JP2008539277A - プロテインキナーゼインヒビター - Google Patents

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Abstract

癌などの、プロテインキナーゼが仲介する疾患および病態の治療において有用性を有するプロテインキナーゼインヒビターを開示する。本発明の化合物は、構造(I)を有し、その立体異性体、プロドラッグおよび薬学的に受容可能な塩を含み、式中R、R、R、X、Z、Lおよびwは本明細書中で定義する通りである。本発明の化合物を含む組成物ならびにその使用に関する方法も開示する。ある実施形態において、阻害されるプロテインキナーゼは、オーロラ−2キナーゼである。

Description

(発明の分野)
本発明は全般に、プロテインキナーゼ活性を阻害する化合物、ならびにこれに関連する組成物および方法に関する。
(関連する分野の説明)
癌(および他の過剰増殖性疾患)は、細胞増殖が制御不可であることを特徴とする。この細胞増殖の正常な制御の欠損は、細胞周期を経る進行を制御する細胞経路に対する遺伝子による障害の結果起こることが多いと思われる。細胞周期は、DNAの合成(S期)、細胞***または有糸***(M期)、ならびにgap1(G1)およびgap2(G2)と称する非合成期間で構成される。M期は有糸***および細胞質***(2つの細胞への分離)からなる。細胞周期のすべてのステップは、タンパク質リン酸化の整然としたカスケードにより制御されており、プロテインキナーゼのいくつかのファミリーがこれらのリン酸化ステップの実行に関与している。さらに、ヒトの腫瘍中で多くのプロテインキナーゼ活性が、正常組織中と比較して増加しており、この増加した活性はキナーゼレベルの増加、あるいは活性化補助因子または阻害タンパク質の発現における変化を含む多くの要因に起因し得る。
細胞は、細胞周期のある期から別の期への移行を抑制するタンパク質を有する。例えばサイクリンは、細胞周期を通して濃度が増加および減少するタンパク質のファミリーである。適切な時点においてサイクリンは、細胞周期を経る進行に必要不可欠な基質をリン酸化する、異なるサイクリン依存性プロテインキナーゼ(CDK)を起動させる。特定の時点での特定のCDKの活性は、始動および細胞周期を経る協調的進行の両方に必要不可欠である。例えばCDK1は、M期の活性を統合する最も有名な細胞周期制御因子である。しかし、M期に関与する他の有糸***プロテインキナーゼの多くが同定されており、該キナーゼには、ポロ、オーロラおよびNIMA(Never in MitosisA)ファミリーに属するもの、ならびに有糸***チェックポイント、有糸***終了および細胞質***に関与するキナーゼが含まれる。
オーロラキナーゼは、***装置(中心体、双極性紡錘体の極または中央体)に集中し、中心体の分離、双極性紡錘体の集合および染色体の分離の完了を制御する、発癌性セリン/スレオニンキナーゼのファミリーである。3種のオーロラキナーゼのヒトホモログが同定されている(オーロラ−1、オーロラ−2およびオーロラ−3)。該ホモログはすべて、カルボキシル末端に位置する、高度に保存された触媒領域を共有しているが、これらのアミノ末端伸長は、配列類似性なく長さが変動する。ヒトのオーロラキナーゼは、増殖細胞において発現し、さらに***、卵巣、前立腺、膵臓および結腸を含む多数の腫瘍細胞系において過剰発現する。オーロラ−2キナーゼは、癌遺伝子として機能し、Rat1線維芽細胞およびマウスNIH3T3細胞の両方をインビトロで形質転換し、オーロラ−2はヌードマウスにおいてNIH3T3細胞を形質転換し、腫瘍として増殖させる。過剰なオーロラ−2は、癌抑制遺伝子の欠損の加速および/または癌遺伝子の増幅によって、細胞を異数性(異常な数の染色体)にできるが、これらの事象は細胞形質転換の一因となることが知られている。過剰なオーロラ−2を有する細胞は、有糸***チェックポイントを回避でき、順に不適切に癌原遺伝子を活性化できる。オーロラ−2の上方制御は、多くの膵臓癌細胞系において実証されている。さらに、オーロラ−2キナーゼアンチセンスオリゴヌクレオチド処理は、細胞周期の停止およびアポトーシスの増加の原因となることが示されている。したがって、オーロラ−2キナーゼは、癌および他の病態の治療用の新規な小分子インヒビターを合理的に設計するために魅力的な標的である。
キナゾリン誘導体は、プロテインキナーゼ活性の阻害のために提案されてきた。例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3には、特定のキナゾリン化合物を受容体チロシンキナーゼのインヒビターとして使用することが記載されている。さらに、特許文献4は、キナゾリン誘導体をオーロラ−2キナーゼの阻害に使用することを提案している。
国際公開第96/09294号パンフレット 国際公開第96/33981号パンフレット 欧州特許第0837063号明細書 国際公開第01/21596号パンフレット
しかし、オーロラ−2キナーゼ活性インヒビターなどの、追加の、および改善されたプロテインキナーゼ活性インヒビターが依然として必要である。本発明は、これらの必要を満たし、他の関連する利点を提供する。
(発明の要旨)
本発明は全般に、以下の一般構造(I):
Figure 2008539277
(式中、R、R、R、X、Z、Lおよびwは本明細書中に定義の通りである)
を有する化合物(これらの立体異性体、プロドラッグおよび薬学的に受容可能な塩を含む)を対象とする。
本発明のこれらの化合物は、広範囲の治療用途にわたって有用性を有し、プロテインキナーゼ活性によって少なくとも部分的に仲介される、例えば癌などの疾患の治療に使用できる。したがって、本発明の1つの態様において、本明細書中に記載された化合物は、これらを必要とする被験体に投与するための、薬学的に受容可能な組成物として処方される。
別の態様において、本発明は例えば癌などのプロテインキナーゼ媒介性疾患の治療または予防のための方法を提供し、該方法は、このような治療を必要とする患者に本明細書中に記載された化合物または前記化合物を含む薬学的に受容可能な組成物の治療有効量を投与することを含む。ある実施形態において、プロテインキナーゼ媒介性疾患はオーロラ−2キナーゼ疾患である。
本発明の別の態様は、生体試料においてプロテインキナーゼ活性を阻害することに関し、該方法は、生体試料を、本明細書中に記載の化合物または前記化合物を含む薬学的に受容可能な組成物と接触させることを含む。ある実施形態において、プロテインキナーゼはオーロラ−2キナーゼである。
本発明の別の態様は、患者中でプロテインキナーゼ活性を阻害する方法に関し、該方法は、本明細書中に記載の化合物または前記化合物を含む薬学的に受容可能な組成物を患者に投与することを含む。ある実施形態において、プロテインキナーゼはオーロラ−2キナーゼである。
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することで明らかになると思われる。その目的のために、特定の特許および他の文献を本明細書中に引用し、本発明のさまざまな態様をより具体的に説明する。これらの文献はそれぞれ、参照によりその全体を本明細書に組み込まれる。
(発明の詳細な説明)
本発明は全般に、プロテインキナーゼインヒビターとして有用な化合物ならびにこれらに関連する組成物および方法を対象とする。本発明のこのような化合物は、以下の構造(I):
Figure 2008539277
[式中、
Xは、NH、SまたはOであり、
Zは、CHまたはNであり、
およびRは、同一または異なっており、独立して水素、ヒドロキシ、ハロ、−CN、−NO、−NH、−R、−OR、−SCH、−CF、−C(=O)OR、−OC(=O)R(式中Rは、アルキルまたは置換アルキルである)または−O(CH−R(式中nは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンである)である。
は、水素、−NH、アルキル、−CNまたは−NOであり、またはRは、−L−Cycl(式中Lは、直接結合、−S−または−NH−であり、Cyclは、炭素環、置換炭素環、複素環または置換複素環である)であり、
は、−C(=S)NH−、−NHC(=S)−、−NHC(=S)NH−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−NHC(=O)NH−、−(CH−、−NH(CH−、−(CHNH−、−NH(CHNH−、−C(=S)NH(CH−、−NHC(=S)(CH−、−(CHC(=S)NH(CH、−(CHNHC(=S)(CH−、−NHC(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)NH−、−NHS(=O)−(式中nは出現するごとに、同一または異なっており、独立して1、2、3または4である)であり、
wは、−S(=O)NHC(=O)CH、−NHC(=O)R、−NHS(=O)(式中Rは、アルキルまたはシクロアルキルである)、−NH、−NH.HClまたは−S(=O)−R(式中Rは、アルキル、置換アルキル、アミン、N−メチルピペラジン、モルホリンおよび2−メチルピロリジンから選択される)である]を有し、これらの立体異性体、プロドラッグおよび薬学的に受容可能な塩を含む。
特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲内で使用される以下の用語は、後述する意味を有する。
「アルキル」という用語は、1から6個、好ましくは1から4個の炭素原子の飽和の直鎖または分岐の炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどであり、好ましくはメチル、エチル、プロピル、2−プロピルを指す。代表的な飽和直鎖アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどを含み、一方飽和分岐アルキルは、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチルなどを含む。代表的な飽和環状アルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシルなどを含み、一方不飽和環状アルキルはシクロペンテニル、シクロヘキセニル、−CH−シクロヘキセニルなどを含む。環状アルキルはさらに、本明細書中では「シクロアルキル」とも称する。不飽和アルキルは少なくとも1つの二重または三重結合を、隣接する炭素原子との間に含む(それぞれ「アルケニル」または「アルキニル」と称する)。代表的な直鎖および分岐型アルケニルは、エチレニル、プロピレニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブチレニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−メチル−1−ブテニル、2−メチル2−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニルなどを含み、一方代表的な直鎖および分岐型アルキニルは、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、2−ペンチニル、3−メチル−1−ブチニルなどを含む。
「アルキレン」は、炭素原子が1から6個の直鎖飽和二価の炭化水素基または炭素原子が3から6個の分岐型飽和二価炭化水素基、例えばメチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなど、好ましくはメチレン、エチレンまたはプロピレンを意味する。
「シクロアルキル」は、炭素原子が3から8個の飽和環状炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを指す。
「アルコキシ」は、−OR基を意味し、式中Rは上記の定義のようなアルキル、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどである。
「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくはフッ素および塩素を意味する。
「ハロアルキル」は、1個または複数個の好ましくは、1、2または3個の、同一のまたは異なるハロ原子で置換されたアルキル、例えば−CHCl、−CF、−CHCF、−CHCClなどを意味する。
「ハロアルコキシ」は、−OR基を意味し、式中Rは上記の定義のようなハロアルキル、例えばトリフルオロメトキシ、トリクロロエトキシ、2,2−ジクロロプロポキシなどである。
「アシル」は、−C(O)Rを意味し、式中Rは水素、本明細書中の定義のようなアルキルまたはハロアルキル、例えばホルミル、アセチル、トリフルオロアセチル、ブタノイルなどである。
「アリール」は、完全に共役したπ電子系を有する、炭素原子数が6から12個の、全炭素単環式または縮合多環式(すなわち、隣接した炭素原子対を共有している環)の基を指す。アリール基の限定されない例は、フェニル、ナフチルおよびアントラセニルである。アリール基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。置換されている場合、アリール基はアルキル、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、フェノキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノからなる群より独立して選択される、1個または複数個の、より好ましくは1、2または3個の、さらにより好ましくは1個または2個の置換基により、置換されている。
「ヘテロアリール」は、環原子が5から12個の、N、OまたはSから選択される1、2、3または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCであり、さらに完全に共役したπ電子系を有する、単環式の環または縮合環(すなわち、隣接した原子対を共有している環)を指す。非置換のヘテロアリール基の限定されない例は、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、プリン、トリアゾール、テトラゾール、トリアジンおよびカルバゾールである。ヘテロアリール基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。置換されている場合、ヘテロアリール基はアルキル、ハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、アシル、ニトロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノまたはジアルキルアミノからなる群より独立して選択される、1個または複数個の、より好ましくは1、2または3個の、さらにより好ましくは1個または2個の置換基により置換されている。
「炭素環」は、3から14個の環原子を有する脂肪族環系を指す。「炭素環」という用語は、飽和していても部分的に不飽和であっても、場合により置換されている環を同様に指す。「炭素環」という用語は、基または連結点が脂肪族環上にある、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルなどの、1つまたは複数の芳香族環または非芳香族環に縮合された脂肪族環を含む。
「複素環」は、3から14個の環原子を有する飽和環式環系を指し、ここで1、2または3個の環原子はN、OまたはS(O)(mは0から2の整数である)から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子はCであり、1個または2個のC原子は場合によってはカルボニル基によって置換されていてよい。ヘテロシクリル環は、アルキル(ここでアルキルは場合によりカルボキシ基またはエステル基から独立して選択される1または2個の、置換基により置換されている)、ハロアルキル、シクロアルキルアミノ、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアミノアルキル、シクロアルキルアルキルアミノアルキル、シアノアルキル、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、飽和または不飽和のヘテロシクロアミノ、飽和または不飽和のヘテロシクロアミノアルキルおよび−COR(Rはアルキル)から選択される、1個または複数個の、好ましくは1、2または3個の置換基によって、場合により独立して置換されていてよい。より具体的には、ヘテロシクリルという用語は、限定するものではないがテトラヒドロピラニル、2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、ピペリジノ、N−メチルピペリジン−3−イル、ピペラジノ、N−メチルピロリジン−3−イル、ピロリジノ、モルホリノ、4−シクロプロピルメチルピペラジノ、チオモルホリノ、チオモルホリノ−1−オキサイド、チオモルホリノ−1,1−ジオキサイド、4−エチルオキシカルボニルピペラジノ、3−オキソピペラジノ、2−イミダゾリドン、2−ピロリジノン、2−オキソホモピペラジノ、テトラヒドロピリミジン−2−オン、およびこれらの誘導体を含む。ある実施形態において、複素環基はハロ、アルキル、置換アルキル(カルボキシ、エステル、ヒドロキシ、アルキルアミノ、飽和または不飽和ヘテロシクロアミノ、飽和または不飽和へテロシクロアミノアルキルまたはジアルキルアミノにより置換されている)から独立して選択される1個または2個の置換基により、場合により置換されている。
「任意選択の」または「場合により」は、その後ろに記述されている事象または状況が起こってもよいが起こらなくてもよく、該記述が該事象または状況が起こった場合および起こらなかった場合を含むことを意味する。例えば、「場合によりアルキル基によって置換された複素環基」は、アルキルが存在してもよいが存在しなくてもよく、該記述は複素環基がアルキル基により置換された状態および複素環基がアルキル基により置換されていない状態を含む。
最後に、本明細書中で使用される「置換された」という用語は、少なくとも1個の水素原子が置換基により置換されている、任意の基(例えば、アルキル、アリール、ヘテロアリール、炭素環、複素環など)を意味する。オキソ置換基(「=O」)の場合、2個の水素原子が置換されている。本発明の文脈の中で「置換基」は、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、シアノ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、複素環、置換複素環、複素環アルキル、置換複素環アルキル、−NR、−NRC(=O)R、−NRC(=O)NR、−NRC(=O)OR−NRS0、−ORe、−C(=O)R−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)NR、−SH、−SR、−SOR、−S(=O)、−OS(=O)、−S(=O)OR(式中、RおよびRは同一または異なっており、独立して水素、アルキル、ハロアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換へテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換へテロアリールアルキル、複素環、置換複素環、複素環アルキルまたは置換複素環アルキルである)を含む。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、XはNHであり、ZはCHである。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、R、RおよびRは、水素、−NH、−OCH、−OH、−CF、ハロまたは−O(CH−R(式中nは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンである)から選択される。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、Lは−C(=S)NH−または−C(=S)NHCH−である。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、wは−S(=O)NHC(=O)CHまたは−S(=O)−R(式中RはC〜Cのアルキル、C〜Cの置換アルキルまたはアミンから選択されるである)。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、wは−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、wは−S(=O)NHC(=O)CHである。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、R、RおよびRは、水素、−NH、−OCH、−OH、−CF、ハロまたは−O(CH(式中nは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンである)から選択され、wは−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、RおよびRは、水素、ハロ、−CFまたは−OHから選択され、Rは水素であり、wは−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、XはNHであり、ZはCHであり、Lは−C(=S)NH−であり、該化合物は以下の構造(II):
Figure 2008539277
を有する。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、RおよびRは、−OCH、−OH、−CF、ハロまたは−O(CH−R(式中nは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンである)から選択され、Rは水素または−NHから選択される。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、RおよびRは、−OCH、−OH、−CFまたはハロから選択され、Rは水素である。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、wは−S(=O)NHC(=O)CHまたは−S(=O)−Rであり、RはC〜Cアルキル、C〜C置換アルキルまたはアミンから選択される。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、wは−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、RおよびRは、−OCH、−OH、−CFまたはハロから選択され、Rは水素であり、wは−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、RおよびRは、−OCH、−OH、−CFまたはハロから選択され、Rは水素であり、wは−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、RおよびRはメトキシであり、Rは水素であり、wは−S(=O)NHC(=O)CHであり、該化合物は以下の構造(III):
Figure 2008539277
を有する。
上記の構造(II)のより具体的な態様において、Rは−Clであり、Rは−CFであり、Rは水素であり、wは−S(=O)NHC(=O)CHであり、該化合物は以下の構造(IV):
Figure 2008539277
を有する。
上記の構造(I)のより具体的な態様において、以下の表1に説明される構造を有する化合物を提供する。
Figure 2008539277
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同じ分子式を有するが、これらの原子の結合の性質または配列あるいはこれらの原子の空間中における配置が異なる化合物を「異性体」と呼ぶ。空間中におけるこれらの原子の配置が異なる異性体を「立体異性体」と呼ぶ。相互に鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、相互に重ね合わせ不可な鏡像である立体異性体は「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が非対称中心を有する、例えば化合物が4つの異なる基と結合している場合、1対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その非対称中心の絶対配置により特徴づけることができ、CahnおよびPrelogのRS順位則(Cahn, R.、Ingold, C.およびPrelog,V.、 Angew. Chem. 78巻:413〜47頁、1966年;Angew. Chem. Internat. Ed. Eng. 5巻:385〜415頁、511頁、1966年)について、または分子が偏光面を回転させる様式について記載されており、右旋性または左旋性と称される(すなわち、それぞれ(+)異性体または(−)異性体と称される)。キラル化合物は、どちらか一方の単独のエナンチオマーとしても、またはこれらの混合物としても存在できる。エナンチオマーを同じ割合で含む混合物を「ラセミ混合物」と呼ぶ。
本発明の化合物は1つまたは複数の非対称中心を有することができ、したがってこのような化合物は単独の(R)または(S)立体異性体として、またはこれらの混合物として製造できる。特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲における特定の化合物の説明または命名は、単独のエナンチオマーおよびこれらのラセミ混合物またはその他の混合物の両方を含むことを意味する。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当分野では周知である(ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY、第4章、第4版、March,J.、John Wiley and Sons、New York City、1992年を参照のこと)。
本発明の化合物は、互変異性および構造異性の現象を示すことができる。例えば本明細書中に記載の化合物は、2−インドリノン部分がピロール部分に連結する二重結合についてE配置またはZ配置をとってもよく、あるいは該化合物はEおよびZの混合物であってもよい。本発明は、オーロラ−2キナーゼ活性の調節能力を有する、任意の互変異性体または構造異性体およびこれらの混合物を包含し、互変異性体または構造異性体のいずれか1つに限定するものではない。
本発明の化合物は、人間などの生体の体内で酵素により代謝され、プロテインキナーゼの活性を調節できる代謝産物を発生させるであろうと予想される。このような代謝産物は本発明の範囲内である。
本発明の化合物は、以下の一般的な反応スキームならびに実施例に説明したより詳細な手順に従って、当業者により作製できる。
置換(非置換)六員芳香族部分の塩素化は、塩化スルフリルの存在下で、約0℃において実施できる。4−クロロ置換(非置換)ベンゼン(2)を硝酸処理し、1−クロロ−置換(非置換)−2−ニトロベンゼン(3)と発煙硝酸が得られ、温度は約25℃を超えないことが好ましい。エチル2−シアノ−2−(置換(非置換)−2−ニトロフェニル)アセテート(4)は、化合物3とエチルシアノアセテートとを、カリウム−tert−ブトキシドの存在下で、THF中で反応させることにより調製できる(化合物4の収率23%)。さらに収率は、この段階において化合物3をKCOの存在下でDMF中において、約155℃の温度で6時間反応させることにより最適化でき、エチルシアノエステルを高収率で得られる。エステル4の還元は、過剰のZn粉末(4〜6eq)を用いて公知の条件を使用して実施でき、エチル−2−アミノ−5,6−ジメトキシ−1H−インドール−3−カルボキシレート(5)をN−ヒドロキシ副生成物なしで得た。
エチル−2−アミノ−5,6−ジメトキシ−1H−インドール−3−カルボキシレート(5)の対応するジヒドロ−4H−ピリミド[4,5−b]インドールへの環化は、ホルムアミドおよび触媒のナトリウムメトキシド中で約200〜220℃で加熱することにより実施できる。ジヒドロピリミジンは、塩化チオニルおよび/またはPOClを用いてジオキサン溶媒中において、良好な収率で4−塩化物(6)に変換できる。4−塩化物はスキーム1に概略を描いたように、4−ピペラジン置換三環式類似体の調製に利用できる。4−塩化物は、ピリジンの存在下で、ジオキサン溶媒中で、還流温度でピペラジンと反応させることができ、良好な収率で化合物8を得られる。R位の置換基は、シアノアセトアミドおよび乾燥HClの存在下で、環状エチルエステルのいずれかと反応させることにより得ることができ、グアニジン類似体10が得られる。これらの化合物は、NaOH水溶液の存在下で3−置換三環ジヒドロピリミジンに環化できる。
標的化合物の調製に利用できるある種の中間体を、スキーム2で概略を描き、スキーム3で詳しく述べた。さまざまな置換芳香族アミンは、チオホスゲンを用いてジクロロメタン中で、CaCOおよび水の存在下で処理でき、イソチオシアノ類似体13を高収率で得られる。4−置換ピペラジン類似体を有する式Iの化合物は、ピリジンおよびジオキサン溶媒の存在下で化合物13を反応させることにより調製できる。化合物14を1−ブロモ−3−クロロプロパンと炭酸セシウムとを用いてアセトニトリル中で処理し、1−(3−クロロプロポキシ)−4−クロロ−2−メトキシベンゼン15を得た。N−メチルピペラジン、モルホリンおよびまたは2−メチルピロリジンなどのさまざまな炭素環式化合物をアセトニトリル中で化合物15と反応させて、化合物17を高収率で得た(スキーム2)。続けて同様の条件下で該化合物を硝酸処理し、スキーム1に示した化合物4の調製に関して記載したように、エチル−2−シアノ−2−(置換(非置換)−2−ニトロフェニル)アセテートを調製した。
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本発明の化合物またはこれらの薬学的に受容可能な塩は、それ自体を人間の患者に投与でき、あるいは前述の材料が適切な担体または賦形剤と混合された医薬組成物として投与できる。薬剤の処方および投与に関する技術は、例えばレミントンの薬理学(REMINGTON’S PHARMACOLOGICAL SCIENCE)、Mack Publishing Co.、Easton、PA、最新版に見出すことができる。
「医薬組成物」は、本明細書に記載の1種または複数種の化合物あるいはこれらの薬学的に受容可能な塩またはプロドラッグと、薬学的に受容可能な賦形剤などの他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生体に対する化合物の投与を容易にすることである。
「薬学的に受容可能な賦形剤」は、化合物の投与をさらに容易にするために、医薬組成物に添加される不活性物質を指す。賦形剤の限定されない例は、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、多様な糖および数種のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油ならびにポリエチレングリコールを含む。
「薬学的に受容可能な塩」は、親化合物の生物学的な有効性および特性を保持した塩を指す。このような塩は、(1)親化合物の遊離塩基と、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸とを、あるいは酢酸、シュウ酸、(D)または(L)リンゴ酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸などの有機酸とを、好ましくは塩酸または(L)リンゴ酸とを反応させることにより得られる酸付加塩、または(2)親化合物中に酸性プロトンが存在する場合、金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムイオンにより置換されて、あるいはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と組み合わせてのどちらかにより形成される塩を含むことができる。
本発明の化合物はさらにプロドラッグとして機能できる、または機能するように設計されている。「プロドラッグ」はインビボで親薬剤に変換される薬品を指す。プロドラッグは多くの場合、時として、親薬剤より投与が容易であり得るため有用である。例えば親薬剤が経口投与により利用できないのに対して、プロドラッグは経口投与により利用できる。プロドラッグは医薬組成物において、親薬剤を超える、改善された溶解度を有することもできる。プロドラッグの限定されない例は、エステル(「プロドラッグ」)、リン酸塩、アミド、カルバミン酸塩または尿素として投与される本発明の化合物であると思われる。
「治療有効量」は、治療されている疾患の症状の1種または複数種がある程度緩和すると見込まれる、化合物の投与量を指す。癌の治療に関しては、治療有効量は(1)腫瘍の大きさが縮小する、(2)腫瘍の転移を阻害する、(3)腫瘍の増殖を阻害する、および/または(4)癌に関連する1種または複数種の症状を緩和する、効果を有する量を指す。
本明細書中で使用される「プロテインキナーゼ仲介病態」または「疾患」という用語は、プロテインキナーゼが役割を果たしていることが公知である、いずれかの疾患または他の有害な病態を意味する。「プロテインキナーゼ仲介病態」または「疾患」という用語は、さらにプロテインキナーゼインヒビターを用いた治療により軽減する疾患または病態も意味する。このような病態は、限定するものではないが、癌または他の過剰増殖性疾患を含む。ある実施形態において、癌は結腸、***、胃、前立腺、膵臓または卵巣組織の癌である。
本明細書中で使用される「オーロラ−2キナーゼ仲介病態」または「疾患」という用語は、オーロラが役割を果たしていることが公知である、いずれかの疾患または他の有害な病態を意味する。「オーロラ−2キナーゼ仲介病態」または「疾患」という用語は、さらにオーロラ−2インヒビターを用いた治療により軽減する疾患または病態も意味する。
本明細書中で使用される「投与する」または「投与」は、本発明の発明化合物またはこれの薬学的に受容可能な塩、あるいは発明化合物またはこれの薬学的に受容可能な塩を含む医薬組成物を、プロテインキナーゼ関連疾患を予防または治療するために、生体に送達することを指す。
投与の適切な経路は、限定するものではないが、経口、直腸内、経粘膜的または腸内への投与あるいは筋肉内、皮下、髄内、髄腔内、直接脳室内、静脈内、硝子体内、腹腔内、鼻腔内または眼球内への注入を含むことができる。ある実施形態において、好ましい投与経路は経口および静脈注入である。
あるいは、化合物を全身様式ではなくむしろ局所様式で、例えば化合物を固体腫瘍に直接、多くの場合デポー製剤または徐放性製剤として注入することで投与できる。
さらに、標的薬剤送達系において、例えば腫瘍特異的抗体で被覆したリポソームに入れて、薬剤を投与できる。この方法では、リポソームは腫瘍により選択的に標的とされ、取り込まれ得る。
本発明の医薬組成物は当分野で周知の方法により、例えば従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、研和、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥の各方法によって製造できる。
本発明に従って使用するための医薬組成物は、医薬として使用できる調製品中への活性化合物の調製を容易にする賦形剤および助剤を含む、1種または複数種の生理学的に許容し得る担体を使用する、任意の従来方法で調剤できる。適切な処方は選択された投与経路に依存する。
注入のためには、本発明の化合物は水溶液、好ましくはハンクス液、リンゲル液または生理食塩緩衝液などの生理学的適合性緩衝液中に処方できる。経粘膜的投与のためには、浸透すべき障壁に対して適した浸透剤を製剤に使用する。このような浸透剤は当分野で一般的に周知である。
経口投与のためには、活性化合物と、当分野で周知の薬学的に受容可能な担体とを組み合わせることにより、化合物を処方できる。このような担体により、本発明の化合物を患者による経口摂取用の錠剤、丸剤、薬用キャンディー、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして処方することが可能になる。経口使用のための医薬調製品は、固体賦形剤を使用し、場合により得られた混合物をすりつぶし、顆粒混合物を加工し、必要に応じて他の適切な助剤を添加した後製造でき、錠剤または糖衣錠のコアを得る。有用な賦形剤は、具体的には乳糖、ショ糖、マンニトールまたはソルビトールを含む糖などの充填剤、例えばトウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプンおよびジャガイモデンプンなどのセルロース調製品、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの他の材料である。所望であれば、架橋ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸などの崩壊剤も添加できる。さらにアルギン酸ナトリウムなどの塩も使用できる。
糖衣錠のコアは、適切な被膜を備えている。この目的のために、場合によりアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含む、濃縮糖液が使用される。活性化合物用量の識別または異なる組み合わせの特徴付けのために、錠剤または糖衣錠の被膜に染料または顔料を添加できる。
経口使用できる医薬組成物は、ゼラチン製の押込み型カプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトール製の軟封入カプセルを含む。押込み型カプセルは、乳糖などの充填剤、デンプンなどの結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑剤ならびに場合により安定剤と混合して有効成分を含むことができる。軟カプセルにおいて、活性化合物は脂肪油、液体パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体に溶解または懸濁できる。安定剤もまた、これらの製剤に添加できる。硬ゼラチンカプセルもまた、使用可能な医薬組成物に含まれる。カプセルまたは丸剤は褐色ガラス瓶またはプラスチック瓶に詰め、活性化合物を光から保護できる。活性化合物カプセル製剤を含む容器は、調節された室温(15〜30℃)にて保存されることが好ましい。
吸入による投与のために、本発明に従って使用する化合物は、好都合には、加圧パックまたは噴霧器および適切な高圧ガス、例えば、限定するものではないがジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは二酸化炭素を使用したエアゾールスプレーの形態で送達できる。加圧エアゾールの場合、用量は定量を送達する弁を備えることにより調節できる。吸入器または注入器で使用するための、化合物および乳糖またはデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含む、例えばゼラチン製のカプセルおよびカートリッジも処方できる。
化合物は、非経口投与、例えばボーラス注入または持続注入による投与のためにも処方できる。注入用製剤は、例えばアンプル中の単位剤形で、または多回用量容器中に保存料を添加して提供してもよい。組成物は懸濁液、溶液あるいは油性または水性媒体中の乳剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤材料を含み得る。
非経口投与のための医薬組成物は、水溶性形態の水溶液、例えば限定するものではないが、活性化合物の塩を含む。さらに、活性化合物の懸濁液を脂溶性媒体中で調製できる。適切な脂溶性媒体は、ゴマ油などの脂肪油、オレイン酸エチルおよびトリグリセライドなどの合成脂肪酸エステルまたはリポソームなどの材料を含む。水性注入懸濁液はカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどの、懸濁液の粘度を上げる物質を含むことができる。場合により、懸濁液は適切な安定剤および/または化合物の溶解度を増加し高濃度溶液の調製を可能にする薬品を含むことができる。
あるいは活性原料は、使用前に適切な媒体、例えば無菌で発熱物質の入っていない水と構成するための粉末形態であってよい。
化合物はさらに、例えばココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐薬基剤を使用した、坐薬または滞留浣腸などの直腸用組成物にも処方できる。
前述の製剤に加えて、化合物はさらにデポー製剤としても製剤することができる。このような長期作用製剤は埋込み(例えば、皮下または筋肉内)あるいは筋肉内注入によって投与できる。この投与経路のために、本発明の化合物は、適切なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば薬理学的に許容し得る油との乳剤中に)、またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは限定するものではないが、難溶性の塩などの難溶性誘導体として処方できる。
本発明の疎水性化合物用の医薬担体の限定されない例は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマーおよびVPD共溶媒系などの水相を含む、共溶媒系である。VPDは、3%w/vベンジルアルコール、8%w/v非極性界面活性ポリソルベート80および65%w/vポリエチレングリコール300の溶液であり、無水エタノールで容積を合わせている。VPD共溶媒系(VPD:D5W)は、5%デキストロース水溶液を用いて1:1に希釈されたVDPからなる。この共溶媒系は疎水性化合物をよく溶解し、全身投与においてそれ自体も低毒性を示す。当然ながらこのような共溶媒系の比率は、その溶解特性および毒性特性を破壊せずに、大幅に変更できる。さらに、共溶媒成分の種類は変更でき、例えばポリソルベート80の代わりに他の低毒性非極性界面活性剤を使用してもよく、ポリエチレングリコールの分画サイズは変更でき、他の生体適合性ポリマー、例えばポリビニルピロリドンをポリエチレングリコールと置き換えてもよく、他の糖または多糖類をデキストロースと置き換えることもできる。
あるいは、疎水性医薬化合物の他の送達系も使用できる。リポソームおよび乳剤は、疎水性薬剤の送達媒体または担体の周知の例である。さらに、ジメチルスルホキシドなどの特定の有機溶媒もまた使用できるが、多くの場合毒性が高くなるという代償がある。
さらに、治療薬を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの持続放出系を使用して、化合物を送達できる。さまざまな持続放出系材料が確立されており、当業者には周知である。持続放出カプセルは、その化学的性質に依存して、数週間から100日を超える間化合物を放出する。治療試薬の化学的性質および生物学的安定性に依存して、タンパク質安定化のためのさらなる方策も使用できる。
本明細書中の医薬組成物は、適切な固体またはゲル相の、担体または賦形剤をさらに含有できる。このような担体または賦形剤の例には、限定するものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリエチレングリコールなどのポリマーが挙げられる。
本発明のプロテインキナーゼ調節化合物の多くは、生理学的に許容し得る塩として提供でき、特許請求する化合物は負にまたは正に帯電した種を形成できる。化合物が正に帯電した部分を形成する塩の例には、限定するものではないが4級アンモニウム(本明細書中の他の場所で定義される)、塩酸塩、硫酸塩、炭酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩などの塩が挙げられ、4級アンモニウム基の窒素原子は、適切な酸と反応した、選択された本発明の化合物の窒素である。本発明の化合物が負に帯電した種を形成する塩には、限定するものではないが、化合物中のカルボン酸基と適切な塩基(例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))など)との反応によって形成された、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムの各塩が挙げられる。
本発明における使用に適した医薬組成物は、活性成分が所望の目的、例えばプロテインキナーゼ活性の調節および/またはプロテインキナーゼ関連疾患の治療または予防を達成するために十分な量が含まれている組成物を含む。
より具体的には、治療有効量は疾患の症状の予防、緩和または改善、あるいは治療されている対象の生存を延長するために有効な化合物量を意味する。
治療有効量の決定は、特に本明細書中に提供された詳細な開示に照らして、当業者の能力の十分範囲内である。
本発明の方法に使用される任意の化合物に関して、治療有効量または投薬量は、はじめに細胞培養試験から推定できる。次いで動物モデルにおける使用のために、細胞培養において決定されるIC50を含む範囲の血中濃度を達成するように、用量が処方できる(すなわち、プロテインキナーゼ活性の最大阻害の半分を達成する検査化合物の濃度)。このような情報は、その後人間における有用な投薬量をより正確に決定するために使用できる。
本明細書中に記載された化合物の毒性および治療有効性は、例えば対象化合物に関するIC50およびLD50(これらは両方とも本明細書の他の箇所で論じられている)によって決定する、細胞培養または実験動物における標準的医薬手順によって決定できる。これらの細胞培養試験および動物試験から得られるデータは、人間における使用に関する投薬量範囲の処方に使用できる。投薬量は、使用する剤形および利用する投与経路次第で変更できる。的確な剤形、処方、投与経路および投薬量は、患者の病状を考慮して、個々の医師によって選択され得る。(例えば、GOODMAN & GILMAN’S THE PHARMACOLOGICAL BASIS OF THERAPEUTICS、第3章、9版、Hardman, J.およびLimbard, L.編、Mc Graw−Hill、New York City、1996年、46頁を参照されたし)。
投薬の量および間隔は、キナーゼ調節効果を維持するために十分な、活性種の血漿中濃度を提供するためにその都度調整できる。これらの血漿中濃度は最小有効濃度(MEC)と称される。MECは各化合物に関して変化すると思われ、インビトロのデータから確立でき、例えばキナーゼの50〜90%阻害を達成するために必要な濃度は、本明細書中に記載された試験を使用して確定できる。MECに達するために必要な投薬量は、個々の特性および投与経路に依存すると思われる。HPLC試験またはバイオアッセイが血漿中濃度の測定に使用できる。
投薬の間隔は、さらにMEC値を使用して決定できる。化合物は、MECを超える血漿中濃度を10〜90%の確率で、好ましくは30〜90%間の確率で、最も好ましくは50〜90%の間の確率で維持するような投薬計画を使用して投与されるべきである。
現在のところ、本発明の化合物の治療有効量は1日当たり約2.5mg/mから1500mg/mの範囲でよい。追加の例示的量は、0.2〜1000mg/qid、2〜500mg/qid、および20〜250mg/qidに及ぶ。
局所投与または選択的摂取の場合、薬剤の有効な局所濃度は血漿中濃度と関連するとは思われず、当分野で公知の他の手段を使用して、正確な投薬の量および間隔を決定できる。
投与する組成物の量は、もちろん治療されている対象、苦痛の重症度、投与の方法、処方する医師の判断などに依存するであろう。
所望であれば、活性成分を含む、1種または複数種の単位剤形を含有するFDA承認キットなどのパックまたはディスペンサー装置中に、組成物を存在させることができる。該パックは、例えばブリスターパックなどの金属箔またはプラスチック箔を含んでよい。該パックまたはディスペンサー装置には、投与のための取扱説明書を添付できる。該パックまたはディスペンサー装置には、さらに政府機関によって規定された形式の、医薬品の製造、使用または販売を規制する注意書きも容器に付随して添付でき、この注意書きは組成物の形態あるいは人または動物への投与に関する当局の承認を反映している。このような注意書きは、例えば薬剤を規制するために連邦食品医薬品局により承認されたラベル付け、または承認された製品へ挿入するものであってよい。適合性のある医薬担体中に処方された、本発明の化合物を含む組成物を調製し、適切な容器中に収め、表示された病態の治療に関するラベル付けもまたできる。ラベル上に表示された適切な病態は、腫瘍の治療、血管形成の阻害、線維症、糖尿病の治療などを含んでいてよい。
上記のように、本発明の化合物および組成物は、オーロラ−2キナーゼによって仲介される疾患および病態を含む、プロテインキナーゼによって仲介される広範囲の疾患および病態において有用性を見出すと思われる。このような疾患は、限定されない例として、肺癌、NSCLC(非小細胞肺癌)、燕麦細胞癌、骨肉腫、膵臓癌、皮膚癌、***性皮膚線維肉腫、頭頸部癌、皮膚または眼内の黒色腫、子宮癌、卵巣癌、大腸癌、肛門部の癌、胃癌、結腸癌、乳癌、婦人科腫瘍(例えば、子宮肉腫、卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頸部の癌、膣癌または外陰癌)、ホジキン病、肝細胞癌、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌(例えば、甲状腺、膵臓、副甲状腺または副腎の癌)、軟部組織の肉腫、尿道の癌、陰茎癌、前立腺癌(特にホルモン抵抗性の)、慢性または急性白血病、小児固形腫瘍、過好酸球増加症、リンパ球性リンパ腫、膀胱癌、腎臓または尿管の癌(例えば、腎細胞癌、腎盂癌)、小児悪性腫瘍、中枢神経系の新生物(例えば、原発性中枢神経系悪性リンパ腫、脊髄軸の腫瘍、髄芽腫、脳幹グリオーマまたは下垂体線腫)、バレット食道(前悪性症候群)、新生物皮膚疾患、乾癬、菌状息肉症、および前立腺肥大症などの癌、糖尿病性網膜症、網膜虚血および網膜新生血管などの糖尿病関連疾患、肝硬変、血管新生、アテローム性動脈硬化などの心臓血管疾患、自己免疫疾患などの免疫疾患および腎疾患が挙げられる。
本発明化合物は1種または複数種の他の化学療法剤と併用できる。本発明化合物の投薬量は、任意の薬物−薬物反応に合わせて調整してよい。一実施形態において、化学療法剤は***抑制剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、細胞周期インヒビター、酵素、CAMPTOSAR(イリノテカン)などのトポイソメラーゼインヒビター、生物反応修飾物質、抗ホルモン、MMP−2、MMP−9およびCOX−2のインヒビターなどの血管新生インヒビター、抗アンドロゲン、白金配位錯体(シスプラチンなど)、ヒドロキシウレアなどの置換尿素、メチルヒドラジン誘導体、例えばプロカルバジン、副腎皮質抑制剤(例えばミトタン、アミノグルテチミド)、副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベステロール)、タモキシフェンなどの抗エストロゲン、アンドロゲン(例えばプロピオン酸テストステロン)、およびアロマターゼインヒビター(アナストロゾールおよびAROMASIN(エキセメスタン)など)などのホルモンおよびホルモン拮抗剤からなる群より選択される。
併用して上記の方法を実施できるアルキル化剤の例としては、限定するものではないが、単独またはさらにロイコボリンと併用したフルオロウラシル(5−FU);UFT、カペシタビン、ゲムシタビンおよびシタラビンなどの他のピリミジン類似体、スルホン酸アルキル、例えばブスルファン(慢性顆粒球性白血病の治療に使用される)、インプルスルファンおよびピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾデパ、カルボコン、メツレデパおよびウレデパ;エチレンイミンおよびメチルメラミン、例えばアルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロールメラミン;およびナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル(慢性リンパ球性白血病、原発性マクログロブリン血症および非ホジキンリンパ腫の治療に使用される)、シクロホスファミド(ホジキン病、多発性骨髄腫、神経芽細胞腫、乳癌、卵巣癌、肺癌、ウィルムス腫瘍および横紋筋肉腫の治療に使用される)、エストラムスチン、イフォスファミド、ノベムブリチン(novembrichin)、プレドニムスチンおよびウラシルマスタード(原発性血小板血症、非ホジキンリンパ腫、ホジキン病および卵巣癌の治療に使用される);およびトリアジン例えばダカルバジン(軟部組織肉腫の治療に使用される)が挙げられる。
併用して上記の方法を実施できる代謝拮抗化学療法剤の例には、限定するものではないが、葉酸類似体、例えばメトトレキサート(急性リンパ球性白血病、絨毛腫、菌状息肉症、乳癌、頭頸部癌および骨原性肉腫の治療に使用される)およびプテロプテリン;ならびにプリン類似体、例えばメルカプトプリンおよびチオグアニン(急性顆粒球性、急性リンパ球性および慢性顆粒球性の白血病の治療への使用が見出される)が挙げられる。
併用して上記の方法を実施できる天然物を基礎とした化学療法剤の例は、限定するものではないが、ビンカアルカロイド、例えばビンブラスチン(乳癌および精巣癌の治療に使用される)、ビンクリスチンおよびビンデシン;エピポドフィロトキシン、例えばエトポシドおよびテニポシド、これらは両方とも精巣癌およびカポジ肉腫の治療に有用である;抗生物質化学療法剤、例えばダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトマイシン(胃、子宮頸部、結腸、***、膀胱および膵臓の癌の治療に使用される)、ダクチノマイシン、テモゾロマイド、プリカマイシン、ブレオマイシン(皮膚、食道および泌尿生殖器の癌の治療に使用される);ならびにL−アスパラギナーゼなどの酵素化学療法剤が挙げられる。
有用なCOX−IIインヒビターの例には、Vioxx、CELEBREX(セレコキシブ)、バルデコキシブ、パラコキシブ、ロフェコキシブおよびCox189が挙げられる。
有用なマトリックスメタロプロテイナーゼインヒビターの例は、WO96/33172(1996年10月24日公開)、WO96/27583(1996年3月7日公開)、欧州特許出願第97304971.1号(1997年7月8日出願)、欧州特許出願第99308617.2号(1999年10月29日出願)、WO98/07697(1998年2月26日出願)、WO98/03516(1998年1月29日公開)、WO98/34918(1998年8月13日公開)、WO98/34915(1998年8月13日公開)、WO98/33768(1998年8月6日公開)、WO98/30566(1998年7月16日公開)、欧州特許公報606046(1994年7月13日公開)、欧州特許公報931788(1999年7月28日公開)、WO90/05719(1990年5月31日公開)、WO99/52910(1999年10月21日公開)、WO99/52889(1999年10月21日公開)、WO99/29667(1999年6月17日公開)、PCT国際出願PCT/IB98/01113(1998年7月21日出願)、欧州特許出願第99302232.1(1998年3月25日出願)、英国特許出願番号第9912961.1(1999年6月3日出願)、米国特許第5863949号(1999年1月26日発行)、米国特許第5861510号(1999年1月19日発行)および欧州特許公報780386(1997年6月25日公開)に記載されており、これらはすべてその全体を参照により本発明に組み入れられている。好ましいMMP−2およびMMP−9インヒビターはMMP−1を阻害する活性をわずかに有する、または全く有さないインヒビターである。より好ましくは、他のマトリックスメタロプロテイナーゼ(すなわちMMP−1、MMP−3、MMP−4、MMP−5、MMP−6、MMP−7、MMP−8、MMP−10、MMP−11、MMP−12およびMMP−13)と比べてMMP−2および/またはMMP−9を選択的に阻害するインヒビターである。
本発明において有用なMMPインヒビターのいくつかの具体例は、AG−3340、RO32−3555、RS13−0830および3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロペンチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−エキソ−3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R)1−[4−(2−クロロ−4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;4−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−シクロブチル)−アミノ]−プロピオン酸;4−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−4−カルボン酸ヒドロキシアミド;(R)3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−ピラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;(2R,3R)1−[4−(4−フルオロ−2−メチルベンジルオキシ)−ベンゼンスルホニル]−3−ヒドロキシ−3−メチル−ピペリジン−2−カルボン酸ヒドロキシアミド;3−[[(4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(1−ヒドロキシカルバモイル−1−メチル−エチル)−アミノ]−プロピオン酸;3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニル]−(4−ヒドロキシカルバモイル−テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−アミノ]−プロピオン酸;3−エキソ−3−[4−(4−クロロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;3エンド−3−[4−(4−フルオロフェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−8−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタン−3−カルボン酸ヒドロキシアミド;および(R)3−[4−(4−フルオロ−フェノキシ)−ベンゼンスルホニルアミノ]−テトラヒドロ−フラン−3−カルボン酸ヒドロキシアミドから選択される化合物ならびにこれらの化合物の薬学的に受容可能な塩および溶媒和物である。
他の抗血管新生剤、他のCOX−IIインヒビターおよび他のMMPインヒビターもまた、本発明において使用できる。
本発明化合物はさらに、他のシグナル伝達インヒビター、例えばEGFR抗体、EGF抗体およびEGFRインヒビターである分子などのEGFR(上皮増殖因子受容体)応答を阻害する薬剤、;VEGF(血管内皮細胞増殖因子)インヒビター;ならびにerbB2受容体と結合する有機分子または抗体などのerbB2受容体インヒビター、例えばHERCEPTIN(Genentech,Inc.,South San Francisco,CA)などと合わせて使用できるEGFRインヒビターは、例えばWO95/19970(1995年7月27日公開)、WO98/14451(1998年4月9日公開)、WO98/02434(1998年1月22日公開)および米国特許第5747498号(1998年5月5日発行)に記載されており、これらの内容は本明細書中に記載されたと同様に本発明に使用できる。
EGFRインヒビターは、限定するものではないが、モノクロナール抗体C225および抗EGFR22Mab(ImClone Systems,Inc.,New York,NY)、化合物であるZD−1839(AstraZeneca)、BIBX−1382(Boehringer ingelheim)、MDX−447(Medarex Inc.,Annandale,NJ)、およびOLX−103(Merck & Co.,Whitehouse Station,NJ)ならびにEGF 融合毒素(Seragen Inc.,Hopkinton,MA)を含む。
これらおよび他のEGFRインヒビターが本発明において使用できる。VEGFインヒビター、例えばSU−5416およびSU−6668(Sugen Inc.,South San Francisco,CA)は、本発明化合物と組み合わせて使用できる。VEGFインヒビターは、例えばWO01/60814A3(2001年8月23日公開)、WO99/24440(1999年5月20日公開)、PCT国際出願PCT/IB99/00797(1999年5月3日出願)、WO95/21613(1995年8月17日公開)、WO99/61422(1999年12月2日公開)、米国特許第5834504号(1998年11月10日発行)、WO01/60814、WO98/50356(1998年11月12日公開)、米国特許第5883113号(1999年3月16日発行)、米国特許第5886020号(1999年3月23日発行)、米国特許第5792783号(1999年8月11日発行)、WO99/10349(1999年3月4日公開)、WO97/32856(1997年9月12日公開)、WO97/22596(1997年6月26日公開)、WO98/54093(1998年12月3日公開)、WO98/02438(1998年1月22日公開)、WO99/16755(1999年4月8日公開)およびWO98/02437(1998年1月22日公開)に記載されており、これらのすべてはその全体を参照により本発明に組み込まれている。本発明において有用な、いくつかの具体的なVEGFインヒビターの他の例は、IM862(Cytran Inc.,Kirkland,WA);Genentech社の抗VEGFモノクロナール抗体;およびRibozyme社(Boulder,CO)およびChiron社(Emeryville,CA)による合成リボザイムであるアンギオザイム(angiozyme)である。これらおよび他のVEGFインヒビターが、本明細書中に記載のように、本発明において使用できる。GW−282974(Glaxo Wellcome plc)などのpErbB2受容体インヒビターならびにモノクロナール抗体のAR−209(Aronex Pharmaceuticals Inc.,The Woodlands,TX)および2B−1(Chiron)が、さらに本発明化合物と併用でき、例えばWO98/02434(1998年1月22日公開)、WO99/35146(1999年7月15日公開)、WO99/35132(1999年7月15日公開)、WO98/02437(1998年1月22日公開)、WO97/13760(1997年4月17日公開)、WO95/19970(1995年7月27日公開)、米国特許第5587458号(1996年12月24日発行)および米国特許第5877305号(1999年3月2日発行)にそれらが示されており、これらはすべて本明細書によってその全体を参照によりここに組み込まれる。本発明において有用なerbB2受容体インヒビターは、参照によりその全体を組み込まれている、米国特許第6284764号(2001年9月4日発行)にもまた記載されている。前述のPCT出願、米国特許および米国仮出願に記載のerbB2受容体インヒビターの化合物および物質、ならびに他のerbB2受容体を阻害する化合物および物質は、本発明に従って、本発明化合物と合わせて使用できる。
本発明化合物はまた、限定するものではないが、CTLA4(細胞毒性リンパ球抗原4)抗体およびCTLA4を遮断する他の薬剤などの抗腫瘍性免疫応答の強化を可能にする薬剤;ならびに他のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビターなどの抗増殖剤、例えば「背景」の項で引用した参考文献、米国特許第6258824B1号に記載のファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビターを含む、癌の治療に有用な他の薬剤と合わせて使用できる。
上記の方法は、さらに放射線治療と組み合わせても実施でき、放射線治療と組み合わせた本発明化合物の量は、上記の疾患の治療に有効である。
放射線治療を施す技術は当分野では公知であり、これらの技術は本明細書中に記載の併用療法において使用できる。この併用療法における本発明の化合物の投与は本明細書中に記載のように決定できる。
本発明は、以下の限定されない実施例の検討によりさらに理解されるであろう。
(実施例1)
キナーゼインヒビターの化学的合成
H NMRスペクトルを、内部標準として溶媒を使用してVarian400分光計で記録した。化学シフトはppmで表した(δ)。プロトン磁気共鳴の化学シフト値は、特に明記しない限り重水素化したCDClまたはDMSOd6中で測定した。ESI質量スペクトル(MS)はVG−QuattroIIおよびPE−SEIEX(API)質量分析計で得た。薄層クロマトグラフィーは、蛍光指示薬を用いて250μmの層を被覆したMerck社 Kieselgelシリカ60プレート上で実施した。成分は、UV光(λ=254nm)およびまたはヨウ素の蒸気によって視覚化した。フラッシュカラムクロマトグラフィー分離は、70〜230メッシュ60ÅシリカゲルおよびRediSepフラッシュカラムを使用したCombiFlash companion(Teledyne ISCO)で実施した。使用したすべての溶媒は、Aldrichから入手した最高グレードの無水物である。分析HPLCは、以下を使用してWaters Breeze系で実施し、保持時間(RT)を分で示した。使用したカラムは、シンメトリーC18、5μm、4.6×150mmカラム(WAT045905)であった。感湿化合物を扱ったすべての実験は、乾燥した窒素またはアルゴンの下で行った。特に明記しない限り、出発材料は市販(Aldrich,Fluka,Lancaster and TCI)の最高グレードのものであり、さらなる精製は行わずに使用した。適用できる有機溶液は、無水NaSOで乾燥させ、Yamamoto RE500ロータリーエバポレーターを15〜20mmHgで使用して蒸発させた。
(実施例2)
4−クロロ−1,2−ジメトキシ−ベンゼン(スキーム1の化合物2)の調製
500mlの温度計、CaClガードチューブおよび滴下漏斗付き三つ口フラスコに、0℃で25g(23.06mL、1eq)のベラトロール(化合物1)を導入し、続けて塩化スルフリル24.42g(14.53mL、1eq)を1滴ずつ加えた。添加が完了した時に反応混合物を室温に戻して1時間後、減圧下(125〜130、0℃)で蒸留し、得られた黄色の油を収集し、乾燥させ、黄色の液体としての化合物2を得た(27.8g、89.6%)。
(実施例3)
1−クロロ−4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンゼン(化合物3)の調製
500mlの温度計および滴下漏斗付き三つ口フラスコに、27.8g(1eq)の1,4−クロロ−1,2−ジメトキシベンゼン(化合物2)を詰め、続いて30.43g(3eq、20.4mL)の発煙硝酸を、温度が25℃を超えないようにして一滴ずつ加えた。添加が完了した時、反応混合物を1.5時間放置し、得られた固体化合物3を水で処理し、黄色の固体をろ過し、水で洗浄し、乾燥させ、黄色の固体を得た(31.3g、89.4%)。
(実施例4)
エチル2−シアノ−2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)アセテート(化合物4)の調製
カリウム−tert−ブトキシド32.28g(2eq)をエチルシアノアセテート32.54g(30.61mL、2eq)のTHF(250mL)氷***液に加え、15分間撹拌した。白い懸濁液に化合物3(1−クロロ−4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンゼン)31.30g(1eq)を加えた後、反応混合物を加熱し24時間還流した。冷却した反応混合物を水に注ぎ、ジエチルエーテルに抽出し、溶媒を蒸発させた。得られた化合物の粗エチル2−シアノ−2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)アセテート(化合物4)を、次の段階に使用する前にフラッシュカラムにより濃厚な黄色の油として精製した(9.5g22.6%)。
(実施例5)
エチル2−アミノ−5,6−ジメトキシ−1H−インドール−3−カルボキシレート(化合物5)の調製
エチル2−シアノ−2−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)アセテート(化合物4)9.5g(1eq)のAcOH50ml溶液を、Zn粉末8.44g(4eq)と、65℃で12時間加熱することによって反応させた。反応混合物を冷却し、ろ過助剤を介してろ過し、AcOHを用いてよく洗浄し、ろ液を濃縮して残留物を得、得られた残留物を水で処理し、ジクロロメタンに抽出し、カラムクロマトグラフィーにより茶色の固体として精製した(4.4g、55%)。
(実施例6)
6,7−ジメトキシ−3H−ピリミド[4,5−b]インドール−4(9H)−オン(化合物6)の調製
エチル2−アミノ−5,6−ジメトキシ−1H−インドール−3−カルボキシレート(化合物5)4.4g(1eq)、NaOMe(900mg)およびホルムアミド(50ml)の溶液を、N下、220℃で2時間加熱した。該溶液を冷却し、2.5日保存し、ろ過した。ホルムアミドから分離した固体をろ過し、水で洗浄し、乾燥させ、暗褐色の固体としての、化合物6(6,7−ジメトキシ−4−ピペラジン−1−イル−9,9a−ジヒドロ−4aH−ピリミド[4,5−b]インドール)得を、該化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって暗褐色の固体として精製した(2.8g、70%)。
(実施例7)
4−クロロ−6,7−ジメトキシ−9,9a−ジヒドロ−4aH−ピリミド[4,5−b]インドール(化合物7)
4−クロロ−三環構成単位およびキナゾリンを文献の方法(Pandey, A.ら、J. Med. Chem. 2002年、45巻:3772〜93頁; Matsuno, K.ら、Med. Chem. 2002年、45巻:3057〜66頁; Matsuno, K.ら、J. Med. Chem. 2002年、45巻:4513〜23頁;およびVenugopalan, B.ら、J. Heterocycl. Chem. 1988年、25巻:1633〜39頁)を使用して合成した。化合物6(2.8g)、POCl(20ml)およびp−ジオキサン65mlの懸濁液を加熱して、6時間還流した。得られた混合物を冷却し、溶媒を蒸発させた。粗生成物を1%MeOH/DCMを使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、淡黄色の固体としての化合物7(2.2g、73.3%)を得た。
(実施例8)
6,7−ジメトキシ−4−(ピペラジン−1−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(化合物8)
化合物7をp−ジオキサン(50ml)に溶解し、ピペラジン(3.9g)を加え、続いてピリジン(5mL)を、アルゴン下で室温で加えた。反応混合物を加熱して、16時間還流し、冷却した。溶媒を真空下で除去し、DCMおよび10%MeOH溶媒系を使用した、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して粗生成物を得た。精製後に得られた化合物8は、白色がかった固体であった(3.9g、66.10%)。
(実施例9)
N−アセチル−4−イソチオシアナト−ベンゼンスルホンアミド(スキーム2の化合物13)の調製
置換(非置換)アミンおよびまたはN−アセチル−4−アミノ−ベンゼンスルホンアミドを、DCM25mLに溶解し、0.934gのCaCOと0.534mLのチオホスゲンとを15mLの水に溶解した溶液を加えた。反応混合物を一晩撹拌した。得られた混合物をDCMに抽出し、乾燥させ、白色の固体としての化合物13(0.462g、38.6%)を得た。
(実施例10)
4−(6−クロロ−7−トリフルオロメチル−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−ピペラジン−1−チオカルボン酸(4−アセチルスルファモイル−フェニル)−アミド(表1の化合物番号1)の調製
化合物;6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)−7−(トリフルオロメチル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(実施例8に示された同様の方法を使用して調製した)のDCM溶液を撹拌し、化合物13を加え、続いてピリジンを加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、DCMおよび5%MeOH溶媒系を使用してカラムクロマトグラフィーによって白色の固体として精製した(0.108g、97%)。
(実施例11)
4−(6,7−ジメトキシ−9H−ピリミド−[4,5−b]インドール−4−イル)−ピペラジン−1−チオカルボン酸(4−アセチルスルファモイル−フェニル)−アミド(表1の化合物番号2)の調製
化合部8(実施例8に示したように調製した)のDCM溶液を撹拌し、化合物13を加え、続けてピリジンを加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、DCMおよび5%MeOH溶媒系を使用してカラムクロマトグラフィーによって、白色の固体として精製した(0.043g、59.1%)。
(実施例12)
4−(6−クロロ−9H−ピリミド[4,5−b]インドール−4−イル)−ピペラジン−1−チオカルボン酸(4−アセチルスルファモイル−フェニル)−アミド(表1の化合物番号3)の調製
6−クロロ−4−(ピペラジン−1−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドール(実施例8に示した同様の手順を使用して調製した)のDCM溶液を撹拌し、化合物13を加え、続けてピリジンを加えた。得られた反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応の完了後、溶媒を蒸発させた。粗生成物を、DCMおよび10%MeOH溶媒系を使用してCombiFlash Companionによって、白色の固体として精製した(0.12g、63.3%)。
(実施例13)
1−(3−クロロプロポキシ)−4−クロロ−2−メトキシベンゼン(スキーム2の化合物15)の調製
化合物14の4−クロロ−2−メトキシフェノール、炭酸セシウムおよび1−ブロモ−3−クロロプロパンをアセトニトリル中で加熱し、1時間還流した。反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発させた。得られた残留物を水(20mL)に溶解し、DCMに抽出した。DCM層を塩水で洗浄し、乾燥させた。溶媒を蒸発させ、得られた固体をエーテルで処理し、固体を収集し、淡黄色の油としての、化合物15を得た(7.34g、99%)。
(実施例14)
1−(3−(4−クロロ−2−メトキシフェノキシ)プロピル)−4−メチルピペラジン(スキーム2の化合物17)の調製
化合物15をアセトニトリルに溶解し、N−メチルピペラジン(2eq)を加え、得られた反応混合物を70℃に8時間加熱した。反応混合物を冷却し、溶媒を蒸発させた。残留物をジエチルエーテルで処理し、沈殿した固体をろ過し、乾燥させ、黄色がかった茶色の固体としての、黄色がかった茶色の固体を得た(5.9g、63.2%)。
(実施例15)
1−(3−(4−クロロ−2−メトキシ−5−ニトロフェノキシ)プロピル)−4−メチルピペラジン(化合物18)の調製
酢酸を、5℃の硝酸にゆっくりと加えた。粉末にした化合物17を混合物に加え、15分間撹拌した。得られた反応混合物を室温に温め一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、粘性のある液体を氷水に注ぎ、NaHCO溶液を用いて希釈した。得られた混合物を蒸発させ、ジクロロメタン中の5%MeOHを使用して、シリカカラムクロマトグラフィーにより黄色の固体として、精製した(1.8g、52.1%)。
(実施例16)
エチル2−シアノ−2−(4−クロロ−2−ニトロフェニル)アセテートの調製
化合物4、5、6および7(スキーム1および2)のために示された同様の方法を使用して、化合物7−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ)−6−メトキシ−4−(ピペラジン−1−イル)−9H−ピリミド[4,5−b]インドールを調製した。
(実施例17)
MP277およびMP300によるオーロラ−2キナーゼ活性の阻害
例示的化合物MP277(構造IV)およびMP300(構造III)をオーロラ−2キナーゼ阻害試験において評価した。
Figure 2008539277
この試験において、キナーゼ活性はルシフェラーゼによって産生された発光量(LU)をルミノメーターを使用して測定することにより、キナーゼ反応の後に溶液中に残ったATPの量を定量化して決定した。阻害割合を、以下の等式における薬剤を含んでいない対照(DMSOの対照)およびオーロラ−2酵素を含んでいない対照(ATPの対照)に対するルミノメーターによる薬剤処理反応の測定値を比較することによって、個々の化合物について決定した。
Figure 2008539277
50μlの反応において、sf9細胞(Upstate,Lake Placid,NY)において産生された組換えオーロラ−2キナーゼを、30℃で2時間、62.5μMのKemptide(Calbiochem,San Diego,CA)、3μMのATP(Invitrogen,Carlsbad,CA)およびキナーゼ反応緩衝液(40mM Tris−HCl、10mM MgClおよび0.1μg/μlウシ血清アルブミン(BSA))と共にインキュベートした。この反応はあらかじめDMSO中で所望の濃度に希釈した薬剤物質の存在下で実施した。インキュベートの後、50μlのKinase−Glo(登録商標)(Promega,Inc.,Madison,WI)の溶液を各反応混合物に加え、室温で10分間平衡化させた。Kinase−Glo溶液は、ATPと反応して発光するルシフェラーゼ酵素およびルシフェリンを含んでいる。キナーゼ活性はルシフェラーゼによって産生された発光量(LU)を、ルミノメーター(Thermo−Electron,Vantaa,Finland)を使用して測定することにより、キナーゼ反応の後に溶液中に残ったATPの量を定量化して決定した。
50%のオーロラ−2キナーゼ活性が阻害された薬剤濃度(IC50)を例示的化合物MP277およびMP300に関して決定した。MP277のIC50は0.049μMであり、一方MP300のIC50は<0.005μMであった。MP277およびMP300に関するこの阻害活性は、特に例えばMP277およびMP300に構造的に関連する化合物、例えば、MP277およびMP300に存在する構造基
Figure 2008539277
が、以下の
Figure 2008539277
の1つにより置換された化合物などに観察された、有意に低いレベルの活性と比較して予想外に高い。
したがって、MP277およびMP300などの本発明の例示的化合物は、構造的に関連する他の化合物に関して観察された阻害活性よりも有意に高いオーロラ−2キナーゼ阻害活性を提供する。
(実施例18)
MP277は癌細胞毒性を引き起こす
癌細胞系の細胞殺滅を評価するために、インビトロ細胞毒性試験を実施した。使用した腫瘍細胞系はAmerican Type Culture Collectionより購入し、以下のように同定された:Panc−1(膵臓)、MiaPaCa−2(膵臓)、MCF−7(***)、HT−29(結腸)、U2−OS(骨肉腫)、OVCAR−3(卵巣)、HepG2(肝細胞癌)およびTT(甲状腺髄様癌)。試験は、Cell−Titer−Glo Non−Radioactive Cell Proliferation Assay (Promega Corp.,Madison,WI)を利用した。まず細胞を、300mg/LのL−グルタミン、100単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンおよび10%ウシ胎児血清を添加した、RPMI1640培地(Cat# 21870−076,Invitrogen Corporation)において培養した。すべての細胞系は加湿培養器において37℃、5%CO雰囲気で培養した。
細胞を、細胞の増殖速度に依存してウェル当たり2000から10000細胞の濃度で、96ウェルMicrolite TCTマイクロタイタープレート(7418,Thermo Labsystems,Franklin,MA)中の0.09mLの培地に0日目に接種した。1日目に10μLの個々の化合物の連続希釈液を、3連でプレートに加えた。37℃で4日間加湿培養器でインキュベートした後、ルシフェラーゼ酵素も含んでいるCell−Titer−Glo試薬中で細胞は溶解していた。ルシフェラーゼ反応は溶解細胞から放出されたATPを利用して発光し、発光強度はATPの量に直線的に関係する。したがって、発光の量は薬剤処理の後にウェル中に残った細胞の数を反映する。この発光をLuminoskanルミノメーター(Thermo Electron Corp.,Vantaa,Finland)を使用して測定した。データはバックグランドに関して補正した発光から計算した、対照細胞の生存率として表した。細胞の生存率は処理したウェルの平均発光値を対照の平均発光値で割って100をかけて決定した。
以下の細胞系:Panc−1、MiaPaCa−2、MCF−7、HT−29、U2−OS、OVCAR−3、HepG2およびTTに関するMP277の計算によるIC50値はそれぞれ以下の通りである:40.67μM、66.59μM、22.46μM、14.65μM、25.93μM、24.97μM、7.83μMおよび51.67μM。上記のように、MP277の活性レベルは構造的に関連のある化合物に関して観察されたレベルと比較して、予想外に高い。
(実施例19)
MP277はインビボで腫瘍の増殖を阻害する
生命系において腫瘍細胞に対するMP277の有効性を評価するために、マウスにおいて異種移植片試験を実施した。1×10HT−29のヒト結腸癌細胞を、16Nu/Nu胸腺欠損マウス(Charles River Laboratories,Wilmington,MA)の皮下に注入した。腫瘍体積は、式((幅)×長さ)/2に従って測定した。腫瘍はおよそ体積で100mmに増殖でき(0日目)、この時点でマウスを無作為に2つの群に分けた:8匹のマウスは25mg/kgのMP277で処理し、一方他の8匹は同じ体積の薬剤の媒体を与えた。この研究のために使用した薬剤の媒体は、60%プロピレングリコール、30%ポリエチレングリコール300、10%エタノールならびに150mg/mLの2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンであった。各マウスに、1日1回×5のスケジュールで2週間、周期の間に2日の休止をとって0.1mlの薬剤または媒体を腹腔内投与した。この研究期間を通して、薬剤または媒体からの顕著な毒性は認められなかった。この取り組みを使用して、MP277はインビボで腫瘍の増殖を阻害するために有効であることが見出され、この結果を図1に示した。
(実施例20)
オーロラ−2キナーゼ試験および癌細胞ベースの細胞毒性試験によって決定された、例示的化合物の活性
本明細書中の例示的化合物を、原則として上記の実施例17に記載したようなオーロラ−2キナーゼ阻害試験について評価した。試験で検査した化合物は、上記の表1に説明した、化合物1、2、3、4、8、26、34、42、107および115を含んだ。
簡潔に言うと、キナーゼ活性はルシフェラーゼによって産生された発光量(LU)を、ルミノメーターを使用して測定することにより、キナーゼ反応の後に溶液中に残ったATPの量を定量化して決定した。阻害割合を、以下の等式における薬剤を含んでいない対照(DMSOの対照)およびオーロラ−2酵素を含んでいない対照(ATPの対照)に対するルミノメーターによる薬剤処理反応の測定値を比較することによって、個々の化合物について決定した。
Figure 2008539277
50μlの反応において、sf9細胞(Upstate,Lake Placid,NY)において産生された組換えオーロラ−2キナーゼを、30℃で2時間、62.5μMのKemptide(Calbiochem,San Diego,CA)、3μMのATP(Invitrogen,Carlsbad,CA)およびキナーゼ反応緩衝液(40mM Tris−HCl、10mM MgClおよび0.1μg/μlウシ血清アルブミン(BSA))と共にインキュベートした。この反応はあらかじめDMSO中で所望の濃度に希釈されている薬剤物質の存在下で実施した。インキュベートの後、50μlのKinase−Glo(登録商標)(Promega,Inc.,Madison,WI)の溶液を各反応混合物に加え、室温で10分間平衡化させた。Kinase−Glo溶液は、ATPと反応して発光するルシフェラーゼ酵素およびルシフェリンを含んでいる。キナーゼ活性はルシフェラーゼによって産生された発光量(LU)を、ルミノメーター(Thermo−Electron,Vantaa,Finland)を使用して測定することにより、キナーゼ反応の後に溶液中に残ったATPの量を、定量化して決定した。検査化合物に関するIC50を、以下の表2における項目「IC50 A2K」の下に説明する。
加えて、癌細胞系に対する例示的薬剤の細胞毒活性をさらに評価するために、基本的に上記の実施例18のようなインビトロの細胞毒試験を実施した。試験で検査した化合物は、上記の表1に説明した、化合物1、2、3、4、8、26、34、42、107および115を含んだ。
簡潔に言えば、使用した腫瘍細胞系はAmerican Type Culture Collectionより購入し、以下のように同定された:Panc−1(膵臓)、MiaPaCa−2(膵臓)、MCF−7(***)、HT−29(結腸)、U2−OS(骨肉腫)、OVCAR−3(卵巣)、HepG2(肝細胞癌)およびTT(甲状腺髄様癌)、PC−3(前立腺)およびA549(肺)。試験は、Cell−Titer−Glo Non−Radioactive Cell Proliferation Assay (Promega Corp.,Madison,WI)を利用した。まず細胞を、300mg/LのL−グルタミン、100単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンおよび10%ウシ胎児血清を添加した、RPMI1640培地(Cat# 21870−076,Invitrogen Corporation)において培養した。すべての細胞系は加湿培養器において37℃、5%CO雰囲気で培養した。
細胞を、細胞の増殖速度に依存してウェル当たり2000から10000細胞の濃度で、96ウェルMicrolite TCTマイクロタイタープレート(7418,Thermo Labsystems,Franklin,MA)中の0.09mLの培地に0日目に接種した。1日目に10μLの個々の化合物の連続希釈液を、3連でプレートに加えた。37℃で4日間加湿培養器でインキュベートした後、ルシフェラーゼ酵素も含んでいるCell−Titer−Glo試薬中で細胞は溶解していた。ルシフェラーゼ反応は溶解細胞から放出されたATPを利用して発光し、発光強度はATPの量に直線的に関係する。したがって、発光の量は薬剤処理の後にウェルに残った細胞の数を反映する。この発光をLuminoskan ルミノメーター(Thermo Electron Corp.,Vantaa,Finland)を使用して測定した。データはバックグランドに関して補正した発光から計算した、対照細胞の生存率として表した。細胞の生存率は処理したウェルの平均発光値を対照の平均発光値で割って100をかけて決定した。
さまざまな癌細胞系に対する各検査化合物の計算によるIC50値を、以下の表2に示した。
Figure 2008539277
本明細書中に引用された、および/または出願データシートに記載された、いずれの米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許公報も、参照によりその全体を本明細書中に組み込まれる。
前述により、本発明の特定の実施形態を例示の目的で本明細書中に記載しているが、本発明の精神および範囲を逸脱することなくさまざまな改変を成し得ることは理解されるであろう。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲による場合を除き、限定されない。
図1は、本発明の例示的化合物のインビボの抗腫瘍活性を示す。

Claims (20)

  1. 以下の構造(I):
    Figure 2008539277
    を有する化合物であって、これらの立体異性体、プロドラッグおよび薬学的に受容可能な塩を含み、ここで
    Xは、NH、SまたはOであり、
    Zは、CHまたはNであり、
    およびRは、同一または異なっており、独立して水素、ヒドロキシ、ハロ、−CN、−NO、−NH、−R、−OR、−SCH、−CF、−C(=O)OR、−OC(=O)Rまたは−O(CH−Rであり、ここでRはアルキルまたは置換アルキルであり、nは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンであり;
    は、水素、−NH、アルキル、−CNまたは−NOであり、またはRは−L−Cyclであり、ここでLは、直接結合、−S−または−NH−であり、Cyclは、炭素環、置換炭素環、複素環または置換複素環であり;
    は、−C(=S)NH−、−NHC(=S)−、−NHC(=S)NH−、−C(=O)NH−、−NHC(=O)−、−NHC(=O)NH−、−(CH−、−NH(CH−、−(CHNH−、−NH(CHNH−、−C(=S)NH(CH−、−NHC(=S)(CH−、−(CHC(=S)NH(CH−、−(CHNHC(=S)(CH−、−NHC(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)NH−、−NHS(=O)−であり、ここでnは出現するごとに、同一または異なっており、独立して1、2、3または4であり;
    wは、−S(=O)NHC(=O)CH、−NHC(=O)R、−NHS(=O)、−NH、−NH.HClまたは−S(=O)−Rであり、ここでRは、アルキルまたはシクロアルキルであり、Rは、アルキル、置換アルキル、アミン、N−メチルピペラジン、モルホリンおよび2−メチルピロリジンから選択される、
    化合物。
  2. XがNHであり、ZがCHである、請求項1に記載の化合物。
  3. 、RおよびRが、水素、−NH、−OCH、−OH、−CF、ハロまたは−O(CH−Rから選択され、ここでnは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンである、請求項1に記載の化合物。
  4. が−C(=S)NH−である、請求項1に記載の化合物。
  5. wが−S(=O)NHC(=O)CHである、請求項1に記載の化合物。
  6. wが−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである、請求項1に記載の化合物。
  7. 、RおよびRが、水素、−NH、−OCH、−OH、−CF、ハロまたは−O(CH−Rから選択され、ここでnは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンであり、wが−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである、請求項1に記載の化合物。
  8. およびRが、水素、ハロ、−CHまたは−OHから選択され、Rが水素であり、wが−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである、請求項1に記載の化合物。
  9. XがNHであり、ZがCHであり、Lが−C(=S)NH−であり、以下の構造(II):
    Figure 2008539277
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  10. が水素であり、RおよびRが、−OCH、−OH、−CF、ハロまたは−O(CH−Rから選択され、ここでnは2〜4であり、Rは、N−メチルピペラジン、モルホリンまたは2−メチルピロリジンである、請求項9に記載の化合物。
  11. およびRが、−OCH、−OH、−CFまたはハロから選択され、Rが水素である、請求項9に記載の化合物。
  12. wが、−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである、請求項9に記載の化合物。
  13. およびRが、−OCH、−OH、−CFまたはハロから選択され、Rが水素であり、wが−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである、請求項9に記載の化合物。
  14. およびRが、−OCH、−OH、−CFまたはハロから選択され、Rが水素であり、wが−S(=O)NHC(=O)CH、−S(=O)NHまたは−S(=O)CHである、請求項9に記載の化合物。
  15. およびRがメトキシであり、Rが水素であり、wが−S(=O)NHC(=O)CH、であり、以下の構造(III):
    Figure 2008539277
    を有する、請求項9に記載の化合物。
  16. が−Clであり、Rが−CFであり、Rが水素であり、wが−S(=O)NHC(=O)CH、であり、以下の構造(IV):
    Figure 2008539277
    を有する、請求項9に記載の化合物。
  17. 請求項1から16のいずれか一項に記載の化合物と、薬学的に受容可能な賦形剤とを組み合わせて含む組成物。
  18. プロテインキナーゼ媒介性疾患を治療するための方法であって、請求項17に記載の組成物の治療有効量を、これらを必要とする被験体に投与することを含む方法。
  19. 前記プロテインキナーゼ媒介性疾患が癌である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記癌が、膵臓、***、卵巣、結腸、肝臓、甲状腺、前立腺、肺または骨の癌である、請求項18に記載の方法。
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