JP2008255325A - プロピレン系樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

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昌和 鈴木
Manami Toda
麻奈美 戸田
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浩樹 河合
Yasuhiro Yaso
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Abstract

【課題】日本薬局方 一般試験の規格を満足し、優れた耐熱性、剛性、耐衝撃性、射出成形性、透明性、ガスバリヤー性を有するプロピレン系樹脂組成物およびその成形品を提供する。
【解決手段】(a)MFRが2〜80g/10分、且つ全エチレン含有量が0.5〜12重量%、エチレン−プロピレンブロック共重合体中に占めるエチレン・プロピレン共重合体セグメント量が1〜30重量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜99重量部と、(b)MFRが2〜120g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、(c)下記一般式(1)で示される造核剤(A)が0.005〜0.3重量部配合されていることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物などを提供した。
(CONHR …(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系樹脂組成物およびその成形品に関し、さらに詳しくは剛性と耐衝撃性、耐熱性、透明性のバランスに優れ、且つ医療用途向け薬剤、薬液保存容器のうち、特に、第14改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目をすべて満足するプロピレン系樹脂組成物およびその成形品に関する。
プロピレン系重合体は、その優れた安全衛生性や成形加工性、力学特性、ガスバリヤー性の特徴を生かし、各種の医療器具に使用されている。特に近年、高レベルの安全衛生性が求められる薬剤や薬液の保存容器として、アンプルやバイアルの代替容器用材としての活用が散見されるようになってきており、その用途向け材料開発が行われてきた(例えば、特許文献1参照。)。
これら保存容器向けの樹脂では、保存容器としての剛性、耐衝撃性、透明性や蒸気滅菌時の耐熱性、耐失透性、耐添加剤抽出性が求められ、水蒸気や酸素のガスバリヤー性が維持されることや、使用添加剤が保存薬剤、薬液に相互作用を及ぼさないことが必要であり、具体的には、第14改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目をすべて満足することが必須要件である。
プロピレン系重合体は、剛性や耐熱性、ガスバリヤー性の点ではプロピレン単独重合体が、透明性や耐衝撃性の点ではエチレン−プロピレンランダム共重合体が、耐熱性、耐衝撃性ではエチレン−プロピレンブロック共重合体が好適であり、状況に応じて適宜選択的に用いられているが、保存容器に用いる場合、プロピレン単独重合体では、耐衝撃性の点において、十分な性能を発揮させることが困難あり、エチレン−プロピレンランダム共重合体では、蒸気減滅菌時における耐熱性が十分ではなく、変形してしまう問題があり、エチレン−プロピレンブロック共重合体では、透明性の点において、十分な性能を発揮させることが困難であった。
したがって、保存容器として主となる性能の最適化を、造核剤や中和剤などを種々組み合わせた添加剤配合に頼らざるを得なかった。
しかしながら、例えば、ソルビトール系透明造核剤を用いた場合には、耐添加剤抽出性や局方試験を満足せず、これらの用途には不適であり、アルミ系や有機リン酸系合成造核剤を添加したものは、透明性の発現が十分でなかったり、また、添加量を増やすと、局方試験の強熱残分に満足すべき結果が得られなかった。
局方試験に合格する必要のある医療用途の例としては、薬液をあらかじめ充填してなるプレフィルドシリンジやキット製剤などが挙げられる。
この薬液をあらかじめ充填してなるキット製剤をポリプロピレンで製造する事を検討し始めたのは、1980年代半ば頃からで(例えば、特許文献2参照。)、近年、プロピレン系重合体と、特定の造核剤とからなる透明な注射筒又は透明な容器に薬剤液を充填してなる製剤(例えば、特許文献3参照。)に関する検討がなされている。
また、プレフィルドシリンジなどの製品は、輸送したり使用する時に、衝撃が加わり、製品が破損してしまう問題が従来から挙げられており、より耐衝撃性の高い材料が求められてきた。
しかしながら、高い透明性と耐衝撃性があり、局方試験に合格し、しかも、薬剤、薬液の保存容器として満足できる耐熱性や剛性、成形性などを有する成形品が得られていないのが現状であった。
特開平1−178541号公報 特開昭62−194866号公報 特開平5−222078号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、第14改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目の規格を満足し、かつ、優れた耐熱性、剛性、耐衝撃性、射出成形性、透明性、ガスバリヤー性を有するプロピレン系樹脂組成物およびその成形品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のエチレン−プロピレンブロック共重合体と特定のポリエチレンとを特定量配合した重合体混合物に対し、特定の造核剤を特定量用いたプロピレン系樹脂組成物が耐熱性、剛性、耐衝撃性、射出成形性、透明性、ガスバリヤー性に優れ、且つ日本薬局方の試験項目の規格を満足する樹脂組成物になり得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(a)ポリプロピレンセグメントとエチレン・プロピレン共重合体セグメントとからなるエチレン−プロピレンブロック共重合体であって、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜80g/10分、且つ全エチレン含有量が0.5〜12重量%、エチレン−プロピレンブロック共重合体中に占めるエチレン・プロピレン共重合体セグメント量が1〜30重量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜99重量部と、(b)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜120g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、(c)下記一般式(1)で示される造核剤(A)が0.005〜0.3重量部配合されていることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
(CONHR …(1)
[式中、Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、重合体混合物100重量部に対し、さらに、0.005〜0.3重量部の下記一般式(2)で示される造核剤(B)、0.005〜0.15重量部の下記一般式(3)で示される造核剤(C)、又は0.005〜0.15重量部の下記式(4)で示される造核剤(D)から選ばれる少なくとも1種の造核剤が配合されていることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
Figure 2008255325
[式中、Rは、直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基若しくはアルキリデン基であり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、MはNaであり、nはMの価数である。]
Figure 2008255325
[式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは、周期律表第III族又は第IV族の金属原子を示し、Xは、Mが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。]
Figure 2008255325
[式中、MおよびMは、同一又は異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウム又は一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一又は異なって、水素、C〜Cアルキル(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキレンオキシ、アミン及びC〜Cアルキルアミン、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素および沃素)並びにフェニルからなる群からそれぞれ選択される。]
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、造核剤(A)が下記一般式(5)で示される少なくとも一種のアミド系化合物であることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
Figure 2008255325
[式中、Rは、炭素数3〜10の3価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数4〜10の4価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数5〜15の3価若しくは4価の飽和脂環族炭化水素基、又は炭素数6〜15の3価若しくは4価の芳香族炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
また、本発明の第4の発明によれば、第1又は2の発明において、造核剤(A)が下記式(6)で示される少なくとも一種のアミド系化合物であることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
Figure 2008255325
[式中、Rは、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、ポリエチレンは、密度が0.860〜0.915g/cmであることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5のいずれかの発明において、ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いて重合され、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5未満であることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
さらに、本発明の第7の発明によれば、第1〜6のいずれかの発明において、重合体混合物100重量部に対し、さらに、滑剤が0.001〜0.5重量部配合されていることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物が提供される。
本発明の第8の発明によれば、第1〜7のいずれかの発明に係るプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる成形品が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第8の発明において、キット製剤であることを特徴とする成形品が提供される。
さらに、本発明の第10の発明によれば、第9の発明において、キット製剤がプレフィルドシリンジであることを特徴とする成形品が提供される。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、特定のエチレン−プロピレンブロック共重合体に特定のポリエチレンを配合したことにより、材料のモルフォロジーが変化し、耐衝撃性良好な重合体混合物となる上、更に、特定の造核剤を特定量配合して、剛性と透明性をバランス良く向上し、優れた耐熱性、ガスバリヤー性を保持する組成物であり、また、合格基準の厳しい第14改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目の規格を満足する。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、(a)ポリプロピレンセグメントとエチレン・プロピレン共重合体セグメントとからなるエチレン−プロピレンブロック共重合体であって、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜80g/10分、ポリプロピレンセグメントの立体規則性が0.960以上、且つ全エチレン含有量が0.5〜12重量%、エチレン−プロピレンブロック共重合体中に占めるエチレン・プロピレン共重合体セグメント量が1〜30重量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜99重量部と、(b)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜120g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、(c)前記一般式(1)で示される造核剤(A)が0.005〜0.3重量部配合されていることを特徴とするものである。
以下、プロピレン系樹脂組成物を構成する成分、樹脂組成物の製造方法、成形品について、詳細に説明する。
[I]プロピレン系樹脂組成物の構成成分
1.エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いる(a)エチレン−プロピレンブロック共重合体(以下、ブロック共重合体(a)ということがある。)は、ポリプロピレンセグメント(以下、ホモ部ということがある。)とエチレン・プロピレン共重合体セグメントとから基本的に構成された重合体混合物であって、必要に応じて、さらに、ポリエチレンセグメントが共存していてもよい。ポリプロピレンセグメントは、結晶性であって、ブロック共重合体(a)に剛性等の機械強度の付与に寄与している。エチレン・プロピレン共重合体セグメントは、ゴム的な性質を有しており、ブロック共重合体(a)にゴム部分を形成し、耐衝撃性の付与に寄与している。
また、ブロック共重合体(a)中に占めるポリプロピレンセグメントは、70〜99重量%が好ましく、より好ましくは86〜98重量%であり、エチレン・プロピレン共重合体セグメントは、1〜30重量%が好ましく、より好ましくは2〜14重量%である。この範囲にあると、樹脂組成物の諸機械的な物性向上に適している。
ブロック共重合体(a)の230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)は、2〜80g/10分、好ましくは7〜13g/10分である。この範囲にあると、樹脂組成物の剛性と耐衝撃性、成形温度に由来する高生産速度に適した樹脂組成物を与え、MFRが2g/10分未満では、成形が困難になり、一方、80g/10分を超えると、良好な耐衝撃性が得られなくなる。
ここで、230℃におけるMFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定する値である。
また、ホモ部の立体規則性は、0.960以上が好ましく、0.965以上がさらに好ましい。立体規則性が0.960未満では、剛性および熱変形温度が低下しやすくなる傾向があり、成形時に成形品が変形しやすくなる恐れがある。
ここで、立体規則性は、13C−NMR法で測定する値である。
さらに、ブロック共重合体(a)中の全エチレン含有量は、0.5〜12重量%であり、好ましくは2〜9重量%である。この範囲にあると、樹脂組成物の耐衝撃性に適している。全エチレン含有量が0.5重量%未満であると、耐衝撃性が不十分であり、一方、12重量%を超えると、剛性が不十分となる。
ここで、エチレン含有量は、IR法で測定する値である。
このようなブロック共重合体(a)は、オレフィンの立体規則性重合触媒の存在下に、プロピレンの単独重合、次いでプロピレンとエチレンとの共重合、必要に応じてエチレンの単独重合を行う、いわゆる多段重合法を採用することによって、製造することができる。また、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンとの共重合体、必要に応じてエチレン単独重合体を機械的に溶融混練りすることによっても、製造することができる。
本発明で用いられるブロック共重合体(a)を得るために用いられる触媒としては、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウムを組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022号公報等に記載)が使用できる。本発明では、剛性、耐衝撃性のバランスが良いプロピレン系ブロック共重合体が特に好ましいため、一般的に立体規則性の高いチーグラー・ナッタ触媒がより好ましい。また、メタロセン触媒を用いて製造したブロック共重合体(a)は、ポリエチレン(b)がメタロセン触媒を用いて製造した低密度ポリエチレンである場合、相溶性が良く、より好ましい。
2.ポリエチレン(b)
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いられるポリエチレン(b)は、密度が0.860〜0.940g/cmのポリエチレンであって、エチレン単独重合体でも構わないが、ポリエチレン(b)の30wt%以下、好ましくは15〜25wt%の他のα−オレフィンとを共重合させた重合体を用いると、耐衝撃性が良好となる。他のα−オレフィンの例としては、プロパン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができる。
また、分子量分布の幅の指標である(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は、7.0未満が良く、好ましくは3.5未満で、更に好ましくは3.0未満であると、剛性と耐衝撃性の物性バランスが良好となる。尚、(重量平均分子量)/(数平均分子量)の値は、一般的なGPCにより測定することができる。
ここで、(重量平均分子量)/(数平均分子量)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で定義されるものである。Mw/Mnの測定方法は、以下の通りである。
装置:ウオーターズ社製GPC 150C型
検出器:MIRAN 1A赤外分光光度計(測定波長、3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S 3本
[カラムの較正は、東ソー製単分散ポリスチレン(A500,A2500,F1,F2,F4,F10,F20,F40,F288の各0.5mg/ml溶液)の測定を行い、溶出体積と分子量の対数値を2次式で近似した。]
測定温度:140℃
注入量:0.2ml
濃度:20mg/10mL
溶媒:オルソジクロロベンゼン
流速:1.0ml/min
また、試料の分子量は、ポリスチレンとポリエチレンの粘度式を用いてポリエチレンに換算した。ここでポリスチレンの粘度式の係数は、α=0.723、logK=−3.967であり、ポリエチレンは、α=0.723、logK=−3.407である。
ポリエチレン(b)の230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、2〜120g/10分、好ましくは6〜80g/10分である。この範囲にあると、樹脂組成物を構成するブロック共重合体(a)とポリエチレン(b)との混合具合が良く、透明性に優れたバランスのとれた樹脂組成物を得ることができる。ポリエチレン(b)のMFRが2g/10分未満、または120g/10分を超えると、ブロック共重合体(a)への分散が悪くなり、安定した組成物が得られなくなる。
ここで、230℃におけるMFRは、JIS K7210に準拠して230℃、2.16kg荷重下で測定した値である。
また、ポリエチレン(b)をエチレン−プロピレンブロック共重合体(a)に混合すると、エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)のエチレン・プロピレン共重合体セグメント部にポリエチレン(b)が取り込まれることにより、エチレン・プロピレン共重合体セグメント部のMFRを変化させることができる。その際、ホモ部とのMFR差が小さくなると、エチレン・プロピレン共重合体セグメント部は、ホモ部に対して引き伸ばされたマトリックスとして分散する傾向がある。該セグメント部がより伸ばされた状態になる程、透明性が良好になりやすいので、ポリエチレン(b)は、ホモ部とエチレン・プロピレン共重合体セグメント部とのMFR差が小さくなるものを使用することが望ましい。
具体的には、ポリエチレン(b)を混合した後のエチレン・プロピレン共重合体セグメント部のMFR/ホモ部のMFRは、0.1〜2.2が好ましく、0.2〜1.8がさらに好ましく、0.3〜1.4が特に好ましい。
ポリエチレン(b)を混合した後のエチレン・プロピレン共重合体セグメント部のMFR(x)の計算は、ポリエチレン(b)を混合した後のエチレン・プロピレン共重合体セグメント部の割合を1とした場合、ポリエチレン(b)の割合をQとし、ポリエチレン(b)のMFRをy、エチレン・プロピレン共重合体セグメント部の割合を(1−Q)、エチレン・プロピレン共重合体セグメント部のMFRをzとすると、(1−Q)logz+Qlogy=logxとなり、この式から導きだせる。
同様に、他のプロピレン系重合体を混合した後のポリプロピレンセグメント部のMFR(x)の計算は、他のプロピレン系重合体を混合した後のポリプロピレンセグメント部の割合を1とした場合、他のプロピレン系重合体の割合をQとし、他のプロピレン系重合体のMFRをy、ポリプロピレンセグメント部の割合を(1−Q)、ポリプロピレンセグメント部のMFRをzとすると、(1−Q)logz+Qlogy=logxとなり、この式から導きだせる。
また、ポリエチレン(b)の密度は、0.860〜0.940g/cmであり、好ましくは0.860〜0.925g/cmであり、さらに好ましくは0.860〜0.915g/cmである。密度が0.860g/cm未満であると、剛性が不十分であり、一方、0.940g/cmを超えると、透明性が悪くなる。また、樹脂組成物に、密度が低いポリエチレンを添加したほうがより透明性および耐衝撃性に優れる。
ここで、密度は、JIS K7112に準拠して測定する値である。
このようなポリエチレン(b)は、オレフィンの立体規則性重合触媒を用い、分子量調整を図りつつ、エチレンおよび必要に応じて他のα−オレフィンを共存させて重合することによって、製造することができる。具体的には、ポリエチレン(b)は、オレフィンの立体規則性重合触媒として、チーグラー触媒、フィリップス触媒、メタロセン触媒等の触媒を使用して、気相法、溶液法、高圧法、スラリー法等のプロセスで、エチレンと、必要に応じてプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等のα−オレフィンとを共重合させて製造することができるが、特に、(重量平均分子量)/(数平均分子量)を小さく、密度を低くするには、オレフィンの立体規則性重合触媒として、メタロセン触媒を用いて、高圧法又は溶液法で製造されることが望ましい。
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いるポリエチレン(b)は、本発明の効果を損なわない範囲で、1種または2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明のプロピレン系樹脂組成物に用いるポリエチレン(b)は、市販品としては、日本ポリエチレン(株)製のノバテックLLシリーズやハーモレックスシリーズ、カーネルシリーズ、三井化学(株)製のタフマーPシリーズやタフマーAシリーズ、(株)プライムポリマー製のエボリューシリーズ、住友化学(株)製のスミカセンE、EPシリーズ、エクセレンGMHシリーズなどが例示できる。
また、メタロセン触媒を用いて重合されたポリエチレン(b)としては、日本ポリエチレン(株)製のハーモレックスシリーズ、カーネルシリーズ、プライムポリマー製のエボリューシリーズ、住友化学(株)製のエクセレンFXシリーズ等が例示できる。
3.エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)およびポリエチレン(b)の配合割合
本発明のプロピレン系樹脂組成物における、エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)とポリエチレン(b)の配合割合は、エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)が60〜99重量部、ポリエチレン(b)が40〜1重量部であり、好ましくは、エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)が80〜95重量部、ポリエチレン(b)が20〜5重量部である。この範囲内であると、耐衝撃性が優れる樹脂組成物となる。
また、本発明で用いられる重合体混合物には、エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)およびポリエチレン(b)の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、プロピレン単独重合体、あるいはプロピレンとα−オレフィンとのランダムもしくはブロック共重合体を使用することができる。ここで、共重合成分のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
4.造核剤
本発明に用いられる造核剤は、一般式(1)で示される造核剤(A)である。また、本発明に好ましく用いられる造核剤としては、一般式(2)〜(4)で示される造核剤(B)〜(D)を挙げることができる。
造核剤(A)は、一般式(1)で示されるアミド系化合物であり、中でも、一般式(5)で示されるアミド系化合物が好ましく、一般式(6)で示されるアミド系化合物がより好ましい。
(CONHR …(1)
[式中、Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
Figure 2008255325
[式(5)中、Rは、炭素数3〜10の3価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数4〜10の4価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数5〜15の3価もしくは4価の飽和脂環族炭化水素基、又は炭素数6〜15の3価もしくは4価の芳香族炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
Figure 2008255325
[式(6)中、Rは、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸[(シクロヘキシルアミド)ジ(2−メチルシクロヘキシルアミド)]、1,2,3−プロパントリカルボン酸[ジ(シクロヘキシルアミド)(2−メチルシクロヘキシルアミド)]、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ペンチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘキシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ヘプチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−オクチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ[4−(2−エチルヘキシル)シクロヘキシルアミド]、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ノニルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−デシルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸[ジ(シクロヘキシルアミド)ジ(2−メチルシクロヘキシルアミド)]等が挙げられる。
上記アミド系化合物の中でも、特に造核作用(核剤効果)の観点から、一般式(5)もしくは(6)におけるRが水素原子又は炭素数1〜4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であるアミド系化合物が好ましい。
具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、 1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(シクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−エチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−エチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−プロピルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−n−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−n−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−iso−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−sec−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−tert−ブチルシクロヘキシルアミド)等が挙げられる。
これら好ましいアミド系化合物の中でも、特に透明性・剛性のバランス及び原料入手の容易性の観点から、一般式(5)もしくは(6)におけるRが水素原子又はメチル基であるアミド系化合物が特に好ましい。具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラシクロヘキシルアミド、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラ(4−メチルシクロヘキシルアミド)などが例示される。
また、透明性の改良効果を重視する場合には、一般式(1)、(5)もしくは(6)におけるRが1,2,3−プロパントリカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基であるアミド系化合物が特に好ましい。具体的には、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリシクロヘキシルアミド、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(2−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(3−メチルシクロヘキシルアミド)、1,2,3−プロパントリカルボン酸トリ(4−メチルシクロヘキシルアミド)などが挙げられる。
上記のアミド系化合物は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる造核剤(A)の結晶形態は、本発明の効果が得られる限り、特に限定されず、六方晶、単斜晶、立方晶等の任意の結晶形態が使用できる。これらの結晶も公知であるか又は公知の方法に従い製造できる。
本発明に用いられる造核剤(A)は、実質的に純度100%のものが好ましいが、若干不純物を含むものであってもよい。不純物を含有する場合であっても、当該造核剤(A)の純度は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、特に97重量%以上が推奨される。不純物としては、反応中間体又は未反応体由来のモノアミドジカルボン酸若しくはそのエステル化合物、ジアミドモノカルボン酸若しくはそのエステル化合物、副反応体由来のイミド化合物などが例示される。
但し、結晶化速度を制御するなどの目的で、下記式(7)にて表される少なくとも一種の脂肪酸金属塩を、造核剤(A):式(7)の脂肪酸金属塩の重量比が100:0〜30:70の配合割合にて、本発明の効果を阻害しない範囲で使用しても構わない。
(RCOO)M …(7)
[式中、Rは、分子内に1個以上の水酸基を有していてもよい炭素数8〜32の飽和若しくは不飽和の脂肪族モノカルボン酸からカルボキシル基を除いて得られる残基を表す。nは、1又は2の整数を表し、n=2の場合、2個のRは、同一又は異なっていてもよい。Mは、1価又は2価の金属を表す。]
本発明に用いられる造核剤(A)の製造方法は、特に限定はなく目的の造核剤(A)が得られればよい。例えば、特定の脂肪族ポリカルボン酸成分と特定の脂環式モノアミン成分とから従来公知の方法(例えば、特開平7−242610号公報など)に従って、製造することができる。
上記脂肪族ポリカルボン酸成分としては、1,2,3−プロパントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、該ポリカルボン酸の酸塩化物や無水物、該ポリカルボン酸と炭素数1〜4の低級アルコールとのエステル等の誘導体等が例示される。これら脂肪族ポリカルボン酸成分は、単独で、又は2種を混合してアミド化に供することができる。
上記脂環式モノアミン成分は、シクロヘキシルアミン及び炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基で置換されたシクロヘキシルアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であり、単独で又は2種以上を混合してアミド化に供することができる。
具体的には、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンのメチルシクロヘキシルアミン、2−エチルシクロヘキシルアミン、2−n−プロピルシクロヘキシルアミン、2−iso−プロピルシクロヘキシルアミン、2−n−ブチルシクロヘキシルアミン、2−iso−ブチルシクロヘキシルアミン、2−sec−ブチルシクロヘキシルアミン、2−tert−ブチルシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
上記のアルキル基で置換されたシクロヘキシルアミンは、シス体、トランス体及びこれら立体異性体の混合物のいずれであってもよい。好ましいシス体:トランス体の比率としては、50:50〜0:100の範囲が好ましく、特に35:65〜0:100の範囲が好ましい。
本発明に用いられる造核剤(A)の粒径は、本発明の効果が得られる限り、特に限定されないが、溶融プロピレン系重合体に対する溶解速度(又は溶解時間)の観点から、できる限り粒径の小さいものが好ましい。レーザー回折光散乱法で得られる粒径の測定値を採用した場合、造核剤(A)の粒径としては、その最大粒径が200μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm、特に10μm以下が推奨される。
最大粒径を上記範囲内に調製する方法としては、この分野で公知の粉砕装置を用いる方法が一般的であり、必要に応じて公知の分級装置を用いることもできる。具体的には、粉砕装置として流動層式カウンタージェットミル100AFG(商品名、ホソカワミクロン社製)、超音速ジェットミルPJM−200(商品名、日本ニューマチック社製)、ピンミル等、分級装置として振動篩、乾式分級機(サイクロン、ミクロンセパレーターなど)等が例示される。
本発明に用いられる造核剤(A)は、得られる成形品に優れた透明性を与え、得られる成形品からの溶出性が極めて少ないという特性を有し、合格基準の厳しい第14改正日本薬局方試験に合格し得る数少ない造核剤である。
本発明に用いられる造核剤(A)の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.005〜0.3重量部の範囲で用いられる。0.005重量部未満では、十分な効果が得られ難く、一方、0.3重量部を超えて用いると、さらなる性能の向上が期待できず、不経済であるばかりか第14改正日本薬局方試験の過マンガン酸カリウム還元性物質の項目で不合格となる。0.01〜0.25重量部が好ましく、0.02〜0.2重量部がさらに好ましい。
本発明のプロピレン系樹脂組成物には、造核剤(A)を配合したうえで、さらに、一般式(2)〜(4)で示される造核剤(B)〜(D)の少なくとも1種類が配合されていても良い。造核剤(B)〜(D)を単独、又は複数併用させることにより、透明性や剛性、成形性などを、さらに向上させることができる。
造核剤(B)は、下記一般式(2)で示される有機リン酸金属塩化合物である。
Figure 2008255325
[式(2)中、Rは、直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基又はアルキリデン基であり、R及びRは、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、MはNaであり、nはMの価数である。]
一般式(2)で表される有機リン酸金属塩化合物の具体例としては、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート、およびこれらの2種以上の混合物を例示することができる。これらのうち特に、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、旭電化工業(株)社製NA−11を挙げることができる。
造核剤(B)の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.005〜0.3重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.2重量部の範囲がより好ましい。0.005重量部未満では効果が得られず、0.3重量部を超える範囲は、更なる効果が得られないばかりか経済的にも好ましくない。
造核剤(C)は、一般式(3)で示される芳香族燐酸エステル類である。
Figure 2008255325
[式(3)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは、周期律表第III族または第IV族の金属原子を示し、Xは、Mが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。]
一般式(3)で表される芳香族燐酸エステル類の具体例としては、例えば、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]等が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびこれらの2種以上の混合物を例示することができる。
一般式(3)で表される芳香族燐酸エステル類は、有機アルカリ金属塩と併用させることが効果的である。
該有機アルカリ金属塩とは、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩からなる群より選択される少なくとも一種の有機アルカリ金属塩を示すことができる。
該有機アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
上記アルカリ金属カルボン酸塩を構成するカルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸、β−ドデシルメルカプト酢酸、β−ドデシルメルカプトプロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン酸、β−N−メチル−ラウロイルアミノプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、ナフテン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の脂環式モノ又はポリカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族モノ又はポリカルボン酸等が挙げられる。
上記アルカリ金属β−ジケトナートを構成するβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、ピバロイルアセトン、パルミトイルアセトン、ベンゾイルアセトン、ピバロイルベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等が挙げられる。
また、上記アルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩を構成するβ−ケト酢酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸ラウリル等が挙げられる。
該有機アルカリ金属塩の成分であるアルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート又はアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩は、各々上記アルカリ金属とカルボン酸、β−ジケトン化合物又はβ−ケト酢酸エステルとの塩であり、従来周知の方法で製造することができる。また、これら各アルカリ金属塩化合物の中でも、アルカリ金属の脂肪族モノカルボン酸塩、特に、リチウムの脂肪族カルボン酸塩が好ましく、とりわけ炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸塩が好ましい。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、旭電化工業(株)社製NA−21を挙げることができる。
造核剤(C)の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.005〜0.15重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.1重量部の範囲がより好ましい。0.005重量部未満では効果が得られず、一方、0.15重量部を超える範囲は、更なる効果が得られないばかりか経済的にも好ましくない。
造核剤(D)は、一般式(4)で示される造核剤である。
Figure 2008255325
[式(4)中、MおよびMは、同一または異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウム又は一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一または異なって、水素、C−Cアルキル(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、C−Cアルキレンオキシ、アミンおよびC−Cアルキルアミン、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素および沃素)並びにフェニルからなる群からそれぞれ選択される。]
ここで、「一塩基性アルミニウム」なる用語は周知であり、2つのカルボン酸基が結合した単一カチオンとしてアルミニウムヒドロキシド基を含むことを意図している。さらに、これら可能な塩のそれぞれにおいて、非対称炭素原子の立体配置は、シスまたはトランスのいずれでもよいが、シスが好ましい。
一般式(4)で表される造核剤は、凝集等を防止する目的で、他の化合物を混合して用いても差し支えない。
この様な造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、メリケン(株)社製ハイパフォームHPN68Lを挙げることができる。ハイパフォームHPN68Lの造核剤成分の構造を下記に示す。
Figure 2008255325
造核剤(D)の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.005〜0.15重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.1重量部の範囲がより好ましい。0.005重量部未満では効果が得られず、一方、0.15重量部を超える範囲は、局方試験に不合格になる場合がある。
本発明のプロピレン系樹脂組成物には、造核剤(A)〜(D)以外に、他の造核剤として、ソルビトール系造核剤、有機リン酸塩系造核剤および芳香族燐酸エステル類、タルクなど既知の造核剤を、本発明の効果を大きく阻害しない範囲で、添加することができる。
5.中和剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、中和剤を配合することが望ましい。中和剤の具体例としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの金属脂肪酸塩、ハイドロタルサイト(商品名:協和化学工業(株)の下記一般式(8)で表されるマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(下記一般式(9)で表されるリチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられる。特に、プレフィルドシリンジ、キット製剤、輸液バッグなど長期接液する部材として用いる場合には、接触する液体に溶出しないハイドロタルサイトやミズカラックが有利である。
Mg1−xAl(OH)(COx/2・mHO …(8)
[式中、xは、0<x≦0.5であり、mは3以下の数である。]
[AlLi(OH)X・mHO …(9)
[式中、Xは、無機または有機のアニオンであり、nはアニオン(X)の価数であり、mは3以下である。]
中和剤の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.005〜0.2重量部の範囲が好ましく、0.01〜0.05重量部の範囲がより好ましい。
6.滑剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、滑剤を配合することが望ましい。滑剤としては、既知の滑剤が挙げられるが、ステアリン酸ブチルやシリコーンオイルが好ましく、特にシリコーンオイルが良い。
具体的なシリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルヒドロジエンポリシロキサン、α−ωビス(3−ヒドロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、ポリオキシアルキレン(C〜C)ジメチルポリシロキサン、ポリオルガノ(C〜Cのアルキル基および/またはフェニル基)シロキサンとポリアルキレン(C〜C)グリコールの縮合物などが挙げられる。この中でもジメチルポリシロキサンとメチルフェニルポリシロキサンが好ましい。該滑剤は単独、又は複数用いても構わない。
ジメチルポリシロキサンなどのシリコーンを添加した場合、成形時に発生する傷を防止するだけでなく、シリンダー内やホットランナー内で発生する焼けを防止することができる。
滑剤の配合量は、重合体混合物100重量部に対し、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.15重量部がより好ましく、0.03〜0.1重量部が特に好ましい。0.001重量部未満では効果が期待できず、一方、0.5重量部を超えると、更なる効果が期待できないばかりか経済的に好ましくない。
7.その他の添加剤
本発明のプロピレン系樹脂組成物においては、上述した成分に加えて、プロピレン系重合体の安定剤などとして使用されている各種酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤としては、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ジ−ステアリル−ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等の光安定剤を挙げることができる。
さらに、放射線処理で変色がなく耐NOxガス変色性が良好な下記一般式(10)や下記一般式(11)で表されるアミン系酸化防止剤、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4 ジ−メチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−ワン等のラクトン系酸化防止剤、下記一般式(12)等のビタミンE系酸化防止剤を挙げることができる。
Figure 2008255325
Figure 2008255325
Figure 2008255325
さらに、その他に、帯電防止剤、スリップ剤、脂肪酸金属塩等の分散剤、高密度ポリエチレン、オレフィン系エラストマー等を本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
[2]プロピレン系樹脂組成物の製造方法
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、エチレン−プロピレンブロック共重合体(a)、およびポリエチレン(b)、造核剤(造核剤(A)と必要に応じて造核剤(B)〜(D)の少なくとも1種の混合物)および、必要に応じて他の添加剤とを、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等に投入して混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、プラベンダー、ロール等で190〜260℃の温度範囲で溶融混練することにより得ることができる。
[3]成形品
本発明の成形品は、上記のプロピレン系樹脂組成物を、公知の射出成形機により射出成形することにより得られる。
本発明の成形品としては、食品容器、キャップ、医療用器具、理化学実験器具、自動車部品、電気部品を挙げることができ、中でも、合格基準の厳しい第14改正 日本薬局方 一般試験 45.プラスチック製医薬品容器試験法 1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の試験項目をすべて満足し得ることから、注射筒、医療用器具および医療用容器、薬剤液を充填してなる注射筒および容器などに好適である。
具体的には、ディスポーザブルシリンジ及びその部品、カテーテル・チューブ、輸液バッグ、血液バッグ、真空採血管、手術用不織布、血液用フィルター、血液回路などのディスポーザブル器具や、人工肺、人工肛門などの人工臓器類の部品、ダイアライザー、プレフィルドシリンジ、キット製剤、薬剤容器、試験管、縫合糸、湿布基材、歯科用材料の部品、整形外科用材料の部品、コンタクトレンズのケース、PTP(PRESS THROUGH PACKAGE)、SP(STRIP PACKAGE)・分包、Pバイアル(プラスチックバイアル)、目薬容器、薬液容器、液体の長期保存容器、キャップなどを挙げることができる。
なお、本発明の成形品は、オートクレーブ滅菌、放射線滅菌、EOG滅菌など公知の滅菌処理を行っても良い。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例で用いた物性値の測定法、評価法、樹脂および添加剤は、以下の通りである。
1.物性値の測定法、評価法
(1)曲げ弾性率:
JIS K7203の「硬質プラスチックの曲げ試験方法」に準拠して23℃で測定した。
(2)アイゾット衝撃強度(IZOD衝撃):
ノッチ付きの試験片を用い、23℃にて、JIS K7203に準じて測定した(単位:KJ/m)。
(3)ヘイズ値:
厚さ1mmのシート片を用いて、JIS K7105に準拠して測定した。
(4)荷重たわみ温度(熱変形温度:HDT):
JIS K7207に準拠して荷重0.45MPaにて測定した。この温度が高い程、得られた成形品は、耐熱性に優れる。
(5)成形性:
成形性評価用の成形品(12cm×12cm×2.5mm板上に、厚み1mmの25mm×20mm×20mmの箱型が3×4並んでいる形状)を作成した。得られた成形品および成形品離型時の離型抵抗より、その成形性を評価した。
ここで、射出成形によって得られた成形品を金型から離型させる際の離型抵抗(離型しにくさ)が大きいと、過度の応力にてイジェクターピンを動かさなければならないため、成形品に割れや白化が発生する確率が高くなり、良質な成形品を得られにくく、不良率が高くなってしまう。また、そのような状況下でイジェクターピンを高速で動かすと、なおいっそう割れや白化が発生する確率が高くなるため、成形品を金型から離型させる速度を遅くしなければならなくなり、成形サイクルの低下を招いてしまう。
上述のような理由により、成形品の離型抵抗が大きい(離形性が悪い)と成形性が悪くなるため、成形品の離型抵抗を測定し、成形性の評価を行った。なお、離型抵抗が小さいほど金型から成形品が離型しやすく(成形性が良い)、逆に、離型抵抗が大きいほど金型から成形品が離型しにくい(成形性が悪い)ということを示している。
(6)第14改正 日本薬局方一般試験(日本薬局方試験):
45.プラスチック製薬品容器試験法(プラスチック製水性注射剤容器)の1.ポリエチレン製又はポリプロピレン製水性注射剤容器の項の試験法に従って、透明性、重金属、鉛、カドミウム、強熱残分、泡立ち、PH、過マンガン酸カリウム還元性物質、紫外吸収スペクトル、蒸発残留分を測定した。
但し、試料調製は、0.5ミリ厚で表面積1200cmに相当する重量のペレットを秤量し、220℃でプレスしてシート片として、長さ約5センチ、幅約0.5センチの大きさに細断し、水で洗った後、室温で乾燥した。これを内容積約300mlの硬質ガラス製容器に入れ、水200mlを正確に加え、適当な栓で密封した後、高圧蒸気滅菌器を用いて121℃で1時間加熱した後、室温になるまで放置し、この内溶液を試験液とし、別に水につき、同様の方法で空試験液を調製した。
2.樹脂、添加剤
(A−1)エチレン−プロピレンブロック共重合体(a):エチレン含有量2.4wt%、エチレン・プロピレン共重合体セグメント4wt%、MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)10g/10分、エチレン・プロピレン共重合体セグメントのMFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)0.2g/10分、ポリプロピレンセグメントのMFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)12g/10分、ホモ部立体規則性0.970
(A−1の製造方法):
(i)固体触媒成分(a)の製造 窒素置換した内容積50リットルの撹拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで、塩化マグネシウム10モルとテトラブトキシチタン20モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)12リットルを導入して、更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、上記で合成した固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入した。次いで、n−ヘプタン2.5リットルに、四塩化珪素5モルを混合して30℃、30分間かけて導入して、温度を70℃に上げ、3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
さらに、引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン2.5リットルを導入し、フタル酸クロライド0.3モルを混合して90℃、30分間で導入し、95℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、室温下四塩化チタン2リットルを追加し、100℃に昇温した後2時間反応した。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化珪素0.6リットル、n−ヘプタン8リットルを導入し90℃で1時間反応し、n−ヘプタンで十分洗浄し、固体成分を得た。この固体成分中にはチタンが1.30重量%含まれていた。
次に、窒素置換した前記撹拌機付槽にn−ヘプタン8リットル、上記で得た固体成分を400gと、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン0.27モル、ビニルトリメチルシラン0.27モルを導入し、30℃で1時間接触させた。次いで15℃に冷却し、n−ヘプタンに希釈したトリエチルアルミニウム1.5モルを15℃条件下30分かけて導入、導入後30℃に昇温し、2時間反応させ、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体触媒成分(a)390gを得た。
得られた固体触媒成分(a)中には、チタンが1.22重量%含まれていた。
更に、n−ヘプタンを6リットル、n−ヘプタンに希釈したトリイソブチルアルミニウム1モルを15℃条件下30分かけて導入し、次いで、プロピレンを20℃を越えないように制御しつつ約0.4kg/時間で1時間導入して予備重合した。その結果、固体1g当たり0.9gのプロピレンが重合したポリプロピレン含有の固体触媒成分(a)が得られた。
(ii)プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造
内容積230リットルの流動床式反応器を2個連結してなる連続反応装置を用いて、重合を行った。
まず、第1反応器で、重合温度85℃、プロピレン分圧22kg/cm(絶対圧)、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.013となるように連続的に供給するとともに、トリエチルアルミニウムを5.25g/hrで、固体触媒成分(a)として、上記記載の触媒をポリマー重合速度が20kg/hrになるように供給した。第1反応器で重合したパウダー(結晶性プロピレン重合体)は、反応器内のパウダー保有量を60kgとなるように、連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に移送した(前段重合工程)。
重合温度80℃で、圧力1.5MPaになるように、プロピレンとエチレンをエチレン/プロピレンのモル比で1.15となるように、連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.010となるように連続的に供給すると共に、活性水素化合物としてエチルアルコールを、トリエチルアルミニウムに対して3.0倍モルになるように供給した。第2反応器で重合したパウダーは、反応器内のパウダー保有量を40kgとなるように連続的にベッセルに抜き出し、水分を含んだ窒素ガスを供給して反応を停止させ、プロピレン・エチレンブロック共重合体を得た(後段重合工程)。得られたプロピレン・エチレンブロック共重合体を(A−1)とした。
(A−2)プロピレン単独共重合体:MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)10g/10分、立体規則性0.970(日本ポリプロ(株)社製ノバテックMA3)
(A−3)エチレン−プロピレンランダム共重合体:エチレン含有量2.5wt%、MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)8g/10分(日本ポリプロ(株)社製ノバテックMG3F)
(B−1)メタロセン系低密度ポリエチレン(b):密度(JIS K7112)0.907g/cm、MFR(JIS K7210,230℃、2.16kg荷重)24g/10分、(Mw/Mn)2.4。(日本ポリエチ(株)社製カーネルKS571)
(B−2)メタロセン系低密度ポリエチレン(b):密度(JIS K7112)0.905g/cm、MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)7.0g/10分、(Mw/Mn)2.3。(日本ポリエチ(株)社製カーネルKF370)
(B−3)チーグラーナッタ系高密度ポリエチレン:密度(JIS K7112)0.964g/cm、MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)14.0g/10分、(Mw/Mn)4.6。(日本ポリエチ(株)社製ノバテックHJ560)
(B−4)チーグラーナッタ系低密度ポリエチレン(b):密度(JIS K7112)0.923g/cm、MFR(JIS K7210、230℃、2.16kg荷重)7.2g/10分、(Mw/Mn)6.6 (日本ポリエチ(株)社製ノバテックLC520)
(C−1)1,2,3−プロパントリカルボン酸トリス(2−メチルシクロヘキシルアミド):造核剤(A)に相当
(C−2)NA−11:有機リン酸金属塩化合物系造核剤(旭電化工業(株)製):造核剤(B)に相当
(C−3)ゲルオールMD:ソルビトール系造核剤(新日本理化(株)製):造核剤(A)〜(D)のいずれにも相当しない造核剤
(D−1)リン系酸化防止剤:トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノール)フォスファイト
(D−2)ヒンダードアミン系酸化防止剤:コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物
(E)DHT−4A:ハイドロタルサイト(協和化学工業(株)製)
(F)シリコーンオイル:Dowcorning360Medical Fluid(シリコーン)−1000 東レ・ダウコーニング(株)製
(実施例1〜6、比較例1〜7)
樹脂および添加剤を表1に記載の配合割合(重量部)で準備し、スーパーミキサーでドライブレンドした後、35ミリ径の2軸押出機を用いて溶融混練した。ダイ出口部温度240℃でダイから押し出しペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度240℃、射出圧力900kg/cm及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成した。得られた試験片を用い、物性を測定した。
また、得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度240℃、射出圧力900kg/cm及び金型温度40℃で射出成形し、成形性評価用(離型抵抗測定用)の成形品(12cm×12cm×2.5mm板上に、厚み1mmの25mm×20mm×20mmの箱型が3×4並んでいて、離型時の抵抗が大きくなる形状をしている)を作成した。得られた成形品の離型時の離型抵抗を測定することにより、その成形性を評価した。
それらの評価結果を表1に示す。
Figure 2008255325
表1から明らかなように、実施例1は、本発明のプロピレン系樹脂組成物を用いたものであり、剛性、耐衝撃性、透明性、耐熱性および成形性に優れ、日本薬局方試験にも適合し、優れた成形品が得られる。
また、実施例2は、造核剤(A)と造核剤(B)とを併用したものであり、造核剤(A)のみを用いる場合よりも、剛性、透明性、耐熱性に優れ、日本薬局方試験にも適合する。
さらに、実施例3は、MFRの低いポリエチレン(b)を用いたもので、剛性、耐衝撃性、透明性、耐熱性および成形性に優れ、日本薬局方試験にも適合し、優れた成形品が得られる。
また、実施例4は、シリコーンが配合されているもので、この程度の配合量であれば、日本薬局方試験に適合させつつ、離型性を極めて向上させることができる。
さらに、実施例5は、本発明で用いられるポリエチレン(b)の配合比率を高めたものであり、耐衝撃性と透明性とが格段と向上していることがわかる。
また、実施例6は、チーグラーナッタ系触媒の低密度ポリエチレンを用いたもので、メタロセン系低密度ポリエチレンを用いた実施例2に比べて、ポリエチレンの密度が高いこともあり、透明性は若干劣るものの、本用途に使用できるものであることが判る。
一方、比較例1は、本発明で用いられるポリエチレン(b)を使用しないものであるため、透明性に極めて劣り、透明性が必要なプレフィルドシリンジ外筒等の用途には、とても使用できるものでないことが判る。
また、比較例2は、従来、剛性、耐熱性が必要な成形品に用いられてきたプロピレン単独重合体に、造核剤(A)を配合したものであり、本発明のプロピレン系樹脂組成物と比較して、耐衝撃性がかなり劣っており、使用時に容器の破損を招く可能性が高い。
さらに、比較例3は、従来、透明性と耐衝撃性が必要な成形品に用いられてきたエチレン−プロピレンランダム共重合体に、造核剤(A)を配合したものであり、本発明のプロピレン系樹脂組成物と比較して、耐衝撃性と耐熱性に劣っており、使用時に容器の破損、特に高圧蒸気滅菌時に容器の変形を招く可能性が高い。
また、比較例4〜5は、本発明で用いられる造核剤(A)が配合されていないプロピレン系樹脂組成物である。比較例4は、造核剤(A)の代わりに、造核剤(B)が用いられており、実施例2と比較すると、明らかなように透明性に劣る。比較例5は、造核剤(A)の代わりに、透明性に優れる造核剤であるゲルオールMDを用いたもので、透明性には優れるが、日本薬局方試験に適合できなくなる。
さらに、比較例6は、本発明で用いられるポリエチレン(b)とは異なる密度の高いポリエチレンを用いたもので、衝撃強度に劣り、透明性に著しく劣る。
また、比較例7は、本発明にて用いるエチレン−プロピレンブロック共重合体の代わりに、エチレン−プロピレンランダム共重合体を用いたもので、耐熱性に著しく劣ることがわかる。その為、高圧蒸気滅菌を行うと変形する危険性が高い。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、剛性、耐衝撃性、透明性が良く、第14改正 日本薬局方一般試験に合格し、優れた成形品を得るのに非常に有用であることが判る。特に、高圧蒸気滅菌処理される場合の製品においては、透明性があり耐熱変形性と耐衝撃性に優れた成形品を得ることができ、注射筒、医療用器具および医療用容器に非常に適しており、中でも、薬剤液を充填してなる注射筒および容器、具体的には、プレフィルドシリンジやキット製剤に好適である。

Claims (10)

  1. (a)ポリプロピレンセグメントとエチレン・プロピレン共重合体セグメントとからなるエチレン−プロピレンブロック共重合体であって、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜80g/10分、且つ全エチレン含有量が0.5〜12重量%、エチレン−プロピレンブロック共重合体中に占めるエチレン・プロピレン共重合体セグメント量が1〜30重量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体60〜99重量部と、(b)230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが2〜120g/10分、密度が0.860〜0.940g/cmであるポリエチレン1〜40重量部とからなる重合体混合物100重量部に対して、(c)下記一般式(1)で示される造核剤(A)が0.005〜0.3重量部配合されていることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
    (CONHR …(1)
    [式中、Rは、炭素数2〜30の飽和若しくは不飽和の脂肪族ポリカルボン酸残基、炭素数4〜28の飽和若しくは不飽和の脂環族ポリカルボン酸残基、又は炭素数6〜18の芳香族ポリカルボン酸残基を表わす。Rは、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、又は炭素数3〜46のシクロアルキル基若しくはシクロアルケニル基を表わす。aは、2〜6の整数を表す。]
  2. 重合体混合物100重量部に対し、さらに、0.005〜0.3重量部の下記一般式(2)で示される造核剤(B)、0.005〜0.15重量部の下記一般式(3)で示される造核剤(C)、又は0.005〜0.15重量部の下記式(4)で示される造核剤(D)から選ばれる少なくとも1種の造核剤が配合されていることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2008255325
    [式中、Rは、直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基若しくはアルキリデン基であり、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、MはNaであり、nはMの価数である。]
    Figure 2008255325
    [式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは、周期律表第III族又は第IV族の金属原子を示し、Xは、Mが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。]
    Figure 2008255325
    [式中、MおよびMは、同一又は異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウム又は一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一又は異なって、水素、C〜Cアルキル(ここで、いずれか2つのビシナル(隣接炭素に結合)またはジェミナル(同一炭素に結合)アルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキレンオキシ、アミン及びC〜Cアルキルアミン、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素および沃素)並びにフェニルからなる群からそれぞれ選択される。]
  3. 造核剤(A)が下記一般式(5)で示される少なくとも一種のアミド系化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2008255325
    [式中、Rは、炭素数3〜10の3価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数4〜10の4価の飽和脂肪族炭化水素基、炭素数5〜15の3価若しくは4価の飽和脂環族炭化水素基、又は炭素数6〜15の3価若しくは4価の芳香族炭化水素基を表す。Rは、同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
  4. 造核剤(A)が下記式(6)で示される少なくとも一種のアミド系化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
    Figure 2008255325
    [式中、Rは、1,2,3−プロパントリカルボン酸又は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸から全てのカルボンキシル基を除いて得られる残基を表す。3個又4個のRは、互いに同一又は異なって、それぞれ水素原子又は炭素数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。aは、3又は4の整数を表す。]
  5. ポリエチレンは、密度が0.860〜0.915g/cmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  6. ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いて重合され、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3.5未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  7. 重合体混合物100重量部に対し、さらに、滑剤が0.001〜0.5重量部配合されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる成形品。
  9. キット製剤であることを特徴とする請求項8に記載の成形品。
  10. キット製剤がプレフィルドシリンジであることを特徴とする請求項9に記載の成形品。
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