JP2008529516A - エチレングリコール多量体の使用を含む核酸の単離方法 - Google Patents

エチレングリコール多量体の使用を含む核酸の単離方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、サンプルからの核酸の単離方法であって、前記サンプルを、2〜70個のエチレンオキシド単量体からなるエチレングリコール多量体の存在下で固体支持体、好ましくは磁気ビーズと接触させて、これにより前記サンプル中の可溶性の核酸を前記支持体の表面に結合させる段階と、結合した核酸と共に前記支持体をサンプルから分離する段階とを含む方法を提供する。また本発明を実施するためのキットも提供する。

Description

本発明はサンプルからの核酸の単離方法、特にDNAまたはRNAの単離方法に関する。
DNAまたはRNAの単離は、多くの生化学的及び臨床的手法における重要な段階である。例えば、通常そこに存在する複雑な混合物からの核酸の単離は、他の研究及び手順、例えば検出、クローニング、塩基配列決定、増幅、ハイブリダイゼーション、cDNA合成、核酸構造及び組成物の検討(例えばDNAのメチル化パターン)などの前に通常必要であり、かかる複雑な混合物における大量の細胞またはその他、例えばタンパク質または炭水化物の混入物の存在は、しばしば分子生物学において用いる反応及び技術の多くにとり妨げとなる。更に、DNAはRNA調製物に混入し、またその逆もありえる。すなわち、調製の観点のみならず、今日用いられる多くの方法においても、細胞、組織などの複雑な混合物からの核酸の単離方法であって、例えば微生物感染症診断、法医学、組織及び血液のタイピング、遺伝子のタイピング、遺伝的変異の検出用途でのDNAまたはRNAの同定に適用可能であることが要求される。また、DNAまたはRNAが富化されてはいるが未だ混入物の存在するサンプルからのそれらの精製に対するニーズが存在し、例えば合成により調製された核酸物質の精製、例えばPCR生成物の場合の混入する塩類、過剰なプライマー及び/またはdNTPからの精製が挙げられる。
特に核酸診断法、母集団検討及び遺伝子タイピングの分野で、高品質及び純粋な核酸調製を取得することは、更なる増幅及び/または検出段階を確実かつ正確に実施することを可能にするために重要である。
RNA同定に関しては、検出した配列がRNA分子に由来し、サンプル中のゲノムDNAの混入物に由来しないことを確証することが、確定的な診断にとり重要である。このため、DNAからのRNAの単離方法は重要である。また、RNA分子は通常非常に不安定であり、細胞及び体液に存在するRNaseによって急速に分解するため、迅速なRNA単離方法が必要とされる。RNAの品質はおそらく、mRNAを利用したプロトコル、特にcDNA合成の最終的な結果の質を左右する最も重要な因子であろう。多くの理由により、RNA調製におけるDNA混入の回避は重要である。第1に、DNAは粘度を上昇させ、サンプル処理を困難にしてRNA収率を低下させ、更にはDNA混入の可能性によりRNAの品質を低下させる。また、DNA混入によりRNase酵素がトラップされ、RT−PCRなどの下流の用途を無価値なものにしうる。
核酸単離方法には多くの方法が公知であるが、一般的に、これらは抽出及び洗浄段階などの一連の複雑な手順を要し、時間や手間がかかる。更に、アルコールや他の有機溶剤、カオトロピック剤及びプロテイナーゼなどの試薬の使用を伴うが、かかる試薬は多くの酵素反応や他の下流の処理工程にとり妨げとなりうるため、望ましくない。
すなわち、血液または血液製剤または組織などの複雑な開始材料からの、古典的な核酸単離方法には、界面活性剤またはカオトロピック剤による生物材料の溶解(可能であればタンパク質分解酵素の存在下)、次いで有機溶剤、例えばフェノール及び/またはクロロホルム、エタノール沈殿による幾つかの抽出、遠心分離及び核酸の透析が含まれる。DNAからのRNA精製法としては、フェノール抽出とエタノール沈殿を組み合わせたLiClによる選択的な沈殿またはグアニジウムチオシアネートによる選択的な単離が挙げられる。かかる方法は実行するのが困難でかつ時間がかかるのみならず、同時に複数のサンプルを処理する場合には、必要となる比較的多数の段階の存在によりサンプルの分解、サンプルの損失またはクロスコンタミネーションの危険性が増加する。RNA単離の場合、DNA混入の危険度が比較的高い。
RNAの精製において、一般的にmRNAを特異的に単離することが望ましい。大部分のmRNA精製ストラテジーには、全RNAの単離及び単離されたRNAの分画が含まれる。高品質でのmRNA調製は、遺伝子構造及び遺伝子調節の解析における重要な段階である。
大部分の真核生物mRNAは典型的に約50〜300ヌクレオチド長のポリ(A)テールを有する。かかるmRNAはポリアデニル化またはポリ(A)mRNAと呼ばれる。このポリアデニル化RNAを細胞中の全RNAの95%またはそれ以上を占める非アデニル化RNAから分離する際、このポリ(A)テールは有利であり、ポリ(A)テールとの親和性による若干の単離方法により実施する。従来の技術には、全RNAの精製を行う第一段階、及びオリゴ(dT)−セルロースを用いた親和性クロマトグラフィによるポリ(A)RNAの選択行う第二段階が含まれる。このストラテジーは比較的時間と手間がかかる。mRNA精製の他のストラテジーとして、固体支持体、例えばマイクロプレート、ラテックス、アガロースまたは磁気ビーズに結合させたオリゴ(dT)の使用が挙げられる。
mRNA操作においてビーズが有利であると判明したため、ここ数年来、ポリ(A)RNA選択にかかる磁気ビーズを応用したストラテジーの採用が普及している。多くのアプローチにおいて、生成物の収率及び品質は、mRNAがヌクレアーゼ及び他の混入物質からいかに急速に精製できるかに依存する。磁気ビーズ分離技術を用いることにより、純粋かつ完全なポリ(A)RNAを、全RNA調製、またはより重要には固形組織、細胞または体液から調製した粗溶解物から直接に迅速に得ることが可能となる。全ての手順は、微量遠心管中でフェノール抽出またはエタノール沈殿を伴わずに実施可能である。
固相と組み合わせて使用できる一つの一般的なRNA精製方法は、生物材料の溶解、それに続くLiCl及びLiDS/SDSバッファ中でのオリゴdTとのハイブリダイゼーションにより行われ、このことにより余計な段階、例えばフェノール抽出またはプロテイナーゼK消化を省略できる。直接の全mRNA単離には約15分かかり、mRNAは溶解緩衝液中で30分を超える時間安定であるため、精製mRNAの品質の高さが確保される。しかしながら、この方法の不利な点は、組織の単位重量当たりのmRNA量が、用いる組織の量に影響を受けるということであり、すなわち細胞溶解物が閾値を上回る場合にはmRNAの収率が減少する。
他の一般的なmRNAの直接精製法では、上記したようにグアニジウムイソチオシアネート(GTC)及びザルコシルが使用される。GTC−バッファ系は、このカオトロピック塩のRNase阻害能力により、多くの研究者に好まれる。これを磁気ビーズ法と組み合わせて用いることもできる。
しかしながら、4M GTC中における細胞可溶化物の粘性は高いため、ビーズを磁石によって効果的に吸引できず、それによりビーズや他の固相にとってDNA混入の危険性が増加し、あるいは収率が低下することもある。
近年、固相の使用に基づく他の方法が提案されている。US-A-5,234,809では例えば、グアニジウム塩などのカオトロピック剤の存在下で核酸をシリカ粒子の形の固相に密接に結合し、それによりサンプル中の物質と分離する方法が記載されている。国際公開公報第91/12079号では、核酸を固相の表面にトラップさせ、沈殿させる方法が記載されている。一般的に、アルコール及び塩が沈殿剤として用いられる。
米国特許第5,705,628号及び米国特許第5,898,071号では、7〜13%の濃度の高分子ポリアルキレングリコール(例えばポリエチレングリコール)と、0.5〜5Mの範囲の塩の組合せを使用して、DNAのバイオ親和性吸収剤として機能する固体支持体上の官能基に結合させることを特徴とする、核酸断片の単離方法が記載されている。
一般にかかる方法により核酸分離作業の速度が向上するが、アルコール、カオトロピック剤、塩、高分子などの試薬の使用を伴うという不利な点がある。
高分子は液体の粘度を上昇させ、精製プロトコルを実施する際の効率を低下させる。磁気ビーズの分離の場合、ビーズを分離するための磁石との接触回数を増加させる必要があることから、かかる大型の分子は単離速度を減少させる。更に、かかるシステムでは高分子が存在する場合には上澄みの除去がより困難となる。
カオトロピック剤は高いモル濃度での使用が必要であり、それにより溶液の粘性が高くなり、特にRNAの場合操作が困難になる。PCR及び他の酵素に基づく反応などの増幅方法の場合、アルコール及び他の試薬による阻害的、或いは妨害的な効果に非常に影響される。更に、アルコール沈殿の後で必要となる核酸ペレットの乾燥、及び核酸の溶解に関する問題は、PCRなどの酵素を基本とする手法においてアーティファクトを生じさせることも公知である。
上記の方法が現在の分子生物学の到達点であるため、改良された核酸単離方法、特に迅速でありかつ実施が簡便で、損失なく良好な収率を可能にし、溶媒及びカオトロピック剤若しくはアルコール沈殿の使用、または高濃度の塩及び/若しくは高い粘性を有する高分子化合物の使用を回避する方法に対するニーズが存在する。また、RNAとDNAの分離を可能にし、同じサンプルからのいずれのタイプの核酸の単離も可能にする方法に対するニーズも存在する。本発明はかかる方法を提供する。
特に、核酸は塩基配列決定または他の分析などの、増幅または増幅の後の他の下流側の処理に適する形で、単純かつ容易に実施できる方法でサンプルから単離できることを見出した。すなわち該方法は、サンプルを界面活性剤(必要な場合)で処理し、2〜70のエチレンオキシド単位(例えばテトラエチレングリコール)からなる高濃度の分子の存在下で核酸を固体支持体に結合させることを特徴とし、それにより、例えば支持体の除去によって核酸をサンプルから簡便に分離できる。上記のような核酸の結合は、その配列とは無関係である。
以上より本発明の一態様では、サンプルからの核酸単離方法を提供し、該方法は、前記サンプルを、2〜70個のエチレンオキシド単位(好ましくはオリゴエチレングリコール、特に好ましくはテトラエチレングリコール(テトラEGまたはTEG称する))からなる分子の存在下で固体支持体と接触させ、これにより前記サンプル中の可溶性の核酸を支持体の表面に結合させる段階と、結合した核酸と共に前記支持体をサンプルから分離する段階とを含む。
本発明で用いる分子は、2〜70個のエチレンオキシド(すなわち−O−CH2−CH2)単位、好ましくは線形のものからなる多量体(すなわち分子量約100〜3100)である。かかる分子は本明細書において、エチレングリコール多量体と称され、一般式H−(O−CH2−CH2n−OHを有する。ここで、nはエチレンオキシド単位の数である。好ましい分子は、2〜60、50、40、30または20個の単量体を有する。エチレングリコール多量体、特により大きな多量体の場合を含む組成物は、まさしくその性質によって、様々な長さの多量体を含有できる。本明細書でいう多量体のサイズとは、組成物中の多量体に存在する単量体の平均数をいう。2〜70個の単量体を有する1つまたは複数の分子を溶液で使用できる(すなわち1つの特定の平均長を有する多量体と、第2の特定の平均長を有する多量体との混合物を使用できる)。本発明の好ましい分子は、2〜10個の単量体を有する多量体であり、以下オリゴエチレングリコールと記載する。本明細書のオリゴエチレングリコールとは、10個またはそれ以下(すなわち9、8、7、6、5、4、3または2個)のエチレンオキシド単位を有し、分子量460未満である。特に好ましくは、前記オリゴエチレングリコールは2〜6個(または3〜6個)のエチレンオキシド単位、例えばテトラエチレングリコールを有する。
エチレングリコール多量体は、サンプルと固体支持体の最終的な混合物に対して10〜90%の最終濃度で用いる。エチレングリコール多量体の濃度を表すときは、これらの分子が室温で固体か液体かに依存し、w/vまたはv/vで表す。例えばオリゴエチレングリコールの場合、室温では液体であるため、濃度をv/vで表す。好ましくは、15%超、20%超または30%超、例えば15〜35%、20〜40%または30〜75%、例えば45〜60%の最終濃度が採用される。本明細書のTEGは式HOCH2CH2(OCH2CH23OHを有し、Sigma−Aldrich社(Fluka#86660または86662)またはAldrich#11(017−5))から入手可能である。
本発明で用いるTEG及び他のオリゴエチレングリコールは適当な合成プロトコルで得られる。例えば、ジ、トリ及びテトラエチレングリコール及び他のオリゴエチレングリコールはエチレンオキシドの水和によって得られる。より大きな高分子はエチレングリコールの重合によって得られる。
好ましい態様において、結合反応は塩の存在下で好ましくは行われる。塩は好ましくは1M(最終濃度で)未満の濃度であり、例えば5mM、10mM、20mMまたは50mMから0.5M、0.4M、0.3M、0.2Mまたは0.1M未満である。これは用いる特定の塩/陽イオンによって変化し得る。例えばMg2+は5〜50mM(好ましくは約15mMの最終濃度)の範囲で使用可能であり、Naは0.5〜1M(最終濃度)範囲で使用可能である。使用可能である他のイオンとしては、Ba2+、Ca2+、K及びLi、例えば塩化物が挙げられる。
あるいは、前記サンプルを、エチレングリコール多量体と前記サンプルの接触の前、同時または後に界面活性剤と接触させてもよい。混合状態の及び/または不純なサンプルを出発原料として用いるときは、界面活性剤の使用が特に望ましい。特に好ましくは、サンプルをエチレングリコール多量体と接触させるが、以下の1つまたは複数と接触しない(またはそれらを低濃度で存在させる)のが好ましい。
−界面活性剤、
−カオトロピック剤、
−アルコール、例えばエタノール。
特に好ましくは、エチレングリコール多量体のみを単純な緩衝液(任意に上記の塩を含む)中で、例えば15〜35%で用いる。界面活性剤、カオトロピック剤及び/またはアルコールを少量または微量存在させてもよい。界面活性剤を存在させる場合、好ましくは後述するように例えば0.2〜30%(w/v)で存在させる。しかしながら、例えば1%未満、または0.5%若しくは0.2%未満の低濃度で界面活性剤を存在させるのが好ましい。
カオトロピック剤は、好ましくは全く含まれない。
アルコール濃度は好ましくは30%未満(v/v)、例えば20%、10%、5%、3%、2%または1%未満(サンプルへの添加後の、添加した固体支持体に結合した液体によるいかなる関与も含んだ最終濃度)である。存在させる場合、アルコールは例えば1〜30%、例えば5〜10または20%で存在させるのが好ましい。高い濃度のアルコールは、特に本発明の方法で核酸分子を混入オリゴヌクレオチドから分離、例えばプライマーから増幅産物を分離する場合には、小分子のオリゴヌクレオチドの混入につながるため通常望ましくない。
すなわち本発明は具体的には、短い鎖長のオリゴヌクレオチド、例えば30未満のヌクレオチドからの100塩基対超の核酸分子の分離を可能にする方法を提供する。
特に好ましくは、本発明はサンプルからの核酸の単離方法を提供し、前記方法は、15〜35%のエチレングリコール多量体(好ましくはオリゴエチレングリコール、特に好ましくはテトラエチレングリコール(TEG)、(任意に1M未満、例えば5mM〜0.5M、好ましくは5〜30mMの塩)及び30%未満(好ましくは10%未満)のアルコールの存在下で、前記サンプルを固体支持体と接触させて、これにより、前記サンプル中で可溶性の核酸が支持体表面に密接に結合する段階と、結合した核酸と共に前記支持体をサンプルから分離する段階とを含む。
好ましくは前記方法には更に固体支持体からの前記核酸物質の溶出、並びに任意に前記溶出された物質の塩基配列決定などの、更なる下流側の処理工程が含まれる。
核酸は、DNA、RNA、またはいかなる天然若しくは合成由来の修飾体(例えばPNA)またはそれらの組み合わせでもよい。しかしながら好ましくは核酸はDNAであり、ゲノム由来またはcDNA、一本鎖または二本鎖、または例えば直鎖状または環状などの他の形態であってもよい。特に好ましくは、前記核酸分子は例えばPCRなどによる増幅生成物である。好ましい態様において、非ゲノムDNA断片は単離され、例えば10〜250kbpのサイズを有し、特に好ましくは100bp〜10kbpの分子として単離される。
本明細書の増幅方法には、インビトロでの方法によって核酸分子またはその相補的な配列の濃度を上昇させるいかなる方法も含まれ、例えばLAR、3SR及びQβレプリカーゼ系などの技術が含まれる。しかしながら、PCR及びその様々な変法、例えば入れ子型プライマーの使用が通常選択される方法である(例えば核酸増幅技術についてはAbramson and Myers,1993,Current Opinion in Biotechnology,4:41−47を参照)。
本発明の方法をDNAの単離に用いる場合、同じサンプルからRNAを単離する更なる段階を簡便に連結できる。かかる2段階によるRNA分離における該方法の使用については以下に詳述する。
サンプルは核酸を含むいかなる材料でもあってもよく、例えば食料品、臨床及び環境サンプルが挙げられる。サンプルは、生物学的サンプルでもよく、これは、ウイルスまたは細胞由来の材料が挙げられることができ、あらゆる原核または真核生物細胞、ウイルス、バクテリオファージ、マイコプラズマ、原形質及び細胞小器官を含む。すなわちかかる生物材料には全ての種類の哺乳動物及び非哺乳動物の細胞、植物細胞、藍藻を含む藻類、菌類、バクテリア、原生動物などが含まれうる。代表的なサンプルとしては全血、並びに血漿、血清などの血液由来の製品、及び軟膜、尿、糞便、脳脊髄液または他の流体、組織、細胞培養、細胞懸濁液などが挙げられる。
しかしながら好ましくは、該サンプルは比較的純粋な出発原料、例えばPCR生成物などの増幅工程の実施後の増幅生成物、または他の核酸回復工程によって得た半純粋な調製物である。該方法は、他の非ゲノムDNA、例えばプラスミド、コスミド及び他のDNA断片の精製に用いてもよい。これらは、例えば電気泳動などの技術を使用した分離の後に行うのが有利であり、かかる分離の後、核酸物質が単離された状態となる。すなわちサンプルは、例えば、膜などの細胞内の器官を実質的に含まないのが好ましく、サンプル調製の元となる細胞由来の遺伝物質(またはそのコピー)のみを含む。特に好ましくは、該サンプルはその供給源の細胞由来の染色体DNA、タンパク質及び膜を含まない。
核酸含有サンプルは一般的に、単に溶液を含むエチレングリコール多量体、並びにエチレングリコール多量体をサンプルに添加する前に、と同時に、または後に添加する固相と接触するのが好ましい。(好ましくはサンプル、例えばPCRサンプル:エチレングリコール多量体を含む溶液の比率=約1:1である。)必要に応じて、細胞壁などの器官を破壊または溶解させるために、1つまたは複数の別の段階をその前に設置してもよい。そのための方法は公知技術である。例えば、若干の細胞、例えば血液細胞に対し界面活性剤を付加的に用いることにより溶解できる。植物または菌類の細胞などの他種類の細胞、または固形の動物組織の場合、例えばより激しい処理(液体窒素中での破砕、界面活性剤の存在下での加熱、界面活性剤の存在下でのアルカリ溶解)が必要となりうる。パラフィン切片の形態のサンプルなどでは、溶解(及びパラフィンの溶融)は、例えば電子レンジによる加熱により実施できる(Banerjee,S.K.et al.,1995,Biotechniques 18:769−773)。また、特定のより小さい組織の場合は酵素処理が必要となり得、例えばプロテイナーゼKを使用して核酸の充分な有利を促す。各種の成分を混合し、単に適切な時間反応させ、核酸を支持体と結合させる。好ましくは、酵素などの他の試薬、例えばプロテイナーゼKを用いる場合、後者を用いる場合にはエチレングリコール多量体または界面活性剤を含める。次いで支持体を何らかの簡便な手段(当然支持体の性質に依存する)によって溶液から除去する。該方法にはサンプル上澄から支持体を除去する全ての方法、またはその逆の方法、例えば遠心分離、デカント、ピペッティングなどが含まれる。
このプロセス中の反応条件は決定的でなく、例えば、単に固相の存在下で、サンプルとエチレングリコール多量体を混合し、室温、例えば15〜25℃、例えば約20℃にて30秒〜20分間、例えば2〜10分間静置し、更にその後分離を行う。長いインキュベート時間を採用することにより、長い核酸分子の収率を最大化できる。
上記したように、反応時間は決定的でなく、通常はわずか5分で十分である。しかしながら、簡便には、長い時間、例えば0.5〜3時間、または一晩を採用してもよい。いかなる簡便な手段によって混合してもよく、例えば撹拌による単純な混合、またはボルテックスが挙げられる。また、必要に応じて高温または低温を採用してもよいが、これらは必須でない。
界面活性剤を用いる場合、いかなる界面活性剤であってもよく、多くの種類のものが公知で、文献に記載されている。
したがって、界面活性剤は、アニオン性およびカチオン性を含むイオン性、非イオン性または双性イオン性であってもよい。本明細書で用いられる「イオン界面活性剤」という用語には、水に溶解したときに部分的または完全にイオンの形態となるいかなる界面活性剤も包含される。アニオン性界面活性剤は特に良好な機能を示し、好ましい。適切なアニオン性界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、他のアルカリ金属アルキルスルフェート若しくは同様の界面活性剤(ザルコシル)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
簡便には、界面活性剤は0.2〜30%(w/v)、例えば0.5〜30%、好ましくは0.5〜15%、より好ましくは1〜10%の濃度において使用可能である。アニオン性界面活性剤の場合、1.0〜5%、例えば0.5〜5%の濃度で良好に機能することが示されている。
好都合なことに、界面活性剤を室温で、またはより高い温度(例えば37℃、50℃または65℃)でサンプルとインキュベートすることにより溶解が行われる。同様に、インキュベート時間は、数分(例えば5または10分)から数時間、(例えば20〜40分、または1〜2時間)で変動させることができる。酵素による溶解、例えばプロテイナーゼKなどの使用の場合、例えば一晩などの長い処理時間が必要とされうる。
界面活性剤は、単純な水溶液(アルカリ性または酸性でもよい)中、または好ましくはバッファ中に添加する。
エチレングリコール多量体、及び任意に界面活性剤をいかなる適切なバッファ、例えばトリス、ビシン、トリシン及びリン酸バッファに添加してもよい。好ましくは、上記したように、一価の陽イオンの供給源、例えば塩を添加し、核酸の捕捉を促進してもよいが、これは必ずしも必須ではない。好適な塩としては塩化物であり、例えば塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化リチウムが挙げられ、例えば0.1〜1Mの濃度、例えば250〜500mMである。例えば200mM未満、例えば5〜50mMの低い塩濃度を採用してもよい。上記の濃度は、サンプル:ビーズ:エチレングリコール多量体の混合溶液中の最終濃度を指す。上記したように、酵素などの他の構成要素を含めてもよい。
エチレングリコール多量体を含む組成物の他の成分として、典型的には1〜50mMなどの濃度のキレート剤、例えばEDTA、EGTA及び他のポリアミノカルボン酸、並びに例えば1〜10mMの濃度の還元剤、例えばジチオトレイトール(DTT)またはβ−メルカプトエタノールを任意に添加してもよい。
好ましいTEG組成物は、例えば以下の組成である。
10mM トリス−HCl(pH7.5)
10mM EDTA
40% TEG
または:
10mM トリス−HCl(pH7.5)
50% TEG
30mM MgCl2
または:
10mM トリス−HCl(pH7.5)
60% TEG
30mM MgCl2
2% SDS
または:
10mM トリス−HCl(pH7.5)
40% TEG
30mM MgCl2
20% EtOH
これらの溶液は好ましくはサンプルと1:1の比率で用いるストック液であり、すなわち最終溶液での各構成要素の含有濃度は半分となる。
理論に束縛される訳ではないが、エチレングリコール多量体(及び存在する場合は塩)が水と核酸分子との間の水素結合を破壊し、それにより後者と固体支持体とを結合させ、溶媒和物でない構造が形成されると考えられる。次いでイオン架橋が荷電した固体支持体と荷電した核酸分子との間でカチオンにより形成されうる。
界面活性剤が存在する場合、それは該方法において核酸を含む材料、例えば細胞及び核を溶解させ、核酸を遊離させる機能を果たす。不純または多くの物質の混合したサンプルを用いる場合、界面活性剤は核酸へのタンパク質、例えばDNA−結合タンパク質の結合の崩壊を促進し、サンプル中の固体支持体への混入物質の付着問題を減少すると考えられる。
固体支持体は、固定、分離などに現在広く使われ、提案されている周知の支持体またはマトリックスのいずれでもよい。これらは粒子、シート、ゲル、フィルタ、膜(例えばナイロン製メンブラン)、繊維、毛細管、針またはマイクロタイターストリップ、管、プレートまたはウェルなど、コーム、ピペットチップ、マイクロアレイ、チップまたはいかなる固体状の表面素材の形を採ってもよい。
好都合なことに、前記支持体はガラス、シリカ、ラテックス、プラスチックまたはポリマー材料で作製されてもよい。核酸を結合させるため、高い表面積を有する材料が好ましい。かかる支持体は通常不規則な表面を有し、例えば多孔性または微粒子、例えば粒子、繊維、ウェブ、焼結物または篩の状態である。微粒子の材料、例えばビーズとしては、通常、より大きな結合能により特にポリマービーズが好ましい。
好都合なことに、本発明で用いる微粒子状の固体支持体としては球状のビーズが挙げられる。ビーズのサイズは決定的でないが、例えば少なくとも1μm、及び好ましくは少なくとも2μmのオーダーの直径、並びに好ましくは10μm未満、及び好ましくは6μm未満の最大直径を有する。例えば1μm、2.8μmまたは4.5μmの直径を有するビーズを用いるのが好ましい。
単分散の粒子、すなわち実質的に同一の粒子径(例えば直径の標準偏差が5%未満)の粒子は、極めて良好な反応再現性を提供する効果がある。US-A-4336173に記載の技術によって得られる単分散ポリマー粒子が特に好適である。
本発明の方法での使用に適する非磁性ポリマービーズとしては、Dynal Biotech ASA社(オスロ、ノルウェー)、並びにQiagen社、Amersham Pharmacia Biotech社、Serotec社、Seradyne社、Merck社、日本ペイント社、Chemagen社、Promega社、Prolabo社、Polysciences社、Agowa社及びBangs Laboratories社から入手可能である。
しかしながら、操作及び分離を促進するために磁気ビーズが好ましい。本明細書中で用いる「磁性の」という用語は、磁場に置かれたとき、支持体がそれに与えられる磁気モーメントを有することができ、それによりその領域での作用下で移動可能であることを意味する。換言すれば、磁気粒子を含む支持体は磁気凝集によって、直ちに除去でき、それは核酸の結合段階に続く粒子の迅速、簡便及び効率的な分離方法を提供する。該方法は従来の技術、例えば核酸を分解させうる剪断力を発生させる遠心分離と比較し、はるかに穏やかな方法である。
すなわち、本発明の方法を用いれば、核酸が結合した磁性粒子を、磁場例えば永久磁石の適用によって、適切な表面へ移動させることができる。通常、サンプル混合物を含む容器の側面に磁石を配置し、容器の壁に向けて粒子を凝集させ、サンプル中の他の物質を注ぎ出すことにより十分実施可能である。
磁気凝集には超常磁性粒子が特に好ましく、反応の間における粒子の凝集を回避できるため、均一な核酸抽出が確実となる。かかる粒子は、例えばSintefによるEP-A-106873に記載されている。周知の磁性粒子は、DYNABEADS(登録商標)として、Dynal Biotech ASA社(オスロ、ノルウェー)から市販されており、特に本発明の使用法に適する。
使用可能な固体支持体は、表面が比較的親水性で、中性の、または上記方法を実施するpHにおいて全体的に負電荷を有する、いかなる固体支持体も含まれる。該方法の実施にとり好ましいpHは4〜9である。好ましくは、かかる固体支持体は、核酸との複合体形成に関与できる基を含む。適当な固体支持体としては、シリカ、ポリウレタン、エポキシ基及び炭水化物を含むかまたはそれらをコーティングしたものが挙げられる。
固体支持体の選択に応じて、官能基の添加なしで使用できるか、またはかかる基を提供するためにかかる官能基を修飾してもよい。
本発明で用いる官能化された被覆粒子は、米国特許第4,336,173号、同第4,459,378号及び同第4,654,267号の方法に従いビーズを修飾して調製できる。すなわち、ビーズまたは他の支持体の表面を様々なタイプに官能化して調製できる。特に好ましくは、磁気ビーズなどの固体支持体(親水性でなく及び/または核酸と複合体を形成するための適切な基を有しない)を、核酸を結合できるフリーの官能基を有する態様で修飾する。かかる官能基は、水酸基、エポキシ基、カルボン酸またはスルホン酸であってもよい。好ましいビーズとしては、シリカコートのビーズ、及びアクリル酸またはエポキシドなどの親水性表面を有するビーズが挙げられる。
出発原料が比較的不純な調製物であるときは、核酸を含む所望の細胞、ウイルスなどの選択的な捕捉ができる態様で修飾された固体支持体を用いることもできる。例えば、所望の細胞に対して特異的な抗体または他の結合タンパク質を有する支持体を使用できる。これは核酸の単離にある程度の選択の幅をもたらす。なぜなら、複雑な混合物中の所望の標的給源に由来する核酸のみを分離できるからである。例えば、かかる支持体を用いてサンプルから所望の細胞種などを分離・除去してもよく、その後界面活性剤を添加して溶解させ、更に核酸を遊離させ、エチレングリコール多量体を添加して支持体に結合させる。
かかる選択的な細胞捕捉マトリックスの調製は、従来技術において周知であり、文献に記載されている。
すなわち、本発明の好ましい態様では、上記のようにサンプルから核酸を単離する方法を提供し、該方法では前記サンプルが目的の核酸を含む細胞を含み、前記細胞を免疫磁気的分離方法によって得る、例えば標的細胞に特異的な抗原を有する固体支持体(例えばビーズ)抗体を用いる。細胞を結合させる固体支持体は、本発明に従い核酸を結合させる固体支持体と同じであっても、または異なってもよい。好ましくは、細胞の分離に用いる固体支持体はビーズであり、すなわち免疫磁気分離の後、核酸単離に先行し、細胞:ビーズ複合体中に細胞を存在させる。本発明の他の方法と同様、この方法中に前記サンプルからRNAを単離する追加的な段階を更に含めてもよい。
同様に、支持体に結合パートナーを設けて、核酸の選択的な捕捉を補助してもよい。例えば、相補的DNAまたはRNA配列、またはDNA結合タンパク質が使用可能であり、またはウイルス由来の核酸と結合するウイルスタンパク質であってもよい。固体支持体へのかかるタンパク質の付与は、公知の技術を使用して実施できる。
必須ではないが、本発明の単離方法に1回または複数回の洗浄段階を導入するのが好ましく、例えばサンプルからの支持体の分離後に行う。好ましくは、本明細書に記載する該方法は、後述するように少なくとも1回の洗浄段階を含む。磁気ビーズの場合、DNAをビーズから遊離させる前にするのが好ましい。特に好ましくは、核酸物質の結合の後、最初の洗浄段階(任意に再度行う)を、例えば1M未満、好ましく500mM未満、例えば250、100または50mM未満の塩を含む溶液を使用して実施する。1つの態様において、洗浄バッファはエチレングリコール多量体、例えばTEG/塩混合物を含むバッファと同様でもよい。特に好ましくは、いかなる塩も含まない50〜90%のアルコール溶液、例えば70%エタノールを洗浄に用いる。
分離段階、及び必要となりうるいかなる任意の洗浄段階に続いて、核酸を保持する支持体を、任意の適切な溶媒、例えば水または低イオン強度のバッファ中に移す、例えば再懸濁または浸漬することができる。好ましくは、キレート剤、例えばEDTAを添加して過剰な陽イオン、例えばMg2+を除去することにより、溶出効率を改善できる。支持体及び必要となるいかなる次の処理の性質に応じ、核酸を支持体から有利させるのが望ましい場合もあり、または望ましくない場合もある。
磁性または非磁性ビーズなどの微粒子状の固体支持体を用いる場合、PCRまたは他の増幅に、または塩基配列決定などの多くの場合に、該支持体から核酸を溶出することなく直接使用できる。また、多くのDNA検出または同定方法の場合、溶出が必要でない。なぜなら、結合した分子の大部分の長さを、オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション及び増幅に使用できるからである。
しかしながら、必要に応じて核酸の溶出を、例えば65℃で5〜10分間、または単に室温によって1〜10分、例えば2〜4分間、水または低イオン強度のエチレングリコール多量体を含まない溶媒、例えば10〜30mMのトリス−HClバッファ(pH7.5)中で加熱するなど、周知の方法により簡便に実施できる。都合のいいことには、単離する核酸を濃縮するために少ない体積で溶出を実施する。
溶出後、核酸を溶液に残した状態で支持体を培地から除去してもよい。
上記したように、該方法を増幅生成物の単離に好適に使用できる。本発明の方法は、効果的に所望の増幅生成物からプライマーを除去し、それらの混入濃度は10%未満、例えば5または1%未満である。好ましくは、1kpを超える断片の場合は85%を超える収率、100bpの断片の場合は40%を超える、例えば60%を超える収率である。DNAからRNAを除去しようとする場合、例えばRNAアーゼまたはアルカリ、例えばNaOHの添加によって、DNA分離段階の前にRNAを破壊させてもよい。
あるいは、上記したように、本発明の方法を用いてDNA及びRNAをサンプルから順次分離してもよい。また、RNA精製工程においてサンプルからDNAを除去するために用いてもよい。
好都合なことに、2つの異なる固相、例えばDNA及びRNAを区別できる固体支持体を使用して順次分離を行う。すなわち、かかる方法では、上記の通りにDNAを単離するための第一段階の分離の実施を含めてもよい。次いで、更なる固体支持体をサンプルに添加し、サンプル中に残留するRNAを捕捉することができ、それはRNAまたはいかなる残留している核酸も結合できる固体支持体を用いるか、または特異的なRNA分子(例えば相補的な核酸プローブを用いた場合)若しくはRNA分子のサブセット、例えばポリアデニル化RNAを捕捉できる固体支持体を用いて実施できる。このようにして、同じサンプルからDNA及びRNA、またはその両方のサブセットを迅速に単離・分離できる。この方法により、例えば単離されたDNAの測定値からRNA抽出に供する細胞の量を推定でき、それにより異なるサンプルとの間での参照となりうる。
しかしながら、本発明のDNA単離方法に、予備段階として他の従来のRNA精製方法を簡便に組み込むこともでき、例えば本発明に係るエチレングリコール多量体によるDNA単離を、例えばLiClを用いる選択的なRNA沈殿段階の前に、またはGTCとザルコシルを用いるRNA分離の前に実施することが可能である。
代表的な方法において、サンプルを任意で界面活性剤の存在下で溶解させ、DNAをエチレングリコール多量体の存在下で固体支持体と結合させる。それにより、支持体を除去することによって、DNAとサンプルから簡便に分離できる。必要に応じて、該DNAを更に増幅または他のそれ以降の処理、例えば塩基配列決定のために迅速かつ簡便に取り扱うことができる。次いでRNAを単離してもよい。これは例えば本発明の方法の反復など、上記の固相ベースのシステムで行ってもよいし、または従来の技術、例えば抽出、沈殿または親和性クロマトグラフィなどにより行ってもよい。
本発明の特に有利な実施態様は、RNAの単離の前に本発明の単離方法を用いてサンプルからDNAを除去することであり、そこでは溶解サンプルの粘度が低下し、またRNA分子の特異的な単離が促進され、その結果、更にRNAへのDNA混入の可能性が減少または回避される。かかる方法にはまた、迅速に実施できるという効果がある。
本発明は、具体的には粒子、特に磁性粒子が支持体として使用される場合、好適に自動化に供することができる。Beckman Coulter Biomek(登録商標)FXまたはTecan Freedom EVO(商標)などの自動液体処理ワークステーションが使用可能である。
本発明の方法の実施に必要な様々な反応物質及び成分を、キットの形態で簡便に提供できる。かかるキットは本発明の更なる態様を意味する。
本発明の態様の最も単純なものとしては、固体支持体及びエチレングリコール多量体を含む、サンプルからの核酸単離用キットが提供される。好ましくは、前記固体支持体はその支持体上に遊離官能基としてカルボン酸基を有する磁気ビーズである。
キットには任意にバッファ、界面活性剤、アルコール、塩、溶解剤、例えばプロテイナーゼ、キレート剤及び還元剤を含めてもよい。キットには本発明のキットの使用説明書、例えばリーフレットを含めてもよい。
RNA単離の場合、キットにはRNAを単離するための手段、例えばRNA単離用の第2の固体支持体、例えばRNA捕捉用プローブを有する支持体、例えばオリゴdTまたは所望の標的配列と補完的な配列を有するプローブ、またはカオトロピック剤若しくは選択的沈降剤を更に含めてもよい。
以下の図を参照しながら、以下の非限定的な実施例において本発明を更に詳細に記載する。
実施例1:DNA単離プロトコルにおけるMgClの効果
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)を含むPCR Clean−Up試薬、及び図1に示す試薬(20μl)を、未精製PCR溶液(20μl)に添加した。混合物を10分インキュベートし、上澄みを除去し、70%エタノール(50μl)で洗浄した。水(20μl)を添加し、サンプルを2分間混合し、インキュベートした。ビーズを磁力吸引によって分離し、上澄みを新しい試験管へ移した。
上澄み中の単位複製配列の量を、PicoGreen dsDNA detection Assay(Molecular Probe社)を使用して定量した。PCR生成物の収率を、未精製の出発原料中で検出されるDNAの%として表す。(プライマーによりPicoGreen検出試薬が妨げられないことが示されている。)
図1に示すように、10〜30mM(最終濃度5〜15mMと同義)の濃度のMgCl2のとき、PCR生成物の収率が良好であった。
実施例2:DNA単離プロトコルにおけるプライマー除去効率
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、50% TEG及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)(20μl)中溶液を含むPCR Clean−Up試薬を、蛍光標識付きの20merオリゴヌクレオチド10pmol(20μl)を含む未精製PCR溶液に添加した。混合物を10分間インキュベートし、上澄みを分離し、70%エタノール(50μl)で洗浄した。水(20μl)を添加し、サンプルを2分間混合し、インキュベートした。ビーズを磁力吸引によって分離し、上澄みを新しい試験管へ移した。
上澄みに移された蛍光プライマーの量を、VictorII(Perkin Elmer社)プレートリーダーを使用して485/515nmの波長で定量した。
図2に示すように、単離方法において混入プライマーを除去することが効果的であった。
実施例3:DNA単離プロトコルにおけるTEG濃度の効果
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、40〜60%TEG及び30mM MgCl2の10mMトリスpH7.5(20μl)中溶液を含むPCR Clean−Up試薬に、100bpラダー(20μl)または未精製PCR溶液(20μl)を添加した。混合物を10分間インキュベートし、上澄みを分離し、70%エタノール(50μl)で洗浄した。水(20μl)を添加し、サンプルを2分間混合し、インキュベートした。ビーズを磁力吸引によって分離し、上澄みを新しい試験管へ移した。
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、25% PEG−8000及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用いるPCR−CleanUpを対照として用いた。
溶離液10μlを、1.5%のNuSieveアガロースを用いたゲル電気泳動、及び臭化エチジウム染色により分析した。
図3に示すように、20〜30%最終濃度のTEGがPCR生成物の単離に効果的であった。
実施例4:DNA単離プロトコルにおける、TEG及びエタノール濃度の効果
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、40〜50%TEG、0〜20%エタノール及び30mM MgCl2の10mMトリスpH7.5(20μl)中溶液を含むPCR Clean−Up試薬に、100bpラダー(20μl)を添加した。混合物を10分間インキュベートし、上澄みを分離し、70%エタノール(50μl)で洗浄した。水(20μl)を添加し、サンプルを2分間混合し、インキュベートした。ビーズを磁力吸引によって分離し、上澄みを新しい試験管へ移した。
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、25% PEG−8000及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用いるPCR−CleanUpを対照として用いた。
溶離液10μlを、1.5%のNuSieveアガロースを用いたゲル電気泳動、及び臭化エチジウム染色により分析した。
図4に明示するように、プロトコルにおいて、20%または25%(最終濃度)のTEG濃度、並びに0%、5%または10%(最終濃度)のエタノール濃度が有効であった。
実施例5:DNA単離プロトコルにおける、TEG及びエタノール濃度の効果
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、10〜50%TEG、0〜40%エタノール及び30mM MgCl2の10mMトリスpH7.5(50μl)中溶液を含むPCR Clean−Up試薬に、100bpラダー(50μl)を添加した。混合物を10分間インキュベートし、上澄みを分離し、70%エタノール(1000μl)で洗浄した。水(40μl)を添加し、サンプルを2分間混合し、インキュベートした。ビーズを磁力吸引によって分離し、上澄みを新しい試験管へ移した。
MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、25% PEG−8000及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用いるPCR−CleanUpを対照として用いた。
溶離液10μlを、1.5%のNuSieveアガロースを用いたゲル電気泳動、及び臭化エチジウム染色により分析した。
図5は、25%のTEG(最終濃度)により単離が有効に行われ、エタノールがない場合に効果的な単離が行えることを示す。
実施例6:DNA単離プロトコルにおける、高エタノール濃度及びTEGの効果
上記の実施例と同様の方法で実施した。図6に示すレーン構成は以下の通りである。
レーン1:20pmolのプライマーを添加した粗PCR溶液。
レーン2:「粗」100bpラダー。
レーン3:「粗」プライマー。
レーン4、7、10:MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、25% TEG、67%エタノール及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用い、20pmolのプライマーを添加して得た精製PCR溶液。
レーン5、8、11:MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、50% TEG及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用い、20pmolのプライマーを添加して得た精製PCR溶液。
レーン6、9、12:MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、25% PEG−8000及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用い、20pmolのプライマーを添加して得た精製PCR溶液。
レーン13:MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、25% TEG、67%エタノール及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用いた精製100bpラダー。
レーン14:MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、50% TEG及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用いた精製100bpラダー。
レーン15:MyOne−COOHビーズ(2mg/ml)、25% PEG−8000及び30mM MgCl2の10mM トリス(pH7.5)中溶液を用いた精製100bpラダー。
結果は、図6に示すように、高濃度のエタノールの使用によりプライマー(レーン4、7及び10を参照)のキャリーオーバー/共精製がもたらされ、ゆえに望ましくないことを示す。
TEG及びMgCl2の濃度変化による、PCR生成物の収率を示す。数値はストック液のものを指し、最終濃度はその半分量である。 DNA単離にTEGを使用した場合の、プライマー除去効率を示す。 DNA単離プロトコルにおけるTEG濃度の効果を示す。数値はストック液の濃度を指し、上図はl00bpラダーに関し、下図は非精製PCR生成物に関する。 DNA単離方法におけるTEG及びエタノール濃度の効果を示す。数値はストック液の濃度を指す。 DNA単離方法におけるTEG及びエタノール濃度の効果を示す。数値はストック液の濃度を指す。 DNA単離方法におけるTEG、PEG及び高エタノール濃度の効果を示す。数値はストック液の濃度を指す。レーン構成は実施例6に記載の通りである。

Claims (31)

  1. サンプルからの核酸の単離方法であって、前記サンプルを、2〜70個のエチレンオキシド単量体からなるエチレングリコール多量体の存在下で固体支持体と接触させて、これにより前記サンプル中の可溶性の核酸をこの支持体の表面に結合させる段階と、結合した核酸と共に前記支持体をサンプルから分離する段階とを含む方法。
  2. エチレンオキシド単量体が直鎖状配置である、請求項1記載の方法。
  3. 多量体が2〜20個のエチレンオキシド単量体からなる、請求項1または2記載の方法。
  4. 多量体が10個またはそれ以下のエチレンオキシド単位、好ましくは2〜6個のエチレンオキシド単位を有するオリゴエチレングリコールである、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
  5. 多量体がテトラエチレングリコールである、請求項4記載の方法。
  6. エチレングリコール多量体を15%超、好ましくは15〜35%の最終濃度で用いる、請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
  7. 核酸を固体支持体に結合させる段階を、1M未満、好ましくは5mM〜0.5Mの最終濃度の塩の存在下で実施する、請求項1から6のいずれか1項記載の方法。
  8. 30%(v/v)未満の最終濃度のアルコールの存在下で実施する、請求項1から7のいずれか1項記載の方法。
  9. サンプルを、前記サンプルとエチレングリコール多量体とを接触させる前に、と同時に、または後に、界面活性剤と接触させ、前記界面活性剤が0.2〜30%(w/v)の最終濃度で存在する、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
  10. 界面活性剤がアニオン性界面活性剤、好ましくはアルカリ金属のアルキル硫酸塩である、請求項9記載の方法。
  11. 1%(w/v)未満の界面活性剤、30%(v/v)未満のアルコールの存在下で、かつカオトロピック剤の非存在下で実施する、請求項1から8のいずれか1項記載の方法。
  12. 界面活性剤、カオトロピック剤及びアルコールのうちの1つまたは複数の非存在下で実施する、請求項11記載の方法。
  13. エチレングリコール多量体のみを緩衝液中で用いる、請求項12記載の方法。
  14. 30ヌクレオチド未満のオリゴヌクレオチドと、100塩基対超の核酸分子を分離する、請求1から13のいずれか1項記載の方法。
  15. 固体支持体から核酸を溶出し、溶出された材料を用いてそれ以降の更なる処理、好ましくは塩基配列決定、を任意で実施する段階を更に含む、請求項1から14のいずれか1項記載の方法。
  16. 核酸がDNA、好ましくは10〜250kbpの非ゲノムDNA断片である、請求項1から15のいずれか1項記載の方法。
  17. DNAを単離し、さらに更なる段階でRNAを同じサンプルから単離する、請求項1から16のいずれか1項記載の方法。
  18. サンプルが全血または血液製剤である、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
  19. サンプルが増幅工程の後得られるサンプルである、請求項1から17のいずれか1項記載の方法。
  20. サンプル中の構造成分を破壊させる、またはサンプル中の細胞を溶解させるための1つまたは複数の追加的な段階を更に含む、請求項1から19のいずれか1項記載の方法。
  21. 固体支持体が微粒子である、請求項1から20のいずれか1項記載の方法。
  22. 固体支持体が磁気ビーズを含む、請求項21記載の方法。
  23. 固体支持体の表面が親水性である、請求項1から22のいずれか1項記載の方法。
  24. 固体支持体が水酸基、エポキシ基、カルボン酸基またはスルホン酸基を有する、請求項1から23のいずれか1項記載の方法。
  25. 核酸の結合の後、固体支持体を、好ましくは250mM未満の塩及び50〜90%のアルコールを含む溶液で洗浄する、請求項1から24のいずれか1項記載の方法。
  26. 請求項1から5のいずれか1項記載のエチレングリコール多量体、及び固体支持体を含む、請求項1から25のいずれか1項記載の方法に従うサンプルからの核酸単離用のキット。
  27. 固体支持体が請求項21から24のいずれか1項で定義される、請求項26記載のキット。
  28. 請求項1から25のいずれか1項記載の方法に従うキットの使用説明を有するリーフレットを更に含む、請求項26または27記載のキット。
  29. サンプルが細胞を含み、細胞を免疫磁気的分離方法によって得る、請求項1から18、または請求項20から25のいずれか1項記載の方法。
  30. サンプルからRNAを単離する追加的な段階を更に含む、請求項29記載の方法。
  31. 細胞が細胞:ビーズ複合体中に存在する、請求項29または30記載の方法。
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