JP2009031101A - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスセンサ素子の被水割れを防止するとともに応答性に優れたガスセンサを提供すること。
【解決手段】ガスセンサ素子2とハウジング3と素子カバー4とを有するガスセンサ1。素子カバー4は、インナーカバー41とアウターカバー42とを備えている。アウターカバー42は、側面部に複数の外側開口部421を設けてなるとともに、排出用開口部422を設けてなる。インナーカバー41は、外側開口部421よりも先端側となる位置に内側開口部411を設けてなる。該内側開口部411は、インナーカバー41の外部から内部へ向かう開口方向がガスセンサ1の軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。外側開口部421が配置される軸方向位置におけるアウターカバー42とインナーカバー41との間のクリアランス430には、該クリアランス430を軸方向に沿って仕切る仕切り部43が少なくとも一つ以上形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気系等に配設され、被測定ガス中の特定ガス濃度を検知するガスセンサに関する。
自動車エンジン等の内燃機関の排気系に、図14に示すような、排気ガスG中の酸素濃度等を検知するガスセンサ9を配設し、該ガスセンサ9による酸素濃度等の測定値から空燃比を検出し、これを利用して内燃機関の燃焼制御を行う技術がある。
上記ガスセンサ9は、ジルコニア等からなる固体電解質体を用いたガスセンサ素子92を内蔵しているとともに、このガスセンサ素子92をカバーする素子カバー93を有している。素子カバー93は、ステンレス鋼等の金属からなり、排気ガスGを通過させる通気孔933を有している。
排気管を流通する排気ガスGは、上記通気孔933から上記素子カバー93の内側に導入され、上記ガスセンサ素子92に到達する。そして、ガスセンサ素子92に排気ガスGが接触することにより、排気ガスG中の酸素濃度等の測定が可能となる。
ところで、内燃機関の低温始動時等において、排気ガスG中に含まれる水滴などが、停止時に冷えた排気管の内壁面に触れて水滴となり、凝縮することがある。
水滴が付着した状態で内燃機関を始動した場合、特に始動直後の排気ガス温度が低い場合は、凝縮水が気化することなく排気ガスGによって吹き飛ばされ、排気ガスGとともに素子カバー93の内部に浸入する。
一方、上記ガスセンサ9による測定に当たっては、固体電解質体からなるガスセンサ素子92の温度を400℃以上という高温に保ち、活性状態を保つ必要がある。
そのため、素子カバー93の内側に浸入した水滴がガスセンサ素子92の表面に付着した場合、熱衝撃により、ガスセンサ素子92に割れ(被水割れ)が発生するおそれがある。
かかる被水割れの対策として、図14に示すごとく、素子カバー93をインナーカバー931とアウターカバー932とによる二重構造とするとともに、排気管における排気ガスGの流れ方向に関して、通気孔933の位置が重ならないようにして、ガスセンサ素子92への水滴付着を防止している。
しかし、図14に示すごとく、水滴Wがアウターカバー932の外側表面934に付着したとき、この外側表面934を伝って水滴Wが通気孔933まで移動して、アウターカバー932の内部に浸入する。そして、さらに、水滴Wがインナーカバー931の外側表面934やアウターカバー932の内側表面935を伝って、インナーカバー931の通気孔933まで移動して、インナーカバー931の内部に浸入することがある。これにより、この水滴Wがガスセンサ素子92に付着して、被水割れが生ずるおそれがある。
そこで、図15に示すごとく、ガスセンサ素子92自体の表面に撥水性の保護層94を設けて、水滴がガスセンサ素子92に付着することを防ぐ技術がある(特許文献1参照)。
ところが、ガスセンサ素子92の表面に過剰な保護層94を設けると、被測定ガス(排気ガス)が、ガスセンサ素子92のセンシング部に達する時間が長くなり、ガスセンサ9の応答性が低下するおそれがある。また、ガスセンサ素子92の熱容量が大きくなるため、活性時間が長くなるおそれもある。
また、図16に示すごとく、素子カバー93の通気孔933を覆うように保護層94を形成したガスセンサ90も開示されている(特許文献2参照)。
しかし、この場合にも、被測定ガス(排気ガス)が素子カバー93の内部に侵入してガスセンサ素子920に達するまでに時間がかかり、ガスセンサ90の応答性が低下するおそれがある。
特開平8−240559号公報 実開平4−11461号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ガスセンサ素子の被水割れを防止するとともに応答性に優れたガスセンサを提供しようとするものである。
本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を内側に挿通するハウジングと、該ハウジングの先端側に固定された素子カバーとを有するガスセンサであって、
上記素子カバーは、インナーカバーと該インナーカバーの外周に配置されたアウターカバーとを備えており、
上記アウターカバーは、側面部に複数の外側開口部を設けてなるとともに、該外側開口部よりも先端側に排出用開口部を設けてなり、
上記インナーカバーは、上記外側開口部よりも先端側となる位置に内側開口部を設けてなり、
該内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されており、
上記外側開口部が配置される軸方向位置における上記アウターカバーと上記インナーカバーとの間のクリアランスには、該クリアランスを軸方向に沿って仕切る仕切り部が少なくとも一つ以上形成されていることを特徴とするガスセンサにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記素子カバーは、上記アウターカバーに上記外側開口部と上記排出用開口部とを設けており、上記インナーカバーにおける上記外側開口部よりも先端側となる位置に内側開口部を設けている。そのため、側方から流れて来る被測定ガスは、外側開口部からアウターカバーとインナーカバーとの間に導入され、排出用開口部から排出される。また、アウターカバーとインナーカバーとの間に導入された被測定ガスの一部が、さらに内側開口部からインナーカバーの内部に導入され、ガスセンサ素子に到達する。
上述のごとく、上記内側開口部は、外側開口部よりも先端側となる位置に形成されているとともに、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。それゆえ、アウターカバーの外側開口部から導入された被測定ガスの流れのうち、排出用開口部へ向かう流れは比較的直線的な流れとなるが、内側開口部からインナーカバーの内部へ向かう流れは曲線的な流れとなる。
これにより、アウターカバーとインナーカバーとの間に導入された被測定ガスとともに流れる水滴は、その慣性力によって、排出用開口部へ向かって流れ、該排出用開口部から外部へ排出される。これは、水滴は被測定ガスに比べて比重が大きいため、慣性力が大きく働き、上記のごとく直線的な流れである排出用開口部へ向かう流れに沿って排出用開口部から外部へ排出されることによる。一方、比重の小さい被測定ガス自体は、上記の直線的な流れ以外にも、曲線的な流れであるインナーカバーの内部へ向かう流れをも形成することとなる。
これにより、被測定ガスとともに流れる水滴がインナーカバーの内部に浸入することを防ぎ、ガスセンサ素子の被水を防ぐことができる。そして、被水に起因するガスセンサ素子の被水割れを防ぐことができる。
ところが、ガスセンサに対して軸方向に略直角の方向から流れる被測定ガスが外側開口部からアウターカバーの中に入ると、アウターカバーの内部に浸入した水滴が素子カバーの周方向に沿って移動することがある。かかる場合には、上記とは異なり水滴を排出用開口部へと導くことができず、水滴が内側開口部へと向かう被測定ガスとともにインナーカバーの内部に浸入してしまうおそれがある。
これに対して、本発明のガスセンサにおいては、上記クリアランスには、該クリアランスを軸方向に沿って仕切る仕切り部が少なくとも一つ以上形成されている。この仕切り部によって、アウターカバーの内部に浸入した水滴を含む被測定ガスが素子カバーの周方向に沿って移動することを防ぐことができ、水滴を含む被測定ガスは仕切り部に導かれるようにして軸方向に沿った流れを形成することができる。すなわち、水滴を上記の直線的な流れに沿ってアウターカバーの先端側の排出用開口部へと容易に導くことができ、内側開口部へと向かう被測定ガスとともに水滴がインナーカバーの内部へと浸入することを防ぐことができる。このように、上記構成によれば、内側開口部へと向かう被測定ガスと、軸方向先端側へ向かう水滴とを充分に分離して、気液分離を充分に行うことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子の被水割れを一層防ぐことができる。
また、上記素子カバーには外側開口部及び内側開口部が形成されるとともに仕切り部が形成されており、これらの位置関係によって、上記のごとく水滴の浸入を防ぐとともに、被測定ガスを素子カバーの内部に充分に導入することができる。それゆえ、応答性に優れたガスセンサを得ることができる。
また、ガスセンサ素子の表面に、例えば、撥水性の保護層を設ける等の処理を施さなくても、被測定ガスがガスセンサ素子のセンシング部へ到達することを妨げることがなく、ガスセンサの応答性の低下を防ぐことができる。
また、ガスセンサ素子の熱容量を大きくすることもないため、活性時間の短縮を妨げることもない。
以上のごとく、本発明によれば、ガスセンサ素子の被水割れを防止するとともに応答性に優れたガスセンサを提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記ガスセンサとしては、自動車エンジン等の各種車両用内燃機関の排気管に設置して、排気ガスフィードバックシステムに使用する空燃比センサ(A/Fセンサ)、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ(O2センサ)、また排気管に設置する三元触媒の劣化検知等に利用するNOx等の大気汚染物質濃度を調べるNOxセンサ等がある。
また、上記ガスセンサ素子は、例えば、ジルコニア等からなる固体電解質体の一方の面と他方の面とに基準ガス側電極及び被測定ガス側電極とを設けてなる。
また、本明細書において、上記ガスセンサを内燃機関の排気管等に挿入する側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、上記開口方向は、例えば、内側開口部の輪郭線を含む平面に直交する方向として定義することができる。また、上記輪郭線が単一平面上にない場合には、上記輪郭線に最も近似した平面状の曲線(二次元の曲線)を想定し、この曲線を含む平面に直交する方向を上記開口方向とすることができる。
また、上記仕切り部は、上記内側開口部が形成された軸方向位置まで延設されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、内側開口部の軸方向位置における水滴の流れを、軸方向先端側へ向かう流れとすることができる。そのため、内側開口部から水滴が浸入することを一層効果的に防ぐことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子の被水割れをより一層防ぐことができる。
また、上記仕切り部は、上記インナーカバー又は上記アウターカバーと非接触とすることもできる(請求項3)。
この場合には、インナーカバー又はアウターカバーと仕切り部とを接触させる必要がないため、仕切り部を容易に形成することができる。また、かかる構成であっても、水滴を含む被測定ガスを、軸方向先端側へ向かって容易に流すことができる。
また、上記仕切り部は、上記クリアランスの半分以上の高さを有することが好ましい(請求項4)。
この場合には、水滴を含む被測定ガスを充分に軸方向先端側へ流すことができる。
(実施例1)
本発明の実施例に係るガスセンサにつき、図1〜図4を用いて説明する。
なお、図1、図2は、図3のA−A線における断面を示したものである。
本例のガスセンサ1は、図1に示すごとく、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子2と、該ガスセンサ素子2を内側に挿通するハウジング3と、該ハウジング3の先端側に固定された素子カバー4とを有する。
上記素子カバー4は、図1〜図4に示すごとく、インナーカバー41と該インナーカバー41の外周に配置されたアウターカバー42とを備えている。
上記アウターカバー42は、側面部に複数の外側開口部421を設けてなるとともに、該外側開口部421よりも先端側に排出用開口部422を設けてなる。
上記インナーカバー41は、上記外側開口部421よりも先端側となる位置に内側開口部411を設けてなる。そして、内側開口部411よりもさらに軸方向先端側にガスセンサ素子2のセンシング部が配設されている。
また、内側開口部411は、図2に示すごとく、上記インナーカバー41の外部から内部へ向かう開口方向Xが上記ガスセンサ1の軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。本例のガスセンサ1においては、内側開口部411の開口方向Xはガスセンサ1の軸方向と平行となっており、上記開口方向Xが軸方向基端方向を向いている。
外側開口部421が配置される軸方向位置におけるアウターカバー42とインナーカバー41との間のクリアランス430には、該クリアランス430を軸方向に沿って仕切る仕切り部43が形成されている。本例においては、全ての外側開口部421同士の間が仕切り部43によって仕切られている。また、外側開口部421と内側開口部411とは、同じ周方向位置に形成されている(図3参照)。
また、仕切り部43は、内側開口部411が形成された内側径変部413の先端部分にまで延設されている。すなわち、図1、図2、図4に示すごとく、仕切り部43は軸方向に細長い状態で形成されている。
なお、仕切り部43は、例えば、アウターカバー42とインナーカバー41とを固定した後にアウターカバー42の一部を外側から内側に向かって突出変形させることにより形成することもできるが、インナーカバー41とアウターカバー42とを固定する前にあらかじめ形成しておくこともできる。
本例のガスセンサ1につき、以下に詳細に説明する。
素子カバー4は、図1〜図4に示すごとく、インナーカバー41と該インナーカバー41の外周に配置されたアウターカバー42との二重構造を有している。
アウターカバー42は、側面部に外側開口部421を設けてなる。
また、アウターカバー42は、先端側へ行くほど縮径するテーパ形状の外側径変部423を形成してなる。
インナーカバー41は、先端側へ行くほど縮径するテーパ形状の内側径変部413を、軸方向の二箇所において有する。
また、図2、図4に示すごとく、インナーカバー41における基端側の内側径変部413の複数箇所に凹部417を設け、該凹部417の基端を開口させることにより、内側開口部411が形成されている。すなわち、いわゆるルーバー形状の内側開口部411である。
また、インナーカバー41は、先端部に素子カバー4の外部に開口する先端開口部412を形成してなる。
また、インナーカバー41は、外側開口部421に対向する対向側面部415をガスセンサ1の軸方向に平行に形成してなる。なお、対向側面部415は、基端側及び先端側のいずれの内側径変部413よりもさらに基端側に配設されている。
インナーカバー41は、外側開口部421に対向する対向側面部415をガスセンサ1の軸方向に平行に形成してなる。そして、本例のガスセンサ1においては、仕切り部43は、上記対向側面部415に当接した状態で形成されている。
素子カバー4は、インナーカバー41の先端部がアウターカバー42の先端部と略同じ軸方向位置にある状態で、インナーカバー41とアウターカバー42とを重ね合わせている。すなわち、アウターカバー42の先端部には、インナーカバー41の先端部の外形よりも大きい大径開口部424が形成されている。そして、該大径開口部424に対してインナーカバー41の先端部を挿通することにより、該先端部の外壁と大径開口部424の内壁との間に、上記排出用開口部422が形成される。
なお、上記インナーカバー41の先端部は、アウターカバー42の先端部から突出していてもよく、また、アウターカバー42の先端部よりも基端側へ後退していてもよい。
また、図1に示すごとく、素子カバー4は、その基端部においてハウジング3の先端部にかしめ固定されている。すなわち、インナーカバー41とアウターカバー42とは、基端部419、429において互いに重ねられている。この重ねられた基端部419、429が、ハウジング3の先端かしめ部31においてかしめ固定されている。
また、ハウジング3の内側には、ガスセンサ素子2を挿通保持する素子側絶縁碍子11が保持されている。また、素子側絶縁碍子11の基端側には大気側絶縁碍子12が配設されており、大気側絶縁碍子12を覆うように配された大気側カバー13がハウジング3の基端部に固定されている。
大気側絶縁碍子12の内側には、ガスセンサ素子2との電気的導通を図るための金属端子14が保持されており、該金属端子14に接続された外部リード15が、大気側カバー13の基端部を閉塞するブッシュ16を挿通するように配線されている。
また、ガスセンサ素子2は、ジルコニアを主成分とする固体電解質体の一方の面と他方の面とに基準ガス側電極及び被測定ガス側電極とを設けてなる(図示略)。また、ガスセンサ素子2には、ヒータが内蔵されており(図示略)、ガスセンサ1の使用時において、ガスセンサ素子2を400℃以上の高温に加熱して、活性状態とする。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記素子カバー4は、アウターカバー42に外側開口部421と排出用開口部422とを設けており、インナーカバー41における外側開口部421よりも先端側となる位置に内側開口部411を設けている。そのため、図2に示すごとく、側方から流れて来る被測定ガスGは、外側開口部421からアウターカバー42とインナーカバー41との間に導入され、排出用開口部422から排出される(G1)。また、アウターカバー42とインナーカバー41との間に導入された被測定ガスの一部(G2)が、さらに内側開口部からインナーカバー41の内部に導入され、ガスセンサ素子2に到達する。
上述のごとく、内側開口部411は、外側開口部421よりも先端側となる位置に形成されているとともに、インナーカバー41の外部から内部へ向かう開口方向がガスセンサ1の軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されている。それゆえ、アウターカバー42の外側開口部421から導入された被測定ガスGの流れのうち、排出用開口部42へ向かう流れ(G1)は比較的直線的な流れとなるが、内側開口部411からインナーカバー41の内部へ向かう流れ(G2)は曲線的な流れとなる。
これにより、アウターカバー42とインナーカバー41との間に導入された被測定ガスとともに流れる水滴は、その慣性力によって、排出用開口部422へ向かって流れ、該排出用開口部422から外部へ排出される。すなわち、水滴は被測定ガスに比べて比重が大きいため、慣性力が大きく働き、上記のごとく直線的な流れである排出用開口部422へ向かう流れ(G1)に沿って排出用開口部422から外部へ排出される。一方、比重の小さい被測定ガス自体は、直線的な流れ(G1)以外にも、曲線的な流れであるインナーカバー41の内部へ向かう流れ(G2)をも形成することとなる。
これにより、被測定ガスGに含まれる水滴がインナーカバーの内部に浸入することを防ぎ、ガスセンサ素子2の被水を防ぐことができる。そして、この被水に起因するガスセンサ素子2の被水割れを防ぐことができる。
ところが、ガスセンサ1に対して軸方向に略直角の方向から流れる被測定ガスが外側開口部421からアウターカバー42の中に入ると、アウターカバー42の内部に浸入した水滴Wが素子カバー4の周方向に沿って移動することがある。かかる場合には、上記とは異なり水滴Wを排出用開口部422へと導くことができず、水滴Wが内側開口部411へと向かう被測定ガスとともにインナーカバー41の内部に浸入してしまうおそれがある。
これに対して、本例のガスセンサ1においては、上記クリアランス430には、該クリアランス430を軸方向に沿って仕切る仕切り部43が少なくとも一つ以上形成されている。この仕切り部43によってアウターカバー42の内部に浸入した水滴Wを含む被測定ガスが素子カバー4の周方向に沿って移動することを防ぐことができ、水滴Wを含む被測定ガスは仕切り部43に導かれるようにして軸方向に沿った流れを形成することができる。すなわち、水滴Wを上記の直線的な流れ(G1)に沿ってアウターカバー42の先端側の排出用開口部422へと容易に導くことができ、内側開口部411へと向かう被測定ガスとともに水滴Wがインナーカバー41の内部へと浸入することを防ぐことができる。このように、上記構成によれば、内側開口部411へと向かう被測定ガスと、軸方向先端側へ向かう水滴Wとを充分に分離して、気液分離を充分に行うことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子2の被水割れを一層防ぐことができる。
また、上記素子カバー4には外側開口部42及び内側開口部41が形成されるとともに仕切り部43が形成されており、これらの位置関係によって、上記のごとく水滴の浸入を防ぐとともに、被測定ガスGを素子カバー4の内部に充分に導入することができる。それゆえ、応答性に優れたガスセンサ1を得ることができる。
また、ガスセンサ素子2の表面に、例えば撥水性の保護層(図15における符号94参照)を設けるなどの処理を施さなくても、被測定ガスGがガスセンサ素子2のセンシング部へ到達することを妨げることがなく、ガスセンサ1の応答性の低下を防ぐことができる。また、ガスセンサ素子2の熱容量を大きくすることもないため、活性時間の短縮を妨げることもない。
また、仕切り部43は、内側開口部411まで延設されている。これにより、内側開口部411の軸方向位置における水滴Wの流れを、軸方向先端側へ向かう流れとすることができる。そのため、内側開口部411から水滴Wが浸入することを一層効果的に防ぐことができる。その結果、被水に起因するガスセンサ素子2の被水割れをより一層防ぐことができる。
以上のごとく、本例によれば、ガスセンサ素子の被水割れを防止するとともに応答性に優れたガスセンサを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図5に示すごとく、内側径変部413が、インナーカバー41の軸方向の二箇所において形成されており、そのうちの基端側の内側径変部413に、内側開口部411が内側径変部413に対して垂直方向に穿設されているガスセンサ1の例である。すなわち、対向側面部415の先端側及びインナーカバー42の先端の二箇所に内側径変部413が形成され、そのうちの基端側の内側径変部413に、円形の内側開口部411が穿設されている。この内側開口部411は、実施例1のようなルーバー形状ではなく、単純に内側径変部413に対して直角に形成した開口部である。
そして、内側開口部411の開口方向Xのベクトルは、ガスセンサ1の径方向に対する角部θが例えば17°以上であり、ガスセンサ1の軸方向成分(Xz)とともに径方向成分(Xr)を有する。
また、本例においても、外側開口部421同士の間には、アウターカバー42とインナーカバー41との間の空間を軸方向に沿って仕切る仕切り部43が形成されている。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
(実施例3)
本例は、仕切り部43の形状や形成箇所、形成個数等を種々変更させて作製した素子カバー4の例である。
図6に示す素子カバー4においては、仕切り部43は、アウターカバー42に形成されているのではなく、インナーカバー41を内側から外側へ向かって突出変形させることによって形成されている。
また、仕切り部43は、素子カバー4を突出変形させて形成するのではなく、図7に示すごとく、インナーカバー41とアウターカバー42との間に、別部材である仕切り用部材431を介設することによって形成することもできる。
また、図8に示す素子カバー4においては、仕切り部43は、アウターカバー42においてインナーカバー41と非接触の状態で形成することもできる。そして、仕切り部43は、インナーカバー41とアウターカバー42との間のクリアランス430の半分以上の高さhを有する。
本例の場合には、インナーカバー41と仕切り部43とを接触させる必要がないため、仕切り部43を容易に形成することができる。また、上記構成であっても、水滴Wを含む被測定ガスを、軸方向先端側へ向かって容易に流すことができる。
なお、本例とは逆に、仕切り部43を、インナーカバー41においてアウターカバー42と非接触の状態で形成することもできる。
また、素子カバー4は、図9に示すごとく、仕切り部43同士の間に二つの外側開口部421が配設されるよう構成することもできる。すなわち、仕切り部43は、全ての外側開口部421同士の間に形成されていなくてもよい。
このように、仕切り部43の形成の仕方は種々あるが、これらの場合にも仕切り部43以外については、実施例1と同様の構成を有し、同様の作用効果を有する。
また、本発明のガスセンサ1は、上述した態様に限定されるものではない。
(実施例4)
本例は、図10、図11に示すごとく、本発明の効果確認試験を行った例である。
まず、本発明品として上記実施例1(図1〜図4)に示したガスセンサ1を、従来品として従来例(図14)に示したガスセンサ9を、それぞれ用意した。
そして、これらのガスセンサについて、図10、図11に示すごとく、ガスセンサ素子への水滴付着の抑制効果を評価した。
すなわち、図10に示すごとく、水平面に対して50°に傾斜させた内径35mmの配管51に、ガスセンサ1を取付ける。ガスセンサ1の取り付け位置は、配管51の上端開口部511から100mmの位置である。そして、配管51の上端開口部511から水滴を含む空気を、噴射機52から5回噴射する。一回当たりの噴射エア中の水量は、0.2mlであり、エア圧は0.15kg/cm2である。
このとき、ガスセンサ1に内蔵されたガスセンサ素子への被水面積を評価した。
同様の試験を従来品(ガスセンサ9)についても行った。
試験結果を、図11に示す。同図に示すように、本発明品は、被水面積が従来品に比べて2割以下であった。
本例の結果から、本発明によれば、充分にガスセンサ素子の被水を抑制することができることがわかる。
(実施例5)
本例は、図12、図13に示すごとく、本発明のガスセンサの応答性について評価した例である。
すなわち、まず、3L、直列6気筒直噴エンジンの排気管にガスセンサを設置した。そして、エンジンの回転数を2000回転/分として運転した。また、図12の曲線L1に示すごとく、エンジンの空燃比を制御して、λ値(空気過剰率)が0.9となる状態と、1.1となる状態とを、周波数4.16Hzの周期で交互に形成した。
また、ガスセンサの素子温度は750℃とした。
このときのガスセンサの出力の変化を図12の曲線L2に示す。そして、空燃比の変化(L1)に対するセンサ出力の変化(L2)を解析し、ゲイン(利得)を評価した。その結果を、図13に示す。
評価は、上記実施例4と同様に、本発明品としての実施例1のガスセンサ1と、従来品としてのガスセンサ9との双方についてそれぞれ行った。
図13に示すごとく、従来品よりも本発明品の方が、ゲイン値が高く、応答性に優れていることがわかる。
本例の結果から、本発明によれば、ガスセンサの応答性についても充分に確保することができることがわかる。
そして、上記実施例4及び5の結果は、本発明によれば、ガスセンサの応答性の向上と、ガスセンサ素子の被水抑制とを両立することができることを示している。
実施例1における、ガスセンサの縦断面図。 実施例1における、素子カバーの縦断面図。 実施例1における、素子カバーの横断面図。 実施例1における、被測定ガスの流れを示す素子カバーの斜視説明図。 実施例2における、素子カバーの縦断面図。 実施例3における、インナーカバーに仕切り部が形成されている素子カバーの横断面図。 実施例3における、仕切り部が別部材によって形成されている素子カバーの横断面図。 実施例3における、アウターカバーに形成された仕切り部がインナーカバーと非接触である素子カバーの横断面図。 実施例3における、仕切り部同士の間に二つの外側開口部が形成されている素子カバーの横断面図。 実施例4における、被水評価試験方法の説明図。 実施例4における、被水評価結果の線図。 実施例5における、応答性評価試験方法の説明図。 実施例5における、応答性評価結果の線図。 従来例における、ガスセンサ素子の被水割れの原因を説明する断面説明図。 従来例における、ガスセンサ素子に保護層を形成したガスセンサの断面図。 従来例における、通気孔を保護層によって覆ったガスセンサの断面図。
符号の説明
1 ガスセンサ
2 ガスセンサ素子
3 ハウジング
4 素子カバー
41 インナーカバー
411 内側開口部
42 アウターカバー
421 外側開口部
422 排出用開口部
43 仕切り部
430 クリアランス

Claims (4)

  1. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ素子と、該ガスセンサ素子を内側に挿通するハウジングと、該ハウジングの先端側に固定された素子カバーとを有するガスセンサであって、
    上記素子カバーは、インナーカバーと該インナーカバーの外周に配置されたアウターカバーとを備えており、
    上記アウターカバーは、側面部に複数の外側開口部を設けてなるとともに、該外側開口部よりも先端側に排出用開口部を設けてなり、
    上記インナーカバーは、上記外側開口部よりも先端側となる位置に内側開口部を設けてなり、
    該内側開口部は、上記インナーカバーの外部から内部へ向かう開口方向が上記ガスセンサの軸方向基端方向の成分を有する状態に形成されており、
    上記外側開口部が配置される軸方向位置における上記アウターカバーと上記インナーカバーとの間のクリアランスには、該クリアランスを軸方向に沿って仕切る仕切り部が少なくとも一つ以上形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 請求項1において、上記仕切り部は、上記内側開口部が形成された軸方向位置まで延設されていることを特徴とするガスセンサ。
  3. 請求項1又は2において、上記仕切り部は、上記インナーカバー又は上記アウターカバーと非接触であることを特徴とするガスセンサ。
  4. 請求項3において、上記仕切り部は、上記クリアランスの半分以上の高さを有することを特徴とするガスセンサ。
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