JP2008274973A - 固定式等速自在継手 - Google Patents

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学 星野
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Abstract

【課題】高作動角、高トルク負荷時においても、円滑に回転できて、ケージへの負荷が低減でき、しかも耐久性も確保できる固定式等速自在継手を提供する。
【解決手段】外方部材のトラック溝22の曲率中心O1と内方部材のトラック溝25の曲率中心O2とを、継手中心Oに対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージ28の外球面28aの曲率中心O3とケージ28の内球面28bの曲率中心O4とを、継手中心Oに対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージ28のオフセット量をトラック溝22、25のオフセット量と略同一として大きくする。ケージ28の継手開口側肉厚部40にポケット29と同一ピッチで溝41を設ける。内方部材の軸線L2とケージ28の軸線L1とを一致させた状態で、内方部材の周方向に隣合うトラック溝間の突部42を軸方向に沿ってケージ28の溝41に嵌入させることによって、ケージ内に内方部材を組み込む。
【選択図】図1

Description

本発明は固定式等速自在継手及びその製造方法に関し、詳しくは、自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で角度変位のみを許容する固定式等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手の一種に固定式等速自在継手がある。この固定式等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。一般的に、前述した固定式等速自在継手としては、バーフィールド型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)が広く知られている。
例えば、UJタイプの固定式等速自在継手は、図10と図11に示すように内球面1に複数のトラック溝2が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外方部材としての外輪3と、外球面4に外輪3のトラック溝2と対をなす複数のトラック溝5が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内方部材としての内輪6と、外輪3のトラック溝2と内輪6のトラック溝5との間に介在してトルクを伝達する複数のボール7と、外輪3の内球面1と内輪6の外球面4との間に介在してボール7を保持するケージ8とを備えている。ケージ8には、ボール7が収容されるポケット9が周方向に沿って複数配設されている。
前記外輪3のトラック溝2は、トラック溝底が円弧部となる奥側トラック溝2aと、トラック溝底が外輪軸線と平行なストレート部となる開口側トラック溝2bとからなる。奥側トラック溝2aは、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪3の開口側にずらしている。また、内輪6のトラック溝5は、トラック溝底が内輪軸線と平行なストレート部となる奥側トラック溝5aと、トラック溝底が円弧部となる開口側トラック溝5bとからなる。開口側トラック溝5bの曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪3の奥側トラック溝2aの曲率中心O1と反対側の奥側に等距離kだけ離して設けている。
また、ケージ外球面8aは、その曲率中心O3を継手中心Oから軸方向にケージ8の開口側にずらし、ケージ内球面8bは、その曲率中心O4を継手中心Oから軸方向にケージ外球面8aの曲率中心O3と反対側の奥側に等距離k1だけ離して設けている。従来のこの種の等速自在継手では、内外輪のトラックオフセット量を大きく、ケージのオフセット量を小さくしている。また、隣合う2個のボール7のピッチ角は、60度である。すなわち、ボール7が周方向に沿って60度ピッチで6個配置されている。
ところで、固定式等速自在継手において、近年では、小型化できてしかもトルク負荷容量を上げることが求められている。6個のボールを有する固定式等速自在継手を小型化し、かつトルク負荷容量を上げる方法として、出来るだけ大きなボールを出来るだけ小さなPCD上に配置することが考えられる。しかしながら、大きなボールを使用すると、ケージのポケット間の柱(窓柱)が細くなり、ケージの剛性が低下する。特に高角時の捩りトルク負荷に対しては、ケージの破損が生じ易く、等速自在継手の強度低下の要因となっている。
図10に示すように、内外輪のトラックオフセット量が大きく、ケージのオフセット量が小さい場合、外輪奥側のトラック溝深さが浅くなり、高角時のトルク負荷容量が小さくなる。つまり、高角時のトルク負荷に対してボールがトラックエッジに乗り上げ易く、エッジ部に過大な応力が発生する。そのため、エッジ部の欠けによる損傷や、塑性変形が生じることによるケージとのロック現象が発生する。これらの損傷やロック現象は、作動性を悪くし、耐久寿命を低下させたり、ケージ破損の要因となっている。また、内輪においても奥側のトラック深さも浅くなっており、外輪と同様の欠点を有する。このため、高角度域での継手強度および耐久性の向上は従来からの課題である。
そこで、従来には、周方向に隣合うポケット同士の間に存在する柱部の周方向長さ寸法を大きくして、ケージの耐久性の確保を図って、等速自在継手全体の耐久性の向上を図るようにしたものがある(特許文献1)。すなわち、この特許文献1に記載のものは、一つのポケットに複数個のボールを収納することによって、同一のポケット内に収容したボールの間隔を狭くして、周方向に隣合うポケット同士の間に存在する柱部の周方向長さ寸法を大きくするものであり、ボールの数を7個以上としている。
また、従来には、ケージの各ポケットに2個ずつ収納して、回転中のモーメントの周期的変動を抑制するようにしたものがある(特許文献2)。すなわち、この特許文献2に記載のものは、ケージの全ポケットをその周方向間隔を大とした長窓として、一つの窓柱の周方向長さを大きくしている。
特開平11−303882号公報 英国特許1537067
特許文献1に記載のものでは、ポケットに複数個のボールを収納することによって、周方向に隣合うポケット同士の間に存在する柱部の周方向長さ寸法を大きくして、ケージの耐久性確保を図って、等速自在継手全体の耐久性の向上を図るようにしている。しかしながら、特許文献1に記載のものでは、ボールを7個以上とすることを前提としており、6個のボールを有するものにおいて、高角度時の負荷容量の低下、及び内輪とケージ内球面の接触面圧の増加の防止等ができるようにしたものではない。
また、特許文献2に記載のものでは、ケージの各ポケットに2個ずつ収納して、前記特許文献1と同様、全体のポケット数を少なくして窓柱の周方向長さを大きくしている。このため、この場合であっても、高角度時の負荷容量の低下、および内輪とケージ内球面の接触面圧の増加の防止等ができるものではない。
ところで、継手開口部側のケージ肉厚を大きくすれば、継手開口部側のケージ窓枠の剛性を向上させ、これによって、高角時の強度を確保することができるようにすることが提案できる。
しかしながら、継手開口部側のケージ肉厚を大きくした場合、ケージ8への内輪組み込みが困難となる。そこで、図12から図14に示すケージ8では、ポケット9の開口側に大きな荷重が負荷されるため、継手開口側に肉厚部10を形成し、内輪(内方部材)組み込み用の切欠部11を継手奥側の内径面に設け、継手奥側を薄肉部12としている。
この図12から図14に示すケージ8への内輪6の組み込みは、図15に示すように、組み込み用の切欠部11から嵌入される。すなわち、内輪6の中心軸(軸線)L2に対してケージ8の中心軸(軸線)L1が直角をなすように配置して嵌入し、その後、内輪6を90°回転させて組み込むことになる。
しかしながら、図12から図14に示すものでは、前記したように、継手奥側に薄肉部12を形成しているので、ケージ8は耐久性に劣る。
また、図16〜図18に示すように、ケージ8の継手開口側の内径面に切欠部13を設け、継手奥側の肉厚を厚く設定するようにすることができる。この場合も、内輪6の中心軸L2に対してケージ8の中心軸L1が直角をなすように配置して、図19に示すように、この切欠部13から嵌入し、その後、内輪6を90°回転させて組み込むことになる。
しかしながら、図16〜図19に示すものでは、継手開口側の内径面に球面部がなくなり、内輪6の外球面との接触面積が小さくなる。このため、等速自在継手として円滑な回転運動を妨げる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みて、高作動角、高トルク負荷時においても、円滑に回転できて、ケージへの負荷が低減でき、しかも耐久性も確保できる固定式等速自在継手を提供する。
本発明の固定式等速自在継手は、内球面に複数のトラック溝が形成された外方部材と、外球面に複数のトラック溝が形成された内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、このボールを収容するポケットを有するとともに外方部材と内方部材との間に介装されるケージとを備えた固定式等速自在継手において、外方部材のトラック溝の曲率中心と内方部材のトラック溝の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージの外球面の曲率中心とケージの内球面の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージのオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくし、内方部材の軸線とケージの軸線とを一致させた状態で、内方部材の周方向に隣合うトラック溝間の突部の軸方向に沿った嵌入を許容してケージ内への内方部材の組み込みを可能とする溝を、ケージの開口側肉厚部にポケットと同一ピッチで設けたものである。
本発明の固定式等速自在継手では、外方部材のトラック溝の曲率中心と内方部材のトラック溝の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージの外球面の曲率中心とケージの内球面の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージのオフセット量を、トラック溝のオフセット量と略同一となるように大きくした。これによって、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、継手開口側のケージの肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。
また、ケージの継手開口側肉厚部に設けた溝によって、ケージ内への内方部材の組み込みを可能としているので、ケージの継手奥側において、インロー径を小さくして、この継手奥側の内球面積を大きく確保することができる。ケージの継手開口部側においても、球面部をなくすことになる切欠部を形成する必要がなくなって、球面部の面積を確保できる。
前記ケージのポケットは、周方向間隔が大の一対の長ポケットと、周方向間隔が小の一対の短ポケットとの4個を有し、一対の長ポケットを周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケットを周方向に沿って180度ずらせて、長ポケットと短ポケットとを周方向に沿って交互に配置し、かつ長ポケットには2個のボールを収容するとともに、短ポケットには1個のボールを収容するようにしてもよい。これによって、ケージのポケット間の窓柱の数を4つとすることができ、1本あたりの窓柱の周方向長さを長くすることができる。すなわち、各ケージ窓柱の剛性を大きくすることができる。
長ポケットに収容される2個のボールのPCD上のピッチ角を60度よりも小さくするとともに、その他のボールのピッチ角を60度よりも大きくした。これにより、長ポケットに収納した2個のボールのピッチ間距離が小さくなり、これに対応する外方部材のトラック溝のピッチ間距離が小さくなる。
固定式等速自在継手として、内方部材および外方部材のトラック溝底が円弧部とストレート部とを備えたものであっても、内方部材および外方部材のトラック溝底が円弧部とテーパ部とを備えたものであってもよい。
本発明では、ケージのオフセット量を、トラック溝のオフセット量と略同一となるように大きくしたので、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、継手開口側のケージの肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。このため、高角時のボールがトラックエッジに乗り上げるのを防止でき、エッジに過大な応力は作用することがなくなる。すなわち、高角時の捩りトルク負荷容量の低下を防ぎ、高角耐久寿命の向上(改善)や高角時の内方部材と外方部材のトラック溝の塑性変形に起因する破損強度の向上(改善)を図ることができる。
特に、ケージの継手奥側において、インロー径を小さくして、この継手奥側の内球面積を大きく確保することができ、ケージ耐久性の向上を図ることができる。ケージの継手開口部側においても、球面部をなくすことになる切欠部を形成する必要がなくなって、球面部の面積を確保でき、円滑な回転が可能となる。しかも、ケージ内に内方部材を嵌入した後、内方部材を90°回転させる必要がないので、組み込み作業の簡略化を図ることができる利点もある。
各ケージ窓柱の剛性を大きくすることができるので、小さなPCDに大きなボールを配置することができ、負荷容量を低下させずにコンパクト化が可能となる。しかも、高角度時の捩りトルク負荷に対して、ケージの破損を防止できる。
長ポケットに収納した2個のボールのピッチ間距離を小さくでき、これに対応する外方部材のトラック溝のピッチ間距離を小さくできる。これにより、ケージの外輪への組込みが容易となる。特に、このピッチ間距離(トラック溝間肩幅寸法)を、ケージ軸方向におけるポケット幅よりも小さくでき、これにより、ケージの外輪への組込みが一層容易となって、組立作業性を向上することができる。
なお、長ポケットに2個のボールを収納させれば、このボール間に窓柱が存在しないので、ボールからの大きな負荷を受ける継手開口側の窓枠の剛性を上げる必要があるが、前記したように、ケージのオフセット量を、トラック溝のオフセット量と略同一となるように大きくすることにより、継手開口側の窓枠の剛性を上げることができ、長ポケットに2個のボールを収納する構造であっても、ケージの強度を十分保つことができる。
本発明に係る固定式等速自在継手の実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
この固定式等速自在継手は、図1に示すように内球面21に複数のトラック溝22が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された外方部材としての外輪23と、外球面24に外輪23のトラック溝22と対をなす複数のトラック溝25が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成された内方部材としての内輪26と、外輪23のトラック溝22と内輪26のトラック溝25との間に介在してトルクを伝達する複数のボール27と、外輪23の内球面21と内輪26の外球面24との間に介在してボール27を保持するケージ28とを備えている。ケージ28には、周方向に沿って所定ピッチ(図例では、60°ピッチ)でポケット29が設けられ、このポケット29にボール27が保持される。
前記外輪23のトラック溝22は、トラック溝底が円弧部となる奥側トラック溝22aと、トラック溝底が外輪軸線と平行なストレート部となる開口側トラック溝(ストレート溝)22bとからなる。奥側トラック溝22aは、その曲率中心O1を継手中心Oから軸方向に外輪23の開口側にずらしている。また、内輪26のトラック溝25は、トラック溝底が外輪軸線と平行なストレート部となる奥側トラック溝25aと、トラック溝底が円弧部となる開口側トラック溝25bとからなる。開口側トラック溝25bの曲率中心O2を継手中心Oから軸方向に外輪23の奥側トラック溝22aの曲率中心O1と反対側の奥側に等距離kだけ離して設けている。
ケージ28は、外球面28aの曲率中心O3と内球面28bの曲率中心O4とを、継手中心(ケージ中心)Oに対して等距離k2だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージ28のオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくしている。
このため、ケージ28の外球面28aは、外輪23の奥側トラック溝22aの溝底とほぼ同心円弧(曲率半径は相違する同心円弧)を形成することができ、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、ケージ28の開口側の肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。
ところで、図2〜図4に示すように、このケージ28の継手開口側肉厚部40に、ポケット29と同一ピッチで複数の溝41が形成されている。溝41は、継手開口側端面43とポケット29とに開口し、断面台形状とされる。すなわち、溝41は円弧状(球面状)の底壁41aと、この底壁41aの周方向端部から内径側に僅かに拡径するように延びる側壁41b、41bとからなる。この溝41は塑性加工による成形であっても、機械加工(切削加工等)による成形であってもよい。
この溝41は、図5〜図7等に示すように、内輪26の周方向に隣合うトラック溝25間の突部42が軸方向に沿って嵌入可能とされる。すなわち、図6に示すように、溝41の底壁41aの周方向寸法Bを内輪26の突部42の最大周方向寸法Aよりも大きく設定するとともに、図7に示すように、溝41の底壁41aが描く円弧の直径D2を、内輪26の突部42の最大外径(内輪26の外球面24の最大外径)D1よりも大きく設定する。
次に、前記のように構成されたケージ28に内輪26を組み込む方法を説明する。まず、内輪26の軸線L2とケージ28の軸線L1とを一致させるとともに、内輪26の突部42と、ケージ28の溝41との位相を合わせる。
この際、溝41は前記したように、突部42が軸方向に沿って嵌入可能とされているので、この状態で、図5から図7に示すように、矢印Y(図7参照)のように、内輪26をケージ28内に嵌入して行くことができる。これによって、ケージ28内に内輪26を組み込むことができる。すなわち、ケージ28内に内輪26を嵌入した後、内輪26を90°回転させる必要がない。
本発明では、外輪23のトラック溝22の曲率中心O1と内輪26のトラック溝25の曲率中心O2とを、継手中心Oに対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージ28の外球面28aの曲率中心O3とケージ28の内球面28bの曲率中心O4とを、継手中心Oに対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージのオフセット量を、トラック溝22,25のオフセット量と略同一となるように大きくした。これによって、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるのを防止できるとともに、継手開口側のケージ28の肉厚(径方向厚さ)を大きくすることができる。このため、高角時のボール27がトラックエッジに乗り上げるのを防止でき、エッジに過大な応力は作用することがなくなる。すなわち、高角時の捩りトルク負荷容量の低下を防ぎ、高角耐久寿命の向上(改善)や高角時の内輪26のトラック溝25と外輪23のトラック溝22の塑性変形に起因する破損強度の向上(改善)を図ることができる。
また、ケージ28の継手開口側肉厚部40に設けた溝41によって、ケージ28内への内輪26の組み込みを可能としているので、ケージ28の継手奥側において、インロー径を小さくして、この継手奥側の内球面積を大きく確保することができ、ケージ28の耐久性の向上を図ることができる。ケージ28の継手開口部側においても、球面部をなくすことになる切欠部を形成する必要がなくなって、球面部の面積を確保でき、円滑な回転が可能となる。しかも、ケージ28内に内輪26を嵌入した後、内輪26を90°回転させる必要がないので、組み込み作業の簡略化を図ることができる利点もある。
図8は他の実施形態を示し、この場合、ケージ28のポケット29は、周方向間隔が大の一対の長ポケット30と、周方向間隔が小の一対の短ポケット31との4個を有している。そして、一対の長ポケット30を周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケット31を周方向に沿って180度ずらせて、長ポケット30と短ポケット31とを周方向に沿って交互に配置している。このため、ポケット間に設けられる窓柱33(ケージ窓柱)が4個となる。そして、長ポケット30には2個のボール27を収容するとともに、短ポケット31には1個のボール27を収容する。
長ポケット30に収容される2個のボール27のPCD上のピッチ角eを60度よりも小さくするとともに、その他のボール27のピッチ角dを60度よりも大きくしている。図9に示すように、ケージ8の長ポケット30に対応する外輪23の2つのトラック溝間肩幅寸法fを、ケージ軸方向におけるポケット幅gよりも小さく設定している。
図8に示す実施形態の等速自在継手では、ケージ28のポケット間の窓柱の数を4つとすることができ、1本あたりの窓柱の周方向長さを長くすることができる。これにより、各ケージ窓柱の剛性を大きくすることができる。
長ポケット30に収容される2個のボールのPCD上のピッチ角を60度よりも小さくするとともに、その他のボール27のピッチ角を60度よりも大きくした。これにより、長ポケット30に収納した2個のボール27のピッチ間距離が小さくなり、これに対応する外輪23のトラック溝22のピッチ間距離が小さくなる。これにより、ケージ28の外輪23への組込みが容易となる。特に、このピッチ間距離(トラック溝間肩幅寸法f)を、ケージ軸方向におけるポケット幅gよりも小さくでき、これにより、ケージ28の外輪23への組込みが一層容易となって、組立作業性を向上することができる。
なお、長ポケット30に2個のボール27を収納させれば、このボール間に窓柱33が存在しないので、ボール27からの大きな負荷を受ける継手開口側の窓枠の剛性を上げる必要があるが、前記したように、ケージ28のオフセット量を、トラック溝22、25のオフセット量と略同一となるように大きくすることにより、継手開口側の窓枠の剛性を上げることができ、長ポケット30に2個のボール27を収納する構造であっても、ケージ28の強度を十分保つことができる。
ところで、前記実施形態では、曲率中心O1と曲率中心O3とは僅かにずれた位置に配置されるとともに、曲率中心O2と曲率中心O4とは僅かにずれた位置に配置されているが、曲率中心O1と曲率中心O3とが同一位置であっても、曲率中心O2と曲率中心O4とが同一位置であってもよい。また、曲率中心O1と曲率中心O3とがずれたり、曲率中心O2と曲率中心O4とがずれたりする場合、そのずれ量は、任意に設定できるが、オフセット量kとずれ量(k-k2)との比は(k-k2)/k≦0.3と設定するのが好ましい。(k-k2)/k>0.3になると、図10に示す従来の固定式等速自在継手と差異が無くなって、継手奥側のトラック溝深さが浅くなるとともに、開口側のケージ28の肉厚を大きくできなくなり、ジョイントの必要強度を下回る(図20)。
また、前記実施形態では、固定式等速自在継手として、トラック溝22、25にストレート溝22b、25aを有するアンダーカットフリー型(UJ)であったが、このようなストレート溝を有さないバーフィールド型(BJ)であってもよい。また、内輪26および外輪23のトラック溝底が円弧部とテーパ部とを備えたものであってもよい。この場合、外輪23のトラック溝22のテーパ部を開口側に設け、かつ奥側から開口側に向かって拡大するようにするのが好ましい。これは作動角を大きくとれるからである。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、ポケット29の数は、使用するボール27の数に応じて増減できる。また、トラック溝間肩幅寸法fやケージ28のケージ軸方向におけるポケット幅g等も、ケージ28の外輪23への組込み性等を考慮して設定できる。
本発明の実施形態を示す固定式等速自在継手の断面図である。 前記固定式等速自在継手のケージの斜視図である。 前記固定式等速自在継手のケージの正面図である。 前記図3のX−O−X線断面図である。 前記固定式等速自在継手のケージと内輪の斜視図である。 前記固定式等速自在継手のケージと内輪の正面図である。 前記固定式等速自在継手のケージと内輪の断面図である。 本発明の他の実施形態を示す固定式等速自在継手の断面図である。 図8に示す固定式等速自在継手のケージと外輪の断面図である。 従来の固定式等速自在継手の断面図である。 前記図10の固定式等速自在継手の横断面図である。 前記図10の固定式等速自在継手のケージの斜視図である。 前記図10の固定式等速自在継手のケージの正面図である。 前記図10の固定式等速自在継手のケージの断面図である。 前記図10の固定式等速自在継手のケージへの内輪組み込み状態を示す断面図である。 従来の他の固定式等速自在継手のケージの斜視図である。 前記図16の固定式等速自在継手のケージの正面図である。 前記図16の固定式等速自在継手のケージの断面図である。 前記図16の固定式等速自在継手のケージへの内輪組み込み状態を示す断面図である。 オフセット量kとずれ量(k-k2)の関係を示す図である。
符号の説明
21 内球面
22 トラック溝
24 外球面
25 トラック溝
27 ボール
28 ケージ
28a 外球面
28b 内球面
29 ポケット
30 長ポケット
31 短ポケット
40 継手開口側肉厚部
41 溝
42 突部

Claims (5)

  1. 内球面に複数のトラック溝が形成された外方部材と、外球面に複数のトラック溝が形成された内方部材と、前記外方部材のトラック溝と内方部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、このボールを収容するポケットを有するとともに外方部材と内方部材との間に介装されるケージとを備えた固定式等速自在継手において、
    外方部材のトラック溝の曲率中心と内方部材のトラック溝の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせるとともに、ケージの外球面の曲率中心とケージの内球面の曲率中心とを、継手中心に対して等距離だけ軸方向に逆向きにオフセットさせ、このケージのオフセット量をトラック溝のオフセット量と略同一として大きくし、内方部材の軸線とケージの軸線とを一致させた状態で、内方部材の周方向に隣合うトラック溝間の突部の軸方向に沿った嵌入を許容してケージ内への内方部材の組み込みを可能とする溝を、ケージの継手開口側肉厚部にポケットと同一ピッチで設けたことを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. 前記ケージのポケットは、周方向間隔が大の一対の長ポケットと、周方向間隔が小の一対の短ポケットとの4個を有し、一対の長ポケットを周方向に沿って180度ずらせるとともに、一対の短ポケットを周方向に沿って180度ずらせて、長ポケットと短ポケットとを周方向に沿って交互に配置し、かつ長ポケットには2個のボールを収容するとともに、短ポケットには1個のボールを収容したことを特徴とする請求項1に記載の固定式等速自在継手。
  3. 前記長ポケットに収容される2個のボールのPCD上のピッチ角を60度よりも小さくするとともに、その他のボールのピッチ角を60度よりも大きくしたことを特徴とする請求項2に記載の固定式等速自在継手。
  4. 内方部材および外方部材のトラック溝底が円弧部とストレート部とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のいずれかの固定式等速自在継手。
  5. 内方部材および外方部材のトラック溝底が円弧部とテーパ部とを備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3に記載のいずれかの固定式等速自在継手。
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