JP5874302B2 - 高分子化合物及びそれを用いた有機光電変換素子 - Google Patents
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Description
〔(式(A)及び式(B)中、Rは、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、下記式(2a)で表される基、又は下記式(2b)で表される基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRは、同一であっても、相異なっていてもよい。Ar1、Ar2は、置換基を有してもよい炭素数6〜60の3価の芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素数4〜60の3価の複素環基を示す。)
(2a)
(式(2a)中、m1は、0〜6の整数を表し、m2は、0〜6の整数を表す。R’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
(2b)
(式(2b)中、m3は、0〜6の整数を表し、m4は、0〜6の整数を表す。R’’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)〕
(1)
〔(式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、下記式(2a)で表される基、又は下記式(2b)で表される基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRは、同一であっても、相異なっていてもよい。)
(2a)
(式(2a)中、m1は、0〜6の整数を表し、m2は、0〜6の整数を表す。R’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
(2b)
(式(2b)中、m3は、0〜6の整数を表し、m4は、0〜6の整数を表す。R’’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)〕
本発明の高分子化合物は、式(A)で表される繰り返し単位と式(B)で表される繰り返し単位とを含む。
〔(式(A)及び式(B)中、Rは、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、下記式(2a)で表される基、又は下記式(2b)で表される基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRは、同一であっても、相異なっていてもよい。Ar1、Ar2は、置換基を有してもよい炭素数6〜60の3価の芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素数4〜60の3価の複素環基を示す。)
(2a)
(式(2a)中、m1は、0〜6の整数を表し、m2は、0〜6の整数を表す。R’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
(2b)
(式(2b)中、m3は、0〜6の整数を表し、m4は、0〜6の整数を表す。R’’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)〕
本発明の高分子化合物は、如何なる方法で製造してもよいが、例えば、用いる重合反応に適した官能基を有するモノマーを合成した後に、必要に応じて該モノマーを有機溶媒に溶解し、アルカリ、触媒、配位子等を用いた公知のアリールカップリング反応を用いて重合することにより合成することができる。前記モノマーの合成は、例えば、特開2006−182920号公報、特開2006−335933号公報に示された方法を参考にして行うことができる。
1価の複素環基としては、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。また、高分子化合物の末端に残っている重合活性基を、安定な基に代えて、水素原子で置換してもよい。ホール輸送性を高める観点からは、末端を保護する安定な基がアリールアミノ基などの電子供与性を付与する基であることが好ましい。高分子化合物が共役高分子化合物である場合、高分子化合物の主鎖の共役構造と末端を保護する安定な基の共役構造とが連続するような共役結合を有している基も末端を保護する安定な基として好ましく用いることができる。該基としては、例えば、アリール基、芳香族性を有する1価の複素環基が挙げられる。
(3)
(式(3)中、Rは、前述と同じ意味を表す。複数あるRは、同一でも相異なっていてもよい。Zは、臭素原子、ヨウ素原子又は塩素原子を表す。2個あるZは、同一でも相異なっていてもよい。)
本発明の高分子化合物は、600nmの光等の長波長の光の吸光度が高く、太陽光を効率的に吸収するため、本発明の高分子化合物を用いて製造した有機光電変換素子は短絡電流密度が大きくなる。また、本発明の高分子化合物は、大きな解放端電圧を得ることができる。
1.一対の電極と、該電極間に機能層を有し、該機能層が電子受容性化合物と、本発明の高分子化合物とを含有する有機光電変換素子;
2.一対の電極と、該電極間に機能層を有し、該機能層が電子受容性化合物と、本発明の高分子化合物とを含有する有機光電変換素子であって、該電子受容性化合物がフラーレン誘導体である有機光電変換素子;
が挙げられる。前記一対の電極は、通常、少なくとも一方が透明又は半透明であり、以下、その態様を一例として説明する。
本発明の有機光電変換素子における前記機能層としては、例えば、本発明の高分子化合物と電子受容性化合物とを含有する有機薄膜を用いることができる。
フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
(I) (II) (III) (IV)
(式(I)〜(IV)中、Raは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はエステル構造を有する基である。複数個あるRaは、同一であっても相異なってもよい。Rbはアルキル基又はアリール基を表す。複数個あるRbは、同一であっても相異なってもよい。)
(V)
(式(V)中、u1は、1〜6の整数を表す、u2は、0〜6の整数を表す、Rcは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
前記有機薄膜は、如何なる方法で製造してもよく、例えば、本発明の高分子化合物を含む溶液からの成膜による方法で製造してもよいし、真空蒸着法により有機薄膜を形成してもよい。溶液からの成膜により有機薄膜を製造する方法としては、例えば、一方の電極上に該溶液を塗布し、その後、溶媒を蒸発させて有機薄膜を製造する方法が挙げられる。
有機光電変換素子は、透明又は半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
本発明の有機薄膜トランジスタは、ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、ゲート電極とを備え、前記有機半導体層に、式(A)で表される繰り返し単位と式(B)で表される繰り返し単位とを含む高分子化合物、または式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物を含有する。
(高分子化合物Aの合成)
化合物1 化合物2
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した100mLフラスコに、WO2011/052709A1に記載の方法で合成した化合物1を252mg(0.239mmol)、Luminescence Technology社製の化合物2を100mg(0.240mmol)、トリス(2−トリル)ホスフィンを6.6mg(0.022mmol)、脱水トルエン19mlを入れて均一溶液とした。なお化合物2におけるアルキル基(−C12H25)は直鎖のアルキル基である。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを3.29mg(0.0036mmol)加え、105℃で3時間攪拌した後にさらに120℃で3時間攪拌した。その後、反応液にフェニルブロミドを10mg加え、さらに2時間攪拌した。その後、フラスコを室温までに冷却し、反応液をメタノール200mLと濃塩酸20mLの混合溶液に注いだ。析出したポリマーをろ過して回収し、得られたポリマーを、円筒ろ紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトン及びヘキサンでそれぞれ3時間洗浄した。円筒ろ紙内に残ったポリマーを、トルエン15mLに溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム0.20gと水2.0mLを加え、90℃で3時間攪拌を行った。水層を除去後、有機層を水50mlで2回洗浄し、次いで、3wt%の酢酸水溶液50mLで2回洗浄し、次いで、水50mLで2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン9mLに再度溶解し、アルミナ/シリカゲルカラムを通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーをろ過後、乾燥し、精製された重合体17mgを得た。以下、この重合体を高分子化合物Aと呼称する。GPCで測定した高分子化合物Aの分子量(ポリスチレン換算)はMw=32000、Mn=14100であった。
(高分子化合物Jの合成)
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した2L四つ口フラスコに、化合物(H)を7.928g(16.72mmol)、化合物(I)を13.00g(17.60mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、アルドリッチ社製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml、25℃)を4.979g、及びトルエンを405ml入れ、撹拌しながら反応系内を30分間アルゴンバブリングした。フラスコ内にジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を0.02g加え、105℃に昇温し、撹拌しながら2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液42.2mlを滴下した。滴下終了後5時間反応させ、その後、フェニルボロン酸2.6gとトルエン1.8mlとを加え、105℃で16時間撹拌した。その後、反応液にトルエン700ml及び7.5wt%のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物水溶液200mlを加え、85℃で3時間撹拌した。反応液の水層を除去後、有機層を60℃のイオン交換水300mlで2回、60℃の3wt%酢酸300mlで1回、さらに60℃のイオン交換水300mlで3回洗浄した。有機層をセライト、アルミナ及びシリカを充填したカラムに通し、ろ液を回収した。その後、熱トルエン800mlでカラムを洗浄し、洗浄後のトルエン溶液をろ液に加えた。得られた溶液を700mlまで濃縮した後、濃縮した溶液を2Lのメタノールに加え、重合体を再沈殿させた。重合体をろ過して回収し、500mlのメタノール、500mlのアセトン、500mlのメタノールで重合体を洗浄した。重合体を50℃で一晩真空乾燥することにより、ペンタチエニル−フルオレンコポリマー(高分子化合物J)12.21gを得た。高分子化合物Jのポリスチレン換算の重量平均分子量は1.1×105であった。
(有機薄膜の吸光度の測定)
電子受容性化合物であるフラーレン誘導体([60]PCBM([6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル)、フロンティアカーボン製、商品名:E100)と、電子供与性化合物である高分子化合物Aとを、2:1の重量比で混合し、混合物の濃度が2.25重量%となるよう、o−ジクロロベンゼンに溶解させた。得られた溶液を、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液1を調製した。
(有機薄膜の吸光度の測定)
電子受容性化合物であるフラーレン誘導体([60]PCBM([6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル)、フロンティアカーボン社製、商品名:E100)と、電子供与性化合物である高分子化合物Jとを、2:1の重量比で混合し、混合物の濃度が1.5重量%となるよう、o−ジクロロベンゼンに溶解させた。得られた溶液を、孔径0.5μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液2を調製した。
(有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板をオゾンUV処理して表面処理を行った。次に、PEDOT:PSS溶液(ヘレウス社製CleviosP VP AI4083)をスピンコートによりITO膜上に塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚50nmの正孔注入層を作成した。次に、前記塗布溶液1を、スピンコートによりITO膜上に塗布し、有機薄膜太陽電池の機能層を得た。機能層の膜厚は100nmであった。その後、真空蒸着機によりカルシウムを膜厚4nmで蒸着し、次いで、アルミニウムを膜厚100nmで蒸着することにより、有機薄膜太陽電池を作製した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10-3Paであった。こうして得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。光電変換効率は1.97%であり、Jsc(短絡電流密度)は4.33mA/cm2であり、Voc(開放端電圧)は1.00Vであり、FF(フィルファクター)は0.45であった。
Claims (6)
- 式(A)で表される繰り返し単位と式(B)で表される繰り返し単位とを含む高分子化合物。
〔(式(A)及び式(B)中、Rは、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、下記式(2a)で表される基、又は下記式(2b)で表される基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRは、同一であっても、相異なっていてもよい。Ar1、Ar2は、置換基を有してもよい炭素数6〜60の3価の芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよい炭素数4〜60の3価の複素環基を示す。)
(2a)
(式(2a)中、m1は、0〜6の整数を表し、m2は、0〜6の整数を表す。R’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
(2b)
(式(2b)中、m3は、0〜6の整数を表し、m4は、0〜6の整数を表す。R’’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)〕 - 式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物。
(1)
〔(式(1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、下記式(2a)で表される基、又は下記式(2b)で表される基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。複数個あるRは、同一であっても、相異なっていてもよい。)
(2a)
(式(2a)中、m1は、0〜6の整数を表し、m2は、0〜6の整数を表す。R’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
(2b)
(式(2b)中、m3は、0〜6の整数を表し、m4は、0〜6の整数を表す。R’’は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)〕 - 一対の電極と、該電極間に設けられた機能層とを有し、該機能層が電子受容性化合物と請求項1又は2に記載の高分子化合物とを含む有機光電変換素子。
- 前記機能層中に含まれる電子受容性化合物の量が、前記高分子化合物100重量部に対して、10〜1000重量部である請求項3に記載の有機光電変換素子。
- 電子受容性化合物が、フラーレン誘導体である請求項3又は4に記載の有機光電変換素子。
- ソース電極と、ドレイン電極と、有機半導体層と、ゲート電極とを備え、前記有機半導体層に請求項1又は2に記載の高分子化合物を含む有機薄膜トランジスタ。
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