JP4343267B1 - 緑色蛍光体 - Google Patents

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Abstract

内部量子効率を高めることができる緑色蛍光体を提供する。
Sr、Ga及びSを含有する母体結晶と、発光中心とを含有する緑色蛍光体であって、XRDパターンにおいて、回折角2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=14〜20°に現れる最大ピークの回折強度の比率が0.4以上であることを特徴とする緑色蛍光体を提案する。
【選択図】図1

Description

本発明は、緑色蛍光体に関する。詳しくは、青色LEDや近紫外LEDで励起することができ、照明用蛍光体として用いたり、液晶のバックライトや、FED(電界放射型ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)、EL(エレクトロルミネッセンス)などのディスプレイ用蛍光体として用いたりすることができる緑色蛍光体に関する。
現在の照明用光源の主流は、蛍光灯や白熱電球であるが、LED(発光ダイオード)を光源に用いたものは、蛍光灯等に比べて消費電力が少なく、寿命も長く、手で触っても熱くないなど安全性の面でも優れている上、水銀等の有害物質を含まず環境面でも優れており、近い将来、照明用光源の主流となることが期待されている。
現行の白色LEDは、青色LEDとYAG:Ce(黄)とを組み合わせて構成されているが、自然な発色性を示す演色性に劣り、特に赤色物体や人肌をこのような現行の白色LEDで照らしても自然光に照らされた色を再現できないという問題を抱えていた。そこで、このような現行白色LEDの演色性を改善する手法として、近紫外LEDと赤、緑、青の3種類の蛍光体とを組み合わせたり、青色LEDと赤、緑の2種類の蛍光体とを組み合わせたりして白色LEDを構成することが検討されており、かかる目的に使用する緑色蛍光体として、SrGa24:Euが開示されている(特許文献1、2及び3参照)。
特開2002−060747号公報 特開2007−056267号公報 特開2007−214579号公報
従来、開示されていたSrGa24:Euからなる緑色蛍光体は、発光効率をさらに高める必要があった。発光効率を高めるためには、外部量子効率(=内部量子効率×吸収率)の高い蛍光体を用いることが重要であると言われている。しかし、例えば前記の如く、近紫外LEDや青色LEDと、緑色蛍光体を含む蛍光体と組み合わせて白色光を得る場合には、LEDが発光した光と、このLEDの光を蛍光体が吸収して発光する光と組み合わせて白色光を得るため、LEDが発光した光を適度に透過する必要がある。よって、このような用途においては、蛍光体の内部量子効率を高めて外部量子効率を高めるか、或いは蛍光体の発光強度を高める必要がある。
そこで本発明は、内部量子効率がより一層高い緑色蛍光体を提供せんとするものである。
本発明は、Sr、Ga及びSを含有する母体結晶と、発光中心とを含有する緑色蛍光体であって、CuKα線を用いたXRDパターンにおいて、回折角2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=14〜20°に現れる最大ピークの回折強度の比率が0.4以上であることを特徴とする緑色蛍光体を提案する。
本発明の緑色蛍光体は、XRDパターンにおいて、回折角2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=14〜20°に現れる最大ピークの回折強度の比率が有意に高く、且つ、内部量子効率が高いという特徴を有しており、例えば、励起源としての近紫外LEDや青色LEDと、本発明の緑色蛍光体を含む蛍光体とを組み合わせて白色発光素子乃至装置を構成した場合、内部量子効率が高いから発光効率が高く、より十分な白色光を得ることができる。また、限られた特性のLEDに対して限られた量の緑色蛍光体を組み合わせる場合であっても、十分な発光量を得ることができる。
横軸:2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度に対する、2θ=14〜20°に現れる最大ピークの回折強度の比率(400)/(422)、縦軸:内部量子効率(%)からなる座標上に、実施例1−12及び比較例1−6で得られた蛍光体粉末の値をプロットした図である。また、図中に示した点線は、国際回折データセンター(ICDD)の標準サンプル(00-025-0895)に示された回折強度から計算した値((400)/(422)=0.54)である。 横軸:2θ=36〜42°に現れる最大ピークの回折強度に対する、2θ=32〜37°に現れる最大ピークの回折強度の比率(642)/(444)、縦軸:内部量子効率(%)からなる座標上に、実施例1−12及び比較例1−6で得られた蛍光体粉末の値をプロットした図である。また、図中に示した点線は、国際回折データセンター(ICDD)の標準サンプル(00-025-0895)に示された回折強度から計算した値((642)/(444)=2.2)である。 横軸:2θ=27〜34°に現れる最大ピークの回折強度に対する、2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度の比率(422)/(062)、縦軸:内部量子効率(%)からなる座標上に、実施例1−12及び比較例1−6で得られた蛍光体粉末の値をプロットした図である。また、図中に示した点線は、国際回折データセンター(ICDD)の標準サンプル(00-025-0895)に示された回折強度から計算した値((422)/(062)=2.6)である。 SrS−Ga23系状態図である。 実施例7のXRDパターンである。 比較例3のXRDパターンである。
発明を実施するための形態
以下に本発明の実施形態について詳細に述べるが、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る緑色蛍光体(以下「本緑色蛍光体」という)は、Sr、Ga及びSを含有する母体結晶に、発光中心としてEu2+をドープしてなる緑色蛍光体であり、好ましくは一般式SrGa24:Eu2+で示される結晶を含む蛍光体である。
この際、本緑色蛍光体の発光中心(発光イオン)は、2価のEu2+を含むもの、特に2価のEu2+のみであるのが好ましい。Eu2+の発光波長(色)は、母結晶に強く依存し、母結晶によって多彩な波長を示すことが知られているが、本緑色蛍光体が特定する母結晶であれば緑色を示す発光スペクトルを得ることができる。
Eu2+の濃度は、母結晶中のSrの濃度の0.1〜10mol%であることが好ましく、中でも0.5〜7mol%、その中でも特に1〜5mol%であるのが好ましい。
なお、発光中心(発光イオン)として、Eu2+以外のイオン、例えば希土類イオン及び遷移金属イオンからなる群より選ばれた1種又は2種以上のイオンを用いても同様の効果を期待することができる。希土類イオンとしては、例えばSc、Tb、Er、Ce等のイオンが挙げられ、遷移金属イオンとしては、例えばMn、Cu、Ag、Cr、Ti等のイオンが挙げられる。
本緑色蛍光体は、SrGa24:Eu2+の単一相であっても、不純物相を含んでいてもよい。すなわち、SrS−Ga23系状態図(図4参照)における「液相+SrGa24」に到達後冷却されたもの、中でもGa2350mol%以上の領域の「液相+SrGa24」に到達後冷却されたものが好ましいため、当該液相成分が冷却されてなる不純物相を含んでいてもよい。
また、SrGa24で示される量論組成からすれば、Sr1.0モルに対してGaを2.00モルの割合で含むものであるが、上述のように本緑色蛍光体は、SrGa24:Eu2+の単一相であっても、不純物相を含んでいてもよく、中でも特にGa2350mol%以上の領域の「液相+SrGa24」に到達後冷却されたものが好ましいため、本緑色蛍光体は、SrGa24で示される量論組成よりも所定量だけGaを過剰に含有する場合を包含するものである。この際、Sr含有量に対するGa含有量のモル比率(Ga/Sr)が2.02〜3.02となるようにGaを過剰に含有するのが好ましい。特にその下限値は2.02以上、中でも特に2.21以上であるのが好ましく、上限値は2.72以下、中でも特に2.45以下であるのが好ましい。
但し、SrGa24で示される量論組成よりもGaを過剰に含有するものに限定される訳ではない。後述するように、Gaを過剰に含有させるほかにも、本緑色蛍光体を得る方法は存在するからである。
(X線回折による特徴)
本緑色蛍光体は、X線回折装置(XRD)で測定されるCuKα線を用いたXRDパターンにおいて、回折角2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=14〜20°に現れる最大ピークの回折強度の比率(400)/(422)が0.4以上であることが重要である。
なお、2θ=21〜27°に現れる最大ピークは、ICDD 00-025-0895を参酌すると(422)面の回折ピークと推察され、2θ=14〜20°に現れる最大ピークは、ICDD 00-025-0895を参酌すると(400)面の回折ピークであると推察されるため、本明細書では、当該比率を(400)/(422)とも表示する。
(400)/(422)が0.4以上であれば、内部量子効率が高くなることが判明している。
かかる観点から、本緑色蛍光体の(400)/(422)は0.4以上3以下であることが好ましく、さらに下限値は0.45以上であるのが好ましく、特に0.6以上であるのが好ましい。他方、上限値は2.8以下であるのが好ましく、特に2.5以下であるのが好ましい。
また、回折角2θ=36〜42°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=32〜37°に現れる最大ピークの回折強度の比率(642)/(444)は0.7以上であるのが好ましい。
なお、2θ=36〜42°に現れる最大ピークは、ICDD 00-025-0895を参酌すると(444)面の回折ピークと推察され、2θ=32〜37°に現れる最大ピークは、ICDD 00-025-0895を参酌すると(642)面の回折ピークであると推察されるため、本明細書では、当該比率を(642)/(444)とも表示する。
(642)/(444)が0.7以上であれば、内部量子効率が高くなることが判明している。
かかる観点から、本緑色蛍光体の(642)/(444)は0.7以上15.0以下であることが好ましく、さらに下限値は1.0以上、中でも1.5以上であるのが特に好ましく、上限値は12.0以下、中でも10.0以下であるのが特に好ましい。
また、回折角2θ=27〜34°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度の比率(422)/(062)が2.6以上であるのが好ましい。
なお、2θ=27〜34°に現れる最大ピークは、ICDD 00-025-0895を参酌すると(062)面の回折ピークと推察され、2θ=21〜27°に現れる最大ピークは、ICDD 00-025-0895を参酌すると(422)面の回折ピークであると推察されるため、本明細書では、当該比率を(422)/(062)とも表示する。
(422)/(062)が2.6以上であれば、内部量子効率が高くなることが判明している。
かかる観点から、本緑色蛍光体の(422)/(062)は2.6以上8.0以下であることが好ましく、さらに下限値2.8以上、中でも3.0以上であるのが特に好ましく、上限値は7.0以下、中でも6.5以下であるのが特に好ましい。
(本緑色蛍光体の特徴)
本緑色蛍光体は、近紫外領域〜青色領域の波長(300nm〜510nm程度)の光によって励起され、緑色光を発光するものである。
本緑色蛍光体の発光スペクトルに関して言えば、波長300nm〜510nm程度の光励起によって、波長502nm±30nm〜557nm±30nmの領域に発光ピークを有する。
なお、本緑色蛍光体は、同一組成であれば、近紫外領域〜青色領域の波長(300nm〜510nm程度)のいずれの波長で励起しても、発光スペクトルの幅、位置が変わらない点にも一つの特徴がある。
CIE色度座標について言えば、本緑色蛍光体は、Srの一部をCa及びBaで置換することにより、x=0.05〜0.40、y=0.50〜0.80で示される緑色光、特にx=0.15〜0.35、y=0.60〜0.75で示される緑色光、中でもx=0.25〜0.33、y=0.65〜0.73で示される緑色光を発光することができる。
(製造方法)
次に、本緑色蛍光体の好ましい製造方法の一例について説明する。但し、下記に説明する製造方法に限定されるものではない。
本緑色蛍光体は、Sr原料、Ga原料、S原料およびEu原料などの原料をそれぞれ秤量して混合し、還元雰囲気中900〜1400℃で焼成し、スタンプミルやらいかい機などで解砕した後、篩などで分級し、必要に応じてアニールし、好ましくはさらにエタノールをはじめとする非水系有機溶媒や水に沈降させ、上澄みを除いて乾燥させるようにして得ることができる。
かかる製造方法において、上記の如きX線回折による特徴を得るためには、例えば量論組成よりもGaを過剰に配合したり、焼成温度を調整したり、フラックスを配合して焼成したり、アニールしたりする方法が考えられる。
Sr原料としては、Srの酸化物の他、複酸化物、炭酸塩等のストロンチウム塩を挙げることができる
Ga原料としては、Ga23などのガリウム塩を挙げることができる。
S原料としては、SrSのほか、S、BaS、SiS2、Ce23、H2Sガス等を挙げることができる。
Eu原料としては、EuF、Eu、EuCl等のユウロピウム化合物(Eu塩)を挙げることができる。
この際、SrGa24で示される量論組成からすれば、Sr1.0モルに対してGaを2.00モルの割合で混合して製造するのが一般的であるが、本緑色蛍光体の場合には、SrGa24で示される量論組成よりも所定量だけGaを過剰に混合して含有させてもよい。具体的には、Sr含有量に対するGa含有量のモル比率(Ga/Sr)が2.02〜3.02となる程度、特に2.02〜2.72、中でも特に2.21〜2.45となる程度にGa過剰に含有させてもよい。
このように、Sr含有量に対するGa含有量のモル比率(Ga/Sr)を2.00より多くすることによっても、上記の如きX線回折による特徴を得ることができる。
また、MgCl2、CaCl2、NaCl2、NaCl、KCl、KI、SrF2、EuF3などのフラックスを添加することによっても、上記の如きX線回折による特徴を得ることができる。
なお、演色性を向上させるために、Pr、Smなどの希土類元素を色目調整剤として原料に添加してもよい。
励起効率の向上のために、Sc、La、Gd、Lu等の希土類族元素から選択される1種以上の元素を増感剤として原料に添加するようにしてもよい。
ただし、これらの添加量は、それぞれSrに対して5モル%以下とするのが好ましい。これらの元素の含有量が5モル%を超えると、異相が多量に析出し、輝度が著しく低下するおそれがある。
また、アルカリ金属元素、Ag等の1価の陽イオン金属、Cl-、F-、I-等のハロゲンイオンを電荷補償剤として原料に添加するようにしてもよい。その添加量は、電荷補償効果及び輝度の点で、アルミニウム族や希土類族の含有量と等量程度とするのが好ましい。
原料の混合は、乾式、湿式いずれで行なってもよい。
乾式混合する場合、その混合方法を特に限定するものではなく、例えばジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合し、必要に応じて乾燥させて、原料混合物を得るようにすればよい。
湿式混合する場合は、原料を懸濁液の状態とし、上記同様にジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーやボールミル等で混合した後、篩等でメディアを分離し、減圧乾燥や真空乾燥、スプレードライなどの適宜乾燥法によって懸濁液から水分を除去して乾燥原料混合物を得るようにすればよい。
焼成する前に、必要に応じて、上記如く得られた原料混合物を粉砕、分級、乾燥を施すようにしてもよい。但し、必ずしも粉砕、分級、乾燥を施さなくてもよい。
焼成は、1000℃〜1400℃で焼成するのが好ましい。
この際の焼成雰囲気としては、少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気、硫化水素、二硫化炭素、その他の不活性ガス又は還元性ガスの雰囲気などを採用することができるが、中でも硫化水素雰囲気で焼成するのが好ましい。
焼成温度によっても、X線回折による特徴を調整することができる。例えばSrGa24で示される量論組成よりもGaを少なく配合した場合には、1100℃以上、特に1150℃以上で焼成するのが好ましい。また、SrGa24で示される量論組成よりもGaを過剰に配合した場合には、1000℃以上、特に1050℃以上で焼成するのが好ましい。
焼成温度の上限は焼成炉の耐久温度、生成物の分解温度等によって決まるが、本緑色蛍光体の製造方法においては1000〜1200℃で焼成することが特に好ましい。また、焼成時間は焼成温度と関連するが、2時間〜24時間の範囲内で適宜調整するのが好ましい。
上記焼成において、原料混合物がイオウ原料を含まない場合には、硫化水素又は二硫化炭素の雰囲気中で焼成するのが好ましい。しかし、原料混合物中にイオウ原料を含む場合には、硫化水素、二硫化炭素又は不活性ガスの雰囲気中で焼成することができる。この場合の硫化水素及び二硫化炭素はイオウ化合物となることもあり、また生成物の分解を抑制する機能もある。
他方、焼成雰囲気に硫化水素又は二硫化炭素を用いる場合には、これらの化合物もイオウ化合物となるため、例えば、原料成分としてBaSを用いる場合には、バリウム化合物及びイオウ化合物を用いたことになる。
本緑色蛍光体の製造においては、焼成後、スタンプミルやらいかい機、ペイントシェーカーなどで解砕し、次いで篩などで分級するのが好ましい。解砕する際、粒度が細かくなり過ぎることのないように解砕時間を調整するのが好ましい。
また、篩などによる分級では、150μmより大きい粒径、特に130μmより大きい粒径、中でも特に110μmより大きい粒径をカットするように分級するのが好ましい。また、2μmより小さい粒径、特に3μmより小さい粒径、中でも特に4μmより小さい粒径をカットするように分級するのが好ましい。
上記の如く解砕した後、アニールすることでも、上記の如きX線回折による特徴を得ることができる。
アニールする際の雰囲気としては、少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気、硫化水素、二硫化炭素、その他の不活性ガス又は還元性ガスの雰囲気などを採用することができるが、中でも硫化水素雰囲気でアニールするのが好ましい。
アニール温度としては、例えばSrGa24で示される量論組成よりもGaを少なく配合した場合には、1100℃以上、特に1150℃以上でアニールするのが好ましい。また、SrGa24で示される量論組成よりもGaを過剰に配合した場合には、1000℃以上、特に1050℃以上でアニールするのが好ましい。
アニール温度の上限は、炉の耐久温度、生成物の分解温度等によって決まるが、本緑色蛍光体の製造方法においては1000〜1200℃でアニールすることが特に好ましい。また、アニール時間はアニール温度と関連するが、1時間〜10時間の範囲内で適宜調整するのが好ましい。
さらに、エタノールをはじめとする非水系有機溶媒や水などに投入し、超音波振動を与えつつ攪拌した後に静置させ、上澄みを除いて沈降物を回収し、次いで乾燥させることが好ましい。この最後の溶媒沈降分級処理により、内部量子効率及び外部量子効率を顕著に高めることができる。
(用途)
本緑色蛍光体は、励起源と組合わせて緑色発光素子乃至装置を構成することができ、各種用途に用いることができる。例えば一般照明のほか、特殊光源、液晶のバックライトやEL、FED、CRT用表示デバイスなどの表示デバイスなどに利用することができる。
本緑色蛍光体とこれを励起し得る励起源とを組合わせた緑色発光素子乃至装置の一例として、例えば波長300nm〜510nmの光(すなわち、紫光〜青色光)を発生する発光体の近傍、すなわち該発光体が発光した光を受光し得る位置に本緑色蛍光体を配置することにより構成することができる。具体的には、発光体からなる発光体層上に、本緑色蛍光体からなる蛍光体層を積層するようにすればよい。
この際、蛍光体層は、例えば、粉末状の本緑色蛍光体を、結合剤と共に適当な溶剤に加え、充分に混合して均一に分散させ、得られた塗布液を、発光層の表面に塗布及び乾燥して塗膜(蛍光体層)を形成するようにすればよい。
また、本緑色蛍光体をガラス組成物や樹脂組成物に混練してガラス層内或いは樹脂層内に本緑色蛍光体を分散させるようにして蛍光体層を形成することもできる。
さらにまた、本緑色蛍光体をシート状に成形し、このシートを発光体層上に積層するようにしてもよいし、また、本緑色蛍光体を発光体層上に直接スパッタリングさせて製膜するようにしてもよい。
また、本緑色蛍光体と、赤色蛍光体と、必要に応じて青色蛍光体と、これらを励起し得る励起源とを組合わせて白色発光素子乃至装置を構成することができ、例えば一般照明のほか、特殊光源、液晶のバックライトやEL、FED、CRT用表示デバイスなどの表示デバイスなどに利用することができる。
本緑色蛍光体と、赤色蛍光体と、必要に応じて青色蛍光体と、これらを励起し得る励起源とを組合わせて構成する白色発光素子乃至装置の一例として、例えば波長300nm〜510nmの光(すなわち、紫光〜青色光)を発生する発光体の近傍、すなわち該発光体が発光した光を受光し得る位置に本緑色蛍光体を配置すると共に赤色蛍光体と必要に応じて青色蛍光体とを配置することにより構成することができる。
具体的には、発光体からなる発光体層上に、本緑色蛍光体からなる蛍光体層と、赤色蛍光体からなる蛍光体層と、必要に応じて青色蛍光体からなる蛍光体層とを積層するようにすればよい。
また、粉末状の本緑色蛍光体と赤色蛍光体と必要に応じて青色蛍光体とを、結合剤と共に適当な溶剤に加え、充分に混合して均一に分散させ、得られた塗布液を、発光層の表面に塗布及び乾燥して塗膜(蛍光体層)を形成するようにすればよい。
また、本緑色蛍光体と赤色蛍光体と必要に応じて青色蛍光体とを、ガラス組成物や樹脂組成物に混練してガラス層内或いは樹脂層内に蛍光体を分散させるようにして蛍光体層を形成することもできる。
また、青色LED或いは近紫外LEDからなる励起源上に、本緑色蛍光体と赤色蛍光体を樹脂中に混練してなる蛍光体層を形成すればよい。
さらにまた、本緑色蛍光体と赤色蛍光体と必要に応じて青色蛍光体とをそれぞれシート状に成形し、このシートを発光体層上に積層するようにしてもよいし、また、本緑色蛍光体と赤色蛍光体とを発光体層上に直接スパッタリングさせて製膜するようにしてもよい。
(用語の解説)
本発明において「緑色発光素子乃至装置」或いは「白色発光素子乃至装置」における「発光素子」とは、少なくとも蛍光体とその励起源としての発光源とを備えた、比較的小型の光を発する発光デバイスを意図し、「発光装置」とは、少なくとも蛍光体とその励起源としての発光源とを備えた、比較的大型の光を発する発光デバイスを意図するものである。
本発明において「X〜Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と記載した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Yより小さいことが好ましい」旨の意図を包含する。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。但し、本発明はこれらに限定されて解釈されるものではない。
<XRD測定>
実施例1−12及び比較例1−6で得られた蛍光体粉末をX線回折用のサンプルとし、このサンプルをホルダーに装着し、MXP18(ブルカー・エイエックスエス(株)社製)を使用し、下記条件で回折線の角度と強度を測定した。
(管球)CuKα線
(管電圧)40kV
(管電流)150mA
(サンプリング間隔)0.02°
(スキャンスピード)4.0°/min
(開始角度)5.02°
(終了角度)80°
<吸収率、内部量子効率および外部量子効率の測定>
実施例1−12及び比較例1−6で得られた蛍光体粉末について、次のようにして吸収率、内部量子効率および外部量子効率を測定した。
分光蛍光光度計FP−6500、積分球ユニットISF−513(日本分光株式会社製)を用い、固体量子効率計算プログラムに従い行った。なお、分光蛍光光度計は、副標準光源およびローダミンBを用いて補正した。
励起光466nmとした場合のSrGa24:Eu蛍光体の吸収率、内部量子効率および外部量子効率の計算式を以下に示す。
Figure 0004343267
<PL発光スペクトル及びCIE色度座標の測定>
実施例1−12及び比較例1−6で得られた蛍光体粉末について、分光蛍光度計(日立社製、F−4500)を用いてPL (フォトルミネッセンス)スペクトルを測定し、PL発光強度を求めた。
また、PL発光スペクトルから、輝度発光色(CIE色度座標xy値)を求めた。
(実施例1)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が1.98となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1130℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例2)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.00となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合すると共に、SrGa24に対して0.5wt%となるようにフラックスとしてのMgCl2を配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例3)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.15となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で6時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、さらにアルゴン雰囲気中1100℃で4時間のアニールを行い、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例4)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.00となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で2時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、さらにアルゴン雰囲気中1150℃で2時間のアニールを行い、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例5)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.00となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合すると共に、SrGa24に対して0.5wt%となるようにフラックスとしてのKIを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1180℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例6)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.21となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例7)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が3.02となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1150℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例8)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.00となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1190℃で6時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例9)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.72となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1050℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例10)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.45となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例11)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.45となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、さらに硫化水素雰囲気中1100℃で4時間のアニールを行い、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(実施例12)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.45となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合し、得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1200℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、さらにアルゴン雰囲気中1150℃で6時間のアニールを行い、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収した。さらに、このように回収した粉末を、99.5%エタノール溶液(25℃)に入れて攪拌しながら超音波(本多電子株式会社製「W−113」)を28kHz、45kHz、100kHzの順番にかけて分散させ、30秒静置した後、上澄みを除いて沈降したものだけを回収し、乾燥機(100℃)で10分乾燥させて蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(比較例1)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が1.95となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で2時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(比較例2)
Ga/Srの原子比が2.00となるようにSrS及びGa23を配合した以外は、比較例1と同様に蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(比較例3)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が2.00となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、1100℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、さらに硫化水素雰囲気中1050℃で2時間のアニールを行い、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(比較例4)
出発原料としてSrS、Ga23及びEuSを用い、Ga/Srの原子比が4.00となるようにSrS及びGa23を配合し、Srに対して1.0モル%となるようにEuSを配合し、φ3mmのジルコニアボールをメディアに用いてペイントシェーカーで100分間混合した。得られた混合物を、硫化水素雰囲気中、950℃で4時間焼成した。次に、焼成した得たものを、らいかい機(日陶科学社製「ALM−360T」)で1分間解砕し、目開き140メッシュ及び440メッシュの篩を用いて、目開き140メッシュの篩下で且つ目開き440メッシュの篩上を回収し、蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(比較例5)
Ga/Srの原子比が2.00となるようにSrS及びGa23を配合した以外は、比較例4と同様に蛍光体粉末(サンプル)を得た。
(比較例6)
Ga/Srの原子比が2.30となるようにSrS及びGa23を配合した以外は、比較例4と同様に蛍光体粉末(サンプル)を得た。
Figure 0004343267
Figure 0004343267
(考察)
実施例1−12及び比較例1−6で得られた蛍光体粉末について、励起スペクトル及び発光スペクトルを測定したところ、波長300nm〜510nmの光(すなわち、紫光〜青色光)により十分励起され、励起スペクトルに2つのピークが見られたことから、近紫外光及び青色光によってより十分励起されることを確認した。
また、波長502nm±30nm〜557nm±30nmの範囲内の発光ピーク位置を示し、CIE色度座標x=0.05〜0.40、y=0.50〜0.80の範囲の緑色を発光することを確認した。
実施例1−12のXRDパターンの代表例として実施例7のXRDパターンを図5に示し、対比として比較例3のXRDパターンを図6に示した。
比較例3及び通常の緑色蛍光体(SrGa24)のXRDパターンに比べて、本緑色蛍光体(実施例1−12)のXRDパターンは、回折角2θ=14〜20°及び2θ=32〜37°に現れる最大ピークの回折強度が大きい一方、2θ=21〜27°、27〜34°及び36〜42°に現れる最大ピークの回折強度が小さいことが判明した。
したがって、2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度に対する2θ=14〜20°に現れる最大ピークの回折強度の比率(400)/(422)、2θ=36〜42°に現れる最大ピークの回折強度に対する2θ=32〜37°に現れる最大ピークの回折強度の比率(642)/(444)、或いは、2θ=27〜34°に現れる最大ピークの回折強度に対する2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度の比率(422)/(062)によって、本緑色蛍光体の特徴を示すことができるものと考えられる。
図1より、実施例1−12は、比較例1−6に比べ、(400)/(422)が有意に高く、内部量子効率が高いことが判明した。特に実施例2〜12は内部量子効率が71%以上となり、中でも特に実施例7〜12は内部量子効率が75%以上となることが分かった。
また、実施例2−12は、国際回折データセンター(ICDD)の標準サンプル(00-025-0895、SrGa24)に比べても、(400)/(422)が有意に高いことが判明した。
かかる観点から、本緑色蛍光体の(400)/(422)は0.40以上であるのが好ましく、特に0.45以上、中でも特に0.6以上であるのがより好ましいと考えられる。また、上限値は、3を超えると溶融して粉末となり難いため、3以下であるのが好ましいと考えられる。
図2より、実施例1−12は、比較例1−6に比べて内部量子効率が高く、且つ(642)/(444)が有意に高いことが判明した。
かかる観点から、本緑色蛍光体の(642)/(444)は0.70以上であるのが好ましく、特に1.0以上、中でも特に1.5以上であるのがより好ましいと考えられる。また、上限値は、10.0を超えると溶融して粉末となり難いため、10.0以下であるのが好ましいと考えられる。
図3より、実施例1−12は、比較例1−6に比べ、(422)/(062)が有意に高く、内部量子効率が高いことが判明した。
また、実施例1−12のいずれも、国際回折データセンター(ICDD)の標準サンプル(00-025-0895、SrGa24)に比べて、(422)/(062)が高いことが判明した。
かかる観点から、本緑色蛍光体の(422)/(062)は、2.6以上であるのが好ましく、特に2.8以上、中でも特に3.0以上であるのが好ましいと考えられる。また、上限値は、8.0を超えると溶融して粉末となり難いため、8.0以下であるのが特に好ましいことが分かった。
これまでの試験結果を総合して検討すると、本緑色蛍光体の中でも、SrS−Ga23系状態図(図4参照)における「液相+SrGa24」に到達後冷却されたもの、中でもGa2350mol%以上の領域の「液相+SrGa24」に到達後冷却されたものが、内部量子効率を高める観点から好ましいと考えられる。

Claims (6)

  1. Sr、Ga及びSを含有する母体結晶と、発光中心とを含有する緑色蛍光体であって、CuKα線を用いたXRDパターンにおいて、回折角2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=14〜20°に現れる最大ピークの回折強度の比率が0.4以上であることを特徴とする緑色蛍光体。
  2. 回折角2θ=36〜42°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=32〜37°に現れる最大ピークの回折強度の比率が0.7以上であることを特徴とする請求項1記載の緑色蛍光体。
  3. 回折角2θ=27〜34°に現れる最大ピークの回折強度に対する、回折角2θ=21〜27°に現れる最大ピークの回折強度の比率が2.6以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の緑色蛍光体。
  4. 発光中心としてEu2+を含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の緑色蛍光体。
  5. 励起源と、請求項1〜3の何れかに記載の緑色蛍光体とを備えた緑色発光素子乃至装置。
  6. 励起源と、請求項1〜3の何れかに記載の緑色蛍光体と、赤色蛍光体とを備えた白色発光素子乃至装置。
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