JP2009051981A - 水性分散体およびそれを用いた加工品 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材の外観を損なうことなく、一度の加工で紫外線遮蔽機能および帯電防止機能を同時に付与できる水性分散体と、この水性分散体を前記基材に塗工して組成物層を形成した加工品とを提供する。
【解決手段】酸化スズ系超微粒子と、紫外線遮蔽剤と、水分散性樹脂と、水性媒体とを含有する水性分散体である。酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との合計含有量を100質量%として、酸化スズ系超微粒子の含有量が11質量%以上50質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上89質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が0質量%以上39質量%以下である。かつpHが9〜14である。
【選択図】なし

Description

本発明は水性分散体およびそれを用いた加工品に関し、特に、水性分散体およびこの水性分散体を塗工した加工品に関する。
プラスチック基材は、種々用途に使用されているが、用途に応じた機能化が要求されている。そのなかには、紫外線遮蔽性能と帯電防止性能の両立が要求されるものも少なくない。例えば、各種製品を入れるための包装容器は、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と略称する。)等の熱可塑性樹脂フィルムなどを成形加工することにより作製されている。そして、これらの包装容器に、紫外線や帯電を嫌う製品を梱包する際には、紫外線遮蔽加工および帯電防止加工を施す必要がある。また、プラスチック基材を屋外材料として使用する場合であって、被保護材および基材そのものの光劣化を抑制し、かつ帯電による汚染も抑制するときにも、紫外線遮蔽加工および帯電防止加工を施す必要がある。
紫外線遮蔽加工および帯電防止加工を施す方法としては、紫外線遮蔽剤および帯電防止剤を基材に練り込む方法(特許文献1)、または基材の表面に紫外線遮蔽性能を有する塗膜および帯電防止塗膜を有する塗膜を形成する方法が実用化されている。しかし、例えば、紫外線遮蔽剤および帯電防止剤を練り込む場合は、紫外線遮蔽性能および帯電防止性能を良好なものとするためには、多量の紫外線遮蔽剤および帯電防止剤を含有させる必要があり、経済的ではないという問題がある。一方、塗膜を形成する方法は、薄膜化が可能であることや、取り扱いが容易であることなどから、好ましい方法である。しかしながら、紫外線遮蔽層と帯電防止層とを順次積層する方法は(特許文献2)、操作上煩雑である。このため一度の加工で紫外線遮蔽性能と帯電防止性能とを同時に付与できるコーティング剤が求められている。
コーティング剤には、媒体の種類により大別して、有機媒体を用いたものと水性媒体を用いたものとがある。しかし、近年では、環境保護、省資源、消防法等による危険物規制、職場環境改善等の立場から、有機溶剤を媒体とする系(特許文献3、4)は敬遠される傾向にある。さらに有機溶剤系は、ポリカーボネイトやポリスチレンのような耐溶剤性の乏しい機材への塗工が困難であるという課題もある。これらの理由から、水性媒体の使用が好まれる傾向にある。
上記の問題点を解決したものとして、単一の金属酸化物粒子で紫外線遮蔽性能および帯電防止性能の付与を試みた例(特許文献5、6)がある。これらは非常に興味深いものであり、水性媒体への応用も期待できるものである。しかし、紫外線遮蔽性能を発現させるためには厚膜化が必要であり、また帯電防止性能が十分ではない場合もある。さらに金属酸化物粒子の製造工程数が多く、製造コストがかかる可能性が高い。水性媒体を用いて、1工程で紫外線遮蔽性能および帯電防止性能を付与できる可能性を示した例として、特許文献7、8に記載の技術が挙げられる。しかし、いずれも、紫外線遮蔽性能については言及しているものの、帯電防止性能については明確なデータが示されていない。
特開2006−22232号公報 特開平8−150686号公報 特開平7−214732号公報 特開平11−333995号公報 特開2005−8515号公報 特開平10−120419号公報 特開平6−306324号公報 特開平10−237352号公報
本発明の課題は、基材の外観を損なうことなく、一度の加工で紫外線遮蔽機能および帯電防止機能を同時に付与できる水性分散体と、この水性分散体を前記基材に塗工して組成物層を形成した加工品とを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、酸化スズ系超微粒子、紫外線遮蔽剤、水分散性樹脂、水性媒体からなる水性分散体は、一度の加工で紫外線遮蔽機能と帯電防止機能との二つの機能を付与でき、安定性にも優れ、塗膜の透明性、基材密着性も良好であることを見出し、この知見に基づいて本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)酸化スズ系超微粒子と、紫外線遮蔽剤と、水分散性樹脂と、水性媒体とを含有し、酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との合計含有量を100質量%として、酸化スズ系超微粒子の含有量が11質量%以上50質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上89質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が0質量%以上39質量%以下であり、pHが9〜14であることを特徴とする水性分散体。
(2)滑剤を含有し、この滑剤と酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との合計含有量を100質量%として、この滑剤の含有量が0.01〜2質量%であることを特徴とする(1)の水性分散体。
(3)紫外線遮蔽剤が、ベンゾトリアゾール系骨格および/またはベンゾフェノン系骨格を含有しているポリマー型紫外線遮蔽剤であることを特徴とする(1)または(2)の水性分散体。
(4)水分散性樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂のうち少なくとも1種類からなることを特徴とする(1)から(3)までのいずれかの水性分散体。
(5)酸化スズ系超微粒子が酸化スズ超微粒子であることを特徴とする(1)から(4)までのいずれかの水性分散体。
(6)滑剤がワックスであることを特徴とする(2)から(5)までのいずれかの水性分散体。
(7)上記(1)から(6)までのいずれかの水性分散体から水性媒体を除去したものであることを特徴とする組成物。
(8)表面固有抵抗値が1012Ω/□未満であることを特徴とする(7)の組成物。
(9)厚さ2μmの膜としたときの、波長360nmにおける紫外線吸光度が1以上であることを特徴とする(7)または(8)の組成物。
(10)上記(7)から(9)までのいずれかに記載の組成物にて形成された層を基材上に設けたものであることを特徴とする加工品。
(11)基材が熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする(10)の加工品。
(12)ヘイズが10%以下であることを特徴とする(11)の加工品。
(13)酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との合計含有量を100質量%として、酸化スズ系超微粒子の含有量が11質量%以上50質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上89質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が0質量%以上39質量%以下であるように調整し、これら酸化スズ系超微粒子および紫外線遮蔽剤および水分散性樹脂と、水性媒体とを混合させて、pHを9〜14に調整することを特徴とする水性分散体の製造方法。
本発明の水性分散体によれば、各種の基材に、薄膜でありながら紫外線遮蔽性能および帯電防止性能を有する層を、簡便な装置で1工程で積層できる。また、ポットライフも良好であり、かつ塗膜の透明性および基材との密着性にも優れる。しかも水性媒体を使用していることから、環境保護や危険物規制への適合などの目的にもかなったものとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性分散体は、酸化スズ系超微粒子と、紫外線遮蔽剤と、水分散性樹脂と、水性媒体とを含有するものである。
本発明における酸化スズ系超微粒子とは、酸化スズ系化合物、あるいはその溶媒和物や配位化合物の超微粒子のことをいい、その平均粒径が200nm以下のものをいう。ここにいう平均粒径とは、使用する粒子群の粒度分布の平均値であり、特に、数平均粒子径という意味である。その粒径分布がシャープなものが好ましい。その具体例としては、酸化スズ、アンチモンドープ酸化スズ、インジウムドープ酸化スズ、酸化スズドープインジウム、アルミニウムドープ酸化スズ、タングステンドープ酸化スズ、酸化チタン−酸化セリウム−酸化スズの複合体、酸化チタン−酸化スズの複合体などが挙げられる。それらの溶媒和物や配位化合物の超微粒子も用いることができる。塗膜の透明性や価格の点から酸化スズ超微粒子が特に好ましい。
上記の酸化スズ系超微粒子の製造方法は、特に限定されないが、例えば、金属スズやスズ化合物を加水分解または熱加水分解する方法、スズイオンを含む酸性溶液をアルカリ加水分解する方法、スズイオンを含む溶液をイオン交換膜やイオン交換樹脂によりイオン交換する方法など、何れの方法も用いることができる。
本発明の水性分散体において、酸化スズ系超微粒子は、あらかじめ水中もしくは水を主成分とする溶媒中に分散したゾルとして使用される。
ここにいうゾルとは、1〜100nm程度の大きさの固体分散質が液体分散媒中に分散した流動性のある系で、固体分散質が活発なブラウン運動をしており、速やかに濾紙を通過する程度まで分散しているものまたはその状態を指す。酸化スズ系超微粒子ゾルの製造方法は特に限定されないが、一般的に後述の塩基性化合物によって分散安定化されているものが多く、本発明の水性分散体の安定性を維持することからも、そのようなものが好ましい。
ゾル中における酸化スズ系超微粒子の数平均粒子径は、50nm以下であることが好ましく、より好ましくは30nm以下、特に好ましくは20nm以下である。体積平均粒子径は200nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることが特に好ましい。酸化スズ系化合物の数平均粒子径が50nmを超えたり、その体積平均粒子径が200nmを超えたりすると、薄い塗膜を均一に形成することが困難になるばかりでなく、塗膜の透明性の低下や基材との密着性の低下が起こることがある。
上記した、酸化スズ系超微粒子や後述する紫外線遮蔽剤および水分散性樹脂の数平均粒子径は、動的光散乱法によって測定される。
酸化スズ系超微粒子のゾルは、市販のものを使用することもできる。例えば、酸化スズ水分散体としては山中化学工業社製のEPS−6、アンチモンドープ酸化スズ系水分散体としては石原産業社製のSN100D、酸化スズドープインジウムとしてはシーアイ化成社製のITOを挙げることができる。
本発明で使用される紫外線遮蔽剤としては、ベンゾトリアゾール系骨格および/またはベンゾフェノン系骨格を含有しているポリマー型紫外線遮蔽剤を例示することができる。これらは、いずれもその製造法が限定されるものではないが、pH9〜14の水性媒体中に安定に分散するものであることが必要である。紫外線遮蔽剤は、市販のものを使用することができ、例えば、ポリマー型紫外線遮蔽剤の水分散体として、楠本化成社製のEMシリーズが挙げられる。
本発明に使用される水分散性樹脂は、特に限定されない。例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ナイロン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の水性分散体を用いることができる。これらは、2種以上を混合して使用しても良い。上記の水分散性樹脂の中でも、紫外線遮蔽剤としてポリマー型の紫外線吸収剤を用いたときの相溶性の点から、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましい。
上述のように、水分散性樹脂は、その微粒子が、あらかじめ水中もしくは水を主成分とする溶媒中に分散した、水性分散体として用いられる。水分散性樹脂の水性分散体を得る方法は特に限定されず、市販されているものを使用してもよく、樹脂を入手してそれを分散する方法や、モノマーを水性媒体中で重合する方法を用いることもできる。水分散性樹脂の水性分散体は、一般に自己分散型水性分散体と強制分散型水性分散体に分類することができるが、そのいずれであっても構わない。
水性分散体中における水分散性樹脂の数平均粒子径は200nm以下であることが好ましく、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。水分散性樹脂の数平均粒子径が200nmを超えると、本発明の水性分散体の安定性が低下することがあるのみならず、塗膜の透明性や基材との密着性が低下することがある。
水分散性樹脂は、上記のように市販のものを使用することもできる。例えば、アクリル樹脂水分散体としては、楠本化成社製のNeoCrylシリーズなどが挙げられる、ポリエステル樹脂水分散体としては、ユニチカ社製のエリーテルシリーズや、東洋紡社製のバイロナールシリーズなどが挙げられる。ポリウレタン樹脂水分散体としては、アデカ社製のアデカボンタイターシリーズや、三井化学社製のタケラックシリーズなどが挙げられる。ポリオレフィン樹脂水分散体としては、ユニチカ社製のアローベースシリーズなどが挙げられる。
本発明で用いられる水性媒体は、水を50質量%以上含むものが好ましく、80質量%以上含むものがさらに好ましく、90質量%以上含むものが特に好ましい。水性媒体に含まれる水以外の溶媒としては、後述する親水性の有機溶剤や有機アミン化合物等が挙げられる。
本発明の水性分散体における酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との配合割合は、これらの合計含有量を100質量%として、酸化スズ系超微粒子の含有量が11質量%以上50質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上89質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が0質量%以上39質量%以下であることが必要である。好ましくは、酸化スズ系超微粒子の含有量が13質量%以上40質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上75質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が10質量%以上37質量%以下である。さらに好ましくは、酸化スズ系超微粒子の含有量が15質量%以上30質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上60質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が20質量%以上35質量%以下である。
酸化スズ系超微粒子の含有量が11質量%未満では、帯電防止性能が十分に発現しない場合がある。紫外線遮蔽剤が50質量%未満では、紫外線遮蔽性能が十分に発現されない場合がある。一方で酸化スズ系超微粒子の含有量が50質量%を超えると、その分だけ紫外線遮蔽剤の含有量が低下して紫外線遮蔽能が低下する場合があり、紫外線遮蔽剤の含有量が89質量%を超えると、その分だけ酸化スズ系超微粒子の含有量が低下して帯電防止性能が低下する場合がある。同様に、水分散性樹脂が39質量%を超えると、その分だけ酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤の含有量が低下して、紫外線遮蔽性能や帯電防止性能が低下する場合がある。水分散性樹脂は、基材の種類によっては配合する必要がないが、基材へのぬれ性の向上、紫外線遮蔽剤や帯電防止剤の基材への密着性の補助の観点から、本発明の範囲内で含有していることが好ましい。
本発明の水性分散体における固形分含有率は、成膜条件、目的とする塗布量や性能等により適宜選択でき、特に限定されるものではない。しかし、組成物の粘性を適度に保ち、かつ良好な塗膜形成能を発現させる点で、1〜60質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましく、10〜40質量%であることがさらに好ましい。
本発明においては、水性分散体のpHが、分散安定性に関係する。このため、水性分散体のpHは、9〜14であることが必要で、より好ましくは9〜12であり、さらに好ましくは9〜11であり、特に好ましくは9.5〜10である。pHが9よりも低いと、水性分散体が凝集してしまう。pHのコントロールは、塩基性化合物により行う。
このための塩基性化合物としては、塗膜形成時に揮発するアンモニアまたは有機アミン化合物が、塗膜の耐水性の面から好ましい。中でも沸点が30〜250℃の有機アミン化合物が好ましく、さらに好ましくは沸点が50〜200℃の有機アミン化合物である。有機アミン化合物の沸点が30℃未満の場合は、取り扱いが困難になる。有機アミン化合物の沸点が250℃を超えると、乾燥によって樹脂塗膜から有機アミン化合物を飛散させることが困難になり、塗膜の耐水性が悪化する場合がある。
有機アミン化合物の具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、sec−ブチルアミン、プロピルアミン、メチルアミノプロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、モノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等を挙げることができる。
本発明の水性分散体は、例えば、酸化スズ系超微粒子の水性分散体と、紫外線遮蔽剤の水性分散体と、水分散性樹脂の水性分散体とを混合することによって調製される。混合順序は任意である。
水性分散体を調製する際に、酸化スズ系超微粒子の水性分散体と、紫外線遮蔽剤の水性分散体と、水分散性樹脂の水性分散体とを混合するための撹拌装置としては、公知の装置を使用することが可能である。混合液の分散性が良好であるため、極めて短時間かつ簡単な混合操作でよい。
本発明の水性分散体には、滑剤を加えることが好ましい。滑剤を加えることで、塗膜表面の引っかき耐性を強めることができる。ここで、引っかき耐性の強い塗膜とは、爪などにより傷のつきにくいものをいう。このために用いられる滑剤としては、ワックス、シリコーン系化合物、脂肪酸アミド化合物、脂肪酸金属塩化合物等が挙げられる。
ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろうなどの植物ワックスや、セラックワックス、ラノリンワックスなどの動物ワックスや、モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物ワックスや、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス等を例示することができる。シリコーン系化合物は、分子内にケイ素−酸素結合(シロキサン結合)を有し、ケイ素原子の側鎖に有機基が結合した化合物であり、例えばアルキルメトキシシラン化合物、アルキルエトキシシラン化合物等が挙げられる。脂肪酸アミド化合物としては、ステアリン酸アミド、ビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等が挙げられる。脂肪酸金属塩化合物としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。上記の滑剤のなかでも、作業性、価格の点からワックスが好ましい。添加量は、酸化スズ系超微粒子と、紫外線遮蔽剤と、水分散性樹脂と、この滑剤との合計含有量を100質量%として、0.01〜2質量%であることが好ましく、0.05〜1.5質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることがさらに好ましい。添加量が0.01質量%未満では添加効果が期待できず、一方で添加量が2質量%を超えると、帯電防止性や透明性が低下する場合があり、また水性分散体を塗工した加工品を重ねたときに滑剤が裏移りする場合もある。
本発明の水性分散体には、本発明の効果が損なわれない範囲で、基材へのぬれ性の向上等を目的として、親水性有機溶剤を添加することができる。親水性有機溶剤としては、20℃における水に対する溶解性が50g/L以上のものが好ましく、その具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。なかでも、液の安定性や価格、さらに耐溶剤性に乏しい基材への応用等の点から、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類が特に好ましい。添加量は、水性分散体全体の0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましく、0〜20質量%であることがさらに好ましく、添加しないことが最も好ましい。
そのほかにも、本発明の水性分散体には、本発明の効果が損なわれない範囲で、架橋剤、顔料あるいは染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、消泡剤、ワキ防止剤、分散剤などを添加することができる。
架橋剤としては、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を分子内に複数個有する化合物、多価の配位座を有する金属錯体等を用いることができる。具体的には、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤等を挙げることができる。これらの架橋剤を組み合わせて使用しても良い。なかでも、比較的低温で塗膜性能を向上できる点から、イソシアネート化合物、オキサゾリン基含有化合物が好ましく、オキサゾリン基含有化合物がより好ましい。添加量は、水分散性樹脂100質量部に対して100質量部以下であれば適当である。
基材との密着性の点から、水性分散体中の界面活性剤(カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、あるいは両性乳化剤)や保護コロイド化合物などの不揮発性化合物の含有量は、水分散性樹脂100質量部あたり5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることがさらに好ましく、添加しないことが最も好ましい。このような化合物は、乾燥後も塗膜中に残存し、経時的に塗膜性能を低下させてしまう恐れがあるからである。
本発明の組成物は、本発明の水性分散体から水性媒体を除去することにより得られる。通常は、水性分散体を基材に塗布して乾燥させることにより、基材の表面に組成物の層が形成される。このように基材の表面に組成物の層を形成することで、本発明の加工品が得られる。
水性分散体を塗工する基材としては、熱可塑性樹脂が好ましく、これからなる成形体、フィルム、シート、合成紙などが挙げられる。塗膜性能を十分に発揮させる点から、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィン樹脂;環状ポリオレフィン樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂;ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」と称する)、アモルファスPET、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリカーボネイト樹脂;ポリアリレート樹脂;それらの混合物を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂のフィルムまたはシート(以下、「フィルム等」と称する)を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂のフィルム等の表面に本発明の組成物の層を形成した本発明の加工品のヘイズは、10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下である。また、フィルム等としては、前記樹脂にて形成されたフィルム等単体またはフィルム等の積層体が挙げられる。本発明の水性分散体はぬれ性に優れているので、基材に物理的表面処理が施されている必要はないが、施されていてもよい。ここで、物理的表面処理とは、光、電子線、イオンビーム、プラズマ等を用いた表面処理を意味する。
基材への水性分散体の塗工方法としては、例えば、グラビアロールコーティング、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が挙げられる。水性分散体をフィルム等の各種基材の表面に均一にコーティングした後、必要に応じて室温付近でセッティングし、乾燥処理に供することにより、均一な樹脂塗膜をフィルム等の各種基材の表面に密着させて形成することができる。乾燥のための加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや赤外線ヒーター等を使用すればよい。その加熱温度や加熱時間は、被コーティング物である基材の特性により適宜選択されるものである。しかし、経済性を考慮した場合、加熱温度としては、10℃〜(フィルム等の樹脂の融点)の範囲が好ましい。また、加熱時間は、通常1秒〜20分の範囲が好ましい。
塗膜の塗工厚みは0.5〜10μmであることが好ましく、1〜7μmであることがより好ましく、2.5〜5μmであることがさらに好ましい。塗膜の塗工厚みすなわち組成物の積層量が10μmを超えると、塗膜の透明性や基材密着性が低下する場合がある。積層量が0.5μm未満では、薄すぎて、所望の紫外線遮蔽性能が発現しない場合がある。
本発明の水性分散体から得られる組成物の表面固有抵抗値は、1012Ω/□未満であることが好ましく、1011Ω/□未満であることがより好ましく、1010Ω/□未満であることがさらに好ましい。用途によるが、表面固有抵抗値が1012Ω/□を超えると、帯電防止性能は十分とはいえなくなる。
本発明の水性分散体から得られる組成物(厚み2μm)の、波長360nmにおける紫外線吸光度は、1以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましく、2.5以上であることが特に好ましい。用途によるが、紫外線吸光度が1未満では紫外線遮蔽性能は十分とはいえない。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、各種の物性については、以下の方法によって測定又は評価した。
(1)分散粒子径
水性分散体中の酸化スズ系超微粒子、紫外線遮蔽剤、水分散性樹脂、ワックスの分散粒子について、マイクロトラック粒度分布計UPA150(日機装株式会社製、MODEL No.9340)を用いて、数平均粒子径および体積平均粒子径を測定した。
(2)ポットライフ
水性分散体を室温で90日放置した後の外観を次の2段階出評価した。
○:外観に変化なし
×:固化、凝集や沈殿物の発生が見られる
(3)水性分散体のpH
pHメーター(HORIBA社製、9611−10D)を用いて測定した。
以下、(4)〜(6)の評価においてはPETフィルム(ユニチカ社製、エンブレットPET12(厚み12μm))を用い、(7)〜(10)の評価においてはポリカーボネイトシート(三菱エンジニアリングプラスチック社製、ユーピロン・シート NF−2000(厚み1mm)、以下、ポリカーボネイトを「PC」と称する)を用いた。
(4)紫外線吸光度
自記分光光度計(日立製作所社製、U−4000型)を用い、組成物層を形成したフィルムについて、波長360nmでの紫外線吸光度を測定した。
(5)ヘイズ
JIS−K7361−1に基づいて、濁度計(日本電色工業社製、NDH2000)を用いて、組成物層を形成したフィルムについてのヘイズ測定を行い、透明性を評価した。ただし、評価値は、各実施例で用いた基材フィルムの濁度(PETフィルム:3.3%)を含むものである。
(6)塗膜の厚さ
JIS−K7130に準じて、HEIDENNHAIN社製の厚み計(ND282型)を用いて、組成物層を形成したフィルムの全体の厚さから、基材フィルムの厚さを減じて求めた。
(7)塗工性
塗膜表面の状態を目視で観察して、以下の基準により評価した。
○:異状(はじき、基材の荒れ)なし
(8)表面固有抵抗値
JIS−K6911に基づき、アドバンテスト社製デジタル超高抵抗/微少電流計、R8340を用いて、フィルムの表面に形成された被膜の表面固有抵抗値を、温度20℃、相対湿度60%の雰囲気下で測定した。
(9)密着性
JIS K5400記載のクロスカット法によるテープ剥離(碁盤目試験)により評価した。クロスカットにより、塗布層を100区間にカットし、テープ剥離後残留した塗布層の区間数で、以下の基準により評価した。
○:100区間残留(密着性良好)
△:90〜99区間残留(密着性普通)
(10)引っかき耐性
塗膜表面を爪で引っかいて、以下の基準により評価した。
○:傷なし
×:傷あり
《酸化スズ超微粒子》
(酸化スズゾルの調製)
塩化第二スズ五水和物35g(0.1モル)を200mlの水に溶解して0.5Mの水溶液とし、この水溶液を撹拌しながら28%のアンモニア水を添加することで、pH1.5の白色酸化スズ超微粒子含有スラリーを得た。得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーを70℃まで加熱した後、50℃前後まで自然冷却したうえで純水を加えて、1Lの酸化スズ超微粒子含有スラリーとし、遠心分離器を用いて固液分離を行った。得られた含水固形分に800mlの純水を加えて、ホモジナイザーにより撹拌・分散を行った後、遠心分離器を用いて固液分離を行うことで洗浄を行った。洗浄後の含水固形分に純水を75ml加えて、酸化スズ超微粒子含有スラリーを調製した。
得られた酸化スズ超微粒子含有スラリーにトリエチルアミン3.0mlを加えて撹拌し、透明感が出てきたところで70℃まで昇温した後、加温をやめ自然冷却することで、有機アミンを分散安定剤とする固形分濃度11.5質量%の酸化スズゾル「Z−1」を得た。この酸化スズゾル「Z−1」における酸化スズ超微粒子の数平均粒子径および体積平均粒子径は、それぞれ8.5nm、8.7nmであった。
《紫外線遮蔽剤》
(ポリマー型紫外線吸収剤水性分散体)
ポリマー型紫外線吸収剤水性分散体として、市販の水性分散体「U−1」(楠本化成社製、EM−490、固形分濃度:35質量%)を使用した。紫外線吸収剤粒子の数平均粒子径は100nm以下であった。
《水分散性樹脂》
(アクリル樹脂水性分散体)
市販の分散体「A−1」(楠本化成社製、NeoCryl A−655、固形分濃度:45質量%)を使用した。アクリル樹脂粒子の数平均粒子径は100nm以下であった。
(ポリエステル樹脂水性分散体)
市販の分散体「E−1」(ユニチカ社製、エリーテル KZT−0507、固形分濃度:30質量%)を使用した。ポリエステル樹脂粒子の数平均粒子径は100nm以下であった。
(ポリウレタン樹脂水性分散体)
市販の分散体「P−1」(三井化学社製、タケラック W−605、固形分濃度:30質量%)を使用した。ポリウレタン樹脂粒子の数平均粒子径は100nm以下であった。
《滑剤》
(ワックス水性分散体の調製)
ヒーター付きの密閉できる耐圧1L容ガラス容器を備えた撹拌機を用いた。40.0gのキャンデリラワックス(東亜化成社製、酸価:15.8、ケン化価:55.4)と、8.8g(ワックスの完全中和および完全ケン化に必要な量の2.0倍当量)のモルホリン(ナカライテスク社製)と、151.2gの蒸留水とを上記ガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を400rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこで、この状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れて加熱した。そして系内温度を100℃に保って、さらに10分間撹拌した。その後、空冷にて、回転速度600rpmで攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。それによって、淡黄色の均一なワックス水性分散体「W−1」を得た。その固形分濃度は20.0質量%、ワックス粒子の数平均粒子径は270nmであった。
実施例1
酸化スズゾル「Z−1」19.6g(17質量%相当)と、ポリマー型紫外線吸収剤水性分散体「U−1」19.3g(50質量%相当)と、アクリル樹脂水性分散体「A−1」10g(33質量%相当)とを混合し、トリエチルアミンを添加することでpHが9.5になるようにコントロールして、水性分散体を調製した。
調製した水性分散体を、基材としてのPETフィルムとPCシートとに、乾燥後の組成物の塗膜厚みが2.0μmになるように塗工し、100℃で60秒間乾燥して、加工品としての塗工フィルムを得た。
実施例2
乾燥後の塗膜厚みが3.5μmになるように塗工した。それ以外は実施例1と同様にして塗工フィルムを得た。
実施例3
酸化スズゾル「Z−1」19.6g(33質量%相当)と、ポリマー型紫外線吸収剤水性分散体「U−1」12.9g(67質量%相当)とを混合した。水分散性樹脂は用いなかった。それ以外は実施例1と同様にして水性分散体を作製し、実施例2と同じ塗膜厚みとして各種物性の評価を行った。
実施例4
酸化スズゾル「Z−1」19.6g(11質量%相当)と、ポリマー型紫外線吸収剤水性分散体「U−1」38.6g(67質量%相当)と、アクリル樹脂水性分散体「A−1」10g(22質量%相当)とを混合して水性分散体を調製した。それ以外は実施例1と同様にして水性分散体を作製し、実施例2と同じ塗膜厚みとして各種物性の評価を行った。
実施例5、6
実施例1に比べ、アクリル樹脂水性分散体「A−1」の代わりに、ポリエステル樹脂水性分散体「E−1」(実施例5)またはポリウレタン樹脂水性分散体「P−1」(実施例6)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして水性分散体を作製し、実施例2と同じ塗膜厚みとして各種物性の評価を行った。
実施例7
実施例1に比べ、ワックス水性分散体「W−1」0.1g(0.2質量%相当)を添加した。それ以外は実施例1と同様にして水性分散体を作製し、実施例2と同じ塗膜厚みとして各種物性の評価を行った。
比較例1
水性分散体の調製において、酸化スズゾル「Z−1」とポリマー型紫外線吸収剤水性分散体「U−1」とを添加しなかった。すなわち、アクリル樹脂水性分散体「A−1」を単独で用いた。それ以外は実施例2と同様にして、各種物性の評価を行った。
比較例2、3
水性分散体の調製において、酸化スズゾル「Z−1」/ポリマー型紫外線吸収剤水性分散体「U−1」/アクリル樹脂水性分散体「A−1」の比率が、固形分質量比で、10/60/30(比較例2)、30/40/30(比較例3)となるよう配合した。それ以外は実施例1と同様にして水性分散体を作製し、実施例2と同じ塗膜厚みとして各種物性の評価を行った。
比較例4
実施例1に比べ、トリエチルアミンの添加によるpHのコントロールを行わなかった。そうしたところ、水性分散体のpHは8.4であった。まもなく水性分散体は凝集し、各種物性の評価はできなかった。
実施例1〜7、比較例1〜4の水性分散体およびその評価結果を表1に示す。
Figure 2009051981
実施例1〜7では、紫外線遮蔽性能および帯電防止性能ともに優れた加工品が得られた。このとき用いた各水性分散体のポットライフも良好であった。
特に、塗工厚みが厚いと紫外線遮蔽性能が向上する傾向が認められた(実施例2)。水分散性樹脂を添加しなくても塗工できるが、基材への密着性が若干低下することが確認された(実施例3)。ワックスを添加することで、引っかき耐性が高まることが確認できた(実施例7)。
これに対し、比較例1は、酸化スズ系超微粒子および紫外線遮蔽剤を配合していなかったため、帯電防止性能および紫外線遮蔽性能を発現しなかった。比較例2は、酸化スズ系超微粒子の添加量が本発明の範囲外で少なかったため、帯電防止性能に劣り、紫外線遮蔽性能も予想より低かった。比較例3は、紫外線遮蔽剤の添加量が本発明の範囲外で少なかったため、帯電防止性能は良好であったものの紫外線遮蔽性能に劣っていた。比較例4は、pHが本発明の範囲外で9よりも低かったため、安定性に劣っていた。

Claims (13)

  1. 酸化スズ系超微粒子と、紫外線遮蔽剤と、水分散性樹脂と、水性媒体とを含有し、酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との合計含有量を100質量%として、酸化スズ系超微粒子の含有量が11質量%以上50質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上89質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が0質量%以上39質量%以下であり、pHが9〜14であることを特徴とする水性分散体。
  2. 滑剤を含有し、この滑剤と酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との合計含有量を100質量%として、この滑剤の含有量が0.01〜2質量%であることを特徴とする請求項1記載の水性分散体。
  3. 紫外線遮蔽剤が、ベンゾトリアゾール系骨格および/またはベンゾフェノン系骨格を含有しているポリマー型紫外線遮蔽剤であることを特徴とする請求項1または2記載の水性分散体。
  4. 水分散性樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂のうち少なくとも1種類からなることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の水性分散体。
  5. 酸化スズ系超微粒子が酸化スズ超微粒子であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の水性分散体。
  6. 滑剤がワックスであることを特徴とする請求項2から5までのいずれか1項記載の水性分散体。
  7. 請求項1から6までのいずれか1項記載の水性分散体から水性媒体を除去したものであることを特徴とする組成物。
  8. 表面固有抵抗値が1012Ω/□未満であることを特徴とする請求項7記載の組成物。
  9. 厚さ2μmの膜としたときの、波長360nmにおける紫外線吸光度が1以上であることを特徴とする請求項7または8記載の組成物。
  10. 請求項7から9までのいずれか1項に記載の組成物にて形成された層を基材上に設けたものであることを特徴とする加工品。
  11. 基材が熱可塑性樹脂フィルムであることを特徴とする請求項10記載の加工品。
  12. ヘイズが10%以下であることを特徴とする請求項11記載の加工品。
  13. 酸化スズ系超微粒子と紫外線遮蔽剤と水分散性樹脂との合計含有量を100質量%として、酸化スズ系超微粒子の含有量が11質量%以上50質量%以下であり、紫外線遮蔽剤の含有量が50質量%以上89質量%以下であり、水分散性樹脂の含有量が0質量%以上39質量%以下であるように調整し、これら酸化スズ系超微粒子および紫外線遮蔽剤および水分散性樹脂と、水性媒体とを混合させて、pHを9〜14に調整することを特徴とする水性分散体の製造方法。
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