JP2009014030A - 電動弁及び冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所定の駆動源により弁体を変位させる電動弁において、弁体のストローク量を充分確保できるようにする。
【解決手段】変位拡大機構(60)では、駆動源(50)によって押し付けられる第1変位部(48)が、液体が封入される第1室(71)の一端側を閉塞する。第1室(71)と連通する第2室(72)の他端側は、弁体(65)を保持するように変位する第2変位部(62c)で閉塞される。第2変位部(62c)についての第2室(72)側に臨む面の面積S2を、第1変位部(48)についての第1室(71)側に臨む面の面積S1よりも小さくする。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動源によって弁体を駆動させて所定の流体流路を開閉する電動弁に関するものである。
従来より、電動弁は、所定の流体流路の開度を調節する流量調節弁や、流体流路を開閉する開閉弁等に広く適用されている。この電動弁では、例えばステッピングモータ等のモータを駆動源として弁体を駆動するものが知られている。一方、この種の電動弁では、モータの駆動による消費電力が比較的大きく、モータの占める容積も比較的大きくなる。そこで、電動弁の駆動源として、圧電素子(ピエゾ素子)を用い、電圧の印加に伴う圧電素子の変形力を利用して弁体を駆動するものが提案されている。
特許文献1には、この種の電動弁が開示されている。この電動弁は、車両等の内燃機関の燃焼室への燃料の噴射量を制御する、燃料噴射弁を構成している。この電動弁は、アクチュエータ室内にピエゾ素子が設けられ、ピエゾ素子の変形方向の一端側に弁体が設けられている。弁体は、案内孔内に進退自在に収納されている。特許文献1の電動弁では、ばねによって弁体が所定の燃料用流路を閉鎖する位置に付勢されている。一方、ピエゾ素子の電圧が印加されてピエゾ素子が変形すると、ピエゾ素子の一端部によって弁体が押圧される。この弁体は、上記ばねの付勢力に抗して燃料用流路を開放する位置に変位する。
以上のように、特許文献1の電動弁では、ピエゾ素子の変形量に応じて弁体を閉鎖位置と開放位置との間で変位させ、燃料用流路の開度を調節するようにしている。
特表2002−518640号
上述した特許文献1の電動弁では、ピエゾ素子の変形によって弁体を直接的に変位させるようにしている。つまり、この構成では、弁体の変位量(ストローク量)が、ピエゾ素子の変形量とほぼ同等となる。しかしながら、このような電動弁において、流体流路の開度を広範囲に亘って制御しようとする場合、弁体のストローク量を大きくする必要がある。そのため、例えば冷凍装置の冷媒回路に設けられる膨張弁等に、特許文献1の電動弁を適用する場合、弁体の変位量に限界があり、膨張弁の絞り量を広範囲に制御できないという問題が生じる。
以上のように、電動弁では、その用途や駆動源の種類によって、弁体のストローク量が不足してしまうことがある。従って、このような弁体のストローク量を充分確保できる電動弁が望まれる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、所定の駆動源により弁体を変位させる電動弁において、弁体のストローク量を充分確保できるようにすることである。
第1の発明は、所定の流体流路(11)を開閉するように変位する弁体(65)と、該弁体(65)を駆動する駆動源(50)とを備えた電動弁を前提としている。そして、この電動弁は、上記駆動源(50)に押し付けられて変位する第1変位部(48)と、上記弁体(65)を保持するようにしながら変位して該弁体(65)を開閉方向へ移動させる第2変位部(62c)とを有すると共に、上記第1変位部(48)の変位量を拡大させて第2変位部(62c)へ伝達する変位拡大機構(60)を備え、該変位拡大機構(60)は、内部に所定の液体が封入されると共にその一端側を閉塞するようにして上記第1変位部(48)が変位自在に設けられる第1室(71)と、該第1室(71)の他端と連通して内部に上記液体が封入されると共にその他端側を閉塞するようにして上記第2変位部(62c)が変位自在に設けられる第2室(72)とを更に有し、上記第2変位部(62c)についての上記第2室(72)側に臨む面の面積S2が、上記第1変位部(48)についての上記第1室(71)側に臨む面の面積S1よりも小さくなるように構成されていることを特徴とするものである。
第1の発明では、駆動源(50)によって弁体(65)が駆動されることで、弁体(65)が所定の流体流路を開放する位置と、閉鎖する位置とに変位する。ここで、本発明の電動弁には、弁体(65)の変位量を拡大させるための変位拡大機構(60)が設けられる。
具体的に、変位拡大機構(60)では、第1室(71)と第2室(72)とが設けられる。第1室(71)及び第2室(72)は、互いに連通しており、両室(71,72)には所定の液体が封入される。第1室(71)の一端側は第1変位部(48)で閉塞され、第2室(72)の他端側は第2変位部(62c)で閉塞される。
駆動源(50)によって第1変位部(48)が押し付けられると、第1変位部(48)の変位に伴い第1室(71)の容積が小さくなる。その結果、第1室(71)内の液体は、第2室(72)側へ押しのけられる。これにより、第2室(72)の他端側の第2変位部(62c)に液体の内圧が作用し、第2変位部(62c)が弁体(65)を保持するように変位する。このように、変位拡大機構(60)では、第1変位部(48)の変位に伴う第1室(71)の容積変化に応じて、第2変位部(62c)も変位し、弁体(65)が開閉位置の間を変位することになる。
ここで、本発明の変位拡大機構(60)では、第2変位部(62c)についての第2室(72)側に臨む面(以下、受圧面)の面積S2が、第1変位部(48)についての第1室(71)側に臨む面(以下、作用面という)の面積S1よりも小さくなっている。これにより、第1室(71)では、第1変位部(48)が液体を押しのけるための作用面の面積S1が比較的大きいので、第2室(72)側へ押しのけられる液体の量も多くなる。一方、第2室(72)では、押しのけられた液体の圧力が作用する受圧面の面積S2が小さいので、第2変位部(62c)の変位量が増大することになる。つまり、本発明の変位拡大機構(60)では、第1変位部(48)の変位量が拡大されて第2変位部(62c)に伝達される。これにより、第2変位部(62c)に保持されるように変位する弁体(65)のストローク量が増大することになる。
第2の発明は、第1の発明の電動弁において、上記変位拡大機構(60)には、上記第2室(72)を内部に形成する第2収納部材(62)が設けられ、該第2収納部材(62)及び第2変位部(62c)を、上記流体流路(11)の流体から遮断する仕切部材(63)を更に備えていることを特徴とするものである。
第2の発明では、所定の液体が封入される第2室(72)が第2収納部材(62)の内部に形成される。ここで、本発明では、仕切部材(63)が、流体流路(11)の流体に対して第2収納部(62)を遮断する。これにより、流体流路(11)の流体と、第1室(71)や第2室(72)の液体との間での伝熱が抑制される。
具体的に、例えば流体流路(11)の流体が比較的高温である場合、従来のものでは、この流体から第2収納部材(62)へ熱が伝達し、更には第2室(72)や第1室(71)内の液体へ熱が伝達してしまう。その結果、両室(71,72)の流体が熱膨張するので、流体の膨張に伴い第2変位部(62c)が変位し、更には弁体(65)が変位してしまうことがある。従って、弁体(65)を所望とする位置で保持できない虞がある。
これに対し、本発明の仕切部材(63)は、流体流路(11)の高温の流体に対して、第2収納部材(62)を遮断しているので、流体から第2収納部材(62)への入熱量が低減される。その結果、第2室(72)や第1室(71)の液体の熱膨張が防止される。
また、例えば流体流路(11)の流体が比較的低温である場合、従来のものでは、第2収納部材(62)が冷やされ、第2室(72)や第1室(71)内の液体の温度が低下してしまう。その結果、両室(71,72)の液体が凍結してしまい、第1変位部(48)や第2変位部(62c)の変位が制限されてしまうことがある。従って、弁体(65)を所望とする開放位置や閉鎖位置とすることができなくなる虞がある。
これに対し、本発明の仕切部材(63)は、流体流路(11)の低温の流体に対して、第2収納部材(62)を遮断しているので、第2収納部材(62)から流体への入熱量が低減される。その結果、第2室(72)や第1室(71)の液体の凍結が回避される。
第3の発明は、第1又は第2の発明の電動弁において、上記第1室(71)を内部に形成すると共に、該第1室(71)の一端側を開放させる開放部(61a)を有する第1収納部材(61)を備え、上記第1変位部は、上記第1収納部材(61)の開放部(61a)を封止するように固定されると共に、上記駆動源(50)に押し付けられて第1室(71)の内側に向かって変形する板状部材(48)で構成されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、第1室(71)を内部に形成する第1収納部材(61)の開放部(61a)に、第1変位部として板状部材(48)が設けられる。駆動源(50)によって板状部材(48)が押し付けられると、板状部材(48)が内側に向かって変形する。これにより、第1室(71)の容積が変化し、第2変位部(62c)及び弁体(65)が変位する。
ところで、このように第1室の容積を変化させる構造としては、例えば筒状部材の内部に第1室を形成し、その側周面をベローズによって構成すると共に、筒状部材の一端側の閉塞部(即ち第1変位部)を駆動軸で押し付けるものも考えられる。しかしながら、この構造では、ベローズを設けることにより、筒状部材が軸方向に長くなってしまう。その結果、第1室の容積も比較的大きくなってしまう。このようにして、第1室の容積(内部の液体の体積)が大きくなると、この液体が上述の如く熱膨張した場合に、膨張によって拡大してしまう体積が相対的に大きくなる。その結果、第1室の液体の熱膨張に起因する弁体の変位量も拡大されるので、弁体を所望とする位置で保持する上では好ましくない。 一方、本発明では、上述のように第1収納部材(61)の開放部(61a)に板状部材(48)を固定し、この板状部材(48)を内側に変形させる構造としている。従って、上記のベローズ方式のものと異なり、第1室(71)の容積を比較的小さくすることができ、液体の熱膨張に起因する弁体(65)の変位量を低減できる。
第4の発明は、第1乃至第3のいずれか1つの発明において、上記第1室(71)及び第2室(72)に封入される液体は、電解質溶液であることを特徴とするものである。
第4の発明では、第1室(71)及び第2室(72)に液体として電解質溶液が封入される。電解質溶液は体積膨張率が比較的小さい。従って、高温の流体から両室(71,72)の液体へ入熱があっても、この液体の熱膨張に伴う体積変化を最低限に抑えることができる。その結果、液体の熱膨張に起因する弁体(65)の変位量を低減できる。また、電解質溶液は、その凝固点も比較的低温である。従って、低温の流体によって両室(71,72)の液体が冷やされても、この液体が凍結してしまうのを回避できる。
第5の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明の電動弁において、上記第2変位部(62c)の端部には、弁体(65)側に向かって先細に形成されて該弁体(65)を保持するための保持部(66)が設けられていることを特徴とするものである。
第5の発明では、第2変位部(62c)の端部に弁体(65)を保持するための保持部(66)が設けられる。この保持部(66)は、弁体(65)側に向かって先細に形成されている。これにより、弁体(65)と保持部(66)との接触部における伝熱面積が小さくなり、弁体(65)と第2変位部(62c)との間の伝熱が抑制される。従って、例えば高温流体の熱が、弁体(65)及び第2変位部(62c)を介して第2室(72)へ伝わってしまうことが抑制されるので、第2室(72)や第1室(71)の液体の熱膨張が防止される。また、例えば第2室(72)の液体の熱が、第2変位部(62c)及び弁体(65)を介して低温流体へ伝わってしまうことが抑制されるので、第2室(72)や第1室(71)の液体の凍結が防止される。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明の電動弁において、上記駆動源は、電圧が印加されることで変形して上記第1変位部(48)を押し付ける圧電素子(50)で構成されていることを特徴とするものである。
第6の発明では、駆動源としての圧電素子(50)に電圧が印加されることで、圧電素子(50)が所定方向に伸縮変形する。第1変位部(48)には、このような圧電素子(50)の変形に伴う押し付け力が作用する。その結果、第1変位部(48)が変位し、第1室(71)の容積が変化すると共に、第2変位部(62c)及び弁体(65)が拡大された変位量で変位する。
第7の発明は、冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)の冷媒の流路を開閉する電動弁(30)を備えた冷凍装置を前提としている。そして、この冷凍装置は、上記電動弁が、第1乃至第6のいずれか1つの発明の電動弁で構成されていることを特徴とするものである。
第7の発明では、第1から第6までの発明の電動弁が、冷凍装置(10)の冷媒回路(11)の冷媒の流路を開閉する電動弁として用いられる。
本発明では、駆動源(50)に押し付けられて変位する第1変位部(48)の変位量を拡大させて第2変位部(62c)へ伝達させると共に、拡大された変位量で第2変位部(62c)を変位させて弁体(65)を移動させる変位拡大機構(60)を設けるようにしている。これにより、本発明によれば、駆動源(50)によって第1変位部(48)をさほど変位させることができなくても、第2変位部(62c)及び弁体(65)を比較的大きな変位量で変位させることができる。従って、弁体(65)のストローク量を充分確保することができ、広範囲に亘って弁体(65)の開閉位置を変更することができる。
また、第2の発明では、流体流路(11)の流体と第2収納部材(62)とを仕切部材(63)によって遮断するようにしている。これにより、本発明によれば、第2収納部材(62)内の第2室(72)や第1室(71)の液体が熱膨張したり、凍結してしまったりすることを回避できる。従って、弁体(65)を所望とする位置に確実に変位させることができ、電動弁の信頼性を確保できる。
また、第3の発明では、第1収納部材(61)の開放部(61a)に板状部材(48)を固定し、駆動源(50)によって板状部材(48)を第1室(71)の内側に変形させることで第1室(71)の容積を変化させるようにしている。本発明の構造では、第1室(71)の容積を比較的小さくすることができる。従って、液体の熱膨張に起因する容積変化量が小さくなり、熱膨張に起因する弁体(65)の変位量を最小限に抑えることができる。
更に、第4の発明では、第1室(71)や第2室(72)に封入される液体として電解質溶液を用いるようにしているので、液体の熱膨張を更に抑制でき、且つ液体の凍結も防止できる。
また、第5の発明では、第2変位部(62c)の端部に設けられて弁体(65)を保持するための保持部(66)を先細としているので、弁体(65)と第2変位部(62c)との間の伝熱を更に抑制できる。その結果、第2室(72)や第1室(71)の液体の熱膨張や凍結を更に効果的に防止できる。
第6の発明は、弁体(65)の駆動源として圧電素子(50)を用いるようにしている。ここで、圧電素子(50)は比較的変形量が小さいので、第1変位部(48)の変位量も小さくなってしまうが、本発明では、変位拡大機構(60)によって弁体(65)の変位量を拡大させることができるので、弁体(65)のストローク量を充分確保することができる。従って、例えばモータ式の電動弁と比較して、コンパクト且つ低電力消費の電動弁を提供することができる。
第7の発明では、冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)の流体流路を開閉する電動弁として、第1から第6までの電動弁を適用するようにしている。従って、本発明によれば、例えばモータ式の電動弁と比較して、電動弁に要するスペースを最小限に抑えることができ、冷凍装置(10)のコンパクト化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る電動弁を室内の空調を行う空気調和装置(10)の膨張弁として適用したものである。空気調和装置(10)は、冷媒回路(11)を備えており、冷媒回路(11)で冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷凍装置を構成している。
〈空気調和装置の概略構成〉
図1に示すように、空気調和装置(10)は、室外ユニット(12)と室内ユニット(13)とを備えている。室外ユニット(12)は室外に設置され、室内ユニット(13)は室内に設置されている。空気調和装置(10)では、室外ユニット(12)と室内ユニット(13)とが連絡配管を介して互いに接続されることで、冷媒が流れる冷媒回路(11)が構成されている。
室外ユニット(12)には、圧縮機(20)と室外熱交換器(21)と膨張弁(30)と四路切換弁(23)とが設けられている。また、室内ユニット(13)には、室内熱交換器(22)が設けられている。
圧縮機(20)は、冷媒を所定圧力まで圧縮する圧縮機構を構成している。圧縮機(20)は、例えばスクロール型、あるいはロータリ型の圧縮機で構成されている。室外熱交換器(21)及び室内熱交換器(22)は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器を構成している。室外熱交換器(21)では、冷媒と室外空気との間で熱交換が行われる。また、室内熱交換器(22)では、冷媒と室内空気との間で熱交換が行われる。
膨張弁(30)は、本発明の電動弁を構成している。膨張弁(30)は、流体としての冷媒が流れる所定流路、つまり冷媒回路(11)の液配管の流路の開度を調節する。なお、本実施形態では、膨張弁(30)を室外ユニット(12)に設けているが、この膨張弁(30)を室内ユニット(13)に設けるようにしても良い。
四路切換弁(23)は、第1から第4までのポートを備えている。四路切換弁(23)では、第1ポートが圧縮機(20)の吐出側と繋がり、第2ポートが室外熱交換器(21)と繋がり、第3ポートが室内熱交換器(22)と繋がり、第4ポートが圧縮機(20)の吸入側と繋がっている。四路切換弁(23)は、第1ポートと第2ポートとを連通させると同時に第3ポートと第4ポートとを連通させる状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第3ポートとを連通させると同時に第2ポートと第4ポートとを連通させる状態(図1の破線で示す状態)とに、設定が切換可能となっている。
〈膨張弁の構成〉
図2に示す膨張弁(30)は、本体部(40)と上部ケーシング(45)と圧電アクチュエータ(50)と変位拡大機構(60)と弁体(65)とを備えている。
本体部(40)は、円筒状に形成されている。本体部(40)には、第1通路(41)と第2通路(42)と下側収容空間(43)とが形成されている。第1通路(41)は、本体部(40)を外周側から貫通しており、その一端が下側収容空間(43)と連通している。第2通路(42)は、本体部(40)を下側から貫通しており、その一端が下側収容空間(43)と連通している。第1通路(41)、第2通路(42)、及び下側収容空間(43)は、冷媒が流れる流路を構成している。また、第2通路(42)の一端側の開口部は、弁体(65)によって開閉される弁座部を構成している。
上部ケーシング(45)は、本体部(40)の上側に設けられている。本実施形態の上部ケーシング(45)は、下側が開放される円筒状に形成されている。具体的に、上部ケーシング(45)は、円筒状の大径部(46)と、該大径部(46)よりも小径で上側に向かって凹んだ有底円筒状の凹部(47)とが連続して形成されている。そして、上部ケーシング(45)の内側には、上側収容空間(44)が形成されている。
圧電アクチュエータ(50)は、弁体(65)の駆動源を構成しており、縦長の棒状に形成されている。この圧電アクチュエータ(50)は、複数枚の圧電素子(ピエゾ素子)が長手方向に積層されて構成されている。つまり、圧電アクチュエータ(50)は、いわゆる積層型の圧電アクチュエータで構成されている。また、本実施形態では、圧電アクチュエータ(50)は、セラミック材料から成る圧電素子により構成されている。圧電アクチュエータ(50)には、その正極及び負極にリード線を介して電源が接続されている(図示省略)。電源からは、圧電アクチュエータ(50)に対して電圧が印加される。これにより、圧電アクチュエータ(50)は、長手方向、すなわちピエゾ素子の積層方向に伸縮変形可能に構成されている。
圧電アクチュエータ(50)は、上部ケーシング(45)の凹部(47)内に概ね収容されている。圧電アクチュエータ(50)の上端は、上部ケーシング(45)の上端に固定されている。一方、圧電アクチュエータ(50)の下端は、上部ケーシング(45)の大径部(46)の内部に臨んでいる。
本実施形態の変位拡大機構(60)は、容器部材(61)とダイヤフラム(48)と筒状部材(62)とを備えている。
容器部材(61)は、本発明の第1収納部材を構成している。容器部材(61)は、上下に扁平な筒状に形成されている。容器部材(61)の内部には第1室(71)が形成されている。容器部材(61)の上端には、第1室(71)の上端側を開放させる上側開放部(61a)が形成されている。また、容器部材(61)の下端の中央には、軸方向に貫通する連通口(61b)が形成されている。
容器部材(61)の上側開放部(61a)には、本発明の板状部材を構成するダイヤフラム(48)が設けられている。ダイヤフラム(48)は、上側開放部(61a)に嵌合するような円板状に形成されている。ダイヤフラム(48)は、上側開放部(61a)の開口面に沿うように上側開放部(61a)に固定され、第1室(71)を封止している。ダイヤフラム(48)は、弾性変形可能な金属板で構成されている。
ダイヤフラム(48)の上面の中央部には、上記圧電アクチュエータ(50)の下端が固定されている。これにより、圧電アクチュエータ(50)の変形に伴う押し付け力が、ダイヤフラム(48)の上面中央部に作用する。ダイヤフラム(48)は、この押し付け力によって、第1室(71)の内側に向かって変位するように撓み変形する第1変位部を構成している(図2(B)参照)。
筒状部材(62)は、本発明の第2収納部材を構成しており、下側収容空間(43)に配置されている。筒状部材(62)は、上下方向に延びる中空状であり、内部に第2室(72)が形成されている。筒状部材(62)は、上端が開口する有底筒状に形成されており、上端の開口部が上記容器部材(61)の下部に固定されている。これにより、第1室(71)と第2室(72)とは、連通口(61b)を介して互いに連通している。
筒状部材(62)は、筒状の周壁部(62a)と、該周壁部(62a)の下端を閉塞する底壁部(62c)とを有している。周壁部(62a)は、所定の弾性力を有するベローズ部材によって構成されている。つまり、筒状部材(62)は、軸方向に伸縮変形可能に構成されている。筒状部材(62)の底壁部(62c)は、筒状部材(62)の伸縮変形に応じて軸方向に変位する。この底壁部(62c)は、詳細は後述の弁体(65)を保持するようにしながら弁体(65)を開閉方向へ移動させる第2変位部を構成している。
上記第1室(71)と第2室(72)とには、作動流体としての液体が封入されている。本実施形態において、この液体として塩化カルシウム溶液から成る電解質溶液が用いられている。なお、他の電解質溶液として塩化ナトリウム溶液を用いるようにしても良い。
筒状部材(62)の底壁部(62c)の下端には、弁体保持部材(66)が設けられている。弁体保持部材(66)は、弁体(65)側に向かって先細となる円錐状に形成されている。弁体保持部材(66)の上面は、筒状部材(62)の底壁部(62c)の下面に固定されている。これにより、弁体保持部材(66)は、筒状部材(62)の底壁部(62c)と一体となって変位するように構成されている。
筒状部材(62)の周囲には、仕切部材(63)が設けられている。仕切部材(63)は、上下方向に延びる有底筒状であり、上側に開口部が形成されている。仕切部材(63)は、筒状部材(62)よりも大径であり、筒状部材(62)及び弁体保持部材(62c)を内部に収納している。また、仕切部材(63)は、上端の開口部が容器部材(61)の下部に固定されている。これにより、下側収容空間(43)の冷媒、つまり冷媒回路(11)の冷媒と、筒状部材(62)及び弁体保持部材(62c)とが仕切部材(63)によって仕切られている。つまり、仕切部材(63)は、冷媒回路(11)の冷媒に対して筒状部材(62)及び弁体保持部材(62c)を遮断している。また、仕切部材(63)は、筒状部材(62)と同様、その周壁部(63a)がベローズ部材によって構成されている。つまり、仕切部材(63)は、軸方向に伸縮変形可能に構成されている。仕切部材側底壁部(63c)は、仕切部材(63)の伸縮変形に応じて軸方向に変位する。
仕切部材(63)の底壁部(仕切部材側底壁部(63c))には、その下面側に上記弁体(65)が固定されている。弁体(65)は、仕切部材側底壁部(63c)に支持される基部(65a)と、該基部(65a)の下側に形成される弁先部(65b)とで構成されている。基部(65a)は円柱状に形成される一方、弁先部(65b)は下側に向かうに連れて小径となるテーパー状、あるいは円錐状に形成されている。
上記弁体保持部材(66)の先端部は、仕切部材側底壁部(63c)の上側の面と当接している。これにより、弁体保持部材(66)は、仕切部材側底壁部(63c)を介して弁体(65)を保持している。弁体保持部材(66)が上下に変位すると、この弁体保持部材(66)の先端に当接する仕切部材側底壁部(63c)及び弁体(65)も上下に変位する。弁体(65)は、このような変位に伴い第2通路(42)を開放する位置(図2(A)参照)と、閉鎖する位置(図2(B)参照)との間を変位自在となっている。
変位拡大機構(60)では、ダイヤフラム(48)についての第1室(71)側に臨む面の面積(S1)と、筒状部材(62)の底壁部(62c)についての第2室(72)側に臨む面の面積(S2)とを比較すると、面積(S2)が面積(S1)よりも小さくなっている。換言すると、第2室(72)の軸直角となる断面の面積が、第1室(71)の軸直角となる断面の面積よりも小さくなっている。具体的に、本実施形態では、面積S1が約6cm2であり、面積S2が約0.5cm2である。つまり、本実施形態では、面積S1が面積S2の約12倍となっている。
変位拡大機構(60)では、ダイヤフラム(48)の変位量を拡大させて、筒状部材(62)の底壁部(62c)へ伝達させる。つまり、変位拡大機構(60)は、圧電アクチュエータ(50)の長手方向の変形量よりも大きな変位量で弁体(65)を変位させるように構成されている。この弁体(65)の制御動作の詳細は後述する。
−運転動作−
まず、上記実施形態の空気調和装置(10)の運転動作について説明する。空気調和装置(10)では、四路切換弁(23)の設定が図1の実線で示す状態と、破線で示す状態とに切り換わることで、冷房運転と暖房運転とが行われる。ここでは、これらの運転のうち冷房運転を代表して説明する。
図1に示す圧縮機(20)が運転状態になると、圧縮機(20)で圧縮された冷媒は、四路切換弁(23)を通過して室外熱交換器(21)を流れる。室外熱交換器(21)では、冷媒が室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(21)で凝縮した冷媒は、膨張弁(30)を流れる。膨張弁(30)では、圧電アクチュエータ(50)に印加される電圧に応じて、冷媒が流れる流路の開度が適宜調節される。その結果、冷媒は膨張弁(30)通過する際に減圧されて膨張する。
膨張弁(30)で膨張した冷媒は、室内熱交換器(22)を流れる。室内熱交換器(22)では、冷媒が室内空気から吸熱して蒸発する。その結果、室内空気が冷却され、室内の冷房が行われる。室内熱交換器(22)で蒸発した冷媒は、圧縮機(20)に吸入されて再び圧縮される。
−電動弁の制御動作−
次に、本発明の電動弁を構成する膨張弁(30)の制御動作について図2を参照しながら説明する。
膨張弁(30)による冷媒回路(11)の開度制御時には、圧電アクチュエータ(50)に所定値の電圧が印加される。ここで、図2(A)に示す状態の圧電アクチュエータ(50)に印加される電圧が増大すると、圧電アクチュエータ(50)は主として長手方向に膨張変形しようとする。その結果、圧電アクチュエータ(50)は、変形が許容される下側に向かって伸長する。
圧電アクチュエータ(50)が所定の変形量で下側に伸長変形すると、ダイヤフラム(48)の中央部に所定の押し付け力が作用する。ダイヤフラム(48)は、この押し付け力によって中央が下側に膨出するように撓み変形する(図2(B)参照)。その結果、第1室(71)の容積が縮小する。第1室(71)の容積が縮小すると、第1室(71)の液体が押しのけられて第2室(72)側へ移動する。つまり、第1室(71)の容積の縮小に伴い、第1室(71)及び第2室(72)の内圧が上昇する。
第1室(71)から第2室(72)へ液体が押しのけられると、筒状部材(62)の底壁部(62c)に作用する圧力も上昇する。これにより、筒状部材(62)が軸方向に伸長変形すると同時に底壁部(62c)が下側に変位する。ここで、第1室(71)へ圧力を作用させるためのダイヤフラム(48)の作用面(面積S1をなす面)と、第2室(72)の液体から圧力を受ける受圧面(底壁部(62c)の面積S2をなす面)とでは、面積S1よりも面積S2の方が小さくなっている。従って、例えばダイヤフラム(48)の平均的な変位量が例えば0.6mmである場合、底壁部(62c)の変位量は0.6mm×S1/S2=約7.2mmとなる。従って、底壁部(62c)は、ダイヤフラム(48)の変位量よりも極めて大きな変位量で下側に変位する。
以上のようにして筒状部材(62)の底壁部(62c)が下側に変位すると、弁体保持部材(66)及び仕切部材側底壁部(63c)と共に弁体(65)が下側に変位する。つまり、弁体(65)は、変位量が拡大された底壁部(62c)と同等の変位量で下側に変位する。その結果、弁体(65)は、図2(B)に示すように、第2通路(42)を閉鎖する位置となる。
一方、図2(B)に示す状態の圧電アクチュエータ(50)に印加される電圧が減少する若しくはゼロ電圧になると、圧電アクチュエータ(50)は主として長手方向に収縮変形しようとする。その結果、圧電アクチュエータ(50)は、上方に向かって収縮する。
圧電アクチュエータ(50)が所定の変形量で上側に伸長変形すると、ダイヤフラム(48)に対する押し付け力が小さくなり、ダイヤフラム(48)は元の平板状の状態に戻る。その結果、第1室(71)の容積が拡大する。第1室(71)の容積が拡大すると、第2室(72)内の液体が第1室(71)側へ引っ張られ、第1室(71)及び第2室(72)の内圧が減少する。
第2室(72)から第1室(71)へ液体が引き込まれると、筒状部材(62)の底壁部(62c)に作用する圧力も減少する。これにより、筒状部材(62)の底壁部(62c)は、上側に変位する。ここで、変位拡大機構(60)では、ダイヤフラム(48)が元の状態に戻る際の平均的な変位量が約0.6mmである場合、底壁部(62c)の変位量は0.6mm×S1/S2=約7.2mmとなる。従って、底壁部(62c)は、ダイヤフラム(48)の変位量よりも極めて大きな変位量で上側に変位する。
以上のようにして筒状部材(62)の底壁部(62c)が上側に変位すると、弁体保持部材(66)及び仕切部材側底壁部(63c)と共に弁体(65)が上側に変位する。つまり、弁体(65)は、変位量が拡大された底壁部(62c)と同等の変位量で上側に変位する。その結果、弁体(65)は、図2(A)に示すように、第2通路(42)を開放する位置となる。
〈液体の熱膨張防止作用について〉
ところで、上述のような膨張弁(30)で冷媒回路(11)の開度を調節する際には、弁体(65)の周辺、つまり下側収容空間(43)が高温の冷媒で満たされることになる。そのため、この冷媒の熱が、下側収容空間(43)に収納される弁体(65)や筒状部材(62)へ伝熱すると、第2室(72)の液体が加熱され、更には第1室(71)の液体も加熱されてしまう。このようにして両室(71,72)の液体が加熱されると、液体が熱膨張してしまう。その結果、液体の容積が大きくなり、両室(71,72)の内圧も上昇してしまう。これにより、底壁部(62c)、更には弁体(65)が変位してしまうので、弁体(65)を所望とする位置で保持することができず、膨張弁(30)の開度を適切に制御できなくなるという問題が生じる。そこで、本実施形態の膨張弁(30)では、このような液体の熱膨張に起因する弁体(65)の変位を抑制するようにしている。
具体的に、まず、本実施形態では、冷媒回路(11)の冷媒に対して筒状部材(62)及び弁体保持部材(66)を遮断するように仕切部材(63)を設けるようにしている。この仕切部材(63)によって、冷媒から筒状部材(62)や弁体保持部材(66)への入熱が抑制される。なお、仕切部材(63)を断熱性に優れた樹脂材料等で構成することで、筒状部材(62)や弁体保持部材(66)への入熱量を効果的に削減できて好適である。
また、筒状部材(62)及び弁体保持部材(66)の周囲には、仕切部材(63)との間に所定の断熱空間が形成されるので、この断熱空間により、筒状部材(62)や弁体保持部材(66)への入熱量が低減される。なお、この断熱空間に、例えばグラスウール等の断熱材を設けると、上記入熱量を更に低減することができる。
以上のようにして、筒状部材(62)や弁体保持部材(66)の入熱量が削減されると、第2室(72)や第1室(71)の流体の熱膨張が抑制される。その結果、液体の熱膨張に起因して弁体(65)の位置が変動してしまうことが回避される。
また、本実施形態では、第1室(71)や第2室(72)に封入される液体として電解質溶液としての塩化カルシウム溶液を用いている。この塩化カルシウム溶液は、体積膨張率が比較的小さい物性を有する。従って、第1室(71)や第2室(72)へ熱が侵入したとしても、この液体の熱膨張を抑制できるので、弁体(65)の位置が変動してしまうことが回避される。なお、電解質溶液として塩化ナトリウムを用いた場合にも同様の作用効果を奏することができる。
更に、本実施形態では、圧電アクチュエータ(50)の変形方向に扁平な容器部材(61)を設け、容器部材(61)の上側開放部(61a)をダイヤフラム(48)で閉塞している。そして、圧電アクチュエータ(50)の押し付け力に応じてダイヤフラム(48)を変形させることで、第1室(71)の容積を変化させるようにしている。この構造では、比較的大きな軸断面積を要する第1室(71)の容積を最小限に抑えることができる。その結果、第1室(71)に封入される液体量も少なくなるので、この液体が熱膨張したとしても、熱膨張に起因する液体の容積変化量が小さくなる。従って、液体の熱膨張に起因する弁体(65)の位置変動を最小限に抑えることができる。
また、本実施形態では、弁体(65)と接触する弁体保持部材(66)が、弁体(65)側に向かって先細となっている。このため、弁体(65)から筒状部材(62)への伝熱が、この弁体保持部材(66)によって最小限に抑えられる。その結果、第2室(72)や第1室(71)の液体の熱膨張が抑制されるので、弁体(65)の位置変動が更に効果的に回避される。なお、弁体保持部材(66)を断熱性に優れた樹脂材料等で構成すると好適である。また、弁体保持部材(66)の形状は、筒状部材(62)の底壁部(62c)に対して横断面が小さくなるような形状であれば如何なる形状であっても良く、例えば突起状、針状、棒状であっても良い。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、圧電アクチュエータ(50)に押し付けられて変位するダイヤフラム(48)の変位量を変位拡大機構(60)によって拡大させ、拡大された変位量で弁体(65)を変位させるようにしている。従って、圧電アクチュエータ(50)の長手方向の長さを短くでき、ひいては複数の圧電素子の積層枚数を減らすことができ、且つ弁体(65)のストローク量を充分確保することができる。その結果、膨張弁(30)の小型化、低コスト化を図ることができ、更には消費電力の削減を図ることができる。
また、上記実施形態では、冷媒回路(11)の高温冷媒と筒状部材(62)とを仕切部材(63)によって遮断するようにしている。これにより、第2室(72)や第1室(71)の液体への入熱を抑えることができるので、液体の熱膨張に起因して弁体(65)の位置がずれてしまうことを回避できる。従って、膨張弁(30)による開度制御の精度が向上し、膨張弁(30)の信頼性を向上できる。
また、上記実施形態では、ダイヤフラム(48)によって第1室(71)の容積を変化させる構造としたので、第1室(71)の容積を最小限に抑えることができる。従って、液体の熱膨張に起因する容積変化量が小さくなり、熱膨張に起因する弁体(65)の位置ずれを更に確実に回避できる。
更に、上記実施形態では、第1室(71)や第2室(72)に封入される液体として塩化カルシウム溶液から成る電解質溶液を用いるようにしているので、液体の熱膨張を更に抑制できる。
また、上記実施形態では、弁体(65)を保持するための弁体保持部材(66)の先端を先細としているので、弁体(65)から筒状部材(62)への入熱量を低減できる。その結果、第1室(71)や第2室(72)の液体の熱膨張に起因する弁体(65)の位置ずれを一層効果的に回避できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、空気調和装置(10)の冷媒回路(11)の膨張弁(30)として本発明の電動弁を適用するようにしている。しかしながら、この電動弁を冷媒回路(11)の所定の流路を開閉する開閉弁や、冷媒の流量を調節する流量調節弁として適用するようにしても良い。
具体的に、図3の例は、空気調和装置(10)の熱交換器の分流器の開閉を行う開閉弁(32,33)に本発明の電動弁を適用したものである。この例の室外熱交換器(21)では、互いに分岐する3つのパス(21a,21b,21c)が形成されており、各パス(21a,21b,21c)にそれぞれ開閉弁(32)が1つずつ設けられている。同様に、室内熱交換器(22)では、互いに分岐する3つのパス(22a,22b,22c)が形成されており、各パス(22a,22b,22c)にそれぞれ開閉弁(33)が1つずつ設けられている。
このような分流器の各開閉弁(32,33)として本発明の電動弁を適用することで、この分流器のコンパクト化を図ることができ、且つ各開閉弁の消費電力を抑えることができる。従って、空気調和装置(10)の省エネ性を向上できる。
また、図3に示す例では、蒸発器となる熱交換器(22,23)を流出した冷媒が、各パス(22a,22b,…)を流れる際、開閉弁(32,33)の弁体(65)の周辺が低温冷媒雰囲気となる。つまり、これらの開閉弁(32,33)は、低温の流体が流れる流体流路の開閉にも用いられることになる。この場合、図2に示す下側収容空間(43)の低温冷媒によって、弁体(65)や筒状部材(62)が冷やされてしまい、第1室(71)や第2室(72)の液体が凍結してしまう虞も生ずる。
しかしながら、このような使用状況においても、図2に示す仕切部材(63)や弁体保持部材(66)を用いることで、第1室(71)や第2室(72)の液体から低温冷媒への吸熱量が小さくなるので、この液体の凍結を防止することができる。また、液体として用いられる塩化カルシウム溶液等の電解質溶液は、比較的凝固点も低い物性を有するので、この液体の凍結を一層確実に防止できる。従って、液体に凍結に起因して弁体(65)を変位させることができないというような不具合を未然に回避できる。
また、上記実施形態では、容器部材(61)の上側開放部(61a)にダイヤフラム(48)を設けるようにしているが、これに代わって第1変位部としてのピストン部材で上側開放部(61a)を閉塞するようにしても良い。この場合、圧電アクチュエータ(50)の押し付け力によってピストン部材を上下に進退させることで、第1室(71)の容積を確実に変化させることができる。
同様に、上記実施形態の筒状部材(62)に代わって、内部に第2室(72)を形成する筒状のシリンダ部材を用い、シリンダ部材の下端側を第2変位部としてのピストン部材で閉塞するようにしても良い。この場合、第2室(72)の内圧の変化に応じてピストン部材を上下に進退させると共に、このピストン部材によって弁体(65)を移動させることで、弁体(65)を開閉方向に変位させることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、駆動源によって弁体を駆動させて所定の流体流路を開閉する電動弁、及び電動弁を備えた冷凍装置について有用である。
図1は、実施形態に係る空気調和装置の冷媒回路の概略構成を示す配管系統図である。 図2は、実施形態に係る電動弁の概略構成を示す縦断面図であり、図2(A)は弁体が開放位置に変位している状態を示すものであり、図2(B)は弁体が閉鎖位置に変位している状態を示すものである。 図3は、その他の実施形態に係る空気調和装置の概略構成を示す配管系統図である。
符号の説明
10 空気調和装置(冷凍装置)
11 冷媒回路(流体流路)
30 膨張弁(電動弁)
32,33 開閉弁(電動弁)
48 ダイヤフラム(板状部材,第1変位部)
50 圧電アクチュエータ(圧電素子,駆動源)
60 変位拡大機構
61 容器部材(第1収納部材)
61a 上側開放部(開放部)
62 筒状部材(第2収納部材)
62c 底壁部(第2変位部)
63 仕切部材
65 弁体
66 弁体保持部材(保持部)
71 第1室
72 第2室

Claims (7)

  1. 所定の流体流路(11)を開閉するように変位する弁体(65)と、該弁体(65)を駆動する駆動源(50)とを備えた電動弁であって、
    上記駆動源(50)に押し付けられて変位する第1変位部(48)と、上記弁体(65)を保持するようにしながら変位して該弁体(65)を開閉方向へ移動させる第2変位部(62c)とを有すると共に、上記第1変位部(48)の変位量を拡大させて第2変位部(62c)へ伝達する変位拡大機構(60)を備え、
    上記変位拡大機構(60)は、内部に所定の液体が封入されると共にその一端側を閉塞するようにして上記第1変位部(48)が変位自在に設けられる第1室(71)と、該第1室(71)の他端と連通して内部に上記液体が封入されると共にその他端側を閉塞するようにして上記第2変位部(62c)が変位自在に設けられる第2室(72)とを更に有し、
    上記第2変位部(62c)についての上記第2室(72)側に臨む面の面積S2が、上記第1変位部(48)についての上記第1室(71)側に臨む面の面積S1よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする電動弁。
  2. 請求項1において、
    上記変位拡大機構(60)には、上記第2室(72)を内部に形成する第2収納部材(62)が設けられ、
    上記第2収納部材(62)を上記流体流路(11)の流体から遮断する仕切部材(63)を更に備えていることを特徴とする電動弁。
  3. 請求項1又は2において、
    上記第1室(71)を内部に形成すると共に、該第1室(71)の一端側を開放させる開放部(61a)を有する第1収納部材(61)を備え、
    上記第1変位部は、上記第1収納部材(61)の開放部(61a)を封止するように固定されると共に、上記駆動源(50)に押し付けられて第1室(71)の内側に向かって変形する板状部材(48)で構成されていることを特徴とする電動弁。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    上記第1室(71)及び第2室(72)に封入される液体は、電解質溶液であることを特徴とする電動弁。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    上記第2変位部(62c)の端部には、弁体(65)側に向かって先細に形成されて該弁体(65)を保持するための保持部(66)が設けられていることを特徴とする電動弁。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
    上記駆動源は、電圧が印加されることで変形して上記第1変位部(48)を押し付ける圧電素子(50)で構成されていることを特徴とする電動弁。
  7. 冷媒が循環して冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)の冷媒の流路を開閉する電動弁(30)を備えた冷凍装置において、
    上記電動弁が、請求項1乃至6のいずれか1つの電動弁で構成されていることを特徴とする冷凍装置。
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