JP2008269756A - 光ピックアップ装置および光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 主光の強度の低下を抑え、かつ受光素子の手前で集光する迷光を遮光することで、多層型のディスク状記録媒体に対して情報の記録または再生を正確に行うことができる光ピックアップ装置および光ディスク装置を得ることを目的とする。
【解決手段】 レーザ光を略平行光に変換するコリメータレンズ3と、コリメータレンズ3を通過したレーザ光を、複数の信号記録層のうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に集光する対物レンズ6と、第1の信号記録層からの第1の戻り光10が集光され、第1の戻り光10を受光する受光部分9aを有する受光素子9と、第1の信号記録層よりも対物レンズ6から遠い側の信号記録層のうち、少なくともひとつの第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように設けられ、第2の戻り光を遮光する遮光部分8aを有する遮光素子8とを備えてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 レーザ光を略平行光に変換するコリメータレンズ3と、コリメータレンズ3を通過したレーザ光を、複数の信号記録層のうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に集光する対物レンズ6と、第1の信号記録層からの第1の戻り光10が集光され、第1の戻り光10を受光する受光部分9aを有する受光素子9と、第1の信号記録層よりも対物レンズ6から遠い側の信号記録層のうち、少なくともひとつの第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように設けられ、第2の戻り光を遮光する遮光部分8aを有する遮光素子8とを備えてなる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、複数の信号記録層を有する光記録媒体に対して情報の記録または再生が可能な光ピックアップ装置およびこの光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関するものである。
光ピックアップ装置では、光記録媒体の信号記録層に発光素子から出射されたレーザ光を対物レンズによって集光し、信号記録層からの戻り光を受光素子に集光して受光させることで、信号記録層への情報の記録や再生を行っている。一方、光記録媒体には情報の記録密度を向上させるために、複数の信号記録層を積層した多層型のディスク状光記録媒体がある。このような多層型のディスク状光記録媒体を使用する場合、記録、再生の対象とする信号記録層からの戻り光である主光以外に、他の信号記録層からの戻り光も迷光として受光素子に入射するので、情報の記録または再生を正確に行えないという問題があった。そこで、受光素子の手前にピンホールを設け、戻り光をピンホール部分で一度集光させ、主光のみをピンホールで通過させる光ピックアップ装置が提案されている。(例えば特許文献1参照。)また、戻り光の光路中に少なくとも迷光の一部を遮光する遮光部材を設置する光ピックアップ装置が提案されている。(例えば特許文献2参照。)
しかしながら、上記のように戻り光をピンホールで通過させる方法では、集光用のレンズが余分に必要となる上、迷光の一部がピンホールを通過して受光素子に入射するので十分に迷光を遮断することができないという問題があった。また、迷光の一部を遮光する方法では、遮光部材の設置位置によっては、受光素子の手前で集光する迷光については十分に遮光できず、しかも主光の強度が低下して、情報の記録または再生を正確に行えないという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、主光の強度の低下を抑え、かつ受光素子の手前で集光する迷光を効率よく遮光することで、多層型のディスク状記録媒体に対して情報の記録または再生を正確に行うことができる光ピックアップ装置および光ディスク装置を得ることを目的とする。
本発明にかかる光ピックアップ装置は、ディスク基板に複数の信号記録層を有する光記録媒体に対し、情報の記録、または再生を行う光ピックアップ装置であって、レーザ光を出射する発光素子と、前記レーザ光を略平行光に変換するコリメータレンズと、前記コリメータレンズを通過したレーザ光を、前記複数の信号記録層のうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に集光する対物レンズと、前記第1の信号記録層からの第1の戻り光が集光され、前記第1の戻り光を受光する受光部分を有する受光素子と、前記複数の信号記録層のうち、前記対物レンズに近い側の信号記録層を前記第1の信号記録層としたとき、前記第1の信号記録層よりも前記対物レンズから遠い側の信号記録層のうち、少なくともひとつの第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように設けられ、前記第2の戻り光を遮光する遮光部分を有する遮光素子と、を備えるようにした。
本発明によれば、複数の信号記録層のうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層よりも対物レンズから遠い側の第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように遮光素子を設けることにより、主光の強度を低下させることなく、迷光が受光素子に入射されることを効率的に抑制し、多層型のディスク状記録媒体に対して情報の記録または再生を正確に行うことができる光ピックアップ装置および光ディスク装置を得ることができる。
実施の形態1.
図1〜10図は、本発明の実施の形態1に係る光ピックアップ装置を説明するためのもので、図1は光ピックアップ装置の全体構成および光ピックアップ装置内でのレーザ光の光路を示す。図2は光ピックアップ装置に設けられる遮光素子の外観構成を示す。図3は受光素子近傍での各信号記録層からの戻り光の光路を示す。図4、5は遮光素子が設置された場合の受光素子近傍での戻り光の光路を示す。図6は光記記録媒体の層構造を示す断面図。図7は情報の記録、または再生の対象とする信号記録層を変えたときの各信号記録層からの戻り光の集光位置を示す。図8、図9は受光素子近傍での戻り光の集光状態を示す。また、図10は、受光素子での受光状態を示す。
図1〜10図は、本発明の実施の形態1に係る光ピックアップ装置を説明するためのもので、図1は光ピックアップ装置の全体構成および光ピックアップ装置内でのレーザ光の光路を示す。図2は光ピックアップ装置に設けられる遮光素子の外観構成を示す。図3は受光素子近傍での各信号記録層からの戻り光の光路を示す。図4、5は遮光素子が設置された場合の受光素子近傍での戻り光の光路を示す。図6は光記記録媒体の層構造を示す断面図。図7は情報の記録、または再生の対象とする信号記録層を変えたときの各信号記録層からの戻り光の集光位置を示す。図8、図9は受光素子近傍での戻り光の集光状態を示す。また、図10は、受光素子での受光状態を示す。
図1において、光ピックアップ装置100は、発光素子1、偏光プリズム2、コリメータレンズ3、ミラー4、波長板5、対物レンズ6、遮光素子8、受光素子9を備え、図示しない光ディスク装置の移動ベースに配置されている。なお、対物レンズ6はディスク状の光記録媒体7の信号記録層7aに対向するように配置されるので、移動ベースが光記録媒体7の半径方向に移動することにより、光記録媒体7の任意の位置において情報の記録と再生が可能となる。以下、詳細を説明する。
発光素子1としては、例えば、約405nmの波長のレーザ光を出射する半導体レーザダイオードを使用している。そして、発光素子1の光軸がコリメータレンズ3や対物レンズ6の中心を通る光ピックアップ装置100の光軸Aに一致するように発光素子1は光ピックアップ装置100内に配置され、発光素子1から出射されたレーザ光は、光軸Aを通って、偏光プリズム2に入射する。
偏光プリズム2は、入射光の偏光方向に応じて、反射および透過を切り替える偏光ビームスプリッターの役割を担うものであり、発光素子1から入射されたレーザ光をそのまま透過させ、透過したレーザ光はコリメータレンズ3に入射する。
コリメータレンズ3は、発光素子1から出射された発散光を略平行光に変換する。また、コリメータレンズ3を光軸A方向に沿って移動操作することにより、透過するレーザ光を収束光から発散光まで変化させ、光記録媒体7の信号記録層7a上で発生する球面収差の補正を行うことができる。本実施の形態1では、球面収差の補正のためにコリメータレンズ3を光軸A方向に移動させているが、信号記録層7a上で発生する球面収差が小さく、情報の記録または再生に支障がない場合には、固定した状態でもかまわない。
コリメータレンズ3を透過した略平行(球面収差の補正のため、発生する球面収差に応じて、収束光もしくは発散光)となったレーザ光は、ミラー4で反射され、波長板5に入射する。
波長板5は、透過するレーザ光を直線偏光から円偏光に変換するもので、ミラー4から入射したレーザ光は、波長板5により円偏光に変換されて対物レンズ6に入射する。
対物レンズ6に入射されたレーザ光は、対物レンズ6に対向する光記録媒体7の信号記録層7aのうち、情報の記録または再生の対象とする第1の信号記録層に集光される。光記録媒体7は、対物レンズ6と対向する方向である光記録媒体7の厚み方向に複数の信号記録層7aが積層して構成されている。
光記録媒体7の第1の信号記録層上に集光されたレーザ光は、第1の信号記録層で反射される際に第1の信号記録層に記録された情報信号に応じて変調された状態の戻り光となり、対物レンズ6に向かう。
対物レンズ6を透過した戻り光は、再び略平行光の状態で、(球面収差を補正する場合は、発生する球面収差に応じて、収束光もしくは発散光の状態で)波長板5に入射する。
戻り光は、波長板5を透過する際に、往路とは逆に円偏光から直線偏光に変換されるが、この際の偏光方向は、往路とは約90度異なる方向となっている。波長板5を透過した戻り光は、ミラー4で反射されて、コリメータレンズ3を透過して集光光束となり、偏光プリズム2に入射する。
偏光プリズム2では、発光素子1から出射されたレーザ光は透過するが、その偏光依存性により、偏光方向が往路と約90度異なる戻り光は反射し、戻り光を光軸Aから90度偏向させて受光素子9方向に導く。
受光素子9に向かう集光光束中には、図2に示すように、面の一部に光を透過させない遮光部分8aを有する遮光素子8を配置している。遮光素子8の基板8bは、一般的な硝子基材で構成されており、例えば、BK7などで構成される。もちろん、プラスチック素材等でもよい。遮光部分8aには、光を吸収する吸収膜を付着させたものを用いているが、これに限定されること無く、反射膜等の遮光効果があるものを付着させることで形成できる。また、十分に光強度を低減できるならば、減光効果のある膜を用いることも可能である。偏光プリズム2から受光素子9に向かう戻り光は、光路中に遮光部分8aが存在する部分は遮光され、遮光部分8a以外の部分を通過した戻り光のみが受光素子9に達する。なお、遮光素子8は、光記録媒体7の複数ある信号記録層7aのうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に対してレーザ光を集光させたときに、第1の信号記録層よりも対物レンズから遠い側の信号記録層(第2の信号記録層)からの第2の戻り光である迷光11が集光する位置に遮光部分8aが一致するように配置されている。
遮光素子8を透過した第1の信号記録層からの戻り光である主光10は、受光素子9に入射する。受光素子9では、受光部分9aで戻り光が受光されて、その変調状態に合わせて、電気信号に変換される。
ここで、受光素子9近傍での戻り光の集光状態を説明する。図3は、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層からの戻り光である主光10と、信号記録層のうち、第1の信号記録層以外の信号記録層からの戻り光である迷光11の集光状態の関係を示している。光記録媒体7上での反射する層が異なるため、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層からの戻り光である主光10と、複数ある信号記録層7aのうち第1の信号記録層以外の信号記録層(第2の信号記録層)で反射された迷光11では、受光素子9近傍での、集光位置が異なる。主光10は、受光素子9の受光部分9aで集光する。一方、迷光11のうち、第1の信号記録層よりも対物レンズ6に近い側の第3の信号記録層からの迷光11aは、受光素子9の受光部分9aよりも奥側で集光する。迷光11のうち、第1の信号記録層よりも対物レンズ6から遠い側の第2の信号記録層からの迷光11bは、受光素子9の受光部分9aよりも手前側、すなわち偏光プリズム2側で集光する。ここでは、光軸Aに沿って、レーザ光が進行する方向(図3で下向)に対応して、手前側から奥側にレーザ光が進行するとして、表現する。
光記録媒体7は、図1に示すように、その厚み方向に、複数の信号記録層7aを積層しており、光ピックアップ装置100は、対物レンズ6の位置を調整して、複数の信号記録層7aのうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に対してレーザ光を集光させる。また、球面収差補正する場合は、コリメータレンズ3も光軸A方向に沿って移動する。
このとき、第1の信号記録層以外の層である第2の信号記録層のうち、対物レンズ6に近い側の第2の信号記録層は、第1の信号記録層に集光される前のレーザ光を反射し、対物レンズ6から遠い側の第2の信号記録層は、第1の信号記録層で集光された後のレーザ光を反射することになる。
図4は、対物レンズ6から遠い側の第2の信号記録層で反射され、受光素子9の手前側(コリメータレンズ3と受光素子9との間)で集光する迷光11bの光路を示すものである。図4に示すように、受光素子9の手前側で集光する迷光11bについては、一点に集光する。そのため、迷光11bのうち、その集光位置に遮光素子8の遮光部分8aが配置された第2の戻り光である迷光11bについては、その集光面積に相当する非常に小さい面積にて遮光し、受光部分9aに入射することを防ぐことが可能となる。なお、図4では、迷光11bが、1つの信号記録層から反射した状態を表しているが、複数の信号記録層から反射される場合もある。
図5は、対物レンズ6に近い側の第2の信号記録層で反射され、受光素子9の奥側で集光する迷光11aの光路を示す図である。図5に示すように、受光素子9の奥側で集光する迷光については、手前側で集光する迷光11bのようには、小さい面積にて、遮光することは出来ない。しかし、図5に示すように、迷光11aのうち、受光部分9aに入射する大きさのみが遮光されるように、遮光素子8の遮光部分8aの面積を設定することで、迷光11aを受光部分9aに到達しないようにすることができる。ただし、遮光部分8aの面積を大きくすると、受光部分9aに到達する主光10の強度は小さくなる。例えば、主光10の遮光素子8を通過する際の光路断面積をα、遮光部分8aの面積をβとすると、主光10の強度は遮光部分8aの存在により、主光10の強度分布が一定の場合には、((α−β)/α)になり、半導体レーザのように、中心部分の強度が強ければ、((α−β)/α)以下に低下することになる。なお、図5では、迷光11aが、1つの層から反射した状態を表しているが、複数の層から反射される場合もある。
次に、本実施の形態1における光ピックアップ装置100での遮光素子8の配置および動作について説明する。ここでは、情報の記録または再生の対象となる光記録媒体7として、複数の信号記録層7aが層間隔10μmで、等間隔に積層された5層構造の多層型のディスク状光記録媒体を用いた場合について説明する。
図6は、光記記録媒体7の層構造を示す断面図である。光記録媒体7は基材7b上に複数の信号記録層7aが積層して設けられている。複数の信号記録層7aの内、対物レンズ6から、最も遠い位置にある層が信号記録層L0であり、信号記録層L0から信号記録層L1、信号記録層L2、信号記録層L3、信号記録層L4と進むにつれ、10μm間隔で対物レンズ6に近づくことになる。
本実施の形態1では、上述したようにコリメータレンズ3は、球面収差を補正するために、光軸Aの方向に移動操作している。例えば、信号記録層L0を第1の信号記録層として再生するときには、コリメータレンズ3は、発光素子1に近い位置に移動し、信号記録層L4を第1の信号記録層として再生するときには、コリメータレンズ3は、発光素子1から遠い位置に移動する。その他の層も同様に、光記録媒体7における信号記録層の並び順に、コリメータレンズ3の位置も決まる。
このコリメータレンズ3の働きにより、どの信号記録層(L0〜L4)を情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層としてレーザ光を集光させた場合にも、第1の信号記録層からの戻り光である主光10は、ほぼ、光ピックアップ装置100の光軸A上のほぼ同じ位置に集光し、受光素子9を移動させること無く受光部分9aにて受光することができる。
図7は、各信号記録層(L0〜L4)のうち、1つの信号記録層を情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層として設定したとき、各信号記録層からの戻り光の受光素子9近傍での集光位置を示す。横軸は情報の記録、または再生の対象として設定した信号記録層の番号、縦軸は各信号記録層からの戻り光の集光位置を偏光プリズム2からの距離(mm単位)で示したものである。図において、第1の信号記録層からの戻り光である主光10と第2の信号記録層からの戻り光である迷光11とは区別せず単に戻り光として表現している。図中、破線で囲った部分が、受光素子9の配置位置(12.5mm)であり、主光10の集光位置である。破線より下側が、受光素子9よりも手前側、破線より上側が、受光素子9よりも奥側となる。つまり、第1の信号記録層の設定を信号記録層L0から信号記録層L4に変化させるにともない、各信号記録層からの集光位置は手前側に直線的に移動する。なお、本実施の形態1では信号記録層L0〜信号記録層L4が等間隔で配置されているので、横軸として層番号をとったが、層間隔が異なる場合、基準となる層からの距離を横軸にとれば、同様の直線関係を得ることができる。また、縦軸の数値は、本実施の形態1における数値であり、使用するレンズの焦点距離や各部品の大きさ等により決定される設計値であり、本発明はこの数値にとらわれるものではない。
図7より、ある信号記録層(L0〜L4)を再生する際に、その信号記録層よりも、1層分手前の信号記録層からの戻り光(迷光)は、ほぼ同じ位置に集光する。また、ある信号記録層(L0〜L4)を再生する際に、その層よりも、1層分奥の層からの戻り光(迷光)も同様にほぼ同じ位置に集光する。例えば、L2層を再生しているときのL1層からの戻り光(四角:■)と、L4層を再生しているときのL3層からの戻り光(ひし形:◆)は、ほぼ同じ位置に集光する。これは、複数層分離れた信号記録層からの戻り光(迷光)についても同様である。つまり、各信号記録層を再生するときに、各信号記録層の対物レンズから遠い側の隣接した信号記録層からの戻り光の集光する位置はほぼ同じであり、再生している信号記録層より対物レンズから遠ざかるにつれ、集光位置は等間隔で手前側に移動する。
遮光素子8の遮光部分8aを配置する位置は、対物レンズに一番近い層である信号記録層L4を第1の信号記録層として再生しているときに、それ以外の信号記録層である信号記録層L0、信号記録層L1、信号記録層L2、信号記録層L3からの戻り光(迷光)が集光する各位置に、遮光素子8を配置してもよい。また、いずれかの信号記録層からの戻り光が集光する位置のみに配置したとしても、少なくとも集光位置に遮光素子8が配置された迷光に対しては受光素子9の受光部分9aへの入射を防止することはできる。
ここで、第2の信号記録層からの迷光の強度、つまり、情報の記録、再生への影響について検討する。図8は、信号記録層L2を情報の記録、または再生の対象である第1の信号記録層として設定する際の、各信号記録層(L0〜L4)からの戻り光の光路を示した図である。信号記録層L2からの主光10L2は受光素子9の受光部分9aで集光し、迷光11のうち信号記録層L0と信号記録層L1からの迷光11bL0、11bL1は、受光素子9の手前側で集光し、信号記録層L3と信号記録層L4からの迷光11aL3、11aL4は、受光素子9の奥側で集光する。
図9は、信号記録層L4を情報の記録、または再生の対象として設定する際の、各信号記録層(L0〜L4)からの戻り光の光路を示した図である。信号記録層L4からの主光10L4は受光素子9の受光部分9aで集光し、迷光11のうち、信号記録層L0〜L3からの迷光11bL0、11bL1、11bL2、11bL3は、受光素子9の手前側で集光する。
図8で信号記録層L2を再生しているときに、受光素子9上に入射する迷光の面積を考慮すれば、信号記録層L1や信号記録層L3からの迷光11bL1や11aL3の面積は、信号記録層L0や信号記録層L4からの迷光11bL0や11aL4の面積よりも小さいことは明らかである。また、図9で信号記録層L4を再生しているときに、受光素子9上に入射する迷光の面積を考慮すれば、信号記録層L3からの迷光11bL3の面積は、信号記録層L0から信号記録層L2からの迷光11bL0、11bL1、11bL2の面積よりも小さいことは明らかである。つまり、各信号記録層(L0〜L4)からの戻り光の強度が同じであった場合、受光素子9に入射した際の面積が小さいほうが、単位面積あたりの光強度が強くなるため、迷光11としての影響が強くなる。つまり、各信号記録層(L0〜L4)からの迷光の影響を考えた場合、第1の信号記録層を信号記録層L2に設定したときは、信号記録層L1及びL3からの迷光11bL1、11aL3の影響が最も大きく、第1の信号記録層を信号記録層L4に設定したときは、信号記録層L3からの迷光11bL3の影響が最も大きい。したがって、第2の信号記録層のうち、第1の信号記録層に隣接する信号記録層からの迷光11の影響が最も大きい。
そして、第1の信号記録層を信号記録層L2に設定したときの信号記録層L1からの迷光11bL1、第1の信号記録層を信号記録層L4に設定したときの信号記録層L3からの迷光11bL3は、図7より、破線で囲まれた受光素子9の手前のほぼ同じ位置(10mm)に集光する。つまり、第2の信号記録層のうち、第1の信号記録層に隣接し、第1の信号記録層よりも対物レンズから遠い側の信号記録層からの迷光11bの集光する位置は、受光素子9の手前のほぼ同じ位置に集光する。
このため、信号記録層L2を第1の信号記録層としたときは、第2の信号記録層のうち、信号記録層L1からの迷光11bL1が集光する位置に遮光部分8aを有する遮光素子8を配置すると最も影響力の大きな迷光11bL1を遮光することが可能となる。また、信号記録層L4を第1の信号記録層としたときは、第2の信号記録層のうち、信号記録層L3からの迷光11bL3が集光する位置に遮光部分8aを有する遮光素子8を配置すると最も影響力の大きな迷光11bL3を遮光することが可能となる。したがって、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層を複数の信号記録層7aのうち、対物レンズ6よりも遠い側に他の信号記録層がある信号記録層に設定したとき、つまり、対物レンズ6に近い側の信号記録層を第1の信号記録層に設定したとき、第1の信号記録層に隣接し、第1の信号記録層よりも対物レンズから遠い側の第2の信号記録層からの迷光11bが集光する位置に配置すれば、最も影響力の大きい迷光11bを遮光することが可能となる。
上述したような位置に遮光素子8を設置する場合、本実施の形態1では、遮光素子8を図1に示すように単体で光ピックアップ装置100に組み込んでいるが、他の素子上に形成するようにしても良い。例えば、フォーカスエラー信号検出に非点収差法を用いる場合には、主光10に非点収差を与えるシリンドリカルレンズや光軸Aに対して斜めに配置される光学プレート等が主光10の集光光束中に配置されるが、これらの光学面上に形成してもよい。受光素子9の受光部分9aは、一般的に、硝子基板やプラスチック基板などで、保護されているが、これらの上に形成しても良い。もちろん、本発明の光ピックアップ装置100に使用される遮光素子8は、これらの素子に限定されるものではなく、主光10の集光光束中に配置される光学素子上に形成されるならば、同様の効果が得られる。
なお、第1の信号記録層に近く、対物レンズに近い側の第2の信号記録層からの迷光、つまり、受光素子9の奥側に集光する迷光11aについては、上述したように、遮光素子8の遮光部分8aの大きさを調整することで対応可能である。しかし、受光素子の奥側に集光する迷光11aの場合、上述したような受光素子9の手前にある対物レンズに遠い側の信号記録層からの迷光11bの集光位置で遮光する必要は無く、受光部分9aに到達する主光10の強度を上げるため、集光位置よりもコリメータレンズや対物レンズに近い位置に別途遮光素子を設けて遮光するようにしてもよい。
上記のように、主光10L2に対しての迷光11bL1、または主光10L4に対しての迷光11bL3、つまり、第1の信号記録層に隣接し、対物レンズから遠い側の第2の信号記録層からの迷光11bが集光する位置に遮光素子8を配置したときの受光素子9での受光状態について説明する。図10は、受光素子9の受光部分9aでの受光状態を示す図である。受光部分9aには、複数の信号記録層7aのうち、情報の記録、再生の対象とする第1の信号記録層からの戻り光である主光10(図8の設定では主光10L2、図9の設定では主光10L4)が集光している。なお、図中の迷光については、影響の強い第1の信号記録層に隣接する信号記録層からの迷光のみを記す。第1の信号記録層よりも対物レンズから遠い側の第2の信号記録層からの第2の戻り光である迷光11b(図8の設定では迷光11bL1、図9の設定では迷光11bL3)は、受光素子9の手前で集光した位置において遮光部分8aにより遮光されるので、受光素子9には入射しない。一方、第1の信号記録層よりも対物レンズから近い側の信号記録層からの迷光11a(図8の設定では迷光11aL3)は、遮光部分8aの面積を調整することにより、受光部分9aに入射しないようにすることができ、主光10への影響については、図5にて説明したように中央の白抜き部分が遮光されるのみである。図10では、受光部分9aを単純な田の字の場合について記載しているが、受光部分9aを他の形状で構成した場合も、迷光11bが受光素子9に入射することは無く、遮光部分8aの大きさ、形状を調整すれば、同様に受光部分9aに迷光11a(図8の設定では迷光11aL3)を入射させないようにすることができる。
また、図10で示す受光素子9は、1ビームを用いた信号検出用の単純な田の字型の受光素子であるが、その他の信号検出用の受光素子を用いた場合にも、遮光素子8を迷光11b(図8の設定では迷光11bL1、図9の設定では迷光11bL3)が集光する位置に配置する方法は有効である。例えば、光ピックアップ装置で一般的な、トラッキングエラー信号検出方法である3ビーム法や差動プッシュプル法のように、複数のビームを用いた信号検出方法の場合も、迷光11bが受光素子9に入射することは無く、遮光部分8aの大きさ、形状を調整することで、受光部分9aに迷光11a(図8の設定では迷光11aL3)が入射しないようにすることができる。
図11は、その他の受光素子の例として、主光10(図8の設定では主光10L2、図9の設定では主光10L4)のうち、主光束10mを受光する受光部分9bとその両側に配置された2つの副光束10eを受光する受光部分9cとで構成した場合の受光素子9での受光状態を示す平面図である。なお、図中の迷光については、影響の強い第1の信号記録層に隣接する信号記録層からの迷光のみを記す。この構成は、発光素子1と対物レンズ6までの間に回折素子などを配置して、主光10(図8の設定では主光10L2、図9の設定では主光10L4)を分光して得られる副光束10eを信号検出等に用いる場合に対応したものである。本発明の実施の形態では、フォーカスエラー信号検出に非点収差法を用い、トラッキングエラー信号検出に差動プッシュプル法を用いている。また、迷光11aについては、強度が高い主光束10mに対する迷光11aのみを図示している。
上述したように、遮光部分8aを受光素子9に対応して形成することにより、複数の信号記録層7aのうち、第1の信号記録層と異なる第2の信号記録層からの戻り光である迷光11(11a、11b)は、遮光部分8aによって遮光され、受光部分9b、受光部分9cに入射されることはない。このため、主光束10mよりも光強度の弱い副光束10eを用いて、トラッキングエラー信号検出を行う場合、主光束10mの迷光11が、副光束10eを検出するための受光部分9cに入射しないので、トラッキングサーボの安定化が図れる。もちろん、本発明は上記エラー信号検出のみに適用されるものではなく、そのほかの方法について適用しても、迷光11の低減効果を得られる。
つまり、本発明の実施の形態1によれば、光記録媒体7上に積層された複数の信号記録層7aのうち、対物レンズ6に近い側の信号記録層を第1の信号記録層としたとき、第1の信号記録層よりも対物レンズ6から遠い側の信号記録層のうち、少なくともひとつの第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように、遮光部分8aを有する遮光素子8を設けたことにより、主光10の強度を低下させることなく、迷光11が受光素子9に入射されることを効率的に抑制し、多層型のディスク状記録媒体7に対して情報の記録または再生を正確に行うことができる光ピックアップ装置100を得ることができる。
とくに、遮光部分8aの面積が迷光11bの集光面積に一致するように遮光素子8を形成したので、迷光11bの受光部分9aへの入射を防止できるとともに、主光10を遮光する率が抑制され、主光10の強度を低下させること無く受光部分9aに入射させることができる。
また、第2の信号記録層のうち、第1の信号記録層に隣接する第2の信号記録層からの迷光11bの集光する位置に一致するように遮光素子8を配置したので、影響の大きな迷光11bを効率的に遮断して、情報の記録または再生を正確に行うことができる。
実施の形態2.
図12に本発明の実施の形態2に係る光ピックアップ装置の全体構成を示す。また、図13に本実施の形態2における回折素子13の構成を示す。本実施の形態2では、実施の形態1における遮光素子に代えて、回折素子を用いて迷光を受光素子に入射させないようにした。他の構成については実施の形態1と同様であり、対応する部分については説明を省略する。
図12に本発明の実施の形態2に係る光ピックアップ装置の全体構成を示す。また、図13に本実施の形態2における回折素子13の構成を示す。本実施の形態2では、実施の形態1における遮光素子に代えて、回折素子を用いて迷光を受光素子に入射させないようにした。他の構成については実施の形態1と同様であり、対応する部分については説明を省略する。
図13において、回折素子13は、実施の形態1における遮光素子8の遮光部分8aを形成している部分に回折格子からなる回折部分13aを形成したものである。回折部分13aに入射した光は回折により光路を曲げられ、受光素子9の受光部分9a以外の部分に入射するようにしている。回折素子13の基板13bは、一般的な硝子基材で構成されており、例えば、BK7などで構成される。もちろん、プラスチック素材等でもよい。また、受光素子9の受光部分に入射する迷光の光強度を低減できれば、完全な回折ではなく、その他の次数の回折成分があっても、迷光低減の効果は得られる。
また、本実施の形態2では、回折素子13は、図12に示すように単体で光ピックアップ装置100に組み込んでいるが、他の素子上に形成しても良い。例えば、フォーカスエラー信号検出に非点収差法を用いる場合には、主光10に非点収差を与えるシリンドリカルレンズや光軸Aに対して斜めに配置される光学プレート等が集光光束中に配置されるが、これらの光学面上に形成してもよい。受光素子9の受光部分9aは、一般的に、硝子基板やプラスチック基板などで、保護されているが、これらの上に形成しても良い。もちろん、本発明の光ピックアップ装置100に使用される回折素子13は、これらの素子に限定されるものではなく、戻り光主光10の集光光束中に配置される光学素子上に形成されるならば、同様の効果が得られる。
図14は、回折素子13により回折される戻り光の光路を示す図である。図に示すように受光素子9の手前側で集光する迷光11bに対しては、回折部分13aをその集光位置に一致するように配置しているため、その集光範囲に相当する小さい面積で迷光11bを回折し、迷光11bを受光素子9の受光部分9aに入射することを防ぐことが可能となる。なお、図14は、迷光11bが1つの層から反射した状態を表しているが、複数の層から反射される場合もある。
図15は、受光素子9の奥側で集光する迷光を示す図である。図15に示すように、受光素子9の奥側で集光する迷光11aについては、手前側で集光する迷光11bのようには、小さい面積にて回折し、受光部分9aに入手させないようにすることは出来ない。しかし、図15に示すように、迷光11aのうち、受光部分9aに入射する大きさのみが回折されるように、回折素子13の回折部分13aの面積を設定することで、迷光11aを受光部分9aに到達しないようにすることができる。ただし、回折部分13aの面積を大きくすると、受光部分9aに到達する主光10の強度は小さくなる。例えば、主光10の回折素子13を通過する際の光路断面積をγ、回折部分13aの面積をδとすると、主光10の強度は回折部分13aの存在により、主光10の強度分布が一定の場合には、((γ−δ)/γ)になり、半導体レーザのように、中心部分の強度が強ければ、((γ−δ)/γ)以下に低下することになる。なお、図15では、迷光11aが、1つの層から反射した状態を表しているが、複数の層から反射される場合もある。
上記のように、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に対して対物レンズ6から遠い側の信号記録層からの迷光11bが集光する位置に回折素子13を配置したときの受光素子9での受光状態について説明する。図16は、受光素子9の受光部分9dでの受光状態を示す図である。受光部分9dには、複数の信号記録層7aのうち、情報の記録、再生の対象とする信号記録層からの戻り光である主光10が集光している。なお、図中の迷光については、影響の強い第1の信号記録層に隣接する信号記録層からの迷光のみを記す。第1の信号記録層以外の層からの戻り光である迷光11は、受光素子9の手前で回折部分13aにより回折され、迷光11cとなって受光部分9dから外れた位置に入射する。そして、迷光11のうち、受光素子9の手前で集光する迷光11bは回折部分13aにより回折され、受光部分9dには入射しない。また、第1の信号記録層よりも対物レンズから近い側の信号記録層から迷光11a(図8の設定では迷光11aL3)は、回折部分13aの面積を調整することにより、受光部分9dに入射しないようにすることができ、主光10への影響については、図5にて説明したように中央の白抜き部分が遮光されるのみである。なお、主光10のうち、回折部分13aを透過した部分10cについては、迷光11cと同様に受光部分9dから外れた位置に入射する。
なお、図16で示す受光素子9は、1ビームを用いた信号検出用の単純な田の字形の受光素子であるが、その他の信号検出用の受光素子を用いた場合にも、回折素子13を迷光11bが集光する位置に配置する方法は有効である。例えば、光ピックアップ装置で一般的な、トラッキングエラー信号検出方法である3ビーム法や差動プッシュプル法のように、複数のビームを用いた信号検出の場合も、迷光11bは受光素子に入射せず、迷光11aについても、回折部分13aの大きさ、形状を調整することで、受光部分9dに入射しないようにすることができる。
図17は、その他の受光素子9の例として、主光10のうち、回折素子13により回折された副光束10cを受光する受光部分9fを設けた受光素子9を示す平面図である。受光素子9の受光部分9eには、複数の信号記録層7aのうち、第1の信号記録層からの戻り光である主光10が集光している。なお、図中の迷光については、影響の強い第1の信号記録層に隣接する信号記録層からの迷光のみを記す。第1の信号記録層と異なる第2の信号記録層からの戻り光である迷光11は、受光部分9eに本来受光する部分が、回折素子13の回折部分13aによって回折され、迷光11cとして、受光部分9eから外れた位置に受光するため、受光部分9eでは受光しない。さらに、受光部分9fで、第1の信号記録層からの戻り光である主光10の一部である回折光10cを受光できるため、光ピックアップ装置100に新たな機能を付与することが可能となる。例えば、フォーカスエラー信号検出、球面収差エラー検出、RF信号の補填等の為に副光束10cを使用することもできる。特に、受光部分9fにて、高感度を要求されない信号検出を行う場合には、副光束10cは、迷光11cに対して十分強度が高いので、迷光11cの影響が少なく、新たな機能を受光部分9fに付与することが可能となる。
このように、回折素子13の回折部分13aで回折された、第1の信号記録層からの戻り光である主光10の一部である回折光10cを受光することにより、迷光低減の効果だけでなく、光ピックアップ装置100に新たな機能を付与することも可能となる。
図17で示す受光素子9は、1ビームを用いた信号検出用の単純な田の字形の受光素子であるが、その他の信号検出用の受光素子を用いた場合にも、回折素子13を迷光11が集光する位置に配置する方法は有効である。例えば、光ピックアップ装置で一般的な、トラッキングエラー信号検出方法である3ビーム法や差動プッシュプル法のように、複数のビームを用いた信号検出方法の場合も、回折部分13aの大きさ、形状を調整することで、受光部分9aに迷光11が入射しないようにすることができる。
図18は、その他の受光素子の例として、主光10のうち、主光束10mを受光する受光部分9gと、その両側に配置された2つの副光束10eを受光する受光部分9hと、さらに、回折素子13の回折部分13aによって、回折された回折光10cを受光する受光部分9iで構成した場合の受光素子9での受光状態を示す平面図である。なお、図中の迷光については、影響の強い第1の信号記録層に隣接する信号記録層からの迷光のみを記す。この構成は、発光素子1と対物レンズ6までの間に回折素子(本実施の形態2の回折素子13とは異なる)などを配置して、主光10を分光して得られる副光束10eを用いた信号検出等に対応したものである。本発明の実施の形態では、フォーカスエラー信号検出に非点収差法を用い、トラッキングエラー信号検出に差動プッシュプル法を用いている。また、迷光については、影響の強い主光束10mに対する迷光11mのみを図示している。
上述したように、回折部分13aを受光素子9に対応して形成することにより、複数の信号記録層7aのうち、第2の信号記録層からの戻り光である迷光11bは、回折部分13aによって回折され、受光部分9g、9hに入射されることはない。このため、主光束10mよりも光強度の弱い副光束10eを用いて、トラッキングエラー信号検出を行う場合、主光束10mの迷光11が、副光束10eを検出するための受光部分9hに入射しないので、トラッキングサーボの安定化が図れる。もちろん、本発明は上記エラー信号検出方法のみに適用されるものではなく、そのほかの方法について適用しても、迷光の低減効果を得られる。
さらに、受光素子9には、回折素子13の回折部分13aで回折された、主光束10からの回折光10cを受光するための受光部分9iが設けられている。受光部分9iで、第1の信号記録層からの戻り光10の一部である戻り光10cを受光できるため、光ピックアップ装置100に新たな機能を付与することが可能となる。例えば、フォーカスエラー信号検出、球面収差エラー信号検出、RF信号の補填等の機能を付与することが可能となる。
つまり、本発明の実施の形態2によれば、光記録媒体7上に積層された複数の信号記録層7aのうち、対物レンズ6に近い側の信号記録層を第1の信号記録層としたとき、第1の信号記録層よりも対物レンズ6から遠い側の信号記録層のうち、少なくともひとつの第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように、迷光11bを回折するための回折部分13aを有する回折素子13を設けたことにより、主光10の強度を低下させることなく、迷光11bが受光素子9に入射されることを効率的に抑制し、多層型のディスク状記録媒体7に対して情報の記録または再生を正確に行うことができる光ピックアップ装置100を得ることができる。
とくに、回折素子13の回折部分13aを迷光11の集光面積に一致するように形成したので、主光10を回折する割合を抑制し、主光10を効率よく受光部分9aに入射させることができる。
また、第2の信号記録層のうち、第1の信号記録層に隣接する第2の信号記録層からの迷光11bの集光する位置に一致するように回折素子13を配置したので、影響の大きな迷光を効率的に遮断して、情報の記録または再生を正確に行うことができる。
さらに、受光素子9には、回折素子13の回折部分13aで回折された、主光束10からの回折光10cを受光するための第2の受光部分9iを設けたので、フォーカスエラー信号検出、球面収差エラー信号検出、RF信号の補填等の機能を付与することが可能となる。
実施の形態3.
図19は、本発明の実施の形態3に係る光ディスク装置の基本構成を示す図である。本実施の形態3に係る光ディスク装置は、上記実施の形態1または2に記載した光ピックアップ装置100を備えたものである。
図19は、本発明の実施の形態3に係る光ディスク装置の基本構成を示す図である。本実施の形態3に係る光ディスク装置は、上記実施の形態1または2に記載した光ピックアップ装置100を備えたものである。
本実施の形態3に係る光ディスク装置は、多層型のディスク状光記録媒体である光ディスク107を保持して回転駆動する回転駆動機構102を備えている。この回転駆動機構102は、光ディスク107の中心部に設けられたチャッキング孔107cを基準として光ディスク7を位置決めし、回転駆動するものである。
そして、光ピックアップ装置100は、回転駆動機構102により回転駆動される光ディスク107の信号記録層107aに対物レンズを対向させた状態で配置され、送り機構103により光ディスク107の半径方向に移動する。光ピックアップ装置100、回転駆動機構102及び送り機構103は、制御回路101により制御される。光ピックアップ装置100は、光ディスク107に対する情報の記録、再生、又はその両方を行う。光ピックアップ装置100により光ディスク107から読み出された信号は、復調回路104により復調される。
本実施の形態に3よれば、実施の形態1、実施の形態2で説明した光ピックアップ装置100を備えることにより、多層型のディスク状の光記録媒体107の情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層以外の信号記録層からの迷光の影響を抑制して、第1の信号記録層の情報を安定して記録または、再生することができる光ディスク装置を実現できる。
1 発光素子、 2 偏光プリズム、 3 コリメータレンズ、 4 ミラー、 5 波長板、 6 対物レンズ、 7、107 光記録媒体、 7a 信号記録層、8 遮光素子、 8a 遮光部分、 9 受光素子、 9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h,9i 受光部分 10 主光、 10e 副光束、 10m 主光束、 11、11a,11b,11c,11d 迷光、 100 光ピックアップ装置、 101 制御機構、 102 回転駆動機構、 103 送り機構、 104 復調回路、
Claims (8)
- ディスク基板に複数の信号記録層を有する光記録媒体に対し、情報の記録、または再生を行う光ピックアップ装置であって、
レーザ光を出射する発光素子と、
前記レーザ光を略平行光に変換するコリメータレンズと、
前記コリメータレンズを通過したレーザ光を、前記複数の信号記録層のうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に集光する対物レンズと、
前記第1の信号記録層からの第1の戻り光が集光され、前記第1の戻り光を受光する受光部分を有する受光素子と、
前記複数の信号記録層のうち、前記対物レンズに近い側の信号記録層を前記第1の信号記録層としたとき、前記第1の信号記録層よりも前記対物レンズから遠い側の信号記録層のうち、少なくともひとつの第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように設けられ、前記第2の戻り光を遮光する遮光部分を有する遮光素子と、
を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記遮光素子は、前記遮光部分の面積が前記第2の戻り光の集光面積と一致するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記第2の信号記録層は、前記第1の信号記録層に隣接する信号記録層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ピックアップ装置。
- ディスク基板に複数の信号記録層を有する光記録媒体に対し、情報の記録、または再生を行う光ピックアップ装置であって、
前記光記録媒体へ向けてレーザ光を出射する発光素子と、
前記レーザ光を略平行光に変換するコリメータレンズと、
前記コリメータレンズを通過したレーザ光を、前記複数の信号記録層のうち、情報の記録、または再生の対象とする第1の信号記録層に集光する対物レンズと、
前記第1の信号記録層からの第1の戻り光が集光され、前記第1の戻り光を受光する第1の受光部分を有する受光素子と、
前記複数の信号記録層のうち、前記対物レンズに近い側の信号記録層を前記第1の信号記録層としたとき、前記第1の信号記録層よりも前記対物レンズから遠い側の信号記録層のうち、少なくともひとつの第2の信号記録層からの第2の戻り光の集光位置と一致するように設けられ、前記第2の戻り光を回折する回折部分を有する回折素子と、
を備えたことを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記回折素子は、前記回折部分の面積が前記第2の戻り光の集光面積と一致するように形成されていることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
- 前記第2の信号記録層は、前記第1の信号記録層に隣接する信号記録層であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光ピックアップ装置。
- 前記受光素子は、前記回折素子にて回折された前記第1の戻り光の1部を受光する第2の受光部分を備えたことを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
- 前記光記録媒体を回転駆動する回転駆動機構と、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の光ピックアップ装置と、
前記光ピックアップ装置を前記光記録媒体の半径方向に移動させる送り機構と、
を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
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