JP2009215349A - 高分子化合物およびそれを用いた有機光電変換素子 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、高分子化合物およびそれを用いた有機光電変換素子に関する。
近年、有機半導体材料を有機光電変換素子(有機太陽電池、光センサー等)の活性層に用いる検討が活発に行われている。中でも、有機半導体材料として高分子化合物を用いれば、安価な塗布法で活性層を作製することができるため、有機溶媒に対する溶解性に優れる高分子化合物について様々な検討がされている。例えば、下記繰り返し単位(M)および下記繰り返し単位(N)からなる高分子化合物を有機太陽電池に用いることおよび下記繰り返し単位(M)および下記繰り返し単位(O)からなる高分子化合物を有機太陽電池に用いることが記載されている(非特許文献1)。
Synthetic Metals Vol.154, 53-56 (2005)
しかし、前記高分子化合物を有機光電変換素子に用いても、光電変換効率が必ずしも十分ではないという問題がある。
そこで、本発明は、有機光電変換素子の製造に用いた場合に優れた光電変換効率を付与しうる高分子化合物を提供することを目的とする。
本発明は第一に、式(1)で表される繰り返し単位を含み、式(2a)で表される繰り返し単位および式(2b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位とを含む高分子化合物を提供する。
(1)
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(2a) (2b)
(式(2a)、(2b)中、R5〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(1)
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(2a) (2b)
(式(2a)、(2b)中、R5〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
本発明は第二に、本発明の高分子化合物と電子受容性化合物とを含む組成物を提供する。
本発明は第三に、本発明の高分子化合物と電子供与性化合物とを含む組成物を提供する。
本発明は第四に、本発明の高分子化合物を含む有機層を有する有機光電変換素子を提供する。
本発明は第五に、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子を提供する。
本発明は第六に、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた本発明の高分子化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子を提供する。
本発明は第七に、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物および電子供与性化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子を提供する。
本発明は第八に、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物および本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子を提供する。
本発明の高分子化合物を用いれば、優れた光電変換効率を示す有機光電変換素子を製造することができるので、本発明は工業的に極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<高分子化合物>
本発明の高分子化合物は、式(1)で表される繰り返し単位を含む。式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
本発明の高分子化合物は、式(1)で表される繰り返し単位を含む。式(1)中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
式(1)中、R1、R2、R3およびR4で表されるアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキル基でもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、s−ブチル基、3−メチルブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ラウリル基等が挙げられる。前記アルキル基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当する置換基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
式(1)中、R1、R2、R3およびR4で表されるアルコキシ基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルオキシ基であってもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ラウリルオキシ基等が挙げられる。前記アルコキシ基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。該当する置換基としては、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
式(1)中、R1、R2、R3およびR4で表されるアリール基としては、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、ベンゼン環を持つもの、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリール基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは6〜48である。前記アリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基または炭素数1〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基または炭素数1〜20のシクロアルキル基をその構造中に含むアルコキシ基、式(12)で表される基があげられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。C1〜C12アルコキシフェニル基として具体的には、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n−プロピルオキシフェニル基、イソプロピルオキシフェニル基、n−ブトキシフェニル基、イソブトキシフェニル基、s−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基、n−ペンチルオキシフェニル基、n−ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、n−ヘプチルオキシフェニル基、n−オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、n−ノニルオキシフェニル基、n−デシルオキシフェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェニル基、n−ラウリルオキシフェニル基等があげられる。C1〜C12アルキルフェニル基として具体的にはメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、n−ヘプチルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−ノニルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基等があげられる。前記アリール基中の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
(12)
(式(10)中、gは1〜6の整数を表し、hは0〜5の整数を表す。)
(12)
(式(10)中、gは1〜6の整数を表し、hは0〜5の整数を表す。)
式(1)中、R1、R2、R3およびR4で表されるアリールオキシ基は、炭素数が通常6〜60程度であり、好ましくは6〜48であり、アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。C1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、n−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、n−ノニルオキシ、n−デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、n−ラウリルオキシ等が挙げられる。C1〜C12アルキルフェノキシ基として具体的にはメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、s−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−ヘプチルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−ノニルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−ドデシルフェノキシ基等が挙げられる。
式(1)中、R1、R2で表されるアリールチオ基は、芳香環上に置換基を有していてもよく、炭素数は通常6〜60程度であり、アリールチオ基の具体的としては、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、ピリジルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジルチオ基、ピラジルチオ基、トリアジルチオ基等が挙げられる。
式(1)中、R1、R2、R3およびR4で表されるアリールアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、アリールアルキル基の具体的としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基等が挙げられる。
式(1)中、R1、R2、R3およびR4で表されるアリールアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、アリールアルコキシ基の具体的としては、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基等が挙げられる。
式(1)中、R1、R2、R3およびR4で表されるアリールアルキルチオ基としては、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、アリールアルキルチオ基の具体的としては、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基等が挙げられる。
式(1)で表される繰り返し単位としては、例えば下記の繰り返し単位があげられる。
R1、R2、R3、R4は、光電変換効率の観点からは、水素原子、アルキル基であることが好ましい。
本発明の高分子化合物は、式(2a)で表される繰り返し単位および式(2b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含む。式(2a)、(2b)中R5〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。
式(2a)、(2b)中のR5〜R16で表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基およびアリールアルキルチオ基としては、前述のR1の場合と同様の基があげられる。
式(2a)で表される繰り返し単位としては、例えば下記の繰り返し単位があげられる。
式(2b)で表される繰り返し単位としては、例えば下記の繰り返し単位があげられる。
R5〜R16は、高分子化合物の溶解性の観点からは、水素原子、アルキル基であることが好ましい。
本発明の高分子化合物は、さらに式(3)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
−Ar−
(3)
(式中、Arは、アリーレン基、式(4)で表される基または2価の芳香族アミン残基を表す。)
(4)
(式中、R17〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
−Ar−
(3)
(式中、Arは、アリーレン基、式(4)で表される基または2価の芳香族アミン残基を表す。)
(4)
(式中、R17〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
ここでアリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、ベンゼン環を持つもの、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。この置換基としては、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基または炭素数1〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基または炭素数1〜20のシクロアルキル基をその構造中に含むアルコキシ基等があげられる。アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセン−ジイル基、ビフェニル−ジイル基、ターフェニル−ジイル基、フルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基等があげられる。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセン−ジイル基、ビフェニル−ジイル基、ターフェニル−ジイル基、フルオレンジイル基、ベンゾフルオレンジイル基等があげられる。
アリーレン基の中でも、有機光電変換素子に用いた場合の変換効率の観点からは、式(5)で表される基または式(6)で表される基が好ましい。
(5)
(式中、R25〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(6)
(式中、R33〜R42、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(5)
(式中、R25〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(6)
(式中、R33〜R42、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
式(5)中のR25〜R32で表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基およびアリールアルキルチオ基としては、前述のR1の場合と同様の基があげられる。
本発明の高分子化合物の有機溶媒への溶解性の観点からは、式(5)中のR25とR26の両方が、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、アルキル基またはアリール基であることがより好ましい。
式(5)で表される基としては、例えば下記の基があげられる。
式(6)中のR33〜R42で表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基およびアリールアルキルチオ基としては、前述のR1の場合と同様の基があげられる。
本発明の高分子化合物の有機溶媒への溶解性の観点からは、式(6)中のR33とR34の両方が、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、アルキル基またはアリール基であることがより好ましい。
式(6)で表される基としては、例えば下記の基があげられる。
式(4)中、R17〜R24は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基およびアリールアルキルチオ基としては、前述のR1の場合と同様の基があげられる。
本発明の高分子化合物の有機溶媒への溶解性の観点からは、式(4)中のR17およびR18は、アルキル基、アルコキシ基またはアリール基であることが好ましく、アルキル基またはアリール基であることがより好ましい。
式(4)で表される基としては、例えば下記の基があげられる。
本発明の高分子化合物が繰り返し単位として有していてもよい2価の芳香族アミン基としては、式(13−1)〜(13−8)で表される基があげられる。
(式(13−1)〜(13−8)中、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。)
式(13−1)〜(13−8)中のRで表されるアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基およびアリールアルキルチオ基としては、前述のR1の場合と同様の基があげられる。
2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
ここに複素環化合物とは、環式構造を持つ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。2価の複素環基の中では、芳香族複素環基が好ましい。2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基:ピリジンージイル基(下式101〜106)、ジアザフェニレン基(下式107〜110)、キノリンジイル基(下式111〜125)、キノキサリンジイル基(下式126〜130)、アクリジンジイル基(下式131〜134)、ビピリジルジイル基(下式135〜137)、フェナントロリンジイル基(下式138〜140)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレン、ホウ素、リンなどを含む5員環複素環基(下式141〜145)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下式146〜173)。
式(4)で表される基。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基:ピリジンージイル基(下式101〜106)、ジアザフェニレン基(下式107〜110)、キノリンジイル基(下式111〜125)、キノキサリンジイル基(下式126〜130)、アクリジンジイル基(下式131〜134)、ビピリジルジイル基(下式135〜137)、フェナントロリンジイル基(下式138〜140)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、硫黄、セレン、ホウ素、リンなどを含む5員環複素環基(下式141〜145)。
ヘテロ原子として酸素、ケイ素、窒素、セレンなどを含む5員環縮合複素基(下式146〜173)。
式(4)で表される基。
本発明の高分子化合物は、繰り返し単位として式101〜143、145〜173で表される基を有していてもよい。
本発明の高分子化合物は、式(7)で表される繰り返し単位を有していてもよい。
(7)
(式中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、アリーレン基または式(3)で表される基を表す。R1、R2、R3およびR4は、前述と同じ意味を表す。)
(7)
(式中、Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、アリーレン基または式(3)で表される基を表す。R1、R2、R3およびR4は、前述と同じ意味を表す。)
Ar1、Ar2で表されるアリーレン基としては、前述のArの場合と同様の基があげられる。
式(2)中、Ar1とAr2の組み合わせとしては、Ar1およびAr2が前記式(5)で表される基である組み合わせ、Ar1およびAr2が前記式(6)で表される基である組み合わせ、Ar1およびAr2が前記式(4)で表される基である組み合わせ、Ar1が式(5)で表される基でありAr2が式(6)で表される基である組み合わせ、Ar1が式(5)で表される基でありAr2が式(4)で表される基である組み合わせ、Ar1が式(6)で表される基でありAr2が式(4)で表される基である組み合わせ等があげられる。
本発明の高分子化合物を用いた有機光電変換素子の発光効率の観点からは、式(7)は式(8)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
(8)
(式(8)中、R25およびR26は、前述と同じ意味を表す。複数あるR25およびR26は同一であっても異なっていてもよい)
(8)
(式(8)中、R25およびR26は、前述と同じ意味を表す。複数あるR25およびR26は同一であっても異なっていてもよい)
本発明の高分子化合物が含んでいてもよい、式(1)で表される繰り返し単位、式(2a)で表される繰り返し単位、式(2b)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、式(4)で表される基、式(5)で表される基、式(6)で表される基が好ましい。
本発明の高分子化合物において、式(1)で表される繰り返し単位、式(2a)で表される繰り返し単位および式(2b)で表される繰り返し単位の合計を100とすると、式(1)で表される繰り返し単位を1〜99含み、10〜90含むことが好ましい。また、式(2a)で表される繰り返し単位および式(2b)で表される繰り返し単位の合計が99〜1含み、90〜10含むことが好ましい。
本発明の高分子化合物は、式(1)で表される繰り返し単位を有するブロックを含んでいてもよい。
本発明の高分子化合物は、式(2a)で表される繰り返し単位を有するブロックを含んでいてもよく、式(2b)で表される繰り返し単位を有するブロックを含んでいてもよい。中でも、式(9a)で表される繰り返し単位、式(9b)で表される繰り返し単位、式(10a)で表される繰り返し単位、式(10b)で表される繰り返し単位、式(11a)で表される繰り返し単位および式(11b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含むブロックを含むことが好ましい。
(9a) (9b)
(式(9a)、(9b)中、R5〜R24は前述と同じ意味を表す。)
(10a) (10b)
(式(10a)、(10b)中、R5〜R16、R25〜R32は前述と同じ意味を表す。)
(11a) (11b)
(式(11a)、(11b)中、R5〜R16、R33〜R42は前述と同じ意味を表す。)
(9a) (9b)
(式(9a)、(9b)中、R5〜R24は前述と同じ意味を表す。)
(10a) (10b)
(式(10a)、(10b)中、R5〜R16、R25〜R32は前述と同じ意味を表す。)
(11a) (11b)
(式(11a)、(11b)中、R5〜R16、R33〜R42は前述と同じ意味を表す。)
本発明の高分子化合物がブロックを含む場合、当該ブロックとしては、式(1)で表される繰り返し単位からなるブロック、式(2a)または(2b)で表される繰り返し単位からなるブロック、式(1)で表される繰り返し単位および式(1)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位からなるブロック、式(2a)または(2b)で表される繰り返し単位および式(2a)または(2b)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位からなるブロック等があげられる。式(1)で表される繰り返し単位をA、式(2a)または(2b)で表される繰り返し単位をB、前記式(1)で表される繰り返し単位および前記式(2a)または(2b)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位をCとする場合、本発明の高分子化合物に含まれるブロックの連鎖配列は、
Ak−block−Bm
Ak−block−(BC)m
(AC)k−block−Bm
(AC)k−block−(BC)m
(AC)k−block−(BC)m−block−Cn
等があげられる。なお、連鎖配列中k、mおよびnは繰り返し単位の数を表す。また、Cが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なってもよい。
Ak−block−Bm
Ak−block−(BC)m
(AC)k−block−Bm
(AC)k−block−(BC)m
(AC)k−block−(BC)m−block−Cn
等があげられる。なお、連鎖配列中k、mおよびnは繰り返し単位の数を表す。また、Cが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なってもよい。
本発明の高分子化合物が、前記式(1)で表される繰り返し単位を有するブロックを含んでいる場合、当該ブロックは、素子の光電変換効率特性、および溶解性の観点から、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×105であることが好ましく、1×104〜1×105であることがより好ましい。ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103〜1×105であることが好ましく、1×104〜1×105であることがより好ましい。
本発明の高分子化合物が、式(9a)で表される繰り返し単位、式(9b)で表される繰り返し単位、式(10a)で表される繰り返し単位、式(10b)で表される繰り返し単位、式(11a)で表される繰り返し単位および式(11b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含むブロックを含んでいる場合、当該ブロックは、素子の光電変換効率特性、および溶解性の観点から、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×105であることが好ましく、1×104〜1×105であることがより好ましい。ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103〜1×105であることが好ましく、1×104〜1×105であることがより好ましい。
本発明の高分子化合物は、素子の光電変換効率特性、有機溶媒に対する溶解性の観点から、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108であることが好ましく、1×104〜1×107であることがより好ましい。ポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103〜1×108であることが好ましく、1×104〜1×107であることがより好ましい。
本発明において、ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
また、本発明の高分子化合物は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
また、高分子化合物の末端に重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの光電変換効率が低下する可能性があるので、該高分子化合物の末端は安定な保護基で保護されていてもよい。保護基としては、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素結合を介してアリール基または複素環基と結合している構造を有するものが挙げられる。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
本発明の高分子化合物に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に高分子化合物を0.1重量%以上溶解させることができる。
<高分子化合物の製造方法>
次に本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
本発明の高分子化合物の製造方法は、具体的には、モノマーとなる、縮合重合に関与する置換基を2個有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で行うことができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Macromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
次に本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
本発明の高分子化合物の製造方法は、具体的には、モノマーとなる、縮合重合に関与する置換基を2個有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下の温度で行うことができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Macromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
本発明の高分子化合物の製造方法において、縮合重合に関与する置換基に応じて、既知の縮合反応を用いることができる。例えば該当するモノマーを、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、ゼロ価ニッケル錯体により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、または適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。これらのうち、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、およびゼロ価ニッケル錯体により重合する方法は、構造制御がしやすいので好ましい。
本発明の高分子化合物がブロック重合体である場合、該ブロック重合体の合成方法としては、例えば、高分子量の第1のブロックを合成し、ここへ第2のブロックを構成するモノマーを添加し重合する方法、あらかじめ高分子量の第1のブロックと高分子量の第2のブロックを合成し、これらを連結させる方法などがあげられる。
本発明の高分子化合物の製造方法において、縮合重合に関与する置換基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、−B(OH)2、ホルミル基、シアノ基またはビニル基等が挙げられる。
アルキルスルホ基としては、メタンスルホ基、エタンスルホ基、トリフルオロメタンスルホ基などが例示される。アリールスルホ基としては、ベンゼンスルホ基、p−トルエンスルホ基などが例示される。アリールアルキルスルホ基としては、ベンジルスルホ基などが例示される。
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2S+Me2X-、 −CH2S+Ph2X-
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。)
−CH2S+Me2X-、 −CH2S+Ph2X-
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2P+Ph3X-
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
−CH2P+Ph3X-
(式中、Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2PO(OR’)2
(式中、R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
−CH2PO(OR’)2
(式中、R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基またはヨウ化メチル基が例示される。
縮合重合に関与する置換基として好ましい置換基は重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体(Ni(0)錯体)を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基またはアリールアルキルスルホ基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホ基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル基、−B(OH)2などが挙げられる。
本発明の高分子化合物の好ましい製造方法の1つの態様は、縮合重合に関与する置換基が独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基またはアリールアルキルスルホ基から選ばれ、ゼロ価ニッケル錯体存在下で縮合重合する製造方法である。原料化合物としては、例えば、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物、ハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、およびアリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。これらのうち、原料化合物として、例えば、ハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、またはアリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物を用いることにより、シーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
また、本発明の高分子化合物の好ましい製造方法の他の態様は、縮合重合に関与する置換基が独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸基(−B(OH)2)、またはホウ酸エステル基から選ばれ、全原料化合物が有する、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基およびアリールアルキルスルホ基のモル数の合計(J)と、ホウ酸基およびホウ酸エステル基のモル数の合計(K)との比K/Jが実質的に1(通常、0.7〜1.2の範囲)であり、ニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いて縮合重合する製造方法である。具体的な原料化合物の組み合わせとしては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物またはビス(アリールアルキルスルホネート)化合物とジホウ酸化合物またはジホウ酸エステル化合物との組み合わせが挙げられる。また、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物が挙げられる。これらのうち、原料化合物として、例えば、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物を用いることにより、シーケンスを制御した高分子化合物を製造する方法が挙げられる。
反応に用いる溶媒は、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、十分に脱酸素処理を施すことが好ましい。反応は不活性雰囲気下で進行させることが好ましい。また、同様に、反応に用いる溶媒は、脱水処理を施すことが好ましい。
但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカリンなどの飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、キシレン、テトラリンなどの芳香族炭化水素、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサンなどのハロゲン化飽和炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどのエーテル類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピリジンなどのアミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルモルホリンオキシドなどのアミド類などが例示される。これらの溶媒は単一で、または混合して用いてもよい。これらの中で、エーテル類が好ましく、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルがさらに好ましい。
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリとしては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン等の有機塩基;フッ化セシウム等の無機塩が挙げられる。触媒としては、例えば、パラジウム〔テトラキス(トリフェニルホスフィン)〕、パラジウムアセテート類が挙げられる。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
本発明の高分子化合物を有機太陽電池等に用いる場合、その純度が光電変換効率等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
<組成物>
本発明の組成物の1つの態様は、前記高分子化合物と電子受容性化合物とを含む。電子受容性化合物としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、C60等のフラーレン類およびその誘導体、カーボンナノチューブ、2、9−ジメチル−4、7−ジフェニル−1、10−フェナントロリン等のフェナントロリン誘導体等が挙げられ、とりわけフラーレン類およびその誘導体が好ましい。
本発明の組成物の1つの態様は、前記高分子化合物と電子受容性化合物とを含む。電子受容性化合物としては、例えば、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、C60等のフラーレン類およびその誘導体、カーボンナノチューブ、2、9−ジメチル−4、7−ジフェニル−1、10−フェナントロリン等のフェナントロリン誘導体等が挙げられ、とりわけフラーレン類およびその誘導体が好ましい。
本発明の組成物に含まれる前記高分子化合物を100重量部とすると、電子受容性化合物の重量が10〜1000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。
フラーレン類としては、C60、C70、C84およびその誘導体が挙げられる。フラーレンの誘導体の具体的構造としては、以下のようなものが挙げられる。
本発明の組成物の他の態様は、前記高分子化合物と電子供与性化合物とを含む。電子供与性化合物としては、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体等が挙げられる。
本発明の組成物に含まれる前記高分子化合物を100重量部とすると、電子供与性化合物の重量が10〜1000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。
本発明の組成物は、さらに溶媒を含んでいてもよく、該溶媒は、本発明の組成物を溶解させるものであれば特に制限はない。この溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、t−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類溶媒等が挙げられる。本発明の組成物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
<有機光電変換素子>
本発明の有機光電変換素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物を含む層を有する。本発明の高分子化合物は、電子受容性化合物として用いることも電子供与性化合物として用いることもできるが、電子供与性化合物として用いることが好ましい。
本発明の有機光電変換素子は、少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物を含む層を有する。本発明の高分子化合物は、電子受容性化合物として用いることも電子供与性化合物として用いることもできるが、電子供与性化合物として用いることが好ましい。
次に、有機光電変換素子の動作機構を説明する。透明または半透明の電極から入射した光エネルギーが電子受容性化合物および/または電子供与性化合物で吸収され、電子とホールの結合した励起子を生成する。生成した励起子が移動して、電子受容性化合物と電子供与性化合物が隣接しているヘテロ接合界面に達すると界面でのそれぞれのHOMOエネルギーおよびLUMOエネルギーの違いにより電子とホールが分離し、独立に動くことができる電荷(電子とホール)が発生する。発生した電荷は、それぞれ電極へ移動することにより外部へ電気エネルギー(電流)として取り出すことができる。
本発明の有機光電変換素子の具体的としては、
1.一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子;
2.一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた本発明の高分子化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子;
3.一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物および電子供与性化合物を含有する有機層を少なくとも一層有する有機光電変換素子;
4.一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物および本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子;
5.一対の電極と、該電極間に設けられ電子受容性化合物および本発明の高分子化合物を含有する有機層を少なくとも一層有する有機光電変換素子であって、該電子受容性化合物がフラーレン誘導体である有機光電変換素子;
1.一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子;
2.一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた本発明の高分子化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子;
3.一対の電極と、該電極間に本発明の高分子化合物および電子供与性化合物を含有する有機層を少なくとも一層有する有機光電変換素子;
4.一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物および本発明の高分子化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子;
5.一対の電極と、該電極間に設けられ電子受容性化合物および本発明の高分子化合物を含有する有機層を少なくとも一層有する有機光電変換素子であって、該電子受容性化合物がフラーレン誘導体である有機光電変換素子;
また、前記5.の有機光電変換素子では、フラーレン誘導体および本発明の高分子化合物を含有する有機層におけるフラーレン誘導体の割合が、本発明の高分子化合物100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。
このような観点から、本発明の有機光電変換素子としては、前記3、前記4.または前記5.が好ましく、ヘテロ接合界面を多く含むという観点からは、前記5.がより好ましい。また、本発明の有機光電変換素子には、少なくとも一方の電極と該素子中の有機層との間に付加的な層を設けてもよい。付加的な層としては、例えば、ホールまたは電子を輸送する電荷輸送層が挙げられる。
本発明の高分子化合物を電子供与体として用いる場合、有機光電変換素子に好適に用いられる電子受容体は、電子受容体のHOMOエネルギーが高分子化合物のHOMOエネルギーよりも高く、かつ、電子受容体のLUMOエネルギーが高分子化合物のLUMOエネルギーよりも高くなる。また、本発明の高分子化合物を電子受容体として用いる場合、有機光電変換素子に好適に用いられる電子供与体は、電子供与体のHOMOエネルギーが高分子化合物のHOMOエネルギーよりも低く、かつ、電子供与体のLUMOエネルギーが高分子化合物のLUMOエネルギーよりも低くなる。
本発明の有機光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン等が挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明または半透明であることが好ましい。
前記の透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、電極材料として、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。さらに電極材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができ、好ましくは一対の電極のうち一方の電極は仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、またはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
前記付加的な層としての電荷輸送層、即ち、ホール輸送層、電子輸送層に用いられる材料として、それぞれ後述の電子供与性化合物、電子受容性化合物を用いることができる。付加的な層としてのバッファ層として用いられる材料としては、フッ化リチウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化物等を用いることができる。また、酸化チタン等無機半導体の微粒子を用いることもできる。
本発明の有機光電変換素子における前記有機層(本発明の高分子化合物を含有する有機層)としては、例えば、本発明の高分子化合物を含有する有機薄膜を用いることができる。
前記有機薄膜は、膜厚が、通常、1nm〜100μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。
前記有機薄膜は、本発明の高分子化合物を一種単独で含んでいても二種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、前記有機薄膜のホール輸送性を高めるため、前記有機薄膜中に電子供与性化合物および/または電子受容性化合物として、低分子化合物および/または本発明の高分子化合物以外の重合体を混合して用いることもできる。
<有機薄膜の製造方法>
前記有機薄膜の製造方法は、特に制限されず、例えば、本発明の高分子化合物を含む溶液からの成膜による方法が挙げられるが、真空蒸着法により薄膜を形成してもよい。
前記有機薄膜の製造方法は、特に制限されず、例えば、本発明の高分子化合物を含む溶液からの成膜による方法が挙げられるが、真空蒸着法により薄膜を形成してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、本発明の高分子化合物を溶解させるものであれば特に制限はない。この溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、テrt−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類系溶媒等が挙げられる。本発明の高分子化合物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
<素子の用途>
有機光電変換素子は、透明または半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
有機光電変換素子は、透明または半透明の電極から太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態で、透明または半透明の電極から光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例において、重合体の分子量は、島津製作所製GPC(商品名:LC−10Avp)またはGPCラボラトリー製GPC(PL−GPC2000)により、ポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。LC−10Avpにて測定する場合、重合体を約0.5重量%の濃度となるようにテトラヒドロフランに溶解させ、GPCに50μL注入した。GPCの移動相は、テトラヒドロフランを用い、0.6mL/分の流速で流した。カラムは、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本と、TSKgel SuperH2000(東ソー製)1本とを直列に繋げた。検出器には、示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いた。PL−GPC2000にて測定する場合、重合体を約1重量%の濃度となるようにo−ジクロロベンゼンに溶解させた。GPCの移動相はo−ジクロロベンゼンを用い、測定温度140℃で、1mL/分の流速で流した。カラムは、PLGEL 10μm MIXED−B(PLラボラトリー製)を3本直列で繋げた。
合成例1
(モノマー化合物Aの合成)
3、4−ジ−n−ヘキシルチオフェン(化合物A−2)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した3L3口フラスコに3、4−ジブロモチオフェン(化合物A−1)(100g、413mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)(Ni(dppp)Cl2)(2.2g、0.4mmol)、および無水ジエチルエーテル800mlを仕込み、0℃まで冷却後、滴下ロートを用いて1.0M n−ヘキシルマグネシウムブロミド910ml(910mmol)を30分以上かけて滴下した。滴下終了後、室温まで昇温し、4時間攪拌した。反応終了後、注意深く反応液を3L氷水中にあけ、クロロホルム1000mlで3回抽出し、飽和食塩水1000mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた液体をカラムクロマト(展開液ヘキサン)にて精製することで、目的物である3、4−ジ−n−ヘキシルチオフェン(化合物A−2)を95.6g(収率92%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 0.90(t、6H)、1,30−1,50(m、12H)、1.50−1,66(m、4H)、2.52(t、4H)、6.89(s、2H)
(モノマー化合物Aの合成)
3、4−ジ−n−ヘキシルチオフェン(化合物A−2)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した3L3口フラスコに3、4−ジブロモチオフェン(化合物A−1)(100g、413mmol)、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]ニッケル(II)(Ni(dppp)Cl2)(2.2g、0.4mmol)、および無水ジエチルエーテル800mlを仕込み、0℃まで冷却後、滴下ロートを用いて1.0M n−ヘキシルマグネシウムブロミド910ml(910mmol)を30分以上かけて滴下した。滴下終了後、室温まで昇温し、4時間攪拌した。反応終了後、注意深く反応液を3L氷水中にあけ、クロロホルム1000mlで3回抽出し、飽和食塩水1000mlで洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。得られた液体をカラムクロマト(展開液ヘキサン)にて精製することで、目的物である3、4−ジ−n−ヘキシルチオフェン(化合物A−2)を95.6g(収率92%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 0.90(t、6H)、1,30−1,50(m、12H)、1.50−1,66(m、4H)、2.52(t、4H)、6.89(s、2H)
スズ化合物(化合物A−3)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコに3、4−ジ−n−ヘキシルチオフェン(化合物A−2)(20.9 g、77.0mmol)、無水ジエチルエーテル150mlを仕込み、室温にて滴下ロートを用いて1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液54.9ml(87.8 mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後さらに30分攪拌し、40℃に昇温してさらに30分攪拌した。−70℃まで冷却後、塩化トリブチルスズ(32.5g(GLC91.5%品)、91.0mol)を滴下し、室温にて12時間攪拌した。10%フッ化カリウム水溶液500ml中にあけ、5時間メカニカルスターラーで強攪拌する。セライトろ過後、反応液をヘキサン200mlで2回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、目的のスズ化合物(化合物A−3)の粗体を得た(34.2g、HPLC面百値92.4%)。本粗体を精製することなくそのまま次工程に使用した。
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコに3、4−ジ−n−ヘキシルチオフェン(化合物A−2)(20.9 g、77.0mmol)、無水ジエチルエーテル150mlを仕込み、室温にて滴下ロートを用いて1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液54.9ml(87.8 mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後さらに30分攪拌し、40℃に昇温してさらに30分攪拌した。−70℃まで冷却後、塩化トリブチルスズ(32.5g(GLC91.5%品)、91.0mol)を滴下し、室温にて12時間攪拌した。10%フッ化カリウム水溶液500ml中にあけ、5時間メカニカルスターラーで強攪拌する。セライトろ過後、反応液をヘキサン200mlで2回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、目的のスズ化合物(化合物A−3)の粗体を得た(34.2g、HPLC面百値92.4%)。本粗体を精製することなくそのまま次工程に使用した。
化合物A−5の合成
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコにスズ化合物(化合物A−3)(30.1g)、および2、5−ジブロモ−3、4−ジニトロチオフェン(化合物A−4)(8.0g、24.1mol)とジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)(PdCl2(PPh3)2)(0.83g、1.2mmol)、および無水テトラヒドロフラン200mlを仕込み、16時間加熱還流攪拌した。放冷後10%フッ化カリウム水溶液200mlを加え、8時間室温にて攪拌した。攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を分液後、油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮することで粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製することで目的物(化合物A−5)を7.4g(収率45.4%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 0.80−0.95(m、12H)、1.10−1.75(m、32H)、2.61(t、4H)、2.78(t、4H)、7.02(s、2H)
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコにスズ化合物(化合物A−3)(30.1g)、および2、5−ジブロモ−3、4−ジニトロチオフェン(化合物A−4)(8.0g、24.1mol)とジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)(PdCl2(PPh3)2)(0.83g、1.2mmol)、および無水テトラヒドロフラン200mlを仕込み、16時間加熱還流攪拌した。放冷後10%フッ化カリウム水溶液200mlを加え、8時間室温にて攪拌した。攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を分液後、油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮することで粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製することで目的物(化合物A−5)を7.4g(収率45.4%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 0.80−0.95(m、12H)、1.10−1.75(m、32H)、2.61(t、4H)、2.78(t、4H)、7.02(s、2H)
化合物A−6の合成
窒素雰囲気下、500ml3口フラスコにジニトロ体(化合物A−5)( 7.2g、10.7mmol)、エタノール30mlおよび濃塩酸60mlを室温下にて仕込み、そこへ無水塩化スズ(II)52.0g(274mmol)をエタノール60mlに溶解した液を滴下した。30℃にて18時間攪拌後、冷25%水酸化ナトリウム水溶液200ml中にあけ、トルエン100mlを加え、メカニカルスターラーを用いよく振り混ぜた後、セライトろ過した。ろ液を分液後、水層を再度トルエン100mlで抽出し、油層を合わせ、飽和食塩水100mlで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去することで粗ジアミノ体を得た。これにメタノール200mlを加え、そこへ2、3−ジヒドロキシ−1、4−ジオキサン(5.0g、41.6mmol)を加え、60℃で4時間加熱攪拌した。攪拌後溶媒を減圧下留去することで、目的物粗体を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製することで目的物(化合物A−6)を1.9g得た(収率27.7%)。
1H−NMR(400MHz/CDCl3):
δ 0.80−0.95(m、12H)、1.10−1.75(m、32H)、2.61(t、4H)、2.78(t、4H)、7.12(s、2H)、8.53(m、2H)
窒素雰囲気下、500ml3口フラスコにジニトロ体(化合物A−5)( 7.2g、10.7mmol)、エタノール30mlおよび濃塩酸60mlを室温下にて仕込み、そこへ無水塩化スズ(II)52.0g(274mmol)をエタノール60mlに溶解した液を滴下した。30℃にて18時間攪拌後、冷25%水酸化ナトリウム水溶液200ml中にあけ、トルエン100mlを加え、メカニカルスターラーを用いよく振り混ぜた後、セライトろ過した。ろ液を分液後、水層を再度トルエン100mlで抽出し、油層を合わせ、飽和食塩水100mlで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去することで粗ジアミノ体を得た。これにメタノール200mlを加え、そこへ2、3−ジヒドロキシ−1、4−ジオキサン(5.0g、41.6mmol)を加え、60℃で4時間加熱攪拌した。攪拌後溶媒を減圧下留去することで、目的物粗体を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製することで目的物(化合物A−6)を1.9g得た(収率27.7%)。
1H−NMR(400MHz/CDCl3):
δ 0.80−0.95(m、12H)、1.10−1.75(m、32H)、2.61(t、4H)、2.78(t、4H)、7.12(s、2H)、8.53(m、2H)
化合物A−7の合成
窒素雰囲気下、300ml3口フラスコに化合物A−6( 1.5g、2.35mmol)およびクロロホルム100mlを仕込み、−10℃まで冷却後、N−ブロモスクシンイミド(0.86g、4.83mol)を30分かけてすこしずつ加えた。添加後2時間攪拌し、HPLCにて原料およびモノブロム体の消失を確認した後、反応液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液100ml中にあけ、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、目的物粗体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製し、得られた固体をさらにクロロホルム/メタノールで再結晶することで目的物(化合物A−7)を1.7g得た(収率72.5%)。これをモノマー化合物Aと呼ぶ。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 0.70−0.9(m、12H)、1.00−1.65(m、32H)、2.50−2.65(t、4H)、2.65−2.88(t、4H)、8.54(m、2H)
窒素雰囲気下、300ml3口フラスコに化合物A−6( 1.5g、2.35mmol)およびクロロホルム100mlを仕込み、−10℃まで冷却後、N−ブロモスクシンイミド(0.86g、4.83mol)を30分かけてすこしずつ加えた。添加後2時間攪拌し、HPLCにて原料およびモノブロム体の消失を確認した後、反応液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液100ml中にあけ、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、目的物粗体を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製し、得られた固体をさらにクロロホルム/メタノールで再結晶することで目的物(化合物A−7)を1.7g得た(収率72.5%)。これをモノマー化合物Aと呼ぶ。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 0.70−0.9(m、12H)、1.00−1.65(m、32H)、2.50−2.65(t、4H)、2.65−2.88(t、4H)、8.54(m、2H)
合成例2
(モノマー化合物Bの合成)
化合物B−2の合成
窒素雰囲気かつ遮光下、1L3口フラスコに3−n−ヘキシルチオフェン(化合物B−1)(21.4g、127mmol)をN、N―ジメチルホルムアミド200mlで溶解、仕込攪拌した。そこへ滴下ロートを使用してN−ブロムスクシンイミド(22.6g、127mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド100 mlで調製した溶液を30分以上かけて滴下した。室温にて12時間攪拌した後、反応液を1Lの水中にあけ、ジエチルエーテル150 mlで3回抽出し、抽出油層を飽和食塩水200 mlで2回および水200mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧下留去することで、目的物である2−ブロモ−3−n−ヘキシルチオフェン(化合物B−2)を28.2g(114mmol、収率90%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.95(m、6H)、1.20−1.40(m、12H)、1.50−1.65(m、4H)、2.56(t、4H)、6.79(d、2H)、7.18(d、2H)
(モノマー化合物Bの合成)
化合物B−2の合成
窒素雰囲気かつ遮光下、1L3口フラスコに3−n−ヘキシルチオフェン(化合物B−1)(21.4g、127mmol)をN、N―ジメチルホルムアミド200mlで溶解、仕込攪拌した。そこへ滴下ロートを使用してN−ブロムスクシンイミド(22.6g、127mmol)をN、N−ジメチルホルムアミド100 mlで調製した溶液を30分以上かけて滴下した。室温にて12時間攪拌した後、反応液を1Lの水中にあけ、ジエチルエーテル150 mlで3回抽出し、抽出油層を飽和食塩水200 mlで2回および水200mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧下留去することで、目的物である2−ブロモ−3−n−ヘキシルチオフェン(化合物B−2)を28.2g(114mmol、収率90%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.95(m、6H)、1.20−1.40(m、12H)、1.50−1.65(m、4H)、2.56(t、4H)、6.79(d、2H)、7.18(d、2H)
化合物B−3の合成
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した3口フラスコに粒状マグネシウム( 3.4 g、140mmol)、2−ブロモ−3−n−ヘキシルチオフェン(化合物B−2)(27.0g、109mmol)、および無水テトラヒドロフラン500mlを仕込み、8時間加熱還流した。その後室温まで冷却し、塩化トリブチルスズ(39g、120mmol)を加え、さらに室温にて12時間攪拌した。10%フッ化カリウム水溶液500ml中にあけ、5時間メカニカルスターラーで強攪拌する。ヘキサン300mlで2回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、目的スズ化合物(化合物B−3)の粗体を得た(42.3g、HPLC面百値純度95.7%)。本粗体を精製することなくそのまま次工程に使用した。
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した3口フラスコに粒状マグネシウム( 3.4 g、140mmol)、2−ブロモ−3−n−ヘキシルチオフェン(化合物B−2)(27.0g、109mmol)、および無水テトラヒドロフラン500mlを仕込み、8時間加熱還流した。その後室温まで冷却し、塩化トリブチルスズ(39g、120mmol)を加え、さらに室温にて12時間攪拌した。10%フッ化カリウム水溶液500ml中にあけ、5時間メカニカルスターラーで強攪拌する。ヘキサン300mlで2回抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、目的スズ化合物(化合物B−3)の粗体を得た(42.3g、HPLC面百値純度95.7%)。本粗体を精製することなくそのまま次工程に使用した。
ジニトロ化合物(化合物B−5)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコにスズ化合物(化合物B−3)(40.0g、HPLC面百値純度95.7%)、2、5−ジブロモ−3、4−ジニトロチオフェン(化合物B−4)(11.7g,35.2mmol)、PdCl2(PPh3)2(1.20g,1.70mmol)、および無水テトラヒドロフラン200mlを仕込み、16時間加熱還流攪拌した。放冷後10%フッ化カリウム水溶液200mlを加え、8時間室温にて攪拌した。攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を分液後、油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮することで粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製することで目的物(化合物B−5)を13.0g(収率72.9%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.95(m、6H)、1.20−1.40(m、12H)、1.50−1.70(m、4H)、2.59(t、4H)、7.03(d、2H)、7.49(d、2H)
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコにスズ化合物(化合物B−3)(40.0g、HPLC面百値純度95.7%)、2、5−ジブロモ−3、4−ジニトロチオフェン(化合物B−4)(11.7g,35.2mmol)、PdCl2(PPh3)2(1.20g,1.70mmol)、および無水テトラヒドロフラン200mlを仕込み、16時間加熱還流攪拌した。放冷後10%フッ化カリウム水溶液200mlを加え、8時間室温にて攪拌した。攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を分液後、油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮することで粗生成物を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/クロロホルム=10/1(体積比))にて精製することで目的物(化合物B−5)を13.0g(収率72.9%)得た。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.95(m、6H)、1.20−1.40(m、12H)、1.50−1.70(m、4H)、2.59(t、4H)、7.03(d、2H)、7.49(d、2H)
化合物B−6の合成
窒素雰囲気下、1L3口フラスコにジニトロ体(化合物B−5)(13.0g、25.7mmol)、エタノール30mlおよび濃塩酸60mlを室温下にて仕込み、そこへ無水塩化スズ(II)48.8g(257mmol)をエタノール60mlに溶解し調製した液を滴下ロートにて滴下した。30℃にて18時間攪拌後、冷25%水酸化ナトリウム水溶液200ml中にあけ、トルエン100mlを加え、よく振り混ぜた後、セライトろ過した。ろ液を分液後、水層を再度トルエン100mlで抽出し、油層を合わせ、飽和食塩水100mlで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去することで粗ジアミノ体を得た。これをメタノール200mlに溶解し、そこへ2、3−ジヒドロキシ−1、4−ジオキサン13.6g(113 mmol)を加え、60℃で4時間加熱攪拌した。攪拌後反応液スラリーをろ過し、目的物粗体結晶を得た。これをクロロホルム/メタノールにて再結晶することで目的物(化合物B−6)を6.7g得た(収率55.6%)。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.90(m、6H)、1.20−1.45(m、12H)、1.60−1.75(m、4H)、2.86(t、4H)、7.05(d、2H)、7.41(d、2H)、8.55(s、2H)
窒素雰囲気下、1L3口フラスコにジニトロ体(化合物B−5)(13.0g、25.7mmol)、エタノール30mlおよび濃塩酸60mlを室温下にて仕込み、そこへ無水塩化スズ(II)48.8g(257mmol)をエタノール60mlに溶解し調製した液を滴下ロートにて滴下した。30℃にて18時間攪拌後、冷25%水酸化ナトリウム水溶液200ml中にあけ、トルエン100mlを加え、よく振り混ぜた後、セライトろ過した。ろ液を分液後、水層を再度トルエン100mlで抽出し、油層を合わせ、飽和食塩水100mlで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去することで粗ジアミノ体を得た。これをメタノール200mlに溶解し、そこへ2、3−ジヒドロキシ−1、4−ジオキサン13.6g(113 mmol)を加え、60℃で4時間加熱攪拌した。攪拌後反応液スラリーをろ過し、目的物粗体結晶を得た。これをクロロホルム/メタノールにて再結晶することで目的物(化合物B−6)を6.7g得た(収率55.6%)。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.90(m、6H)、1.20−1.45(m、12H)、1.60−1.75(m、4H)、2.86(t、4H)、7.05(d、2H)、7.41(d、2H)、8.55(s、2H)
化合物(化合物B−7)の合成
窒素雰囲気下、500ml3口フラスコに化合物(化合物B−6)(6.2 g、13.2mmol)およびクロロホルム100mlを仕込み、−10℃まで冷却後、N−ブロモスクシンイミド(4.8g、27.0mol)を30分かけてすこしずつ加えた。添加後2時間攪拌し、HPLCにて原料およびモノブロム体の消失を確認した後、反応液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液100ml中にあけ、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、反応粗体を得た。これをクロロホルム/メタノールで再結晶することで目的物(化合物B−7)を7.3g得た(収率88.0%)。これをモノマー化合物Bと呼ぶ。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.95(m、6H)、1.20−1.45(m、12H)、1.60−1.75(m、4H)、2.82(t、4H)、6.99(s、2H)、8.55(s、2H)
窒素雰囲気下、500ml3口フラスコに化合物(化合物B−6)(6.2 g、13.2mmol)およびクロロホルム100mlを仕込み、−10℃まで冷却後、N−ブロモスクシンイミド(4.8g、27.0mol)を30分かけてすこしずつ加えた。添加後2時間攪拌し、HPLCにて原料およびモノブロム体の消失を確認した後、反応液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液100ml中にあけ、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、反応粗体を得た。これをクロロホルム/メタノールで再結晶することで目的物(化合物B−7)を7.3g得た(収率88.0%)。これをモノマー化合物Bと呼ぶ。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ 1.80−1.95(m、6H)、1.20−1.45(m、12H)、1.60−1.75(m、4H)、2.82(t、4H)、6.99(s、2H)、8.55(s、2H)
合成例3
(モノマー化合物Cの合成)
化合物C−2の合成
窒素雰囲気下、500ml 3口フラスコに100ml濃硫酸と100ml発煙硝酸(d 1.52)の混酸を仕込み、0℃に冷却、メカニカルスターラーにて攪拌した。そこへジブロモ体(化合物C−1)(14.0 g、47.6mmol)を内温0〜5℃に保ちながら30分以上かけ少しずつ加えた。添加後、室温まで昇温しさらに2時間攪拌後、500ml氷水中に注意しながらあけ、軽く攪拌した。生成した沈殿物をろ取し、室温にて水洗後20torr、80℃にて減圧乾燥することで粗体を得た。これをトルエン/エタノールで再結晶することで ジニトロ体(化合物C−2)を得た(7.85g、収率42.9%)。
(モノマー化合物Cの合成)
化合物C−2の合成
窒素雰囲気下、500ml 3口フラスコに100ml濃硫酸と100ml発煙硝酸(d 1.52)の混酸を仕込み、0℃に冷却、メカニカルスターラーにて攪拌した。そこへジブロモ体(化合物C−1)(14.0 g、47.6mmol)を内温0〜5℃に保ちながら30分以上かけ少しずつ加えた。添加後、室温まで昇温しさらに2時間攪拌後、500ml氷水中に注意しながらあけ、軽く攪拌した。生成した沈殿物をろ取し、室温にて水洗後20torr、80℃にて減圧乾燥することで粗体を得た。これをトルエン/エタノールで再結晶することで ジニトロ体(化合物C−2)を得た(7.85g、収率42.9%)。
カップリング体(化合物C−3)の合成
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコに2-チエニル-トリブチルスタンナン(18.3g、49.0mmol)、ジニトロ体(化合物C−2)(7.85g、20.4mmol)、PdCl2(PPh3)2(0.40g、0.6mmol)、および無水テトラヒドロフラン200mlを仕込み、16時間加熱還流攪拌した。放冷後10%フッ化カリウム水溶液200mlを加え、8時間室温にて攪拌した。攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を分液後、油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮することで粗生成物を得た。これをトルエン/メタノールで再結晶することで目的物(化合物C−3)を得た(6.81g、17.4mmol、収率85.5%)。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ7.24(dd、2H)、7.52(dd、2H)、7.74(dd、2H)
窒素雰囲気下、ジムロートコンデンサーを装着した1L3口フラスコに2-チエニル-トリブチルスタンナン(18.3g、49.0mmol)、ジニトロ体(化合物C−2)(7.85g、20.4mmol)、PdCl2(PPh3)2(0.40g、0.6mmol)、および無水テトラヒドロフラン200mlを仕込み、16時間加熱還流攪拌した。放冷後10%フッ化カリウム水溶液200mlを加え、8時間室温にて攪拌した。攪拌後、反応液をセライトろ過し、ろ液を分液後、油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮することで粗生成物を得た。これをトルエン/メタノールで再結晶することで目的物(化合物C−3)を得た(6.81g、17.4mmol、収率85.5%)。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ7.24(dd、2H)、7.52(dd、2H)、7.74(dd、2H)
化合物(化合物C−4)の合成
窒素雰囲気下、500ml3口フラスコにジニトロ体(化合物C−3)(6.60g、16.9mmol)、酢酸300mlを室温下にて仕込み、そこへ鉄粉11.3g(202mmol)を入れ。30℃にて4時間攪拌後、冷5%水酸化ナトリウム水溶液500ml中にあけ、ジエチルエーテル200mlずつ使用し2回抽出、有機層を飽和食塩水200mlで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去することで粗ジアミノ体を4.50g得た。この内、1.80gを再度酢酸50mlに溶解し、そこへ7,8−テトラデカンジオン1.29g(5.70 mmol)を加え、60℃で4時間加熱攪拌した。攪拌後室温まで冷却し、反応液スラリーをろ過し、目的物粗体結晶を得た。これをクロロホルム/メタノールにて再結晶を3回繰り返すことで目的物(化合物C−6)を得た(1.73g、3.32mmol)。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ0.93(t、6H)、1.30−1.60(m、12H)、2.07(m、4H)、3.14(t、4H)、7.31(dd、2H)、7.65(dd、2H)、8.98(dd、2H)
窒素雰囲気下、500ml3口フラスコにジニトロ体(化合物C−3)(6.60g、16.9mmol)、酢酸300mlを室温下にて仕込み、そこへ鉄粉11.3g(202mmol)を入れ。30℃にて4時間攪拌後、冷5%水酸化ナトリウム水溶液500ml中にあけ、ジエチルエーテル200mlずつ使用し2回抽出、有機層を飽和食塩水200mlで洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去することで粗ジアミノ体を4.50g得た。この内、1.80gを再度酢酸50mlに溶解し、そこへ7,8−テトラデカンジオン1.29g(5.70 mmol)を加え、60℃で4時間加熱攪拌した。攪拌後室温まで冷却し、反応液スラリーをろ過し、目的物粗体結晶を得た。これをクロロホルム/メタノールにて再結晶を3回繰り返すことで目的物(化合物C−6)を得た(1.73g、3.32mmol)。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ0.93(t、6H)、1.30−1.60(m、12H)、2.07(m、4H)、3.14(t、4H)、7.31(dd、2H)、7.65(dd、2H)、8.98(dd、2H)
化合物C−5の合成
窒素雰囲気下、300mlフラスコに化合物C−4(1.40 g、2.69mmol)およびクロロホルム100mlを仕込み、−10℃まで冷却後、N−ブロモスクシンイミド(0.95g、5.33mmol)を加えた。添加後2時間攪拌し、さらにN−ブロモスクシンイミドを0.1g追加した。2時間攪拌後に反応液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液100ml中にあけ、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、反応粗体を得た。これをクロロホルム/メタノールで再結晶を4回繰り返すことで目的物(化合物C−5)を得た(1.35g、1.99mmol、収率74.0%)。これを化合物Cと呼ぶ。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ0.97(t、6H)、1.30−1.60(m、12H)、1.97(m、4H)、2.96(t、4H)、7.17(d、2H)、8.76(d、2H)
窒素雰囲気下、300mlフラスコに化合物C−4(1.40 g、2.69mmol)およびクロロホルム100mlを仕込み、−10℃まで冷却後、N−ブロモスクシンイミド(0.95g、5.33mmol)を加えた。添加後2時間攪拌し、さらにN−ブロモスクシンイミドを0.1g追加した。2時間攪拌後に反応液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液100ml中にあけ、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去することで、反応粗体を得た。これをクロロホルム/メタノールで再結晶を4回繰り返すことで目的物(化合物C−5)を得た(1.35g、1.99mmol、収率74.0%)。これを化合物Cと呼ぶ。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ0.97(t、6H)、1.30−1.60(m、12H)、1.97(m、4H)、2.96(t、4H)、7.17(d、2H)、8.76(d、2H)
<実施例1>
(高分子化合物1の合成)
化合物D 0.402gと化合物E 0.263gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.38gと、酢酸パラジウム(II) 1.4mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 8.1mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 15mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 4mlを滴下した後、昇温し、3.5時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
(高分子化合物1の合成)
化合物D 0.402gと化合物E 0.263gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.38gと、酢酸パラジウム(II) 1.4mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 8.1mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 15mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 4mlを滴下した後、昇温し、3.5時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
前記反応溶液を室温まで冷却した後、この反応溶液に、予め別のアルゴンガスで置換した容器に用意しておいた下記溶液(Sol.D)を加えた。
<溶液(Sol.D)>
化合物D 0.149gと、化合物A 0.159gと、酢酸パラジウム(II) 0.9mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 5.3mgとを、脱気したトルエン 10mlに溶解した溶液。
次に、前記反応溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 2mlを滴下した後、昇温し、3.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
<溶液(Sol.D)>
化合物D 0.149gと、化合物A 0.159gと、酢酸パラジウム(II) 0.9mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 5.3mgとを、脱気したトルエン 10mlに溶解した溶液。
次に、前記反応溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 2mlを滴下した後、昇温し、3.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、前記反応溶液を50℃付近まで冷却した後、この反応溶液に、フェニルホウ酸0.17g/テトラヒドロフラン0.5ml混合溶液を加え、昇温し、4.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、前記反応溶液を室温付近まで冷却した後、この反応溶液にトルエン40mlを加えた。得られた反応溶液を静置し、分液したトルエン溶液を回収した。次いで、得られたトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。得られたトルエン溶液をろ過して、不溶物を除去した後、アルミナカラムに通して精製した。次に、得られたトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物1」という)0.39gを得た。高分子化合物1のポリスチレン換算の重量平均分子量は6.9×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は2.8×104であった。
<実施例2>
(高分子化合物2の合成)
化合物D 0.721gと化合物E 0.519gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.45gと、酢酸パラジウム(II) 2.7mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 14.7mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 40mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 8mlを滴下した後、昇温し、3.0時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
(高分子化合物2の合成)
化合物D 0.721gと化合物E 0.519gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.45gと、酢酸パラジウム(II) 2.7mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 14.7mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 40mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 8mlを滴下した後、昇温し、3.0時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
当該反応溶液中には、式(F)で表される繰り返し単位からなる重合体が含まれている。
当該重合体は、繰り返し単位として式(G)を含んでいる。
当該重合体は、繰り返し単位として式(G)を含んでいる。
前記反応溶液を室温まで冷却した後、この反応溶液に、予め別のアルゴンガスで置換した容器に用意しておいた下記溶液(Sol.E)を加えた。
<溶液(Sol.E)>
化合物D 0.339gと、化合物B 0.251gと、酢酸パラジウム(II) 1.3mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 7.4mgとを、脱気したトルエン 15mlに溶解した溶液。
次に、前記反応溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 3mlを滴下した後、昇温し、3.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
<溶液(Sol.E)>
化合物D 0.339gと、化合物B 0.251gと、酢酸パラジウム(II) 1.3mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 7.4mgとを、脱気したトルエン 15mlに溶解した溶液。
次に、前記反応溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 3mlを滴下した後、昇温し、3.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、前記反応溶液を50℃付近まで冷却した後、この反応溶液に、フェニルホウ酸0.25g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、昇温し、2時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、前記反応溶液を室温付近まで冷却した後、この反応溶液にトルエンを加えた。得られた反応溶液を静置し、分液したトルエン層を回収した。次いで、得られたトルエン層をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。得られたトルエン溶液をろ過して、不溶物を除去した後、アルミナカラムに通して精製した。次に、得られたトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物2」という)0.73gを得た。高分子化合物3のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.0×105であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は4.1×104であった。
<実施例3>
(高分子化合物3の合成)
化合物D 0.721gと化合物E 0.519gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.48gと、酢酸パラジウム(II) 2.2mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 11.5mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 40mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 8mlを滴下した後、昇温し、12時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
(高分子化合物3の合成)
化合物D 0.721gと化合物E 0.519gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.48gと、酢酸パラジウム(II) 2.2mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 11.5mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 40mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 8mlを滴下した後、昇温し、12時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
当該反応溶液中には、式(F)で表される繰り返し単位からなる重合体が含まれている。
当該重合体は、繰り返し単位として式(G)を含んでいる。
当該重合体は、繰り返し単位として式(G)を含んでいる。
前記反応溶液を室温まで冷却した後、この反応溶液に、予め別のアルゴンガスで置換した容器に用意しておいた、下記溶液(Sol.F)を加えた。
<溶液(Sol.F)>
化合物D 0.339gと、化合物C 0.271gと、酢酸パラジウム(II) 0.9mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 5.1mgとを、脱気したトルエン 20mlに溶解した溶液。
次に、前記反応溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 3mlを滴下した後、昇温し、4.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
<溶液(Sol.F)>
化合物D 0.339gと、化合物C 0.271gと、酢酸パラジウム(II) 0.9mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 5.1mgとを、脱気したトルエン 20mlに溶解した溶液。
次に、前記反応溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 3mlを滴下した後、昇温し、4.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、前記反応溶液を50℃付近まで冷却した後、この反応溶液に、フェニルホウ酸0.30g/テトラヒドロフラン1.0ml混合溶液を加え、昇温し、2時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、前記反応溶液を室温付近まで冷却した後、この反応溶液にトルエン40mlを加えた。得られた反応溶液を静置し、分液したトルエン層を回収した。次いで、得られたトルエン層をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、クロロホルム溶解した。得られたクロロホルム溶液をろ過して、不溶物を除去した後、アルミナカラムに通して精製した。次に、得られたクロロホルム溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物3」という)0.05gを得た。高分子化合物3のポリスチレン換算の重量平均分子量は2.0×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は8.8×103であった。
<合成例4>
(高分子化合物4の合成)
化合物D 0.268gと化合物A 0.392gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.37gと、酢酸パラジウム(II) 1.8mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 9.2mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 15mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 5mlを滴下した後、昇温し、7.5時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
(高分子化合物4の合成)
化合物D 0.268gと化合物A 0.392gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.37gと、酢酸パラジウム(II) 1.8mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 9.2mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 15mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 5mlを滴下した後、昇温し、7.5時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、前記反応溶液を50℃付近まで冷却した後、この反応溶液に、フェニルホウ酸0.17g/テトラヒドロフラン0.5ml混合溶液を加え、昇温し、4.5時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、前記反応溶液を室温付近まで冷却した後、この反応溶液にトルエン20mlを加えた。得られた反応溶液を静置し、分液したトルエン溶液を回収した。次いで、得られたトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。得られたトルエン溶液をろ過して、不溶物を除去した後、アルミナカラムに通して精製した。次に、得られたトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物4」という)0.31gを得た。高分子化合物4のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.9×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は1.0×104であった。
<合成例5>
(高分子化合物5の合成)
化合物D 0.530gと化合物B 0.626gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.25gと、酢酸パラジウム(II) 2.3mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 11.4mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 60mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 5mlを滴下した後、昇温し、3.0時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
(高分子化合物5の合成)
化合物D 0.530gと化合物B 0.626gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.25gと、酢酸パラジウム(II) 2.3mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 11.4mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 60mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 5mlを滴下した後、昇温し、3.0時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、前記反応溶液を50℃付近まで冷却した後、この反応溶液に、フェニルホウ酸0.16g/テトラヒドロフラン0.5ml混合溶液を加え、昇温し、6時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、前記反応溶液を室温付近まで冷却した後、得られた反応溶液を静置し、分液したトルエン層(不溶物含)を回収した。次いで、得られたトルエン層をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、トルエンに溶解した。得られたトルエン溶液をろ過して、不溶物を除去した後、アルミナカラムに通して精製した。次に、得られたトルエン溶液をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物5」という)0.01gを得た。高分子化合物5のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.1×104であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は7.4×103であった。
<合成例6>
(高分子化合物6の合成)
化合物D 0.530gと化合物C 0.679gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.23gと、酢酸パラジウム(II) 2.2mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 11.0mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 40mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 5mlを滴下した後、昇温し、12時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
(高分子化合物6の合成)
化合物D 0.530gと化合物C 0.679gと、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml,25℃、trademark of Henkel Corporation)0.23gと、酢酸パラジウム(II) 2.2mgと、トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン 11.0mgとを反応容器に仕込み、反応容器内をアルゴンガスで十分置換した。この反応容器に、予めアルゴンガスをバブリングして脱気したトルエン 40mlを加えた。次に、この溶液に、予めアルゴンガスでバブリングして脱気した16.7重量%炭酸ナトリウム水溶液 5mlを滴下した後、昇温し、12時間還流した。なお、反応はアルゴンガス雰囲気下で行った。
次に、前記反応溶液を50℃付近まで冷却した後、この反応溶液に、フェニルホウ酸0.15g/テトラヒドロフラン0.45ml混合溶液を加え、昇温し、6時間還流した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気下で行った。
反応終了後、前記反応溶液を室温付近まで冷却した後、この反応溶液にトルエン70mlを加えた。得られた反応溶液を静置し、分液したトルエン層(不溶物含)を回収した。次いで、得られたトルエン層をメタノール中に注ぎ込み、再沈し、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥した後、クロロホルム溶解した。得られたクロロホルム溶液をろ過して、不溶物を除去した後、アルミナカラムに通して精製した。次に、得られたクロロホルム溶液から減圧下、溶媒を留去して、生成した沈殿を回収した。この沈殿をメタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、重合体(以下、この重合体を「高分子化合物6」という)0.01gを得た。高分子化合物6のポリスチレン換算の重量平均分子量は3.3×103であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は3.6×103であった。
実施例4
(有機薄膜太陽電池の作製、評価)
電子供与体として高分子化合物1を0.75%(重量%)の濃度でo−ジクロロベンゼンに溶解させた。その後、高分子化合物1の重量に対して3倍重量のPCBM(Phenyl C61-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製、商品名E100)を電子受容体として溶液に混合した。ついで、1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液を作製した。
(有機薄膜太陽電池の作製、評価)
電子供与体として高分子化合物1を0.75%(重量%)の濃度でo−ジクロロベンゼンに溶解させた。その後、高分子化合物1の重量に対して3倍重量のPCBM(Phenyl C61-butyric acid methyl ester、フロンティアカーボン社製、商品名E100)を電子受容体として溶液に混合した。ついで、1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液を作製した。
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板をオゾンUV処理して表面処理を行った。次に、前記塗布液を用い、スピンコートにより塗布し、有機薄膜太陽電池の活性層(膜厚約100nm)を得た。その後、真空蒸着機によりフッ化リチウムを4nm次いでAlを100nm蒸着した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10-3Paであった。また、得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正四角形であった。得られた有機薄膜太陽電池の光電変換効率をソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)で測定した。測定結果を表1に示す。
実施例5
高分子化合物1に代えて高分子化合物2を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
高分子化合物1に代えて高分子化合物2を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
実施例6
高分子化合物1に代えて高分子化合物3を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
高分子化合物1に代えて高分子化合物3を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
比較例1
高分子化合物1に代えて高分子化合物4を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
高分子化合物1に代えて高分子化合物4を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
比較例2
高分子化合物1に代えて高分子化合物5を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
高分子化合物1に代えて高分子化合物5を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
比較例3
高分子化合物1に代えて高分子化合物6を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
高分子化合物1に代えて高分子化合物6を用いた以外は、実施例4と同様の方法で有機光電変換素子を作製し、光電変換効率を測定した。測定結果を表1に示す。
−評価−
表1から分かるように、式(1)で表される繰り返し単位と式(2a)で表される繰り返し単位および式(2b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる繰り返し単位とを含む高分子化合物1、2、3を用いて形成した有機薄膜太陽電池(実施例4〜6)は、本発明の高分子化合物以外の高分子化合物を用いて形成した有機薄膜太陽電池(比較例1〜3)に比べて高い光電変換効率を示した。
表1から分かるように、式(1)で表される繰り返し単位と式(2a)で表される繰り返し単位および式(2b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる繰り返し単位とを含む高分子化合物1、2、3を用いて形成した有機薄膜太陽電池(実施例4〜6)は、本発明の高分子化合物以外の高分子化合物を用いて形成した有機薄膜太陽電池(比較例1〜3)に比べて高い光電変換効率を示した。
Claims (17)
- 式(1)で表される繰り返し単位を含み、式(2a)で表される繰り返し単位および式(2b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位とを含む高分子化合物。
(1)
(式中、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(2a) (2b)
(式(2a)、(2b)中、R5〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。) - アリーレン基が式(5)で表される基または式(6)で表される基である請求項2に記載の高分子化合物。
(5)
(式中、R25〜R32は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。)
(6)
(式中、R33〜R42は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基またはアリールアルキルチオ基を表す。これらの基に含まれる水素原子はフッ素原子で置換されていてもよい。) - 式(1)で表される繰り返し単位を有するブロックを含む請求項1〜5のいずれかに記載の高分子化合物。
- 式(9a)で表される繰り返し単位、式(9b)で表される繰り返し単位、式(10a)で表される繰り返し単位、式(10b)で表される繰り返し単位、式(11a)で表される繰り返し単位および式(11b)で表される繰り返し単位からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含むブロックを含む請求項6に記載の高分子化合物。
(9a) (9b)
(式(9a)、(9b)中、R5〜R24は前述と同じ意味を表す。)
(10a) (10b)
(式(10a)、(10b)中、R5〜R16、R25〜R32は前述と同じ意味を表す。)
(11a) (11b)
(式(11a)、(11b)中、R5〜R16、R33〜R42は前述と同じ意味を表す。) - 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子化合物と電子受容性化合物とを含む組成物。
- 電子受容性化合物がフラーレン誘導体である請求項8に記載の組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子化合物と電子供与性化合物とを含む組成物。
- さらに溶媒を含む請求項8〜10のいずれかに記載の組成物。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の高分子化合物を含む有機層を有する有機光電変換素子。
- 少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に請求項1〜7のいずれかに記載の高分子化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子。
- 少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物を含有する第一の有機層と、該第一の有機層に隣接して設けられた請求項1〜7のいずれかに記載の高分子化合物を含有する第二の有機層とを有する有機光電変換素子。
- 少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に請求項1〜7のいずれかに記載の高分子化合物および電子供与性化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子。
- 少なくとも一方が透明または半透明である一対の電極と、該電極間に電子受容性化合物および請求項1〜7のいずれかに記載の高分子化合物を含有する有機層を有する有機光電変換素子。
- 電子受容性化合物がフラーレン誘導体である請求項16に記載の有機光電変換素子。
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