JP7212978B1 - 電解装置 - Google Patents

電解装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7212978B1
JP7212978B1 JP2022106367A JP2022106367A JP7212978B1 JP 7212978 B1 JP7212978 B1 JP 7212978B1 JP 2022106367 A JP2022106367 A JP 2022106367A JP 2022106367 A JP2022106367 A JP 2022106367A JP 7212978 B1 JP7212978 B1 JP 7212978B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
water
chamber
current
intermediate chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022106367A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2024005906A (ja
Inventor
哲 八子
Original Assignee
株式会社ワンテンス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ワンテンス filed Critical 株式会社ワンテンス
Priority to JP2022106367A priority Critical patent/JP7212978B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7212978B1 publication Critical patent/JP7212978B1/ja
Publication of JP2024005906A publication Critical patent/JP2024005906A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

【課題】無駄な排水を発生させずに、所望のpH、特にpH6~6.5の電解次亜塩素酸を含む混合電解水を簡便に安定して生成し続けられる電解装置を提供すること。【解決手段】電解装置100は、電流負荷装置により、第三電極と第一電極及び/又は第二電極に流される電流を調整することができるので、生成される酸化水及び還元水のpHをコントロールすることができ、中間室18に電解質水溶液が循環供給され、運転初期の電解電圧を第三電極46の電圧で除算して得る基準電極電位と、運転中の電解電圧を第三電極46の電圧で除算して得る運転中電極電位に所定の差が生じたときに第三電極46にpH補正電流が流されるように構成されているので、電解質水溶液のpHが変化しても混合電解水のpHを安定させ易く、無駄な排水が生じない。【選択図】図1

Description

本発明は、電解水(還元水及び酸化水を含む。)を水の電気分解によって得るための電解装置に関する。
電解水を生成するための装置としては、隔膜のない1室型、1枚の隔膜で2槽に分割した2室型、及びアノード室、中間室、カソード室の3槽に分割した3室型がある。3室型の電解装置は、アノード室と中間室、カソード室と中間室のそれぞれの間に電極及びイオン交換膜が配設されている。3室型の電解装置は、水の電気分解を効率良く行えるとされている。
従来の3室型の電解装置では、陽極となるアノード室側の電極によってアノード室に給水される水の水分子(HO)が酸化され、酸素(O)と水素イオン(H)が生成され、中間室に給水された食塩(NaCl)などの電解質を含む水(以下、単に「電解質水溶液」という。)の塩素イオン(Cl)がアノード室側の電極によって酸化されて塩素(Cl)が発生し、水分子(HO)と反応して次亜塩素酸(HOCl)と塩酸(HCl)が生成され、酸化水が生成される。一方、陰極となるカソード室側の電極によってカソード室に給水される水の水分子(HO)が還元されて水素(H)と水酸化物イオン(OH)が生成され、中間室の電解質水溶液のナトリウムイオン(Na)と水酸化物イオン(OH)が反応して水酸化ナトリウム(NaOH)が生成され、還元水が生成される。
電解水は、そのpHによって、様々な用途に使用することができるため、任意のpHの電解水を得られる電解装置が開発されており、例えば、以下のものがある。
特開平8-229565号公報 特開平9-85247号公報 国際公開2019/163388号 国際公開2017/051452号
特許文献1には、3室型の電解装置で、アノード室と中間室とカソード室のそれぞれに電極を配設し、その内の1室又は隣合う2室を電解槽として構成し、当該電解槽と隣合う室を電気透析槽として構成した電解装置が開示されている。これによれば、酸性、中性、アルカリ性のそれぞれの電解水が同時に得られるとされている。
特許文献2には、3室型の電解装置で、アノード室又はカソード室の一方に所定間隔を保持して配設された一対の電極と、アノード室又はカソード室の他方に電極が配設され、第一の電極には正の極性、第二の電極には負の極性、第一及び第二の電極の間に位置し、第一の電極と同じ室に配設されている第三の電極には、第一及び第二の電極に印加される電圧の中間の電位の電圧が印加される電解装置が開示されている。これによれば、第二の電極と第三の電極に付与する電流を調整することにより、第一・第三の電極が配設されている室で生成される電解水のpHを酸性~中性の範囲で任意に調整することができるとされている。
特許文献3には、3室型の電解装置で、アノード室と中間室、カソード室と中間室のそれぞれの間に配設された一対の電極に対し、所定の時間間隔で、通電方向を繰り返し切り替える制御部を具えた電解装置が開示されている。これによれば、生成する電解水のpHを精度良く制御できるとされている。
特許文献4には、3室型の電解装置で、アノード室の内部に配置された陽極と、カソード室の内部に配置された陰極と、中間室の内部に配置された中間電極と、陽極と中間電極の間及び中間電極と陰極の間に、それぞれの電流を独立して制御しながら直流電流を流す電流制御手段を具えた電解装置が開示されている。これによれば、中間室に電解質水溶液を入れ、アノード室及びカソード室に水を入れ、この状態で陽極、陰極、中間電極に電流を流し、この電流を調整することで、任意のpHの電解水を生成できるとされている。
しかし、特許文献1の電解装置では、酸性、中性、アルカリ性のそれぞれの電解水が同時に得られるため、仮に酸性の電解水のみを必要としている場合、他の電解水が不要となり、排水せざるを得ない。特許文献2の電解装置では、第一・第三の電極が配設されている室で生成される電解水のpHを調整することができるとされているが、第二の電極が配設されている室で生成される電解水を使用しない場合、これを排水として処分することになるため、無駄である。
この点、特許文献3と特許文献4の電解装置を用いて、アノード室及びカソード室から取得した電解水を混合させて混合電解水とすることにより、無駄な排水を生じさせ難くすることはできる。また、中間室の電解質水溶液を新たに供給しない貯留型の構成や、電解質水溶液が中間室を循環する構成とした場合、その排水を防止することができるが、電解質水溶液の濃度が経時的に変化し、生成される混合電解水のpHが安定しない可能性がある。これを防ぐために、中間室に常に新しい電解質水溶液を供給する方法をとると、その排水が生じることとなる。
ところで、混合電解水のpHが3.5~6.5の範囲であるとき、90%以上の割合で次亜塩素酸が存在することが知られている。混合電解水のpHが7.5になると、次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの存在比が1:1になり、それ以上のpHでは、次亜塩素酸イオンの割合が多くなる。次亜塩素酸イオンは次亜塩素酸に比べて殺菌力が大幅に低く、漂白性や皮膚に対する刺激性を持つ。一方、混合電解水のpHが3.5~5の酸性領域にある場合、使用対象の素材によっては、錆を発生させ易く、或いは、酸により素材を変質させる可能性がある。このため、殺菌力と安全性の観点から、pH6~6.5の次亜塩素酸水が望ましい。
そこで、本発明は、無駄な排水を発生させずに、所望のpH、特にpH6~6.5の電解次亜塩素酸を含む混合電解水を簡便に安定して生成し続けられる電解装置を提供することをその目的とする。
本発明は、アノード室、カソード室、前記アノード室とカソード室の間に位置する中間室、直流電源、演算手段、及び記憶手段を具え、
前記アノード室は、アノード室給水口とアノード室排水口を具え、
前記カソード室は、カソード室給水口とカソード室排水口を具え、
前記中間室は、中間室給水口と中間室排水口を具え、前記中間室給水口から給水され、前記中間室排水口から排水される電解質水溶液が循環して前記中間室に供給されるように構成され、
前記アノード室と中間室の間には、陰イオン交換膜及び第一電極が配設され、
前記カソード室と中間室の間には、陽イオン交換膜及び第二電極が配設され、
前記中間室の内部には、第三電極が配設され、
前記直流電源からの電流が、前記第一電極及び第二電極に流されるとともに、前記第一電極側及び/又は第二電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極にも流されるように構成され、
前記電流負荷装置によって、前記第三電極と前記第一電極及び/又は第二電極に流される電流を調整できるように構成され、
前記演算手段は、運転初期の電解電圧を運転初期の前記第三電極の電圧で除算して得る基準電極電位と、運転中の電解電圧を運転中の前記第三電極の電圧で除算して得る運転中電極電位を演算するように構成され、
前記記憶手段は、前記基準電極電位を記憶するように構成され、
前記基準電極電位と運転中電極電位に所定の差が生じたときに前記第三電極と前記第一電極及び/又は第二電極にpH補正電流が流されるように構成されていることを特徴とする電解装置によって前記課題を解決した。
本発明の電解装置では、中間室給水口から食塩水などの電解質水溶液が供給され、中間室排水口から排出され、循環して中間室に供給されるように構成されている。このため、電解質水溶液の無駄な排水が生じない。一方、アノード室給水口及びカソード室給水口からは、中性の水が供給され、電解水がアノード室排水口及びカソード室排水口から排出される。本発明は、上記の構成を具えるので、電流負荷装置により、第三電極と第一電極及び/又は第二電極に流される電流を調整することができる。具体的には、第一電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電されると、第一電極に流される電流は、第二電極に流される電流よりも低くなるので、第一電極の電気分解量を抑制してアノード室で生成される酸化水のpHを高めることができる。逆に、第二電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電されると、第二電極に流される電流は、第一電極に流される電流よりも低くなるので、第二電極の電気分解量を抑制してカソード室で生成される還元水のpHを低めることができるので、所望のpHの混合電解水を得ることができる。さらに、運転継続中に混合電解水のpHが変化し、基準電極電位と運転中電極電位に所定の差が生じたときに第三電極と第一電極及び/又は第二電極にpH補正電流が流されるように構成されているので、運転中に電解質水溶液の濃度やpHの変化が生じても、酸化水と還元水、延いては混合電解水のpHを所定の値に維持させ易くすることができる。よって、本発明では、無駄な排水を発生させずに任意のpHの電解水をより簡便に安定して生成し続けることができる。
また、記憶手段が、前記運転中電極電位と前記基準電極電位の比及び生成する酸化水、還元水、又は混合電解水の所望のpHを得る前記pH補正電流によって決定される所定の補正係数をさらに記憶するように構成され、演算手段が、pH補正電流の値Xを、X=(1-(運転中電極電位/基準電極電位))×補正係数、によって決定するように構成すれば、pH補正電流の値を求め易い。
また、電流負荷装置がpH補正電流の値に基づいて調整した電流を第三電極と第一電極及び/又は第二電極に流す構成とすれば、pH補正電流を流すための別の電源などの装置が不要となり、シンプルな構成で製造コストを下げることができる。
本発明の第一実施形態の電解装置の模式図。 第一電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電したときの酸化水のpHの変化を表すグラフ。 第二電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電したときの還元水のpHの変化を表すグラフ。 第一電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電したときの酸化水と還元水を混合させた電解水のpHの変化を表すグラフ。 第二電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電したときの酸化水と還元水を混合させた電解水のpHの変化を表すグラフ。 第三電極を第一電極寄りに配設した状態で、第一電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電したときの酸化水と還元水を混合させた電解水のpHの変化を表すグラフ。 第三電極を第一電極寄りに配設した状態で、第二電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極に通電したときの酸化水と還元水を混合させた電解水のpHの変化を表すグラフ。
以下、本発明の実施形態を図1~7を参照して説明する。但し、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図1に示されているように、本発明の第一実施形態の電解装置100は、電解槽12を具えている。電解槽12は、アノード室14、カソード室16、アノード室14とカソード室16の間に位置する中間室18に分割されている。アノード室14と中間室18の間には、陰イオン交換膜52及び第一電極42が配設され、カソード室16と中間室18の間には、陽イオン交換膜54及び第二電極44が配設されている。
アノード室14は、アノード室給水口22とアノード室排水口32を具え、カソード室16は、カソード室給水口24とカソード室排水口34を具え、中間室18は、中間室給水口26と中間室排水口36を具えている。
また、中間室18の内部、すなわち、陰イオン交換膜52及び第一電極42と陽イオン交換膜54及び第二電極44の間には、第三電極46が配設されている。電解装置100では、第三電極46は、第一電極42と第二電極44の中間に位置している。
第一電極42は、直流電源Vに対し陽極側に、第二電極44は、直流電源Vに対し陰極側に接続されている。第三電極46は、第一電極42側に配設された第一電流負荷装置62と第二電極44側に配設された第二電流負荷装置64を介して直流電源Vに接続されている。なお、第一・第二電流負荷装置62のいずれかを設けずに、第三電極46を第一電極42側又は第二電極44側と接続しない構成もあり得る。
直流電源Vが稼働すると、直流電源Vからの電流は、第一電極42及び第二電極44に流されるとともに、第一電極42側及び/又は第二電極44側に配設された第一・第二電流負荷装置62,64を介して第三電極46にも流れる。第三電極46に流れる電流は、第一・第二電流負荷装置62,64の負荷をコントロールすることにより調整できるように構成する。これにより、第三電極46と第一電極42及び/又は第二電極44に流される電流を第一・第二電流負荷装置62,64によって調整できる。
電解装置100は、コントローラ70を具えている。コントローラ70は、直流電源V、第一・第二電流負荷装置62,64と電気的に接続されており、制御手段76によってこれらを制御することができるように構成されている。コントローラ70は、さらに、記憶手段72と演算手段74を有する。これらの機能は後述する。
アノード室14とカソード室16には、それぞれ、アノード室給水口22とカソード室給水口24から純水や水道水などの中性の水が給水され、アノード室排水口32とカソード室排水口34から排水される。ここで、アノード室排水口32とカソード室排水口34に連結された混合槽(図示省略)などの混合手段をさらに有する構成とすれば、アノード室14で生成された酸化水とカソード室16で生成された還元水を混合して所望のpHの混合電解水、特に、pH6~6.5の電解次亜塩素酸を含む混合電解水を無駄な排水を発生させずに簡便に生成することができる。
また、図示しての説明は省略するが、カソード室排水口34とアノード室給水口22を連結し、カソード室排水口34から排水された還元水がアノード室14に給水されるように構成してもよい。本構成とすれば、カソード室16で生成された還元水をアノード室14へ流入させ、アノード室14で生成される酸化水と混合させて所望のpHの電解水を得られるため、無駄な排水を生じさせない、コンパクトな電解装置100とすることができる。
中間室18には、中間室給水口26から電解質水溶液が給水され、中間室排水口36から排水される。電解質は、塩素イオンを含むものであり、電解質水溶液としては、塩化ナトリウム等の塩素イオンを含む素材を添加した水を使用することができる。図示は省略するが、電解装置100では、中間室給水口26と中間室排水口36は、図示しないタンクを介して連結され、電解質水溶液が循環するように構成されている。このため、電解質水溶液の無駄な排水が生じない。
第一乃至第三電極42,44,46は、網目状とすることができる。このとき、第三電極46の網目が第一・第二電極42,44の網目よりも荒い構成とすれば、電解電圧が上昇して電解ができなくなるという現象を防ぐことができる。
直流電源Vの電流を11.5Aとし、アノード室14とカソード室16への純水を1分間あたり2Lの流量で給排水させ、第一電極42側に配設された第一電流負荷装置62の負荷をコントロールして、第三電極46に流れる電流を変化させたときの酸化水と還元水のpHの変化を表1に示す。
Figure 0007212978000002
図2にも示すとおり、第三電極46に電流が流れていない場合、酸化水のpHは2.77であるが、第三電極46に流される電流が増加するにつれて、酸化水のpHが上がるという結果を得られた。なお、還元水のpHは変化していない。
第一電極42側に配設された第一電流負荷装置62の負荷をコントロールして、第三電極46に電流を流した場合、第一電流負荷装置62の負荷に応じて第一電極42に流れる電流が増減するので、第一電極42による電気分解量を増減させることができ、アノード室14で生成される酸化水のpHをコントロールすることができる。このとき、第二負荷装置64を通じて電流は流れず、第三電極46は陽極として機能するので、中間室18でも陰イオンが生成されるが、多くは中間室排水口36から排出される。
このように、第一電極42側に配設された第一電流負荷装置62を介して第三電極46に通電されると、第一電極42に流される電流は、第二電極44に流される電流よりも低くなるので、第一電極42の電気分解量を抑制してアノード室14で生成される酸化水のpHを高めることができる。
同条件で、第二電極44側に配設された第二電流負荷装置64の負荷をコントロールして、第三電極46に流れる電流を変化させたときの酸化水と還元水のpHの変化を表2に示す。
Figure 0007212978000003
図3にも示すとおり、第三電極46に電流が流れていない場合、還元水のpHは10.3であるが、第三電極46に流される電流が増加するにつれて、還元水のpHが下がるという結果を得られた。なお、酸化水のpHは変化していない。
第二電極44側に配設された第二電流負荷装置64の負荷をコントロールして、第三電極46に電流を流した場合、第二電流負荷装置64の負荷に応じて第二電極44に流れる電流が増減するので、第二電極44による電気分解量を増減させることができ、カソード室16で生成される還元水のpHをコントロールすることができる。このとき、第一負荷装置62を通じて電流は流れず、第三電極46は陰極として機能するので、中間室18でも陽イオンが生成されるが、多くは中間室排水口36から排出される。
このように、第二電極44側に配設された第二電流負荷装置64を介して第三電極46に通電されると、第二電極44に流される電流は、第一電極42に流される電流よりも低くなるので、第二電極44の電気分解量を抑制してカソード室16で生成される還元水のpHを低めることができる。
以上に説明したとおり、電解装置100では、第一・第二電流負荷装置62,64を操作することにより、酸化水と還元水のpHを変化させることができるので、任意のpHの電解水をより簡便に生成することができる。
次に、同条件で、アノード室14で生成された酸化水とカソード室16で生成された還元水を混合して混合電解水とした場合のpHの変化を表3及び表4に示す。第一電極42側に配設された第一電流負荷装置62の負荷をコントロールして、第三電極46に流れる電流を変化させたときの結果が表3である。図4にも示すとおり、第一電流負荷装置62の負荷をコントロールすることにより、混合電解水のpHを6.6~7.86の範囲で変化させることができた。
Figure 0007212978000004
第二電極44側に配設された第二電流負荷装置64の負荷をコントロールして、第三電極46に流れる電流を変化させたときの結果が表4である。図5にも示すとおり、第二電流負荷装置64の負荷をコントロールすることにより、混合電解水のpHを4.5~6.6の範囲で変化させることができた。
Figure 0007212978000005
図4,5に示すとおり、第二電流負荷装置64を介して第三電極46に2.5A以上の電流を流した場合を除き、混合電解水のpHを略一次線形で変化させることができた。このように、電解装置100では、第一・第二電流負荷装置62,64を操作することにより、任意のpHの電解水をより簡便に生成することができる。特に、次亜塩素酸を含む電解水を生成する場合、電解水のpHを4.0~6.5程度、特にpH5~6.5にすることが好ましく、還元水に対し、より多くの酸化水をアノード室排水口32とカソード室排水口34に連結された混合槽(図示省略)などの混合手段で混合させることで次亜塩素酸を含む電解水を生成することができる。よって、このような電解水を無駄な排水を生じさせずに、簡便に生成することができる。
ここで、カソード室排水口34とアノード室給水口22が連結された構成とすれば、カソード室16で生成された還元水をアノード室14へ流入させ、アノード室14で生成される酸化水と混合させて所望のpHの電解水を得られるため、無駄な排水を生じさせない、コンパクトな電解装置100とすることができる。
次に、第三電極46を第一電極42寄りに配設し、他はこれまでと同条件で、アノード室14で生成された酸化水とカソード室16で生成された還元水を混合して混合電解水とした場合のpHの変化を表5及び表6に示す。第一電極42側に配設された第一電流負荷装置62の負荷をコントロールして、第三電極46に流れる電流を変化させたときの結果が表5である。図6にも示すとおり、第一電流負荷装置62の負荷をコントロールすることにより、混合電解水のpHを5.6~6.68の範囲で変化させることができた。
Figure 0007212978000006
第二電極44側に配設された第二電流負荷装置64の負荷をコントロールして、第三電極46に流れる電流を変化させたときの結果が表6である。図7にも示すとおり、第二電流負荷装置64の負荷をコントロールすることにより、混合電解水のpHを3.5~5.6の範囲で変化させることができた。
Figure 0007212978000007
図6,7に示すとおり、第二電流負荷装置64を介して第三電極46に電流を流した場合の、混合電解水のpHの変化が一次線形ではなくなった。すなわち、第三電極46を第一電極42と第二電極44の中間に位置させた方が混合電解水のpHの変動を安定させ易くすることができる。
以上の例では、第一電極42側に配設された第一電流負荷装置62の負荷をコントロールして、第三電極46に電流を流した場合、第二電流負荷装置64を介して第三電極46に電流は流れないようにし、逆に、第二電極44側に配設された第二電流負荷装置64の負荷をコントロールして、第三電極46に電流を流した場合、第一電流負荷装置62を介して第三電極46に電流は流れないようにした。しかし、酸化水及び還元水のpHは、第一電極42と第二電極44に流れる電流の差によって変化すると考えられるため、第一電極42と第二電極44に流れる電流の差を生じさせることができれば、第一電流負荷装置62と第二電流負荷装置64の負荷は適宜変更することも可能である。
以上では、直流電源Vの電流を11.5Aとし、アノード室14とカソード室16への純水を1分間あたり2Lの流量で給排水させ、第三電極46に流れる電流を0A~3Aの範囲で変化させたが、これ以外の条件としてもよい。
上述したように、電解装置100では、中間室給水口26と中間室排水口36は、図示しないタンクを介して連結され、電解質水溶液が循環するように構成されている。電解装置100の運転を長期間継続させると、電解質水溶液のpHが徐々に変化し、それによって酸化水と還元水のpHが変化し、延いては混合電解水のpHも変化してしまうという現象が起こる。これは、運転中に電解質水溶液で消費されるNaイオンとCLイオンの量が異なるため、NaイオンとCLイオンの比率が徐々に変化することが原因として考えられる。
酸化水、還元水、及び混合電解水のpHを安定化させるために、生成された直後の酸化水と還元水のpHを計測し、対応することが考えられるが、流水状態の酸化水や還元水のpHを正確に計測することは困難である。そこで、電解装置100では、電解質水溶液のpHが変化したことによって酸化水、還元水、及び混合電解水のpHが変化したとき、第三電極46の電圧も相関して変化するという現象に着目し、pHと相関関係にあると考えられる電解電圧及び第三電極46の電圧(以下、単に、「第三電極電圧」という。)を測定し、酸化水、還元水、及び混合電解水のpHを安定化させている。以下に詳述する。
まず、コントローラ70の演算手段74が、運転初期、すなわち、新規の電解質水溶液で運転を開始したときの電解電圧を運転初期の第三電極電圧で除算して得る基準電極電位と、運転中の電解電圧を運転中の第三電極電圧で除算して得る運転中電極電位を演算するように構成されている。電解電圧は、直流電源Vの電圧を計測するように設けられた電解電圧測定手段82により、第三電極電圧は、第二電極44と第三電極46の間に設けられた第三電極電圧測定手段84により計測される。なお、第三電極電圧測定手段84は、第一電極42と第三電極46の間に設けた構成としてもよい。電解電圧測定手段82及び第三電極電圧測定手段84は、公知の電圧計やその機能を有する装置とすればよい。基準電極電位は、記憶手段72によって記憶される。運転中電極電位は、運転中に常時演算される。
そして、基準電極電位と運転中電極電位に所定の差が生じたときに、指令手段76によって第三電極46と第一電極42及び/又は第二電極44にpH補正電流が流されるように構成されている。基準電極電位と運転中電極電位にどの程度の差が生じたときに、第三電極46と第一電極42及び/又は第二電極44にどの程度のpH補正電流を流すかは、生成する酸化水、還元水、又は混合電解水の所望のpHによって変動する。pH補正電流は、図示しない別の電源を用いて生じさせることも可能ではあるが、別の電源を接続すると、第三電極46の電圧などの状態検出がし難くなり、これを防止すべく切換回路などを追加すると、複雑になるので、好適ではない。
そこで、pH補正電流は、第一電流負荷装置62又は第二電流負荷装置64がコントロールされることにより、pH補正電流の値に基づいて調整した電流が第三電極46と第一電極42及び/又は第二電極44に流されるように構成するのがよい。具体的には、まず、記憶手段72が運転初期の第一電流負荷装置62及び/又は第二電流負荷装置64によって第三電極46と第一電極42及び/又は第二電極44に流される電流であるpH基準電流を記憶するように構成する。そして、演算手段74により、pH補正電流とpH基準電流に基づいて調整した電流を算出し、指令手段76によって、第一電流負荷装置62及び/又は第二電流負荷装置64が演算手段74によって算出された電流を第三電極46と第一電極42及び/又は第二電極44に流すように構成することができる。本構成とすれば、シンプルな構成で製造コストを下げることができる。
コントローラ70の記憶手段72が、補正係数をさらに記憶するように構成され、演算手段74により、pH補正電流の値Xが、X=(1-(運転中電極電位/基準電極電位))×補正係数、によって決定されるように構成すれば、pH補正電流の値を求め易くすることができる。補正係数は、生成する酸化水、還元水、又は混合電解水の所望のpHによって決定すればよい。ここで、補正係数を2.5とし、電解装置100と塩分濃度16%の電解質水溶液を用いて、純水流量を2L/minとし、第三電極電流を一定にして運転させた状態で、電解質水溶液のpHを変化させたときの、電解電圧、第三電極電圧、基準電極電位、運転中電極電位、混合電解水のpH(補正前)、pH補正電流、及び補正後の混同電解水のpHを表7に示す。
Figure 0007212978000008
表7に示す実測値では、新規の塩分濃度16%の電解質水溶液を用いて測定したものが、電解質水溶液pH6の行である。このため、基準電極電位は、その行の0.46839となり、他の行の電極電位は運転中電極電位となる。この基準電極電位と運転中電極電位、及び補正係数2.5を用いてpH補正電流を算出している。なお、pH補正電流の値は、小数点第二位で四捨五入している。表7からも明らかなように、pH補正電流は、基準電極電位と運転中電極電位の差によっては第三電極46に対して流されない場合もある。このように、補正係数を2.5とすれば、pH6~6.5の混合電解水を安定的に生成することができる。
以上に説明したように、本発明によれば、任意のpH、特にpH6~6.5の混合電解水を無駄な排水を発生させずにより簡便に生成でき、且つ、連続運転させても安定的に所望のpHの混合電解水を生成可能な電解装置を提供することができる。
100 電解装置
14 アノード室
16 カソード室
18 中間室
22 アノード室給水口
24 カソード室給水口
26 中間室給水口
32 アノード室排水口
34 カソード室排水口
36 中間室排水口
42 第一電極
44 第二電極
46 第三電極
52 陰イオン交換膜
54 陽イオン交換膜
62 第一電流負荷装置
64 第二電流負荷装置
72 記憶手段
74 演算手段
V 直流電源

Claims (1)

  1. アノード室、カソード室、前記アノード室とカソード室の間に位置する中間室、直流電
    源、演算手段、及び記憶手段を具え、
    前記アノード室は、アノード室給水口とアノード室排水口を具え、
    前記カソード室は、カソード室給水口とカソード室排水口を具え、
    前記中間室は、中間室給水口と中間室排水口を具え、前記中間室給水口から給水され、前記中間室排水口から排水される電解質水溶液が循環して前記中間室に供給されるように構成され、
    前記アノード室と中間室の間には、陰イオン交換膜及び第一電極が配設され、
    前記カソード室と中間室の間には、陽イオン交換膜及び第二電極が配設され、
    前記中間室の内部には、第三電極が配設され、
    前記直流電源からの電流が、前記第一電極及び第二電極に流されるとともに、前記第一電極側及び/又は第二電極側に配設された電流負荷装置を介して第三電極にも流されるように構成され、
    前記電流負荷装置によって、前記第三電極と前記第一電極及び/又は第二電極に流される電流を調整できるように構成され、
    前記演算手段は、運転初期の電解電圧を運転初期の前記第三電極の電圧で除算して得る基準電極電位と、運転中の電解電圧を運転中の前記第三電極の電圧で除算して得る運転中電極電位を演算するように構成され、
    前記記憶手段は、前記基準電極電位を記憶するように構成され、
    前記基準電極電位と運転中電極電位に所定の差が生じたときに前記第三電極と前記第一電極及び/又は第二電極にpH補正電流が流されるように構成されていることを特徴とする、
    電解装置。
JP2022106367A 2022-06-30 2022-06-30 電解装置 Active JP7212978B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022106367A JP7212978B1 (ja) 2022-06-30 2022-06-30 電解装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022106367A JP7212978B1 (ja) 2022-06-30 2022-06-30 電解装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7212978B1 true JP7212978B1 (ja) 2023-01-26
JP2024005906A JP2024005906A (ja) 2024-01-17

Family

ID=85035365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022106367A Active JP7212978B1 (ja) 2022-06-30 2022-06-30 電解装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7212978B1 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200338145Y1 (ko) 2003-08-21 2004-01-13 바이오닉스(주) 전해수 제조장치
KR20050020298A (ko) 2003-08-21 2005-03-04 바이오닉스(주) 전해수 제조장치
JP2007190548A (ja) 2005-12-21 2007-08-02 Midori Anzen Co Ltd 電解水の有効塩素濃度調節方法、電解水のpH調節方法および電解水生成装置。
US20100270172A1 (en) 2007-11-20 2010-10-28 Ecolab Usa Inc. Electrolyzer cell for producing acidic or alkaline electrolyzed water
JP2012110809A (ja) 2010-11-22 2012-06-14 Masaaki Arai 膜保持構造物、電極、これらを用いた電解水の製造装置及びその製造方法
US20180166760A1 (en) 2015-05-01 2018-06-14 Stc.Unm Biological and Stand-Alone Super-Capacitors for Water Treatment
JP2019162607A (ja) 2018-03-20 2019-09-26 株式会社東芝 電解水生成装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3150355B2 (ja) * 1991-03-23 2001-03-26 コニカ株式会社 複極型三次元電極式電解槽

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200338145Y1 (ko) 2003-08-21 2004-01-13 바이오닉스(주) 전해수 제조장치
KR20050020298A (ko) 2003-08-21 2005-03-04 바이오닉스(주) 전해수 제조장치
JP2007190548A (ja) 2005-12-21 2007-08-02 Midori Anzen Co Ltd 電解水の有効塩素濃度調節方法、電解水のpH調節方法および電解水生成装置。
US20100270172A1 (en) 2007-11-20 2010-10-28 Ecolab Usa Inc. Electrolyzer cell for producing acidic or alkaline electrolyzed water
JP2012110809A (ja) 2010-11-22 2012-06-14 Masaaki Arai 膜保持構造物、電極、これらを用いた電解水の製造装置及びその製造方法
US20180166760A1 (en) 2015-05-01 2018-06-14 Stc.Unm Biological and Stand-Alone Super-Capacitors for Water Treatment
JP2019162607A (ja) 2018-03-20 2019-09-26 株式会社東芝 電解水生成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2024005906A (ja) 2024-01-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8425756B2 (en) Apparatus and method for producing electrolyzed water
KR19990072981A (ko) 전해수생성장치
US20080047844A1 (en) Method of generating electrolyzed water and electrolyzed water generation apparatus therefor
CA2315355A1 (en) Electrochemical treatment of an aqueous solution
US20110189302A1 (en) Electrochemical device
WO2014034329A1 (ja) 電解水生成装置及び電解水生成方法
JP2008086885A (ja) 電解水生成装置
JPH09253650A (ja) 殺菌水製造装置
JP4597263B1 (ja) 電解水製造装置及びこれを用いる電解水の製造方法
JP7212978B1 (ja) 電解装置
JP2004041829A (ja) 電解水生成方法又は装置および水
JP2008086886A (ja) 電解水生成装置
JPH06312185A (ja) 電解水の生成装置
JP2001191079A (ja) 電解水生成装置
JP4068267B2 (ja) 電解水生成装置
JP2892121B2 (ja) 電解による次亜塩素酸含有殺菌水の製造方法
CN110872143A (zh) 电解水生成装置及电解水生成方法
JP3575712B2 (ja) 電解水生成装置
JPH09206755A (ja) 電解によるアルカリイオン水と次亜塩素酸殺菌水の生 成方法及び装置
JP3637114B2 (ja) 電解水生成装置
JP7052121B1 (ja) 電解セル、及び電解水生成装置
JP3297828B2 (ja) 電解水生成器およびその電解水生成器における塩素イオン濃度制御方法
JPH11319831A (ja) 電解機能水の製造方法及び製造装置
JP2019005679A (ja) 電解水生成装置
JP2005342702A (ja) 殺菌用水製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220707

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221125

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221226

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230106

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7212978

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150