JP2009016102A - 燃料電池内水分量推定システム - Google Patents

燃料電池内水分量推定システム Download PDF

Info

Publication number
JP2009016102A
JP2009016102A JP2007174798A JP2007174798A JP2009016102A JP 2009016102 A JP2009016102 A JP 2009016102A JP 2007174798 A JP2007174798 A JP 2007174798A JP 2007174798 A JP2007174798 A JP 2007174798A JP 2009016102 A JP2009016102 A JP 2009016102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
amount
moisture content
moisture
wet state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007174798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5151275B2 (ja
Inventor
Tatsuaki Yokoyama
竜昭 横山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007174798A priority Critical patent/JP5151275B2/ja
Publication of JP2009016102A publication Critical patent/JP2009016102A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5151275B2 publication Critical patent/JP5151275B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】燃料電池内の水分量を推定するにあたって、推定水分量の誤差を低減させることを課題とする。
【解決手段】燃料電池10のインピーダンスを計測する計測装置60と、計測されたインピーダンスに基づいて、燃料電池10が、膜電極接合体13のみが湿潤である、所定の湿潤状態にあるか否かを判定する判定部91と、燃料電池10内の推定水分量を算出する算出部92とを備え、算出部92は、燃料電池10が前記所定の湿潤状態ではないと判定された場合、水分の入出量および発生量を積算することで推定水分量を算出し、燃料電池10が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、計測されたインピーダンスに基づいて推定水分量を算出する、燃料電池内水分量推定システムとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池内の水分量を推定する技術に関する。
従来、電流遮断法を用いて燃料電池内の水分量を測定する技術がある(特許文献1を参照)。
また、吸気に含まれる水分量と、排気に含まれる水分量と、発電に伴って生成される水分量とを積算によって算出し、算出結果に基づいて吸気を制御する燃料電池システムにおいて、電流遮断法を用いて測定した水分量を用いて、定期的に積算によって算出された水分量を初期化する技術がある(特許文献2を参照)。
特開2005−166601号公報 特開2004−192973号公報
従来、燃料電池の発電効率を向上させる等、燃料電池の制御を行うために必要となる燃料電池内の水分量を推定(測定)することが行われている。ここで、燃料電池内の水分量を推定する方法としては、燃料電池における水分の入出量および発生量を積算する方法が採用されている。しかし、積算による算出は、積算を続けることによって誤差が蓄積するという問題を有する。
そこで、この蓄積する誤差を解消するために、計測された燃料電池の抵抗に基づいて燃料電池内の水分量を算出し、算出された値で、積算された推定水分量を定期的にリセットする方法が採用される。しかし、燃料電池内の水分量と、燃料電池において計測される抵抗とは必ずしも一意に対応しない場合があるため、不正確な水分量が算出され、リセットを行っても誤差の問題を解決できない場合がある。
本発明は、上記した問題に鑑み、燃料電池内の水分量を推定するにあたって、推定水分量の誤差を低減させることを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するために、燃料電池の抵抗から燃料電池が所定の湿潤状態にあるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、積算による水分量推定と、抵抗に基づく水分量推定とを切り換えて推定水分量を算出することで、推定水分量の誤差を低減させることを可能にした。
詳細には、本発明は、燃料電池の抵抗を計測する計測手段と、計測された前記抵抗に基づいて、前記燃料電池が、該燃料電池が有する複数の領域のうち含水量に応じた抵抗の変化が比較的大きい領域のみが湿潤である、所定の湿潤状態にあるか否かを判定する判定手段と、前記燃料電池内の推定水分量を算出する算出手段とを備え、前記算出手段は、前記判定手段によって前記燃料電池が前記所定の湿潤状態ではないと判定された場合、前記燃料電池における水分の入出量および発生量を積算することで前記推定水分量を算出し、前記判定手段によって前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記計測手段による計測結果に基づいて前記推定水分量を算出する、燃料電池内水分量推定システムである。
ここで、含水量に応じた抵抗の変化が比較的大きい領域とは、一般に、発電への関与が大きい領域である。即ち、発電への関与が大きい領域ほど、含水量に応じた抵抗の変化が大きい。例えば、含水する領域として膜電極接合体、ガス拡散層、および流路を有する燃料電池において、含水量に応じた抵抗の変化が最も大きいのは、膜電極接合体のみが主に水を含む領域である場合である。これに対して、膜電極接合体から水が溢れ、ガス拡散層、続いて流路にも水が多く含まれる状態となると、含水量に応じた抵抗の変化が比較的小さくなるか、または抵抗と含水量との関連性が希薄となる。一般的には、流路まで水が溢れた状態では、発電への関与が大きい膜電極接合体は水浸しであるために、流路における水分量が変化したとしても、抵抗は殆ど変化しない。
このため、本発明に係る燃料電池内水分量推定システムは、燃料電池が、含水量に応じた抵抗の変化が比較的大きいために、抵抗に基づいて正確な水分量を算出可能な状態(所定の湿潤状態)にあるか否かを、交流インピーダンス法や電流遮断法等を用いて計測された抵抗に基づいて判定する。燃料電池が所定の湿潤状態にあると判定された場合、算出手段は、計測結果(抵抗)に基づいて推定水分量を算出する。
対して、所定の湿潤状態にない場合、含水量に応じた抵抗の変化が比較的小さいか、または抵抗と含水量との関連性が希薄であるため、抵抗に基づいて正確な水分量を算出することが出来ない。このため、燃料電池が所定の湿潤状態にないと判定された場合、算出手段は、燃料電池における水分の入出量および発生量を積算することで推定水分量を算出する。
なお、判定手段は、計測された抵抗に基づいて、予め求められた燃料電池の抵抗と湿潤領域との関係を参照することで、燃料電池が所定の湿潤状態にあるか否かを判定する。例えば、計測された抵抗と、予め用意された閾値とを比較することで、燃料電池が所定の湿潤状態にあるか否かを判定することが可能である。
また、本発明において、前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記判定に用いられた計測結果と、予め計測された前記所定の湿潤状態における前記燃料電池内の水分量とに基づいて前記推定水分量を算出してもよい。
例えば、抵抗と水分量との関係を示すマップや関係式等を参照することで、計測されて判定に用いられた抵抗に応じた水分量を算出することが出来る。
前記燃料電池は、領域として膜電極接合体を有し、前記判定手段は、前記燃料電池が、前記膜電極接合体のみが湿潤である所定の湿潤状態にあるか否かを判定し、前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記計測手段による計測結果と、予め計測された前記膜電極接合体のみが湿潤である場合の前記燃料電池内の水分量とに基づいて前記推定水分量を算出してもよい。
膜電極接合体は、発電への関与が大きく、含水量に応じた抵抗の変化が比較的大きい。このため、膜電極接合体のみが湿潤である状態を、所定の湿潤状態と定義し、所定の湿潤状態にある場合には、膜電極接合体における水分量と抵抗の関係に基づいて、計測された抵抗から正確な水分量を算出することが可能である。
また、本発明において、前記燃料電池は、領域として膜電極接合体およびガス拡散層を有し、前記判定手段は、前記燃料電池が、前記膜電極接合体および前記ガス拡散層のみが湿潤である所定の湿潤状態にあるか否かを判定し、前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記計測手段による計測結果と、予め計測された前記膜電極接合体および前記ガス拡散層のみが湿潤である場合の前記燃料電池内の水分
量とに基づいて前記推定水分量を算出してもよい。
また、本発明に係るシステムは、前記燃料電池内の水分量を低減させる水分量低減手段を更に備え、前記計測手段は、前記水分量低減が実行されている間に該燃料電池の抵抗を計測してもよい。
掃気処理等を行うことによって燃料電池内の水分量を積極的に低減させ、所定の湿潤状態に達したところで計測手段による計測結果に基づいて推定水分量を算出することで、推定水分量のリセットを行うことが可能である。
また、本発明において、前記水分量低減手段は、前記燃料電池の運転終了時に前記水分量低減を行い、前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、該判定から該燃料電池の次回起動時までに、前記推定水分量を算出してもよい。
燃料電池の運転終了時に水分量低減を行い、次回起動時までにリセットを行うことで、次回起動時に、誤差の少ない推定水分量に基づいて、燃料電池の制御を行うことが可能となる。なお、終了時以外にも、定期的に水分量低減を行い、推定水分量をリセットすることとしてもよい。
本発明によって、燃料電池内の水分量を推定するにあたって、推定水分量の誤差を低減させることが可能となる。
本発明に係る燃料電池内水分量推定システムを備える燃料電池システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態における燃料電池システムの構成の概略を示した図である。燃料電池システムは、燃料電池10と、燃料ガスを貯蔵するガスタンク21と、燃料ガス通路22と、循環通路25と、燃料オフガス通路30と、空気ブロワ51と、酸化ガス通路52と、酸化オフガス通路53と、計測装置60と、電子制御ユニット(以下、「ECU」と称する)90と、を備える。燃料電池システムは、ガスタンク21より燃料ガス通路22を通って供給される燃料ガスと、空気ブロワ51より酸化ガス通路52を通って供給される酸化ガスと、による電気化学反応を燃料電池10内で進行させることで、発電を行う。
燃料ガス通路22には、減圧弁23及び流量制御弁24が設けられている。ガスタンク21から燃料電池10に供給される燃料ガスは、減圧弁23によって所定の圧力に減圧され、流量制御弁24によって流量を調整されて、燃料ガス通路22を通って燃料電池10に供給される。燃料電池10内を通過した燃料ガスは、循環通路25へ排出される。
循環通路25には、循環ポンプ26が設けられている。循環ポンプ26によって、燃料電池10から排出された燃料ガスを燃料ガス通路22に戻し、燃料電池10に単位時間当たりに供給される水素ガス流量を増やすことが可能となる。
燃料オフガス通路30には、パージ弁31が設けられている。燃料ガスは、循環によってガス内の水素ガス濃度が低下するため、パージ弁31を制御することによって、水素ガス濃度の低い燃料オフガスを循環通路25から燃料オフガス通路30に排出し、流量制御弁24を制御することによって、ガスタンク21から水素ガス濃度の高い燃料ガスを供給する。
計測装置60は、燃料電池10のインピーダンスを計測する。計測装置60は、本発明の計測手段に相当する。計測手段によって計測されたインピーダンスは、ECU90へ送られる。
ECU90は、CPUの他、後述する各種のプログラム及びマップを記憶するROM、RAM等を備えており、燃料電池システム全体の各要素を制御する。パージ弁31、減圧弁23、および流量制御弁24は、ECU90によって開閉制御される。これらの制御は、燃料電池内の推定水分量を含む燃料電池の状態に基づいて、燃料電池の発電効率が最適となるように調整される。
ECU90は、計測装置60によって計測されたインピーダンスに基づいて、燃料電池10が、後述する所定の湿潤状態にあるか否かを判定し、この判定の結果に従って、水分量の収支を積算する方法、またはインピーダンスに基づいて算出する方法の何れかの方法を用いて、燃料電池10内の水分量の推定値である推定水分量を算出する。即ち、ECU90は、本発明の判定手段に相当する判定部91、および本発明の算出手段に相当する算出部92、として機能する。
図2は、本実施形態における燃料電池10を構成するセルの概略断面図である。燃料電池10は、セルが1つまたは複数積層されることで構成され、酸化ガス流路16を内面に有するカソード側セパレータ11、カソード側ガス拡散層12、膜電極接合体13、アノード側ガス拡散層14、燃料ガス流路17を内面に有するアノード側セパレータ15が順に積層されてなり、供給される反応ガスによる電気化学反応を膜電極接合体13において進行させることで、発電を行う。反応ガスは、図示しない燃料タンクより供給される燃料ガスおよび外気より取得されて供給される酸化ガスである。酸化ガスはカソード側ガス拡散層12に供給され、燃料ガスはアノード側ガス拡散層14に供給される。
次に、燃料電池10内における、湿潤である領域とインピーダンスとの関係について説明する。図3は、本実施形態に係る燃料電池10全体における水分量とインピーダンスとの関係を示すグラフである。グラフは、横軸に燃料電池10全体における水分量QFCを示し、縦軸に、水分量QFCに対応するインピーダンスRFCを示す。
グラフ中の、符号Aが示す範囲(以下、「範囲A」と称する。)は、主に水を含む領域が膜電極接合体13のみである場合に相当する範囲である。即ち、範囲Aは、実際に発電が行われている膜電極接合体13における水分量の変化を示す範囲であり、水分量の変化量に対するインピーダンスの変化量が大きい。
また、符号Bが示す範囲(範囲B)は、主に水を含む範囲が膜電極接合体13およびガス拡散層12、14である場合に相当する範囲である。即ち、範囲Bは、既に膜電極接合体13から水分が溢れて含水領域がガス拡散層12、14まで広がっている状態における水分量の変化を示す範囲であり、範囲Aに比して、水分量の変化量に対するインピーダンスの変化量が小さい。
符号Cが示す範囲(範囲C)は、主に水を含む範囲が膜電極接合体13、ガス拡散層12、14および流路16、17である場合に相当する範囲である。即ち、範囲Cは、ガス拡散層12、14からも水分が溢れ、含水領域が流路16、17まで達している状態における水分量の変化を示す範囲である。この場合、インピーダンスに直接関連する膜電極接合体13およびガス拡散層12、14は水浸しの状態であるため、全体の水分量が変化しても、インピーダンスの変化は殆ど見られない。
ここで、図2および図3を参照して、ECU90による湿潤状態の判定処理および推定
水分量の算出処理について説明する。はじめに、ECU90は、計測されたインピーダンスと、RFC1(図3を参照)とを比較する。計測されたインピーダンスがRFC1より大である場合、図3のグラフによって示されるインピーダンスと水分量との関係の通り(図3の範囲Aを参照)、水分量はQFC1より小である。このことは、インピーダンスが計測され
た時点において、主に水を含む範囲が膜電極接合体13のみであることを意味する。
つまり、ECU90は、計測されたインピーダンスと、RFC1とを比較することで、燃
料電池10における主に水を含む範囲が何れの領域まで達しているかを判断することが出来る。本実施形態においては、主に水を含む領域が膜電極接合体13のみである状態(範囲A)を、「所定の湿潤状態」とする。
先述の通り、主に水を含む領域が膜電極接合体13のみである場合、水分量の変化量に対するインピーダンスの変化量が大きい。このため、燃料電池10が所定の湿潤状態にあると判定された場合、ECU90は、計測されたインピーダンスと、予め計測された所定の湿潤状態における燃料電池10内の水分量との関係に基づいて推定水分量を算出することで、正確な推定水分量を得ることが出来る。より具体的には、所定の湿潤状態におけるインピーダンスと水分量との関係を有するマップ(図3の範囲Aにおけるインピーダンスと水分量との関係を示したもの)を参照する方法や、所定の湿潤状態におけるインピーダンスと水分量との関係を表す関係式を用いる方法、インピーダンスに対応する水分量をQFC1等の固定値とする方法、等の方法を用いて、推定水分量が算出される。
計測されたインピーダンスがRFC1以下である場合、即ち、主に水を含む領域が膜電極
接合体13以外にも存在する場合、水分量の変化量に対するインピーダンスの変化量が小さい(図3の範囲BおよびCを参照)。このため、燃料電池10が所定の湿潤状態にないと判定された場合、ECU90は、燃料電池10における水分の入出量および発生量を積算することで、推定水分量を算出する。燃料電池10内の水分量は、主に、酸化ガスと共に燃料電池10内に取り込まれる水分と、酸化オフガスと共に排出される水分と、燃料ガスと共に燃料電池10内に取り込まれる水分と、燃料オフガスと共に排出される水分と、発電に伴って生成される水分と、によって増減する。このため、ECU90は、単位時間当りの、酸化ガスと共に燃料電池10内に取り込まれる水分量qAirIn、酸化オフガスと
共に排出される水分量qAirOut、燃料ガスと共に燃料電池10内に取り込まれる水分量qH2In、燃料オフガスと共に排出される水分量qH2Out、および発電に伴って生成される水
分量qGenを夫々算出し、これらを合計することで単位時間当りの水分量の収支を算出す
る。そして、ECU90は、単位時間当りの水分量の収支を時間の経過に従って積算することで、燃料電池10内の推定水分量QFCを算出する。
ここで、単位時間当たりに取り込まれる水分量、および排出される水分量を取得する方法には、実施の形態に適した方法が採用されることが好ましい。例えば、ガスの経路に図示しない流量測定装置、温度測定装置および湿度測定装置を設け、取り込まれる反応ガスおよび排出されるオフガスの流量、温度、および湿度を計測し、ECU90がこれらの計測結果に基づいて単位時間当たりの水分量を算出する方法がある。
また、上記方法の他にも、取り込まれる酸化ガスに含まれる水分量qAirInを固定値(
例えば、0)とする方法や、排出される酸化オフガスに含まれる水分量qAirOutを飽和水蒸気量とする方法、燃料電池10の運転状態から、予め用意されたマップを用いて算出する方法、加湿モジュールがある場合に、予め用意された水交換率マップを用いて算出する方法、等がある。なお、単位時間当たりの水分量の単位としては、例えばグラム/秒が用いられる。
単位時間当りの、発電に伴って生成される水分量qGenを取得する方法としては、酸化
ガスおよび燃料ガスの供給量を含む燃料電池10の運転状態に基づいて、予め用意された生成水分量のマップを用いて算出する方法等がある。但し、生成水分量を取得する方法は、上記方法に限定されず、実施の形態に適した方法が採用されることが好ましい。
ECU90は、このようにして取得された、酸化ガスと共に燃料電池10内に取り込まれる水分量qAirIn、酸化オフガスと共に排出される水分量qAirOut、燃料ガスと共に燃
料電池10内に取り込まれる水分量qH2In、燃料オフガスと共に排出される水分量qH2Out、および発電に伴って生成される水分量qGenを、時間の経過に従って積算し(例えば、以下の式を参照)、推定水分量を算出する。
FC=∫(qGen+qAirIn+qH2In−qAirOut−qH2Out)dt
次に、本実施形態における処理の流れを説明する。図4は、本実施形態における燃料電池内水分量推定処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、燃料電池10の運転開始とともに開始され、その後、燃料電池10が運転を終了するまで繰り返し実行される。
ステップS101では、インピーダンスが計測される。計測装置60は、交流インピーダンス法を用いて発電中の燃料電池10のインピーダンスを計測し、計測結果をECU90へ出力する。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、燃料電池10が所定の湿潤状態にあるか否かが判定される。ECU90は、ステップS101で計測されたインピーダンスを受け取り、このインピーダンスを、RFC1(図3を参照)と比較することで、燃料電池10が所定の湿潤状態にある
か否かを判定する。本実施形態において、ECU90は、計測されたインピーダンスがRFC1より大である場合に、燃料電池10が所定の湿潤状態にあると判定する。燃料電池1
0が所定の湿潤状態にあると判定された場合、処理はステップS103へ進む。ECU90は、計測されたインピーダンスがRFC1以下である場合、燃料電池10が所定の湿潤状
態ではないと判定する。燃料電池10が所定の湿潤状態にないと判定された場合、処理はステップS104へ進む。
ステップS103では、計測されたインピーダンスに基づいて、推定水分量が算出される。ECU90は、図示しない記憶装置に記憶された、予め用意されたマップを参照することで、ステップS101で計測されたインピーダンスに対応する推定水分量を算出する。ここで用いられるマップは、図3に示すグラフのうち範囲Aにおけるインピーダンスと水分量との対応関係を有するマップである。なお、本実施形態では、マップを用いて算出することとしたが、先述の通り、マップを参照する以外の算出方法が採用されてもよい。例えば、対応関係を示す関係式(近似直線等)を用いる方法や、固定値(例えばQFC1
に決定される方法が採用されてもよい。その後、処理はステップS101へ進む。
ステップS104では、積算によって、推定水分量が算出される。ECU90は、単位時間当りの水分量の収支を積算することで、推定水分量を算出する。ECU90は、単位時間当りの、酸化ガスと共に燃料電池10内に取り込まれる水分量、酸化オフガスと共に排出される水分量、燃料ガスと共に燃料電池10内に取り込まれる水分量、燃料オフガスと共に排出される水分量、および発電に伴って生成される水分量を夫々算出し、これらを合計することで単位時間当りの水分量の収支を算出する。そして、ECU90は、単位時間当りの水分量の収支を積算することで、燃料電池10内の推定水分量を算出する。その後、処理はステップS101へ進む。
即ち、本実施形態に拠れば、インピーダンスから燃料電池10が所定の湿潤状態にあるか否かを判定し、この判定結果に基づいて、積算による水分量推定と、インピーダンスに
基づく水分量推定とを切り換えて推定水分量を算出することで、推定水分量の誤差を低減させることが出来る。また、誤差の少ない推定水分量が得られるため、推定水分量に基づいて、より効果的に燃料電池を制御することが可能となる。
上述の実施形態では、膜電極接合体13のみが湿潤である状態を、所定の湿潤状態と定義し、計測されたインピーダンスがRFC1より大である場合に、燃料電池が所定の湿潤状
態にあると判断したが、膜電極接合体13およびガス拡散層12、14のみが湿潤である状態を、所定の湿潤状態と定義し、計測されたインピーダンスがRFC2より大である場合
に、燃料電池が所定の湿潤状態にあると判断してもよい。
なお、RFC2を基準として湿潤状態を判定する場合、インピーダンスに基づく推定水分
量の算出には、図3の範囲Aおよび範囲Bにおけるインピーダンスと水分量との関係を示すマップ、関係式、または固定値等が用いられる。
また、燃料電池10の運転終了前に掃気を行うことで燃料電池10内の水分量を低減させ、燃料電池10が所定の湿潤状態に達したところで上記計測インピーダンスに基づいて推定水分量を算出することで、推定水分量のリセットを行うこととしてもよい。この場合、ECU90は、掃気中に計測装置60による計測結果を監視し、インピーダンスがRFC1を超えた、即ち、主に水を含む領域が膜電極接合体13のみとなったことを検出し、推
定水分量を、計測インピーダンスに基づいて算出された値でリセットする。計測インピーダンスに基づく推定水分量の算出には、上述の実施形態と同様に、マップ参照方式、関係式による方式、固定値方式等、実施の形態に適した方式が採用されてよい。なお、リセットが行われるタイミングは、燃料電池10の運転終了前であってもよいし、次回起動時であってもよい。
終了時掃気としては、氷点下起動のために燃料電池10内の水分量を低減させる終了時掃気や、通常の終了時に行われる終了時掃気等がある。氷点下起動のための終了時掃気では、燃料電池10内の水分の凍結を防止するために、所定の湿潤状態の判断のための閾値をRFC1とすることが好ましいが、通常の終了時に行われる終了時掃気では、所定の湿潤
状態の判断のための閾値をRFC2としてもよい。
このように、運転終了前に掃気を行うことで、次回の運転開始時に、より正確な推定水分量に基づいて燃料電池の運転を制御することが可能となる。なお、運転終了時とは別に、定期的に掃気を行うことで、定期的に推定水分量をリセットすることとしてもよい。
また、燃料電池10が発電を行っていない状態等、インピーダンスの計測ができない状態においても、所定の(例えば、一定時間の)掃気を行うことで、燃料電池が所定の湿潤状態となったとみなして、推定水分量のリセットを行うことが出来る。このようにすることで、インピーダンスの計測が出来ない状況下においても、推定水分量のリセットを行い、誤差を解消することが出来る。
実施形態における燃料電池システムの構成の概略を示した図である。 実施形態における燃料電池を構成するセルの概略断面図である。 実施形態に係る燃料電池全体における水分量とインピーダンスとの関係を示すグラフである。 実施形態における燃料電池内水分量推定処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池
11 カソード側セパレータ
12 カソード側ガス拡散層
13 膜電極接合体
14 アノード側ガス拡散層
15 アノード側セパレータ
16 酸化ガス流路
17 燃料ガス流路
21 ガスタンク
51 空気ブロワ
60 計測装置
90 電子制御ユニット(ECU)
91 判定部
92 算出部

Claims (6)

  1. 燃料電池の抵抗を計測する計測手段と、
    計測された前記抵抗に基づいて、前記燃料電池が、該燃料電池が有する複数の領域のうち含水量に応じた抵抗の変化が比較的大きい領域のみが湿潤である、所定の湿潤状態にあるか否かを判定する判定手段と、
    前記燃料電池内の推定水分量を算出する算出手段とを備え、
    前記算出手段は、
    前記判定手段によって前記燃料電池が前記所定の湿潤状態ではないと判定された場合、前記燃料電池における水分の入出量および発生量を積算することで前記推定水分量を算出し、
    前記判定手段によって前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記計測手段による計測結果に基づいて前記推定水分量を算出する、
    燃料電池内水分量推定システム。
  2. 前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記判定に用いられた計測結果と、予め計測された前記所定の湿潤状態における前記燃料電池内の水分量とに基づいて前記推定水分量を算出する、
    請求項1に記載の燃料電池内水分量推定システム。
  3. 前記燃料電池は、領域として膜電極接合体を有し、
    前記判定手段は、前記燃料電池が、前記膜電極接合体のみが湿潤である所定の湿潤状態にあるか否かを判定し、
    前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記計測手段による計測結果と、予め計測された前記膜電極接合体のみが湿潤である場合の前記燃料電池内の水分量とに基づいて前記推定水分量を算出する、
    請求項2に記載の燃料電池内水分量推定システム。
  4. 前記燃料電池は、領域として膜電極接合体およびガス拡散層を有し、
    前記判定手段は、前記燃料電池が、前記膜電極接合体および前記ガス拡散層のみが湿潤である所定の湿潤状態にあるか否かを判定し、
    前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、前記計測手段による計測結果と、予め計測された前記膜電極接合体および前記ガス拡散層のみが湿潤である場合の前記燃料電池内の水分量とに基づいて前記推定水分量を算出する、
    請求項2に記載の燃料電池内水分量推定システム。
  5. 前記燃料電池内の水分量を低減させる水分量低減手段を更に備え、
    前記計測手段は、前記水分量低減が実行されている間に該燃料電池の抵抗を計測する、
    請求項1から4の何れか1に記載の燃料電池内水分量推定システム。
  6. 前記水分量低減手段は、前記燃料電池の運転終了時に前記水分量低減を行い、
    前記算出手段は、前記燃料電池が前記所定の湿潤状態にあると判定された場合、該判定から該燃料電池の次回起動時までに、前記推定水分量を算出する、
    請求項5に記載の燃料電池内水分量推定システム。
JP2007174798A 2007-07-03 2007-07-03 燃料電池内水分量推定システム Expired - Fee Related JP5151275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007174798A JP5151275B2 (ja) 2007-07-03 2007-07-03 燃料電池内水分量推定システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007174798A JP5151275B2 (ja) 2007-07-03 2007-07-03 燃料電池内水分量推定システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009016102A true JP2009016102A (ja) 2009-01-22
JP5151275B2 JP5151275B2 (ja) 2013-02-27

Family

ID=40356778

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007174798A Expired - Fee Related JP5151275B2 (ja) 2007-07-03 2007-07-03 燃料電池内水分量推定システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5151275B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017010806A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP2017168299A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムにおけるフラッディング判定方法

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146267A (ja) * 2002-10-25 2004-05-20 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2004192973A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Sony Corp 燃料電池システム及び燃料電池運転方法
JP2005209634A (ja) * 2003-12-26 2005-08-04 Honda Motor Co Ltd 燃料電池の運転停止時制御方法及びその装置
JP2006216255A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法
JP2007048487A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2007052936A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2007134287A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Yokogawa Electric Corp 燃料電池の評価装置および評価方法
JP2007149572A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Denso Corp 燃料電池システム

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004146267A (ja) * 2002-10-25 2004-05-20 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2004192973A (ja) * 2002-12-12 2004-07-08 Sony Corp 燃料電池システム及び燃料電池運転方法
JP2005209634A (ja) * 2003-12-26 2005-08-04 Honda Motor Co Ltd 燃料電池の運転停止時制御方法及びその装置
JP2006216255A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法
JP2007048487A (ja) * 2005-08-05 2007-02-22 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2007052936A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Toyota Motor Corp 燃料電池システム
JP2007134287A (ja) * 2005-11-14 2007-05-31 Yokogawa Electric Corp 燃料電池の評価装置および評価方法
JP2007149572A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Denso Corp 燃料電池システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017010806A (ja) * 2015-06-23 2017-01-12 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システム
JP2017168299A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 トヨタ自動車株式会社 燃料電池システムにおけるフラッディング判定方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5151275B2 (ja) 2013-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4710246B2 (ja) 燃料電池システム
JP5482897B2 (ja) 燃料電池内部の液水量の推定方法、燃料電池から排出される液水量の推定方法、燃料電池内部液水量推定装置、燃料電池システム
US8158293B2 (en) Fuel cell system
JP3880898B2 (ja) 水素パージ制御装置
JP5549735B2 (ja) 燃料電池システム及びその運転方法
JP5231750B2 (ja) 燃料電池システム
JP4649308B2 (ja) 燃料電池システム
JP5003792B2 (ja) 燃料電池システム
JP2007288850A (ja) 燃料電池車両
JP2008293824A (ja) 燃料電池システム
JP5123568B2 (ja) 燃料電池システムおよびその空気流量制御方法
JP6137124B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池搭載車両
JP2007165103A (ja) 燃料電池システム及びその運転方法並びに移動体
JP2017182943A (ja) 燃料電池システムの制御方法
JP5225702B2 (ja) 燃料電池システム及びその制御方法
JP6555169B2 (ja) 燃料電池システムの制御方法
JP5151275B2 (ja) 燃料電池内水分量推定システム
JP2007059319A (ja) 燃料電池システム
JP2006228528A (ja) 燃料電池システム
JP5103877B2 (ja) 燃料電池システム
JP2008021448A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池の制御方法
JP2009252511A (ja) 燃料電池システム
JP2010244781A (ja) 燃料電池システム
JP5125141B2 (ja) 燃料電池システム
JP2012059557A (ja) 燃料電池システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120807

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121119

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5151275

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151214

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees