JP2008297505A - 電子線励起用白色蛍光体および白色発光素子乃至装置 - Google Patents

電子線励起用白色蛍光体および白色発光素子乃至装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子線励起、特に100V〜10kV程度の中・低加速電圧の電子線励起によって単独で白色発光する電子線励起用白色蛍光体を提供する。
【解決手段】Sr元素、Mg元素、Si元素、及びO元素を含む組成からなる母体と、発光中心としてのEu2+とから構成される白色蛍光体であって、電子線を照射することによって単独で白色光を発光する白色蛍光体を提案する。
【選択図】図1

Description

本発明は、単一材料からなる白色蛍光体であって、電子線励起によって白色光を発光し得る白色蛍光体、すなわち電子線励起用途に用いることができる電子線励起用白色蛍光体、並びにこれを用いた白色発光素子乃至装置に関する。
蛍光体は、電子線、X線、紫外線、電界などのエネルギーを吸収し、このエネルギーの一部を効率良く可視光線として放出(発光)する物質であり、通常は1μm〜数十μmの大きさの無機化合物粉末粒子である。この種の蛍光体は、照明、表示装置(ディスプレイ)、電子顕微鏡、シンチレーター、線量計など各種用途に用いられており、中でも表示装置(ディスプレイ)の分野における技術革新と需要の伸びは著しいものがある。
表示装置(ディスプレイ)としては、従来ブラウン管(CRT)が主流であったが、近年、薄型フラットパネルディスプレイ(FPD)に急速に移行しつつあり、LCD(;液晶ディスプレイ)、PDP(;プラズマディスプレイパネル)、有機EL、FED(;電界放出ディスプレイ)などの様々な製品が開発され実用化されている。
これらの中で「FED」は、微細な多数の電子銃から電子線を蛍光体に照射して発光させるものであり、基本原理はCRTと同じである。すなわち、画素一つ一つがいわばブラウン管であるから、FEDは、コントラスト、階調再現、色再現などのCRTの長所を有するフラット化ディスプレイであるとも言える。FEDの加速電圧は、ディスプレイを設計する考え方によって異なるが、通常は100V〜10kV程度の中・低加速電圧であるため、大型自発光平面ディスプレイの中で発光効率が高く、低消費電力化に有望なディスプレイであるとして注目されている。
ところで、電子線励起により発光する蛍光体として、従来はZnS系やYS系等の硫化物蛍光体などが知られていたが、このような硫化物蛍光体は、電子線照射によって発生する熱によって熱分解され、エミッターを侵食するガスが発生し、ディスプレイの劣化を引き起こすという問題を抱えていた。また、FEDにおいては、CRTと比べて低加速電圧による電子放出を利用するため、従来の蛍光体を用いたのでは、入射した電子のうち通過できない電子の確率が高くなり、その蛍光体表面でチャージアップしてしまい、所望の発光輝度が得られないという問題も抱えていた。
そこで低速電子線用蛍光体として、例えば(Zn,Cd)S:Ag蛍光体 や、この蛍光体にIn23、ZnO、SnO2等の導電性物質を混合もしくは付着させた発光組成物などが開発されている(特許文献1)。
しかし、環境問題からCdのような有害物質を含まないものが望まれるため、かかる観点から、例えば特許文献2のように、組成式MmA:Z(但し、M元素はII価の価数をとる1種以上の元素であり、A元素はIII価の価数をとる1種以上の元素であり、B元素はIV価の価数をとる1種以上の元素であり、Oは酸素であり、Nは窒素であり、Z元素は付活剤であり、m>0、a>0、b>0、o≧0、n=2/3m+a+4/3b−2/3oである。)で表記されることを特徴とする電子線励起用の蛍光体が開示されている。
また、特許文献3には、電子線によって励起可能な蛍光体として、SrXBa1-XGa24(0<X<1)で示される母体材料中に発光中心が付活されてなる蛍光体材料が開示され、特許文献4には、Ca12Al1433又はSr12Al1433で表される組成の化合物を母体とし、これに付活剤を添加、含有せしめ、さらに少なくとも1種の導電性金属を添加、含有せしめてなることを特徴とする電子線励起発光素子用蛍光体が開示されている。
さらにまた、特許文献5には、金属元素で一部置換されたSrおよびTiの酸化物からなる母体にPrおよびAlが付活されてなる低速電子線用蛍光体であって、前記金属元素は、Inと、SnおよびSiから選ばれた少なくとも1つとを含む金属元素であることを特徴とする低速電子線用蛍光体が開示されている。
ところで、上記の蛍光体はいずれも、電子線励起によって単独で白色発光するものではないため、白色発光を得るには、例えば青色発光蛍光体と黄色発光蛍光体により発光色を混合して白色を得るか、或いは、青色発光蛍光体と黄色発光蛍光体とZnO:Zn蛍光体との発光色を混合して白色を得る必要があった。しかし、2色もしくは3色の蛍光体を用いて発光色を混合して白色を得るのでは、種類の異なる蛍光体ごとにライフ特性が異なるため、使用時間の経過に伴って色ずれが生じ、色度が当初の値から変化してしまうという問題があった。
電子線励起によって白色発光し得る蛍光体としては、例えば特許文献6において、ZnO:Zn蛍光体の表面に、低速電子線が通過して蛍光体に到達しうる厚さに設定されたSiO2 により、Auコロイド粒子が分散した状態で固着されたことを特徴とする白色発光蛍光体が開示されている程度であった。
特開2007−84723号公報 特開2006−070239号公報 特開2007−112950号公報 特開2007−77282号公報 特開2007−031563号公報 特開2005−29724号公報
本発明は、電子線励起、特に100V〜10kV程度の中・低加速電圧の電子線励起によって単独で白色発光し、しかもCdのような有害物質を含まない、新たな電子線励起用白色蛍光体、並びにこれを用いた白色発光素子乃至装置を提供せんとするものである。
本発明は、Sr元素、Mg元素、Si元素、及びO元素を含む組成からなる母体と、或いは、Sr元素、Mg元素、S元素、Si元素、及びO元素を含む組成からなる母体と、発光中心としてのEu2+とから構成される白色蛍光体であって、電子線を照射することによって単独で白色光を発光する白色蛍光体を提案するものである。
ここで、本発明における「白色発光」とは、CIE色度座標で言えば、CIEx=0.25〜0.53、CIEy=0.25〜0.50で示される白色光であり、CL発光スペクトルで言えば、例えば、440nm、540nmおよび620nmにおけるCL強度のうち、最も高い強度を示す波長の強度を100とした時に、残りの2点の波長におけるCL強度がいずれも10以上を示すものを言う。
本発明の白色蛍光体は、単一材料からなる白色蛍光体であるから、RGB蛍光体の調合をする必要がなく、製造が容易であり、バラツキのない色再現性に優れた品質の製品を安定して提供することができる。
また、電子線励起によって白色光を発光するから、例えば低消費電力型の白色FEランプに用いることができるほか、例えばカラーフィルターを組み合わせることにより、電子線を励起源とする蛍光表示管(VFD)や電界放出型ディスプレイ(FED)など、電子線励起を利用する表示装置に用いることができる。特に本発明の白色蛍光体は、中・低加速電圧の電子線励起によって白色光を発光し得るから、低電圧型電界放出型ディスプレイ(FED)にも用いることが可能である。
また、発光中心(発光イオン)としてEu2+を用いるため、発光機構が複雑でなく効率が良い上、残光性もない。しかも、Euの価数制御は、Mnに比べて容易であるから、蛍光体を容易に合成できるという有利な点も有している。
さらにまた、有毒物質を含まず、化学的安定性にも優れている。
なお、本発明の白色蛍光体は、粉体、成形体のいずれの形態であってもよい。
また、本発明において「白色発光素子乃至装置」における「発光素子」とは、少なくとも蛍光体とその励起源としての電子源とを備えた、比較的小型の発光デバイスを意図し、「発光装置」とは、少なくとも蛍光体とその励起源としての電子源とを備えた比較的大型の発光デバイスを意図するものである。
発明を実施するための形態
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意とともに、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
本発明の実施形態に係る蛍光体(以下「本蛍光体」という)は、Sr元素、Mg元素、Si元素、及びO元素を含む組成からなる母体と、発光中心とから構成される蛍光体であって、電子線を照射することによって白色光を発光する白色蛍光体である。
母体は、上記元素のほかにS元素を含んでいてもよい。
各元素の比率を適宜調整することで、白色光の色目を調整することができる。
本蛍光体は、Sr3MgSi28の相とSr2SiO4の相とを含む蛍光体であるか、或いは、Sr3MgSi28の相とSr2SiO4の相とSrSの相とを含む蛍光体であるのが好ましい。
本蛍光体の発光中心(発光イオン)は、2価のEu2+を含むもの、特に2価のEu2+のみであって、Mnを含まないのが好ましい。例えば発光中心(発光イオン)がEu2+及びMnであると、Euが発したエネルギーをMnが受光して白色発光することになるため、発光機構が複雑で効率が悪くなり、残光性を生じるようになる。また、Mnの価数を2価(Mn2+)に制御する必要があるが、Mnの価数を2価に制御することは極めて困難であるから、蛍光体を合成すること自体容易なことではない。このような点から、発光中心としてはMn以外の元素であることが望まれる。
ちなみに、3価(Eu3+)の場合には、輝線の鋭い特有の赤色発光のみとなり所望の白色光を得ることができない。
Eu2+の濃度は、母結晶中のSrの濃度の0.1〜5mol%であるのが好ましく、特に0.3〜1mol%であるのがより好ましい。
本蛍光体において、Srの一部が、Ca及びBaのいずれか一方或いは両方で置換されていてもよい。Srの一部を、Ca及びBaのいずれか一或いは両方で置換することにより、白色光における色目の調整をすることができ、演色性を高めることができる。
この際、Ca及びBaのSr置換量は、Srに対して60mol%以下まで置換することができ、この範囲であれば所望の白色光を得ることができる。
(製造方法)
次に、本蛍光体の好ましい製造方法の一例について説明する。但し、下記に説明する製造方法に限定するものではない。
本蛍光体は、SrO原料、MgO原料、SiO2原料、Eu原料、必要に応じてS原料をそれぞれ秤量し、前記原料を混合し、還元雰囲気中1000〜1400℃で焼成し、必要に応じて分級して得ることができる。
上記のSrO原料としては、Srの酸化物の他、複酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。
MgO原料としては、Mgの酸化物の他、複酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。
SiO2原料としては、二酸化ケイ素(SiO2)のほか、Si及びOの両方を含む化合物を挙げることができる。また、水系溶媒中に分散したコロイダルシリカを使用することもできる。
S原料としては、SrSのほか、S(硫黄)、H2Sガス等を挙げることができる。
上記の如く、Srの一部を、Ca及びBaのいずれか一方或いは両方で置換させる場合には、SrO原料などとともに、Ca原料やBa原料を混合し、焼成すればよい。
この際、Ca原料及びBa原料としては、Ca又はBaの酸化物の他、複酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。
Eu原料としては、EuF、Eu、EuCl等のユウロピウム化合物(Eu塩)を挙げることができる。
演色性を向上させるために、Pr、Smなどの希土類元素を色目調整剤として原料に添加するようにしてもよい。
励起効率の向上のために、Al、Ga、In等のアルミニウム族元素から選択される1種以上の元素を増感剤として原料に添加するようにしてもよい。
同じく励起効率の向上のために、Sc、Y、La、Gd、Lu等の希土類族元素から選択される1種以上の元素を増感剤として原料に添加するようにしてもよい。
上記の添加量は、それぞれ5モル%以下とするのが好ましい。これらの元素の含有量が5モル%を超えると、異相が多量に析出し、輝度が著しく低下するおそれがある。
また、アルカリ金属元素、Ag等の1価の陽イオン金属、Cl-、F-、I-等のハロゲンイオンを電荷補償剤として原料に添加するようにしてもよい。その添加量は、電荷補償効果及び輝度の点で、アルミニウム族や希土類族の含有量と等量程度とするのが好ましい。
原料の混合は、乾式、湿式いずれで行なってもよい。
乾式混合する場合、その混合方法を特に限定するものではなく、例えばジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合し、必要に応じて乾燥させて、原料混合物を得るようにすればよい。
湿式混合する場合は、原料を懸濁液の状態とし、上記同様にジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合した後、篩等でメディアを分離し、減圧乾燥や真空乾燥などの適宜乾燥法によって懸濁液から水分を除去して乾燥原料混合物を得るようにすればよい。
焼成する前に、必要に応じて、上記如く得られた原料混合物を粉砕、分級、乾燥を施すようにしてもよい。但し、必ずしも粉砕、分級、乾燥を施さなくてもよい。
焼成は、1000〜1400℃で焼成すればよい。
この際の焼成雰囲気としては、少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、あるいは、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気など、還元雰囲気、特に弱還元性の雰囲気に調整するのが好ましい。還元雰囲気、特に弱還元性の雰囲気で焼成することにより、Eu原料が3価のEuを含んでいても、焼成過程で3価のEuを2価のEuに還元して全て2価に価数変換させることができる。
なお、上記焼成に先立って、仮焼成するようにしてもよい。
この際、仮焼成は、例えば混合粉体を800℃〜1100℃、1時間〜12時間、空気、酸素、Ar又は水素ガスの雰囲気中で焼成すればよい。
仮焼温度が800℃未満では、原料に炭酸塩を用いる場合などは、炭酸ガスの分解が不十分であり、また、ハロゲン化物を使う場合は、フラックス効果が十分に得られない。一方、1100℃を超える高温では異常粒成長を起こして、均一な微粒子が得られにくくなる。また、仮焼時間が1時間未満では物質特性に再現性が得られにくく、12時間を超えると物質飛散の増加による組成変動の問題が生じる。
仮焼後、さらに混合粉体全体が均一となるように、粉砕混合し、そして焼成するようにしてもよい。
In23、SnO2、ITO、ZnOなど透明かつ導電性を示す物質が含まれる導電性物質を添加することで、導電性を付与し電子による励起効率を高めることができる。
なお、本蛍光体は、上述のように、Sr3MgSi28の相とSr2SiO4の相、或いは、Sr3MgSi28の相とSr2SiO4の相とSrSの相からなる蛍光体であるのが好ましいが、次に示す結晶相或いは発光中心を組み合わせて白色蛍光体を作製することも可能であると考えられる。
すなわち、酸化物として、IIa3MgSi28、IIaMgAl107、IIa2SiO4、IIa3SiO5 、ZnGa24、IIaAl24、Y3Al512(ガーネット系)、M2SiO5、M2、IIaTiO3 、IIaZrO3(ペロブスカイト系)などが挙げられる。
窒化物として、M1-XIIbXAl(Si6-ZAl)N10-Z、IIaSi222、例えばIIaSi10-XAl18+n32-n等のサイアロン系、IIaAlSiN3、IIa2Si58などが挙げられる。
硫化物として、IIa2SiS4、IIaGa24、IIaAl24、(IIa1-XIIIb)S、(IIb1-XIIIb)S、IIa2ZnS3、M22Sなどが挙げられる。
発光中心として、Euのほか、Ce、Tb、Pr、Sm、Cu、Ag及びAuなどが挙げられる。
ただし、上記のIIaは、Mg、Ca、Sr及びBaからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組合せである。
IIbは、Zn或いはCd、又はこれら両方の組合せである。
IIIbは、Al、Ga及びInからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組合せである。
Mは、Sc、Y、La、Gd及びLuからなる群から選ばれる1種又は2種以上の組合せである。
(特徴)
本蛍光体は、電子線励起、特に中・低加速電圧(具体的には100V〜10kV程度での加速電圧)での電子線励起によって、単独で白色光を発光することができる。
より具体的には、中・低加速電圧での電子線励起によって、ブロードなCL(カソードルミネッセンス)ピークが得られる。具体的には、中・低加速電圧での電子線励起によって、400nm〜700nmの外側領域、すなわち400nmより低波長側および700nmより高波長側でピークが立ち上がり、440nm、540nmおよび620nmにおける強度のうち、最も高い強度を示す540nmでの強度を100とした時、残りの2つのピーク、すなわち440nmおよび620nmでのピークにおける強度が10以上、好ましくは20以上、より好ましくは30以上を示すCLピークを得ることができる。
また、CIE色度座標で言えば、x=0.25〜0.53、y=0.25〜0.50で示される白色光、好ましくは、x=0.28〜0.45、y=0.25〜0.43で示される白色光を得ることができるように調製することもできる。
(用途)
本蛍光体は、例えば低消費電力型の白色FEランプに用いることができるほか、例えばカラーフィルターを組み合わせることにより、電子線を励起源とする蛍光表示管(VFD)や電界放出型ディスプレイ(FED)など、電子線励起を利用する表示装置に用いることができる。特に本蛍光体は、中・低加速電圧の電子線励起によって白色光を発光し得るから、低電圧型電界放出型ディスプレイ(FED)に用いることも可能である。
本蛍光体を励起し得る励起源と組合わせて白色発光素子乃至装置を構成し、各種用途に用いることができる。例えば電子線を発生する電子源と組合わせて白色発光素子乃至装置を構成することができる。
本蛍光体と電子線を発生する電子源とを組合わせた白色発光素子乃至装置の一例として、電子線を発生する電子源の近傍、すなわち電子源が放出する電子線を受け得る位置に本白色蛍光体を配置してなる構成例を挙げることができる。具体的には、例えば、電子源からなる励起体層上に本蛍光体からなる蛍光体層を積層するようにすればよい。
この際、蛍光体層は、例えば、粉末状の本蛍光体を、結合剤と共に適当な溶剤に加え、充分に混合して均一に分散させ、得られた塗布液を、励起体層の表面に塗布及び乾燥して塗膜(蛍光体層)を形成するようにすればよい。
また、本蛍光体をガラス組成物に混練してガラス層内に本蛍光体を分散させるようにして蛍光体層を形成することもできる。
さらにまた、本蛍光体をシート状に成形し、このシートを励起体層上に積層するようにしてもよいし、また、本蛍光体を励起体層上に直接スパッタリングさせて製膜するようにしてもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
<CLスペクトルの測定>
サンプルをアルミニウム板に薄く塗布したものを圧力10−5Pa以下の高真空容器に入れて、電子銃から加速電圧5kVで加速した電子線を照射して、実施例及び比較例で得られたサンプルからの発光を測定した。電子銃は加熱された陰極から出る熱電子を用いた。
<CIE色度座標の測定>
実施例及び比較例で得られたサンプルについて、PLスペクトルから下記の式を用いて輝度発光色(CIE色度座標xy値)を測定した。
式1
Figure 2008297505
<蛍光X線分析(XRF)>
蛍光X線分析装置(SII社製,SPS4000型)を用いて各元素の含有量を検量線法を用いて測定した。
<ICP発光分析>
フッ酸等で全溶解させてICP発光分析装置(RIGAKU社製,RIX3000)を用いて各元素の含有量を検量線法を用いて測定した。
(実施例1)
結晶母材原料としてのSrCO3と、MgOと、SiO2とを、それぞれ230mol、30mol、130molとなるように秤量すると共に、賦活剤原料としてのEuFを、前記Srに対して0.43mol%となるように秤量し、このEuFを前記結晶母材原料と共に、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで90分混合した。
次いで、100μmの篩で混合粉体とメディアを分離し、窒素及び水素による還元ガス雰囲気にて1300℃で6時間焼成し蛍光体を得た。
X線回折装置(XRD)による生成相の同定、蛍光X線分析(XRF)及びICP発光分析の結果、得られた蛍光体はSr3MgSi28の相とSr2SiO4の相とからなる蛍光体であることが分かった。
また、CIE色度座標の測定結果から、CIExは0.30、CIEyは0.32であった。
(比較例1)
電子線励起用緑色蛍光体として市販されているSrGa24:Eu2+を入手し、これを比較例1として用いた。
CIE色度座標の測定結果から、CIExは0.31、CIEyは0.59であった。
実施例1のサンプル(蛍光体)に対し、加速電圧5kVの電子線を照射したところ、白色と認められる発光を示した。
図1より、実施例1のサンプル(蛍光体)は、400nm〜700nmの外側領域、すなわち400nmより低波長側並びに700nmより高波長側でCLピークが立ち上がったブロードなCLピークを示し、1山乃至2山を呈していた。そして、440nm、540nmおよび620nmにおける強度のうち、最も高い強度を示す540nmでの強度を100とした時、残りの2つのピーク、すなわち440nmおよび620nmでのピークにおける強度は30以上、特に50以上であった。
実施例1及び比較例1で得られたサンプル(蛍光体)について、加速電圧5kVの電子線励起下での発光スペクトル(CL)を示したグラフである。

Claims (7)

  1. Sr元素、Mg元素、Si元素、及びO元素を含む組成からなる母体と、発光中心としてのEu2+とから構成される、電子線励起用に用いられる白色蛍光体。
  2. Sr元素、Mg元素、Si元素、及びO元素を含む組成からなる母体と、発光中心としてのEu2+とから構成され、電子線を照射することによって白色光を発光する白色蛍光体。
  3. 母体の組成中にS元素を含む請求項1又は2に記載の白色蛍光体。
  4. Eu2+の濃度が、Srの濃度の0.1〜5mol%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の白色蛍光体。
  5. 電子線励起下のCL発光スペクトルにおいて、440nm、540nmおよび620nmにおけるCL強度のうち、最も高い強度を示す波長の強度を100とした時に、残りの2点の波長におけるCL強度がいずれも10以上を示すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の白色蛍光体。
  6. 電子線励起によって、CIE色度座標x=0.25〜0.53、y=0.25〜0.50で示される白色光を発光することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の白色蛍光体。
  7. 電子線を発生する電子源と、請求項1乃至6のいずれかに記載の白色発光体とを備えた白色発光素子乃至装置。


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