JP2009028670A - スタンプ式製膜法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材の適切な箇所へ、基材表面の形状を予め計測することなく、簡便にコート膜を形成することが可能な製膜法及びその製品を提供する。
【解決手段】金属もしくはセラミック材からなるコート剤を含浸した気孔率70〜90%、かつ気孔径10〜100ミクロンのスタンプ面と、気孔率1〜70%、かつ気孔径5ミクロン以下の多孔質基材表面を接触させることによって、スタンプ材と基材の毛管半径比の差による保液効果を利用して、多孔質基材の適切な箇所へ選択的にコート膜を形成する製膜方法。
【効果】複雑形状を有するハニカム状多孔質基材を含んだ多孔質基材表面へコート膜を形成することによって、基材の形状を問わず、浄化フィルターやSOFC等に必要とされる気相分離膜を製膜し、提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、スタンプ面を利用したスタンプ式製膜法に関するものであり、更に詳しくは、金属もしくはセラミック材からなるコート剤を含浸したスタンプ面と、平面もしくは曲面、凹凸面を有し、金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材表面を接触させることにより、基材表面の適切な箇所へ、均質かつ緻密又は多孔なコート層を製膜することを可能とする新規製膜方法及びその製膜部材等に関するものである。
従来、多孔質セラミックスは、例えば、気相分離や排ガス浄化・浄水フィルター等の支持体として利用されている。中でも、中空管を集積したハニカム形状は、単位体積当たりのフィルター面積の増加が見込めるため、多孔質セラミックスの支持体形状として、広く利用されている。
一般的に、多孔質セラミックス壁を利用したフィルター法では、約半分の目封じされていないハニカム孔へ不純物質を含んだ気相もしくは液相が供給され、多孔質壁にて不純物質を除去された気相もしくは液相が、目封じされていた残り半分のハニカム孔へ透過し、排出される。また、先行技術として、ガス分離膜を支持する支持体が不要であるハニカム型ガス分離膜として、ハニカム一体構造であり、ガス分離能を有する材料からなる緻密体を用いて、混合ガス中から特定ガスを分離又は供給するガス分離構造体が提案されている(特許文献1)
この種のガス分離膜において、分離能を向上させるためには、多孔質セラミックス壁の端面部からの不純物質を含んだ気相もしくは液相の進入を防ぐ必要があり、そのためには、ハニカム孔を目封じすることなく、ハニカム端面の多孔質セラミックス壁上へ緻密膜を形成する必要がある。
また、同様の気相分離を利用したシステムとして、固体酸化物燃料電池(SOFC)が挙げられる。そして、該SOFCが作動するためには、電子伝導性のない緻密膜により、空気等の酸化ガスと水素等の燃料ガスを分離させる必要がある。
近年、求められているSOFCの高出力化の方法の一つに、マイクロSOFCの集積構造が挙げられる。マイクロSOFCの集積化方法として、主に、(1)金属もしくはセラミックスからなる多孔質集電用支持体による管状マイクロセルの集積、(2)金属もしくはセラミックスからなる多孔質ハニカム状集電体による管状チャンネルセルの集積、がある。しかし、両集積構造ともに、多孔質支持体の端面部にガス分離膜を形成する必要があり、平板型SOFC等の従来構造と比較して複雑な支持体形状を有しているため、より高度なガス分離膜形成技術が求められる。
現在、広く使用されている基材表面への製膜法としては、例えば、ディップ法、スクリーン印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジェット法、及び刷毛塗り等がある。
ディップ法やスプレーコート法、及びスピンコート法は、平面や曲面等の比較的簡単な表面を有する基材表面に対し、非常に綺麗なコート層を形成することができる。しかしながら、ハニカム等の複雑形状を有する基材の場合、ハニカム孔内へ余分なコート剤が残留してしまい、ハニカムチャンネルを目封じしてしまうという問題があった。
また、スクリーン印刷法では、印刷時に基材表面へ圧力付加がかかるため、脆い基材を用いることができない。刷毛塗りの場合、コート剤の乾燥による刷毛の固化を防ぐために、連続的な作業を行う必要があり、工業プロセスとしては制限されてしまう。
それに対し、非接触かつパターン形成が可能な手法として、インクジェット製膜法がある。この手法は、オンデマンドにコート液を吐出し、製膜できる手法として、複雑表面を有する基材に対しても適用可能である。しかし、インクジェット製膜法では、基材形状が変更される度にパターン設定も変更する必要があり、かつ、基材には非常に高い形状精度が求められるため、汎用の分野を拡大するには依然として不利な手法である。
特開2001−104742号公報
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、金属もしくはセラミック材からなるコート剤の金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材表面への新規製膜法を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、予め基材表面の形状計測をすることなく、複雑形状を有する基材表面上のみに高い精度で金属もしくはセラミック材の膜を形成する製膜法を開発することに成功し、本発明を完成するに至った。
本発明は、平面や曲面上に製膜できるだけでなく、複雑形状を有するハニカム開口面等の多孔質基材面上に対しても、基材表面の形状計測をすることなく、マスキングを使わずに、ハニカムチャンネルを目封じすることなく、基材表面の適切な箇所に選択的にコート剤をコート層として形成することが可能な製膜法及びその製膜部材等を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜する製膜方法であって、上記コート剤を含浸したスタンプ面と、上記基材表面を接触させることにより、基材表面の適切な箇所へ、上記コート層を製膜することを特徴とする製膜方法。
(2)上記基材表面が、平面もしくは凹凸面、又は曲面からなる、前記(1)に記載の製膜方法。
(3)上記基材が、多孔質で、その気孔率が1〜50%である、前記(1)に記載の製膜方法。
(4)上記多孔質基材の気孔径が、0超〜5ミクロンである、前記(1)に記載の製膜方法。
(5)上記コート層が、緻密質もしくは多孔質のいずれかの構造を有している、前記(1)に記載の製膜方法。
(6)上記スタンプ表面が、曲面もしくは平面からなり、気孔率70〜90%のスポンジ状材質もしく綿状材質で構成されている、前記(1)に記載の製膜方法。
(7)上記スタンプを構成するスタンプ材の気孔径が、10〜100ミクロンの範囲内である、前記(1)に記載の製膜方法。
(8)上記基材表面に対し、応力負荷をかけることなく、スタンプ面と基材表面の接触により上記コート層を製膜する、前記(1)に記載の製膜方法。
(9)上記基材表面の幾何学的形状を予め計測して該幾何学形状を上記スタンプ面に形成することなしに、スタンプ面と基材表面を接触させる、前記(1)に記載の製膜方法。
(10)金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜した製膜部材であって、コート剤を含浸したスタンプ面の該コート剤が、基材表面の所定の箇所のみにコート層として製膜された製膜構造を有することを特徴とする製膜部材。
(11)金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜するためのスタンプであって、スタンプ表面が曲面もしくは平面からなり、気孔率が70〜90%の材質で構成されており、スタンプを構成するスタンプ材の気孔径が10〜100ミクロンの範囲内であることを特徴とする金属もしくはセラミック材からなるコート剤による金属もしくはセラミック材からなる基材表面製膜用スタンプ。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜する製膜方法であって、上記コート剤を含浸したスタンプ面と、上記基材表面を接触させることにより、基材表面の適切な箇所へ、上記コート層を製膜することを特徴とするものである。
また、本発明は、金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜した製膜部材であって、コート剤を含浸したスタンプ面の該コート剤が、基材表面の所定の箇所のみにコート層として製膜された製膜構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明は、金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜するためのスタンプであって、スタンプ表面が曲面もしくは平面からなり、気孔率が70〜90%の材質で構成されており、スタンプを構成するスタンプ材の気孔径が10〜100ミクロンの範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の製膜法は、金属もしくはセラミック材からなるコート剤を含浸したスタンプ面に多孔質基材表面を接触させ、該コート剤をコート層として製膜するための手法である。本発明では、多孔質基材としては、平面や曲面等の平滑面だけでなく、ハニカムに代表されるような複雑形状を有する複雑面を有している多孔質基材を用いることも可能であり、しかも、その表面の基材上にのみ製膜することが可能である。
基材の材料としては、金属もしくはセラミックであればその種類に制限されることなく用いることが可能である。その具体例としては、好適には、例えば、Pt,Pd,Ag,Ba,Sr,Ca,Mg,K,Na,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ti,Al,Ga,Nb,Ta,V,Laの元素を少なくとも1種類以上含む金属、もしくはこれらの元素を1種類以上含む酸化物、又は、これらの元素を1種類以上含む金属とこれらの元素を1種類以上含む酸化物との複合体又はサーメットが例示される。
基材の気孔率としては、1〜70%が好ましく、好適には、10〜50%が望ましい。また、多孔質基材の気孔径としては、5ミクロン以下、すなわち0超〜5ミクロンであることが好ましい。
金属もしくはセラミック材からなるコート剤を含浸させるスタンプの材質としては、好適には、例えば、気孔率が70〜90%のスポンジ状材質もしくは綿状材質、あるいはそれらと同等もしくは類似の材質が例示される。そして、スタンプ表面は、平面もしくは曲面などの凹凸のない状態が好ましい。上記基材表面の幾何学的形状を予め計測して該幾何学形状を上記スタンプ面に形成する必要はない。
上記スタンプ材の気孔径としては、10〜100ミクロンの範囲であることが好ましく、更には、後述のように、スタンプ材質と多孔質基材の毛細管現象の差を利用するために、10〜20ミクロンであることが好ましい。
上記金属もしくはセラミック材からなるコート剤としては、(1)コート膜の原料となる粒子状コート材を含んだスラリーコート剤、(2)コート膜の原料となる金属イオンが溶解した溶液コート剤、のいずれも使用可能であるが、多孔質基材中へ多量のコート剤が浸透するのを防ぐためには、上記(1)のスラリーコート剤が好適に使用される。
上記金属もしくはセラミック材からなるコート膜の材料としては、金属もしくはセラミック、具体例として、好適には、例えば、Pt,Pd,Ag,Ba,Sr,Ca,Mg,K,Na,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ti,Al,Ga,Nb,Ta,V,La,Si,Bの元素を少なくとも1種類以上含む金属、もしくはこれらの元素を1種類以上含む酸化物、又は、これらの元素を1種類以上含む金属とこれらの元素を1種類以上含む酸化物との複合体又はサーメットが例示される。しかし、これらに限定されるものではない。
上記金属もしくはセラミック材からなるコート剤の溶媒としては、基材を溶解させない条件を満たすものはその種類に制限されることなく使用可能であり、目的に応じて任意の溶媒を適宜選定して使用する。
ここで、多孔質基材の毛細管現象による保液効果は、以下の式1で表され、毛管半径に反比例して保液力は高まる。
ΔP=2σ cosα/r (式1)
ΔP:保液力、σ:コート液の表面張力、α:接触角、r:毛管半径
本発明は、スタンプを構成するスタンプ材の気孔径、すなわち毛管半径が10〜100ミクロンの範囲と比較して、多孔質基材の気孔径、すなわち毛管半径は約5ミクロン以下であるため、その毛管半径比によって、コート剤を含浸したスタンプ面と、上記基材表面を接触させることにより、多孔質基材の表面にコート剤がコート層として製膜されるという原理を利用している。コート膜の堆積厚みは、この毛管半径比及びコート剤の濃度、スタンプ面/多孔質基材間の接触時間によって、1〜50ミクロンの範囲で制御することが可能である。
ハニカムなど凹凸のある基材表面への製膜に関しては、基材の凸部ピッチが約200ミクロン以上であることが好ましい。それは、前述の式1を用いて説明すると、本発明では、スタンプ材の気孔径、すなわち毛管半径が10〜100ミクロンの範囲であることと比較して、多孔質基材の凸部ピッチ、すなわち毛管半径は約200ミクロン以上であることから、そのため、その毛管半径比によって、多孔質基材の凹部へ不要なコート剤をコートすることなく、基材の表面のみにコート剤が製膜されるという原理を利用している。
本発明は、平面もしくは曲面、凹凸面を有し、金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材表面に対し、緻密又は多孔の均質な金属もしくはセラミック材からなるコート層を製膜する方法として、金属もしくはセラミック材からなるコート剤を含浸したスタンプ面と、平面もしくは曲面、凹凸面を有し、金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材表面を接触させることにより、基材表面の適切な箇所へ、均質かつ緻密又は多孔なコート層を製膜する手法を確立し、提供するものである。
更に、本発明は、金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜するためのスタンプであって、スタンプ表面が曲面もしくは平面からなり、気孔率が70〜90%の材質で構成されており、スタンプを構成するスタンプ材の気孔径が10〜100ミクロンの範囲内である、金属もしくはセラミック材からなるコート剤による金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材表面製膜用スタンプを提供するものである。
本発明により、次のような効果が得られる。
(1)金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として選択的に製膜することができる。
(2)基材表面の幾何学的形状を予め計測する必要性がない。
(3)基材に対する製膜時の応力負荷が小さいため、強度の低い多孔質基材についても適用することができる。
(4)例えば、ハニカム開口面等の多孔質基材上に対しても、ハニカムチャンネルを目封じすることなく、選択的にコート層を形成できるので、マスキングを必要とせず、製膜コストを削減することができる。
(5)金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所に、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として高い精度で製膜することを可能とする多孔質基材表面への新規製膜技術及びその製品を提供することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
本発明では、先ず、以下の手順に従って、セラミック材からなるコート剤を調製した。すなわちセラミック材料の一種である希土類安定化ジルコニア(以下、LnSZと記載する。)を、エタノール主溶媒とともにボールミル混合し、市販のPVBバインダー、界面活性剤を更に混合することによって、LnSZコート剤を調製した。
次に、多孔質基材として用いた、セラミック材からなるハニカム基材の調製について説明する。セラミック材料の一種であるマンガン酸ランタン(以下、LSMと記載する。)を、水及び市販のエチルセルロースと混練し、加圧押出して、ハニカム状成形体を得た。材料寸法としては、孔径800ミクロン、LSM壁厚み200ミクロンを選択した。ハニカム状成形体を適切な長さに切断し、1000℃にて仮焼することによって、LSMハニカム状多孔質基材を作製した。
調製したLnSZコート剤を含浸させた、気孔率が80%及び気孔径が10〜50ミクロンの範囲の綿状スタンプ材と、上述のLSMハニカム状多孔質基材表面を1秒間接触させ、これを引き離すことによって、ハニカム状多孔質基材の壁面のみにLnSZ層を製膜した。
LnSZ層を製膜したLSMハニカム状多孔質基材を1300℃にて焼成して得られたサンプルの製膜状態を図1に示す。本発明の特徴であるスタンプ材と基材の毛細管現象の差を利用することによって、基材表面の凹凸を予め計測することなしに、基材表面に綺麗な製膜が行われていることが分かる。
比較例1
比較例として、製膜法の1手法であるディップ法を試した結果について説明する。すなわち実施例1と同様の手法にて調製したLSMハニカム状多孔質基材を、実施例1と同様の手法にて調製したLnSZスラリー中へ、引き上げ速度1.5mm/sec条件にてディップコートを施した。
LnSZ層を塗布したLSMハニカム状多孔質基材を1300℃にて焼成して得られたサンプルの様子を図2に示す。LnSZコート剤は、ハニカム状多孔質基材表面を塗布するだけでなく、ハニカムチャンネルを目封じしてしまった様子が分かる。
比較例2
比較例の2例目として、製膜法の1手法であるスクリーン印刷法を試した結果について説明する。まず、LnSZを、ポリエチレングリコール溶媒及び市販のエチルセルロースバインダーとともにボールミル混合して、ペースト状のコート剤を調製した。これを、200メッシュスクリーンを用いて、実施例1と同様の手法にて調製したLSMハニカム状多孔質基材表面へスクリーン印刷した。
LnSZ層を塗布したLSMハニカム状多孔質基材を1300℃にて焼成して得られたサンプルの様子を図3に示す。LnSZコート剤は、ハニカム状多孔質基材表面の大半にコートされているものの、一部のハニカムチャンネルが目封じされ、また、一部のLSM多孔質基材表面には、LnSZ膜が存在しない様子が分かる。
これらは、脆いLSM多孔性基材表面には、スクリーン印刷時に圧力が付加される結果、一部のLSM多孔質基材が崩れてしまい、スクリーン側にこびり付いてしまうためであると考えられる。スクリーン印刷法によりLSM多孔質基材の一部が崩れ、スクリーン側へこびり付いた様子を図4に示す。ここで、黒色のパターンが、崩れたLSM多孔質基材である。また、図5に、スクリーン印刷法によりLSM多孔質基材表面へ製膜したLnSZコート膜の拡大図を示す。図5に示すように、スクリーン印刷時の圧力付加によって、LSM多孔質基材が崩れた様子が分かる。
以上詳述したように、本発明は、非常に簡便な手法により金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材面上へコート膜を形成することができる製膜法に係るものであり、本発明により、金属もしくはセラミック材からなるコート剤を含浸したスタンプ面と、平面もしくは曲面、凹凸面を有し、金属もしくはセラミック材からなる多孔質基材表面を接触させることにより、基材表面の適切な箇所へ、均質かつ緻密又は多孔なコート層を製膜することが可能となる。本発明では、複雑形状を有するハニカム開口面などの多孔質基材面上に対しても、マスキングを使わずに、ハニカムチャンネルを目封じすることなく、コート層を製膜することが可能である。本発明は、気相分離や排ガス浄化・浄水フィルターの高性能化技術としてだけでなく、今後のSOFC開発に必要不可欠な製膜技術を提供するものとしても有用である。
スタンプ法の手法により、LSM多孔質基材表面へ製膜したLnSZコート膜を示す。 ディップ法により、LSM多孔質基材表面へ製膜したLnSZコート膜を示す。 スクリーン印刷法により、LSM多孔質基材表面へ製膜したLnSZコート膜を示す。 スクリーン印刷圧により、LSM多孔質基材の一部が崩れ、スクリーン側へこびり付いた様子(黒色パターンがLSM)を示す。 スタンプ法の手法により、LSM多孔質基材表面へ製膜したLnSZコート膜の拡大図を示す。

Claims (11)

  1. 金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜する製膜方法であって、上記コート剤を含浸したスタンプ面と、上記基材表面を接触させることにより、基材表面の適切な箇所へ、上記コート層を製膜することを特徴とする製膜方法。
  2. 上記基材表面が、平面もしくは凹凸面、又は曲面からなる、請求項1に記載の製膜方法。
  3. 上記基材が、多孔質で、その気孔率が1〜50%である、請求項1に記載の製膜方法。
  4. 上記多孔質基材の気孔径が、0超〜5ミクロンである、請求項1に記載の製膜方法。
  5. 上記コート層が、緻密質もしくは多孔質のいずれかの構造を有している、請求項1に記載の製膜方法。
  6. 上記スタンプ表面が、曲面もしくは平面からなり、気孔率70〜90%のスポンジ状材質もしく綿状材質で構成されている、請求項1に記載の製膜方法。
  7. 上記スタンプを構成するスタンプ材の気孔径が、10〜100ミクロンの範囲内である、請求項1に記載の製膜方法。
  8. 上記基材表面に対し、応力負荷をかけることなく、スタンプ面と基材表面の接触により上記コート層を製膜する、請求項1に記載の製膜方法。
  9. 上記基材表面の幾何学的形状を予め計測して該幾何学形状を上記スタンプ面に形成することなしに、スタンプ面と基材表面を接触させる、請求項1に記載の製膜方法。
  10. 金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜した製膜部材であって、コート剤を含浸したスタンプ面の該コート剤が、基材表面の所定の箇所のみにコート層として製膜された製膜構造を有することを特徴とする製膜部材。
  11. 金属もしくはセラミック材からなる基材表面の適切な箇所へ、金属もしくはセラミック材からなるコート剤をコート層として製膜するためのスタンプであって、スタンプ表面が曲面もしくは平面からなり、気孔率が70〜90%の材質で構成されており、スタンプを構成するスタンプ材の気孔径が10〜100ミクロンの範囲内であることを特徴とする金属もしくはセラミック材からなるコート剤による金属もしくはセラミック材からなる基材表面製膜用スタンプ。
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