JP2008303265A - クリンチエイペックス用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】石油資源由来の原料の使用量が低減されるとともに、耐クラック性に優れ、低発熱性で、調製時の加工性に優れるクリンチエイペックス用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ゴム成分と、該ゴム成分100質量部に対して50〜80質量部の範囲内で配合された無機フィラーとを含有し、ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなり、無機フィラーはシリカを含有し、カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して2〜5質量部の範囲内である、クリンチエイペックス用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、クリンチエイペックス用ゴム組成物および該クリンチエイペックス用ゴム組成物からなるクリンチエイペックスゴムを備える空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤのリムとのチェーフィング部分にはクリンチエイペックスゴムが設けられている。クリンチエイペックスゴムは、走行時にリムからタイヤに駆動力を伝達する機能、およびタイヤの荷重を保持する機能を有する。よって、クリンチエイペックスゴムは高硬度でかつ耐熱老化特性に優れることが必要である。また、走行時におけるタイヤの繰返し変形に伴うリムとのこすれによって生じる摩滅を軽減するため、クリンチエイペックスゴムには所定の耐摩耗性も要求される。また、クリンチエイペックスゴムの剛性、硬度および機械強度等の物理的特性は、走行時の操縦安定性能に大きな影響を及ぼすため、これらの性能を適切な範囲内に設定することも要求される。
一方、近年、環境問題への関心の高まりから、石油資源由来の原料の使用量を低減するための方法が種々の技術分野で検討されている。現在一般的に市販されているタイヤは、全重量の半分以上が石油資源である原料から構成されている。たとえば、一般的な乗用車用タイヤは、合成ゴム約20質量%、カーボンブラック約20質量%、軟化剤、合成繊維などを含んでいるため、タイヤ全体の約50質量%以上が石油資源の原料から構成されている。そこで、石油資源由来の原料を用いる場合と同様ないしそれ以上の要求特性を満足する、天然資源由来の原料を用いたタイヤ用ゴムの開発が望まれている。
特許文献1には、転がり抵抗を低減する目的で、ジエン系ゴム100質量部に対し、無機充填剤5〜150重量部、シランカップリング剤0〜30重量部、および、ヨウ素価が130以下である植物油脂5〜100重量部を含有するゴム組成物が提案されている。
特許文献2には、タイヤの耐摩耗性および転がり抵抗特性を低下させることなく、ウェットグリップ性能を大幅に改善できるトレッド用ゴム組成物および空気入りタイヤを提供する目的で、(A)ジエン系ゴムまたはジエン系ゴムと天然ゴムとの混合物からなり、かつスチレン−ブタジエンゴムを少なくとも20重量%含有するゴム成分100重量部、(B)クレー5〜50重量部、(C)チッ素吸着比表面積が100〜300m2/gであるシリカ5重量部以上および(D)チッ素吸着比表面積が70〜300m2/gであるカーボンブラック1重量部以上を含有し、(B)クレーと(C)シリカとの合計量が30重量部以上、(B)クレーと(C)シリカと(D)カーボンブラックとの合計量が100重量部以下であることを特徴とするタイヤトレッド用ゴム組成物が提案されている。
特許文献3には、自動車走行における低燃費化を可能にするベーストレッド用ゴム組成物、およびそれを用いたタイヤの提供を目的として、天然ゴムおよびブタジエンゴムからなるゴム成分100重量部に対して、澱粉および可塑剤からなる複合材1〜20重量部を含有するベーストレッド用ゴム組成物が提案されている。
特許文献4には、自動車走行における低燃費化を可能にするサイドウォール用ゴム組成物、およびそれを用いたタイヤの提供を目的として、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム、ならびにブタジエンゴムからなるゴム成分100重量部に対して、澱粉および可塑剤からなる複合材1〜20重量部を含有するサイドウォール用ゴム組成物が提案されている。
特許文献5には、耐空気透過性、耐亀裂成長性能および硬度のようなタイヤ部材として必要な性能を維持し、さらに加工性を向上させたタイヤ用ゴム組成物およびそれにより得られたタイヤを提供することを目的として、天然ゴムおよび/またはその変性物からなるゴム成分100重量部に対して、シリカを30重量部以上、炭酸カルシウムを5〜15重量部、およびカーボンブラックを5重量部以下含有するタイヤ用ゴム組成物が提案されている。
特許文献6には、剛性、耐熱性、接着性、湿熱接着性、伸び性能等のバランスに優れたブレーカー用ゴム組成物、および、該ゴム組成物をブレーカー層またはベルト層に用いた空気入りタイヤを提供することを目的として、天然ゴムおよび/またはイソプレンゴムを主成分とするゴム成分100重量部に対し、55〜65重量部のカーボンブラック、5〜15重量部のシリカ、3.5〜4.5重量部の硫黄、0.08重量部以上のコバルト、レゾルシン系樹脂およびメチレン供与体を含むブレーカー用ゴム組成物が提案されている。
しかし、従来の技術では、石油資源由来の原料の使用量を低減でき、耐クラック性に優れ、低発熱性で、調製時の加工性に優れるクリンチエイペックス用ゴム組成物、およびこれを用いた空気入りタイヤは得られていない。
特開2003−64222号公報 特開2002−105245号公報 特開2005−2287号公報 特開2005−53944号公報 特開2006−89526号広報 特開2002−338734号公報
本発明は上記の課題を解決し、石油資源由来の原料の使用量が低減されるとともに、耐クラック性に優れ、低発熱性で、調製時の加工性に優れるクリンチエイペックス用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分と、該ゴム成分100質量部に対して50〜80質量部の範囲内で配合された無機フィラーと、カーボンブラックと、を含有し、ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなり、無機フィラーはシリカを含有し、カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して2〜5質量部の範囲内である、クリンチエイペックス用ゴム組成物を提供する。
本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物において、無機フィラーは、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ、酸化マグネシウムから選択される少なくとも1種と、シリカとからなることができる。この場合、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカおよび酸化マグネシウムの配合量の合計は、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上であることが好ましい。
また、本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物において、無機フィラーはシリカからなることもできる。
本発明はまた、上述のいずれかのクリンチエイペックス用ゴム組成物からなるクリンチエイペックスゴムを備える空気入りタイヤを提供する。
本発明によれば、石油資源由来の原料の使用量が低減されるとともに、耐クラック性に優れ、低発熱性で、調製時の加工性に優れるクリンチエイペックス用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤを提供することが可能となる。
本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物においては、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかをゴム成分として用い、かつカーボンブラックの配合量を少量にすることによって、石油資源由来の原料の使用量の低減が可能である。また該ゴム成分と少量のカーボンブラックとを用いることにより調製時の加工性も良好である。本発明においては、カーボンブラックの配合量が少量であるクリンチエイペックス用ゴム組成物を用いることによって空気入りタイヤの発熱性を低減することができる。一方、本発明においては、無機フィラーの配合量を所定の範囲内とするため、カーボンブラック以外のフィラーによって良好な耐クラック性が得られる。
<ゴム成分>
本発明において用いられるゴム成分は、天然ゴム(NR)およびエポキシ化天然ゴム(ENR)の少なくともいずれかからなる。すなわち、本発明においては石油資源由来である合成ゴムを用いないため、石油資源由来の原料の使用量を低減できる。
天然ゴム(NR)としては、ゴム工業において従来用いられているものを使用することができ、たとえば、RSS#3、TSRなどのグレードの天然ゴムを挙げることができる。
エポキシ化天然ゴム(ENR)は、天然ゴムの不飽和二重結合がエポキシ化された変性天然ゴムの一種であり、極性基であるエポキシ基により分子凝集力が増大する。そのため、天然ゴムよりもガラス転移温度(Tg)が高く、かつ機械的強度や耐磨耗性、耐空気透過性に優れる。特に、ゴム組成物中にシリカを配合した場合においては、シリカ表面のシラノール基とエポキシ化天然ゴムのエポキシ基との反応に起因して、カーボンブラックをゴム組成物中に配合する場合と同程度の機械的強度や耐磨耗性を得ることができる。
エポキシ化天然ゴム(ENR)としては、市販のものを用いてもよいし、天然ゴム(NR)をエポキシ化したものを用いてもよい。天然ゴム(NR)をエポキシ化する方法としては、特に限定されるものではなく、たとえばクロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法などを挙げることができる。過酸法としては、たとえば天然ゴムのエマルジョンに過酢酸や過蟻酸などの有機過酸をエポキシ化剤として反応させる方法を挙げることができる。
エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましい。ここで、エポキシ化率とは、エポキシ化前の天然ゴム中の二重結合の全数のうちエポキシ化された数の割合を意味し、たとえば滴定分析や核磁気共鳴(NMR)分析等により求められる。エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が5モル%未満の場合、エポキシ化天然ゴム(ENR)のガラス転移温度が低いために、クリンチエイペックス用ゴム組成物のゴム硬度が低く、該クリンチエイペックス用ゴム組成物をクリンチエイペックスゴムとして用いた空気入りタイヤの耐久性および耐疲労性が低下する傾向がある。また、エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率は、65モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)のエポキシ化率が65モル%を超える場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物が硬くなることによって機械強度が低下する傾向がある。
エポキシ化天然ゴム(ENR)として、より典型的には、エポキシ化率25モル%のエポキシ化天然ゴムや、エポキシ化率50モル%のエポキシ化天然ゴムなどを例示できる。
ゴム成分中の天然ゴム(NR)の含有率は、10質量%以上であることが好ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が10質量%未満の場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物の機械強度が低くなる傾向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は、30質量%以上、さらに40質量%以上であることがより好ましい。また、ゴム成分中の天然ゴム(NR)の含有率は、90質量%以下であることが好ましい。天然ゴム(NR)の該含有率が90質量%を超える場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物の引裂強度が低くなる傾向がある。天然ゴム(NR)の該含有率は、80質量%以下であることがより好ましい。
ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率は、10質量%以上であることが好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率が10質量%未満の場合、引張強度が小さくなる傾向がある。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率は、20質量%以上、さらに30質量%以上であることがより好ましい。また、ゴム成分中のエポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率は、70質量%以下であることが好ましい。エポキシ化天然ゴム(ENR)の含有率が70質量%を超える場合、ゴム硬度が大きくなり過ぎるためにクリンチエイペックス用ゴム組成物の機械強度が低くなる傾向がある。エポキシ化天然ゴム(ENR)の該含有率は、60質量%以下であることがより好ましい。
<無機フィラー>
本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物においては、ゴム成分100質量部に対して無機フィラーが50〜80質量部の範囲内で配合される。ゴム成分100質量部に対する無機フィラーの配合量が50質量部未満であると所望の耐クラック性が得られず、80質量部を超えると加工性が悪化する。無機フィラーの該配合量は、55質量部以上、さらに60質量部以上であることがより好ましく、75質量部以下、さらに70質量部以下であることがより好ましい。
無機フィラーはシリカを含有する。これにより、クリンチエイペックス用ゴム組成物の機械強度を良好に維持しつつカーボンブラックの使用量を低減できるため、石油資源由来の原料の使用量を低減できる。また、無機フィラー以外にカーボンブラックが組合されることによって、シリカを大量に用いる場合に生じる加工性の悪化も防止できる。
無機フィラーは、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ、酸化マグネシウムから選択される少なくとも1種とシリカとからなることができる。この場合、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ、酸化マグネシウム、およびシリカはいずれも石油外資源由来であるため、良好な機械強度を維持しつつ石油資源由来の原料の使用量の低減効果を良好に得ることができる。
なお、本発明において、クレー(すなわち粘土)とは、岩石または鉱物の風化、変成作用によって生成した微細な粒子の集合体を総称し、より典型的には、粒径2μm以下の、粘土鉱物を主成分とする粒子を意味する。ここで粘土鉱物とは、典型的には層状ケイ酸塩を主成分とする結晶質または非晶質を意味する。
クレーの具体例としては、湿式カオリン(未焼成カオリン)、焼成カオリン、湿式および乾式のろう石クレー等を例示でき、表面をカップリング剤処理したクレーも例示できる。中でも、ゴム中への分散性に優れる点で、表面をカップリング剤処理したクレーは好ましい。
一方、無機フィラーはシリカからなることもできる。この場合も、石油外資源由来のシリカの併用によって、良好な機械強度を維持しつつ石油資源由来の原料の使用量の低減効果を良好に得ることができる。
(カーボンブラック)
カーボンブラックの配合量は、ゴム成分100質量部に対して2〜5質量部の範囲内とされる。ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの配合量が2質量部未満であると耐クラック性および加工性が悪化し、5質量部を超えると石油資源由来の原料の使用量の低減効果が小さくなるとともに、低発熱性の付与も困難になる。カーボンブラックの該配合量は、3質量部以上であることがより好ましく、4質量部以下であることがより好ましい。
カーボンブラックのヨウ素吸着比表面積は、30g/kg以上であることが好ましく、この場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物の機械強度が良好である。カーボンブラックのヨウ素吸着比表面積は、さらに40g/kg以上、さらに70g/kg以上であることがより好ましい。また、カーボンブラックのヨウ素吸着比表面積は、150g/kg以下であることが好ましく、この場合、加工性が良好である。カーボンブラックのヨウ素吸着比表面積は、さらに130g/kg以下、さらに125g/kg以下であることがより好ましい。
カーボンブラックの好ましい市販品としては、たとえば三菱化学製の「ダイアブラックH」等を例示できる。
(シリカ)
シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して25〜70質量部の範囲内とされることが好ましい。シリカの該配合量が25質量部未満である場合、シリカを配合することによる補強効果が小さくなる傾向があり、70質量部を超える場合、加工性が低下する傾向がある。シリカの該配合量は、30質量部以上、さらに35質量部以上であることがより好ましく、また60質量部以下、さらに55質量部以下であることがより好ましい。
また、無機フィラーがシリカ以外のフィラーを含む場合、シリカの配合量は、ゴム成分100質量部に対して30〜55質量部の範囲内とされることが好ましい。シリカの該配合量が30質量部未満である場合、シリカを配合することによる補強効果が小さくなる傾向があり、55質量部を超える場合、加工性が低下する傾向がある。シリカの該配合量は、さらに35質量部以上、さらに40質量部以上であることがより好ましく、また50質量部以下、さらに45質量部以下であることがより好ましい。
シリカのBET比表面積は、100m2/g以上であることが好ましく、この場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物の機械強度が良好である。シリカのBET比表面積は、さらに130m2/g以上、さらに150m2/g以上であることがより好ましい。また、シリカのBET比表面積は、200m2/g以下であることが好ましく、この場合、加工性が良好である。シリカのBET比表面積は、さらに190m2/g以下、さらに180m2/g以下であることがより好ましい。
シリカは、湿式法により調製されたものであってもよく、乾式法により調製されたものであってもよい。シリカの好ましい市販品としては、たとえばデグサ製の「ウルトラシルVN3」等を例示できる。
(無機フィラーとして配合され得るその他のフィラー)
本発明における無機フィラーとしてシリカの他に配合され得るフィラーとしては、前述の炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ、酸化マグネシウム等が挙げられる。特に、無機フィラーのうちシリカ以外のフィラー(以下、単に他のフィラーともいう)が、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ、酸化マグネシウムからなることが好ましい。
本発明の無機フィラーのうち、他のフィラーの配合量の合計は、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上であることが好ましい。他のフィラーの該配合量の合計が20質量部未満である場合、シリカの配合量が多くなるために加工性が低くなる傾向がある。該配合量の合計は、さらに22質量部以上、さらに25質量部以上であることが好ましい。一方、該配合量の合計が50質量部を超える場合、シリカの配合量が少なくなることによって補強効果が低くなる傾向があるため、該配合量の合計は50質量部以下であることが好ましく、さらに40質量部以下、さらに30質量部以下であることがより好ましい。
また、炭酸カルシウムの配合量は、ゴム成分100質量部に対して20〜40質量部の範囲内であることが好ましい。炭酸カルシウムの該配合量が20質量部未満である場合、シリカの配合量が多くなるために加工性が低くなる傾向があり、40質量部を超える場合、シリカの配合量が少なくなるために補強効果が低くなる傾向がある。炭酸カルシウムの該配合量は、25質量部以上であることがより好ましく、また35質量部以下であることがより好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明においてはシリカが配合される。よって、シランカップリング剤を組合わせて用いる場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物に対して優れた補強効果が付与され好ましい。シランカップリング剤の配合量は、シリカの配合量を100質量%としたときの量で4〜12質量%の範囲内とすることが好ましい。シランカップリング剤の該配合量が4質量%未満である場合、補強効果が低くなる傾向があり、12質量%を超える場合、量を増やしても補強効果の顕著な改善は期待できない一方コストが上昇するため経済的でなくなる傾向がある。シランカップリング剤の該配合量は、さらに6質量%以上、さらに8質量%以上であることがより好ましい。
シランカップリング剤としては、従来公知のシランカップリング剤を用いることができ、たとえば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリメトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどのスルフィド系;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどのメルカプト系;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系;3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系;γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランなどのグリシドキシ系;3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系;3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシランなどのクロロ系;などを挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、加工性が良好であるという理由から、デグッサ社製Si69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)、Si266(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)などが好ましく用いられる。
<その他の配合剤>
本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物には、上記した成分以外にも、従来ゴム工業で使用される他の配合剤、たとえば加硫剤、ステアリン酸、加硫促進剤、加硫促進助剤、オイル、硬化レジン、ワックス、老化防止剤などを配合してもよい。また、前述のシリカ、カーボン以外の充填剤として、たとえば、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク等を併用してもよい。
加硫剤としては、有機過酸化物もしくは硫黄系加硫剤を使用することが可能であり、有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3あるいは1,3−ビス(t−ブチルパーオキシプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシロキサン、n−ブチル−4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレレートなどを使用することができる。これらの中で、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼンおよびジ−t−ブチルパーオキシ−ジイソプロピルベンゼンが好ましい。また、硫黄系加硫剤としては、たとえば、硫黄、モルホリンジスルフィドなどを使用することができる。これらの中では硫黄が好ましい。これらの加硫剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、硫黄はオイル処理されたものであってもよい。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、チウラム系、チオウレア系、グアニジン系、ジチオカルバミン酸系、アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系、イミダゾリン系、もしくは、キサンテート系加硫促進剤のうち少なくとも一つを含有するものを使用することが可能である。スルフェンアミド系としては、たとえばCBS(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、TBBS(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物などを使用することができる。チアゾール系としては、たとえばMBT(2−メルカプトベンゾチアゾール)、MBTS(ジベンゾチアジルジスルフィド)、2−メルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、亜鉛塩、銅塩、シクロヘキシルアミン塩、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾールなどのチアゾール系化合物などを使用することができる。チウラム系としては、たとえばTMTD(テトラメチルチウラムジスルフィド)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィドなどのチウラム系化合物を使用することができる。チオウレア系としては、たとえばチアカルバミド、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、ジオルトトリルチオ尿素などのチオ尿素化合物などを使用することができる。グアニジン系としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、トリフェニルグアニジン、オルトトリルビグアニド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン系化合物を使用することができる。ジチオカルバミン酸系としては、たとえばエチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジアミルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛とピペリジンの錯塩、ヘキサデシル(またはオクタデシル)イソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジアミルジチオカルバミン酸カドミウムなどのジチオカルバミン酸系化合物などを使用することができる。アルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系としては、たとえばアセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒド−アンモニア反応物などのアルデヒド−アミン系またはアルデヒド−アンモニア系化合物などを使用することができる。イミダゾリン系としては、たとえば2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物などを使用することができる。キサンテート系としては、たとえばジブチルキサントゲン酸亜鉛などのキサンテート系化合物などを使用することができる。これらの加硫促進剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
老化防止剤としては、アミン系、フェノール系、イミダゾール系、カルバミン酸金属塩などを適宜選択して使用することができる。
オイルとしては、プロセスオイル、植物油脂、またはこれらの混合物、などを例示できる。プロセスオイルとしては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどを例示できる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油、桐油、などを例示できる。
本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物の、硬さ試験方法(JIS K6253)で測定されるゴム硬度(すなわちJIS−A硬度)は、60〜80の範囲内であることが好ましい。ゴム硬度が60未満である場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物の剛性が低く空気入りタイヤの耐久性が低下する傾向がある。またゴム硬度が80を超える場合、クリンチエイペックス用ゴム組成物が硬くなり機械強度が低下する傾向がある。ゴム硬度は、65以上、さらに75以上であることがより好ましい。
本発明はまた、以上で説明したような本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物からなるクリンチエイペックスゴムを備える空気入りタイヤをも提供する。以下、図1を参照して本発明の空気入りタイヤを説明する。図1は、本発明に係る空気入りタイヤの左半分を例示した断面図である。空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、該トレッド部2の両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部3と、各サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを備える。またビード部4,4間にはカーカス6が架け渡されるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部2内にはタガ効果を有してトレッド部2を補強するベルト層7が配される。
上記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば70〜90°の角度で配列する1枚以上のカーカスプライから形成され、このカーカスプライは、上記トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5の廻りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。
上記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ赤道COに対して、たとえば40°以下の角度で配列した2枚以上のベルトプライからなり、各ベルトコードがプライ間で交差するよう向きを違えて重置している。なお、必要に応じてベルト層7の両端部のリフティングを防止するためのバンド層(図示しない)を、ベルト層7の少なくとも外側に設けても良く、このときバンド層は、低モジュラスの有機繊維コードを、タイヤ赤道COとほぼ平行に螺旋巻きした連続プライで形成する。
またビード部4には、上記ビードコア5から半径方向外方に延びるビードエイペックスゴム8が配されるとともに、カーカス6の内側には、タイヤ内腔面をなすインナーライナゴム9が隣設され、カーカス6の外側は、クリンチエイペックスゴム4Gおよびサイドウォールゴム3Gで保護される。本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物は、上記クリンチエイペックスゴム4Gに使用されるものである。
なお図1では乗用車用の空気入りタイヤについて例示しているが、本発明はこれに限定されず、乗用車用、トラック用、バス用、重車両用等、各種車両の用途に対して用いられる空気入りタイヤを提供する。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物を用いて、従来公知の方法により製造される。すなわち、上記した必須成分、および必要に応じて配合されるその他の配合剤を含有するクリンチエイペックス用ゴム組成物を混練りし、未加硫の段階でタイヤのクリンチの形状に合わせて押出し加工し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、本発明のタイヤを得ることができる。
かかる本発明の空気入りタイヤは、特にクリンチエイペックスゴムにおける石油資源由来の原料の使用量が低減され、省資源および環境保護への配慮が十分なされているとともに、耐クラック性、低発熱性、調製時の加工性が高度に両立されたクリンチエイペックス用ゴム組成物が使用されており、地球環境に優しい「エコタイヤ」であるとともに、耐久性および燃費に優れる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1〜11および比較例1〜5>
表1〜3に示す配合成分のうち、硫黄および加硫促進剤を除く配合成分をバンバリーを用いて約150℃で5分間混練した。得られた混練物に、硫黄および加硫促進剤を表1〜3に示す配合量で加えた後、二軸オープンロールを用い約80℃で5分間練り込んで得た未加硫ゴム組成物を押出して、未加硫ゴムシートを作製した。また、得られた未加硫ゴムシートを170℃で12分間加硫して、試験用ゴムシートを作製した。
また、上記で得た未加硫ゴムシートをクリンチエイペックス部分に形成し、タイヤの他の部材とともに、タイヤ成形機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成した。この未加硫タイヤを加硫機中で、170℃で15分間加熱加圧することにより、試験用タイヤを得た。
なお上記の試験用タイヤは、
カーカスプライ
コード角度 タイヤ周方向に90度
コード材料 ポリエステル1500デニール/2
ブレーカー
コード角度 タイヤ周方向に24度×24度
コード材料 1×3×0.27
の基本構造を有する。
(ムーニー粘度ML(1+4)(130℃))
上記の未加硫ゴム組成物につき、JIS K6251に準じて、130℃でムーニー粘度(ML(1+4))を測定した。数値が小さいほど粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(tanδ)
上記で得た試験用ゴムシートから試験片を切り出し、岩本製作所製の粘弾性スペクトロメータを用い、温度60℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件で、tanδを測定した。数値が小さいほど発熱性および転がり抵抗が低いことを示す。
(破断伸びEB)
上記で得た試験用ゴムシートにつき、JIS K6251に準じて3号ダンベルを用いて引張試験を行ない、破断伸びEB(%)を測定した。数値が大きいほど耐クラック性に優れることを示す。
(変形および耐クラック性)
上記で得た試験用タイヤを2000cc乗用車に装着して、約50000kmの走行試験を実施した。走行後のタイヤの変形とクラックとを下記の基準で目視評価した。
変形
A:変形は認められない。
B:一部に変形が認められる。
C:変形が大である。
クラック
A:クラックは認められない。
B:一部にクラックの発生が認められる。
C:クラックが多量に発生している。
Figure 2008303265
Figure 2008303265
Figure 2008303265
注1:天然ゴムは、テックビーハング社製の「RSS♯3」である。
注2:エポキシ化天然ゴムは、MRB製の「ENR25」(エポキシ化率:25モル%)である。
注3:ブタジエンゴムは、宇部興産製の「BR150B」である。
注4:カーボンブラックは、東海カーボン製の「N330」(ヨウ素吸着比表面積:70mg/g)である。
注5:シリカは、デグサ製の「ウルトラシルVN3」(BET比表面積:172m2/g)である。
注6:炭酸カルシウムは、近江化学製の「サクセス200S」である。
注7:クレーは、バーゲスピグメント製の「バーゲスKE」である。
注8:シランカップリング剤1は、デグサ製の「Si266」である。
注9:シランカップリング剤2は、信越化学製の「KBE103」である。
注10:プロセスオイルは、出光化学製の「PS32」である。
注11:大豆油は、日清オイリオ製の「大豆白絞油」である。
注12:ワックスは、大内新興化学工業(株)製の「サンノックワックス」である。
注13:老化防止剤は、大内新興化学工業(株)製の「ノクラック6C」(N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)である。
注14:ステアリン酸は、日本油脂(株)製のステアリン酸である。
注15:亜鉛華は、三井金属鉱業製の「亜鉛華1号」である。
注16:硫黄は、鶴見化学(株)製の「粉末硫黄」である。
注17:加硫促進剤は、大内新興化学製の「ノクセラーCZ」である。
表1〜3に示すように、ブタジエンゴムを用いかつカーボンブラックの配合量が多い比較例3では、tanδが大きく破断伸びが小さく、カーボンブラックの配合量は少ないがブタジエンゴムを用いた比較例4においては、ムーニー粘度が高かった。またカーボンブラックを用いない比較例5においては、破断伸びの値が低かった。また天然ゴムを用いた例では、カーボンブラックの配合量が多い比較例1においてムーニー粘度およびtanδが高く、シリカの配合量が少ない比較例2において走行後外観が劣っていた。
一方、天然ゴムおよび/またはエポキシ化天然ゴムを用いかつカーボンブラックの所定量とシリカを含む無機フィラーの所定量とを併用した実施例1〜11においては、ムーニー粘度およびtanδが低減され、破断伸びおよび走行後外観も良好な傾向であった。
よって、本発明によれば、石油資源由来の原料の使用量を低減し、耐クラック性に優れ、低発熱性で、調製時の加工性に優れるクリンチエイペックス用ゴム組成物およびこれを用いた空気入りタイヤを提供できることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のクリンチエイペックス用ゴム組成物は、乗用車用、トラック用、バス用、重車両用等の各種用途の空気入りタイヤのクリンチエイペックスゴムに好適に適用され、本発明の空気入りタイヤは、上記各種用途に好適に適用され得る。
本発明の空気入りタイヤの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 タイヤ、2 トレッド部、3 サイドウォール部、4 ビード部、5 ビードコア、6 カーカス、7 ベルト層、8 ビードエイペックスゴム、9 インナーライナゴム、3G サイドウォールゴム、4G クリンチエイペックスゴム。

Claims (4)

  1. ゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して50〜80質量部の範囲内で配合された無機フィラーと、カーボンブラックと、を含有し、
    前記ゴム成分は、天然ゴムおよびエポキシ化天然ゴムの少なくともいずれかからなり、
    前記無機フィラーはシリカを含有し、
    前記カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100質量部に対して2〜5質量部の範囲内である、クリンチエイペックス用ゴム組成物。
  2. 前記無機フィラーは、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、マイカ、酸化マグネシウムから選択される少なくとも1種と前記シリカとからなり、
    前記炭酸カルシウム、前記水酸化アルミニウム、前記クレー、前記マイカおよび前記酸化マグネシウムの配合量の合計は、前記ゴム成分100質量部に対して20質量部以上である、請求項1に記載のクリンチエイペックス用ゴム組成物。
  3. 前記無機フィラーは前記シリカからなる、請求項1に記載のクリンチエイペックス用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のクリンチエイペックス用ゴム組成物からなるクリンチエイペックスゴムを備える空気入りタイヤ。
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