ここで、リーチとは、例えば、左、右、中央の順で図柄を停止せる場合、左及び右の停止図柄が同一且つ右の図柄が停止してから最後の中央の図柄が変動表示になっている変動態様をいう。このリーチ判定は、例えば、装飾図柄表示装置110でリーチ表示態様を開始するときにRAM408の所定領域にフラグなどを立てておき、そのフラグを判定することなどにより行う。ここで装飾図柄表示装置110で表示中の変動態様がリーチである場合にはステップS103を実行し、そうでない場合にはそれ以後の処理を実行せず元の処理に復帰する。
ステップS103では、RAM408に記憶している装飾図柄表示装置110で、変動表示中、最後から二番目に表示を停止させる図柄表示領域、例えば図11および図12の例では右図柄表示領域の図柄をオールマイティ図柄に置き換えて表示させる。ただし、このオールマイティ図柄への表示変更は、装飾図柄表示装置110で行う表面上のものだけで、内部処理では、依然として図4に示した本来の図柄(たとえば「1」〜「9」、「0」の数字)を表示しているものとして取り扱う。
このオールマイティ図柄は、例えば図13に示すように、遊技者がどのようなキャラクタ(文字、記号)にもマッチするよう認識できるような図柄(1202)とする。この図13の例では、星の図柄を用いている。
図12は、図11の制御に応じて装飾図柄表示装置110で表示される図柄の変動表示の様子を示している。図示の変動表示は、副制御部400が装飾図柄表示装置110の液晶表示を制御する副制御部500を介して制御する。
変動表示が開始された直後では図12(a)に示すように、左、右、中央の図柄表示領域はいずれも変動表示1203となる。ここでは便宜上、変動表示1203として矢印を図示しているが、例えば実際には図4に示したような図柄が移動するようにアニメーション表示する態様で表現する。
図12(b)は、続いて左の図柄表示領域の図柄が停止した状態(1201)を示している。右、および中央の図柄表示領域は依然として変動表示1203である。
図12(a)〜(b)の変動表示中、図11の制御によりゲート708により遊技球の通過を検知したか否かを判定する。
その後、遊技領域104における入賞、ないし遊技球の通過状態に応じて演出装置200(装飾図柄表示装置110)で図柄の変動表示表示が開始され、リーチのタイミングとなると、図12(c)、(e)に示すように装飾図柄表示装置110の下部に「リーチ」のような文字表示1204を表示させるとともに、図11の制御により、右の図柄を図13のオールマイティ図柄1202に変更し、停止させる。
そして、抽選結果が当りの場合は、図12(c)から図12(d)へと表示を遷移させ、装飾図柄表示装置110の下部に「あたり」のような文字表示1205を表示させるとともに、中央の装飾図柄領域で左の装飾図柄領域で停止させているのと同じ図柄(1201:この例では「7」)を停止させる。
また、抽選結果が外れの場合は、図12(e)から図12(f)へと表示を遷移させ、装飾図柄表示装置110の下部に「ハズレ」のような文字表示1205を表示させるとともに、中央の装飾図柄領域で左の装飾図柄領域で停止させているのと異なる図柄(1201:この例では「7」と異なる「6」)を停止させる。
なお、図12では、装飾図柄表示装置110の報知内容、特に図柄の変動態様を球検知に応じて変更する例を示しているが、例えばオールマイティ図柄1202を表示するかしないかに応じて、他のランプ(LED)やスピーカから報知する演出情報も同期して変動させてもよい。
なお、以上の説明では、ゲート708を遊技球が通過した場合に抽選中の変動表示の態様を変更する例を示したが、他の事象、例えば転動領域700への球の進入、転動領域700内の入球口への入球、あるいは転動領域700内における特定の球の動きなどに応じて抽選中の変動表示の態様を変更してもよいのはいうまでもない。
また、以上では回転部材701により転動領域700に進入させる既に賞球を発生させた球(死に球)を自然落下方向とは異なる所定方向(上方)に移動させているが、転動領域700中でも、適当な移動手段を用いて(既に死に球となっている)球を上方に移動させ、遊技者の興趣を刺激するようにしてもよい。
以上のように、遊技領域104の外部に転動領域700を設け、転動領域700への球の進入、転動領域700内の入球口への入球、あるいは転動領域700内における特定の球の動きなどに応じて、抽選中の変動表示の態様を変更することができる。特に、リーチタイミングにおいて、図12および図13に示したようなオールマイティ図柄を表示させることにより、ユーザの遊技への興趣を刺激することができる。