JP2009030084A - 微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液 - Google Patents

微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液 Download PDF

Info

Publication number
JP2009030084A
JP2009030084A JP2007192793A JP2007192793A JP2009030084A JP 2009030084 A JP2009030084 A JP 2009030084A JP 2007192793 A JP2007192793 A JP 2007192793A JP 2007192793 A JP2007192793 A JP 2007192793A JP 2009030084 A JP2009030084 A JP 2009030084A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic solvent
fine particles
particle dispersion
metal
fine particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007192793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009030084A5 (ja
JP4330024B2 (ja
Inventor
Takuya Harada
琢也 原田
Hidemichi Fujiwara
英道 藤原
Kazuhiro Takashiba
和宏 高柴
Nobumitsu Yamanaka
信光 山中
Yuukai Yamada
悠介 山田
Hideo Nishikubo
英郎 西久保
Takashi Unno
隆 海野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Furukawa Electric Co Ltd filed Critical Furukawa Electric Co Ltd
Priority to JP2007192793A priority Critical patent/JP4330024B2/ja
Publication of JP2009030084A publication Critical patent/JP2009030084A/ja
Publication of JP2009030084A5 publication Critical patent/JP2009030084A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4330024B2 publication Critical patent/JP4330024B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】分散性と保存安定性優れる金属等の微粒子分散液の製造方法を提供する。
【解決手段】一次粒子の平均粒径1〜150nmの金属等の微粒子が有機溶媒に分散されている微粒子分散液の製造方法であって、金属イオンと、高分子分散剤とが溶解している水溶液中で液相還元により該金属イオンを還元して、一次粒子の平均粒径が1〜150nmである微粒子が高分子分散剤に覆われて分散している微粒子分散水溶液を形成する工程(工程1)、前記微粒子分散水溶液中に、凝集促進剤を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、水溶液から該凝集又は沈殿した微粒子を分離して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子を得る工程(工程2)、該微粒子をアミド基を有する有機溶媒(A)25〜70体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜25体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜70体積%含む有機溶媒等に再分散する工程(工程3)、
を含むことを特徴とする、微粒子分散液の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子が特定の有機溶媒に分散されている、分散性、保存安定性等に優れる微粒子分散液の製造方法、及び該方法等により得られる微粒子分散液に関する。
ナノサイズ(粒径が1μm以下)の金属微粒子は、バルク材料にはない様々な特異な特性を持つことが知られている。そしてこの特性を生かした様々な工学的応用が、現在、エレクトロニクス、バイオ、エネルギー等の各分野で、大いに期待されている。
このようなナノサイズの金属微粒子を製造する方法としては、気相合成法と液相合成法の2種類の製法が知られている。ここで気相合成法とは、気相中に導入した金属蒸気から固体の金属微粒子を形成する方法であり、他方、液相合成法とは、溶液中に分散させた金属イオンを還元することにより金属微粒子を析出させる方法である。この液相合成法においては、一般にその金属イオンを還元するための還元剤を使用する方法と、電気化学的にカソード電極上で還元を行う方法とが知られている。
このような微粒子を水溶液又は有機溶媒中に分散させた、微粒子分散液は、インクジェットインク、エッチングレジスト、ソルダーレジスト、誘電体パターン、電極(導体回路)パターン、電子部品の配線パターン、導電性ペースト、導電性インク、導電フィルム等に広く用いられている。
最近では、金属微粒子を含有するインクを使用して、配線パターンをインクジェット法により形成し、焼成して配線を形成する技術が注目されている。しかし、インクジェット用のインクとして、金属微粒子を含有するインクを使用する場合、インク中において分散性を長期間保つことが重要である。そのため、インク中において分散性を長期間保つ金属微粒子の製造方法が提案されている。
また、金属微粒子分散液の製造方法、及びこのような金属微粒子分散液を塗布、乾燥後に焼成して金属薄膜又は金属細線を得る方法として下記の特許文献が公開されている。
特許文献1には、銅微粒子を得る方法として、核生成のためのパラジウムイオンを添加すると共に、分散剤としてポリエチレンイミンを添加してポリエチレングリコール又はエチレングリコール溶液中でパラジウムを含有する粒径50nm以下の銅微粒子を形成し、ついでエタノールと乳酸エチルに溶媒置換後この銅微粒子分散液を用いて、基板上にパターン印刷を行い、4%H−N気流中において250℃×3時間の熱処理を行うことによって、微細な銅の導電膜を形成することが開示されている。
特許文献2には、ジエチレングリコール中で酢酸銅を加熱還元して得られた一次粒径が100nm以下である酸化第一銅微粒子を遠心分離機で回収後、ポリエチレングリコールとジエチレングリコールからなる混合溶液に再分散してインクジェット用インクとすること、及び該インクジェット法により基板上に塗布した後、窒素ガス雰囲気下で350℃/1時間の熱処理を施して、酸化第一銅の還元を行い、金属配線のパターンを得ることが開示されている。
特許文献3には、金属の周りに分散剤として有機金属化合物が付着している金属ナノ粒子をスピンコート法により、基板(ガラス)上に塗布し、100℃で乾燥し、250℃での焼成により銀の薄膜を作製することが開示されている。
また、特許文献4には、ジエチレングリコール中に懸濁された、二次粒子の平均粒径500nmの酢酸銅を濃度が30重量%になるように濃縮し、さらに超音波処理を施して、導電性インクとした後、スライドガラス上に塗布して、還元雰囲気で350℃、1時間加熱して銅薄膜を得ることが開示されている。
特開2005−330552号公報 特開2004−277627号公報 特開2005−81501号公報 特開2004−323568公報
上記した特許文献1、2をはじめ、特許文献3及び特許文献4における従来の製造方法では、250〜300℃に近い比較的高温で熱処理をするか、又は熱処理のときに水素ガス等の還元性ガス雰囲気下で行わなければ導電性の金属を得ることができないという問題点があった。
本発明者らは、上記課題に鑑みて、金属等の微粒子の分散性に優れ、かつ還元性ガス雰囲気を必要とせず、比較的低い焼成温度でも導電性と基板密着性に優れる微粒子分散液を得るべく鋭意検討した結果、水溶液において、高分子分散剤の存在下の還元反応終了後に凝集促進剤を添加して、該微粒子を凝集又は沈殿させて水溶液から分離・回収することにより高分子分散剤、還元剤等の不純物を除去し、更にアミド基を有する有機溶媒を含む特定の混合有機溶媒、アルコール溶媒に金属等の微粒子を分散させると、分散性と保存安定性に優れ、更に焼成により金属薄膜又は金属細線を作製する際に導電性、基板密着性等に優れる微粒子分散液が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる、一次粒子の平均粒径1〜150nmの微粒子(P)が有機溶媒に分散している微粒子分散液の製造方法であって、少なくとも下記(a)工程1ないし(c)工程3を含むことを特徴とする、微粒子分散液の製造方法。
(a)工程1
少なくとも1種の金属イオンと、微粒子の分散性を向上する高分子分散剤(D)とが溶解している水溶液中で電解還元又は還元剤を使用した無電解還元により該金属イオンを還元して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる一次粒子の平均粒径が1〜150nmである微粒子(Pc)がその表面を高分子分散剤(D)に覆われて分散している微粒子分散水溶液を形成する工程、
(b)工程2
工程1で得られた微粒子(Pc)が分散している水溶液中に、凝集促進剤(F)を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、水溶液から該凝集又は沈殿した微粒子を分離して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を得る工程
(c)工程3
工程2で得られた微粒子(P)を、
(i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒(S1)
(ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒(S2)、
又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)、
に再分散して、微粒子(P)が前記有機溶媒に分散されている微粒子分散液を得る工程
上記第1の態様である「微粒子分散液の製造方法」においては更に下記(2)ないし(7)に記載の態様とすることができる。
(2)前記高分子分散剤(D)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上である。
(3)前記工程1における前記金属イオンが銅、銀、金、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、ビスマス、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、マンガン、クロム、バナジウム、及びチタンの中から選択される1種又は2種以上の金属の金属イオンである。
(4)前記工程2が、工程1で得られた微粒子(Pc)が分散している水溶液中に、凝集促進剤(F)を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、
(i)該凝集もしくは沈殿した微粒子を分離すると共に洗浄溶剤(W)で洗浄して回収し、又は(ii)該凝集もしくは沈殿した微粒子を分離・回収後に洗浄溶剤(W)で洗浄して、少なくとも微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満になるまで、高分子分散剤(D)が除去された金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を得る工程である。
(5)前記工程2における凝集促進剤(F)が塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、1,1−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタン、1,1−ジクロルエチレン、1,2−ジクロルエチレン、トリクロルエチレン、四塩化アセチレン、エチレンクロロヒドリン、1,2−ジクロルプロパン、塩化アリル、クロロプレン、クロルベンゼン、塩化ベンジル、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、p−ジクロルベンゼン、α−クロルナフタリン、β−クロルナフタリン、ブロモホルム、及びブロムベンゼンの中から選択される1種又は2種以上である。
(6)前記工程2で使用する洗浄溶剤(W)が、水、及び/又は分子中に少なくとも1以上の水酸基を有する炭素数1〜6のアルコール又は多価アルコールである。
(7)前記工程3で使用する有機溶媒(A)がN−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミドの中から選択される1種又は2種以上である。
(8)前記工程3で使用する有機溶媒(B)が、一般式R−O−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるエーテル系化合物(B1)、一般式R−OH(Rは、アルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるアルコール(B2)、一般式R−C(=O)−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜2である。)で表されるケトン系化合物(B3)、及び一般式R−(N-R)−R(R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基、又は水素原子で、炭素原子数は0〜2である。)で表されるアミン系化合物(B4)、の中から選択される1種又は2種以上である。
(9)前記工程3で使用する有機溶媒(B)が、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、t-アミルメチルエーテル、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、及びアリルエーテルの中から選択される1種又は2種以上であるエーテル系化合物(B1)、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、及び2−メチル2−プロパノールの中から選択される1種又は2種以上であるアルコール(B2)、
アセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトンの中から選択される1種又は2種以上であるケトン系化合物(B3)、
並びに/又はトリエチルアミン、及び/もしくはジエチルアミンであるアミン系化合物(B4)
である。
(10)前記工程3で使用する有機溶媒(C)がエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、オクタンジオ−ル、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、及びヘキシト−ルの中から選択される1種又は2種以上である。
(11)前記工程3で、前記金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C)に再分散する際、超音波を照射することを特徴とする。
(12)前記金属が、銅、銀、金、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、ビスマス、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、マンガン、クロム、バナジウム、及びチタンの中から選択される1種又は2種以上、前記合金が前記金属の2種以上からなる合金、並びに前記金属化合物が前記金属及び合金の酸化物である。
又、本発明は、(13)金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる、一次粒子の平均粒径1〜150nmの微粒子(P)が有機溶媒に分散されている微粒子分散液であって、
該分散液中で微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満であり、
該有機溶媒が
(i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒(S1)、
(ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒(S2)、
又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)、
であることを特徴とする、微粒子分散液を提供するものである(以下、第2の態様ということがある)。
上記第2の態様である「微粒子分散液」においては更に下記(14)ないし(18)に記載の態様とすることができる。
(14)前記高分子分散剤(D)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上である。
(15)前記有機溶媒(A)がN−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミドの中から選択される1種又は2種以上である。
(16)前記有機溶媒(B)が、一般式R−O−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるエーテル系化合物(B1)、一般式R−OH(Rは、アルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるアルコール(B2)、R−C(=O)−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜2である。)で表されるケトン系化合物(B3)、及び一般式R−(N-R)−R(R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基、又は水素原子で、炭素原子数は0〜2である。)で表されるアミン系化合物(B4)、の中から選択される1種又は2種以上である。
(17)前記有機溶媒(C)がエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、オクタンジオ−ル、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、及びヘキシト−ルの中から選択される1種又は2種以上である。
(18)前記金属が、銅、銀、金、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、ビスマス、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、マンガン、クロム、バナジウム、及びチタンの中から選択される1種又は2種以上、前記合金が前記金属の2種以上からなる合金、並びに前記金属化合物が前記金属及び合金の酸化物である。
以下、本発明における、「金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子」における、金属、合金、及び金属化合物を併せて、「金属等」と記載することがあり、
工程1において還元反応水溶液から形成された金属等の微粒子を「微粒子(Pc)」と記載することがあり、高分子分散剤(D)を除去する処理が行われた金属等の微粒子を「微粒子(P)」と記載することがあり、「微粒子(Pc)と微粒子(P)」を区別せず「微粒子」と記載することがある。
また、アミド基を有する有機溶媒(A)を「有機溶媒(A)」と、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)を「有機溶媒(B)」と、常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)を「有機溶媒(C)」と、
微粒子(P)を有機溶媒中に分散させて微粒子分散溶液を得る際の「有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)及び有機溶媒(C)」を併せて「本発明の有機溶媒等」とそれぞれ記載することがある。
本発明の微粒子分散液の製造方法において、微粒子(Pc)は、水溶液中で微粒子の分散性を向上する高分子分散剤(D)存在下に液相還元反応により製造され、該還元反応終了後に高分子分散剤(D)を析出させない、凝集促進剤(F)を添加して、微粒子を水溶液中で凝集又は沈殿させて、分離、回収する。従って、高分子分散剤(D)等の不純物が効率よく除去された、微粒子(P)を回収することができる。このようにして回収された微粒子(P)を本発明の有機溶媒等(有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C))に再分散して得られた微粒子分散液をインクジェット法により基板上に配置して乾燥、焼成する際、還元性ガス雰囲気を必要とせず、かつ比較的低温での焼成においても優れた導電性と基板密着性を有する金属薄膜、金属細線等を得ることができる。
また、本発明の微粒子分散液の製造方法において、微粒子(P)を再分散する有機溶媒として、上記有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C)を使用するので微粒子(P)の分散性、分散効率、保存安定性、凝集後の再分散性等に極めて優れている。本発明の微粒子分散液をインクジェット用のインク組成物に使用すると分散性と保存安定性に優れるのでインクジェットヘッドにおける微粒子金属の詰まりも防止できる。
〔1〕第1の態様の「微粒子分散液の製造方法」
(1)微粒子分散液の製造方法(以下、本発明の方法ということがある)について
本発明の第1の態様である「微粒子分散液の製造方法」は、
金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる、一次粒子の平均粒径1〜150nmの微粒子(P)が有機溶媒に分散している微粒子分散液の製造方法であって、
少なくとも下記(a)工程1ないし(c)工程3を含むことを特徴とする、微粒子分散液の製造方法。
(a)工程1
少なくとも1種の金属イオンと、微粒子の分散性を向上する高分子分散剤(D)とが溶解している水溶液中で電解還元又は還元剤を使用した無電解還元により該金属イオンを還元して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる一次粒子の平均粒径が1〜150nmである微粒子(Pc)がその表面を高分子分散剤(D)に覆われて分散している微粒子分散水溶液を形成する工程、
(b)工程2
工程1で得られた微粒子(Pc)が分散している水溶液中に、凝集促進剤(F)を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、水溶液から該凝集又は沈殿した微粒子を分離して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を得る工程
(c)工程3
工程2で得られた微粒子(P)を、
(i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒(S1)
(ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒(S2)、
又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)、
に再分散して、微粒子(P)が前記有機溶媒に分散されている微粒子分散液を得る工程
上記した本発明の方法は、水溶液中で、高分子分散剤(D)の存在下に金属イオンの液相還元により得られた金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(Pc)から、高分子分散剤(D)等の不純物を除去して、該微粒子(P)を分散性に優れる本発明の有機溶媒等に再分散することに特に特徴がある。以下、本発明の方法における、金属、合金、及び金属化合物、並びに工程1ないし工程3について説明する。
(2)金属、合金、及び金属化合物
本発明で使用可能な「金属、合金、及び金属化合物」は、特に制限されるものではなく、目的・用途に合わせて適宜選定することが可能であり、例えば、銅、銀、金、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、ビスマス、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、マンガン、クロム、バナジウム、チタン等の中から選択された金属の1種又は2種以上、これらの金属の2種以上からなる合金、及びこれらの金属の1種又は2種以上の金属化合物等から選定することが可能である。
尚、上記金属化合物には、金属及び合金の酸化物も含まれる。本発明の微粒子を製造する際に金属及び合金の酸化物が含まれてくる場合が多い、特に銅をはじめとする遷移金属粒子の場合に酸化物がまったく含まれないものは少ないといえる。この場合の酸化レベルは微粒子生成時および保管時の雰囲気、温度、保持時間によりさまざまであり、微粒子の最表面だけ薄く酸化されて内側は金属のままの場合、微粒子が殆ど酸化されている場合もある。本発明でいう「金属化合物」はこのようなさまざまな酸化状態の粒子をすべて含有する。
上記金属の中でも、Cu、Ag、及びAu等の金属から選ばれた1種もしくは2種以上の金属、又はこれらの金属の2種以上からなる合金が好ましい。
(3)工程1ないし工程3について
(a)工程1
工程1は、「少なくとも1種の金属イオンと、微粒子の分散性を向上する高分子分散剤(D)とが溶解している水溶液中で電解還元又は還元剤を使用した無電解還元により該金属イオンを還元して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる一次粒子の平均粒径が1〜150nmである微粒子(Pc)がその表面を高分子分散剤(D)に覆われて分散している微粒子分散水溶液を形成する工程」である。
上記電解還元又は還元剤を使用した無電解還元等の液相還元としては、一次粒子の平均粒径が1〜150nmの微粒子(Pc)が形成できれば電解還元と無電解還元のいずれをも採用することができ、該電解還元と無電解還元方法は、公知の方法を採用することができる。該液相還元により、その表面が高分子分散剤(D)で覆われて、水溶液中で分散している微粒子(Pc)が形成される。
(a−1)金属イオンについて
工程1で使用する「少なくとも1種の金属イオン」は、前記した金属の金属イオンである。
前記金属イオンを形成する金属塩は、特に制限がないが、例えば、塩化物、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、アンモニウム塩、酢酸塩等の金属塩が挙げられる。
(a−2)高分子分散剤(D)について
本発明において、少なくとも1種の金属イオンを液相で還元して金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(Pc)を形成する際に、高分子分散剤(D)を使用する。
高分子分散剤(D)は、水に対して溶解性を有していると共に、反応系中で析出した金属等からなる微粒子の表面を覆うように存在して、金属等微粒子の凝集を防止して分散性を良好に維持する作用を有する。
高分子分散剤(D)としては、その化学構造にもよるが分子量が100〜100,000程度の、水に対して溶解性を有し、かつ水溶液で金属イオンから還元反応で析出した金属等微粒子を良好に分散させることが可能なものであればいずれも使用可能である。
高分子分散剤(D)として好ましいのは、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン等のアミン系の高分子;ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等のカルボン酸基を有する炭化水素系高分子;ポリアクリルアミド等のアクリルアミド;ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、更にはデンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上である。
上記例示した高分子分散剤(D)化合物の具体例として、ポリビニルピロリドン(分子量:1000〜500、000)、ポリエチレンイミン(分子量:100〜100,000)、カルボキシメチルセルロース(アルカリセルロースのヒドロキシル基Na塩のカルボキシメチル基への置換度:0.4以上、分子量:1000〜100,000)、ポリアクリルアミド(分子量:100〜6,000,000)、ポリビニルアルコール(分子量:1000〜100,000)、ポリエチレングリコール(分子量:100〜50,000)、ポリエチレンオキシド(分子量:50,000〜900,000)、ゼラチン(平均分子量:61,000〜67,000)、水溶性のデンプン等が挙げられる。
上記かっこ内にそれぞれの高分子分散剤(D)の数平均分子量を示すが、このような分子量範囲にあるものは水溶性を有するので、本発明において好適に使用できる。尚、これらの2種以上を混合して使用することもできる。
また、高分子分散剤(D)の添加量は、還元反応水溶液から生成する金属等の微粒子の濃度にもよるが、該金属等の微粒子100重量部に対して、1〜5000重量部が好ましく、5〜1000重量部がより好ましい。高分子分散剤(D)の添加量が前記1未満では凝集を抑制する効果が十分に得られない場合があり、一方、前記5000重量部を超える場合には、還元反応終了後に凝集促進剤を添加して高分子分散剤(D)を除去する際に不都合が生ずる場合がある。
(a−3)電解還元、還元剤を使用した無電解還元について
電解還元の場合には、金属イオンを含む水溶液中に設けられたアノードとカソード間に電位を加えることによりカソード付近に、高分子分散剤(D)でその表面が覆われた微粒子(Pc)が形成される。無電解還元の場合に使用する好ましい還元剤の例としては、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ジメチルアミノボラン、トリメチルアミノボラン等が挙げられ、これらの2種以上を併用することもできる。前記還元剤を用いた公知の液相還元により、高分子分散剤(D)でその表面が覆われた微粒子(Pc)が形成される。
尚、液相還元水溶液には、反応溶媒として親水性溶液を配合してもよい。
(a−4)微粒子(P)の一次粒子の平均粒径について
上記金属のイオンの液相還元により生成される微粒子(Pc)の一次粒子の平均粒径は、1〜150nmである。ここで、一次粒子の平均粒径とは、二次粒子を構成する個々の金属等微粒子の一次粒子の直径の意味である。該一次粒子径は、電子顕微鏡を用いて測定することができる。また、平均粒径とは、一次粒子の数平均粒径を意味する。微粒子(P)の一次粒子の平均粒径は、1〜150nmであるが、製造と取り扱い等の実用的な面からは、1〜100nmの微粒子(P)が好ましい。
尚、微粒子(P)の一次粒子の平均粒径の制御は、金属イオン、高分子分散剤(D)、還元剤の種類と配合濃度の調整、及び金属イオンを還元反応させる際の、かく拌速度、温度、時間、pH等の調整により行うことが可能である。具体的には、例えば、無電解の液相還元の場合には、水溶液中で、ポリビニルピロリドン(PVP、数平均分子量約3500)の存在下に金属イオン(酢酸第二銅等)を水素化ホウ素ナトリウムで還元する際に、還元温度が80℃程度であれば、一次粒子の平均粒径が100nmの銅微粒子を得ることが可能である。
(a−5)液相還元について
本発明の微粒子(Pc)は、高分子分散剤(D)が溶解している水溶液中で金属イオンを還元し、金属等の微粒子を形成することにより、金属等微粒子の分散安定性を改良できる。ここで、本発明における「高分子分散剤(D)が溶解している水溶液中」とは、通常、本発明における高分子分散剤(D)を、予め溶解した反応系中に、金属イオンと還元剤とを添加することを示すが、高分子分散剤(D)、金属イオン、及び還元剤をそれぞれ別の容器で水溶液に溶解させ、更に他の反応容器にそれぞれを添加して還元反応を行ってもよい。本発明における高分子分散剤(D)は金属等微粒子の分散安定性を向上させ、金属等微粒子生成の収率を向上する効果があるので、微粒子(Pc)が形成される際、又は直後に反応系に存在することが好ましい。
(b)工程2
工程2は、「工程1で得られた微粒子(Pc)が分散している水溶液中に、凝集促進剤(F)を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、水溶液から該凝集又は沈殿物を分離して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を得る工程」である。
(b−1)凝集促進剤(F)の添加による微粒子の凝集又は沈殿
工程2で使用する凝集促進剤(F)は、水溶液中で高分子分散剤(D)の分散作用を減じる効果を有するものであり、以下に例示するように、水に対する溶解性が低く、常温又は操作温度で液状であることが好ましい。尚、気体状の凝集促進剤(F)で水溶液中に吹き込む操作により微粒子を凝集又は沈殿(以下、「凝集又は沈殿」を単に凝集等ということがある。)させる作用を有するものは、常温又は操作温度で気体状のものも使用可能である。
また、凝集促進剤(F)は、還元反応後に水溶液に添加して微粒子を凝集等させ、水溶液から微粒子を分離、回収する際に高分子分散剤(D)を析出させないで、かつ固体として析出しないものが望ましい。このような凝集促進剤(F)を使用することにより、水溶液から微粒子を効率よく分離、回収することができる。
従来、アルカリ性水溶液に対し溶解性の高い分散剤を使用して、水溶液中で還元反応を行い、還元反応後pHを中性にして、分散剤を析出して粒子と共に回収して溶媒置換する操作は知られていた。本発明においては、水溶液中で高分子分散剤(D)を析出させないで、高分子分散剤(D)の分散作用のみを著しく減じて、微粒子を凝集等させる作用を有する凝集促進剤(F)を使用するところに特徴がある。工程2において本発明の凝集促進剤(F)を使用することにより、微粒子(Pc)から高分子分散剤(D)を容易に除去することが可能になる。また、無電解反応で還元剤を使用する場合に未反応の還元剤及び還元剤の反応副生物等も容易に除去することが可能になる。
本発明で使用可能な、凝集促進剤(F)は、常温又は操作温度で液状又は気体上であり、還元反応後に水溶液に添加することにより、微粒子を凝集等させ、かつ高分子分散剤(D)を析出させないものであればとくに限定されるものではないが、好適な例として、ハロゲン系炭化水素等を挙げることができる。該ハロゲン系炭化水素としては、炭素原子数1〜4の塩素化合物、臭素化合物、等のハロゲン化合物、塩素系、臭素系統のハロゲン系芳香族化合物が好ましい。
その具体例として、塩化メチル(CHCl)、塩化メチレン(CHCl)、クロロホルム(CHCl)、四塩化炭素(CCl)等の炭素原子数1の塩素化合物、
塩化エチル(CCl)、1,1−ジクロルエタン(CCl)、1,2−ジクロルエタン(CCl)、1,1−ジクロルエチレン(CCl)、1,2−ジクロルエチレン(CCl)、トリクロルエチレン(CHCl)、四塩化アセチレン(CCl)、エチレンクロロヒドリン(OH-CH-CHCl)等の炭素原子数2の塩素化合物、
1,2−ジクロルプロパン(CHCHClCHCl)、塩化アリル(CH=CHCHOH)等の炭素原子数3の塩素系化合物、
クロロプレン(CH=CClCH=CH)等の炭素原子数4の塩素系化合物、
クロルベンゼン(CCl)、塩化ベンジル(CCHCl)、o−ジクロルベンゼン(CCl)、m−ジクロルベンゼン(CCl)、p−ジクロルベンゼン(CCl)、α−クロルナフタリン(C10Cl)、β−クロルナフタリン(C10Cl)等の芳香族系塩素系化合物、
ブロモホルム(CHBr)、ブロムベンゾール(CBr)等の臭素系化合物、
の中から選択された少なくとも1種が例示できる。
尚、本発明の凝集促進剤(F)は、高分子分散剤(D)の分散作用を減じて、微粒子を凝集等させる作用を有する限り、上記塩素系炭化水素、臭素系炭化水素、フッ素系炭化水素、及び沃素系炭化水素に限定されず、本発明の凝集促進剤(F)に含まれる。
このような凝集促進剤(F)の添加量は、還元反応により形成される、微粒子(P)に対して、([凝集促進剤(F)(mol)]/[微粒子(P)(g)])比で、0.01以上が好ましく、上限に特に制限はないが、実用的な面から0.01〜50がより好ましく、0.1〜20が更に好ましい。前記配合比が0.01未満では添加効果が十分に発揮されないおそれがある。
工程2において、微粒子(Pc)が分散されている水溶液に例えば凝集促進剤(F)として比重が水よりも大きいクロロホルムを添加した場合には、撹拌後にデカンテーションすると、水相からなる上相と、凝集促進剤(F)からなる下相の2相に分離し、微粒子は上相である水相の下部に凝集等している状態で存在する。尚、凝集促進剤(F)の比重が水よりも小さい場合には、撹拌後に上相が凝集促進剤(F)相で下相が水相となり、この場合にも金属微粒子は水相の下部に凝集等している状態で存在する場合がある。
従って、添加した凝集促進剤(F)は静置することにより水溶液と分離するので、微粒子(Pc)から凝集促進剤(F)を効率よく除去することができる。工程2における、凝集促進剤(F)を添加、撹拌後の凝集又は沈殿状態には水相の下部に微粒子が濃縮されて浮いている状態も含まれる。
上記した凝集促進剤(F)の中でもクロロホルムを使用した場合に、特に、金属微粒子表面での化学反応も少なく、かつ高分子分散剤(D)が微粒子(Pc)の表面から脱離し易いという顕著な効果を得ることができる。
尚、工程1で得られた微粒子(Pc)が分散している水溶液中に、凝集促進剤(F)を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、水溶液から該凝集又は沈殿した微粒子をろ過等の操作により分離して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を得る際に、該ろ過等の分離・回収操作のみでは微粒子(Pc)から高分子分散剤(D)が十分に除去できない場合には、水溶液から微粒子を分離した後に更に微粒子を洗浄溶剤(W)により洗浄することができる。
(b−2)凝集又は沈殿した微粒子の洗浄、回収
前記凝集又は沈殿した微粒子は、水溶液から分離・回収、又は分離・回収すると共に洗浄して、凝集促進剤(F)、及びその他の添加剤等が十分に除去された微粒子(P)を得ることができる。前記「微粒子を水溶液から分離・回収する」操作はろ過操作、遠心分離操作、デカンテーションによる上澄み液を取り除く操作等により分離・回収する。また分離・回収すると共に洗浄する操作を少なくとも微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満になるまで行うことが望ましい。
その具体例として、(i)「該凝集又は沈殿物を分離すると共に洗浄溶剤(W)により洗浄して回収」する操作は、例えば遠心分離機に該凝集又は沈殿物を供給すると共に、洗浄溶剤(W)でリンスすることにより微粒子(P)を回収できる。
また、(ii)「該凝集又は沈殿物を分離・回収後に洗浄溶剤(W)で洗浄」する操作は、ろ過、遠心分離操作等により微粒子を分離・回収した後に洗浄溶剤(W)により洗浄し、その後更にろ過、遠心分離操作等により洗浄溶剤(W)を除去して微粒子(P)を回収できる。
このような洗浄に使用可能な好ましい洗浄溶剤(W)として、水、及び/又は分子中に少なくとも1以上の水酸基を有する炭素数1〜6のアルコール又は多価アルコールが挙げられる。
より好ましい操作は、最初に水で1〜5度洗浄し、次に炭素数1〜6のアルコール又は多価アルコールで1〜5度洗浄する操作であるが、該洗浄は連続的に行うこともできる。
このような操作により、凝集促進剤(F)と共に、無電解還元で使用した還元剤、還元剤の副生物、その他の添加された不純物を十分に除去することができる。
尚、微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満であることの確認は、例えば、下記(i)、(ii)等の方法により行うことができる。
(i)工程2で得られた微粒子(P)を分析用サンプルとして採取し、酸化性の溶液中で、高分子分散剤(D)が反応しない条件下で銅粒子を溶解した溶液を調製し、該溶液を液体クロマトグラフィー等により定量分析して、重量比(D/P)を測定する。尚、該分析法による高分子分散剤(D)の検出限界は、0.02重量%程度とすることが可能である。
(ii)工程2で得られた微粒子(P)を分析用サンプルとして採取し、溶剤抽出等の操作により、微粒子(P)から高分子分散剤(D)を溶剤中に抽出した後に、必要がある場合には蒸発等の濃縮操作を行い、液体クロマトグラフィー、又は高分子分散剤(D)中の特定の元素(窒素、イオウ等)をX線光電子分光(XPS)、オージェ電子分光分析(AES)等の分析により行うことが可能である。
(c)工程3
工程3は、「工程2で得られた微粒子(P)を、
(i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒(S1)
(ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒(S2)、
又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)、
に再分散して、微粒子(P)が前記有機溶媒に分散されている微粒子分散液を得る工程」である。
尚、上記有機溶媒(S1)と有機溶媒(S2)等における、各溶媒種の配合割合は、溶媒混合前の各溶媒の体積割合を基準とする(以下、第2の態様においても同じ。)。
(4)本発明の有機溶媒等
(4−1)有機溶媒(S1)
有機溶媒(S1)は、少なくとも、有機溶媒(A)5〜90体積%、有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒である。
有機溶媒(A)は、有機溶媒(S1)中に5〜90体積%含まれ、該合有機溶媒中で分散性と保存安定性を向上し、更に前記金属等の微粒子を含有している状態で基板上に焼成した場合に基板密着性を向上する作用を有している。
有機溶媒(B)は、有機溶媒(S1)中に5〜45体積%以上含まれ、該混合有機溶媒中で溶媒分子間の相互作用を低下させ、分散粒子の溶媒に対する親和性を向上する作用を有していると考えられる。このような効果は一般に沸点の低い溶媒において期待され、特に常圧における沸点が100℃以下の有機溶媒は、有効な溶媒分子間の相互作用を低減する効果が得られることから好ましい。有機溶媒(B)の中でも特にエーテル系化合物(B1)が、その溶媒分子間の相互作用を低減する効果が大きいことから好ましい。
また、有機溶媒(B)を使用すると超音波等の照射により微粒子分散液を調製する際に撹拌時間を著しく短縮する、例えば1/2程度に短縮することが可能である。また、混合有機溶媒中に有機溶媒(B)が存在していると一端、微粒子が凝集状態になってもより容易に再分散させることが可能である。
有機溶媒(C)は、有機溶媒(S1)中に5〜90体積%以上含まれ、混合有機溶媒中で分散性を向上させるが、特に以下の効果を有する。すなわち、有機溶媒(A)と有機溶媒(B)とを含有する混合有機溶媒は、撹拌により優れた分散性を有するが、一般的に有機溶媒において時間の経過により微粒子同士が接合する傾向がある。有機溶媒(C)を混合有機溶媒中に存在させるとこのような接合をより効果的に抑制して、分散液の一層の長期安定化を図ることが可能になる。また有機溶媒(C)を混合有機溶媒中に存在させると、その微粒子分散液を基板上に塗布焼結した際、その焼結膜の均一性が向上し、また有機溶媒(C)の有する酸化被膜の還元促進効果も働き、導電性の高い焼成膜を得ることが出来る。
「有機溶媒(S1)は、少なくとも、有機溶媒(A)5〜90体積%、有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒である。」とは、有機溶媒(S1)が有機溶媒(A)、有機溶媒(B)、及び有機溶媒(C)から前記配合割合で100体積%となるように配合されていてもよく、また前記配合割合の範囲内で、更に本発明の効果を損なわない範囲で他の有機溶媒成分を配合してもよいことを意味するが、この場合、有機溶媒(A)、有機溶媒(B)、及び有機溶媒(C)からなる成分が90体積%以上含まれていることが好ましく、95体積%以上がより好ましい。
上記以外の他の有機溶媒成分を配合する場合には、テトラヒドロフラン、ジグライム、エチレンカルボナート、プロピレンカルボナート、スルホラン、ジメチルスルホキシド等の極性有機溶媒を使用することが好ましい。
有機溶媒(A)、有機溶媒(B)、及び有機溶媒(C)をそれぞれ一定割合含む有機溶媒(S1)は、分散性安定性に優れ、有機溶媒(S1)が使用された微粒子分散液を基板上に塗布し、乾燥・焼結した際、その焼結膜の均一性が向上し、導電性の高い焼成膜を得ることが出来る。
上記した特徴を効果的に発揮するには、混合有機溶媒(S1)中の有機溶媒(A)の配合量は、50〜90体積%がより好ましく、60〜80体積%が更に好ましい、有機溶媒(B)の配合量は、5〜40体積%がより好ましく、10〜30体積%が更に好ましく、また、有機溶媒(C)の配合量は、5〜45体積%がより好ましく、10〜30体積%が更に好ましい。
(4−2)有機溶媒(S2)
有機溶媒(S2)は、少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒である。
有機溶媒(A)は、有機溶媒(S2)中に5〜95体積%含まれ、該混合有機溶媒中で分散性と保存安定性を向上し、更に前記金属等の微粒子を含有している状態で基板上に焼成した場合に基板密着性を向上する作用を有している。
有機溶媒(C)は、有機溶媒(S2)中に5〜95体積%含まれ、混合有機溶媒中で分散性を向上させるが、一般的に有機溶媒において時間の経過により微粒子同士が接合する傾向がある。有機溶媒(C)を混合有機溶媒中に存在させるとこのような接合をより効果的に抑制して、分散液の一層の長期安定化を図ることが可能になる。また有機溶媒(A)と有機溶媒(C)とを混合有機溶媒中に存在させると、その微粒子分散液を基板上に塗布焼結する際に、低い焼成温度でも、導電性の高い焼成膜を得ることができる。
「有機溶媒(S2)は、少なくとも、有機溶媒(A)5〜95体積%、及び有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒である。」とは、有機溶媒(S2)が有機溶媒(A)、及び有機溶媒(C)から前記配合割合で100体積%となるように配合されていてもよく、また前記配合割合の範囲内で更に、本発明の効果を損なわない範囲で他の有機溶媒成分を配合してもよいことを意味するが、この場合、有機溶媒(A)、及び有機溶媒(C)からなる成分が90体積%以上含まれることが好ましく、95体積%以上がより好ましい。
上記以外の他の有機溶媒成分を配合する場合には、テトラヒドロフラン、ジグライム、エチレンカルボナート、プロピレンカルボナート、スルホラン、ジメチルスルホキシド、等の極性有機溶媒が使用できる。
このような有機溶媒(S1)と有機溶媒(S2)は、インクジェット方式によりパターンを形成する際に分散性に優れる有機溶媒である。
上記した特徴を効果的に発揮するには、混合有機溶媒(S2)中の有機溶媒(A)の配合量は、
50〜90体積%がより好ましく、60〜80体積%が更に好ましい、また、有機溶媒(C)の配合量は、10〜50体積%がより好ましく、20〜40体積%が更に好ましい。
(4−3)有機溶媒(C)
有機溶媒(C)は常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなり、前記有機溶媒(S1)と有機溶媒(S2)と比較して、分散性に多少劣るものの、従来の微粒子分散溶液と対比して、高分子分散剤(D)が存在しないか又は存在しても極めて低い濃度であるために、より低温での焼成が可能であるという特徴を有する。有機溶媒(C)の例示は後述するが、アルコール及び/もしくは多価アルコールの中でも、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等のグリコール類がより好ましく、エチレングリコ−ルが特に好ましい。
尚、上記した特徴を効果的に発揮する限り、有機溶媒(C)に他の有機溶媒を配合して使用することが可能であり、この場合、他の有機溶媒の配合量は、10体積%以内が好ましく、5体積%以内がより好ましい。
(4−4)本発明の有機溶媒等の成分について
以下に上記した有機溶媒(A)、有機溶媒(B)、及び有機溶媒(C)の具体例を示す。
有機溶媒(A)は、アミド基(−CONH−)を有する化合物であり、特に比誘電率が高いものが好ましい。有機溶媒(A)として、N−メチルアセトアミド(191.3 at 32℃)、N−メチルホルムアミド(182.4 at 20℃)、N−メチルプロパンアミド(172.2 at 25℃)、ホルムアミド(111.0 at 20℃)、N,N−ジメチルアセトアミド(37.78 at 25℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(37.6 at 25℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(36.7 at 25℃)、1−メチル−2−ピロリドン(32.58 at 25℃)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(29.0 at 20℃)、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、アセトアミド等が挙げられるが、これらを混合して使用することもできる。尚、上記アミド基を有する化合物名の後の括弧中の数字は各溶媒の測定温度における比誘電率を示す。これらの中でも比誘電率が100以上である、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ホルムアミド、アセトアミドなどが好適に使用できる。尚、N−メチルアセトアミド(融点:26〜28℃)のように常温で固体の場合には他の溶媒と混合して作業温度で液状として使用することができる。
有機溶媒(B)は、常圧における沸点が20〜100℃の範囲にある有機化合物である。
常圧における沸点が20℃未満であると、有機溶媒(B)を含む粒子分散液を常温で保存した際、容易に有機溶媒(B)の成分が揮発し、分散液中の溶媒組成が変化してしまうおそれがある。また常圧における沸点が100℃以下の場合に、該溶媒添加による溶媒分子間の相互引力を低下させ、微粒子の分散性を更に向上させる効果が有効に発揮されることが期待できる。
有機溶媒(B)として、一般式R−O−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるエーテル系化合物(B1)、一般式R−OH(Rは、アルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるアルコール(B2)、一般式R−C(=O)−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜2である。)で表されるケトン系化合物(B3)、及び一般式R−(N-R)−R(R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基、又は水素原子で、炭素原子数は0〜2である。)で表されるアミン系化合物(B4)が例示できる。
以下に上記有機溶媒(B)を例示するが、化合物名の後のカッコ内の数字は常圧における沸点を示す。
前記エーテル系化合物(B1)としては、ジエチルエーテル(35℃)、メチルプロピルエーテル(31℃)、ジプロピルエーテル(89℃)、ジイソプロピルエーテル(68℃)、メチル-t-ブチルエーテル(55.3℃)、t-アミルメチルエーテル(85℃)、ジビニルエーテル(28.5℃)、エチルビニルエーテル(36℃)、アリルエーテル(94℃)等が例示出来る。
前記アルコール(B2)としては、メタノール(64.7℃)、エタノール(78.0℃)、1−プロパノール(97.15℃)、2−プロパノール(82.4℃)、2−ブタノール(100℃)、2−メチル2−プロパノール(83℃)等が例示できる。
前記ケトン系化合物(B3)としては、アセトン(56.5℃)、メチルエチルケトン(79.5℃)、ジエチルケトン(100℃)等が例示できる。
また、前記アミン系化合物(B4)としては、トリエチルアミン(89.7℃)、ジエチルアミン(55.5℃)等が例示できる。
有機溶媒(C)は、常圧における沸点が100℃を超える、分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/又は多価アルコールからなる有機化合物であるが、この場合、アルコールと多価アルコールは共に常圧における沸点が100℃を超えるものである。また、炭素数が5以上のアルコール、及び炭素数が2以上の多価アルコールが好ましく、常温で液状であり、比誘電率が高いもの、例えば10以上のものが好ましい。
有機溶媒(C)の具体例として、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、オクタンジオ−ル、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール等が例示できる。
また、トレイトール(D-Threitol)、エリトリト−ル(Erythritol)、ペンタエリスリト−ル(Pentaerythritol)、ペンチト−ル(Pentitol)、ヘキシト−ル(Hexitol)等の糖アルコ−ル類も使用可能であり、ペンチトールには、キシリトール(Xylitol)、リビトール(Ribitol)、アラビトール(Arabitol)が含まれる。前記ヘキシトールには、マンニトール(Mannitol)、ソルビトール(Sorbitol)、ズルシトール(Dulcitol)等が含まれる。更に、グリセリンアルデヒド(Glyceric aldehyde)、ジオキシアセトン(Dioxy-acetone)、トレオース(threose)、エリトルロース(Erythrulose)、エリトロース(Erythrose)、アラビノース(Arabinose)、リボース(Ribose)、リブロース(Ribulose)、キシロース(Xylose)、キシルロース(Xylulose)、リキソース(Lyxose)、グルコ−ス(Glucose)、フルクト−ス(Fructose)、マンノース(Mannose)、イドース(Idose)、ソルボース(Sorbose)、グロース(Gulose)、タロース(Talose)、タガトース(Tagatose)、ガラクトース(Galactose)、アロース(Allose)、アルトロース(Altrose)、ラクト−ス(Lactose)、キシロ−ス(Xylose)、アラビノ−ス(Arabinose)、イソマルト−ス(Isomaltose)、グルコヘプト−ス(Gluco-heptose)、ヘプト−ス(Heptose)、マルトトリオース(Maltotriose)、ラクツロース(Lactulose)、トレハロース(Trehalose)、等の糖類も使用可能である。
上記アルコール類のなかでは、分子中に2個以上のヒドロキシル基を有する多価アルコールがより好ましく、エチレングリコール(Ethylene glycol)及びグリセリン(Glycerin)が特に好ましい。
(5)本発明の有機溶媒等への再分散
上記微粒子(P)を有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C)に再分散する物理的手法は二次粒子に物理エネルギーを加える公知の撹拌方法を採用することができるが、超音波照射方法を採用するのが好ましい。上記超音波照射時間は、特に制限はなく任意に選択することが可能である。例えば後述する実施例1に示すように、超音波照射時間を5〜60分間の間で任意に設定すると照射時間が長い方が平均二次凝集サイズは小さくなる傾向にある。
〔2〕第2の態様の「微粒子分散液」
本発明の第2の態様である「微粒子分散液」は、
金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる、一次粒子の平均粒径1〜150nmの微粒子(P)が有機溶媒に分散されている微粒子分散液であって、
該分散液中で微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満であり、
該有機溶媒が
(i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒(S1)、
(ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒(S2)、
又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)、
であることを特徴とする。
(1)金属、合金、及び金属化合物
本発明で使用可能な「金属、合金、及び金属化合物」は、本発明の第1の態様に記載したのと同様である。上記金属のうち、Cu、Ag、及びAu等の金属から選ばれた1種もしくは2種以上の金属、又はこれらの金属の2種以上からなる合金が好ましい。
(2)微粒子(P)の一次粒子の平均粒径について
上記金属のイオンの液相還元により生成される微粒子(Pc)の一次粒子の平均粒径は、1〜150nmであり、実用上は1〜100nmが好ましい。ここで、一次粒径とは、二次粒子を構成する個々の金属等微粒子の一次粒子の直径を意味する。該一次粒径は、透過電子型顕微鏡を用いて測定することができる。また、平均粒径とは、金属等微粒子の数平均粒径を意味する。
本発明の微粒子(P)は、有機溶媒中で一次粒径1〜150nmの微粒子同士が再分散可能な弱い力で引き合っている軟凝集体である二次凝集体を形成するが、その二次凝集サイズを、動的光散乱型粒度分布測定装置により測定することができる。本発明の微粒子(P)を、有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C)に分散させることで粒子分散性の高い(二次凝集サイズの小さい)微粒子分散液が得られることができる。
(3)高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満
高分子分散剤(D)は、水溶液において液相還元により金属等の微粒子を析出させる際に、該微粒子の分散性を向上するために添加されるが、該添加した高分子分散剤(D)がそのまま微粒子分散溶液に残留していると、その微粒子分散液を基板上に塗布して焼結する際に、導電性を低下させたり、焼成温度をより高くする必要が生ずる。
このような不都合を回避するために、例えば第1の態様にける工程2に示したように、還元反応終了後に凝集促進剤(F)を添加して、高分子分散剤(D)を十分に除去して、微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)を0.001未満にすることが望ましい。
(4)第2の態様における有機溶媒
本発明の第2の態様における「有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、及び有機溶媒(C)」は、本発明の第1の態様に記載したのと同様である。
(5)金属等からなる微粒子の形状
有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、及び有機溶媒(C)中に分散されている微粒子(P)の平均粒径(P)は、金属薄膜、金属細線等の使用目的を考慮すると1〜150nmが望ましい。このような微粒子は第1の態様に記載したように、金属イオンの液相還元反応、又は公知の還元反応により形成することができる。また、本発明の有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C)は、微粒子(P)の分散性に優れているので、これらの微粒子(P)からなる二次凝集粒子の平均二次凝集サイズを500nm以下、好ましくは300nm以下とすることは容易に可能である。
(6)微粒子分散液
微粒子分散液中の、微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満であることの確認は、例えば、下記(i)又は(ii)の方法により行うことができる。
(i)微粒子分散液を採取して、遠心分離等の操作により、微粒子分散液から微粒子(P)を分離し、酸化性の溶液中で、高分子分散剤(D)が反応しない条件下で銅粒子を溶解した溶液を調製し、該溶液を液体クロマトグラフィー等により定量分析して、重量比(D/P)を測定する。尚、該分析法による高分子分散剤(D)の検出限界は、0.02重量%程度とすることが可能である。
(ii)微粒子分散液を採取して、遠心分離等の操作により、微粒子分散液から微粒子(P)を分離し、溶剤抽出等の操作により、微粒子(P)から高分子分散剤(D)を溶剤中に抽出した後に、必要がある場合には蒸発等の濃縮操作を行い、液体クロマトグラフィー、又は高分子分散剤(D)中の特定の元素(窒素、イオウ等)をX線光電子分光(XPS)、オージェ電子分光分析(AES)等の分析により行うことが可能である。
かくして得られた一次粒子の平均粒径が1〜150nmである微粒子(P)が、有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C)に分散されている微粒子分散液は、例えば190℃程度の比較的低温でかつ水素ガス等の還元性ガスを使用することなくインクジェット法により基板上に配置して、乾燥後焼成して、導電性を有する金属含有薄膜又は金属含有細線を形成することが可能である。
上記基板は特に制限はなく使用目的等により、ガラス、ポリイミド等が使用でき、乾燥と焼成は、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行われる。乾燥条件は、使用する極性溶媒にもよるが例えば100〜200℃で15〜30分程度であり、焼成条件は、塗布厚みにもよるが例えば190〜250℃で20〜40分間程度、好ましくは190〜220℃で20〜40分間程度である。
このようにして得られる金属含有薄膜又は金属含有細線は、導電性を有しており、その電気抵抗値は、1.0Ωcm以下で例えば、1.0×10−5Ωcm〜10×10−4Ωcm程度を達成することが可能である。更に、上記金属含有薄膜は、基板密着性にも優れている。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の記載に限定されるものではない。
尚、以下の実施例、比較例において、微粒子分散液中の一次粒子の平均粒径は、透過電子顕微鏡(日本電子(株)製、型式:JEM―3010)による観察から求め、またその二次凝集サイズは、動的光散乱型粒度分布測定装置(シスメックス(株)製、型式:ゼータサイザーナノシリーズ Nano-ZS)による粒度分布測定から求めた。
[実施例1]
本発明の金属等の微粒子に含まれる高分子分散剤の濃度の確認を下記の通りに行った。
(1)銅微粒子分散液の調製
先ず、高分子分散剤で覆われた銅微粒子を下記方法で調製した。
銅微粒子の原料として酢酸銅((CHCOO)Cu・1HO)0.2gを蒸留水10mlに溶解させた酢酸銅水溶液10mlと、金属イオンの還元剤として水素化ホウ素ナトリウムを5.0mol/リットル(l)の濃度となるように蒸留水に溶解して、水素化ホウ素ナトリウム水溶液100mlを調製した。その後、上記水素化ホウ素ナトリウム水溶液に、更に高分子分散剤としてポリビニルピロリドン(PVP、数平均分子量約3500)0.5gを添加して、攪拌溶解させた。
窒素ガス雰囲気中で、前記還元剤と高分子分散剤とが溶解している水溶液に、上記酢酸銅水溶液10mlを滴下した。この還元反応液を約60分間よく攪拌しながら反応させた結果、一次粒子の平均粒径5〜10nmの銅微粒子が水溶液中に分散した微粒子分散液が得られた。
次に、上記方法で得られた銅微粒子が分散した分散液100mlに、凝集促進剤としてクロロホルムを5ml添加してよく攪拌した。数分間攪拌した後、静置して反応液である水相を遠心分離機に供給し、銅微粒子を分離、回収した。その後、得られた銅微粒子と30mlの蒸留水とを試験管に入れ、超音波ホモジナイザーを用いてよく攪拌した後、遠心分離機で粒子成分を回収する水洗浄を3回、続いて、同じく試験管中で、得られた銅微粒子と30mlの1−ブタノールとを入れよく攪拌した後、遠心分離機で銅微粒子を回収するアルコール洗浄を3回行った。以上の工程により、最終分散溶媒に分散させる銅微粒子が得られた。
(2)高分子分散剤の有無に関する分析評価
得られた銅微粒子の表面を覆っている高分子分散剤の分析を行った。まず、上記工程で得られた銅微粒子に、0.2M硝酸水溶液、0.2M塩酸水溶液、メタノールを1:1:2で混合することで調製した溶離液を入れ、銅粒子成分を溶解させた。得られた溶液を適量の水酸化ナトリウム水溶液で中和した後、昭和電工(株)製、ゲル濾過クロマトグラム(GPC、ディテクター:Shodex RI SE−61、カラム:Tosoh TSKgel G3000PWXL)を用いて高分子分散剤成分の含有量を調べた。その結果、使用した高分子分散剤成分(ポリビニルピロリドン)はまったく検出されなかった。尚、該測定装置の検出限界は、0.02重量%である。
この実験結果と測定装置の検出感度から、本製法により得られた銅微粒子に付着した高分子分散剤量(D)は、微粒子量(P)との重量比(D/P)として、少なくとも0.001未満であることが確認された。
[実施例2、比較例2]
次に、銅微粒子分散液中の一次粒子の平均粒径(一次粒子サイズ)、及び平均粒度分布(二次凝集サイズ)の評価を下記の通り行った。
実施例1に記載した回収銅微粒子を、本発明の有機溶媒(C)の一例としてエチレングリコールに、また有機溶媒(S2)の例としてエチレングリコールとN−メチルアセトアミドを、体積割合95:5、80:20、50:50、20:80、5:95でそれぞれ混合した溶媒に、また有機溶媒(S1)例としてエチレングリコールとN−メチルアセトアミドとジエチルエーテルを、体積割合90:5:5、80:10:10、5:90:5、40:40:20、10:45:45、50:10:40でそれぞれ混合した溶媒10mlにそれぞれ分散させ、超音波ホモジナイザーを用いて分散液中にそれぞれ30分および60分超音波振動を与えることで、本発明の微粒子分散液を得た。また上述の銅微粒子を、比較例2−1として蒸留水10ml、比較例2−2としてエチレングリコールとN−メチルアセトアミドとジエチルエーテルを体積割合20:20:60で混合した溶媒10ml、にそれぞれ分散させた後、同じく30分および60分、超音波ホモジナイザーを用いて分散液中に超音波振動を与えた微粒子分散液も調製した。
(2)銅微粒子分散液の分散効率性の評価
上記で得られた微粒子分散液の一次粒子の平均粒径、またその二次凝集サイズを測定した結果を表1、2に示す。この結果、本発明の銅微粒子を、有機溶媒(C)に分散することで分散性に優れた(二次凝集サイズの小さい)微粒子分散液が得られることが確認された。また同じく本発明の銅微粒子を、有機溶媒(S2)に分散させることで、より分散性に優れた微粒子分散液が得られることが確認された。同様に、本発明の銅微粒子を、有機溶媒(S1)に分散させることで、更に分散性に優れた微粒子分散液が得られることが確認された。
これらの結果を表1、2に示す。
Figure 2009030084
Figure 2009030084
[実施例3、比較例3]
微粒子分散液を基板上に配置して、乾燥、焼成して得られた焼成膜の導電性の評価を行った。
まず、実施例1に記載の方法で調製した銅微粒子を、本発明の有機溶媒(C)の一例としてエチレングリコールに、また有機溶媒(S2)の例としてエチレングリコールとN−メチルアセトアミドを、体積割合95:5、80:20、50:50、20:80、5:95でそれぞれ混合した溶媒に、また有機溶媒(S1)の例としてエチレングリコールとN−メチルアセトアミドとジエチルエーテルを、体積割合90:5:5、80:10:10、5:90:5、40:40:20、10:45:45、50:10:40でそれぞれ混合した溶媒10mlにそれぞれ分散させ、超音波ホモジナイザーを用いて分散液中にそれぞれ60分超音波振動を与えることで、本発明の微粒子分散液を得た。
また比較例3として同じく銅微粒子を蒸留水に分散させた微粒子分散液、さらに(株)アルバック製、銅ナノ粒子分散液(商品名:Cuナノメタルインク「Cu1T」)を準備した。次に上述のそれぞれの微粒子分散液をガラス基板(サイズ:2cm×2cm)上に塗布した後、窒素雰囲気中140℃で30分間乾燥した後、さらに窒素雰囲気中、180℃、190℃、210℃、250℃、300℃でそれぞれ1時間熱処理することによって焼成膜を得た。得られた焼成膜に対し、直流四端子法(使用測定機:ケースレー社製、デジタルマルチメータDMM2000型(四端子電気抵抗測定モード))によりその電気抵抗を測定した。
測定結果を表3、4に示す。表3、4から、本発明で得られる銅微粒子分散液は、ガラス基板塗乾燥後、窒素雰囲気中、190℃以上の温度での熱処理により導電性の良い焼成膜とすることが出来ることが判明した。
Figure 2009030084
Figure 2009030084

Claims (18)

  1. 金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる、一次粒子の平均粒径1〜150nmの微粒子(P)が有機溶媒に分散している微粒子分散液の製造方法であって、
    少なくとも下記(a)工程1ないし(c)工程3を含むことを特徴とする、微粒子分散液の製造方法。
    (a)工程1
    少なくとも1種の金属イオンと、微粒子の分散性を向上する高分子分散剤(D)とが溶解している水溶液中で電解還元又は還元剤を使用した無電解還元により該金属イオンを還元して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる一次粒子の平均粒径が1〜150nmである微粒子(Pc)が高分子分散剤(D)に覆われて分散している微粒子分散水溶液を形成する工程、
    (b)工程2
    工程1で得られた微粒子(Pc)が分散している水溶液中に、凝集促進剤(F)を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、水溶液から該凝集又は沈殿した微粒子を分離して、金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を得る工程
    (c)工程3
    工程2で得られた微粒子(P)を、
    (i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒(S1)
    (ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒(S2)、
    又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)、
    に再分散して、微粒子(P)が前記有機溶媒に分散されている微粒子分散液を得る工程
  2. 前記高分子分散剤(D)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上である、請求項1に記載の微粒子分散液の製造方法。
  3. 前記工程1における前記金属イオンが銅、銀、金、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、ビスマス、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、マンガン、クロム、バナジウム、及びチタンの中から選択される1種又は2種以上の金属の金属イオンである、請求項1又は2に記載の微粒子分散液の製造方法。
  4. 前記工程2が、工程1で得られた微粒子(Pc)が分散している水溶液中に、凝集促進剤(F)を添加して撹拌し、該微粒子を凝集又は沈殿させた後、
    (i)該凝集もしくは沈殿した微粒子を分離すると共に洗浄溶剤(W)で洗浄して回収し、又は(ii)該凝集もしくは沈殿した微粒子を分離・回収後に洗浄溶剤(W)で洗浄して、少なくとも微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満になるまで、高分子分散剤(D)が除去された金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を得る工程である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  5. 前記工程2における凝集促進剤(F)が塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エチル、1,1−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタン、1,1−ジクロルエチレン、1,2−ジクロルエチレン、トリクロルエチレン、四塩化アセチレン、エチレンクロロヒドリン、1,2−ジクロルプロパン、塩化アリル、クロロプレン、クロルベンゼン、塩化ベンジル、o−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、p−ジクロルベンゼン、α−クロルナフタリン、β−クロルナフタリン、ブロモホルム、及びブロムベンゼンの中から選択される1種又は2種以上である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  6. 前記工程2で使用する洗浄溶剤(W)が、水、及び/又は分子中に少なくとも1以上の水酸基を有する炭素数1〜6のアルコール又は多価アルコールである、請求項4に記載の微粒子分散液の製造方法。
  7. 前記工程3で使用する有機溶媒(A)がN−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミドの中から選択される1種又は2種以上である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  8. 前記工程3で使用する有機溶媒(B)が、一般式R−O−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるエーテル系化合物(B1)、一般式R−OH(Rは、アルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるアルコール(B2)、一般式R−C(=O)−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜2である。)で表されるケトン系化合物(B3)、及び一般式R−(N-R)−R(R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基、又は水素原子で、炭素原子数は0〜2である。)で表されるアミン系化合物(B4)、の中から選択される1種又は2種以上である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  9. 前記工程3で使用する有機溶媒(B)が、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、t-アミルメチルエーテル、ジビニルエーテル、エチルビニルエーテル、及びアリルエーテルの中から選択される1種又は2種以上であるエーテル系化合物(B1)、
    メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、及び2−メチル2−プロパノールの中から選択される1種又は2種以上であるアルコール(B2)、
    アセトン、メチルエチルケトン、及びジエチルケトンの中から選択される1種又は2種以上であるケトン系化合物(B3)、
    並びに/又はトリエチルアミン、及び/もしくはジエチルアミンであるアミン系化合物(B4)
    である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  10. 前記工程3で使用する有機溶媒(C)がエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、オクタンジオ−ル、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、及びヘキシト−ルの中から選択される1種又は2種以上である、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  11. 前記工程3で、前記金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる微粒子(P)を有機溶媒(S1)、有機溶媒(S2)、又は有機溶媒(C)に再分散する際、超音波を照射することを特徴とする、請求項1ないし10のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  12. 前記金属が、銅、銀、金、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、ビスマス、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、マンガン、クロム、バナジウム、及びチタンの中から選択される1種又は2種以上、前記合金が前記金属の2種以上からなる合金、並びに前記金属化合物が前記金属及び合金の酸化物である、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の微粒子分散液の製造方法。
  13. 金属、合金、及び金属化合物の1種又は2種以上からなる、一次粒子の平均粒径1〜150nmの微粒子(P)が有機溶媒に分散されている微粒子分散液であって、
    該分散液中で微粒子(P)表面を覆っている高分子分散剤(D)と微粒子(P)との重量比(D/P)が0.001未満であり、
    該有機溶媒が
    (i)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜90体積%、常圧における沸点が20〜100℃である低沸点の有機溶媒(B)5〜45体積%、並びに常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜90体積%含む有機溶媒(S1)、
    (ii)少なくとも、アミド基を有する有機溶媒(A)5〜95体積%、及び常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)5〜95体積%含む有機溶媒(S2)、
    又は、(iii)常圧における沸点が100℃を超え、かつ分子中に1又は2以上の水酸基を有するアルコール及び/もしくは多価アルコールからなる有機溶媒(C)、
    であることを特徴とする、微粒子分散液。
  14. 前記高分子分散剤(D)が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、デンプン、及びゼラチンの中から選択される1種又は2種以上である、請求項13に記載の微粒子分散液。
  15. 前記有機溶媒(A)がN−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルプロパンアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、2−ピロリジノン、ε−カプロラクタム、及びアセトアミドの中から選択される1種又は2種以上である、請求項13又は14に記載の微粒子分散液。
  16. 前記有機溶媒(B)が、一般式R−O−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるエーテル系化合物(B1)、一般式R−OH(Rは、アルキル基で、炭素原子数は1〜4である。)で表されるアルコール(B2)、R−C(=O)−R(R、Rは、それぞれ独立にアルキル基で、炭素原子数は1〜2である。)で表されるケトン系化合物(B3)、及び一般式R−(N-R)−R(R、R、Rは、それぞれ独立にアルキル基、又は水素原子で、炭素原子数は0〜2である。)で表されるアミン系化合物(B4)、の中から選択される1種又は2種以上である、請求項13又は14に記載の微粒子分散液。
  17. 前記有機溶媒(C)がエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、1,2−プロパンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、1,2−ブタンジオ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、2−ブテン−1,4−ジオール、2,3−ブタンジオ−ル、ペンタンジオ−ル、ヘキサンジオ−ル、オクタンジオ−ル、グリセロール、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、2−エチル−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、トレイトール、エリトリト−ル、ペンタエリスリト−ル、ペンチト−ル、及びヘキシト−ルの中から選択される1種又は2種以上である、請求項13又は14に記載の微粒子分散液。
  18. 前記金属が、銅、銀、金、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、ビスマス、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、マンガン、クロム、バナジウム、及びチタンの中から選択される1種又は2種以上、前記合金が前記金属の2種以上からなる合金、並びに前記金属化合物が前記金属及び合金の酸化物である、請求項13ないし17のいずれか1項に記載の微粒子分散液。
JP2007192793A 2007-07-25 2007-07-25 微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液 Expired - Fee Related JP4330024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007192793A JP4330024B2 (ja) 2007-07-25 2007-07-25 微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007192793A JP4330024B2 (ja) 2007-07-25 2007-07-25 微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009030084A true JP2009030084A (ja) 2009-02-12
JP2009030084A5 JP2009030084A5 (ja) 2009-03-26
JP4330024B2 JP4330024B2 (ja) 2009-09-09

Family

ID=40400905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007192793A Expired - Fee Related JP4330024B2 (ja) 2007-07-25 2007-07-25 微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4330024B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010199196A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Mitsubishi Materials Corp 太陽電池の電極形成用組成物及び該電極の形成方法並びに該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池
JP2011052284A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Hokkaido Univ 金属微粒子の製造方法
JP2011195951A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 金属ナノ粒子の製造方法、これを用いたインク組成物及びその製造方法
JP2012241213A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Hokkaido Univ 銅微粒子の製造方法
JP2013082967A (ja) * 2011-10-11 2013-05-09 Furukawa Electric Co Ltd:The 金属微粒子分散溶液
KR101279459B1 (ko) * 2012-04-19 2013-06-26 서울과학기술대학교 산학협력단 화학적 환원 합성법을 이용한 주석계 솔더 페이스트 제조 방법
WO2013099818A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 戸田工業株式会社 銀微粒子及びその製造法並びに該銀微粒子を含有する導電性ペースト、導電性膜及び電子デバイス
WO2014050156A1 (ja) 2012-09-27 2014-04-03 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物及びそれを用いた導電性成形体
JP2014129609A (ja) * 2014-03-07 2014-07-10 Hokkaido Univ 銅微粒子の製造方法
CN104028778A (zh) * 2014-06-25 2014-09-10 东北大学 一种快速制备纳米铜粒子的方法
CN106623979A (zh) * 2017-02-27 2017-05-10 上海理工大学 一种金银合金纳米颗粒的制备方法
JP2017186656A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 古河電気工業株式会社 銅微粒子集合体の分散溶液、焼結導電体の製造方法、及び焼結導電接合部材の製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010199196A (ja) * 2009-02-24 2010-09-09 Mitsubishi Materials Corp 太陽電池の電極形成用組成物及び該電極の形成方法並びに該形成方法により得られた電極を用いた太陽電池
JP2011052284A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Hokkaido Univ 金属微粒子の製造方法
JP2011195951A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd 金属ナノ粒子の製造方法、これを用いたインク組成物及びその製造方法
US8728350B2 (en) 2010-03-23 2014-05-20 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Method for producing metal nanoparticles, ink composition using the same and method for producing the same
JP2012241213A (ja) * 2011-05-17 2012-12-10 Hokkaido Univ 銅微粒子の製造方法
JP2013082967A (ja) * 2011-10-11 2013-05-09 Furukawa Electric Co Ltd:The 金属微粒子分散溶液
WO2013099818A1 (ja) * 2011-12-28 2013-07-04 戸田工業株式会社 銀微粒子及びその製造法並びに該銀微粒子を含有する導電性ペースト、導電性膜及び電子デバイス
CN104010752A (zh) * 2011-12-28 2014-08-27 户田工业株式会社 银微粒及其制造方法、以及含有该银微粒的导电性糊、导电性膜和电子器件
KR101279459B1 (ko) * 2012-04-19 2013-06-26 서울과학기술대학교 산학협력단 화학적 환원 합성법을 이용한 주석계 솔더 페이스트 제조 방법
WO2014050156A1 (ja) 2012-09-27 2014-04-03 三ツ星ベルト株式会社 導電性組成物及びそれを用いた導電性成形体
JP2014129609A (ja) * 2014-03-07 2014-07-10 Hokkaido Univ 銅微粒子の製造方法
CN104028778A (zh) * 2014-06-25 2014-09-10 东北大学 一种快速制备纳米铜粒子的方法
JP2017186656A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 古河電気工業株式会社 銅微粒子集合体の分散溶液、焼結導電体の製造方法、及び焼結導電接合部材の製造方法
CN106623979A (zh) * 2017-02-27 2017-05-10 上海理工大学 一种金银合金纳米颗粒的制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4330024B2 (ja) 2009-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4330024B2 (ja) 微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液
KR101375403B1 (ko) 미립자 분산액의 제조방법, 및 미립자 분산액
KR101375488B1 (ko) 미립자 분산액, 및 미립자 분산액의 제조방법
JP4956386B2 (ja) 導電部材の製造方法
JP2008050691A (ja) 微粒子の製造方法及び該製造方法により得られる微粒子、微粒子分散液の製造方法及び該製造方法により得られる微粒子分散液、並びに導電部材
JP4279329B2 (ja) 微粒子分散液、及び微粒子分散液の製造方法
TWI277469B (en) Silver particle powder and its production method
JP5041440B2 (ja) 微粒子分散液の製造方法、及び微粒子分散液
JP5449154B2 (ja) レーザー照射による電気伝導性銅パターン層の形成方法
JP5306966B2 (ja) 銅微粒子分散水溶液の製造方法、及び銅微粒子分散水溶液の保管方法
JP6324237B2 (ja) 微粒子、微粒子の製造方法、及び微粒子分散溶液
JP2009030084A5 (ja)
JP4248002B2 (ja) 微粒子分散液、及び微粒子分散液の製造方法
JP5234252B2 (ja) 銅微粒子分散溶液の製造方法
JP5922810B1 (ja) 微粒子、微粒子分散溶液、及び微粒子の製造方法
JP2013177677A (ja) 銅微粒子の製造方法、銅微粒子分散溶液、及び銅微粒子分散溶液の保存方法
US20140127409A1 (en) Method for producing fine particle dispersion
JP5566743B2 (ja) 銅合金微粒子の製造方法
JP5184488B2 (ja) 導電回路の形成方法
JP5124822B2 (ja) 複合金属粉体およびその分散液の製造法
JP6034090B2 (ja) 金属微粒子分散溶液の製造方法、及び導電体の形成方法
JP6490856B1 (ja) 表面被覆金属微粒子及びその分散溶液
JP2009215619A (ja) ケトンとの親和性に優れた銀微粉および銀インク

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090128

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20090128

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20090203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090603

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090611

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4330024

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130626

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees