JP2009026921A - 有機光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた光電変換効率を有する有機光電変換素子を提供する。
【解決手段】下記式(1a)および下記式(1b)からなる群から選ばれる繰り返し単位と下記式(2)で表される繰り返し単位とを含む共重合体を含有する有機層を有する有機光電変換素子。
Figure 2009026921

(式中、R、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基を表す。R5は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。式(1a)、(1b)および(2)のそれぞれにおいて、複数個のRおよびR5は同一であっても相異なってもよい。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機光電変換素子に関する。
近年、有機半導体材料を活性層に用いた有機光電変換素子(有機太陽電池、有機光センサー等)の検討が活発に行われている。中でも、有機半導体材料として高分子化合物を用いれば、安価な塗布法で活性層を作製することができるため、有機溶媒に対する溶解性に優れるフルオレン共重合体を用いた有機光電変換素子について様々な検討がされている。例えば、下記繰り返し単位(M)および下記繰り返し単位(N)からなる共重合体を用いた有機太陽電池(非特許文献1)が知られている。
Figure 2009026921
繰り返し単位(M) 繰り返し単位(N)
Applied Physics Letters Vol.84, No.10 1653-1655 (2004)
しかし、前記フルオレン共重合体を有機光電変換素子に用いても、光電変換効率が必ずしも十分ではないという問題がある。
そこで、本発明は、光電変換効率が優れた有機光電変換素子を提供することを目的とする。
本発明は第一に、下記式(1a)および下記式(1b)からなる群から選ばれる繰り返し単位と下記式(2)で表される繰り返し単位とを含む共重合体を含有する有機層を有する有機光電変換素子を提供する。
Figure 2009026921
(式中、R、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基を表す。R5は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。式(1a)、(1b)および(2)のそれぞれにおいて、複数個のRおよびR5は同一であっても相異なってもよい。)
本発明は第二に、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に前記共重合体を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子を提供する。
本発明は第三に、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた前記共重合体を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子を提供する。
本発明は第四に、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に前記共重合体および電子供与性化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子を提供する。
本発明は第五に、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物および前記共重合体を含有する有機層を有する有機光電変換素子を提供する。
本発明の有機光電変換素子は、光電変換効率に優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
<共重合体>
本発明の有機光電変換素子は、前記式(1a)および前記式(1b)からなる群から選ばれる繰り返し単位および前記式(2)で表される繰り返し単位とを含む共重合体を含有している。
前記式(1a)中、R、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。R1およびR2は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基であることが好ましい。
前記式(1a)中、R、R1およびR2で表される炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキル基でもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ラウリル基等が挙げられる。共重合体の有機溶媒に対する溶解性と有機光電変換素子の光電変換効率とのバランスの観点からは、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基がより好ましい。前記アルキル基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当する置換基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
前記式(1a)中、R、R1およびR2で表される炭素数1〜20のアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルオキシ基であってもよい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ラウリルオキシ基等が挙げられる。前記アルコキシ基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当する置換基としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
前記式(1a)中、R、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基としては、例えば、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられ、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基がより好ましい。前記アリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基又は炭素数1〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基又は炭素数1〜20のシクロアルキル基をその構造中に含むアルコキシ基、下記式(3)で表される基があげられる。置換基の中では、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状のアルキル基又は炭素数1〜20のシクロアルキル基が好ましい。前記アリール基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。

Figure 2009026921
(3)
(式中、a1は1から6の整数を表し、a2は0から5の整数を表す。)
前記式(1a)で表される繰り返し単位としては、例えば下記の繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2009026921
前記式(1b)中、R、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。R3およびR4は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基であることが好ましい。
前記式(1b)中、R、R3およびR4で表される炭素数1〜20のアルキル基としては、前述の(1a)のRで説明した基と同様の基があげられる。
前記式(1b)中、R、R3およびR4で表される炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前述の(1a)のRで説明した基と同様の基があげられる。
前記式(1b)中、R、R3およびR4で表される置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基としては、前述の(1a)のRで説明した基と同様の基があげられる。
式(1b)で表される繰り返し単位としては、例えば下記の繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2009026921
本発明に用いられる共重合体は前記式(2)で表される繰り返し単位を有する。前記式(2)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基を表す。R5は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRおよびR5は同一でも相異なっていてもよい。
前記式(2)中、Rで表される炭素数1〜20のアルキル基としては、前述の(1a)のRで説明した基と同様の基があげられる。
前記式(2)中、Rで表される炭素数1〜20のアルコキシ基としては、前述の(1a)のRで説明した基と同様の基があげられる。
前記式(2)中、Rで表される置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基としては、前述の(1a)のRで説明した基と同様の基があげられる。
前記式(2)中、R5で表される1〜20のアルキル基としては、前述の(1a)のRで説明した基と同様の基があげられる。
前記式(2)で表される繰り返し単位は、幾何異性を有する。具体的には、式中においてチェニレン基を連結する2個の炭素炭素二重結合の部位において、シス異性またはトランス異性を有する。本発明に用いられる共重合体は、シス異性を有する前記式(2)で表される繰り返し単位のみを有していてもよく、トランス異性を有する前記式(2)で表される繰り返し単位のみを有していてもよく、シス異性を有する前記式(2)で表される繰り返し単位およびトランス異性を有する前記式(2)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
式(2)で表される繰り返し単位としては、例えば下記の繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2009026921
本発明に用いられる共重合体の具体例としては、以下の共重合体があげられる。
Figure 2009026921
(式中、nは2以上の整数を表す。)
本発明に用いられる共重合体は、重合の行いやすさの観点からは、前記式(1a)で表される繰り返し単位および前記式(2)で表される繰り返し単位を含む共重合体が好ましい。また、耐熱性の観点からは前記式(1b)で表される繰り返し単位および前記式(2)で表される繰り返し単位を含む共重合体が好ましい。
本発明に用いられる共重合体は、前記式(1a)(1b)(2)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。該繰り返し単位としては、例えば下記式(6−A)〜(6−H)で表される繰り返し単位等があげられる。
Figure 2009026921
Figure 2009026921
Figure 2009026921

(式中、Rは、前記で定義したとおりである。複数個存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。)
本発明に用いられる共重合体中の全繰返し単位の合計を100モルとすると、前記式(1a)で表される繰り返し単位および前記式(1b)で表される繰り返し単位の合計は、通常、10モル〜90モルの範囲であり、前記式(2)で示される繰返し単位は、通常、10モル〜90モルの範囲である。
本発明に用いられる共重合体は、素子の光電変換効率特性、有機溶媒に対する溶解性の観点から、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108であることが好ましく、1×104〜1×107であることがより好ましい。ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103〜1×108であることが好ましく、1×104〜1×107であることがより好ましい。
本発明において、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
また、本発明に用いられる共重合体の末端に重合活性基がそのまま残っていると、有機光電変換素子にしたときの光電変換効率が低下する可能性があるので、該共重合体の末端は安定な保護基で保護されていてもよい。保護基としては、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素結合を介してアリール基又は複素環基と結合している構造を有するものが挙げられる。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
本発明に用いられる共重合体に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。共重合体の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に共重合体を0.1重量%以上溶解させることができる。
<共重合体の製造方法>
次に本発明に用いられる共重合体の製造方法について説明する。
共重合体の合成方法としては、例えば、Y1−Ar1−Y2で示される化合物、Y3−Ar2−Y4で示される化合物、Y5−Ar3−Y6で示される化合物、を原料として用い、これを縮合重合させることにより本発明の共重合体を製造することができる(式中、Ar1は前記式(1a)、Ar2は前記式(1b)、Ar3は前記式(2)で表される構造を示し、Y1〜Y6はおのおの独立に、縮合重合に関与する置換基を示す。)
本発明に用いられる共重合体の製造方法において、縮合重合に関与する置換基(Y1〜Y6)としては、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、−B(OH)2、ホルミル基、シアノ基またはビニル基等が挙げられる。
アルキルスルホ基としては、メタンスルホ基、エタンスルホ基、トリフルオロメタンスルホ基などが例示される。アリールスルホ基としては、ベンゼンスルホ基、p−トルエンスルホ基などが例示される。アリールアルキルスルホ基としては、ベンジルスルホ基などが例示される。
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 2009026921

(式中、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示す。)
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2+Me2-、 −CH2+Ph2-
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2+Ph3-
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2PO(OR’)2
(式中、R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基またはヨウ化メチル基が例示される。
縮合重合に関与する置換基として好ましい置換基は重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体(Ni(0)錯体)を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基またはアリールアルキルスルホ基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホ基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル基、−B(OH)2などが挙げられる。
本発明に用いられる共重合体の製造方法は、具体的には、モノマーとなる、縮合重合に関与する置換基を2個有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で行うことができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Macromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
本発明に用いられる共重合体の製造方法において、縮合重合に関与する置換基に応じて、既知の縮合反応を用いることができる。例えば該当するモノマーを、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、ゼロ価ニッケル錯体により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、または適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。これらのうち、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、及びゼロ価ニッケル錯体により重合する方法は、構造制御がしやすいので好ましい。
本発明に用いられる共重合体の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(Y1〜Y6)が独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基又はアリールアルキルスルホ基から選ばれ、ゼロ価ニッケル錯体存在下で縮合重合する製造方法が好ましい。原料化合物としては、例えば、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物、ハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、およびアリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。これらのうち、原料化合物として、例えば、ハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、又はアリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物を用いることにより、シーケンスを制御した共重合体を製造する方法が挙げられる。
また、本発明に用いられる共重合体の製造方法の中で、縮合重合に関与する置換基(Y1〜Y6)が独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸基(−B(OH)2)、又はホウ酸エステル基から選ばれ、全原料化合物が有する、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基及びアリールアルキルスルホ基のモル数の合計(J)と、ホウ酸基及びホウ酸エステル基のモル数の合計(K)との比K/Jが実質的に1(通常、0.7〜1.2の範囲)であり、ニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いて縮合重合する製造方法が好ましい。具体的な原料化合物の組み合わせとしては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物又はビス(アリールアルキルスルホネート)化合物とジホウ酸化合物又はジホウ酸エステル化合物との組み合わせが挙げられる。また、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物が挙げられる。これらのうち、原料化合物として、例えば、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物を用いることにより、シーケンスを制御した共重合体を製造する方法が挙げられる。
反応に用いる溶媒は、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、十分に脱酸素処理を施すことが好ましい。反応は不活性雰囲気下で進行させることが好ましい。また、同様に、反応に用いる溶媒は、脱水処理を施すことが好ましい。
但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカリンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、キシレン、テトラリンなどの芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類などが例示される。これらの溶媒は単一で、又は混合して用いてもよい。これらの中で、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがさらに好ましい。
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリ又は触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリとしては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン等の有機塩基;フッ化セシウム等の無機塩が挙げられる。触媒としては、例えば、パラジウム〔テトラキス(トリフェニルホスフィン)〕、パラジウムアセテート類が挙げられる。アルカリ又は触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリ又は触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリ又は触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
本発明に用いられる共重合体を有機太陽電池等に用いる場合、その純度が光電変換効率等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
<有機光電変換素子>
本発明の有機光電変換素子の一つの態様としては、一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含む層と電子供与性化合物を含む層とを含み、両層が隣接してヘテロ接合界面を形成している素子があげられる。また、本発明の有機光電変換素子の他の一つの態様としては、一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物と電子供与性化合物とを混合した層を有する素子があげられる。具体的には、
1.一対の電極と、該電極間に本発明に用いられる共重合体を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子;
2.一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた前記共重合体を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子;
3.一対の電極と、該電極間に前記共重合体及び電子供与性化合物を含有する有機層を少なくとも一層有する有機光電変換素子;
4.一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物および前記共重合体を含有する有機層を有する有機光電変換素子;
5.一対の電極と、該電極間に設けられ電子受容性化合物及び前記共重合体を含有する有機層を少なくとも一層有する有機光電変換素子であって、該電子受容性化合物がフラーレン誘導体である有機光電変換素子;
があげられる。
また、前記5.の有機光電変換素子では、フラーレン誘導体及び本発明に用いられる共重合体を含有する有機層におけるフラーレン誘導体の割合が、前記共重合体100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。
次に、有機光電変換素子の動作機構を説明する。透明又は半透明の電極から入射した光エネルギーが電子受容性化合物及び/又は電子供与性化合物で吸収され、電子とホールの結合した励起子を生成する。生成した励起子が移動して、電子受容性化合物と電子供与性化合物が隣接しているヘテロ接合界面に達すると界面でのそれぞれのHOMOエネルギー及びLUMOエネルギーの違いにより電子とホールが分離し、独立に動くことができる電荷(電子とホール)が発生する。発生した電荷は、それぞれ電極へ移動することにより外部へ電気エネルギー(電流)として取り出すことができる。
有機光電変換素子が高い変換効率を有するためには、前記電子受容性化合物、前記電子供与性化合物が所望の入射光のスペクトルを効率よく吸収することができる吸収域を有するものであること、ヘテロ接合界面が励起子を効率よく分離するためにヘテロ接合界面を多く含むこと、ヘテロ接合界面が生成した電荷を速やかに電極へ輸送する電荷輸送性を有することが重要である。
このような観点から、本発明の有機光電変換素子としては、前記3、前記4.又は前記5.が好ましく、ヘテロ接合界面を多く含むという観点からは、前記5.がより好ましい。また、本発明の有機光電変換素子には、少なくとも一方の電極と該素子中の有機層との間に付加的な層を設けてもよい。付加的な層としては、例えば、ホール又は電子を輸送する電荷輸送層が挙げられる。
本発明に用いられる共重合体が電子供与体である場合、有機光電変換素子に好適に用いられる電子受容体は、電子受容体のHOMOエネルギーが共重合体のHOMOエネルギーよりも高く、かつ、電子受容体のLUMOエネルギーが共重合体のLUMOエネルギーよりも高くなる。また、前記共重合体が電子受容体である場合、有機光電変換素子に好適に用いられる電子供与体は、電子供与体のHOMOエネルギーが共重合体のHOMOエネルギーよりも低く、かつ、電子供与体のLUMOエネルギーが共重合体のLUMOエネルギーよりも低くなる。
本発明の有機光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等が挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
前記の透明又は半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。さらに電極材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができ、好ましくは一対の電極のうち一方の電極は仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイト又はグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
前記付加的な層としての電荷輸送層、即ち、ホール輸送層、電子輸送層に用いられる材料として、それぞれ後述の電子供与性化合物、電子受容性化合物を用いることができる。付加的な層としてのバッファ層として用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化物等を用いることができる。また、酸化チタン等無機半導体の微粒子を用いることもできる。
本発明の有機光電変換素子における前記有機層としては、例えば、前記式(1a)および前記式(1b)からなる群から選ばれる繰り返し単位および前記式(2)で表される繰り返し単位を含む共重合体を含有する有機薄膜を用いることができる。
前記有機薄膜は、膜厚が、通常、1nm〜100μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。
前記有機薄膜は、本発明に用いられる共重合体を一種単独で含んでいても二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、前記有機薄膜のホール輸送性を高めるため、前記有機薄膜中に電子供与性化合物及び/又は電子受容性化合物として、低分子化合物及び/又は前記共重合体以外の重合体を混合して用いることもできる。
前記電子供与性化合物としては、本発明に用いられる共重合体のほか、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン及びその誘導体、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体等が挙げられる。
前記電子受容性化合物としては、本発明に用いられる共重合体のほか、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、C60等のフラーレン類及びその誘導体、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体、カーボンナノチューブ等が挙げられ、とりわけフラーレン類及びその誘導体が好ましい。
フラーレン類としては、C60、C70及びその誘導体が挙げられる。誘導体の具体的構造としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2009026921

<有機薄膜の製造方法>
前記有機薄膜の製造方法は、特に制限されず、例えば、本発明に用いられる共重合体を含む溶液からの成膜による方法が挙げられるが、真空蒸着法により薄膜を形成してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、本発明に用いられる共重合体を溶解させるものであれば特に制限はない。この溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、テrt−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類系溶媒等が挙げられる。前記共重合体は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
有機光電変換素子は、透明又は半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極から光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
<素子の用途>
本発明の有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールを、有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーを構成することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、重合体の分子量は、島津製作所製GPC(商品名:LC−10Avp)またはGPCラボラトリー製GPC(PL−GPC2000)により、ポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。重合体を約0.5重量%の濃度となるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入した。GPCの移動相は、テトラヒドロフランを用い、0.6mL/分の流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本と、TSKgel SuperH2000(東ソー製)1本とを直列に繋げた。検出器には、示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。
<合成例1>(重合体1の合成)
Figure 2009026921
上記構造式で示される化合物(A)1.92gおよび化合物(B)2.1gをテトラヒドロフラン(脱水)30gに溶解した溶液に、あらかじめカリウム−tert−ブトキシド1.68gをテトラヒドロフラン(脱水)10mlに溶解した溶液を室温で滴下した。滴下後、引き続き室温で20時間反応した。なお、反応は窒素ガス雰囲気下で行った。
次に、この反応溶液に酢酸を加え中和した後、この反応溶液をメタノール中に注ぎ込み再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。得られたトルエン溶液をろ過した後、このトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、下記構造式

Figure 2009026921
で表される単量体(C)0.75gを得た。
この単量体(C)0.426gと、下記構造式

Figure 2009026921

で示される単量体(D)0.530gとメチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.17gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)1.7mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして、脱気したトルエン 15mlを加えた。
次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 6mlを、60〜80℃で滴下した後、0.5時間還流した。反応中、沈殿が生成したので、脱気したトルエン32gを加えた。
次に、この反応溶液を室温付近まで冷却した後、フェニルホウ酸0.07gをテトラヒドロフラン0.5mlに溶解した混合溶液を加え、溶媒が還流する温度まで昇温、12時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
反応後、前記反応溶液を室温付近まで冷却した後、前記反応溶液にトルエン17gを加えた。この反応溶液を静置し、分液して、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。次に、この沈殿を、減圧乾燥した後、再びトルエンに溶解した。次に、このトルエン溶液をろ過した後、このトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「重合体1」という)0.42gを得た。重合体1のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.7×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は9.8×103であった。
仕込みから推定される重合体1の構造は、下記のとおりである。

Figure 2009026921
合成例2
(重合体2の合成)

Figure 2009026921
化合物D、0.949gと化合物E、1.253gとメチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.30gと、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 3.4mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして、脱気したトルエン 45mlを加えた。次に、この溶液に、攪拌下、予めアルゴンガスでバブリングして、脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 10mlを滴下し、12時間還流した。次に、反応溶液を冷却し、フェニルホウ酸0.1g/テトラヒドロフラン0.5ml混合溶液を加え、2時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。反応終了後、反応溶液を冷却した後、この反応溶液にトルエン60gを加えた。この反応溶液を静置し、分液して、トルエン溶液を回収した。次に、このトルエン溶液を濾過し、不溶物を除去した。次に、このトルエン溶液を、アルミナカラムを通し、精製した。次に、このトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈精製し、生成した沈殿を回収した。次に、この沈殿を、減圧乾燥した後、再びトルエンに溶解した。次に、このトルエン溶液をろ過した後、このトルエン溶液を、アルミナカラムを通し、精製した。次に、このトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈精製し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して重合体2、0.5gを得た。重合体2のポリスチレン換算の重量平均分子量は9.9×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は6.1×104であった。仕込みから推定される重合体2の構造は、下記のとおりである。
Figure 2009026921
実施例1
(有機薄膜太陽電池の作製、評価)
電子供与体として重合体1を0.75%(重量%)の濃度でキシレンに溶解させた。その後、重合体1の重量に対して3倍重量のPCBM(Phenyl C61-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製、商品名E100)を電子受容体として溶液に混合した。ついで、1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液を作製した。
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板をオゾンUV処理して表面処理を行った。次に、前記塗布液を用い、スピンコートにより塗布し、有機薄膜太陽電池の活性層(膜厚約80nm)を得た。その後、真空蒸着機によりフッ化リチウムを4nm次いでAlを100nm蒸着した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10-3Paであった。また、得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正四角形であった。得られた有機薄膜太陽電池の光電変換効率をソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)で測定した。測定結果を表1に示す。
比較例1
電子供与体として重合体2を用いたほかは、実施例1と同様の方法で有機薄膜太陽電池を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2009026921
−評価−
表1から分かるように、重合体1を用いて形成した有機薄膜太陽電池(実施例1)は、重合体2を用いて形成した有機薄膜太陽電池(比較例1)に比べて高い光電変換効率を示した。

Claims (8)

  1. 下記式(1a)および下記式(1b)からなる群から選ばれる繰り返し単位と下記式(2)で表される繰り返し単位とを含む共重合体を含有する有機層を有する有機光電変換素子。
    Figure 2009026921
    (式中、R、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または置換基を有していてもよい炭素数6〜60のアリール基を表す。R5は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。式(1a)、(1b)および(2)のそれぞれにおいて、複数個のRおよびR5は同一であっても相異なってもよい。)
  2. 共重合体が前記式(1a)で表される繰り返し単位および前記式(2)で表される繰り返し単位を含む請求項1記載の有機光電変換素子。
  3. 共重合体が前記式(1b)で表される繰り返し単位および前記式(2)で表される繰り返し単位を含む請求項1記載の有機光電変換素子。
  4. 少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子。
  5. 少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子。
  6. 少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体および電子供与性化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子。
  7. 少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物および請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体を含有する有機層を有する有機光電変換素子。
  8. 電子受容性化合物がフラーレン誘導体である請求項7に記載の有機光電変換素子。
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