JP2008248423A - 炭素繊維及びそれを用いた複合材料 - Google Patents

炭素繊維及びそれを用いた複合材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2008248423A
JP2008248423A JP2007090358A JP2007090358A JP2008248423A JP 2008248423 A JP2008248423 A JP 2008248423A JP 2007090358 A JP2007090358 A JP 2007090358A JP 2007090358 A JP2007090358 A JP 2007090358A JP 2008248423 A JP2008248423 A JP 2008248423A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
fiber
strength
composite material
treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007090358A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5226238B2 (ja
Inventor
Taro Oyama
太郎 尾山
Rie Kawahito
理恵 川人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Toho Tenax Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toho Tenax Co Ltd filed Critical Toho Tenax Co Ltd
Priority to JP2007090358A priority Critical patent/JP5226238B2/ja
Publication of JP2008248423A publication Critical patent/JP2008248423A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5226238B2 publication Critical patent/JP5226238B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)

Abstract

【課題】耐衝撃性等に優れた高いコンポジット特性を有する複合材料を得ることができる、表面特性や強度や弾性率が向上した炭素繊維を提供すること。
【解決手段】単糸のトランスバース方向の圧縮強度が130kgf/mm以上で、且つ、表面酸素濃度(O/C)が20〜30%の範囲にあり、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値が0.65〜2.5m/gの範囲にある炭素繊維、及びかかる炭素繊維とマトリックス樹脂とからなる、好ましくは衝撃後圧縮強度が220MPa以上の複合材料である。炭素繊維として好ましいのは、弾性率が340GPa以上で、且つ、強度が5970MPa以上のものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、マトリックス樹脂と炭素繊維とから複合材料を作製するに際し、耐衝撃性等に優れた複合材料を与える表面特性に優れた炭素繊維とその複合材料に関する。
近年、炭素繊維を強化繊維として用いた複合材料は、軽く、高強度等の優れた機械的特性を有するので、航空機等の構造材として多く用いられてきている。これらの複合材料は、例えば、強化繊維にマトリックス樹脂が含浸された中間製品であるプリプレグから、加熱・加圧といった成形・加工工程を経て成形される。従って、所望の複合材料を得るためには、それぞれに最適の材料あるいは成形・加工手段を採用する必要がある。そして、用途によっては、強化繊維である炭素繊維も、更に高い強度等が要求される場合がある。例えば、航空機用の複合材料において軽量化を目的とした場合には、炭素繊維の強度を維持したまま弾性を上げることが必要になるが、炭素繊維は一般的に、弾性率が上がるに従って脆性が増し耐衝撃性能等が低下するので、高いコンポジット性能を有する複合材料を得ることが困難である。
炭素繊維とマトリックス樹脂との複合化において、高性能化を追求するためには、炭素繊維そのもの自体の強度や弾性率、更には表面特性等を向上させることが必要不可欠である。つまり、炭素繊維表面とマトリックス樹脂との接着性が高いもの同士を複合化し、マトリックス樹脂と炭素繊維をより均一に分散することで、複合材料のより高性能(高強度、高弾性、高耐衝撃性等)なものを得ることができると期待される。そして、炭素繊維の強度や弾性率の向上、更に表面特性の向上や表層部の結晶性の改善等については、従来から色々と検討がなされている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平5−214614号公報 特開平10−25627号公報 特開平11−217734号公報
炭素繊維の表面状態と複合材料の強度との関係は、一般的に、炭素繊維表面の官能基によるマトリクス樹脂との接着性、及び炭素繊維表面凹凸によるマトリクス樹脂とのアンカー効果による効果が大きいとされている。また、表面が平坦な炭素繊維ではマトリクス樹脂とのアンカー効果が低いため複合材料としての強度が十分に発現されず、表面の凹凸が大きな炭素繊維ではマトリクス樹脂とのアンカー効果は高いが、大きすぎる表面の凹凸が繊維欠陥となり複合材料の強度低下につながるともいわれている。例えば、走査型プローブ顕微鏡を用いて測定された炭素繊維表面の凹凸と、炭素繊維及び複合材料の強度との関係について検討がなされ、改善方法も提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。しかしながら、従来の炭素繊維は、航空機等に使用される高いコンポジット特性を有する複合材料を得るためには、まだその性能が十分ではなかった。
特開2003−73932号公報 特開2005−133274号公報 特開2004−277192号公報
本発明の課題は、従来のものよりも耐衝撃性等に優れた高いコンポジット特性を有する複合材料を得ることができる、表面特性や強度や弾性率が向上した炭素繊維を提供することにある。
本発明者は、耐衝撃性能を向上させ、高いコンポジット特性、特に衝撃後圧縮強度(CAI)に優れた複合材料を得るために、炭素繊維の繊維表面に衝撃を吸収させるような構造を持たせ、繊維自身の耐衝撃性能を向上させると共に、マトリックス樹脂との接着性をコントロールすることを試みた。そして、CAIの向上のためには、炭素繊維の単糸のトランスバース圧縮強度を、適正な値にコントロールすることで脆さを改善することができること、また、マトリックス樹脂との接着性に関与する表面酸素濃度(O/C)と比表面積値を、適正な値に管理することで複合材料のCAIが向上すること等を知見し、本発明に到達した。
本発明のうち請求項1に記載された発明は、単糸のトランスバース方向の圧縮強度が130kgf/mm以上で、且つ、表面酸素濃度(O/C)が20〜30%の範囲にあり、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値が0.65〜2.5m/gの範囲にある炭素繊維である。
請求項2に記載された発明は、炭素繊維の弾性率が340GPa以上で、且つ、強度が5970MPa以上である請求項1記載の炭素繊維である。
請求項3に記載された発明は、単糸のトランスバース方向の圧縮強度が130kgf/mm以上で、且つ、表面酸素濃度(O/C)が20〜30%の範囲にあり、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値が0.65〜2.5m/gの範囲にある炭素繊維とマトリックス樹脂とからなる複合材料である。
請求項4に記載された発明は、炭素繊維の弾性率が340GPa以上で、且つ、強度が5970MPa以上である請求項3記載の複合材料である。
そして、請求項5に記載された発明は、衝撃後圧縮強度(CAI)が220MPa以上のものである請求項3又は4記載の複合材料である。
本発明の炭素繊維は、単糸のトランスバース方向の圧縮強度が高く、繊維表面の表面酸素濃度(O/C)及びクリプトン吸着によるBET法での比表面積値が適当な範囲にあるので、高い強度と弾性率を有する。そして、本発明の炭素繊維は、マトリックス樹脂との良好な接着性を有する補強材として機能し、得られた複合材料は優れたコンポジット特性、特に優れたCAIを有する。従って、本発明の炭素繊維を用いると、従来のものよりもより高性能な複合材料を得ることができ、これらは、航空宇宙分野や自動車分野等において安全性が高く、且つ、軽量な複合材料として利用できる。
本発明は、単糸のトランスバース方向の圧縮強度が130kgf/mm以上、好ましくは、135kgf/mm以上で、且つ、表面酸素濃度(O/C)が20〜30%、好ましくは、25〜29%の範囲にあり、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値が0.65〜2.5m/g、好ましくは、1.3〜2.4m/gの範囲にある炭素繊維である。そして、弾性率は340GPa以上で、且つ、強度が5970MPa以上のものが更に好ましい。
CAIの高い炭素繊維強化複合材料を得るためには、従来は、強度と弾性率が中程度の炭素繊維、例えば、強度が5680MPa、弾性率が294GPa程度のものを用いて、CAIが230〜250MPaのものが得られていた。しかし、航空機の分野においては、機体の軽量化を主目的に、より高性能の複合材料が要求されるようになり、それに答えるために、高強度と高弾性率を両立させる炭素繊維の開発が行われているが、弾性率を増加させるのに伴い、炭素繊維の伸度が低下するために、得られた複合材料のCAIは低下するという問題があった。
本発明では、炭素繊維の破断開始点となる部分を除去しつつ、表面に衝撃を吸収させる構造を持たせることで、繊維自身の耐衝撃性を向上させると共に、炭素繊維の表面状態をコントロールすることで、繊維とマトリックス樹脂との接着性を向上させ剥離を抑制し、炭素繊維の脆弱化による複合材料の破壊を防ぐ工夫がなされている。
本発明において、単糸のトランスバース方向の圧縮強度とは、炭素繊維の単糸の繊維方向に直角方向での圧縮強度をいう。圧縮強度は130kgf/mm以上、好ましくは、135kgf/mm以上である。測定法については実施例の項で説明する。
本発明において表面酸素濃度とは、X線光電子分光器により測定される炭素繊維のO/C値を意味し、O/C値が20〜30%の範囲にあることが必要である。O/C値が25〜29%のものがより好ましい。O/C値が20%未満の場合は、炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性が劣り、得られる複合材料の物性低下の原因になる。一方、O/C値が30%を超える場合は、過剰な酸化処理により炭素繊維自体の強度が低下すると共にマトリクス樹脂との接着性が強すぎ、コンポジットにした際に衝撃を界面で緩和することができず、耐衝撃性に劣る傾向にあるので不適当である。
本発明において、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値とは、炭素繊維の表面状態を示す値である。吸着占有面積の判明しているガス分子をサンプルに吸着させ、その際の単分子層吸着量の値を用い、次の式によって算出される。
S=([Vm×N×Acs]M)/w
S:比表面積
Vm:単分子層吸着量
N:アボガドロ定数
Acs:吸着断面積
M:分子量
w:サンプル重量
本発明の炭素繊維は、この比表面積値が0.65〜2.5m/gにある必要がある。好ましくは、1.3〜2.4m/gの範囲である。この値は、炭素繊維表面の表面処理によるエッチング作用の程度を示す指標である。クリプトン吸着によるBET法での比表面積値は、表面処理によるエッチング作用により生じ、かかる指標の値が増加するにつれ、炭素繊維の表面積が増加し、また凹凸差が増加する。
炭素繊維の表面を、例えば、電解酸化によりエッチング処理を行うと、炭素繊維の表面欠陥となる焼成工程で生じた脆弱部が、エッチングにより優先的に取り除かれ炭素繊維自体の強度が向上する。また、脆弱部の除去に伴い繊維表面に細かな凹凸が生じ、炭素繊維の表面積が広がり、炭素繊維とマトリックス樹脂間に十分な接触を得ることができるようになる。更に、マトリックス樹脂との親和性を向上させる効果を有する、カルボキシル基や水酸基等の官能基が導入される。それらの結果、アンカー効果により炭素繊維とマトリックス樹脂との接着性が向上し、得られた複合材料の耐衝撃性等が向上すると推測される。
一方、表面処理の程度、例えば、電解酸化によるエッチングの場合、その程度は、使用する電気量に依存し、電気量が高いほど繊維表面が強くエッチングされるが、過度な処理を行うと、逆に、削れ過ぎた部分が新たな欠陥となるため好ましくない。この際に生じるクラックやボイドなどの物理的欠陥(結晶性が高く配向度が低い構造部分)は、炭素繊維の破断開始点となる。従って、最適な表面状態を形成させるためには、適度なエッチングが必要である。
本発明の炭素繊維は、例えば、以下の方法により製造することができる。
[前駆体繊維]
本発明において、炭素繊維の製造方法に用いる前駆体繊維としては、ピッチ系繊維、アクリル系繊維等従来公知のものが何ら制限なく使用できる。その中でもアクリル系繊維が好ましく、広角X線回折(回折角17°)による配向度が90.5%以下のアクリル系繊維がより好ましい。具体的にはアクリロニトリルを90質量%以上、好ましくは95質量%以上含有する単量体を重合した紡糸溶液を紡糸して、炭素繊維原料とする。紡糸方法としては、湿式又は乾湿式紡糸方法いずれの方法も用いることができるが、樹脂との接着性を考慮すると、湿式紡糸方法がより好ましい。また、凝固した後は、水洗・乾燥・延伸して炭素繊維原料とすることが好ましい。
[耐炎化処理]
得られた前駆体繊維は、引き続き加熱空気中200〜280℃、好ましくは、240〜250℃の温度範囲内で耐炎化処理される。この時の処理は、一般的に、延伸倍率0.85〜1.30の範囲で処理されるが、高強度・高弾性率の炭素繊維を得るためには、0.95以上がより好ましい。この耐炎化処理は、繊維密度1.3〜1.5g/cmの耐炎化繊維とするものであり、耐炎化時の糸にかかる張力は特に限定されるものでは無い。
[第一炭素化処理]
上記耐炎化繊維を、不活性雰囲気中で、第一炭素化工程において、300〜900℃、好ましくは、300〜550℃の温度範囲内で、1.03〜1.06の延伸倍率で一次延伸処理し、次いで0.9〜1.01の延伸倍率で二次延伸処理して、繊維密度1.40〜1.70g/cmの第一炭素化処理繊維を得る。第一炭素化工程において、一次延伸処理では、耐炎化繊維の弾性率が極小値まで低下した時点から9.8GPaに増加するまでの範囲、同繊維の密度が1.5g/cmに達するまでの範囲で、1.03〜1.06の延伸倍率で延伸処理を行うのが好ましい。二次延伸処理においては、一次延伸処理後の繊維の密度が二次延伸処理中に上昇し続ける範囲で、0.9〜1.01倍の延伸倍率で延伸処理を行うのが好ましい。かかる条件を採用すると、結晶が成長することなく、緻密化され、ボイドの生成も抑制でき、最終的に高い緻密性を有した高強度炭素繊維を得ることができる。上記第一炭素化工程は、一つの炉若しくは二つ以上の炉で、連続的若しくは別々に処理することができる。
[第二炭素化処理]
上記第一炭素化処理繊維を、不活性雰囲気中で、第二炭素化工程において800〜2100℃、好ましくは、1000〜1450℃の温度範囲内で、同工程を一次処理と二次処理とに分けて延伸処理して、第二炭素化処理繊維を得る。一次処理では、第一炭素化処理繊維の密度が一次処理中上昇し続ける範囲、同繊維の窒素含有量が10質量%以上の範囲で、同繊維を延伸処理するのが好ましい。二次処理においては、一次処理繊維の密度が変化しない又は低下する範囲で、同繊維を延伸処理するのが好ましい。第二炭素化処理繊維の伸度は2.0%以上、より好ましくは2.2%以上である。また、第二炭素化処理繊維の直径は、5〜6.5μmであるのが好ましい。また、これら焼成工程は、単一設備で連続して処理することも、数個の設備で連続して処理することも可能であり、特に限定されるものではない。
[第三炭素化処理]
第三炭素化処理においては、上記第二炭素化処理繊維を1500〜2100℃、好ましくは、1650〜1900℃で更に炭素化又は黒鉛化処理する。
[表面処理]
上記第三炭素化処理繊維は、引き続いて表面処理を施こされる。表面処理には気相、液相処理も用いることができるが、工程管理の簡便さと生産性を高める点から、電解処理による表面処理が好ましい。表面処理において用いる電解液としては、無機酸、無機酸塩等を用いることができるが、硫酸、硝酸、塩酸等の無機酸がより好ましい。これらの電解液の濃度が1〜25質量%、温度が10〜80℃、より好ましくは20〜50℃の範囲内で、繊維1gあたり10〜2000クーロン、より好ましくは100〜500クーロンの電気量で化学的・電気的酸化処理を行うのが良い。電気量を大きくすることで、エッチング量が増え、脆弱部の除去が進むが、電気量が大きすぎると、エッチング過剰により逆に表面に欠陥を作り出すこととなり、繊維強度が低下するため好ましくない。また、電気量が小さすぎると、脆弱部の除去が不十分で繊維強度が低下するため好ましくない。
電解液として硝酸を用いると、炭素繊維のグラファイト構造の層間に硝酸が入り込み反応するため、より効率的にエッチングを行うことができるので好ましい。この場合、グラファイト構造の層間部分で電解酸化反応が起こることで層間に隙間ができ、この隙間は結晶子サイズの大きい、電気抵抗の低い部分に沿って起こると考えられる。そして、電解処理に伴い、表層は電気二重層に覆われてしまい、界面部分の電気抵抗値は高くなる。かかる理由で、低い電気量では極表層部分までしか電解処理されないと考えられる。
[サイジング処理]
上記表面処理繊維は、引き続いてサイジング処理を施こされる。サイジング方法は、従来の公知の方法で行うことができ、サイジング剤は、用途に即して適宜組成を変更して使用し、均一付着させた後に、乾燥することが好ましい。
本発明の他の態様は、上記のごとくして得られた本発明の炭素繊維を強化繊維として用い、これとマトリックス樹脂とから得られる複合材料である。炭素繊維としては、単糸のトランスバース方向の圧縮強度が130kgf/mm以上で、且つ、表面酸素濃度(O/C)が20〜30%の範囲にあり、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値が0.65〜2.5m/gの範囲にある炭素繊維が用いられる。そして、好ましくは、弾性率が340GPa以上で、且つ、強度が5970MPa以上の炭素繊維が用いられる。本発明において複合材料とは、例えば、炭素繊維と各種マトリックス樹脂とから、ホットメルト法、フィラメントワインディング法等の公知の各種の方法で製造されるプリプレグ、中間成形品又は成形品等を意味する。
炭素繊維は、通常、シート状の強化繊維材料として用いられる。シート状の材料とは、繊維材料を一方向にシート状に引き揃えたもの、これらを、例えば、直交に積層したもの、繊維材料を織編物や不織布等の布帛に成形したもの、ストランド状のもの、多軸織物等を全て含む。繊維の形態としては、長繊維状モノフィラメントあるいはこれらを束にしたものが好ましく使用される。
本発明において用いられるマトリックス樹脂は、特に限定されない。熱硬化性マトリックス樹脂の具体例として、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、シアン酸エステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂の予備重合樹脂、ビスマレイミド樹脂、アセチレン末端を有するポリイミド樹脂及びポリイソイミド樹脂、ナジック酸末端を有するポリイミド樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることもできる。中でも、耐熱性、弾性率、耐薬品性に優れたエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂が、特に好ましい。これらの熱硬化性樹脂には、硬化剤、硬化促進剤以外に、通常用いられる着色剤や各種添加剤等が含まれていてもよい。
また、マトリックス樹脂として用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリアリーレンオキシド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリベンズイミダゾール等が挙げられる。
複合材料中に占める樹脂組成物の含有率は、10〜90重量%、好ましくは20〜60重量%、更に好ましくは25〜45重量%である。複合材料としては、実施例で詳述する方法で測定を行った、CAIが220MPa以上のものが好ましい。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例における各種物性値の測定方法は下記のとおりである。
単糸のトランスバース方向の圧縮強度とは、炭素繊維の単糸の繊維方向に直角方向での圧縮強度(n=5で測定)を意味する。測定に際しては、スライドグラス上に炭素繊維の単糸を固定したサンプルを作成し、島津製作所製微小圧縮試験機「MCTM-200」を用いて、平面50μm圧子を使用し、負荷速度7.25mgf/secにて測定を行った。
炭素繊維の表面酸素濃度(O/C)は、次の手順に従ってXPS(ESCA)によって求めることができる。炭素繊維をカットしてステンレス製の試料支持台上に拡げて並べた後、光電子脱出角度を90度に設定し、X線源としてMgKαを用い、試料チャンバー内を1×10−6Paの真空度に保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正として、まずC1sの主ピークの結合エネルギー値B.E.を284.6eVに合わせる。O1sピーク面積は、528〜540eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求め、C1sピーク面積は、282〜292eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。炭素繊維表面の表面酸素濃度O/Cは、上記O1sピーク面積とC1sピーク面積の比で計算して求められる。
炭素繊維のクリプトンガス吸着によるBET法比表面積は、炭素繊維を長さ1m程度に切り出したものを使用し、BET理論に従ってBETプロットの約0.1〜0.25の相対圧域を解析し算出した。ガス吸着に際しては、ユアサアイオニクス(株)社製全自動ガス吸着装置「AUTOSORB - 1」を使用し、下記条件により行った。
吸着ガス:Kr
死容積:He
吸着温度:77K(液体窒素温度)
測定範囲:相対圧(P/Po)= 0.05−0.3
P:測定圧、Po:Krの飽和蒸気圧
耐衝撃性は、SACMA法に準拠して、衝撃後圧縮強度(CAI)の測定によって評価した。CAIの測定には、サイジングを行った後の炭素繊維及び東邦テナックス社製エポキシ樹脂(No.133)樹脂を使用し、炭素繊維目付け270g/m、樹脂含有率33%の一方向性プリプレグを作製し、[+45°/0°/-45°/90°]4Sの擬似等法に積層した。積層した供試体(サンプル)を180℃、2時間で硬化させた後、100×150×4.2mmの供試体(サンプル)を作製した。
供試体(サンプル)は各試験片の寸法測定後、衝撃試験は落錘型衝撃試験機(Dynatup社製GRC-8250)を用いて、30Jの衝撃エネルギーを与えた。衝撃後、供試体の損傷面積は、超音波探傷試験機(キャノン社製M610)にて測定した。衝撃後、供試体の強度試験は、供試体の上から25.4mmでサイドから25.4mmの位置に、歪みゲージを左右各1本ずつ貼付し、同様に表裏に合計4本/体の歪みゲージを貼付けた後、試験機(島津製作所製オートグラフAG-100TB型)のクロスヘッド速度を1.3mm/minとし、供試体の破断まで荷重を負荷した。
炭素繊維の樹脂含浸ストランド強度と弾性率は、JIS R 7601に規定された方法により測定した。炭素繊維のサイジング剤の除去は、アセトンを用い3時間のソックスレー処理によって行い、そののち繊維を風乾した。密度は、アルキメデス法により測定し、試料繊維はアセトン中にて脱気処理し測定した。
[実施例1]
アクリロニトリル95質量%/アクリル酸メチル4質量%/イタコン酸1質量%よりなる共重合体紡糸原液を、常法により湿式紡糸し、水洗・オイリング・乾燥後、トータル延伸倍率が14倍になるようにスチーム延伸を行い、0.65デニールの繊度を有するフィラメント数12,000の前駆体繊維を得た。
得られた前駆体繊維を加熱空気中で延伸しながら、240〜250℃の温度範囲内で耐炎化処理を行い、次いで窒素雰囲気中、300〜2000℃の温度範囲内で第一、第二及び第三炭素化処理を行い、未電解処理炭素繊維を得た。
前記未電解処理炭素繊維を、電解質溶液として6.3質量%の硝酸水溶液を用い、電気量が450クーロン/gの条件で4槽使用して電解処理した後、極性を変え15クーロン/gの条件で2槽使用して電解処理した。電解処理を施した炭素繊維に常法によるサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度(樹脂含浸ストランド強度)と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値は表1に示したとおりであった。
[実施例2]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、6.3質量%の硝酸水溶液を用い、電気量が290クーロン/gの条件で4槽使用して電解処理した後、極性を変え25クーロン/gの条件で2槽使用して電解処理した。電解処理を施した炭素繊維に常法によるサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
[実施例3]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、6.3質量%の硝酸水溶液を用い、総電気量が100クーロン/gの条件で12槽使用して電解処理し、常法によりサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
[比較例1]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、6.3質量%の硝酸水溶液を用い、総電気量が50クーロン/gの条件で12槽使用して電解処理し、常法によりサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
[比較例2]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、6.3質量%の硝酸水溶液を用い、総電気量が250クーロン/gの条件で12槽使用して電解処理し、常法によりサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
[比較例3]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、6.3質量%の硝酸水溶液を用い、総電気量が250クーロン/gの条件で3槽使用して電解処理し、常法によりサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
[比較例4]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、6.3質量%の硝酸水溶液を用い、総電気量が250クーロン/gの条件で4槽使用して電解処理し、常法によりサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
[比較例5]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、電解処理を施さずに、常法によりサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
[比較例6]
実施例1で得られた未電解処理炭素繊維を、10.0質量%の硫酸アンモニウム水溶液を用い、総電気量が80クーロン/gの条件で3槽使用して電解処理し、常法によりサイジング処理を行い、乾燥して密度1.77g/cm、0.31デニールの炭素繊維を得た。得られた炭素繊維の強度と弾性率、単糸圧縮強度、表面酸素濃度O/C、比表面積値とCAIの測定値を表1に示した。
Figure 2008248423


Claims (5)

  1. 単糸のトランスバース方向の圧縮強度が130kgf/mm以上で、且つ、表面酸素濃度(O/C)が20〜30%の範囲にあり、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値が0.65〜2.5m/gの範囲にある炭素繊維。
  2. 炭素繊維の弾性率が340GPa以上で、且つ、強度が5970MPa以上である請求項1記載の炭素繊維。
  3. 単糸のトランスバース方向の圧縮強度が130kgf/mm以上で、且つ、表面酸素濃度(O/C)が20〜30%の範囲にあり、クリプトン吸着によるBET法での比表面積値が0.65〜2.5m/gの範囲にある炭素繊維とマトリックス樹脂とからなる複合材料。
  4. 炭素繊維の弾性率が340GPa以上で、且つ、強度が5970MPa以上である請求項3記載の複合材料。
  5. 衝撃後圧縮強度(CAI)が220MPa以上のものである請求項3又は4記載の複合材料。


JP2007090358A 2007-03-30 2007-03-30 炭素繊維及びそれを用いた複合材料 Expired - Fee Related JP5226238B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007090358A JP5226238B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 炭素繊維及びそれを用いた複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007090358A JP5226238B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 炭素繊維及びそれを用いた複合材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008248423A true JP2008248423A (ja) 2008-10-16
JP5226238B2 JP5226238B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=39973699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007090358A Expired - Fee Related JP5226238B2 (ja) 2007-03-30 2007-03-30 炭素繊維及びそれを用いた複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5226238B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013216997A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Toho Tenax Co Ltd 炭素繊維チョップドストランド、およびその製造方法
JP2015028147A (ja) * 2013-06-26 2015-02-12 東レ株式会社 サイジング剤塗布炭素繊維およびその製造方法、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
JP2015074844A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 東邦テナックス株式会社 炭素繊維及びその製造方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6112916A (ja) * 1984-06-22 1986-01-21 Toray Ind Inc 超高強度炭素繊維およびその製造方法
JPH01306619A (ja) * 1988-05-30 1989-12-11 Toray Ind Inc 高強度高弾性率炭素繊維
JP2000096354A (ja) * 1998-09-29 2000-04-04 Toray Ind Inc 炭素繊維束、およびその製造方法
JP2004217485A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Toray Ind Inc 炭素繊維強化炭素複合材料用炭素繊維およびその製造方法
JP2005179794A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Toho Tenax Co Ltd 炭素繊維の製造方法
JP2006169541A (ja) * 1996-12-18 2006-06-29 Toray Ind Inc プリプレグ

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6112916A (ja) * 1984-06-22 1986-01-21 Toray Ind Inc 超高強度炭素繊維およびその製造方法
JPH01306619A (ja) * 1988-05-30 1989-12-11 Toray Ind Inc 高強度高弾性率炭素繊維
JP2006169541A (ja) * 1996-12-18 2006-06-29 Toray Ind Inc プリプレグ
JP2000096354A (ja) * 1998-09-29 2000-04-04 Toray Ind Inc 炭素繊維束、およびその製造方法
JP2004217485A (ja) * 2003-01-17 2004-08-05 Toray Ind Inc 炭素繊維強化炭素複合材料用炭素繊維およびその製造方法
JP2005179794A (ja) * 2003-12-16 2005-07-07 Toho Tenax Co Ltd 炭素繊維の製造方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012016927; 田中 潔,平松 幹雄,辻井 泰孝: 'CFRPの衝撃後圧縮試験の破壊力学的解析(小型試験方法の確立)' 日本機械学会論文集(A編) 61巻 586号, 199506, 1265-1272頁, 社団法人 日本機械学会 *

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013216997A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Toho Tenax Co Ltd 炭素繊維チョップドストランド、およびその製造方法
JP2015028147A (ja) * 2013-06-26 2015-02-12 東レ株式会社 サイジング剤塗布炭素繊維およびその製造方法、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料
JP2015074844A (ja) * 2013-10-08 2015-04-20 東邦テナックス株式会社 炭素繊維及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5226238B2 (ja) 2013-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101902087B1 (ko) 탄소 섬유 열가소성 수지 프리프레그, 탄소 섬유 복합 재료 및 제조 방법
JP6211881B2 (ja) 炭素繊維及びその製造方法
US20100266827A1 (en) Carbon fiber and composite material using the same
JP7494889B2 (ja) 炭素繊維前駆体アクリル繊維、炭素繊維およびそれらの製造方法
JP5226238B2 (ja) 炭素繊維及びそれを用いた複合材料
JP2010047865A (ja) 複合材料用炭素繊維とそれを用いた複合材料
JP5662113B2 (ja) 炭素繊維の表面処理方法
JP4305081B2 (ja) 炭素繊維製造用油剤及び炭素繊維の製造方法
JP5873358B2 (ja) 耐炎化繊維ストランド、その製造方法、及び炭素繊維ストランドの製造方法
JP2009046770A (ja) アクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維
JP2004003043A (ja) 耐炎化繊維材料、炭素繊維材料、黒鉛繊維材料及びそれらの製造方法
JP6846868B2 (ja) 炭素繊維、およびサイジング剤付着炭素繊維の製造方法
JP5455408B2 (ja) ポリアクリロニトリル系炭素繊維及びその製造方法
JP6139318B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JP2013202803A (ja) 炭素繊維強化複合材料
JP2008248424A (ja) 炭素繊維の多段表面電解処理方法
JP2010111957A (ja) 炭素繊維、複合材料及び炭素繊維の製造方法
JP2011241507A (ja) 耐炎化繊維束、炭素繊維束およびそれらの製造方法
JP5419768B2 (ja) 炭素繊維の表面処理方法、及び同処理方法により製造する炭素繊維
JP2004244258A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料用炭素繊維およびその製造方法
JPH08296124A (ja) 非円形断面炭素繊維および炭素繊維強化複合材料
JP5842343B2 (ja) 炭素繊維前駆体アクリル繊維束の製造方法
JP2017193791A (ja) 炭素繊維およびその製造方法
JP2008248427A (ja) 炭素繊維の表面電解処理方法
JP4433676B2 (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100219

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100917

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110707

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120530

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5226238

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees