JP2008261390A - 固定式等速自在継手 - Google Patents

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雅司 船橋
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Abstract

【課題】 高作動角、高トルク負荷時においても、ケージへの負荷を低減する。
【解決手段】 一端が開口し、内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向に形成された外輪と、外球面に外輪のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向に形成され、複数の外球面部が円周方向に配設された内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の内球面と内輪の外球面との間に介在してボールを保持するポケット18が円周方向に形成されたケージ17とを備え、ケージ17のポケット18は、軸方向に対向する二辺部18a,18bのうち、一方の辺部18aの円周方向寸法Aよりも他方の辺部18bの円周方向寸法Bを大きくした形状を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば自動車や各種産業機械の動力伝達系において使用されるもので、駆動側と従動側の二軸間で作動角度変位のみを許容する固定式等速自在継手に関する。
例えば、自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達する手段として使用される等速自在継手の一種に固定式等速自在継手がある。この固定式等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結してその二軸が作動角をとっても等速で回転トルクを伝達し得る構造を備えている。一般的に、前述した固定式等速自在継手としては、バーフィールド型(BJ)やアンダーカットフリー型(UJ)が広く知られている。
例えば、BJタイプの固定式等速自在継手は、一端が開口し、内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向等間隔に形成された外側継手部材としての外輪と、外球面に外輪のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が円周方向等間隔に形成された内側継手部材としての内輪と、外輪のトラック溝と内輪のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外輪の内球面と内輪の外球面との間に介在してボールを保持するケージとを備えている。
各ボールは、ケージに形成された複数のポケットのそれぞれに収容されて円周方向等間隔に配置されている。また、これら内輪、ボールおよびケージからなる内部部品は、外輪の内部に相対動作可能に収容されている。内輪は、外球面が形成された複数の突状部をトラック溝間に有する形状となっている。
この種の等速自在継手を、例えば自動車のドライブシャフトに使用した場合、外輪を従動軸に連結し、内輪に車体側のディファレンシャルに取り付けられた摺動式等速自在継手から延びる駆動軸をスプライン嵌合で連結した構造が一般的である。この等速自在継手では、外輪と内輪との間に作動角が付与されると、ケージに収容されたボールは常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。
この固定式等速自在継手において、内輪は、一般的に以下の要領でもってケージに組み付けられる。まず、ケージの軸方向に対して内輪を90°回転させた向きに相対配置した上で、内輪のトラック溝間に位置する突状部をケージのポケットの一つに落とし込んだ状態でケージ内に内輪を挿入し、内輪の中心とケージの中心とが一致したところで内輪をケージの軸方向に対して90°回転させることにより、ケージの軸線に内輪の軸線を一致させて正規の姿勢で配置する(例えば、特許文献1,2参照)。
ドイツ特許DE19514868C1 特開平9−177810号公報 特許第3678026号公報
ところで、前述した特許文献1,3で開示されているように、内輪のケージへの組み付けにおいて、内輪の突状部をケージのポケットに落とし込むことを容易にするため、内輪の外球面の外輪開口側端部に大きな切欠き部を形成するようにしている。
しかしながら、外球面の外輪開口側端部に大きな切欠き部を形成した内輪形状の場合、前述の切欠き部を形成した分だけ内輪の外球面がケージの内球面に当接する接触面積が小さくなる。その結果、継手が高作動角をとって高トルクが負荷された場合、内輪からの球面力を、小さな接触面積でケージの内球面が受けることになり、ケージに過大な負荷が加わる。このケージに加わる過大な負荷により、ケージの十分な強度を確保することが困難になる可能性がある。
そこで、本発明は前述の問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、高作動角、高トルク負荷時においても、ケージへの負荷を低減し得る固定式等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る固定式等速自在継手は、一端が開口し、内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外球面に外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が形成され、複数の外球面部が円周方向に配設された内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、外側継手部材の内球面と内側継手部材の外球面との間に介在してボールを保持するポケットが円周方向に形成されたケージとを備え、ケージの少なくとも一つのポケットは、軸方向に対向する二辺部のうち、一方の辺部の円周方向寸法よりも他方の辺部の円周方向寸法を大きくした形状を有することを特徴とする。
ここで、内側継手部材の「外球面部」とは、複数のトラック溝間に配設され、径方向外側に向けてトラック溝底から***した突状部位を意味し、その突状部位の外周球状面を「外球面」と称す。
この固定式等速自在継手において、内側継手部材をケージに組み付けるに際しては、内側継手部材の外球面部をケージのポケットの一つに落とし込んだ状態でその内側継手部材をケージに挿入するようにしている。
本発明では、ケージの少なくとも一つのポケットについて、軸方向に対向する二辺部のうち、一方の辺部の円周方向寸法よりも他方の辺部の円周方向寸法を大きくしたことにより、内側継手部材のケージへの組み付け時、そのポケットに内側継手部材の外球面部を落とし込むようにする。このようにすれば、ポケットにおける一方の辺部の円周方向寸法よりも他方の辺部の円周方向寸法を大きくしていることから、内側継手部材の外球面部をポケットに深く落とし込むことができる。従って、内側継手部材の外球面に形成される切欠き部を小さくしても、内側継手部材をケージに容易に組み付けることができる。
このように内側継手部材の外球面に形成される切欠き部を小さくできることから、高作動角、高トルク負荷時において、内側継手部材の外球面からケージの内球面へ大きな球面力が作用しても、内側継手部材の外球面がケージの内球面に接触する面積を前述の球面力に耐え得る十分な面積として確保することができる。この接触面積の確保により、ケージに過大な負荷が加わることを回避することができ、ケージの十分な強度を確保することができる。
本発明におけるケージは、外側継手部材に対して、ポケットの円周方向寸法を他方の辺部よりも小さくした一方の辺部が外側継手部材の開口側となるように配置することが望ましい。等速自在継手においてトラックオフセットを設けた場合、一対のトラック溝でもって外側継手部材の開口側に向けて径方向間隔が徐々に増加する楔状のボールトラックが形成される。この場合、ケージのポケットに収容されたボールは、トルク負荷時、楔状のボールトラックが開く方向、つまり、外側継手部材の開口側に向けて負荷を受けることになる。そのため、負荷を受ける外側継手部材の開口側に、ポケットの円周方向寸法を他方の辺部よりも小さくした一方の辺部を配置すれば、その一方の辺部側の柱部の円周方向寸法が他方の辺部側の柱部の円周方向寸法よりも大きいことから、負荷に対するケージ強度を確保することが容易となる。
なお、本発明は、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したバーフィールド型の固定式等速自在継手(BJ)や、軸方向と平行な直線部分を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したアンダーカットフリー型の固定式等速自在継手(UJ)のいずれにも適用可能である。
本発明によれば、ケージの少なくとも一つのポケットについて、軸方向に対向する二辺部のうち、一方の辺部の円周方向寸法よりも他方の辺部の円周方向寸法を大きくしたことにより、内側継手部材のケージへの組み付け時、そのポケットに内側継手部材の外球面部を深く落とし込むことができる。これにより、内側継手部材の外球面に形成された切欠き部を小さくできることから、高作動角、高トルク負荷時において、内側継手部材の外球面からケージの内球面へ大きな球面力が作用しても、内側継手部材の外球面がケージの内球面に接触する面積を十分確保することができる。
このように、接触面積の確保により、ケージへの過大な負荷を軽減することができるので、内側継手部材の外球面からケージの内球面へ加わる大きな球面力に耐え得るケージ強度を確保することができる固定式等速自在継手を提供できる。
本発明に係る固定式等速自在継手の実施形態を詳述する。図1に示す実施形態は、軸方向と平行な直線部分を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したアンダーカットフリー型の固定式等速自在継手(UJ)を例示する。なお、図示しないが、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有するトラック溝を持つ外側継手部材および内側継手部材を具備したバーフィールド型の固定式等速自在継手(BJ)についても適用可能である。また、これらアンダーカットフリー型やバーフィールド型以外のトラック溝形状を有する他の固定式等速自在継手にも適用可能である。
図1に示すUJタイプの固定式等速自在継手は、一端が開口し、内球面10に軸方向に延びる複数のトラック溝11が円周方向等間隔に形成された外側継手部材としての外輪12と、外球面13に外輪12のトラック溝11と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝14が円周方向等間隔に形成された内側継手部材としての内輪15と、外輪12のトラック溝11と内輪15のトラック溝14との間に介在してトルクを伝達する複数のボール16と、外輪12の内球面10と内輪15の外球面13との間に介在してボール16を保持するケージ17とを備えている。
各ボール16は、ケージ17に形成された複数のポケット18のそれぞれに収容されて円周方向等間隔に配置されている。このボール16の数、換言すれば、トラック溝11,14、ケージ17のポケット18の数は任意であるが、例を挙げるならば5〜8である。この実施形態では、6個の場合を例示しているが、ボール16が8個の場合、コンパクトな等速自在継手を実現することができる。また、これら内輪15、ボール16およびケージ17からなる内部部品は、外輪12の内部に相対動作可能に収容されている。
内輪15は、図2に示すように複数のトラック溝14間に配設され、径方向外側に向けてトラック溝底から***した複数の突状部位を有し、以下の説明において、外球面部19はこの突状部位を指し、外球面13はその突状部位である外球面部19の外周球状面を指す。なお、図1に示すように、内輪15の外球面13の外輪開口側端部には、内輪15のケージ17への組み付けを容易にするための切欠き部13aが形成されている。
このUJタイプの等速自在継手におけるトラック溝11,14は、軸方向と平行な直線部分を有する。つまり、外輪12のトラック溝11は、その外輪開口側に位置する直線部分11aと外輪奥側に位置する円弧部分11bとからなり、内輪15のトラック溝14は、その外輪奥側に位置する直線部分14aと外輪開口側に位置する円弧部分14bとからなる。外輪12のトラック溝11の円弧部分の曲率中心O1および内輪15のトラック溝14の円弧部分の曲率中心O2は、ボール中心を含む継手中心Oに対して等距離fだけ軸方向逆向きにオフセットされている(トラックオフセット)。なお、外輪12の内球面10(ケージ17の外球面)の曲率中心および内輪15の外球面13(ケージ17の内球面)の曲率中心は前述の継手中心Oと一致している。このように、トラックオフセットを設けることにより、一対のトラック溝11,14でもって外輪12の奥側から開口側に向けて径方向間隔が徐々に増加する楔状のボールトラックが形成されている。
なお、BJタイプの等速自在継手では、外輪および内輪が、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有するトラック溝を持つ点でUJタイプの等速自在継手と異なるのみであり、他の構成部品についてはUJタイプの等速自在継手と同一である。
等速自在継手を、例えば自動車のドライブシャフトに使用した場合、外輪12を従動軸に連結し、車体側のディファレンシャルに取り付けられた摺動式等速自在継手から延びる駆動軸(シャフト)を内輪15にスプライン嵌合で連結した構造としている。この等速自在継手では、外輪12と内輪15との間に作動角が付与されると、ケージ17に収容されたボール16は常にどの作動角においても、その作動角の二等分面内に維持され、継手の等速性が確保される。
前述した構成を具備した固定式等速自在継手の一部品であるケージ17,117を図3(a)(b)に示す。同図(a)は図1に示すUJタイプの等速自在継手に組み込まれたケージ17(本発明品)を示し、その本発明品と比較するため、従来のケージ117(従来品)を同図(b)に示す。これら本発明品と従来品との相違点は、円周方向等間隔に形成された複数のポケット18,118の形状にある。
つまり、従来品のケージ117では、同図(b)に示すように、四隅部をR形状に面取りされた矩形のポケット118について、その軸方向に対向する二辺部118a,118bの円周方向寸法Aを同一としていた。これに対して、本発明品のケージ17では、同図(a)に示すように、四隅部をR形状に面取りされたポケット18について、その軸方向に対向する二辺部18a,18bのうち、一方の辺部18bの円周方向寸法Bを他方の辺部18aの円周方向寸法Aよりも大きくする。この実施形態のケージ17のポケット18は、例えば台形とし、一方の辺部18a(以下、短辺部と称す)の円周方向寸法Aを従来品のポケット118の辺部118a,118bの円周方向寸法Aと同一にし、他方の辺部18b(以下、長辺部と称す)の円周方向寸法Bを従来品のポケット118の辺部118a,118bの円周方向寸法Aよりも大きくしている(B>A)。
ここで、内輪15は、以下の要領でもってケージ17に組み付けられる。つまり、ケージ17の軸方向に対して内輪15を90°回転させた向きに相対配置した上で、図4〜図6に示すようにその内輪15のトラック溝14間に位置する一つの外球面部19をケージ17のポケット18の一つに落とし込んだ状態でその内輪15をケージ17に挿入するようにしている。その後、内輪15の中心とケージ17の中心とが一致したところで内輪15をケージ17の軸方向に対して90°回転させることにより、ケージ17の軸線に内輪15の軸線を一致させて正規の姿勢で配置する。
この内輪15のケージ17への組み付け時、内輪15の外球面部19をケージ17のポケット18に落とし込むと、図6に示すように、内輪15の外球面部19のエッジ部、つまり、外球面13のエッジ部と切欠き部13aのエッジ部が、ケージ17の端面から寸法Tだけ離隔した位置でポケット18の円周方向に対向する二辺部18c,18dと接触する。
図7(a)は本発明品のケージ17のポケット18に内輪15の外球面部19を落とし込んだ状態を示し(図5参照)、図7(b)は従来品のケージ117のポケット118に内輪115の外球面部119を落とし込んだ状態を示す。なお、図7(a)に示す内輪15と図7(b)に示す内輪115とは、大きさが同じ切欠き部13a,113aを有する同一形状のものである。
本発明品におけるケージ17のポケット18は、短辺部18aと長辺部18bを有する台形をなし、その長辺部18bの円周方向寸法Bを従来品のポケット118の辺部118bの円周方向寸法Aよりも大きくしている〔図3(a)(b)参照〕。このことから、図7(a)(b)に示すように、本発明品におけるケージ17のポケット18の円周方向に対向する二辺部18c,18dと内輪15の外球面部19との二つの接触点X,Yの距離Lが、従来品におけるケージ117のポケット118の円周方向に対向する二辺部118c,118dと内輪115の外球面部119との二つの接触点M,Nの距離A(ポケット118の円周方向寸法)よりも長くなり(L>A)、内輪15の外球面部19をポケット18にΔdだけ深く落とし込むことができる。従って、内輪15の外球面部19をポケッ
ト18にΔdだけ深く落とし込める分だけ、内輪15の外球面13に形成される切欠き部
13a(特許文献1,3参照)を小さくしても、内輪15をケージ17に容易に組み付けることができる。
このように内輪15の外球面13に形成される切欠き部13aを小さくできることから、高作動角、高トルク負荷時において、内輪15の外球面13からケージ17の内球面へ大きな球面力が作用しても、内輪15の外球面13がケージ17の内球面に接触する面積を前述の球面力に耐え得る十分な面積として確保することができる。この接触面積の確保により、ケージ17に過大な負荷が加わることを回避することができ、ケージ17の強度を十分に確保することができる。
このように、接触面積の確保により、ケージ17への過大な負荷を軽減することができるので、内輪15の外球面13からケージ17の内球面へ大きな球面力に耐え得るケージ強度を確保することができる固定式等速自在継手を提供できる。
この実施形態のケージ17のポケット18は、短辺部18aの円周方向寸法Aを従来品のポケット118の辺部118a,118bの円周方向寸法Aと同一にし、長辺部18bの円周方向寸法Bを従来品のポケット118の辺部118a,118bの円周方向寸法Aよりも大きくしているが、必ずしも、短辺部18aの円周方向寸法を従来品のポケット118の辺部118a,118bの円周方向寸法Aと同一にする必要はない。
つまり、内輪15のケージ17への組み付け時、内輪15の外球面13のエッジ部と切欠き部13aのエッジ部が、ポケット18の円周方向に対向する二辺部18c,18dと接触する位置、つまり、ケージ17の端面から寸法Tだけ離隔した位置で(図6参照)、内輪15の外球面部19とポケット18の二辺部18c,18dとの二つの接触点X,Yの距離L〔図7(a)参照〕が、従来品におけるケージ117のポケット118の円周方向に対向する二辺部118c,118dと内輪115の外球面部119との二つの接触点M,Nの距離A〔図7(b)参照〕よりも長くする必要がある。この条件を満足すれば、短辺部18aの円周方向寸法が従来品のポケット118の辺部118a,118bの円周方向寸法Aよりも小さくなってもよい。
なお、短辺部18aと長辺部18bを有する台形のポケット18は、ケージ17に形成された複数のポケット18のうち、少なくとも一つあればよい。一つのポケット18を短辺部18aと長辺部18bを有する台形とした場合、そのケージ17に内輪15を組み付けるに際して、そのポケット18に対して落とし込む内輪15の外球面部19を位置合わせする必要がある。一方、前述した実施形態のように、全てのポケット18を短辺部18aと長辺部18bを有する台形とした場合には、内輪15のケージ17への組み付け時、ポケット18に対して落とし込む内輪15の外球面部19を位置合わせする必要がないので、組み付け作業性の向上が図れる。
また、ケージ17のポケット18の形状は、前述した実施形態のような台形〔図8(a)参照〕に限らず、軸方向に短辺部18aと長辺部18bを有するような他の形状〔図8(b)〜(d)参照〕でも可能である。図8(a)は側辺部18c,18dが軸方向に対して傾斜角θを有する台形のポケット18、同図(b)は側辺部18c,18dが曲率半径Rを有する形状のポケット18、同図(c)は側辺部18c,18dがその軸方向のある位置から軸方向に対して傾斜角θを有し、かつ、残りが軸方向に平行な形状のポケット18、同図(d)は側辺部18c,18dがその軸方向のある位置から曲率半径Rを有し、かつ、残りが軸方向に平行な形状のポケット18をそれぞれ示している。
これら各種形状を有するポケットを組み合わせて配列させたパターン例(ケージ展開図)を図9(a)〜(c)に示す。同図(a)では、図8(a)に示す台形のポケット18を全て同一方向に向けて配列させたケージ17を示す。また、同図(b)では、図8(a)に示す台形のポケット18を交互に向きを変えて配列させたケージ17を示す。さらに、同図(c)では、図8(a)〜(d)の形状を有するポケット18を順に配列させたケージ17を示す。これら各種形状を有するポケット18の組み合わせおよび配列は、図示したものに限らず、様々なパターンが可能である。
このケージ17を外輪12に組み込むに際しては、外輪12に対して、ポケット18の短辺部18aが外輪12の開口側となるように配置することが好ましい。等速自在継手においてトラックオフセットを設けていることにより、一対のトラック溝11,14でもって外輪12の開口側に向けて径方向間隔が徐々に増加する楔状のボールトラックが形成される。これにより、ケージ17のポケット18に収容されたボール16は、トルク負荷時、楔状のボールトラックが角度α(ボール16とトラック溝11の接線と、ボール16とトラック溝14の接線とがなす角度)で開く方向、つまり、外輪12の開口側に向けて負荷を受けることになる(図1の白抜き矢印参照)。そのため、負荷を受ける外輪12の開口側にポケット18の短辺部18aを配置すれば、その短辺部18a側の柱部の円周方向寸法が長辺部18b側の柱部の円周方向寸法よりも大きいことから、負荷に対するケージ強度を確保することが容易となる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明の実施形態で、アンダーカットフリー型等速自在継手の全体構成を示す縦断面図である。 図1の等速自在継手の構成部品である内輪を示す側面図である。 (a)は図1の等速自在継手の構成部品であるケージ(本発明品)を示す正面図、(b)は従来の等速自在継手の構成部品であるケージ(従来品)を示す正面図である。 図1の等速自在継手の内輪をケージに組み付ける状態を示す正断面図である。 図4の左側断面図である。 図4の底面図である。 (a)は本発明品のケージのポケットに内輪を落とし込んだ状態を示す要部断面図、(b)は従来品のケージのポケットに内輪を落とし込んだ状態を示す要部断面図である。 (a)〜(d)は本発明品のケージのポケットの各種形状を示す平面図である。 (a)〜(c)は本発明品のケージのポケットの各種配列パターンを示す平面図である。
符号の説明
10 内球面
11 トラック溝
12 外側継手部材(外輪)
13 外球面
14 トラック溝
15 内側継手部材(内輪)
16 ボール
17 ケージ
18 ポケット
18a 一方の辺部
18b 他方の辺部
19 外球面部
A 一方の辺部の円周方向寸法
B 他方の辺部の円周方向寸法

Claims (5)

  1. 一端が開口し、内球面に軸方向に延びる複数のトラック溝が形成された外側継手部材と、外球面に前記外側継手部材のトラック溝と対をなして軸方向に延びる複数のトラック溝が形成され、複数の外球面部が円周方向に配設された内側継手部材と、前記外側継手部材のトラック溝と内側継手部材のトラック溝との間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、前記外側継手部材の内球面と内側継手部材の外球面との間に介在してボールを保持するポケットが円周方向に形成されたケージとを備え、前記ケージの少なくとも一つのポケットは、軸方向に対向する二辺部のうち、一方の辺部の円周方向寸法よりも他方の辺部の円周方向寸法を大きくした形状を有することを特徴とする固定式等速自在継手。
  2. 前記ケージは、外側継手部材に対して、ポケットの円周方向寸法を他方の辺部よりも小さくした一方の辺部が前記外側継手部材の開口側となるように配置した請求項1に記載の固定式等速自在継手。
  3. 前記ボールの個数を5〜8とした請求項1又は2に記載の固定式等速自在継手。
  4. 前記外側継手部材および内側継手部材は、軸方向の縦断面が単一の円弧面形状を有するトラック溝が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定式等速自在継手。
  5. 前記外側継手部材および内側継手部材は、軸方向と平行な直線部分を有するトラック溝が形成されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定式等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010190265A (ja) * 2009-02-16 2010-09-02 Jtekt Corp ボール型等速ジョイント

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