JP5765394B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサに関する。
従来、自動車の内燃機関の排気管等に設けられ、被測定ガスである排ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサが知られている。
ガスセンサとしては、例えば、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、センサ素子を内側に挿通して保持するハウジングと、ハウジングの先端側に配設された素子カバーとを備えたものがある。
例えば、特許文献1には、センサ素子の被水防止等のため、ガス導入部が設けられたセンサ素子の先端部を覆うインナカバーと、インナカバーの外側に配設されたアウタカバーとからなる二重構造の素子カバーを備えたガスセンサが開示されている。
このガスセンサにおいて、アウタカバーには、アウタカバー内に被測定ガスを導入するためのアウタ導入開口部が設けられている。また、インナカバーには、インナカバー内に被測定ガスを導入するためのインナ導入開口部が設けられている。
特開2009−25076号公報
ところで、多気筒の内燃機関では、気筒間の燃料噴射量のばらつき等により、気筒間において空燃比のばらつき(気筒間インバランス)が生じる。近年、さらなる排ガス規制、燃費規制により、内燃機関の気筒間インバランスをガスセンサにおいてより精度良く検出し、内燃機関の各気筒の空燃比制御を行うことが求められている。したがって、気筒間インバランスの指標となるガスセンサの出力値(空燃比:A/F)の変化をより正確に把握するため、各気筒の空燃比変化に伴うガスセンサの応答性をさらに高めることが必要となる。具体的には、従来のA/F変化に対する応答性とは異なり、特にセンサ素子を保護する素子カバーにおいては、センサ素子のガス検出部(被測定ガスを検出するための部分)により多くの被測定ガスを短距離で迅速に到達させることに加え、センサ素子の検出部に到達するまでの間に、各気筒から順次排気されるA/Fの異なる被測定ガスが混合されにくくすることが不可欠となる。
しかしながら、上記特許文献1のガスセンサでは、主にセンサ素子の被水を防止することに重点が置かれていたため、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を考えた場合には、気筒間インバランスを検出する応答性が十分でない。この要因としては、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスがセンサ素子のガス導入部に到達するまでの距離が長いことなどが考えられる。この距離が長いと、時間的に前後して排気され、センサ素子のガス検出部に前後して到達する被測定ガスが混ざりやすくなってしまう。この被測定ガスの混合が生じると、いずれかの気筒から排気される被測定ガスの空燃比がリッチ側に変動し、他のいずれかの気筒から排気される被測定ガスの空燃比がリーン側に変動していたとしても、これらの被測定ガスが混合された状態の空燃比を検出することになってしまう。その結果、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度が低下し、気筒間インバランスを検出するためのガスセンサの応答性が低下するおそれがある。
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたものであり、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を高めることができ、気筒間インバランスを検出する応答性に優れたガスセンサを提供しようとするものである。
本発明の一の態様は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子と、
該センサ素子を内側に挿通して保持するハウジングと、
該ハウジングの軸方向先端側に配設された素子カバーとを備え、
上記センサ素子の先端部には、その内部に被測定ガスを導入するためのガス導入部が設けられており、
上記素子カバーは、上記センサ素子の先端部を覆うように配設されたインナカバーと、該インナカバーの外側に配設されたアウタカバーとを有し、
該アウタカバーには、該アウタカバー内に被測定ガスを導入するためのアウタ導入開口部が設けられており、
上記インナカバーには、該インナカバー内に被測定ガスを導入するためのインナ導入開口部が設けられており、
上記センサ素子の上記ガス導入部の軸方向中間位置は、上記インナカバーの上記インナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあり、
上記センサ素子(2)の軸方向先端位置(C3)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向先端側(X1)にあることを特徴とするガスセンサにある。
上記ガスセンサにおいて、センサ素子の先端部には、その内部に被測定ガスを導入するためのガス導入部が設けられている。また、センサ素子の先端部を覆うインナカバーには、インナカバー内に被測定ガスを導入するためのインナ導入開口部が設けられている。そして、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置は、インナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にある。
すなわち、アウタ導入開口部からアウタカバー内(アウタカバーとインナカバーとの間)に導入された被測定ガスは、インナ導入開口部からインナカバー内に導入され、センサ素子のガス導入部に到達する。
本発明者らは、このような被測定ガスの流れにおいて、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスがセンサ素子のガス導入部に到達するまでの距離が、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性に大きく寄与することを見出した。
そして、本発明者らは、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスがセンサ素子のガス導入部に到達するまでの距離を短くするためには、被測定ガスがインナカバー内に導入される部分であるインナ導入開口部の軸方向基端位置を、被測定ガスがセンサ素子の内部に導入される部分であるガス導入部の軸方向中間位置よりも軸方向基端側とすることが非常に有効であることを見出した。
これにより、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスをできるだけ短距離で迅速にセンサ素子のガス導入部に到達させることができる。また、被測定ガスを他のインナ導入開口部から流れ込んだ被測定ガスと混合させることなく、センサ素子のガス導入部に到達させることができる。そして、内燃機関の各気筒の被測定ガスを順にセンサ素子のガス導入部に到達させ、センサ素子のガス導入部に到達するまでの間に各気筒の被測定ガスが混合されることを抑制することができる。
その結果、ガスセンサの応答性を高めることができ、内燃機関の気筒間インバランスの指標となるガスセンサの出力値(例えば、空燃比:A/F等)の変化をより正確に把握することができる。そして、ガスセンサにおける内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を向上させることができる。
このように、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を高めることができ、気筒間インバランスを検出する応答性に優れたガスセンサを提供することができる。
実施例1における、ガスセンサ全体の構造を示す断面説明図。 実施例1における、ガスセンサの素子カバーの構造を示す断面説明図。 実施例1における、インナカバーのインナ導入開口部及びルーバー部を示す断面説明図。 実施例1における、センサ素子の先端部の構造を示す断面説明図。 実施例1における、ルーバー部をインナ導入開口部と同一平面上に投影した状態を示す説明図。 実施例1における、インナ導入開口部と同一平面上に投影したルーバー部を示す説明図。 実施例1における、インナ導入開口部からルーバー部を介してインナカバー内に流れ込む被測定ガスの流れを示す説明図。 実施例1における、多気筒の内燃機関における被測定ガスの流れを示す説明図。 実施例1における、横軸に時間をとり、縦軸に被測定ガスのガス濃度をとって、ガス濃度の時間変化を示すグラフ。 実施例1における、インナ導入開口部と同一平面上に投影した別例のルーバー部を示す説明図。 実施例1における、インナ導入開口部から別例のルーバー部を介してインナカバー内に流れ込む被測定ガスの流れを示す説明図。 実施例2における、ガスセンサの素子カバーの構造の一例を示す断面説明図。 実施例3における、ガスセンサを取り付けた内燃機関の排気管を示す説明図。 実施例3における、クランク角及びA/Fの時間ごとの変化を示すグラフ。 実施例3における、インナ導入開口部の軸方向基端位置とガス導入部の軸方向中間位置との間の軸方向距離aとインバランス応答値比との関係を示すグラフ。
上記ガスセンサにおいて、「軸方向先端側」とは、ガスセンサの軸方向の一方側であり、ガスセンサが被測定ガスに晒される側をいう。また、「軸方向基端側」とは、その反対側をいう。
また、上記センサ素子としては、例えば、被測定ガス側電極及び基準ガス側電極を設けた酸素イオン伝導性の固体電解質体、被測定ガス側電極に接触させる被測定ガスを透過させる多孔質の拡散抵抗層等を積層して構成された積層型のセンサ素子を用いることができる。上記構成の場合、センサ素子の外表面に拡散抵抗層の一部が露出しており、その露出した部分が上記ガス導入部となる。
また、上記センサ素子の先端部には、上記ガス導入部が複数箇所設けられていてもよい。
また、上記センサ素子の外表面には、少なくとも拡散抵抗層の露出した部分(ガス導入部)を覆うように、被測定ガス中の被毒成分を捕獲するための保護層等が設けられていてもよい。
また、上記アウタカバーには、上記アウタ導入開口部が周方向に並んで複数設けられていてもよい。
また、上記インナカバーには、上記インナ導入開口部が周方向に並んで複数設けられていてもよい。
また、上記インナ導入開口部が複数設けられている場合には、上記センサ素子の上記ガス導入部の軸方向中間位置は、そのすべてのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあることが好ましい。
また、上記インナ導入開口部が複数設けられている場合には、そのすべてのインナ導入開口部の軸方向位置が同じであることが好ましい。また、インナ導入開口部からガス導入部までの径方向距離が同じであることが好ましい。
この場合には、インナ導入開口部からセンサ素子のガス導入部までの距離のばらつきを抑制し、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をより一層高めることができる。
また、上記インナカバーの上記インナ導入開口部の軸方向基端位置から上記センサ素子の上記ガス導入部の軸方向中間位置までの軸方向距離aは、例えば、0mm<a≦3.0mmとすることが好ましく、さらに0.7mm≦a≦3.0mmとすることがより好ましい。
この場合には、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスをより一層短距離で迅速にセンサ素子のガス導入部に到達させることができる。そして、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
上記センサ素子の上記ガス導入部の軸方向中間位置と上記インナカバーの上記インナ導入開口部の軸方向基端位置との間の軸方向距離aが0mm以下の場合、3.0mmを超える場合には、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスがセンサ素子のガス導入部に到達するまでの距離が長くなってしまうおそれがあり、ガスセンサの気筒間インバランスを検出する応答性の低下を招く場合がある。
また、上記センサ素子の上記ガス導入部の軸方向先端位置は、上記インナカバーの上記インナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあってもよい。
この場合には、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスをより一層短距離で迅速にセンサ素子のガス導入部に到達させることができる。そして、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
また、センサ素子のガス導入部の軸方向先端位置は、インナ導入開口部が複数設けられている場合、そのすべてのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあることが好ましい。
また、上記センサ素子の軸方向先端位置は、上記インナカバーの上記インナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向先端側にあ
これにより、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスをより一層短距離で迅速にセンサ素子のガス導入部に到達させることができる。そして、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
また、センサ素子の軸方向先端位置は、インナ導入開口部が複数設けられている場合、そのすべてのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向先端側にあることが好ましい。
また、上記インナカバーには、上記インナ導入開口部の内側において、被測定ガスの流れを遮り、該被測定ガスが軸方向基端側へ流れるようにするルーバー部が設けられていてもよい。
この場合には、被測定ガスの多くを、インナ導入開口部からルーバー部を介してインナカバー内の軸方向基端側へ流れ込ませることができる。これにより、インナ導入開口部からインナカバー内に導入された被測定ガスがセンサ素子のガス導入部に到達するまでの距離をより適切に短くすることができる。
また、上記ルーバー部は、上記インナ導入開口部の軸方向先端側の端部から上記インナカバーの内側に折り曲げられ、軸方向基端側に向かって形成されていてもよい。
この場合には、ルーバー部は、インナカバーから切り開くことによって、容易に形成することができる。
なお、上記ルーバー部が軸方向基端側に向かって形成されている状態には、ルーバー部がインナ導入開口部の軸方向先端側の端部から軸方向基端側へ向けて、軸方向に平行に伸びる状態、又はルーバー部がインナ導入開口部の軸方向先端側の端部から軸方向基端側へ向けて、軸方向に傾斜して伸びる状態がある。
また、上記インナカバーにおける上記インナ導入開口部よりも軸方向基端側の部分と上記ルーバー部との間の最短距離であるルーバー開度は、例えば、2.0mm以下とすることができる。これにより、インナ導入開口部からルーバー部を介してインナカバー内に流れ込む被測定ガスの流量を適切に制御することができ、ガスセンサの気筒間インバランスを検出する応答性をより一層高めることができる。
上記ルーバー開度が2.0mmを超える場合には、インナ導入開口部からルーバー部を介してインナカバー内に流れ込む被測定ガスの流量を適切に制御することが困難となるおそれがある。
また、上記アウタカバーの上記アウタ導入開口部の軸方向先端位置は、上記インナカバーの上記インナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあってもよい。
この場合には、アウタ導入開口部からアウタカバー内(アウタカバーとインナカバーとの間)に導入された被測定ガスは、軸方向先端側に向かって流れ、途中で向きを変えてインナ導入開口部からインナカバー内に流れ込む。このとき、被測定ガスと共に流れる水滴は、被測定ガスよりも質量が大きいため、その自重によってそのまま軸方向先端側に流れる。そのため、被測定ガスと水滴とをより分離しやすくなり、水滴がインナカバー内に侵入することを防止する効果をより高めることができる。これにより、センサ素子の被水及びそれに伴うセンサ素子の割れをより一層防止することができる。そして、耐被水性を向上させながら、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性を十分に確保することができる。
なお、アウタカバーのアウタ導入開口部の軸方向先端位置をインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向先端側とすることもできる。
(実施例1)
上記ガスセンサにかかる実施例について、図を参照して説明する。
図1、図2に示すごとく、本例のガスセンサ1は、被測定ガスG中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子2と、センサ素子2を内側に挿通して保持するハウジング13と、ハウジング13の軸方向先端側X1に配設された素子カバー3とを備えている。
センサ素子2の先端部201には、その内部に被測定ガスGを導入するためのガス導入部271が設けられている。
同図に示すごとく、素子カバー3は、センサ素子2の先端部201を覆うように配設されたインナカバー4と、インナカバー4の外側に配設されたアウタカバー5とを有する。アウタカバー5には、アウタカバー5内に被測定ガスGを導入するためのアウタ導入開口部52が設けられている。インナカバー4には、インナカバー4内に被測定ガスGを導入するためのインナ導入開口部42が設けられている。
センサ素子2のガス導入部271の軸方向中間位置C1は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。
以下、本例のガスセンサ1についてさらに詳説する。
図1に示すごとく、本例において、「軸方向先端側X1」とは、ガスセンサ1の軸方向Xの一方側であり、ガスセンサ1が被測定ガスGに晒される側をいう。また、「軸方向基端側X2」とは、その反対側をいう。
同図に示すごとく、ガスセンサ1において、板状のセンサ素子2は、第1絶縁碍子11の内側に挿通して保持されている。また、第1絶縁碍子11は、ハウジング13の内側に保持されている。
図4に示すごとく、センサ素子2は、被測定ガスG(排ガス)中の特定ガス濃度(酸素濃度)に依存して電極(後述する被測定ガス側電極22、基準ガス側電極23)間を流れる限界電流をもとに内燃機関に供給される混合気の空燃比(A/F)を検出するA/Fセンサ素子である。
なお、図4は、センサ素子2の先端部201における軸方向Xに直交する断面を示したものである。
同図に示すごとく、センサ素子2は、ジルコニアからなる酸素イオン伝導性の固体電解質体21を有する。板状の固体電解質体21の一方の面には、被測定ガスGを接触させる被測定ガス側電極22が設けられ、他方の面には、基準ガス(大気)を接触させる基準ガス側電極23が設けられている。
同図に示すごとく、固体電解質体21の基準ガス側電極23の側には、アルミナからなる基準ガス室形成層24が積層されている。基準ガス室形成層24には、溝部241が設けられており、この溝部241によって基準ガス室249が形成されている。基準ガス室249は、基準ガスを導入することができるよう構成されている。
基準ガス室形成層24における固体電解質体21とは反対側の面には、ヒータ基板25が積層されている。ヒータ基板25には、通電により発熱する発熱体(ヒータ)251が基準ガス室形成層24と対面するよう設けられている。発熱体251は、通電によって発熱させることにより、センサ素子2を活性温度まで加熱することができるよう構成されている。
同図に示すごとく、固体電解質体21の被測定ガス側電極22の側には、アルミナからなる絶縁層26が積層されている。絶縁層26は、開口部261を有する。また、絶縁層26における固体電解質体21とは反対側の面には、被測定ガスGを透過させるアルミナ多孔体からなる多孔質の拡散抵抗層27が積層されている。拡散抵抗層27の一部は、センサ素子2の外表面に露出しており、その露出した部分にガス導入部271が複数箇所形成されている。
固体電解質体21と絶縁層26と拡散抵抗層27とにより覆われた場所には、被測定ガス室269が形成されている。被測定ガス室269は、拡散抵抗層27を透過した被測定ガスGを導入することができるよう構成されている。また、拡散抵抗層27における絶縁層26とは反対側の面には、アルミナからなる遮蔽層28が積層されている。
なお、図示を省略したが、センサ素子2の外表面には、拡散抵抗層27の露出した部分(ガス導入部271)を覆うように、被測定ガスG中の被毒成分を捕獲するための保護層等が設けられていてもよい。
図1に示すごとく、ハウジング13の軸方向基端側X2には、センサ素子2の基端部202を覆うように第1基端側カバー14が固定されており、さらに第1基端側カバー14の軸方向基端側X2には、第2基端側カバー15が固定されている。第2基端側カバー15には、大気を導入する通気孔151が設けられている。また、第2基端側カバー15の基端側開口部は、ゴムブッシュからなる封止部材16によって閉塞されている。封止部材16には、外部に接続される複数のリード部材17が貫通配置されている。
また、第1基端側カバー14の内部において、第1絶縁碍子11の軸方向基端側X2には、センサ素子2の基端部202を覆う第2絶縁碍子12が配設されている。第2絶縁碍子12には、リード部材17に接続された金属端子18が配設されている。金属端子18は、センサ素子2の電極端子に接触して電気的な導通を図っている。
同図に示すごとく、ハウジング13の先端側には、センサ素子2を保護するための素子カバー3が配設されている。素子カバー3は、センサ素子2の先端部201を覆うように配設された有底略円筒状のインナカバー4と、インナカバー4の外側に配設された有底略円筒状のアウタカバー5とを有する。インナカバー4は、ハウジング13の先端部に固定されている。また、アウタカバー5は、インナカバー4の基端部に固定されている。
図2に示すごとく、アウタカバー5は、軸方向基端側X2から順に、軸方向Xに略同径のアウタ側面部511と、軸方向先端側X1に向かって縮径するテーパ状のアウタ縮径部512と、軸方向先端側X1を閉塞するアウタ底面部513とを有する。
アウタ側面部511には、複数のアウタ導入開口部52が周方向に所定の間隔で設けられている。アウタ導入開口部52の軸方向先端位置E1は、後述するインナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。また、アウタ底面部513には、アウタ排出開口部53が設けられている。
同図に示すごとく、インナカバー4は、軸方向基端側X2から順に、軸方向Xに略同径のインナ第1側面部411と、軸方向先端側X1に向かって縮径するテーパ状のインナ第1縮径部412と、軸方向Xに略同径のインナ第2側面部413と、軸方向先端側X1に向かって縮径するテーパ状のインナ第2縮径部414と、軸方向先端側X1を閉塞するインナ底面部415とを有する。
インナ底面部415は、アウタカバー5のアウタ底面部513と略同一平面上であって、アウタ底面部513のアウタ排出開口部53内に配置されている。
インナ第1縮径部412には、複数のインナ導入開口部42が周方向に所定の間隔で設けられている。複数のインナ導入開口部42は、軸方向Xに直交する平面において、ガスセンサ1の中心軸に対して同心円上に配置されている。すなわち、すべてのインナ導入開口部42は、軸方向位置が同じである。また、すべてのインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1は、アウタカバー5のアウタ導入開口部52の軸方向先端位置E1よりも軸方向先端側X1にある。また、すべてのインナ導入開口部42は、ルーバー形状となっている。すなわち、インナ第1縮径部412には、インナ導入開口部42が設けられたそれぞれの内側位置において、被測定ガスGの流れを遮り、被測定ガスGが軸方向基端側X2へ流れるようにするルーバー部44が設けられている。また、インナ底面部415には、インナ排出開口部43が設けられている。
同図に示すごとく、センサ素子2のガス導入部271の軸方向中間位置C1は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。本例では、すべてのインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。
また、センサ素子2の軸方向先端位置C3は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向先端側X1にある。本例では、すべてのインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向先端側X1にある。
また、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1からセンサ素子2のガス導入部271の軸方向中間位置C1までの軸方向距離aは、0mm<a≦3.0mmとしている。なお、軸方向距離aは、0mm<a≦3.0mmであることが好ましく、0.7mm≦a≦3.0mmであることがより好ましい。
図3に示すごとく、ルーバー部44は、インナ導入開口部42の軸方向先端側X1の端部421からインナカバー4の内側に折り曲げられ、軸方向基端側X2に向かって形成されている。ルーバー部44は、略四角形状に形成されている。また、ルーバー部44は、インナカバー4の一部を金型等によって内側方向に押し出して形成されている。
また、インナカバー4におけるインナ導入開口部42よりも軸方向基端側X2の部分(本例のインナ第1側面部411)とルーバー部44との間の最短距離であるルーバー開度Aは、2.0mm以下に設定されている。
図5、図6に示すごとく、ルーバー部44をインナ導入開口部42と同一平面(平面H)上に投影した場合、ルーバー部44は、先端側端縁441a、根元側端縁442a、一対の側端縁443a、444aを有する。一対の側端縁443a、444aは、ルーバー部44の根元側から先端側に向かうルーバー形成方向Vに対して略平行に、略直線状に形成されている。そして、ルーバー部44の根元側端縁442aと一対の側端縁443a、444aとの間の角度B1、B2が90度である。
なお、図5、図6は、インナカバー4からルーバー部44を取り出して示したものである。
図2に示すごとく、ルーバー部44の軸方向基端側X2の端部は、インナ導入開口部42の軸方向基端側X2の端部と、軸方向Xのほぼ同じ位置にある。そして、アウタカバー5とインナカバー4との間の空間からインナ導入開口部42を通過してインナカバー4内へ流れようとする被測定ガスGは、ルーバー部44によって遮られて、軸方向先端側X1へは流れない。この被測定ガスGの一部は、一対の側端縁443a、444aからインナカバー4内へ流れようとするものの、この被測定ガスGの多くは、ルーバー部44に沿って軸方向基端側X2へ流れる。
次に、本例のガスセンサ1における作用効果について説明する。
本例のガスセンサ1において、センサ素子2の先端部201には、その内部に被測定ガスGを導入するためのガス導入部271が設けられている。また、センサ素子2の先端部201を覆うインナカバー4には、インナカバー4内に被測定ガスGを導入するためのインナ導入開口部42が設けられている。そして、センサ素子2のガス導入部271の軸方向中間位置C1は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。また、インナカバー4におけるインナ導入開口部42の内側位置には、インナ導入開口部42からインナカバー4内に流入する被測定ガスGが、軸方向基端側X2へ流れるようにするルーバー部44が設けられている。
これにより、図7に示すごとく、インナ導入開口部42からインナカバー4内へ流れようとする被測定ガスGの多くは、ルーバー部44によってインナカバー4内の軸方向基端側X2へ流れ込ませることができる。また、ガス導入部271の軸方向中間位置C1が、インナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にあることにより、インナ導入開口部42からインナカバー4内に導入された被測定ガスGをできるだけ短距離で迅速にセンサ素子2のガス導入部271に到達させることができる。また、被測定ガスGを他のインナ導入開口部42から流れ込んだ被測定ガスGと混合させることなく、センサ素子2のガス導入部271に到達させることができる。そして、内燃機関の各気筒の被測定ガスGを順にセンサ素子2のガス導入部271に到達させ、センサ素子2のガス導入部271に到達するまでの間に各気筒の被測定ガスGが混合されることを抑制することができる。
その結果、ガスセンサ1の応答性を高めることができ、内燃機関の気筒間インバランスの指標となるガスセンサ1の出力値(空燃比:A/F)の変化をより正確に把握することができる。そして、ガスセンサ1における内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を向上させることができる。
図8には、多気筒の内燃機関において、いずれかの気筒71aの空燃比が理論空燃比に対してリッチ側にあり、他の気筒71bの空燃比が理論空燃比に対してリーン側にあるときの排気管82における被測定ガスG(排気ガス)の流れを示す。同図に示すごとく、各気筒71a、71bからの排気は順次行われ、排気管82内のガスセンサ1には、リッチ側の被測定ガスG1とリーン側の被測定ガスG2とが順次到達すると考えられる。
図9には、ガスセンサ1によって測定される被測定ガスGのガス濃度の時間変化を示す。同図に示すごとく、ガスセンサ1においては、リッチ側の被測定ガスG1とリーン側の被測定ガスG2とが交互に測定されることになると考えられる。
そして、時間的に前後して排気され、インナカバー4内に前後して流入する被測定ガスGが混ざりにくい状態にあることにより、所定の時間間隔で到達すると考えられるリッチ側の被測定ガスG1とリーン側の被測定ガスG2とが混ざりにくくすることができる。
本例においては、ルーバー部44に沿って軸方向基端側X2へ流れる被測定ガスGが、センサ素子2のガス導入部271に到達するまでの距離を短くしている。これにより、時間的に前後して排気された被測定ガスGの混ざり合いを抑制し、ガスセンサ1における内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を向上させることができると考えられる。
また、本例において、センサ素子2の軸方向先端位置C3は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向先端側X1にある。そのため、インナ導入開口部42からインナカバー4内に導入された被測定ガスGをより一層短距離で迅速にセンサ素子2のガス導入部271に到達させることができる。これにより、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
また、ルーバー部44をインナ導入開口部42と同一平面(平面H)上に投影した場合、ルーバー部44の一対の側端縁443a、444aは、ルーバー形成方向Vに対して略平行に、略直線状に形成されている。
そのため、図7に示すごとく、被測定ガスGがルーバー部44の表面に沿って、ルーバー部44の根元側から先端側に向かって流れやすくなる。そして、被測定ガスGの一部がルーバー部44の側端部443、444から両側に漏れてインナカバー4内に流れ込むことを抑制することができる。つまり、ルーバー部44の先端部441を通過して流れ込む被測定ガスGの流量の割合をさらに高めることができる。
また、インナカバー4におけるインナ導入開口部42よりも軸方向基端側X2の部分(インナ第1側面部411)とルーバー部44との間の最短距離であるルーバー開度Aは、2.0mm以下である。そのため、インナ導入開口部42からルーバー部44を介してインナカバー4内に流れ込む被測定ガスGの流量を適切に制御することができ、ガスセンサ1の応答性をより一層高めることができる。
また、アウタカバー5のアウタ導入開口部52の軸方向先端位置E1は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。
そのため、図7に示すごとく、アウタ導入開口部52からアウタカバー5内(アウタカバー5とインナカバー4との間)に導入された被測定ガスGは、軸方向先端側X1に向かって流れ、途中で向きを変えてインナ導入開口部42からインナカバー4内に流れ込む。このとき、被測定ガスGと共に流れる水滴Wは、被測定ガスGよりも質量が大きいため、その自重によってそのまま軸方向先端側X1に流れる。
これにより、同図に示すごとく、被測定ガスGと水滴Wとをより分離しやすくなり、水滴Wがインナカバー4内に侵入することを防止する効果をより高めることができる。その結果、センサ素子2の被水及びそれに伴うセンサ素子2の割れを防止することができる。そして、耐被水性を向上させながら、ガスセンサ1の応答性、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を十分に確保することができる。なお、分離された水滴Wは、アウタカバー5のアウタ排出開口部53から外部に排出される。
このように、本例によれば、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性に優れたガスセンサ1を提供することができる。
なお、本例では、図5、図6に示すごとく、ルーバー部44をインナ導入開口部42と同一平面(平面H)上に投影した場合、ルーバー部44の一対の側端縁443a、444aは、ルーバー形成方向Vに対して略平行に、略直線状に形成されている。これ以外にも、例えば、図10に示すごとく、ルーバー部44の一対の側端縁443a、444aは、ルーバー形成方向Vに対して外側に傾斜して、略直線状に形成されていてもよい。すなわち、ルーバー部44の根元側端縁442aと一対の側端縁443a、444aとの間の角度B1、B2が90度を超えた角度(例えば、90度超え95度以下)であってもよい。
上記構成の場合には、図11に示すごとく、被測定ガスGがルーバー部44の表面に沿って、ルーバー部44の根元側から先端側に向かってより一層流れやすくなる。そして、被測定ガスGの一部がルーバー部44の側端部443、444から両側に漏れてインナカバー4内に流れ込むことをさらに抑制することができる。つまり、ルーバー部44の先端部441を通過して流れ込む被測定ガスGの流量の割合をさらに高めることができる。これにより、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をより一層向上させることができる。
(実施例2)
本例は、図12に示すごとく、センサ素子2のガス導入部271とインナカバー4のインナ導入開口部42との位置関係を変更した例である。
同図に示すごとく、センサ素子2のガス導入部271の軸方向先端位置C2は、インナカバー4のインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。本例では、ガス導入部271の軸方向先端位置C2は、すべてのインナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にある。
その他の基本的な構成は、実施例1と同様である。また、実施例1と同様の構成については、同様の符号を付し、その説明を省略している。
本例のインナカバー4におけるインナ導入開口部42の内側位置には、実施例1と同様に、インナ導入開口部42からインナカバー4内に流入する被測定ガスGが、軸方向基端側X2へ流れるようにするルーバー部44が設けられている。そして、インナ導入開口部42からインナカバー4内に流れる被測定ガスGの多くは、軸方向基端側X2へ流れる。そのため、ガス導入部271の軸方向先端位置C2を、インナ導入開口部42の軸方向基端位置D1よりも軸方向基端側X2にすることにより、ルーバー部44に沿って軸方向基端側X2へ流れる被測定ガスGが、より一層短距離で迅速にセンサ素子2のガス導入部271に到達するようにできる。これにより、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度、及び気筒間インバランスを検出する応答性をさらに高めることができる。
その他の基本的な作用効果は、実施例1と同様である。
(実施例3)
本例は、ガスセンサについて、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を評価したものである。
本例では、インナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置からセンサ素子のガス導入部の軸方向中間位置までの軸方向距離a(図2参照)が異なる複数のガスセンサを準備した。準備したガスセンサのその他の基本的な構成は、実施例1のガスセンサ(図1〜図4等参照)と同様である。
次に、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度の評価方法について説明する。
本例では、図13に示すごとく、4つの気筒(第1気筒811、第2気筒812、第3気筒813、第4気筒814)を有する直列4気筒型の内燃機関81を準備した。内燃機関81の各気筒811〜814は、それぞれ排気管82の排気枝部821に連通している。4つの排気枝部821は、その下流側において集合して排気管82の排気集合部822に連通している。そして、この排気管82の排気集合部822に、ガスセンサ89を取り付けた。
次いで、内燃機関を所定の条件で運転させた。本例では、回転数を1600rpmに設定し、排気管内の単位断面積当たりのガス流量が20g/秒となるように調整した。そして、内燃機関の4つの気筒のうち、第2気筒の燃料噴射量を他の気筒に比べて過剰に増加させた。本例では、第2気筒の空燃比が理論空燃比に対してリッチ側に40%ずらした状態(燃料噴射量を40%増加した状態)となるように調整した。
そして、図14に示すごとく、時間経過ごとにガスセンサの出力値(空燃比:A/F)を取得した。
ここで、ガスセンサの出力値の波形は、内燃機関の1燃焼サイクルを1周期として変動する。内燃機関の1燃焼サイクルは、クランク角が0度の時に開始され、クランク角が720度のときに終了する。また、1燃焼サイクルの間、第1気筒、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順に燃焼が行われる。また、各気筒では、燃焼の後に排気が行われるため、1燃焼サイクルの間、第2気筒、第1気筒、第3気筒、第4気筒の順に排気が行われる。したがって、理想的には、第2気筒、第1気筒、第3気筒、第4気筒の順に、各気筒から排出された排ガスがガスセンサのセンサ素子のガス導入部に到達する。
次に、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度の評価方法について説明する。
図14に示すごとく、取得したガスセンサの出力値(空燃比:A/F)の波形から、1燃焼サイクル中の波形の振幅P(最大値と最小値との差)をインバランス応答値として求めた。
本例では、軸方向距離aが異なるガスセンサに対して、それぞれ上述したインバランス応答値を求めた。そして、軸方向距離aが−1.5mmのガスセンサ(従来の仕様のガスセンサ)のインバランス応答値を基準(=100%)とし、その他のガスセンサのインバランス応答値比(%)を求めた。なお、インバランス応答値比が高いほうが内燃機関の気筒間インバランスの検出精度がより高いことを示す。
図15に、内燃機関の気筒間インバランスの検出精度の評価結果を示す。同図の横軸は軸方向距離a(mm)、縦軸はインバランス応答値比(%)である。
なお、軸方向距離aが0mmの場合は、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置とインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置とが同じ位置であることを示す。また、軸方向距離aが0mm未満の場合は、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置がインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向先端側にあることを示す。
同図から、軸方向距離aが0mmを超えると、すなわちセンサ素子のガス導入部の軸方向中間位置がインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあると、インバランス応答値比が高くなることがわかった。また、軸方向距離aが0.7mmあたりを超えると、インバランス応答値比がさらに高くなり、そのインバランス応答値比が安定していることがわかった。
一方、軸方向距離aが3.0mmあたりを超えると、インバランス応答値比が少し低くなることがわかった。
以上の結果から、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置がインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置よりも軸方向基端側にあることにより、ガスセンサの応答性を高めることができ、ガスセンサにおける内燃機関の気筒間インバランスの検出精度を向上させることができることがわかった。
また、このような効果を十分に得るためには、センサ素子のガス導入部の軸方向中間位置からインナカバーのインナ導入開口部の軸方向基端位置までの軸方向距離aを0.7mm以上とすることが好ましく、3.0mm以下とすることが好ましいことがわかった。
1 ガスセンサ
13 ハウジング
2 センサ素子
201 先端部(センサ素子の先端部)
271 ガス導入部
3 素子カバー
4 インナカバー
42 インナ導入開口部
5 アウタカバー
52 アウタ導入開口部
C1 軸方向中間位置(ガス導入部の軸方向中間位置)
D1 軸方向基端位置(インナ導入開口部の軸方向基端位置)
X1 軸方向先端側
X2 軸方向基端側

Claims (5)

  1. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するセンサ素子(2)と、
    該センサ素子(2)を内側に挿通して保持するハウジング(13)と、
    該ハウジング(13)の軸方向先端側(X1)に配設された素子カバー(3)とを備え、
    上記センサ素子(2)の先端部(201)には、その内部に被測定ガスを導入するためのガス導入部(271)が設けられており、
    上記素子カバー(3)は、上記センサ素子(2)の先端部(201)を覆うように配設されたインナカバー(4)と、該インナカバー(4)の外側に配設されたアウタカバー(5)とを有し、
    該アウタカバー(5)には、該アウタカバー(5)内に被測定ガスを導入するためのアウタ導入開口部(52)が設けられており、
    上記インナカバー(4)には、該インナカバー(4)内に被測定ガスを導入するためのインナ導入開口部(42)が設けられており、
    上記センサ素子(2)の上記ガス導入部(271)の軸方向中間位置(C1)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向基端側(X2)にあり、
    上記センサ素子(2)の軸方向先端位置(C3)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向先端側(X1)にあることを特徴とするガスセンサ(1)。
  2. 上記センサ素子(2)の上記ガス導入部(271)の軸方向先端位置(C2)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向基端側(X2)にあることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ(1)。
  3. 上記インナカバー(4)には、上記インナ導入開口部(42)の内側において、被測定ガスの流れを遮り、該被測定ガスが軸方向基端側(X2)へ流れるようにするルーバー部(44)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ(1)。
  4. 上記ルーバー部(44)は、上記インナ導入開口部(42)の軸方向先端側(X1)の端部(421)から上記インナカバー(4)の内側に折り曲げられ、軸方向基端側(X2)に向かって形成されていることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ(1)。
  5. 上記アウタカバー(5)の上記アウタ導入開口部(52)の軸方向先端位置(E1)は、上記インナカバー(4)の上記インナ導入開口部(42)の軸方向基端位置(D1)よりも軸方向基端側(X2)にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ(1)。
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