JP2009050797A - 電解水生成装置および電解水生成方法 - Google Patents
電解水生成装置および電解水生成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009050797A JP2009050797A JP2007220382A JP2007220382A JP2009050797A JP 2009050797 A JP2009050797 A JP 2009050797A JP 2007220382 A JP2007220382 A JP 2007220382A JP 2007220382 A JP2007220382 A JP 2007220382A JP 2009050797 A JP2009050797 A JP 2009050797A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- salt
- water tank
- salt water
- intermediate chamber
- water
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
Abstract
【課題】未電解のまま無駄に消費される食塩の量を少なくし、複雑な構造や制御を要せず、塩水タンク内における塩素臭の発生を抑制して食塩投入時の塩素臭による不快感を解消すること。
【解決手段】中間室、陽極室および陰極室を備えた電解槽と、食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、前記陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。
【選択図】図1
【解決手段】中間室、陽極室および陰極室を備えた電解槽と、食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、前記陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、電解水生成装置および電解水生成方法に関するものである。
従来より食塩水を電気分解して酸性溶液やアルカリ性溶液を生成する電解水生成装置が知られている。当該電解水生成装置は、所謂2室型、3室型に代表される電解槽を有しており、当該電解槽に食塩水を供給し、所望の電解水を得るものである。
図14は、2室型の電解槽100を表した模式図である。当該2室型の電解槽の場合は、隔膜101によって電解槽内を2室に仕切り、各室に陽極102と陰極103を配置することで、それぞれ陽極室104と陰極室105を形成したものである。この陽極室104と陰極室105には、それぞれ塩水タンク106から食塩水が供給されるが、供給された食塩水の一部は電解されるものの、排出される酸性水若しくはアルカリ性水には未電解の食塩成分がそのまま含まれていた。
出願人の実験では、上記2室型の電解槽を用いた電解水生成装置によって、食品衛生法上の強酸性次亜塩素酸水(強酸性電解水)としての規格であるpHが2.7以下、有効塩素濃度20〜60mg/kgを満たす酸性溶液を毎分1500mL生成するには、おおよそ3g/分(1時間あたり180g)の食塩を消費することが解った。
図14は、2室型の電解槽100を表した模式図である。当該2室型の電解槽の場合は、隔膜101によって電解槽内を2室に仕切り、各室に陽極102と陰極103を配置することで、それぞれ陽極室104と陰極室105を形成したものである。この陽極室104と陰極室105には、それぞれ塩水タンク106から食塩水が供給されるが、供給された食塩水の一部は電解されるものの、排出される酸性水若しくはアルカリ性水には未電解の食塩成分がそのまま含まれていた。
出願人の実験では、上記2室型の電解槽を用いた電解水生成装置によって、食品衛生法上の強酸性次亜塩素酸水(強酸性電解水)としての規格であるpHが2.7以下、有効塩素濃度20〜60mg/kgを満たす酸性溶液を毎分1500mL生成するには、おおよそ3g/分(1時間あたり180g)の食塩を消費することが解った。
また、3室型の電解槽を用いたものとして特許文献1記載の電解水生成装置が知られている。当該電解水生成装置は、電解槽と電気分解用の食塩水を収容する塩水タンクおよびそれらを連結する配管を主要構成部材としている。塩水タンクには、開閉バルブを備えた連通管を介して濃塩水タンクから飽和食塩水が供給され、給水バルブを備えた給水管によって水を適宜供給するようになっている。そして塩水タンク内に設けた濃度センサの検出結果に応じて開閉バルブおよび給水バルブを操作し塩水タンク内の食塩水の濃度および水位を所定範囲に維持するようになっている。
また、塩水タンクは内部の濃度を均一化するための攪拌ポンプを有し、濃塩水タンクに食塩を供給する食塩タンクも設けられている。また、塩水タンクにはpHセンサが設けられており、検出された値に応じた酸性水供給バルブ又はアルカリ性水供給バルブの制御によって酸性水又はアルカリ性水を塩水タンクに供給し、塩水タンク内のpHを一定範囲に保つようにしている。
特開平7−299457号公報
また、塩水タンクは内部の濃度を均一化するための攪拌ポンプを有し、濃塩水タンクに食塩を供給する食塩タンクも設けられている。また、塩水タンクにはpHセンサが設けられており、検出された値に応じた酸性水供給バルブ又はアルカリ性水供給バルブの制御によって酸性水又はアルカリ性水を塩水タンクに供給し、塩水タンク内のpHを一定範囲に保つようにしている。
前述した2室型の電解槽の場合、生成される酸性溶液やアルカリ性溶液の量に対して消費される食塩の量が多いという問題がある。また、前記特許文献1記載の電解水生成装置は、センサによる検出結果に応じて各種バルブを動作させる等、装置の構成や制御が複雑であり、製品価格やメンテナンス費用が高価になるという欠点を有している。
本願発明は上記課題に鑑み発明されたものであって、未電解のまま無駄に消費される食塩の量を少なくするとともに、センサやバルブ等の付属手段の多い複雑な構造や制御を要しない電解水生成装置等の提供を課題とする。さらに、食塩を収容する塩水タンクから塩素臭の発生要因となる成分を排出することで、食塩投入時の塩素臭による不快感を解消することを課題とする。
本願発明は上記課題に鑑み発明されたものであって、未電解のまま無駄に消費される食塩の量を少なくするとともに、センサやバルブ等の付属手段の多い複雑な構造や制御を要しない電解水生成装置等の提供を課題とする。さらに、食塩を収容する塩水タンクから塩素臭の発生要因となる成分を排出することで、食塩投入時の塩素臭による不快感を解消することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の電解水生成装置は、以下の構成を有する。すなわち、
食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、
食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、
前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、
電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、
前記陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、
前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、
前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。
食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、
食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、
前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、
電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、
前記陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、
前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、
前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。
また、本願請求項2記載の電解水生成装置は、以下の構成を有する。すなわち、
食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、
食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、
前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、
電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、
前記陽極室や陰極室に供給する原水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、
前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、
前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。
食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、
食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、
前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、
電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、
前記陽極室や陰極室に供給する原水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、
前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、
前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。
また、本願請求項3記載の電解水生成装置は、以下の構成を有する。すなわち、
前記塩水タンクは、補給路との接続口を排出路との接続口よりも上方に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電解水生成装置。
前記塩水タンクは、補給路との接続口を排出路との接続口よりも上方に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電解水生成装置。
また、上記課題を解決するために、本願請求項4記載の電解水生成方法は、以下の構成を有する。すなわち、
食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクを有した電解水生成装置における電解水生成方法であって、
電解によって減少する塩水タンク内の溶液の減少分を、陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を補給水として補うとともに、過剰に供給した当該補給水の余剰分を、排出路と接続した塩水タンクの接続口から廃棄することを特徴とする電解水生成方法。
食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクを有した電解水生成装置における電解水生成方法であって、
電解によって減少する塩水タンク内の溶液の減少分を、陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を補給水として補うとともに、過剰に供給した当該補給水の余剰分を、排出路と接続した塩水タンクの接続口から廃棄することを特徴とする電解水生成方法。
また、本願請求項5記載の電解水生成方法は、以下の構成を有する。すなわち、
前記補給水の量が、実際に減少する塩水タンク内の溶液量よりも多く、かつ当該溶液量の7倍以下であることを特徴とする請求項4記載の電解水生成方法。
前記補給水の量が、実際に減少する塩水タンク内の溶液量よりも多く、かつ当該溶液量の7倍以下であることを特徴とする請求項4記載の電解水生成方法。
本願発明に係る電解水生成装置および電解水生成方法は、食塩を投入して塩水を生成する塩水タンクをオーバーフロータンクとして形成しており、当該塩水タンクにアルカリ性室で生成されたアルカリ水若しくは原水を補給水として供給している。当該補給水は、電解等によって消費される食塩水量よりもやや多い量を供給するようになっており、その余剰分はオーバーフロー機能により塩水タンクから排出されるようになっている。この余剰分の溶液を排出する際、塩水タンク内に入り込んだ塩素成分が余剰分の溶液と一緒に排出されることになるので、塩水タンク内から塩素成分を除去することができるという効果を有している。これによって、塩水タンク内で発生する塩素臭を軽減することができる。
また、補給水の流量を、電解等によって実際に減少する塩水タンク内の溶液量よりも多くかつ約7倍程度の量の範囲に設定することで、無駄に消費される食塩の量を減少させることができるという効果を有している。
また、補給水の流量を、電解等によって実際に減少する塩水タンク内の溶液量よりも多くかつ約7倍程度の量の範囲に設定することで、無駄に消費される食塩の量を減少させることができるという効果を有している。
以下本願発明を実施するための最良の形態を図を用いて説明する。図1は本願発明に係る電解水生成装置を表した模式図であり、1は電解水生成装置を表している。電解水生成装置1は、主な構成として電解槽2、塩水タンク3、各種配管および電気的な制御手段20によって構成されている。
電解槽2は、所謂3室型の電解槽として構成されており、食塩水を供給する中間室4と次亜塩素酸等の有効塩素を含んだ酸性溶液を生成する陽極室5とアルカリ性溶液を生成する陰極室6を有している。中間室4と陽極室5は、陰イオン交換膜として機能する隔膜7によって仕切られている。また、陽極室5内には電極として機能する陽極板8が設けられている。隔膜7と陽極板8は近接した状態で配置されている。同様に、中間室4と陰極室6は、陽イオン交換膜として機能する隔膜9によって仕切られている。また、陰極室6内には電極として機能する陰極板10が設けられている。隔膜9と陰極板10は、近接した状態で配置されている。
また、前記隔膜7、9として使用可能な素材には種々のものがあるが、陽極室5側に設ける隔膜と陰極室6側に設ける隔膜の組み合わせによって、中間室4の塩水が酸性になったり中性になったりアルカリ性になったりする。本願実施の形態では、前記陽極室5側に設ける隔膜7と陰極室6側に設ける隔膜9の選択は、中間室4内が酸性となるような組み合わせとなるように行われている。これは、中間室4の塩水がアルカリ性を示すと、マグネシウムやカルシウム等がスケールとして析出し、電解槽の機能を妨げる場合があるからである。
また、前記隔膜7、9として使用可能な素材には種々のものがあるが、陽極室5側に設ける隔膜と陰極室6側に設ける隔膜の組み合わせによって、中間室4の塩水が酸性になったり中性になったりアルカリ性になったりする。本願実施の形態では、前記陽極室5側に設ける隔膜7と陰極室6側に設ける隔膜9の選択は、中間室4内が酸性となるような組み合わせとなるように行われている。これは、中間室4の塩水がアルカリ性を示すと、マグネシウムやカルシウム等がスケールとして析出し、電解槽の機能を妨げる場合があるからである。
図2は、塩水タンク3の一例を表した説明図である。当該塩水タンク3は、前記電解槽2の中間室4に飽和食塩水を供給する機能を有したタンクである。
図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は図2(b)のC−C断面図、図2(d)は平面図、図2(e)は図2(a)のA−A断面図、図2(f)は図2(a)のB−B断面図を表している。また、図2(f)は塩水タンク3内に食塩と水を入れた状態を表しており、大まかに固体食塩層(S)、液体層(L)、気層(G)という3つの層が形成された状態を表している。
塩水タンク3の底部には塩水吐出口11が設けられており、配管用接続継手を介して中間室4に繋がる配管(供給路12)と接続されている。塩水吐出口11には固体食塩の透過を妨げるフィルター13が設けられており、タンク内の液体成分のみを供給路12に対して透過するようになっている。供給路12を構成する配管の途中には制御手段20の制御によって動作するポンプP1が配置されており、当該ポンプP1の駆動によって食塩水が中間室4に送られるようになっている。
図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は図2(b)のC−C断面図、図2(d)は平面図、図2(e)は図2(a)のA−A断面図、図2(f)は図2(a)のB−B断面図を表している。また、図2(f)は塩水タンク3内に食塩と水を入れた状態を表しており、大まかに固体食塩層(S)、液体層(L)、気層(G)という3つの層が形成された状態を表している。
塩水タンク3の底部には塩水吐出口11が設けられており、配管用接続継手を介して中間室4に繋がる配管(供給路12)と接続されている。塩水吐出口11には固体食塩の透過を妨げるフィルター13が設けられており、タンク内の液体成分のみを供給路12に対して透過するようになっている。供給路12を構成する配管の途中には制御手段20の制御によって動作するポンプP1が配置されており、当該ポンプP1の駆動によって食塩水が中間室4に送られるようになっている。
塩水タンク3内面の上方には、帰還口14、補給口15および排出口16が設けられている。
帰還口14は、前記中間室4と塩水タンク3の間に設けた配管(帰還路17)と接続された開口であり、中間室4の溶液を塩水タンク3内に戻す部位となっている。
補給口15は、前記陰極室6と塩水タンク3の間に設けた配管(補給路18)と接続された開口であり、生成されたアルカリ性水の一部を塩水タンク3に流入させる部位となっている。補給路18を構成する配管の途中にはポンプP2が配置されており、制御手段20の制御に基づく当該ポンプP2の動作によって補給水(アルカリ性水の一部)を塩水タンク3に送るようになっている。
排出口16は塩水タンク3の内面に設けた開口であって、溶液の廃棄を行う排水管(図
示せず)と接続された開口であり、液面が排出口16に達した場合に当該超えた分の溶液を廃棄するものである。すなわち、塩水タンク3は当該排出口16を設けることによって、水位を一定以下に保つオーバーフロータンクとして機能するようになっている。
帰還口14は、前記中間室4と塩水タンク3の間に設けた配管(帰還路17)と接続された開口であり、中間室4の溶液を塩水タンク3内に戻す部位となっている。
補給口15は、前記陰極室6と塩水タンク3の間に設けた配管(補給路18)と接続された開口であり、生成されたアルカリ性水の一部を塩水タンク3に流入させる部位となっている。補給路18を構成する配管の途中にはポンプP2が配置されており、制御手段20の制御に基づく当該ポンプP2の動作によって補給水(アルカリ性水の一部)を塩水タンク3に送るようになっている。
排出口16は塩水タンク3の内面に設けた開口であって、溶液の廃棄を行う排水管(図
示せず)と接続された開口であり、液面が排出口16に達した場合に当該超えた分の溶液を廃棄するものである。すなわち、塩水タンク3は当該排出口16を設けることによって、水位を一定以下に保つオーバーフロータンクとして機能するようになっている。
前記帰還口14、補給口15、排出口16は、それぞれ塩水吐出口11から十分な高さとなる位置に設けられている。各口は、塩水タンク3内の内部に堆積した未溶解の食塩(S)の上面より上方となる位置に設けられている。
排出口16は塩水タンク3内の水位の上限を決定するオーバーフロー機能を有しており、本実施の形態では、前記帰還口14と補給口15よりもやや(20〜30mm)下方位置に設けられている。また、帰還口14と補給口15は同じ高さの近接した位置に設けられており、かつ直方体形状に形成された塩水タンク3の一つの内側面上に設けられている。
排出口16は塩水タンク3内の水位の上限を決定するオーバーフロー機能を有しており、本実施の形態では、前記帰還口14と補給口15よりもやや(20〜30mm)下方位置に設けられている。また、帰還口14と補給口15は同じ高さの近接した位置に設けられており、かつ直方体形状に形成された塩水タンク3の一つの内側面上に設けられている。
次に、上記構成を有する電解水生成装置1における各溶液の循環等について説明する。
本実施の形態に係る電解水生成装置1は、pHが2.7以下、有効塩素濃度20〜60mg/kgを満たす酸性水および同時に生成されるアルカリ性水をそれぞれ毎分1500mLの割合で生成する装置である。このため、図1に示した電解水生成装置1の原水導入部19には毎分3000mLの原水が導入される。原水として使用される水には、軟水器を通した上水道によって供給される水道水が用いられる。
また、毎分一定量の酸性水およびアルカリ性水を生成するには、一定量の食塩を電気分解する必要があり、当該一定量の食塩を電気分解するために陽極室5と陰極室6間に一定量の電流を流すようになっている。電解水生成装置1は、制御手段20によって陽極室5と陰極室6間の電圧を自動的に制御することにより、変動する食塩水の電気抵抗に応じて極板間に流れる電流値を一定に保つようになっている。
制御手段20は、中間室4内の食塩水の濃度が高い場合には電気抵抗が低くなるので陽極室5と陰極室6間の電圧を低くし、食塩水の濃度が低い場合には電気抵抗が高くなるので陽極室5と陰極室6間の電圧を高くすることで電流値を一定に保つ制御を行っている。
本実施の形態に係る電解水生成装置1は、pHが2.7以下、有効塩素濃度20〜60mg/kgを満たす酸性水および同時に生成されるアルカリ性水をそれぞれ毎分1500mLの割合で生成する装置である。このため、図1に示した電解水生成装置1の原水導入部19には毎分3000mLの原水が導入される。原水として使用される水には、軟水器を通した上水道によって供給される水道水が用いられる。
また、毎分一定量の酸性水およびアルカリ性水を生成するには、一定量の食塩を電気分解する必要があり、当該一定量の食塩を電気分解するために陽極室5と陰極室6間に一定量の電流を流すようになっている。電解水生成装置1は、制御手段20によって陽極室5と陰極室6間の電圧を自動的に制御することにより、変動する食塩水の電気抵抗に応じて極板間に流れる電流値を一定に保つようになっている。
制御手段20は、中間室4内の食塩水の濃度が高い場合には電気抵抗が低くなるので陽極室5と陰極室6間の電圧を低くし、食塩水の濃度が低い場合には電気抵抗が高くなるので陽極室5と陰極室6間の電圧を高くすることで電流値を一定に保つ制御を行っている。
塩水タンク3から供給路12を介して中間室4に供給される溶液は、塩水タンク3内で生成された飽和食塩水である。当該飽和食塩水は、供給路12に設けられた制御手段20によって制御されるポンプP1によって中間室4に供給され、帰還路17を介して塩水タンク3内に戻される。この際、中間室4内の食塩水は電解によって食塩成分を消費するので、食塩の濃度が低くなるとともに体積も僅かに減少した状態で塩水タンク3内に戻される。そして、塩水タンク3内に戻された溶液の一部は廃棄され、廃棄されなかった溶液は塩水タンク3内で飽和食塩水となった後に循環溶液として再び供給路12を介して中間室4に供給される。
電解水生成装置1は、前述したように食塩水の電解処理によって毎分1500mLの強酸性電解水(pH2.7以下、有効塩素濃度20〜60mg/kg)を連続的に生成する仕様で設計されており、電極板間に約10.5(A)の電流を連続的に通電するようになっている。
当該通電によって、電解槽内では種々の反応が起きているが、NaCl(食塩)の主な反応は
中間室では、NaCl→Na++Cl-
陽極付近では、2Cl-→Cl2+2e- である。
ファラデーの電気分解の法則から、前記電流値に基づき消費される食塩の量を次式により算出することができる。
n=m/M=It/zF
上式において、n[mol]=物質量、I[A]=電流(10.5)、m[g]=質量、t[s]=時間、M[g/mol]=分子量(NaClは58.5)、z=イオン価数、F=9.65×104[C/mol]であり、上式より導かれる1分あたりに消費される食塩の質量は0.38gとなる。
当該通電によって、電解槽内では種々の反応が起きているが、NaCl(食塩)の主な反応は
中間室では、NaCl→Na++Cl-
陽極付近では、2Cl-→Cl2+2e- である。
ファラデーの電気分解の法則から、前記電流値に基づき消費される食塩の量を次式により算出することができる。
n=m/M=It/zF
上式において、n[mol]=物質量、I[A]=電流(10.5)、m[g]=質量、t[s]=時間、M[g/mol]=分子量(NaClは58.5)、z=イオン価数、F=9.65×104[C/mol]であり、上式より導かれる1分あたりに消費される食塩の質量は0.38gとなる。
また、20℃の飽和食塩水の食塩濃度は26.4%であるので、前記計算によって求められた質量(0.38g)の食塩を含む飽和食塩水の質量は1.44gである。さらに、供給路12のポンプP1から吐出された飽和食塩水の比重を測定すると1.19(g/cm3)であった。以上の結果から、1分間に使用される飽和食塩水の体積(理論値)が大凡1.44/1.19=1.21mLであることが解った。すなわち、前記仕様の酸性水を生成する際に、飽和食塩水に含まれる塩分を全て電解すると仮定すると、1分間あたりに必要な飽和食塩水の量は約1.21mLである。
しかし、飽和食塩水の濃度が低下すると溶液の電気抵抗値が上昇するので、一定量の電解水を生成しようとすると電圧を高くしなければならず、装置に対する負荷が増加するとともに電解の効率も著しく低下する。
したがって、本実施の形態では、装置の寿命、電解効率等の総合的な観点から、前記理論値の約4倍に相当する、毎分に換算して約5mLの飽和食塩水を提供し、効率よく電解水を生成するようになっている。
しかし、飽和食塩水の濃度が低下すると溶液の電気抵抗値が上昇するので、一定量の電解水を生成しようとすると電圧を高くしなければならず、装置に対する負荷が増加するとともに電解の効率も著しく低下する。
したがって、本実施の形態では、装置の寿命、電解効率等の総合的な観点から、前記理論値の約4倍に相当する、毎分に換算して約5mLの飽和食塩水を提供し、効率よく電解水を生成するようになっている。
図3(1)は、食塩水の飽和度(食塩が飽和した状態を100、食塩を含有しない状態を0)と、陽極板8と陰極板10間に作用する電圧の変動を簡潔に表したグラフである。すなわち、同図には、食塩水の飽和度の低下にともなって電気抵抗がR1、R2、R3(R1<R2<R3)と上昇し、それにともなって電圧もV1、V2、V3(V1<V2<V3)と上昇する様子を表している。グラフ上の点線で表した部分は理論上の部分であり、実際には電圧の異常上昇として装置を停止させるので、実際の装置の場合にはこの領域での運転は行わない。
また、図3(2)は、食塩水の飽和度と電極間に流れる電流値の関係を表している。電圧がV3以下の正常運転時であれば、電極間に流れる電流値はほぼ一定である。
後述する実施例2に示す電解水生成装置1は、中間室4内の食塩水濃度をある一定の範囲に維持することで、正常運転時における電極間の電圧を一定の振幅内(V1(V2)〜V3)となるように制御し、電圧値がV3を著しく超えた場合を条件の一つとして電解槽の寿命、故障、食塩水の濃度低下等の状況が生じたものと判断して装置を停止するようになっている。このように、電極間の電圧がV3以下の状態であれば、正常運転が行われているものとして運転を継続するようになっている。
また、図3(2)は、食塩水の飽和度と電極間に流れる電流値の関係を表している。電圧がV3以下の正常運転時であれば、電極間に流れる電流値はほぼ一定である。
後述する実施例2に示す電解水生成装置1は、中間室4内の食塩水濃度をある一定の範囲に維持することで、正常運転時における電極間の電圧を一定の振幅内(V1(V2)〜V3)となるように制御し、電圧値がV3を著しく超えた場合を条件の一つとして電解槽の寿命、故障、食塩水の濃度低下等の状況が生じたものと判断して装置を停止するようになっている。このように、電極間の電圧がV3以下の状態であれば、正常運転が行われているものとして運転を継続するようになっている。
また、電解槽2は、前述した強酸性電解水の生成とともに陰極室6においてアルカリ性水を生成する。そして、このアルカリ性水の一部を補給水として、補給路18を介して塩水タンク3に供給する。塩水タンク3に設けた前記アルカリ性水の補給口15は、塩水タンク3をオーバーフロータンクとして機能させる排出口16よりも上方に設けられている。
電解水生成装置1は、前述した通り電解水の生成にともなって塩水タンク3内の食塩を消費する。また、塩水タンク3と中間室4を循環する溶液も、水自体の電気分解、隔膜透過、蒸発等によって容量が減少する。
塩水タンク3には、中間室4を通過した電解処理後の溶液とアルカリ性水である補給水が供給される。中間室4を通過した溶液には、電解によって生じた塩素成分や、酸性室やアルカリ性室に移動せず中間室4に残存した食塩成分等が含まれている。
塩水タンク3に戻ったこれらの成分のうち、食塩成分は、塩水タンク水面付近の塩水濃度より、循環水の塩水濃度の方が濃いため、塩水タンク3に循環水が戻った際に拡散する前に沈む。また、循環水は補給水で希釈され、希釈された循環水の一部が排出されるので、循環させずに排出させてしまう場合より食塩の消費量は少なくなる。この排出される溶液には、塩水タンク3内の塩素成分が含まれているので、これらの成分を排出することで塩水タンク3内の塩素臭を軽減するようになっている。
電解水生成装置1は、前述した通り電解水の生成にともなって塩水タンク3内の食塩を消費する。また、塩水タンク3と中間室4を循環する溶液も、水自体の電気分解、隔膜透過、蒸発等によって容量が減少する。
塩水タンク3には、中間室4を通過した電解処理後の溶液とアルカリ性水である補給水が供給される。中間室4を通過した溶液には、電解によって生じた塩素成分や、酸性室やアルカリ性室に移動せず中間室4に残存した食塩成分等が含まれている。
塩水タンク3に戻ったこれらの成分のうち、食塩成分は、塩水タンク水面付近の塩水濃度より、循環水の塩水濃度の方が濃いため、塩水タンク3に循環水が戻った際に拡散する前に沈む。また、循環水は補給水で希釈され、希釈された循環水の一部が排出されるので、循環させずに排出させてしまう場合より食塩の消費量は少なくなる。この排出される溶液には、塩水タンク3内の塩素成分が含まれているので、これらの成分を排出することで塩水タンク3内の塩素臭を軽減するようになっている。
図4は、循環水の減少分を補う補給水の流量と、消費される食塩の量および補給水の供給によって塩水タンク3内の水位を保つことができるか(水位安定)を○×で表した表で
あり、図4(1)は塩水タンク3と中間室4を循環する循環水の供給量が1.1mL/分の場合、図4(2)は塩水タンク3と中間室4を循環する循環水の供給量が47mL/分の場合を表している。
図4(1)および図4(2)に示すように、循環水の供給量が1.1mL/分であるか47mL/分であるかにかかわらず、補給水の流量が0.7mL/分未満である場合には、塩水タンク3内のオーバーフロー位置を保つことがでず水位が低下する。すなわち、塩水タンク3内の水位を一定に保つには、補給水の流量が0.7mL/分以上必要ということである。また、循環水の供給量が1.1mL/分の場合と47mL/分の場合とを比較すると、前者のほうが食塩消費量が少ないという傾向が認められた。
あり、図4(1)は塩水タンク3と中間室4を循環する循環水の供給量が1.1mL/分の場合、図4(2)は塩水タンク3と中間室4を循環する循環水の供給量が47mL/分の場合を表している。
図4(1)および図4(2)に示すように、循環水の供給量が1.1mL/分であるか47mL/分であるかにかかわらず、補給水の流量が0.7mL/分未満である場合には、塩水タンク3内のオーバーフロー位置を保つことがでず水位が低下する。すなわち、塩水タンク3内の水位を一定に保つには、補給水の流量が0.7mL/分以上必要ということである。また、循環水の供給量が1.1mL/分の場合と47mL/分の場合とを比較すると、前者のほうが食塩消費量が少ないという傾向が認められた。
図5(1)は電解水生成装置が必要とする最低循環量(循環水の供給量)を求める実験を行った際のグラフであり、図5(2)は当該実験より判明した結果をまとめた表である。図5(1)において、Aは循環量が1.0mL/分、Bは1.1mL/分、Cは1.2mL/分の各データ曲線を表している。
循環量が1.0mL/分の場合には、運転途中に極板間の電圧が予め設定されていた10Vを超えたため、連続運転を自動的に中止している。これは、中間室4に供給される食塩水の量が少なく、電解に必要な食塩濃度が低下して電気抵抗が増加したためである。
また、循環量が1.1mL/分および1.2mL/分の場合には、運転途中の極板間の電圧が所定範囲内に維持されており、電解に必要な食塩濃度が維持されていることが解る。
循環量が1.0mL/分の場合には、運転途中に極板間の電圧が予め設定されていた10Vを超えたため、連続運転を自動的に中止している。これは、中間室4に供給される食塩水の量が少なく、電解に必要な食塩濃度が低下して電気抵抗が増加したためである。
また、循環量が1.1mL/分および1.2mL/分の場合には、運転途中の極板間の電圧が所定範囲内に維持されており、電解に必要な食塩濃度が維持されていることが解る。
前述した通り、本実施の形態に係る電解水生成装置の場合、正常運転を続けるために必要な循環水の最低循環量は概ね1分あたり1.1mLである。当該循環水の供給方法には、次に示す実施例1および実施例2の方法がある。以下、それぞれについて説明する。
当該実施例1は、単位時間あたりの吐出量が少ない定格能力が5mL/分のポンプを用いた場合に関するものである。定格能力とは、規定の電圧によって駆動した場合に吐出することができる流量のことである。
図6は、上記仕様のポンプを用いた制御の内容を表すグラフ等である。図6(1)は、補給水であるアルカリ性水が、定格能力が5mL/分のポンプを用いて塩水タンク3内に連続的に供給されている状態を表している。図6(2)は、飽和食塩水が、定格能力が5mL/分のポンプを用いて中間室4に連続的に供給されている状態を表している。図6(3)は、電極間の電圧が時間の経過にかかわらず安定(V4)していることを表している。図6(4)は、電極間に時間の経過にかかわらず安定して一定値の電流が流れていることを表している。各グラフの横軸は分(min)である。
図6は、上記仕様のポンプを用いた制御の内容を表すグラフ等である。図6(1)は、補給水であるアルカリ性水が、定格能力が5mL/分のポンプを用いて塩水タンク3内に連続的に供給されている状態を表している。図6(2)は、飽和食塩水が、定格能力が5mL/分のポンプを用いて中間室4に連続的に供給されている状態を表している。図6(3)は、電極間の電圧が時間の経過にかかわらず安定(V4)していることを表している。図6(4)は、電極間に時間の経過にかかわらず安定して一定値の電流が流れていることを表している。各グラフの横軸は分(min)である。
当該実施例は、循環水および補給水の供給に定格能力が5mL/分という比較的吐出量の少ないポンプを用いて連続運転を行っているものである。したがって、中間室内の食塩成分の濃度は比較的一定に保たれるので、図6(3)に示すように極板間の電圧は起伏なくほぼ一定の値を示している。
なお、飽和食塩水の流量(約5mL/分)および電流値(10.5A)と酸性水の生成量(毎分1500mL)等は比例的な関係にあり、酸性水の生成量を変更する場合には飽和食塩水の流量等も比例的に変化する。
なお、飽和食塩水の流量(約5mL/分)および電流値(10.5A)と酸性水の生成量(毎分1500mL)等は比例的な関係にあり、酸性水の生成量を変更する場合には飽和食塩水の流量等も比例的に変化する。
当該実施例2は、単位時間あたりの吐出量が大きい定格能力50mL/分のポンプを用いた場合に関するものである。
電解に最低限必要な飽和食塩水の量は、毎分当り約1.1mLである。したがって、この食塩水の供給には、前述した定格能力5mL/分程度のポンプを用いれば十分である。
しかし、本実施の形態に係る電解水生成装置1の中間室4は容積が約65mLであるから、
空の状態の中間室4を飽和食塩水で満たすには約13分(65÷5)の時間を要する。これは、電解槽を交換したときや、メンテナンス時に中間室4を空にした場合、再び電解装置として正常運転を開始するまでに最低13分を要するということであるから、装置としての稼働率が低下する原因となる。したがって、必要な量の飽和食塩水を供給することができること、および必要に応じて高い流量で飽和食塩水を供給することができることの双方を実現できる装置、方法を採用することが望ましい。
また、前記の考えから、定格電圧による駆動によって50mL/分の流量を発揮するポンプを低電圧で駆動させて、5mL/分の流量を途切れることなく連続的に得ることも理論的には考えられる。しかし、大きなポンプを低電圧で駆動すると流量が安定せず、目的どおりの流量を安定して得ることはできない。
電解に最低限必要な飽和食塩水の量は、毎分当り約1.1mLである。したがって、この食塩水の供給には、前述した定格能力5mL/分程度のポンプを用いれば十分である。
しかし、本実施の形態に係る電解水生成装置1の中間室4は容積が約65mLであるから、
空の状態の中間室4を飽和食塩水で満たすには約13分(65÷5)の時間を要する。これは、電解槽を交換したときや、メンテナンス時に中間室4を空にした場合、再び電解装置として正常運転を開始するまでに最低13分を要するということであるから、装置としての稼働率が低下する原因となる。したがって、必要な量の飽和食塩水を供給することができること、および必要に応じて高い流量で飽和食塩水を供給することができることの双方を実現できる装置、方法を採用することが望ましい。
また、前記の考えから、定格電圧による駆動によって50mL/分の流量を発揮するポンプを低電圧で駆動させて、5mL/分の流量を途切れることなく連続的に得ることも理論的には考えられる。しかし、大きなポンプを低電圧で駆動すると流量が安定せず、目的どおりの流量を安定して得ることはできない。
実施例2に係る電解水生成装置1は、上記の観点からポンプP1として、定格電圧による駆動によって50mL/分の流量を発揮するポンプを用いる。当該仕様のポンプを用いることで、空の状態の中間室4を飽和食塩水で満たす必要がある場合であっても、所要時間を従来の13分から1分18秒程度に短縮することができるようになっている。そして、次に説明する方法により、当該ポンプを用いて毎分5mL相当の食塩水を供給するようになっている。
当該50mL/分の流量を発揮するポンプを用いて、毎分5mL相当の飽和食塩水を中間室4に供給する方法について説明する。すなわち当該方法は、ポンプP1の定格運転と停止とを一定のサイクルで繰り返す間欠運転をするものである。具体的には、1分間ポンプP1を運転した後、9分間休止するというサイクルを連続的に繰り返すものである。これにより、電解水生成装置1は、10分毎に約50mLの新たな食塩水を中間室4に供給して、中間室4内に残存する同量の古い食塩水と入れ替えを行うようになっている。
図7は、定格流量が50mL/分のポンプP1を1分間運転した後9分間休止するというサイクルで運転を行った場合のグラフ等である。
図7(1)は補給水であるアルカリ性水に関するものであり、定格能力が50mL/分のポンプを図7(2)に示した飽和食塩水の供給と同期して、補給水を塩水タンク3内に1分間供給し、9分間休止するというサイクルを繰り返している状態を表している。図7(2)は、定格能力が50mL/分のポンプを1分間動作させた後に9分間休止するというサイクルを繰り返しながら、間欠的に飽和食塩水を中間室4に供給している状態を表している。図7(3)は、電極間の電圧が時間の経過にともなって電圧がV2〜V3の範囲で変化する状態を表している。すなわち、中間室4に対する飽和食塩水の供給にともなって電圧が低下し、飽和食塩水の供給停止にともなって次第に電圧が上昇する様子を表している。図7(4)は、電極間に時間の経過にかかわらず安定して一定値の電流が流れていることを表している。各グラフの横軸は分(min)である。
本実施の形態に係る電解水生成装置1は、上記陽極板8と陰極板10間に流れる電流値を検出して、制御手段20によって電圧値を図7(3)に示すように変動させ、図7(4)に示すように電流値を一定に保つようになっている。
図7(1)は補給水であるアルカリ性水に関するものであり、定格能力が50mL/分のポンプを図7(2)に示した飽和食塩水の供給と同期して、補給水を塩水タンク3内に1分間供給し、9分間休止するというサイクルを繰り返している状態を表している。図7(2)は、定格能力が50mL/分のポンプを1分間動作させた後に9分間休止するというサイクルを繰り返しながら、間欠的に飽和食塩水を中間室4に供給している状態を表している。図7(3)は、電極間の電圧が時間の経過にともなって電圧がV2〜V3の範囲で変化する状態を表している。すなわち、中間室4に対する飽和食塩水の供給にともなって電圧が低下し、飽和食塩水の供給停止にともなって次第に電圧が上昇する様子を表している。図7(4)は、電極間に時間の経過にかかわらず安定して一定値の電流が流れていることを表している。各グラフの横軸は分(min)である。
本実施の形態に係る電解水生成装置1は、上記陽極板8と陰極板10間に流れる電流値を検出して、制御手段20によって電圧値を図7(3)に示すように変動させ、図7(4)に示すように電流値を一定に保つようになっている。
また、隔膜や電極の劣化(寿命)や、ポンプ動作不良などによる塩水濃度の低下によって電圧値がV3を超えて、さらに一定値(Vover)を超えた場合、エラーとして制御手段20が装置を停止する。制御手段20はポンプP1,P2の動作制御、異常動作の検出、異常動作時の装置停止等の各種制御を行うようになっている。
上記実施例2は、10分間隔でポンプP1を1分間動作させている。すなわち、定格吐出量で動作するポンプP1の動作時間を制御することにより、電解に必要な飽和食塩水を供給している。
図8は、定格吐出量が50mL/分であるポンプP1の動作時間と吐出量との関係を表した
グラフである。前述した通り、ポンプP1を1分間動作させた場合には吐出量が50mLとなり、10分間の平均に換算すると5mL/分となる。当該グラフから解るように、ポンプP1による吐出量は、その運転時間によって決定することができる。
例えば、前述した実験結果にれば、連続運転可能な最低流量は1.1mL/分であるが、当該1.1mL/分相当の循環水量を得るには、10分毎にポンプP1を0.22分(13.2秒)駆動すればよい。すなわち、50mL/分の吐出量のポンプを13.2秒動作させると吐出量は11mLであり、これを毎分当りの流量に換算すると1.1mL/分になるわけである。ただし、本実施例では、機器を安定して動作させるために、最低流量よりも余裕のある5mL/分相当の循環水を供給している。
本実例では、このようにポンプの駆動時間を制御することによって、必要な流量のコントロールを行っている。なお、当該ポンプの駆動時間の制御は、補給水用のポンプP2においても同様に行っている。
図8は、定格吐出量が50mL/分であるポンプP1の動作時間と吐出量との関係を表した
グラフである。前述した通り、ポンプP1を1分間動作させた場合には吐出量が50mLとなり、10分間の平均に換算すると5mL/分となる。当該グラフから解るように、ポンプP1による吐出量は、その運転時間によって決定することができる。
例えば、前述した実験結果にれば、連続運転可能な最低流量は1.1mL/分であるが、当該1.1mL/分相当の循環水量を得るには、10分毎にポンプP1を0.22分(13.2秒)駆動すればよい。すなわち、50mL/分の吐出量のポンプを13.2秒動作させると吐出量は11mLであり、これを毎分当りの流量に換算すると1.1mL/分になるわけである。ただし、本実施例では、機器を安定して動作させるために、最低流量よりも余裕のある5mL/分相当の循環水を供給している。
本実例では、このようにポンプの駆動時間を制御することによって、必要な流量のコントロールを行っている。なお、当該ポンプの駆動時間の制御は、補給水用のポンプP2においても同様に行っている。
前述した実施例1および実施例2は、両者とも平均すると循環水(飽和食塩水)と補給水を流量5mL/分の割合で供給している。この場合における食塩の消費量を測定すると0.5mg/分(1時間あたり30g)消費することが解った。これは、前述した2室型の電解槽と比較すると約1/6の消費量であり、効率よく食塩の電解が行われていることを表している。
また、前述した電解水生成装置1に用いる塩水タンクは、食塩の最大投入量を7.5kgに設計している。したがって、食塩の消費量の観点から食塩無供給の場合の連続稼働可能時間を計算すると250時間の連続運転が可能である。このように、食塩の消費量を軽減することは、食塩自体の節約とともに電解水生成装置1の連続稼働時間を延ばす効果があり、食塩の投入頻度を少なくしている。
また、前述した電解水生成装置1に用いる塩水タンクは、食塩の最大投入量を7.5kgに設計している。したがって、食塩の消費量の観点から食塩無供給の場合の連続稼働可能時間を計算すると250時間の連続運転が可能である。このように、食塩の消費量を軽減することは、食塩自体の節約とともに電解水生成装置1の連続稼働時間を延ばす効果があり、食塩の投入頻度を少なくしている。
次に、循環水と補給水の関係について説明する。
循環水と補給水を、塩水タンク内溶液の現実の減少量と同等の流量1.1mL/分の割合で供給すると、1時間あたりの食塩消費量を測定した場合13g(毎分約0.2mg相当)の食塩を消費することが解った。これは、前記実施例1および実施例2の場合と比較して約1/2であり、前述した2室型の電解層の場合と比較して約1/12の食塩消費量であった。したがって、食塩を最も効率よく使用して電解水を生成するには、実際の溶液の減少量とほぼ同等の補給水を供給するのが理想であるということができる。
循環水と補給水を、塩水タンク内溶液の現実の減少量と同等の流量1.1mL/分の割合で供給すると、1時間あたりの食塩消費量を測定した場合13g(毎分約0.2mg相当)の食塩を消費することが解った。これは、前記実施例1および実施例2の場合と比較して約1/2であり、前述した2室型の電解層の場合と比較して約1/12の食塩消費量であった。したがって、食塩を最も効率よく使用して電解水を生成するには、実際の溶液の減少量とほぼ同等の補給水を供給するのが理想であるということができる。
前述した実施例1および実施例2は、中間室4に送る飽和食塩水とほぼ同量の補給水を塩水タンク3に供給するようになっている。この補給水は、消費される塩水タンク3内の溶液補充の他に不要成分の除去という役割を有している。
塩水タンク3に戻る電解後の溶液には、隔膜を通過した次亜塩素酸等の有効塩素成分が僅かに残留する。これが塩水タンク3内に入ると塩素臭によって臭くなり、食塩の投入時に塩水タンク3の蓋を開けると作業者の臭覚を刺激することで非常に不快な印象を与えてしまう。
しかし、最低補充量よりも多く補給水を供給することで、塩水タンク3内の液層(L)の表層部分に存在する塩素成分を含んだ溶液を押し流し、塩素による刺激臭を減少させることができる。このように、最低補充量よりも多く補給水を供給することで、塩水タンク3内の塩素臭を低減することができるという効果を有している。当該塩素臭は、塩水タンク3中の溶液の塩素濃度が濃いと強く感じられるものである。
塩水タンク3に戻る電解後の溶液には、隔膜を通過した次亜塩素酸等の有効塩素成分が僅かに残留する。これが塩水タンク3内に入ると塩素臭によって臭くなり、食塩の投入時に塩水タンク3の蓋を開けると作業者の臭覚を刺激することで非常に不快な印象を与えてしまう。
しかし、最低補充量よりも多く補給水を供給することで、塩水タンク3内の液層(L)の表層部分に存在する塩素成分を含んだ溶液を押し流し、塩素による刺激臭を減少させることができる。このように、最低補充量よりも多く補給水を供給することで、塩水タンク3内の塩素臭を低減することができるという効果を有している。当該塩素臭は、塩水タンク3中の溶液の塩素濃度が濃いと強く感じられるものである。
図9は、食塩水の循環量と塩水タンク3内の溶液の塩素濃度との関係を表したグラフである。補給水の供給量は、排出口16より無駄に排出(オーバーフロー)しない程度に塩水タンク内の水位を保つよう毎分換算で1.1〜1.0mLに設定する。
食塩水の循環量を毎分換算で1.1mL、8.2mL、47mLの3通りのパターンに設定して、約8時間運転後の塩水タンク内の塩素濃度を測定すると、結果は約0.4mg/kg、0.8mg/kg、0.7m
g/kgという結果であった。すなわち、食塩水の循環量が少ないと、塩素濃度を低くできるという結果が得られた。
食塩水の循環量を毎分換算で1.1mL、8.2mL、47mLの3通りのパターンに設定して、約8時間運転後の塩水タンク内の塩素濃度を測定すると、結果は約0.4mg/kg、0.8mg/kg、0.7m
g/kgという結果であった。すなわち、食塩水の循環量が少ないと、塩素濃度を低くできるという結果が得られた。
図10は、食塩水の循環量を最低循環量程度である毎分換算で1.1〜1.0mLに設定し、アルカリ性水(補給水)を毎分換算で1.1mL、8.2mL、47mLの3通りのパターンで供給し、1時間毎に消費する食塩の量を実測した結果を表した表である。その結果、補給水の流量が一番少ない1.1mL/分の場合に、食塩の消費量が他のパターンと比較して少なくなることが解った。
補給水の量が47mL/分の場合、消費される食塩の量は8.2mL/分の場合の0.03kg/hよりやや多く、この47mL/分と8.2mL/分の範囲では食塩消費量に大きな差はない。また、補給水(添加水量)の流量が1.1mL/分から8.2mL/分にかけて、食塩消費量が大きく変動している(図11参照)ので、補給水の流量8.2mL/分が食塩消費量が変化する条件となっている。
また、当該補給水の量(1.1mL/分〜8.2mL/分)を消費される食塩水の量(1.1mL/分)との比で表すと、大凡1〜7.5倍である。すなわち、補給水の量が、消費される食塩水に対して1〜7.5倍の量である場合に、補給水の量を多量に供給する場合と比較して消費される食塩の量を低減することができている。
なお、本実施の形態においては、塩素臭軽減の観点から補給水の最低量は、実際の消費量よりもやや多く設定し、余剰分は塩素臭の要因物質とともに排出している。また、食塩の消費量の観点から導かれる補給水の上限は8.2mL/分(消費される食塩水の約7.5倍)であるが、実際の運用においてはこれよりもやや少なく消費される食塩水の約7倍以下の量であることが好ましい。
補給水の量が47mL/分の場合、消費される食塩の量は8.2mL/分の場合の0.03kg/hよりやや多く、この47mL/分と8.2mL/分の範囲では食塩消費量に大きな差はない。また、補給水(添加水量)の流量が1.1mL/分から8.2mL/分にかけて、食塩消費量が大きく変動している(図11参照)ので、補給水の流量8.2mL/分が食塩消費量が変化する条件となっている。
また、当該補給水の量(1.1mL/分〜8.2mL/分)を消費される食塩水の量(1.1mL/分)との比で表すと、大凡1〜7.5倍である。すなわち、補給水の量が、消費される食塩水に対して1〜7.5倍の量である場合に、補給水の量を多量に供給する場合と比較して消費される食塩の量を低減することができている。
なお、本実施の形態においては、塩素臭軽減の観点から補給水の最低量は、実際の消費量よりもやや多く設定し、余剰分は塩素臭の要因物質とともに排出している。また、食塩の消費量の観点から導かれる補給水の上限は8.2mL/分(消費される食塩水の約7.5倍)であるが、実際の運用においてはこれよりもやや少なく消費される食塩水の約7倍以下の量であることが好ましい。
また、食塩水の循環量の決定は、電解電圧が低く効率がよいこと(消費電力が少ないこと)、電解されることなく廃棄される無駄な食塩の消費が少ないこと、塩水タンク内の塩素臭が少ないこと等を総合的に加味して判断される。例えば、実施例2に示した例において、食塩水の循環量を最低の1.1mL/分に設定すると、ポンプP1の運転を停止している時間の後半では、溶液の塩水濃度が極端に低下するので極板間の電圧が高くなる。運転時の電圧が高いということは、装置の安全を確保するための電圧の上限値(Vover)との差が少ないということであり、装置としての余裕が少ないということになる。
本実施の形態では、上記のような観点から食塩水の循環量を毎分5mL相当となるように設定している。
本実施の形態では、上記のような観点から食塩水の循環量を毎分5mL相当となるように設定している。
なお、実施例2に示した例は、定格流量が50mL/分のポンプP1を1分間運転した後9分間休止するというサイクルで運転を行っているが、この間欠制御のパターンは上述した例に限られない。図12は、前述した図7に対応させたグラフであるが、当該図12に示すように、循環水の供給を5分間隔で30秒間行うというサイクルを繰り返すようにしてもよい。
また、図示しての説明は省略するが、補給水の供給パターンも5分間隔で30秒間行うようにしても構わない。
さらに、本実施の形態では、循環水と補給水用のポンプとして同一仕様のポンプを使用しているが、これは単に組み付け時の間違い等を危惧したものであるから、仕様の異なるポンプを用いてそれぞれ必要流量を得る用にしても良いものである。
また、図示しての説明は省略するが、補給水の供給パターンも5分間隔で30秒間行うようにしても構わない。
さらに、本実施の形態では、循環水と補給水用のポンプとして同一仕様のポンプを使用しているが、これは単に組み付け時の間違い等を危惧したものであるから、仕様の異なるポンプを用いてそれぞれ必要流量を得る用にしても良いものである。
次に、本願発明に係る電解水生成装置に関する他の実施例を図13を用いて説明する。本実施例の電解水生成装置30は、主要な構成については前述した図1記載の電解水生成装置と同様である。そして、当該電解水生成装置30は、補給水として原水を塩水タンク3に送るようになっている点が、図1記載の電解水生成装置と異なるものである。
すなわち、電解水生成装置30は、主な構成として電解槽2、塩水タンク3、各種配管および電気的な制御手段20によって構成されている。
電解槽2は、所謂3室型の電解槽として構成されており、食塩水を供給する中間室4と次亜塩素酸等の有効塩素を含んだ酸性溶液を生成する陽極室5とアルカリ性溶液を生成する陰極室6を有している。中間室4と陽極室5は、陰イオン交換膜として機能する隔膜7によって仕切られている。また、陽極室5内には電極として機能する陽極板8が設けられている。隔膜7と陽極板8は近接した状態で配置されている。同様に、中間室4と陰極室6は、陽イオン交換膜として機能する隔膜9によって仕切られている。また、陰極室6内には電極として機能する陰極板10が設けられている。隔膜9と陰極板10は、近接した状態で配置されている。
また、前記隔膜7、9として使用可能な素材には種々のものがあるが、陽極室5側に設ける隔膜と陰極室6側に設ける隔膜の組み合わせによって、中間室4の塩水が酸性になったり中性になったりアルカリ性になったりする。本願実施の形態では、前記陽極室5側に設ける隔膜7と陰極室6側に設ける隔膜9は、中間室4内が中性から微酸性となるような組み合わせに選択されている。これは、中間室4の塩水がアルカリ性を示すと、マグネシウムやカルシウム等がスケールとして析出し、電解槽の機能を妨げる場合があるからである。
すなわち、電解水生成装置30は、主な構成として電解槽2、塩水タンク3、各種配管および電気的な制御手段20によって構成されている。
電解槽2は、所謂3室型の電解槽として構成されており、食塩水を供給する中間室4と次亜塩素酸等の有効塩素を含んだ酸性溶液を生成する陽極室5とアルカリ性溶液を生成する陰極室6を有している。中間室4と陽極室5は、陰イオン交換膜として機能する隔膜7によって仕切られている。また、陽極室5内には電極として機能する陽極板8が設けられている。隔膜7と陽極板8は近接した状態で配置されている。同様に、中間室4と陰極室6は、陽イオン交換膜として機能する隔膜9によって仕切られている。また、陰極室6内には電極として機能する陰極板10が設けられている。隔膜9と陰極板10は、近接した状態で配置されている。
また、前記隔膜7、9として使用可能な素材には種々のものがあるが、陽極室5側に設ける隔膜と陰極室6側に設ける隔膜の組み合わせによって、中間室4の塩水が酸性になったり中性になったりアルカリ性になったりする。本願実施の形態では、前記陽極室5側に設ける隔膜7と陰極室6側に設ける隔膜9は、中間室4内が中性から微酸性となるような組み合わせに選択されている。これは、中間室4の塩水がアルカリ性を示すと、マグネシウムやカルシウム等がスケールとして析出し、電解槽の機能を妨げる場合があるからである。
塩水タンク3内面の上方には、帰還口14、補給口15、排出口16が設けられている。
帰還口14は、前記中間室4と塩水タンク3の間に設けた配管(帰還路17)と接続された開口であり、中間室4の溶液を塩水タンク3内に戻す部位となっている。
補給口15は、前記原水導入部19と塩水タンク3の間に設けた配管(補給路31)と接続された開口であり、原水の一部を塩水タンク3に流入させる部位となっている。補給路31を構成する配管の途中にはポンプP2が配置されており、制御手段20の制御に基づく当該ポンプP2の動作によって補給水(原水)を塩水タンク3に送るようになっている。
排出口16は塩水タンク3の内面に設けた開口であって、溶液の廃棄を行う排水管(図示せず)と接続された開口であり、液面が排出口16に達した場合に当該超えた分の溶液を廃棄するものである。すなわち、塩水タンク3は当該排出口16を設けることによって、水位を一定以下に保つオーバーフロータンクとして機能するようになっている。
帰還口14は、前記中間室4と塩水タンク3の間に設けた配管(帰還路17)と接続された開口であり、中間室4の溶液を塩水タンク3内に戻す部位となっている。
補給口15は、前記原水導入部19と塩水タンク3の間に設けた配管(補給路31)と接続された開口であり、原水の一部を塩水タンク3に流入させる部位となっている。補給路31を構成する配管の途中にはポンプP2が配置されており、制御手段20の制御に基づく当該ポンプP2の動作によって補給水(原水)を塩水タンク3に送るようになっている。
排出口16は塩水タンク3の内面に設けた開口であって、溶液の廃棄を行う排水管(図示せず)と接続された開口であり、液面が排出口16に達した場合に当該超えた分の溶液を廃棄するものである。すなわち、塩水タンク3は当該排出口16を設けることによって、水位を一定以下に保つオーバーフロータンクとして機能するようになっている。
当該図13記載の電解水生成装置30は、前述した実施の形態に係る電解水生成装置1と同様の作用および効果を有するものであり、前記実施例1および実施例2記載の手段を適用し同様の作用および効果を得ることができるものである。
本願発明は、食塩水を電解して電解水を生成する電解水生成装置に利用可能である。
1 電解水生成装置
2 電解槽
3 塩水タンク
4 中間室
5 陽極室
6 陰極室
7 隔膜
8 陽極板
9 隔膜
10 陰極板
11 塩水吐出口
12 供給路
13 フィルター
14 帰還口
15 補給口
16 排出口
17 帰還路
18 補給路
19 原水導入部
20 制御手段
2 電解槽
3 塩水タンク
4 中間室
5 陽極室
6 陰極室
7 隔膜
8 陽極板
9 隔膜
10 陰極板
11 塩水吐出口
12 供給路
13 フィルター
14 帰還口
15 補給口
16 排出口
17 帰還路
18 補給路
19 原水導入部
20 制御手段
Claims (5)
- 食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、
食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、
前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、
電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、
前記陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、
前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、
前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。 - 食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、
食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクと、
前記塩水タンクから前記中間室に食塩水を供給する供給路と、
電解処理後の食塩水を前記中間室から前記塩水タンクに帰還させる帰還路と、
前記陽極室や陰極室に供給する原水の一部を塩水タンクに取り入れる補給路と、
前記塩水タンク内の水位を一定に保つ排出路とを有し、
前記塩水タンクは、前記帰還路、補給路および排出路との接続口を、内部に堆積した未溶解の食塩の上面よりも上方に設けたことを特徴とする電解水生成装置。 - 前記塩水タンクは、補給路との接続口を排出路との接続口よりも上方に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電解水生成装置。
- 食塩水を循環供給する中間室、隔膜および陽極を介して前記中間室に隣接した陽極室と隔膜および陰極を介して前記中間室に隣接した陰極室を備えた電解槽と、食塩と前記中間室に循環供給する食塩水とを接触させることにより当該食塩水の濃度を高める塩水タンクを有した電解水生成装置における電解水生成方法であって、
電解によって減少する塩水タンク内の溶液の減少分を、陰極室から排出されるアルカリ性水の一部を補給水として補うとともに、過剰に供給した当該補給水の余剰分を、排出路と接続した塩水タンクの接続口から廃棄することを特徴とする電解水生成方法。 - 前記補給水の量が、実際に減少する塩水タンク内の溶液量よりも多く、かつ当該溶液量の7倍以下であることを特徴とする請求項4記載の電解水生成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007220382A JP2009050797A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 電解水生成装置および電解水生成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007220382A JP2009050797A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 電解水生成装置および電解水生成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009050797A true JP2009050797A (ja) | 2009-03-12 |
Family
ID=40502367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007220382A Pending JP2009050797A (ja) | 2007-08-27 | 2007-08-27 | 電解水生成装置および電解水生成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009050797A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011045564A (ja) * | 2009-08-27 | 2011-03-10 | Sanyo Electric Co Ltd | 空気除菌装置 |
JP2012036471A (ja) * | 2010-08-10 | 2012-02-23 | Japan Organo Co Ltd | 塩類溶解槽 |
JP2012057229A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Japan Organo Co Ltd | 三室型電解水生成装置のスケール防止方法及び三室型電解水生成装置 |
CN106460206A (zh) * | 2014-09-22 | 2017-02-22 | 株式会社东芝 | 电解装置和电解水生成方法 |
JP2018069178A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-10 | 株式会社東芝 | 電解水生成装置 |
JP2019162572A (ja) * | 2018-03-19 | 2019-09-26 | 株式会社東芝 | 汚染除去装置、および、汚染除去方法 |
JP6764209B1 (ja) * | 2020-02-28 | 2020-09-30 | 株式会社アクト | 生成装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07299457A (ja) * | 1994-05-09 | 1995-11-14 | Hoshizaki Electric Co Ltd | 電解水生成装置 |
JP2004188300A (ja) * | 2002-12-10 | 2004-07-08 | Sawada Kinji | 電解水生成装置、およびこれを用いたマルチ電解水供給システム |
JP2007190548A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-08-02 | Midori Anzen Co Ltd | 電解水の有効塩素濃度調節方法、電解水のpH調節方法および電解水生成装置。 |
-
2007
- 2007-08-27 JP JP2007220382A patent/JP2009050797A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH07299457A (ja) * | 1994-05-09 | 1995-11-14 | Hoshizaki Electric Co Ltd | 電解水生成装置 |
JP2004188300A (ja) * | 2002-12-10 | 2004-07-08 | Sawada Kinji | 電解水生成装置、およびこれを用いたマルチ電解水供給システム |
JP2007190548A (ja) * | 2005-12-21 | 2007-08-02 | Midori Anzen Co Ltd | 電解水の有効塩素濃度調節方法、電解水のpH調節方法および電解水生成装置。 |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011045564A (ja) * | 2009-08-27 | 2011-03-10 | Sanyo Electric Co Ltd | 空気除菌装置 |
JP2012036471A (ja) * | 2010-08-10 | 2012-02-23 | Japan Organo Co Ltd | 塩類溶解槽 |
JP2012057229A (ja) * | 2010-09-10 | 2012-03-22 | Japan Organo Co Ltd | 三室型電解水生成装置のスケール防止方法及び三室型電解水生成装置 |
CN106460206A (zh) * | 2014-09-22 | 2017-02-22 | 株式会社东芝 | 电解装置和电解水生成方法 |
JP2018069178A (ja) * | 2016-10-31 | 2018-05-10 | 株式会社東芝 | 電解水生成装置 |
JP2019162572A (ja) * | 2018-03-19 | 2019-09-26 | 株式会社東芝 | 汚染除去装置、および、汚染除去方法 |
JP6764209B1 (ja) * | 2020-02-28 | 2020-09-30 | 株式会社アクト | 生成装置 |
JP2021134406A (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-13 | 株式会社アクト | 生成装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2009050797A (ja) | 電解水生成装置および電解水生成方法 | |
JP4713537B2 (ja) | 電解水の製造方法および電解水 | |
KR100462639B1 (ko) | 수처리장치 | |
US20110189302A1 (en) | Electrochemical device | |
JP4764389B2 (ja) | 電解水生成装置 | |
JP2008080216A (ja) | 電解水生成装置 | |
JP5295753B2 (ja) | オゾン水生成装置 | |
JP2015112570A (ja) | 電解水生成装置及びその運転方法 | |
US9410255B2 (en) | System and method for generating and dispensing sodium hydroxide solutions | |
WO2008032946A1 (en) | Apparatus for producing sodium hypochlorite | |
JP2021169084A (ja) | 電解水生成装置および電解水生成方法 | |
JP2000218271A (ja) | 電解装置 | |
JP4685830B2 (ja) | 電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 | |
KR102250773B1 (ko) | 산화제 생성 시스템 | |
JP4204955B2 (ja) | 電解水生成方法および装置 | |
US20140332399A1 (en) | Low Capacity Sodium Hypochlorite Generation System | |
JP4685838B2 (ja) | 電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 | |
JPH06312185A (ja) | 電解水の生成装置 | |
JPH09206755A (ja) | 電解によるアルカリイオン水と次亜塩素酸殺菌水の生 成方法及び装置 | |
WO2022014127A1 (ja) | 電解水生成装置 | |
JP2009125694A (ja) | 電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 | |
JP6831570B2 (ja) | 電解水生成装置 | |
JP3568290B2 (ja) | 電解水生成装置 | |
JP7212978B1 (ja) | 電解装置 | |
JP7328726B1 (ja) | 電解水生成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100811 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110519 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110606 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20111017 |