JP2008302128A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】切断後に下糸の残端が暴れることを防止して、下糸のクランプ不良の発生を抑制する。
【解決手段】このミシンには、刃部を有すると共に釜軸台に回動可能に支持され、初期位置と当該初期位置から針落ち位置側に前進した糸切断位置とに移動する切断メスと、釜軸台上を回動して初期位置と該初期位置より前進した糸捕捉位置と該糸捕捉位置より後退した糸切断位置とに順番に移動され、糸切断位置で切断メスとの協働により糸を切断する動メスとが備えられている。動メスは、糸捕捉位置からの後退時に上糸及び下糸を捕捉する糸捕捉部と、該動メス先端側に設けられ前記切断メスの刃部と協働して糸を切断する刃部とを有している。糸切断位置における動メスの後退方向側であって、動メスと切断メスとの間には、切断後の下糸が動メスと切断メスとの隙間に進入することを規制するように、隙間の少なくとも一部を埋める規制手段が設けられている。
【選択図】図12

Description

本発明は、ミシンに関し、特に、回動する動メスと切断メスとの協働により糸を切断する糸切断装置を備えたミシンに関する。
従来、図21に示すように、ミシンベッド内で水平方向に回動する動メス201と切断メス202との協働により糸を切断する糸切断装置200を備えたミシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
上記従来の糸切断装置200によれば、図22に示すように動メス201の後退移動時に、該動メス201に設けられた糸捕捉部203で上糸(図示省略)及び下糸204を捕捉した後、図23に示すように切断メス202の刃先と動メス201の刃先とが合致する糸切断位置205において上糸及び下糸204が切断されることになる。切断された下糸204は、動メス201の後退に伴ってクランプバネ207により保持されることになる。
特開2003−117281号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示される従来のミシンにあっては、図21に示すように糸切断位置205における動メス201移動方向後方には動メス201と、切断メス202との間に隙間(図中網掛部206)があるために、下糸204の残端が前述の隙間で暴れてしまい(図24参照)、場合によっては下糸204がクランプバネ207に係合せず、クランプ不良が生じてしまう。
本発明の課題は、切断後に下糸の残端が暴れることを防止して、下糸のクランプ不良の発生を抑制することである。
請求項1記載の発明に係るミシンは、
ミシンベッド下面に取り付けられた釜軸台と、
前記釜軸台に回転可能に支持された水平釜と、
刃部を有すると共に前記釜軸台に回動可能に支持され、初期位置と当該初期位置から針落ち位置側に前進した糸切断位置とに移動する切断メスと、
前記釜軸台上を回動して初期位置と該初期位置より前進した糸捕捉位置と該糸捕捉位置より後退した糸切断位置とに順番に移動され、前記糸切断位置で前記切断メスとの協働により糸を切断する動メスと、を備え、
前記動メスは、糸捕捉位置からの後退時に上糸及び下糸を捕捉する糸捕捉部と、該動メス先端側に設けられ前記切断メスの刃部と協働して糸を切断する刃部とを有し、
前記糸切断位置における前記動メスの後退方向側であって、前記動メスと前記切断メスとの間には、切断後の下糸が前記動メスと前記切断メスとの隙間に進入することを規制するように、前記隙間の少なくとも一部を埋める規制手段が設けられていることを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のミシンにおいて、
前記動メスにより前記糸捕捉位置で捕捉された上下糸をガイドする糸ガイドを備え、
前記規制手段は、前記糸ガイドと一体的に形成されていることを特徴としている。
本発明によれば、切断後の下糸が動メスと切断メスとの隙間に進入することが規制手段によって規制されるので、切断後の下糸が前記隙間で暴れることが防止される。したがって、下糸のクランプ不良の発生を抑制することができる。
以下、図を参照しながら本発明を実施するための最良の形態について詳しく説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、本実施形態においては、各図中に示したXYZ軸を基準にしてミシンの各部の方向を定めるものとする。ミシンを水平面に設置した状態において、Z軸方向は鉛直方向となる上下方向を示し、Y軸方向は図示しないミシンアームの長手方向と一致する左右方向を示し、X軸方向は水平且つY軸方向に直交する前後方向を示す。
(全体構成)
本実施形態では、ミシンとして総合送りミシンを例に説明する。総合送りミシン(以下、単にミシンとする)は、例えば、送り動作に伴う被縫製物のずれを防止するために、針上下動機構による縫い針の上下動及び針振り機構による針振りを同調させた針送り動作と、上送り機構及び下送り機構による送り動作とを同調させることで、厚手の被縫製物(例えば、皮物)に縫い針24を突き刺した状態で送りを行うミシンである。
かかるミシンは、以下の各機構部を内蔵する図示しないミシンフレームと、ミシンフレームのアーム部先端において縫い針24に往復上下動及び針振り動作を付与する針駆動機構と、ミシンフレームのベッド部上に載置された被縫製物をベッド部内から針板25上に出没して水平方向に送る送り機構(下送り機構)と、針駆動機構との協働により縫い目を形成する釜機構と、縫製終了後に上糸T1及び下糸T2を切断する糸切断装置100とを備えている。なお、ミシンは、その他、縫製に必要な種々の機構を備えているが、これらは従来周知の構成と同様であるため本実施形態では詳述しない。
(ミシンフレーム)
ミシンフレームは、被縫製物たる布を載置する水平なベッド面を有するベッド部(ミシンベッド)と、該ベッド部の一端から上方に立設された縦胴部と、この縦胴部の上部からベッド部とほぼ平行に延出されたアーム部(ミシンアーム)とを備え、側面視にて略コ字状を呈する周知の形状を備えている。アーム部の先端には針駆動機構が内蔵されており、ベッド部には釜機構、送り機構及び糸切断装置100が内蔵されている。また、ベッド部の上面には、針駆動機構により上下動を行う縫い針24の下方側に針板25が固定されて
いる(図13(b)参照)。針板25には、送り機構の送り歯26が出没する開口部が設けられている。また、針板25の一端縁の下面側には後述する釜機構の中釜23に設けられた中釜突起部23aと係合することで該中釜の回転を規制する中釜案内25aが設けられている(図13(b)及び図14参照)。
(針駆動機構)
針駆動機構は、アーム部内において回転自在に延在されミシンモータと連結された図示しないミシン主軸としての上軸と、該上軸の先端に固定された回転錘と、上端が該回転錘の偏心部に回転自在に連結されたクランクロッドと、クランクロッドの下端に連結された針棒と、その下端に支持された縫い針24とを備えた周知の構成を備えている。そして、ミシンモータの駆動により上軸が回転すると、その回転が回転錘及びクランクロッドを介して上下動に変換されると共に、図示しない針振り機構により上軸の回転が揺動運動に変換されて針棒に伝達される。これにより、針棒が往復上下動と針振りとを組み合わせた針送り動作を行い、縫い針24の下降時において後述する送り歯26と同調して送り方向に布を送る。本実施形態では、かかる針棒の往復上下動により、縫い針24が送り歯26の針穴26b内に向かって針落ちを行い、この針穴26bの内側に針落ち位置及びその中心である針落ち芯32が位置するようになっている(図12参照)。
(送り機構)
送り機構は、ベッド部内から針板25上に出没して布を搬送する送り歯26と、この送り歯26に上下方向の送り動作を付与する上下送り機構(図示省略)と、送り歯26に水平方向の送り動作を付与する水平送り機構(図示省略)とを備えている。また、ミシンは、上軸の回転に同期して交互に上下動を行う図示しない上送り足と押さえ足とを有し、一方の上送り足は縫い針24及び送り歯26と同調して揺動し、送り方向に布を送る。
送り歯26は、上軸(ミシン主軸)に連動する下軸から上下送り機構及び水平送り機構を介して送り動作を付与され、略楕円軌道の上死点近傍で針板25の開口部からベッド部上に出没して送り方向に布を送る。また、送り歯26には、縫い針24が針落ちを行う針穴26bが形成されている。そして、図13(a)及び(b)に示すように、送り歯26の下面には、針落ち芯32を中心に水平釜と反対側にのみ支持部26aが形成されている。つまり、本実施形態における送り歯26は、針穴26b及び該針穴26bよりも外釜22側の下面が開放されており、かかる構成としたことにより針板25の下方に空間33が形成されている。
(釜機構)
釜機構は、水平方向に位置調節可能となってベッド部内の下面に固定された釜軸台1(図1参照)と、該釜軸台1の内部においてZ軸方向(上下方向)に沿って回転自在に支持された釜軸(図示略)と、この釜軸に軸支されることで水平面内において回転可能に支持された外釜22及び該外釜22内に回転可能に支持された中釜23を有する水平釜とを備えている。
外釜22には、縫い針24が下死点から上昇する際に針板25下方に形成される上糸ループを当該外釜22の回転により掬う図示しない剣先が設けられている。
中釜23の内部には、下糸T2が巻回されたボビンが装着される。また、中釜23の上部外周縁の一部には、上述した針板25下面の中釜案内25aに係合されることで該中釜23の回転を規制する中釜突起部23aが設けられている。
さらに、本実施形態における中釜23は、従来の中釜に比べて針板25の下面に近接する高さまでその深さDが増加されており(図13(b)参照)、その内側に装着されるボビンに巻回される下糸T2の糸量を増加することが可能となっている。
そして、上軸に連動してベッド部内において下軸が回転駆動を行うと、図示しない釜軸ギヤを介して釜軸及び外釜22が回転し、当該回転する外釜22と上下動を行う縫い針24との協働により縫い目が形成される。
(糸切断装置)
次に、本実施形態における糸切断装置100の構成について詳しく説明する。
図1は糸切断装置100の構成を示す斜視図であり、図2は糸切断装置100の要部構成を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、糸切断装置100は、刃部である刃先2a(図3参照)を有すると共に釜軸台1に回動可能に支持され、初期位置(図9参照)と当該初期位置から針落ち位置32側に前進した糸切断位置(図15参照)とに移動する切断メス2と、釜軸台1上を回動して初期位置(図9参照)と該初期位置より前進した糸捕捉位置(図11参照)と該糸捕捉位置より後退した糸切断位置(図15参照)とに移動され、前記糸切断位置で切断メス2との協働により上糸T1及び下糸T2を切断する動メス9と、切断メス2を回動させるアクチュエータとしてのエアシリンダ6と、初期位置から糸切断位置に向かう切断メス2の回動により該切断メス2と動メス9とを連結し、当該回動方向に動メス9を回動させる係合部である動メス駆動ピン21と、上軸(ミシン主軸)に連動して回転する糸切りカム15と、動メス9と一体に回動され糸切りカム15に係合可能なカムコロ13(図6参照)と、釜軸台1に固定され、切断後の下糸T2を保持可能なクランプばね29と、を備えている。また、糸切断装置100は、上記糸切断位置以外での上糸T1及び下糸T2の切断を防止する糸ガイド31を備えている。以下、各部を詳細に説明する。
(切断メス)
図3に示すように、切断メス2は、先端(一端)に刃先2aを有すると共に基端部2b(他端)がねじにより着脱可能となって切断メス台3の一端に取り付けられている。切断メス台3は、その先端の支持部3aが切断メス2の根元付近まで延設されており、該切断メス2をしっかりと支持する形状となっている(図12参照)。これにより、切断メス2を従来よりも厚くすることなく従来比同等の厚さで剛性を確保することができ、その分、動メス9の厚さを従来よりも厚くして剛性を向上することを可能としている。また、本実施形態における切断メス2は、後述するエアシリンダ6の駆動により糸切断位置に配置された際に、その先端である刃先2aが針板25下方の針落ち芯32近傍まで延出されるようになっている(図12参照)。
切断メス台3の他端は、釜軸台1(図1参照)に回動自在に支持された中空の切断メス軸4の上端に抱き締め固定されており、切断メス軸4の下端には切断メス駆動腕5の一端が抱き締め固定されている。また、切断メス軸4には、後述する動メス9の回動中心となる動メス軸11がZ軸方向に沿って回動自在に挿通されている。つまり、本実施形態における切断メス2及び動メス9は、何れもその回動中心が外釜22の回転中心を挟んで針落ち位置32と逆側に配置されている。
切断メス駆動腕5の他端には、釜軸台1に固定されたエアシリンダ6の作動部であるロッド先端6aに取り付けられたシリンダ連結体7が段ねじ8により回動自在に連結されている。そして、ロッド先端6aが図3に示す矢印A1方向又はB1方向に進退移動を行うと、切断メス軸4を中心に切断メス台3が揺動され、その先端に設けられた切断メス2が矢印A2方向又はB2方向に進退移動を行う。
(エアシリンダ)
エアシリンダ6は、図4及び図5に示すように、シリンダ取付板16を介して釜軸台1の下部に固定されており、当該エアシリンダ6の作動部であるロッド先端6aが水平方向に進退移動可能に設けられている。シリンダ取付板16の下部には、ロッド先端6aとほぼ平行に設けられたガイド軸17の一端が固定されている。このガイド軸17は、シリンダ連結体7に摺動自在に挿通されており、ガイド軸17の他端にはナット18及びストッパ座金19により、水平方向(図4又は図5に示す矢印A1又はB1方向)に移動するシリンダ連結体7の一方の揺動端部(図4において左端)を規定するストッパが形成されている。なお、エアシリンダ6には、図示しないエアー供給源により圧縮エアーが供給され
る。
そして、常にはエアシリンダ6にエアーが供給されてロッド先端6aが矢印B1方向(図4における左方向)に配置され、シリンダ連結体7がナット及びストッパ座金19で規定された回転防止用のストッパに当接する初期状態に配置される(図4参照)。本実施形態では、かかる初期状態において、上記切断メス2が初期位置である最後退位置(図9参照)に配置され、その初期位置が規制されるようになっている。一方、エアシリンダ6にエアーが供給されてロッド先端6aが矢印A1方向(図5における右方向)に移動されると、ガイド軸17に沿ってシリンダ連結体7が矢印A1方向に移動される。そして、切断メス台3に設けられたストッパボルト27が釜軸台1に固定されたストッパ板28に当接されることで、切断メス2の糸切断位置(図10及び図15参照)が規定されるようになっている。
(切断メス及び動メスの連結構造)
図6に示す動メス軸11は、上述した切断メス軸4よりも小径、且つ、該切断メス軸4よりも長尺な軸であり、中空の切断メス軸4を上下に貫通して回動自在に挿通されている。つまり、上記切断メス2と該動メス9とは、二重軸構造となった切断メス軸4と動メス軸11とにより、同心軸を中心にそれぞれ別々に回動可能な状態で釜軸台1に支持されている。
動メス軸11の上端には該動メス軸11と直交するように動メス台10の一端が固定されている。動メス台10の上部には、後述する動メス9の基端部がねじにより着脱自在に固定されており、動メス台10の他端の下面には、下方に向けて本発明の係合部たる動メス駆動ピン21が突設されている。
そして、エアシリンダ6の駆動により切断メス2及び切断メス台3が矢印A2方向に回動し、切断メス台3の一端が動メス台10に設けられた動メス駆動ピン21に当接されると、切断メス2と動メス9とが連結されることとなり、両者が一体となって矢印A2方向に回動される(図2参照)。つまり、動メス9は、切断メス2の揺動に伴い動メス軸11を中心に矢印A2方向に揺動されるものである。
また、図2及び図6に示すように、動メス軸11の下端には動メス駆動腕12の一端が抱き締め固定されている。この動メス駆動腕12は、動メス軸11と直交する水平方向に延出されており、その他端部の下方側にはZ軸方向に沿うカムコロ軸14を介してカムコロ13が回動自在に連結されている。このカムコロ13は、エアシリンダ6の駆動によりロッド先端6aが矢印A1方向に移動した後、後述する糸切りカム15のカム部に沿って移動することで、動メス駆動腕12の他端部を矢印A3方向又はB3方向に揺動して動メス軸11及び動メス9に回動力を付与するものである。そして、動メス9は、エアシリンダ6の駆動力により切断メス2と共に該切断メス2の糸切断位置まで移動した後、この糸切りカム15による回動力により、初期位置より前進した糸捕捉位置と該糸捕捉位置から後退した糸切断位置までの往復移動を行う。
また、図2及び図7に示すように、上記シリンダ連結体7の下部には平面視にて鉤状の先端20aを有する動メス戻し板20が固定されている。このため、エアシリンダ6のロッド先端6aが矢印B1方向に移動すると、該先端20aに当接されて動メス駆動腕12の一端が押し戻されるため、動メス駆動腕12の他端が矢印B3方向に揺動される。そして、シリンダ連結体7が図4に示す初期状態に保持されることにより、動メス9の初期位置が規定されるようになっている。
(糸切りカム)
糸切りカム15は、上軸の回転と同期して該上軸と1対1の比率で回転する図示しないオープナー軸に取り付けられている。この糸切りカム15は、図1及び図2に示すように、ベッド部内において釜軸台1の下方に配設されており、Z軸方向に沿うオープナー軸を中心に水平面内で回転可能に設けられている。本実施形態における糸切りカム15は、上軸の回転に伴い、図8中において反時計周り方向に回転されるようになっている。
糸切りカム15の上面には、図2及び図8に示すように、外周側の待機区間15aと、この待機区間15aから当該糸切りカム15の回転中心付近を通って反対側までカムコロ13を導く溝区間15bと、該溝区間15Bの終端側に形成された開放区間15cとからなるカム部が設けられている。すなわち、これら待機区間15a,溝区間15b及び開放区間15cは、従節たるカムコロ13を導く糸切りカム15の原節となっている。
そして、エアシリンダ6の駆動により切断メス2が糸切断位置まで移動すると、切断メス台3、動メス駆動ピン21、動メス台10及び動メス軸11を介して動メス駆動腕12が図2に示す矢印A3方向に回動される。これにより、カムコロ13が待機区間15a、つまり、糸切りカム15に係合可能な位置まで移動され、その後、上軸の回転に応じて糸切りカム15が作動することにより動メス9がミシン主軸(上軸)に連動して回動される。
(動メス)
次に、本実施形態における動メス9の構成について詳しく説明する。
図6に示すように、動メス9は、その基端部(一端)がねじにより着脱自在となって動メス台10に取り付けられており、中間部が湾曲部を有して水平方向に延在され、その先端部(他端)は鋭角な先鋭形状を成している。
かかる動メス9は、動メス軸11を中心に矢印A2及び矢印B2方向に揺動可能に設けられ、その移動動作の全体を通じて中釜23の上方を回避すると共にその先端が中釜23の外周よりも針落ち位置32側を通過するようになっている(図9〜図12、図14及び図15参照)。そして、本実施形態における動メス9は、図12及び図14に示すように、針板25下方に設けられた空間33を通過して進退移動することが可能となっている。
動メス9の先端部近傍には、図6に示すように、後退時に上糸T1及び下糸T2を捕捉する糸捕捉部9dと、動メス9先端側に設けられ切断メス2の刃先2aと協働して糸を切断する刃部9cと、その外側の側面に糸捕捉位置から切断部までの間上糸T1及び下糸T2を逃がすための溝状の上下糸逃げ部9bと、糸切断位置で切断された上糸T1が動メス9と後述するクランプばね29とにより把持されることを防止する上糸逃げ部9aとが設けられている。
(クランプばね)
クランプばね29は、図9〜図11及び図15に示すように、その基端部が、上下方向(Z軸方向)において動メス9と切断メス2との間に配置されるように釜軸台1に取り付けられたクランプばね台30の上面にねじで固定されている。また、クランプばね29の先端は、動メス9先端の内側面に沿って該動メス9の前進移動方向に向けて延出されている。
このクランプばね29は、ばね材により構成されており、動メス9の内側面を押圧するように付勢され、動メス9の移動動作の全体を通じて該動メス9の内側面と摺接するようになっている。そして、クランプばね29は、糸切断後に動メス9の内側面との協働により下糸T2の端部を挟持し、次の縫い始めのために下糸T2を保持するようになっている。
(糸ガイド)
糸ガイド31は、図1に示すように、切断メス2の刃先2a近傍にねじにより着脱可能に装着されている。かかる糸ガイド31は、切断メス2を挟んで動メス9と反対側から該切断メス2に取り付けられており、その先端が切断メス2の刃先2a全体を覆うようにして動メス9側に曲成され、該刃先2aよりも先方に延出されている。図15に示すように、糸ガイド31の先端は、上側の端部がさらに伸びて動メス9の外側面に沿うように延出しており(図12参照)、上糸T1及び下糸T2が上下糸逃げ部9bの溝部上側のエッジに接することを防止する糸引掛け部31aとなっている。つまり、糸ガイド31は、切断メス2の刃先2a先端付近で上糸T1及び下糸T2を引掛けることが可能であり、動メス9が糸捕捉位置で捕捉した上糸T1及び下糸T2がエッジに接しないようにガイドすることで、該エッジ9eと切断メス2の刃先2aとの間に上糸T1及び下糸T2が案内されないように保護するようになっている。
また、糸ガイド31の基端部には、図12及び図15に示すように、切断メス2と動メス9との間に配置されるように延出する延出板31bが一体的に設けられている。この延出板31bは、図15に示すように、動メス9が糸切断位置にある場合には、当該動メス9の後退方向(矢印B2方向)側の動メス9と切断メス2との間に配置されることになる。これにより、動メス9と切断メス2とにより形成される隙間Sの少なくとも一部が延出板31bによって埋められ、切断後の下糸T2が動メス9と切断メス2との隙間Sに進入することが規制される。つまり、延出板31bが本発明に係る規制手段である。なお、隙間Sを埋める面積が大きければ大きいほど、当該隙間Sで切断後の下糸T2が暴れることをより確実に防止することが可能となる。
さらに、本実施形態たるミシンは、エアシリンダ6の駆動により切断メス2に伴って動メス9が回動し、カムコロ13が糸切りカム15に係合可能な位置まで移動し、その後糸切りカム15が作動して動メス9がミシン主軸(上軸)に連動して回動するようにエアシリンダ6とミシン主軸を駆動するミシンモータとを制御する制御手段としての図示しない制御部を備えている。
(実施形態の動作説明)
次に、上記構成を備えるミシンの動作説明を行う。
まず、縫製中は、エアシリンダ6のロッド先端6aが矢印B1方向に突出され、シリンダ連結体7が図4に示す初期位置に配置される。このため、切断メス2及び動メス9は、共に矢印B2方向の最後退位置である初期位置に配置された状態となる(図9参照)
次に、図示しないミシンペダルの後踏みにより制御部(図示略)に糸切り信号が入力されると、エアシリンダ6にエアーが注入され、ロッド先端6aが矢印A1方向に移動する。これにより、図5に示すように、シリンダ連結体7が矢印A1方向に移動され、切断メス駆動腕5及び切断メス軸4を介して切断メス台3が矢印A2方向に回動される(図2参照)。また、上記ミシンペダルを後踏みした時点でミシンモータが回転を開始する。
切断メス台3が矢印A2方向に回動されると、該切断メス台3が動メス台10の下面に固定されている動メス駆動ピン21と係合することにより、動メス台10もまた矢印A2方向に回動される。切断メス2の矢印A2方向に向かう糸切断位置までの回動により、動メス台10及び動メス軸11を介して動メス駆動腕12が図2に示す矢印A3方向に回動され、カムコロ13が糸切りカム15の待機区間15aに係合された状態となり、切断メス台3の回動が一旦停止された状態となる。
カムコロ13が図8(a)〜(c)に示す糸切りカム15の待機区間15aに沿って移動する間は、動メス9及び切断メス2が針落ち位置近傍に待機した状態(図10参照)であり、図14に示すように、外釜22がその剣先で上糸T1を掬って上糸T1が三角形を形成した後、図8(d)に示すように、釜糸吸収最大となるときにカムコロ13が待機区間15aの最終点を通過する。その後、カムコロ13が溝区間15bに沿って案内されることにより動メス駆動腕12が矢印A3方向に揺動され、動メス9は矢印A2方向に向かってさらに前進することとなる。また、カムコロ13が図8(a)〜(c)に示す待機区間15aから図8(d)に示す溝区間15bに案内されると、切断メス台3が再回動し始める。そして、切断メス台3に取り付けられたストッパボルト27がストッパ板28に係止されると、切断メス台3の回動が規制され、切断メス2が糸切断位置に配置される(図10参照)。この状態において、切断メス2の先端である刃先2aは針板25下方の針落ち芯32近傍まで延出された状態となる(図12参照)。
このとき、動メス9の先端は、図10〜図12及び図14に示すように、中釜突起部23a及び中釜案内25aよりも針落ち芯32側である針板25及び送り歯26の下方の空間33を通過するように移動されて上糸T1の三角形内に突入する。
さらに糸切りカム15が回転して、カムコロ13が図8(e)に示す動メス最前進位置まで移動すると、動メス9が、図11に示す最前進位置より若干後退した糸捕捉位置まで戻る。
その後、溝区間15bにより動メス駆動腕12の移動方向が矢印B3方向に反転し、矢印B2方向に後退する動メス9の糸捕捉部9dにより上下の糸T1,T2が捕捉される。
このとき、動メス9の外周側においては、糸ガイド31の糸引掛け部31aに上糸T1及び下糸T2が引掛けられた状態となる。また、動メス9の内周側においては、上糸T1が動メス9の上糸逃げ部9aに退避した状態となる。
さらに糸切りカム15が回転して、カムコロ13が図8(f)に示す糸切断位置まで案内されると、動メス9が糸切断位置まで後退する(図15参照)。この際、図17に示すように上糸T1及び下糸T2はまだ切断されていない。そして、下糸T2が、クランプばね29の糸掬い部29bに掬われた後、切断メス2の刃先2aと動メス9の刃部9cとの協働により上糸T1及び下糸T2が切断される(図18参照)。切断後においては、図19に示すように下糸T2は、糸ガイド31の延出板31bと動メス9とのに挟まれることになり、動メス9と切断メス2とにより形成された隙間S内に進入することが規制されることになる。
また、カムコロ13は、糸切りカム15の開放区間15cを通って該糸切りカム15の外周に解放され、溝区間15bとの係合が解除される(図8(g)参照)。
ここで、図12に示すように、動メス9の刃部9cは、針落ち芯32を通過して回動しており、刃先2aは該針落ち芯32の近傍まで接近して待機している。このため、動メス9と切断メス2との協働により糸T1,T2切断されるときには、針落ち芯32から刃先2aまでの距離が従来よりも大幅に短縮されることとなる。
そして、上糸T1及び下糸T2切断後は、上糸T1が上糸逃げ部9aから抜けてフリーの状態となり、下糸T2は下糸クランプ部29aにより把持される。
また、図15に示すように、動メス9が糸切断位置を通過すると、制御部によりミシンモータが停止され縫い針24が上位置(上停止位置)に停止される。これと同時に制御部から糸切り戻し信号が出力され、該出力信号に応じてエアシリンダ6のロッド先端6aが矢印B1方向に移動することとなる。これにより、切断メス2及び動メス9が、図9に示す初期位置に復帰する。このとき、図8に示すように、糸切りカム15の溝区間15bは上糸T1及び下糸T2の切断終了までであり、当該切断後にミシンが上停止位置で停止する際にはカムコロ13は開放区間15cに移動しているため、動メス9が初期位置に復帰する際に当該動メス9の動作の妨げとなることはない。
(実施形態の効果)
以上のように、本実施形態によれば、切断後の下糸T2が動メス9と切断メス2との隙間Sに進入することが糸ガイド31の延出板31b(規制手段)によって規制されているので、切断後の下糸T2が隙間Sで暴れることが防止される。したがって、下糸T2のクランプ不良の発生を抑制することができる。
また、延出板31bが糸ガイド31と一体的に形成されているので、部品点数の増加を抑制することも可能となる。
(その他)
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、本実施形態では、延出板31bと糸ガイド31とが一体形成されている場合を例示して説明したが、延出板と糸ガイド31とが別体であっても構わない。具体的には、例えば、図20に示すように、本発明に係る規制手段である補助板34を切断メス2に取り付ける構成が挙げられる。この補助板34には、切断メス2にネジ止めされる補助板本体34aと、切断メス2及び動メス9により形成される隙間Sの少なくとも一部を埋める埋設部34bとが一体的に設けられている。補助板本体34aが切断メス2にネジ止めされると、埋設部34bが隙間S内に配置されて、切断後の下糸T2が隙間Sに進入することを防止することになる。
本実施形態における糸切断装置の構成を示す概略斜視図である。 本実施形態における糸切断装置の要部構成を示す斜視図である。 本実施形態における切断メス周辺の概略構成を示す斜視図である。 本実施形態におけるエアシリンダ周辺の構成(初期状態)を示す側面図である。 本実施形態におけるエアシリンダ周辺の構成(動作時)を示す側面図である。 本実施形態における動メス周辺の概略構成を示す斜視図である。 本実施形態におけるエアシリンダ周辺の構成を示す底面図である。 本実施形態における糸切りカムの動作を示す動作説明図である。 本実施形態における糸切断装置の動作(初期位置)を示す平面図である。 本実施形態における糸切断装置の動作(メス待機位置)を示す平面図である。 本実施形態における糸切断装置の動作(糸捕捉位置)を示す平面図である。 本実施形態における動メスの移動軌跡を示す説明図である。 (a)は本実施形態における送り歯を示す平面図である。(b)は送り歯、中釜及び外釜の位置関係を示す側面図である。 本実施形態における上糸ループに突入する際の動メスを示す概略図である。 本実施形態における糸切断装置の動作(糸切断位置)を示す平面図である。 本実施形態における糸ガイドの概略構成を示す斜視図である。 本実施形態における上糸、下糸の切断直前の状態を示す平面図である。 本実施形態における上糸、下糸の切断直後の状態を示す平面図である。 本実施形態における下糸が糸ガイドの延出板と動メス9とにより挟まれた状態を示す平面図である。 本発明に係る規制手段の変形例を示す斜視図である。 従来の糸切断装置の概略構成を示す平面図である。 従来の糸切断装置における上糸、下糸の切断直前の状態を示す平面図である。 従来の糸切断装置における上糸、下糸の切断直後の状態を示す平面図である。 従来の糸切断装置における下糸の暴れを示す平面図である。
符号の説明
1 釜軸台
2 切断メス
9 動メス
9c 刃部
9d 糸捕捉部
31 糸ガイド
31b 延出板(規制手段)

Claims (2)

  1. ミシンベッド下面に取り付けられた釜軸台と、
    前記釜軸台に回転可能に支持された水平釜と、
    刃部を有すると共に前記釜軸台に回動可能に支持され、初期位置と当該初期位置から針落ち位置側に前進した糸切断位置とに移動する切断メスと、
    前記釜軸台上を回動して初期位置と該初期位置より前進した糸捕捉位置と該糸捕捉位置より後退した糸切断位置とに順番に移動され、前記糸切断位置で前記切断メスとの協働により糸を切断する動メスと、を備え、
    前記動メスは、糸捕捉位置からの後退時に上糸及び下糸を捕捉する糸捕捉部と、該動メス先端側に設けられ前記切断メスの刃部と協働して糸を切断する刃部とを有し、
    前記糸切断位置における前記動メスの後退方向側であって、前記動メスと前記切断メスとの間には、切断後の下糸が前記動メスと前記切断メスとの隙間に進入することを規制するように、前記隙間の少なくとも一部を埋める規制手段が設けられていることを特徴とするミシン。
  2. 請求項1記載のミシンにおいて、
    前記動メスにより前記糸捕捉位置で捕捉された上下糸をガイドする糸ガイドを備え、
    前記規制手段は、前記糸ガイドと一体的に形成されていることを特徴とするミシン。
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