JP2008247212A - サイドエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員を好適に拘束して乗員保護性能の向上を図ることのできるサイドエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】サイドエアバッグ装置は、インフレータ48と、車両用シート22に収納され、インフレータ48からのガスにより膨張展開し、車両用シート22を破断して飛び出し、車両のボディサイド部及び車両用シート22間で膨張展開するエアバッグ44とを備える。このサイドエアバッグ装置において、制御装置67により、車両の側突を予測するとともに、その予測に応じて側突に先立ちインフレータ48に作動を開始させる。さらに、インフレータ48の作動開始に伴い膨張展開するエアバッグ44について、少なくとも車両用シート22の外部では、同エアバッグ44の展開速度を、側突後にインフレータ48の作動を開始させたときの展開速度よりも低下させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両のボディサイド部と車両用シートとの間でエアバッグを膨張展開させ、車両側方からの衝撃を緩和して乗員を保護するようにしたサイドエアバッグ装置に関するものである。
側突により車両に側方からの衝撃が加わった場合にその衝撃から乗員を保護する装置としてサイドエアバッグ装置が広く知られている(例えば、特許文献1参照)。サイドエアバッグ装置は、インフレータ及びエアバッグを備えており、エアバッグが折り畳まれることによりコンパクトにされた状態で車両用シートのシートバック(背もたれ)に収納されている。
上記サイドエアバッグ装置では、車両のボディサイド部に側方から衝撃が加わると、インフレータが作動してガスをエアバッグ内に噴出する。噴出されたガスによりエアバッグが膨張展開し、一部をシートバック内に残した状態で同シートバックから飛び出す。このエアバッグは、車両用シートに着座した乗員とボディサイド部との間の狭い空間において、シートバックから前方へ向けて膨張展開される。膨張展開したエアバッグが、乗員と車室内に侵入してくるボディサイド部との間に介在して乗員を拘束し、ボディサイド部を通じて乗員へ伝わる側方からの衝撃を緩和する。
ところで、側突では、衝撃を吸収する空間である「クラッシャブルゾーン」が、他の衝突形態、例えば前突に比べて非常に狭い。そのため、側突では、乗員を確実に保護する観点から、側突の発生後にエアバッグを非常に短い時間で乗員及びボディサイド部間で膨張展開させることが要求される。この要求に応えるために、側突を検知すると、エアバッグを高速で膨張展開させるようにしているのが実情である。
特開2004−276808号公報
ところが、上記のようにエアバッグを高速で膨張展開させると、側突の発生後に短時間でエアバッグを膨張展開させることができる反面、膨張展開するエアバッグが反力として乗員に与えるエネルギーが高く、乗員を好適に拘束することが困難となる。こうした問題は、特に、乗員が正規の着座位置から外れた箇所に着座し、身体の一部がエアバッグの膨張展開する領域に位置している場合に起こりやすい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、乗員を好適に拘束して乗員保護性能の向上を図ることのできるサイドエアバッグ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、インフレータと、車両用シートに収納され、前記インフレータからのガスにより膨張展開し、前記車両用シートを破断して飛び出し、車両のボディサイド部及び車両用シート間で膨張展開するエアバッグとを備えるサイドエアバッグ装置において、前記車両の側突を予測するとともに、その予測に応じて側突に先立ち前記インフレータに作動を開始させるインフレータ制御手段と、前記インフレータ制御手段による前記インフレータの作動開始に伴い膨張展開するエアバッグについて、少なくとも前記車両用シートの外部では、同エアバッグの展開速度を、側突後にインフレータの作動を開始させたときの展開速度よりも低下させる展開速度低下手段とを備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、車両の側突が不可避な状況になると、そのことがインフレータ制御手段にて予測され、側突に先立ちインフレータの作動が開始させられる。インフレータからガスが噴出され、そのガスによってエアバッグが車両用シート内で膨張展開を開始する。車両用シートは、膨張展開するエアバッグによって押圧され、その後、特定の部位において破断される。エアバッグは、一部を車両用シート内に残した状態で、破断された箇所を通じて車両用シートから飛び出す。その後、エアバッグは車両用シートの外部、より正確には、車両のボディサイド部との間で車両前方に向けて膨張展開する。膨張展開したエアバッグが、乗員と車室内に侵入してくるボディサイド部との間に介在して乗員を拘束し、ボディサイド部を通じて乗員へ伝わる側方からの衝撃を緩和する。
ここで、従来のサイドエアバッグ装置では、側突が発生すると、そのことがセンサによって検出される。その検出に応じてインフレータが作動を開始させられ、同インフレータから噴出されるガスによりエアバッグが膨張展開する。これに対し、側突を予測できれば、側突の発生前からインフレータの作動を開始させて、エアバッグを膨張展開させることが可能となり、その分、エアバッグの膨張展開時間に余裕が生まれる。
この点を考慮し、請求項1に記載の発明では、エアバッグが少なくとも車両用シートの外部で膨張展開する際には、エアバッグの展開速度が、展開速度低下手段により、側突後にインフレータの作動を開始させたときの展開速度よりも低下させられる。この展開速度の低下により、膨張展開するエアバッグが反力として乗員に与えるエネルギーが低下し、乗員が好適に拘束される。
上記展開速度低下手段による展開速度の低下は、上述したようにエアバッグが少なくとも車両用シートの外部で膨張展開するときに行われる。従って、エアバッグが車両用シートの内部で膨張展開するときには、その膨張展開を、側突後にインフレータの作動を開始させたときと同様の展開速度で行わせることにより、車両用シートの内部ではエアバッグを素早く膨張展開させ、上述した車両用シート外部でのエアバッグの膨張展開に備えることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記展開速度低下手段は、前記エアバッグが前記車両用シート内で膨張し、同車両用シートを前方へ膨らませ始めてから同車両用シートの外部へ出るまでの期間についても前記展開速度を低下させることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグが前記車両用シート内で膨張する過程で、その膨張に伴い車両用シートが前方へ膨らませられると、同車両用シートによって乗員が押される。しかし、このときにも展開速度低下手段によりエアバッグの展開速度が低下させられる。そのため、上記のように前方へ膨らむ車両用シートを介して乗員に与えられるエアバッグのエネルギーが低下し、乗員が一層好適に拘束される。
ここで、展開速度低下手段によって展開速度が低下させられる期間は、請求項1では、エアバッグが車両用シートを破断して外部に飛び出してから膨張展開を完了するまでである。また、請求項2では、エアバッグが車両用シートを押して前方へ膨らませ始めてから膨張展開を完了するまでである。いずれにしても、エアバッグが膨張展開を開始してから完了するまでの全期間のうちの後半である。そのため、請求項1及び請求項2において、展開速度が低下させられる期間を「膨張展開期間の後期」というものとする。また、それ以外の期間、すなわち、エアバッグが車両用シート内で膨張を開始した直後の期間については、「膨張展開期間の前期」というものとする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記エアバッグは、折り畳まれることにより収納用形態にされて、前記車両用シートに収納されており、前記展開速度低下手段は、自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、かつ前記エアバッグが前記収納用形態にあるときにはたるんだ状態となる冗長部を有する長尺部材を備え、前記冗長部は、保持部によりたるんだ状態に保持され、かつ前記エアバッグの膨張展開に伴い前記保持部による保持が解除されるものであることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグが収納用形態にあるときには、冗長部が保持部によりたるんだ状態に保持される。
エアバッグが膨張展開して長尺部材が引張られ、冗長部が引き伸ばされて緊張すると、保持部が冗長部をたるんだ状態に保持し、エアバッグの膨張展開を妨げようとする。冗長部が緊張した状態からさらにエアバッグが膨張展開し続けようとすると、エアバッグの膨張展開のエネルギーが保持部による保持を解消させるために消費されて、エアバッグの展開速度が低下させられる。そして、保持部の保持が解消させられると、冗長部をたるんだ状態に保持しようとするものがなくなる。このときエアバッグが引き続き膨張展開すると、冗長部のたるんだ状態が解消されて引き伸ばされ長尺部材が緊張する。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記エアバッグは、折り畳まれることにより収納用形態にされて、前記車両用シートに収納されており、前記展開速度低下手段は、自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、かつ前記エアバッグが前記収納用形態にあるときにはたるんだ状態となる冗長部を有する長尺部材を備え、前記冗長部は、保持部によりたるんだ状態に保持され、かつ前記エアバッグの膨張展開に伴い前記保持部による保持が解除される第1冗長部と、前記保持部による保持が解除される前に前記エアバッグの膨張展開に伴い引き伸ばされる第2冗長部とからなることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグが収納用形態にあるときには、第2冗長部がたるんだ状態となり、第1冗長部が保持部によりたるんだ状態に保持されている。
膨張展開期間の前期には、エアバッグの膨張展開に伴い長尺部材が引っ張られるが、第2冗長部が引き伸ばされるに過ぎず、長尺部材がエアバッグの膨張展開を妨げることはほとんどない。
これに対し、エアバッグの膨張展開期間の後期には、そのエアバッグの膨張展開に伴い第2冗長部が引き伸ばされて緊張する。保持部が第1冗長部をたるんだ状態に保持し、エアバッグの膨張展開を妨げようとする。第2冗長部が緊張した状態からさらにエアバッグが膨張展開し続けようとすると、エアバッグの膨張展開のエネルギーが、保持部による保持を解消させるために消費されて、エアバッグの展開速度が低下させられる。そして、保持部による保持が解消させられると、第1冗長部をたるんだ状態に保持しようとするものがなくなり、たるみ部分が生ずる。このときエアバッグが引き続き膨張展開すると、第1冗長部のたるんだ状態が解消されて引き伸ばされ、長尺部材が再び緊張する。
なお、展開速度低下手段として、第1冗長部及び保持部の組み合わせを複数用い、第1冗長部毎に保持部の保持強度を異ならせることが有効である。この場合には、エアバッグの膨張に伴い、保持強度の低い保持部を有する第1冗長部から順に、その保持部による保持を解除させることが可能となる。各保持部による保持を解除させる毎にエアバッグの膨張展開のエネルギーを消費させて、エアバッグの展開速度を所定の期間(時間)にわたり低下させ続けることが可能となる。
また、第1冗長部は、長尺部材の一部が折り重ねられ、保持部によって折り重ねられた状態に保持されたものであってもよい。例えば、長尺部材において、折り重ねられた部分は縫製糸によって縫合されたり、接着剤によって接着されたりすることで、折り重ねられた状態に保持される。この場合、縫製糸による縫合部分、及び接着剤による接着部分が保持部に相当する。これらの場合には、エアバッグの膨張展開に伴い、縫合部分や接着部分が破断・切断等されることにより、上記保持が解除される。
また、保持部は、例えば、スナップフィット、スナップボタン、スナップホック等、スナップ式の一対の締結部品によって構成されてもよい。この場合、両締結部品が、長尺部材の折り重ねられた部分において相対向する箇所に設けられる。両締結部品が相互に結合されることにより、長尺部材の一部が折り重ねられた状態に保持される。また、エアバッグの膨張展開に伴い、両締結部品が分離されることにより、上記保持が解除される。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記エアバッグは、折り畳まれることにより、前記車両用シートに収納するための収納用形態にされ、前記展開速度低下手段は、自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、かつ前記エアバッグが前記収納用形態にあるときにはたるんだ状態となり、膨張展開するエアバッグにより緊張させられる長尺部材と、前記長尺部材の途中に設けられ、前記エアバッグの膨張展開に伴い分離される分離予定部とを備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグが収納用形態にあるときには、長尺部材がたるんだ状態となっている。
膨張展開期間の前期には、エアバッグの膨張展開に伴い長尺部材が引っ張られるが、同長尺部材は未だ緊張されずにたるんでおり、この長尺部材がエアバッグの膨張展開を妨げることはほとんどない。
これに対し、エアバッグの膨張展開期間の後期には、そのエアバッグの膨張展開に伴い長尺部材が引き伸ばされて緊張する。この長尺部材がエアバッグの膨張展開を妨げようとする。ここで、長尺部材では、分離予定部において他の箇所よりも強度が低くされており、同長尺部材にエアバッグの張力等の外力が加わった場合に、分離予定部において長尺部材が分離されやすくなっている。
そのため、長尺部材が緊張した状態からさらにエアバッグが膨張展開し続けようとすると、エアバッグの膨張展開のエネルギーが分離予定部の分離に消費されて、エアバッグの展開速度が低下させられる。そして、上記のように長尺部材が分離予定部において分離されると、その長尺部材によるエアバッグの膨張展開を妨げようとする力がなくなる。
なお、展開速度低下手段として、上記のように分離予定部を有し、かつ長さの異なる長尺部材を複数本用いることが有効である。この場合、分離予定部の強度を一定とすると、エアバッグの膨張に伴い、短い長尺部材から順に、その分離予定部において同長尺部材を分離させることが可能となる。各長尺部材において分離予定部を分離させる毎にエアバッグの膨張展開のエネルギーを消費させて、エアバッグの展開速度を所定の期間(時間)にわたり低下させ続けることが可能となる。
また、分離予定部は、例えば、長尺部材に入れられたミシン目によって構成されてもよい。この場合、ミシン目は、それぞれ所定の長さを有する複数本の切り込みを、所定間隔おきに長尺部材に入れることによって形成される。そして、隣り合う切り込み間の部分が破断されることにより、長尺部材が分離予定部において分離される。
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記展開速度低下手段は、伸縮性を有する素材により形成され、かつ自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、膨張展開するエアバッグにより伸張させられる長尺部材を備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、膨張展開期間の前期には、エアバッグの膨張展開に伴い長尺部材が引っ張られるが、未だ自身の弾性に抗して伸張されておらず、この長尺部材がエアバッグの膨張展開を妨げることはほとんどない。
これに対し、エアバッグの膨張展開期間の後期には、長尺部材が、膨張展開するエアバッグによって引っ張られて緊張状態となる。この長尺部材が伸縮性を有する素材によって形成されていることから、さらにエアバッグが膨張展開すると、その膨張展開が長尺部材を伸張させることにより行われる。長尺部材には弾性復元力があり、この弾性復元力は長尺部材が伸張するに従い増大する。従って、エアバッグの膨張展開のエネルギーが長尺部材の伸張に消費されてエアバッグの展開速度が低下させられる。
なお、上記請求項3〜6のいずれか1つに記載の発明における前記長尺部材は、請求項7に記載の発明によるように、エアバッグの外部に配置されてもよいし、また、請求項8に記載の発明によるように、エアバッグの内部に配置されてもよい。
特に、請求項7に記載の発明によるように、長尺部材をエアバッグの外部に配置した合には、この長尺部材は、エアバッグの膨張形態を規制する機能を発揮する。従って、エアバッグが車幅方向に過剰に膨らんだ形態となる現象を規制することも可能である。
請求項9に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記エアバッグは、基布を二つ折りすることにより得られる一対の重合部、又はそれぞれ基布からなる一対の重合部と、両重合部をそれらの周縁部にて結合する周縁結合部とを備え、前記展開速度低下手段は、前記エアバッグについて前記周縁結合部により囲まれた領域において、前記両重合部を分離可能に結合し、前記エアバッグの膨張に伴い分離される内結合部を備えることを要旨とする。
上記の構成によれば、エアバッグの膨張展開期間の後期には、一対の重合部を結合する内結合部が、エアバッグの膨張展開を妨げようとする。ここで、エアバッグでは、両重合部を結合する力が、内結合部において他の箇所(周縁結合部)よりも低くされている。両重合部が、周縁結合部においてよりも内結合部において分離されやすくなっている。そのため、エアバッグがさらに膨張展開し続けようとすると、エアバッグの膨張展開のエネルギーが内結合部による結合の解除に消費されて、エアバッグの展開速度が低下させられる。そして、上記結合解除により両重合部が分離されると、その内結合部によるエアバッグの膨張展開を妨げようとする力がなくなる。
なお、展開速度低下手段として、エアバッグの展開方向についての複数箇所に内結合部を設けることが有効である。この場合には、エアバッグの膨張に伴い、展開方向後側(インフレータに近い側)から展開方向前側へ向けて順に内結合部による結合を解除させることが可能となる。各内結合部に結合を解除させる毎にエアバッグの膨張展開のエネルギーを消費させて、エアバッグの展開速度を所定の期間(時間)にわたり低下させ続けることが可能となる。
内結合部は、エアバッグについて周縁結合部により囲まれた領域において、両重合部を結合し、かつエアバッグの膨張に伴い破断させられるティアシームによって構成されてもよい。
この場合、エアバッグの膨張展開期間の後期には、ティアシームがエアバッグの膨張展開を妨げようとする。ここで、エアバッグでは、両重合部を結合する力が、ティアシームおいて他の箇所(周縁結合部)よりも低くされており、同ティアシームが同周縁結合部よりも破断されやすくなっている。そのため、エアバッグがさらに膨張展開し続けようとすると、エアバッグの膨張展開のエネルギーがティアシームの破断に消費されて、エアバッグの展開速度が低下させられる。そして、上記のようにティアシームが破断されると、そのティアシームによるエアバッグの膨張展開を妨げようとする力がなくなる。
請求項10に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記展開速度低下手段は、前記車両用シートに収納された前記エアバッグについて、その展開方向後側の部分を構成し、かつ蛇腹折りされた蛇腹折り部と、前記エアバッグの展開方向前側の部分を構成し、かつロール折りされたロール折り部とを備え、前記インフレータの作動開始直後には、前記車両用シートの内部で前記蛇腹折り部の折り状態を解消させ、前記車両用シートの外部では前記ロール折り部の折り状態を解消させることにより、少なくとも前記車両用シートの外部で前記エアバッグの展開速度を低下させることを要旨とする。
一般に、蛇腹折りされたエアバッグの方が、ロール折りされたエアバッグよりも、折り状態が解消されやすい。エアバッグの膨張展開は、この折り状態を解消することにより行われる。従って、インフレータからガスが噴出供給された場合、後者のエアバッグが前者のエアバッグよりも遅く膨張展開する。
この点に着目し、請求項10に記載の発明では、エアバッグの折り態様が、展開方向後側の部分と展開方向前側の部分とで異ならせられている。展開方向後側の部分は、折り状態の解消のしやすい蛇腹折りにて折り畳まれている。展開方向前側の部分は、上記蛇腹折りよりも折り状態の解消のしにくいロール折りにて折り畳まれている。そして、インフレータの作動開始直後(膨張展開期間の前期)には、主として蛇腹折り部の折り状態が解消させられる。これに対し、膨張展開期間の後期には主としてロール折り部の折り状態が解消させられる。その結果、エアバッグは膨張展開期間の前期には、車両用シートの内部において速い展開速度で膨張展開し、膨張展開期間の後期には、主として車両用シートの外部において遅い展開速度で膨張展開する。
請求項11に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記展開速度低下手段は、前記インフレータから噴出されて前記エアバッグに供給されるガスの供給量を可変とする可動部材を備え、同可動部材を、前記ガスの供給量を制限する位置へ移動させることにより、前記エアバッグの展開速度を低下させることを要旨とする。ここで、供給量は、単位時間当たりにインフレータからエアバッグに供給されるガスの量を意味する。
一般に、サイドエアバッグ装置では、インフレータからのガスがエアバッグの内部に充填されて内圧が上昇することで、同エアバッグが膨張展開する。内圧が速く上昇することでエアバッグの展開速度が速くなる。上記内圧は、インフレータから噴出されてエアバッグ内に供給されるガスの供給量が多くなるに従い速く上昇する。
この点、請求項11に記載の発明では、可動部材を移動させることで、インフレータから噴出されてエアバッグ内に供給されるガスの供給量が変更可能である。そして、エアバッグの膨張展開期間の後期には、可動部材が、ガスの供給量を制限する位置へ移動させられる。この移動により、それまでよりもエアバッグに供給されるガスの流量が少なくなって、内圧の上昇が遅くなり、それに伴いエアバッグの展開速度が低下させられる。
なお、上記可動部材は、膨張展開期間の前期から、ガスの供給量を制限する位置へ移動させられてもよい。この場合には、インフレータの作動開始直後から、エアバッグに供給されるガスの流量が少なくされる。
本発明のサイドエアバッグ装置によれば、車両の側突に先立ちインフレータに作動を開始させるとともに、少なくともその車両用シートの外部では、エアバッグの展開速度を、側突後にインフレータの作動を開始させたときの展開速度よりも低下させるようにしたため、乗員を好適に拘束して乗員保護性能の向上を図ることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図15を参照して説明する。
なお、以下の記載において、車両の前進方向を前方(車両前方)として説明し、車両の後進方向を後方(車両後方)として説明する。また、以下の記載における上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車両の車幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。
図1及び図2の少なくとも一方に示すように、車両においてボディサイド部21の車内側(図2の上側)の近傍には車両用シート22が配置されている。ここで、ボディサイド部21とは、車両の側部に配置された部材を指し、主としてドア、ピラー等がこれに該当する。例えば、前席に対応するボディサイド部21は、フロントドア、センターピラー(Bピラー)等である。また、後席に対応するボディサイド部21は、サイドドア(リアドア)の後部、Cピラー、タイヤハウスの前部、リアクォータ等である。
車両用シート22は、シートクッション(座部)23及びシートバック(背もたれ部)24を備えて構成されている。
図2及び図3の少なくとも一方に示すように、シートバック24は、その前部であって、車幅方向における両方の側部26にそれぞれサイドサポート部25を有している。両サイドサポート部25,25は、車両用シート22に着座してシートバック24にもたれた乗員Pの車幅方向の動きを規制するように乗員Pをサポートするためのものである。
次に、シートバック24において、サイドサポート部25を含む車外側の側部26の内部構造について説明する。
図3に示すように、シートバック24内には、その骨格をなすシートフレームが配置されている。シートフレームの周りには、ウレタンフォーム等の弾性材からなるシートパッド27が配置されている。シートフレームの一部はシートバック24の側部26内に配置されており、この部分(以下「サイドフレーム部28」という)は、金属板を曲げ加工することによって形成されている。
シートパッド27は複数枚の表皮31〜33によって被覆されている。表皮32,33は、サイドサポート部25の側面前部において重ね合わされて縫合されている。この縫合部分34は、シートパッド27に設けられた溝部35に収容されている。縫合部分34は、両表皮32,33の非縫合部分よりも強度が低いことから、後述するエアバッグ44によって破断される破断予定部の一部を構成している。
また、表皮31,32において、サイドサポート部25の付け根部分に対応する箇所は、後方へ折り曲げられて縫合されている。この縫合部分36は、後方へ引っ張られた状態で、シートパッド27の前部に設けられた溝部37内に収容されている。
さらに、表皮32,33及びシートパッド27間であって、サイドフレーム部28及び後述するエアバッグモジュール43の周りに対応する箇所には、2枚の力布38,39が巻き付けられている。両力布38,39は、エアバッグ44の展開性向上を目的として、伸びの少ない材料によってそれぞれ帯状に形成されている。各力布38,39の一方の端部は、上記縫合部分34において表皮32,33と共縫いされている。また、各力布38,39の他方の端部は上記サイドフレーム部28に係止されている。両力布38,39は、エアバッグ44の膨張展開初期に伸長した状態となることにより、所定の展開方向とは異なる方向へのエアバッグ44の膨張を抑制する。また、両力布38,39は、シートパッド27の変形や表皮32,33の伸びを抑制して破断予定部の破断のきっかけとする。
シートパッド27についてサイドフレーム部28の近傍には、エアバッグモジュール43を組み込むための収納空間41が設けられている。
収納空間41の車外側かつ前側の角部からは、表皮32,33の縫合部分34に向けてスリット42が延びている。シートパッド27においてスリット42と縫合部分34との間の箇所は薄肉状をなしており、縫合部分34とともに上記破断予定部を構成している。
上記収納空間41に組み込まれるエアバッグモジュール43は、エアバッグ44と、インフレータアセンブリ47とを主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。なお、図5及び図6は、ガスを充填されることなくエアバッグ44が展開させられた状態のエアバッグモジュール43を模式的に示している。
<エアバッグ44>
図5に示すようにエアバッグ44は、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸やポリアミド糸等を用いて形成した織布等からなる1枚の基布によって袋状に形成されている。
この形成に際しては、所定形状をなす基布が中央部分で二つ折りされる。この二つ折りに伴い、互いに同一形状をなす表裏一対の重合部44A,44Bが形成される。両重合部44A,44Bは、二つ折りにかかる辺45が車両後方側となるように配置されて使用される。また、両重合部44A,44Bはエアバッグ44が膨張展開を完了したときに、車両用シート22(図1及び図2参照)に着座している乗員Pの腰部Ppから胸部Ptにかけての広い領域をカバーし得る大きさ・形状を有している。この大きさ・形状は一例に過ぎず、エアバッグ44はこれとは異なる大きさ・形状を有していてもよい。例えば、エアバッグ44は、乗員Pの腰部Ppから肩部にかけての領域をカバーし得る大きさ・形状を有したものであってもよい。
なお、一対の重合部44A,44Bは、2枚の基布を重ね合わせることにより形成されるものであってもよい。この場合、各基布が各重合部44A,44Bを構成する。
両重合部44A,44Bは、それらの周縁部に設けられた周縁結合部46において結合されている。第1実施形態では、周縁結合部46は、両重合部44A,44Bの周縁部を縫製糸で縫合することにより設けられている。なお、周縁結合部46は、上記縫製糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって設けられてもよい。
<インフレータアセンブリ47>
インフレータアセンブリ47は、ガス発生源としてのインフレータ48と、そのインフレータ48に装着されたリテーナ49とを備えて構成されている。これらのインフレータ48及びリテーナ49は、エアバッグ44の内部空間において、前後方向についての後部であって、同エアバッグ44内の上下方向についての略中間部分に配置されている。
インフレータ48は略上下方向に細長い略円柱状をなしており、その内部にはガス発生剤(図示略)が収容されている。このタイプのインフレータ48ではガス発生剤の燃焼反応によってガスが生成される。インフレータ48の一方の端部(ここでは下端部)には、生成したガスを径方向外方へ噴出する複数のガス噴出口51が設けられている。
なお、インフレータ48としては、上記ガス発生剤を用いたタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断してガスを噴出させるタイプが用いられてもよい。
一方、リテーナ49は、ディフューザとして機能するとともに、上記インフレータ48をエアバッグ44と一緒にサイドフレーム部28(図3参照)に固定する機能を有する部材である。リテーナ49は、その大部分が金属板等の板材を曲げ加工等することによって上下方向に細長い略筒状に形成されている。リテーナ49の下端部の前側には、インフレータ48の一部のガス噴出口51をリテーナ49から露出させる窓部52が設けられており、ガス噴出口51からのガスが、この窓部52を通じ車両の概ね前方へ向けて噴出される。図4に示すように、リテーナ49の上記窓部52とは異なる所にはボルト53が植設されており、このボルト53がエアバッグ44に挿通されて、同エアバッグ44の外部に露出している。
ところで、サイドエアバッグ装置では、エアバッグ44が次の工程を経ることにより、上記収納空間41(図3参照)への組み込みに適したコンパクトな形態(以下「収納用形態」という)にされる。まず、図6に示すように、ガスを充填させることなく展開させられた状態のエアバッグ44が蛇腹折りされる。ここでの蛇腹折りは、エアバッグ44の折り態様の1つであり、同エアバッグ44を、それぞれ略上下方向に延びる複数の折り線54に沿って、車両前方側から車両後方側に向けて、一定幅ずつ交互に折り方向を変えながら折り返すというものである。この蛇腹折りが行われることにより、図7(A)に示すように、エアバッグ44は収納用形態とするための途中の形態として、略上下方向に細長い形状となる。
次に、上記のように長尺状にされたエアバッグ44の上部、及び下部が、図7(A)において矢印で示す方向へ、すなわち、上部については時計回り方向へ、また下部については反時計回り方向へそれぞれ折り返される。第1実施形態では、エアバッグ44の上部についても下部についてもそれぞれ1回折り返されているが、これは一例に過ぎず、折り返しの回数は適宜変更可能である。これらの折り返しにより、エアバッグ44は図7(B)に示すように、略上下方向についての長さが短くされている。
そして、上記のように折り畳まれたエアバッグ44は、複数箇所(図7(B)では2箇所)において結束テープ55によって束ねられている。エアバッグ44は、これらの結束テープ55によって、折り畳まれた状態に保持されている。
上記のように構成されたエアバッグモジュール43は、図3に示すように、インフレータアセンブリ47を後ろ側に位置させ、かつエアバッグ44の蛇腹折りされた箇所を前側に位置させた状態で、シートバック24の収納空間41に収容されている。そして、上述したように、エアバッグ44に挿通されたボルト53が、ナット63によりサイドフレーム部28に締結されている。この締結により、インフレータアセンブリ47がエアバッグ44と一緒にサイドフレーム部28に固定されている。
上記エアバッグモジュール43においては、エアバッグ44が、インフレータ48からのガスにより概ね次のように膨張する。詳細については後に詳述する。まず、エアバッグ44はガスの供給開始直後には、収納空間41で膨張展開する。この膨張展開が進行するに従い、エアバッグ44がサイドサポート部25を前方へ押圧して膨らませ始める。サイドサポート部25が前方へ膨らむと、車両用シート22に着座してシートバック24にもたれている乗員Pの背中が前方へ押される。膨張展開するエアバッグ44が、サイドサポート部25を介してではあるが、すなわち間接的であるが、乗員Pを押すようになる。さらに膨張展開が進行すると、エアバッグ44は車両用シート22を破断させ、一部を収納空間41に残した状態で同車両用シート22の外部へ飛び出す。エアバッグ44は、ボディサイド部21及び車両用シート22間(図2参照)において、同車両用シート22から前方へ向けて膨張展開する。この膨張展開したエアバッグ44は乗員Pを直接押して拘束する。
ここで、エアバッグ44が膨張展開を開始してから完了するまでの全期間を「膨張展開期間」とする。この膨張展開期間は、エアバッグ44が直接又は間接に乗員Pを押して拘束する期間と、拘束しない期間とに分けることができる。上述したように、エアバッグ44がシートパッド27を前方へ押圧して膨らませ始めるタイミングよりも後には、同エアバッグ44が乗員Pを間接又は直接に押圧して拘束する。このシートパッド27を膨らませ始めるタイミングは、膨張展開期間の中間である。そこで、ここでは便宜上、シートパッド27を膨らませ始めるタイミングを基準に、それよりも前の期間を「膨張展開期間の前期」といい、同タイミング以降の期間を「膨張展開期間の後期」というものとする。このように定義すると、「膨張展開期間の前期」が乗員Pを拘束しない期間に相当し、「膨張展開期間の後期」が上記乗員Pを直接又は間接に拘束する期間に相当する。
上記膨張展開期間の前期では、エアバッグ44を従来のサイドエアバッグ装置と同程度の速い展開速度V2で膨張展開させる一方、上記膨張展開期間の後期では、エアバッグ44を従来のサイドエアバッグ装置よりも遅い展開速度V1で膨張展開させるために、次の構成が新たに採用されている。
図4に示すように、エアバッグモジュール43は、前述した基本構成に加え、長尺部材として、布帛、テープ等によって形成されたベルト56を備えている。ベルト56は、膨張展開を完了したエアバッグ44を取り囲むことのできる長さ、より詳しくは同状態のエアバッグ44の周長よりもわずかに短い長さを有している。この長さは、収納用形態のエアバッグ44を取り囲むために必要な長さよりも長い。そして、ベルト56は、収納用形態にされたエアバッグ44の外部において、同エアバッグ44を略水平方向に取り囲んだ状態で配置されている。ベルト56の両端部には、上述したリテーナ49のボルト53が挿通されており、同両端部がボルト53及びナット63によってサイドフレーム部28に固定されている。
ベルト56について、収納用形態の上記エアバッグ44の取り囲みに関わらない余剰部分(以下「冗長部57」という)は、たるませられている。冗長部57は、第1冗長部58及び第2冗長部60からなる。ここでは、第1冗長部58及び第2冗長部60がそれぞれ複数ずつ設けられている。
図4及び図8(A)の少なくとも一方に示すように、各第1冗長部58は、膨張展開期間の後期においてエアバッグ44の展開速度を規制して低下させるためのものであり、いずれも同一の構成を有している。図8(B)及び図9の少なくとも一方に示すように、各第1冗長部58は、ベルト56に対し、その長さ方向に略直交する方向(図9の上下方向)に延びる折り線59を偶数本設定し、同ベルト56をそれらの折り線59に沿って折り重ねることによって形成されている。第1実施形態では、第1冗長部58毎に2本の折り線59,59が設定されており、両折り線59,59に沿ってベルト56が交互に折り方向を変えながら折り重ねられている。折り線59が2本であることから、各第1冗長部58では、各折り線59に接する3つの折り片61が形成され、これらの折り片61が重ね合わされている。
各第1冗長部58には、これをたるんだ状態に保持し、エアバッグ44の膨張に伴い保持を解除する保持部62が設けられている。ベルト56の一部を折り重ねて第1冗長部58を構成した第1実施形態では、各第1冗長部58に、3つの折り片61を重ね合わせた状態に保持する保持部62が設けられている。ここでは、各保持部62は、3つの折り片61を、縫製糸によってベルト56の長さ方向に略直交する方向(図9の上下方向)に縫合することによって形成されている。この構成では、縫製糸による縫合部分がエアバッグ44の膨張展開に伴い破断されることで、保持部62による保持が解除される。
また、第1冗長部58毎の保持部62が、その第1冗長部58における3つの折り片61を重ね合わせた状態に保持する強度を保持強度と定義すると、各第1冗長部58では3つの折り片61が、他の第1冗長部58とは異なる保持強度で縫合されている。こうした縫合により、保持強度は第1冗長部58毎に異なっている。
保持強度は、例えば、次のように縫合を行うことにより異ならせることができる。
(i)第1冗長部58毎に強度の異なる複数種類の縫製糸を用いて折り片61の縫合を行う。
(ii)第1冗長部58毎に太さの異なる複数の縫製糸を用いて折り片61の縫合を行う。この場合、保持強度は縫製糸が太くなるに従い高くなる。
(iii )第1冗長部58毎に縫合の長さを異ならせる。この場合、保持強度は、縫合の長さが長くなるに従い高くなる。
(iv)第1冗長部58毎に縫合の縫い間隔を異ならせる。一般には、保持強度は、縫い間隔が狭くなるに従い高くなる。
(v)保持部62の数を第1冗長部58毎に異ならせる。この場合、第1冗長部58毎の保持強度は、保持部62の数が多くなるに従い高くなる。
一方、各第2冗長部60は、膨張展開期間の前期において、エアバッグ44の速い展開速度での膨張展開を許容するためのものであり、ベルト56において、上記保持部62による保持が解除される前にエアバッグ44の膨張展開に伴い引き伸ばされる箇所である。
そして、上述した複数の第1冗長部58、第1冗長部58毎の保持部62、及び複数の第2冗長部60によって展開速度低下手段が構成されている。この展開速度低下手段では、ベルト56の素材、長さ、幅や、第1冗長部58の数、保持強度、第2冗長部60の数等が、次の条件を満たすように設定されている。
条件1:エアバッグ44の上記膨張展開期間の前期には、保持部62がエアバッグ44の膨張展開の妨げとならないこと。
条件2:エアバッグ44の上記膨張展開期間の後期には、保持部62がエアバッグ44の膨張展開の妨げとなって展開速度を低下させ、従来のサイドエアバッグ装置におけるエアバッグと同程度のタイミングで膨張展開を完了させること。同程度のタイミングとは、側突の発生から所定時間が経過した時期(図13のタイミングt6参照)を指す。
図3に示すように、サイドエアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュール43のほかに、ミリ波レーダ等からなる側突予測用センサ66を備えるとともに、インフレータ制御手段として制御装置67を備えている。
ミリ波レーダは、数ミリメートルの波長を有する電波(ミリ波)を車両(自車)の側方へ出射することで、同方向に位置する対象物、主として他の車両(他車)から反射してきた電波を受信し、伝搬時間やドップラー効果によって生じる周波数差等を基に、対象物の位置や車両(自車)との相対速度を測定する。
制御装置67は、マイクロコンピュータを中心として構成されており、中央処理装置(CPU)が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御プログラム、初期データ、制御マップ等に従って演算処理を行い、その演算結果に基づいて、インフレータ48の作動を制御する。
次に、上記のようにして構成された第1実施形態の作用について、図13を参照して説明する。
図13は、エアバッグ44の膨張初期における膨張度の時間変化を模式的に示している。ここで、膨張度は、エアバッグ44の膨張がどれだけ進行しているかを示す指標である。この膨張度は、エアバッグ44が膨張していないとき、すなわち収納用形態にあるときに「0%」となる。また、膨張度は、エアバッグ44が採り得る最大の大きさに膨張したとき、すなわち膨張を完了して乗員Pを拘束したときに「100%」となる。図13では、単位時間当たりの膨張度の変化量が展開速度に相当する。
側突の発生を衝撃センサによって検出し、その検出に応じてインフレータに着火指令信号を出力する従来のサイドエアバッグ装置については、エアバッグの膨張度の時間変化は、図13では、特性線L2(二点鎖線)にて示すことできる。
すなわち、例えば、図13中のタイミングt4で側突が発生すると、そのことが衝撃センサによって検出される。この側突発生のタイミングt4から若干遅れたタイミングt5で着火指令信号が出力され、その信号に応じてインフレータが作動を開始する。そして、インフレータからのガスによりエアバッグが膨張を開始し、一定の展開速度V2で膨張展開が進行し、タイミングt6で膨張が終了する。なお、展開速度V2は、それぞれのタイミングの間での展開速度を平均的な速度として表したものである。
これに対し、第1実施形態では、制御装置67は、側突予測用センサ66によって検出された位置や相対速度に基づき、側突の可能性を監視している。そして、図13のタイミングt1で、側突が避けられないと判断すると、すなわち側突を予測すると、実際の側突の発生(タイミングt4)よりも前のタイミングt2でインフレータ48に着火指令信号を出力する。この着火指令信号によりインフレータ48で着火が行われ、ガス発生剤の燃焼反応によって高温高圧のガスが生成される。このガスは、ガス噴出口51から、リテーナ49の窓部52を通じてエアバッグ44へ噴出される(図5参照)。
次に、このガスによって膨張展開するエアバッグ44の膨張展開の態様を、膨張展開期間の前期と後期とに分けて説明する。
<膨張展開期間の前期>
図10に示すように、膨張展開期間の前期には、上記ガスによってエアバッグ44が膨張を開始し、同エアバッグ44を結束していた結束テープ55(図7(B)参照)が破断される。エアバッグ44が折り状態を解消しながら収納空間41で車両前方へ膨張展開する。
エアバッグ44の外部に配置されているベルト56は、上記のように膨張展開するエアバッグ44によって前方へ引っ張られる。ベルト56には、上述したように第1冗長部58及び第2冗長部60を複数ずつ有する冗長部57が設定されている。このことから、エアバッグ44が膨張展開すると、各第1冗長部58の3つの折り片61が、保持部62によって重ね合わされた状態に保持されたまま前方へ引っ張られる。この段階では、各第2冗長部60は引き伸ばされるが、未だ緊張せずたるんだ状態となっている。そのため、ベルト56がエアバッグ44の膨張展開の妨げとなることはほとんどない。その結果、エアバッグ44は、タイミングt2以降、従来のサイドエアバッグ装置と同程度の展開速度V2で膨張展開を進行する。
<膨張展開期間の後期>
エアバッグ44の収納空間41での膨張展開が進行する過程で、そのエアバッグ44はサイドサポート部25を前方へ押圧するようになる。その後も、膨張展開が進行することで、タイミングt3には上記押圧によってサイドサポート部25が前方へ膨らみ始める(図11参照)。
この時点(タイミングt3)では、膨張展開するエアバッグ44によりベルト56が引っ張られて、各第2冗長部60が全て緊張する(たるみのない状態となる)。これに対し各第1冗長部58では、保持部62により各折り片61を折り重ねられた状態に保持されている。そのため、ベルト56は全体として緊張状態となる。そして、上記保持部62の保持しようとする力が、エアバッグ44の膨張展開の抵抗となる。この抵抗により、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部が消費され、タイミングt3以降、エアバッグ44の展開速度の低下が始まる。
一方、上記膨張が進行するに従い、エアバッグ44の一部がスリット42内に進入していく。エアバッグ44は、スリット42内に進入した後も膨張展開し続けようとする。そのため、エアバッグ44の膨張の進行に伴いサイドサポート部25が、図12に示すように破断予定部において破断される。すなわち、スリット42と縫合部分34との間におけるシートパッド27の薄肉部分が破断されるとともに、同縫合部分34における縫合状態が解除されて開口64が生ずる。エアバッグ44は破断により生じた上記開口64を拡大させつつ、その開口64を通じてシートバック24から飛び出す。このとき、サイドサポート部25において開口64よりも車内側の部分は、縫合部分36を支点として前方へ開く。また、サイドサポート部25において開口64よりも後ろ側の部分は、シートパッド27の側部に設けられた切欠き65を支点として後方へ開く。
縫合部分34等の破断に伴い生じた開口64から飛び出したエアバッグ44は、図14に示すようにシートバック24から前方へ膨張展開する。その後もエアバッグ44の膨張展開は続く。
ここで、ベルト56に第1冗長部58及び保持部62が複数組設けられていること、及び第1冗長部58毎に保持部62の保持強度が異なっていることから、タイミングt3〜t6の期間においては、保持強度の最も低い保持部62が最初に破断される。エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部がこの保持部62の破断に消費され、エアバッグ44の展開速度が低下する。
上記のように保持部62の破断された第1冗長部58では、3つの折り片61を折り重ねた状態に保持するものがなくなり、新たなたるみ部分を生ずる。しかし、エアバッグ44が引き続き膨張展開していることから、各折り片61の折り状態が解消されて第1冗長部58が引き伸ばされ、再びベルト56が緊張する。ベルト56では、残った保持部62が各第1冗長部58を折り重ねられた状態に保持しようとする。保持強度の2番目に低い保持部62の破断のためにエアバッグ44の膨張展開のエネルギーが消費され、エアバッグ44の展開速度が低下させられる。
以降、保持部62が保持強度の低いものから順に破断されていき、その破断毎にエアバッグ44の膨張展開のエネルギーが消費され、エアバッグ44の展開速度が低下させられる。その結果、タイミングt3〜t6の期間には、エアバッグ44は、上述した従来のサイドエアバッグ装置よりも遅い展開速度V1で膨張展開することとなる。なお、この展開速度V1は、上記展開速度V2と同様、それぞれのタイミングの間での展開速度を平均的な速度として表したものである。
エアバッグ44は、タイミングt6で図15に示すように膨張を完了する。この膨張展開したエアバッグ44が、乗員P、特に腰部Ppから胸部Ptにかけての広い箇所と、車室内に進入してくるボディサイド部21との間に介在し、ボディサイド部21を通じて乗員Pへ伝わる側方からの衝撃を緩和する。このときには、全ての第1冗長部58における保持部62が破断されて、エアバッグ44によってベルト56が緊張状態にされる。
このようにエアバッグ44は、タイミングt3以降、展開速度を低下させているにも拘わらず、従来のサイドエアバッグ装置と同様のタイミングt6で膨張を完了させるようにしている。これは、エアバッグ44の膨張の開始時期を、従来のサイドエアバッグ装置における膨張開始時期よりも早めたことにより可能となったものである。
すなわち、エアバッグ44の膨張展開を特定のタイミングt6で終了させるという条件のもとでは、エアバッグ44の膨張展開に関わることのできる時間(展開時間)は、膨張展開の開始時期に応じて異なってくる。開始時期が早められると、それに伴って膨張展開時間が長くなる。図13に示すように、実際の側突が発生した直後のタイミングt5を膨張展開の開始時期とすると、タイミングt5〜t6の期間が展開時間T2となる。これに対し、側突を予測し、実際の側突よりも前のタイミングt2を膨張展開の開始時期とすると、タイミングt2〜t6の期間が展開時間T1となる。両展開時間T1,T2の差分(=T1−T2)だけ、膨張展開に要する時間に余裕が生じ、展開速度を低下させることが可能となる。
この点を考慮し、第1実施形態では、エアバッグ44がサイドサポート部25を前方へ膨らませ始めた後、車両用シート22の外部で膨張展開して膨張を完了するまでの期間(タイミングt3〜t6)にわたり、エアバッグ44の展開速度が、側突後にインフレータ48の作動を開始させたときの展開速度V2よりも低下させられる。この展開速度の低下により、膨張展開するエアバッグ44が反力として乗員Pに与えるエネルギーが低下する。
なお、エアバッグ44が車両用シート22の内部で膨張展開するとき、より詳細には、サイドサポート部25を前方へ膨らませ始めるまでの期間(タイミングt2〜t3)には、上述した展開速度の低下が行われない。この期間には、エアバッグ44の膨張展開が、側突後にインフレータ48の作動を開始させたときと同様の展開速度V2で素早く行われて、上記タイミングt3〜t6での膨張展開に備えられる。この期間(タイミングt2〜t3)には、上述したようにサイドサポート部25が膨らませられないため、上記のようにエアバッグ44が素早く膨張展開してもサイドサポート部25によって乗員Pが押されることはない。
また、図13では、実際の側突の発生時(タイミングt4)よりも前のタイミングt3でエアバッグ44の展開速度がV2からV1に切り替えられる場合を例に採って説明したが、同タイミングt4よりも後に展開速度が切替えられてもよい。ただし、乗員Pの身体の一部がエアバッグ44の膨張展開する領域に位置している場合に、膨張展開するエアバッグ44が反力として乗員Pに与えるエネルギーを小さくする観点からは、この切替えタイミングは、タイミングt6よりも前であって、できるだけ早い方がよい。具体的には、切替えタイミングは、タイミングt5よりも前が好ましく、タイミングt4よりも前がより好ましい。上記第1実施形態のように、側突が発生する前のタイミングt3から遅い展開速度V1でエアバッグ44を膨張展開させ始めることが最も好ましい。エアバッグ44が乗員Pを拘束するよりも前に、エアバッグ44の展開速度を確実に遅くすることができる。
以上詳述した第1実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)車両の側方の状況を監視し、車両の側突を予測したときには、実際の側突に先立ちインフレータ48に作動を開始させている。そして、膨張展開期間の後期には、側突後にインフレータ48の作動を開始させたときの展開速度V2よりも低い展開速度V1にてエアバッグ44を膨張展開させるようにしている。そのため、膨張展開するエアバッグ44が反力として乗員Pに与えるエネルギーを低下させ、乗員Pを好適に拘束して乗員保護性能の向上を図ることができる。
(2)上記(1)に記載の効果は、エアバッグ44が車両用シート22から飛び出た後の期間を上記膨張展開期間の後期とした場合であっても十分に得られる。第1実施形態では、さらにエアバッグ44が収納空間41で膨張し、サイドサポート部25を前方へ膨らませ始めてから車両用シート22の外部へ出るまでの期間についても、上記膨張展開期間の後期に含ませている。そのため、エアバッグ44がサイドサポート部25を介して乗員Pを間接的に押圧するときにも、そのサイドサポート部25を介して乗員Pに与えるエネルギーを低下させ、乗員Pを一層好適に拘束して、乗員保護性能のさらなる向上を図ることができる。
(3)膨張展開期間の前期には、エアバッグ44の膨張展開を、側突後にインフレータ48の作動を開始させたときと同様の展開速度V2で行わせるようにしている。そのため、車両用シート22の内部ではエアバッグ44を素早く膨張展開させ、上述した車両用シート22の外部でのエアバッグ44の膨張展開に備えることができる。なお、膨張展開期間の前期には、サイドサポート部25がエアバッグ44によっては前方へ膨らませられない。このため、エアバッグ44がサイドサポート部25を通じて乗員Pを間接的に押す現象は起こらず、上記のようにエアバッグ44が素早く膨張展開させられても、乗員保護性能の低下につながるような問題は生じない。
(4)長尺部材としてベルト56を用い、その両端部を車両用シート22に固定している。また、ベルト56に冗長部57を設定し、その冗長部57の第1冗長部58を保持部62により折り重ねられた状態に保持することにより、冗長部57をたるんだ状態に保持している。そのため、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部を、保持部62による保持の解除(破断)に消費させ、エアバッグ44の展開速度を確実に低下させることができる。
(5)ベルト56をエアバッグ44の外部に配置している。そのため、ベルト56によって、エアバッグ44の車幅方向の膨張を規制し、同方向への過剰な膨張を抑制することができる。
第1実施形態は、次のように変更されて実施されてもよい。
(a)エアバッグ44が車両用シート22の外部で膨張展開する期間においてのみ展開速度を低下させるようにしてもよい。この場合、エアバッグ44が収納空間41から車両用シート22の外部へ出る直前になっても、第2冗長部60が未だたるんだ状態になっていてもよい。
また、エアバッグ44が車両用シート22の内部(収納空間41)で膨張展開する期間についても展開速度を低下させるようにしてもよい。この場合、車両用シート22の内部における速い展開速度V2での膨張展開を実現するための第2冗長部60を割愛してもよい。
(b)各第1冗長部58における保持部を、縫製糸とは異なる手段によって形成してもよい。例えば、接着剤を用い、この接着剤によって各第1冗長部58における隣合う折り片61を相互に接着してもよい。このようにしても、各第1冗長部58を折り重ねられた状態に保持することができる。
(c)保持部62を、スナップフィット、スナップボタン、スナップホック等、スナップ式の一対の締結部品によって構成してもよい。この場合、両締結部品を、第1冗長部58において相対向する折り片61に設ける。このようにすると、両締結部品を相互に結合させることにより、第1冗長部58が折り重ねられた状態に保持される。また、エアバッグ44の膨張展開に伴い、両締結部品が分離されることにより、上記保持が解除される。
(d)ベルト56における冗長部57の数、各冗長部57における第1冗長部58の数を変更してもよい。
(e)全ての第1冗長部58について、保持部62の保持強度が相互に異なっていなくてもよい。複数の第1冗長部58を複数のグループに分け、グループ毎に保持部62の保持強度を異ならせてもよい。また、全ての第1冗長部58について、保持部62の保持強度を同一としてもよい。
(f)保持部62の保持強度を第1冗長部58間で異ならせる場合、保持強度の高低と、第1冗長部58の位置との間に要求される関係は特にない。従って、どの位置の第1冗長部58において保持部62の保持強度を高くし、どの位置の第1冗長部58において保持部62の保持強度を低くするかは、任意に設定してもよい。
(g)各第1冗長部58における保持部62の延びる方向を変更してもよい。図16及び図17はその一例を示している。この変形例では、各第1冗長部58における3つの折り片61がベルト56の長さ方向(図16及び図17の左右方向)に縫合されることによって保持部62が形成されている。そして、エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、各保持部62がエアバッグ44の膨張展開の進行に伴い、車両後側から前側へ向けて破断されていく。エアバッグ44の膨張展開のエネルギーが、この保持部62の破断に消費され、展開速度が低下させられる。
そのほか、図示はしないが、保持部62の延びる方向を、ベルト56の長さ方向に斜めに交差する方向としてもよい。このようにしても第1実施形態と同様の効果が期待できる。
なお、図示はしないが、図16及び図17において、ベルト56の長さ方向に隣合う保持部62が相互につながっていてもよい。
(h)ベルト56の両端部をサイドフレーム部28に代えてエアバッグ44の後部に固定してもよい。また、ベルト56の一方の端部をサイドフレーム部28に固定し、他方の端部をエアバッグ44の後部に固定してもよい。
(i)ベルト56として、膨張展開を完了したエアバッグ44の周長よりも若干短い長さを有するものを用いる。そして、エアバッグ44が膨張展開を完了したときにベルト56を分離させてもよい。図18及び図19は、ベルト56を分離させるための構造の一例を示している。
ベルト56の一方(図18の下方)の端部56Aには上述したリテーナ49のボルト53が挿通されており、同端部56Aがボルト53及びナット63によってサイドフレーム部28(車両用シート22)に固定されている。また、ベルト56の他方(図18の上方)の端部56Bが連結手段によって車両用シート22に間接的に連結されている。
図18及び図19(A)に示すように、ベルト56の他方(図18の上方)の端部56Bは、連結手段によって車両用シート22に間接的に連結されている。連結手段は、アンカー部材81及び拘束部材82を備えて構成されている。アンカー部材81はピン等によって形成されており、上記端部56Bに固定されている。拘束部材82は、通電に伴い変形する形状記憶合金によって形成され、上記端部56Aに固定されている。
拘束部材82は、これに通電されないときには、図19(A)に示すように、上記アンカー部材81の周りで略円環状となり、同アンカー部材81を把持する。この把持により、連結手段は、端部56Bが、アンカー部材81、拘束部材82、端部56A、ボルト53及びナット63を介してサイドフレーム部28に連結された状態(連結状態)となる。ベルト56の端部56Aは、常に車両用シート(サイドフレーム部28)に固定されていることから、この連結状態では、ベルト56がその両方の端部56A,56Bにおいて車両用シート22に固定された状態となる。
また、拘束部材82は、これに通電されたときには、図19(B)に示すように、上記アンカー部材81の周りで略円弧状に変形する。この変形により、拘束部材82のアンカー部材81を把持する力が弱まり、連結手段は、上記拘束部材82によるアンカー部材81の連結状態(拘束)が解除された連結解除状態となる。この連結解除状態では、ベルト56は、一方の端部56Aにおいてのみ車両用シート22に固定された状態となる。
上記連結手段では、制御装置67により拘束部材82に対する通電が制御されることで、上記連結状態及び連結解除状態が切り替えられる。この場合、エアバッグ44が完全に膨張するまでは拘束部材82への通電が行われず、連結手段が連結状態となる。この状態は、第1実施形態においてベルト56のサイドフレーム部28に固定された状態に相当する。そのため、膨張展開期間の前期には第2冗長部60の作用によりエアバッグ44が速い展開速度V2で膨張展開する。また、膨張展開期間の後期には、第1冗長部58の作用によりエアバッグ44が遅い展開速度V1で膨張展開する。
そして、エアバッグ44が完全に膨張した後に拘束部材82に通電されることで、連結手段が上記連結解除状態となる。
また、上記とは異なる構成によりベルト56の分離を実現してもよい。例えば、上記連結手段(アンカー部材81及び拘束部材82)に代え、ベルト56に対し、その幅方向に沿ってミシン目を入れる。そして、エアバッグ44が膨張展開を完了してベルト56が緊張状態となったときに、このミシン目においてベルト56が切断されるようにする。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態について、図20(A),(B)を参照して説明する。
第2実施形態は、ベルト56をエアバッグ44の内部に配置している点において、ベルト56をエアバッグ44の外部に配置している第1実施形態と異なっている。
このベルト56は、膨張展開を完了したエアバッグ44において、その後端部と前端部とを結ぶ長さと同程度の長さを有している。ベルト56の後部は、エアバッグ44内であって、インフレータアセンブリ47の周りに巻き付けられている。ベルト56の後端部には、リテーナ49のボルト53が挿通されており、同後端部がボルト53及びナット63によってサイドフレーム部28に固定されている。ベルト56の前端部は、縫合、接着等の手段によって、エアバッグ44内の前端部に連結されている。
ベルト56の長さ方向についての中間部分には、エアバッグ44が収納用形態にあるときにたるんだ状態となる冗長部57が形成されている。冗長部57は、1つ以上(図20(B)では3つ)の第1冗長部58を有している。各第1冗長部58は、ベルト56の長さ方向に略直交する方向(図20(B)において紙面と略直交する方向)に延びる折り線に沿って同ベルト56の一部を折り重ねることによって形成されている。各第1冗長部58は、保持部62によって折り重ねられた状態に保持されている。ここでは、各保持部62は、3つの折り片61を、縫製糸によってベルト56の長さ方向に略直交する方向に縫合することによって形成されている。各第1冗長部58では3つの折り片61が、他の第1冗長部58とは異なる保持強度で縫合されている。こうした縫合により、保持強度は第1冗長部58毎に異なっている。
そして、上述した複数の第1冗長部58、及び第1冗長部58毎に設けられた保持部62によって展開速度低下手段が構成されている。この展開速度低下手段では、ベルト56の素材、長さ、幅や、第1冗長部58の数、保持強度等が、上述した条件(i),(ii)を満たすように設定されている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の部材、箇所等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記第2実施形態では、ベルト56の配置箇所が第1実施形態とは異なるものの、膨張展開期間の後期において、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部が保持部62の破断に消費され、エアバッグ44の展開速度が展開速度V2よりも低下させられる。
従って、第2実施形態によっても、第1実施形態における上記(1)〜(4)と同様の効果が得られる。
なお、第2実施形態は、上述した(a)〜(i)と同様に変更されて実施されてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態について、図21(A)を参照して説明する。
第3実施形態では、展開速度低下手段が第1実施形態とは異なる構成によって実現されている。
展開速度低下手段は、長尺部材として、布帛、テープ等によって形成された複数本のベルト56を備えている。各ベルト56は、膨張展開を完了したエアバッグ44を取り囲むことのできる長さよりも若干短く形成されている。この長さは、収納用形態のエアバッグ44を取り囲むために必要な長さよりも長い。ただし、各ベルト56の長さは、ベルト56間で異なっている。そして、各ベルト56は、収納用形態にされたエアバッグ44の外部において、そのエアバッグ44を略水平方向に取り囲んだ状態で配置されている。各ベルト56の両端部は、上述したサイドフレーム部28に固定されている。
各ベルト56について、収納用形態の上記エアバッグ44の取り囲みに関わらない余剰部分はたるませられている。この余剰部分の長さはベルト56毎に異なっている。なお、図21(A)では、説明の便宜上、各ベルト56の余剰部分が伸ばされた状態で図示されている。
各ベルト56には、同ベルト56の他の箇所よりも低い強度を有し、同他の箇所よりも破断しやすい分離予定部71が設けられている。ここでの強度は、破断に耐え得る強度を指す。分離予定部71は、ベルト56の長さ方向に略直交する方向(図21(A)の上下方向)に沿って入れられたミシン目によって構成されている。すなわち、分離予定部71は、それぞれ所定の長さを有する複数本の切り込みを、所定間隔おきにベルト56に入れることによって形成されている。こうした分離予定部71は、切り込みの入れられた箇所と、その隣の切り込みの入れられていない箇所とを1つの単位として、この単位を何回か繰り返すことによって形成されている。各ベルト56では、分離予定部71の強度がベルト56間で互いに同一となるようにミシン目が入れられている。
そして、展開速度低下手段では、各ベルト56の長さ、分離予定部71の数、強度等が次の条件を満たすように設定されている。
条件3:エアバッグ44の上記膨張展開期間の前期には、全てのベルト56が緊張状態とならず、エアバッグ44の膨張展開の妨げとならないこと。
条件4:エアバッグ44の上記膨張展開期間の後期には、少なくとも1つのベルト56が緊張状態となり、エアバッグ44の膨張展開の妨げとなって展開速度を低下させ、従来のサイドエアバッグ装置におけるエアバッグと同程度のタイミングで膨張展開を完了させること。
なお、第3実施形態では第1実施形態とは異なり、ベルト56に第1冗長部58や保持部62は設けられていない。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の部材、箇所等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記第3実施形態では、エアバッグ44が収納用形態にあるときには、全てのベルト56の余剰部分がたるんだ状態となっている。
エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、そのエアバッグ44の膨張展開に伴い全てのベルト56が引き伸ばされる。この引き伸ばしにより、長さの最も短いベルト56が最初に緊張し、エアバッグ44の膨張展開を妨げようとする。ここで、各ベルト56では、分離予定部71において他の箇所よりも強度が低くされており、同ベルト56にエアバッグ44の張力等の外力が加わった場合に分離予定部71においてベルト56が破断されやすくなっている。
そのため、上記ベルト56が緊張した状態からさらにエアバッグ44が膨張展開し続けようとすると、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーが分離予定部71の破断に消費されて、エアバッグ44の展開速度が低下させられる。そして、上記のようにベルト56が分離予定部71において破断されて分離されると、そのベルト56によるエアバッグ44の膨張展開を妨げようとする力がなくなる。
特に、第3実施形態では、展開速度低下手段として、上記のように分離予定部71を有し、かつ長さの異なるベルト56を複数本用いている。そのため、エアバッグ44の膨張に伴い、長さの短いベルト56から順に、その分離予定部71において同ベルト56が破断される。膨張展開期間の後期には、分離予定部71が破断される毎にエアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部が消費されて、エアバッグ44の展開速度が展開速度V2よりも低下させられる。
従って、第3実施形態によっても、第1実施形態における上記(1)〜(3),(5)と同様の効果が得られる。なお、上記(4)については、これに相当する次の(4A)の効果が得られる。
(4A)長尺部材としてベルト56を用い、その両端部を車両用シート22に固定している。また、ベルト56の途中に、エアバッグ44の膨張展開に伴い分離される分離予定部71を設定している。そのため、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部を、分離予定部71の分離(破断)に消費させ、エアバッグ44の展開速度を確実に低下させることができる。
第3実施形態は、上述した(a),(h)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第3実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(j)分離予定部71を上記ミシン目とは異なる手段によって構成してもよい。例えば、ベルト56を複数のベルト片によって構成し、隣り合うベルト片を、上記(c)で説明したようなスナップ式の一対の締結部品によって分離可能に連結してもよい。この場合、エアバッグ44の膨張展開に伴い両締結部品が分離される。エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部がこの分離に消費され、エアバッグ44の展開速度が低下させられる。
(k)各ベルト56における分離予定部71の数を変更してもよい。
(l)ベルト56の長さをベルト56間で異ならせる場合、そのベルト56の長さと、ベルト56の位置との間に要求される関係は特にない。従って、エアバッグモジュール43のどの位置に、どの長さのベルト56を配置するかは任意に設定可能である。
(m)各分離予定部71の強度は、1単位の長さについて、切り込みの入れられていない箇所の占める割合によって異なってくる。切り込みの入れられていない箇所の割合が多くなるに従い、強度が高くなる。
このことを利用して、図21(B)に示すように、切り込みの入れられていない箇所の占める割合をベルト56毎に異ならせることにより、分離予定部71の強度をベルト56間で異ならせてもよい。
この場合、全てのベルト56について、分離予定部71の強度が相互に異ならせられてもよいし、そうでなくてもよい。後者の場合、複数のベルト56を複数のグループに分け、グループ毎に分離予定部71の強度を異ならせてもよい。
なお、分離予定部71の強度は、ベルト56の長さが長くなるに従い高くなるように設定されることが望ましい。このようにすれば、エアバッグ44の膨張展開が進行するに従い、長さの短いベルト56から順に、分離予定部71においてベルト56を分離させやすくすることができる。
(n)各ベルト56における分離予定部71の延びる方向を変更してもよい。例えば、図示はしないが、ベルト56に斜めに交差する方向としてもよい。
(o)上記と同様の構成を有するベルト56を、第2実施形態と同様にエアバッグ44の内部に配置してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態について、図5を参照して説明する。
第4実施形態では、展開速度低下手段が第1実施形態とは異なる構成によって実現されている。
すなわち、展開速度低下手段は、長尺部材として、伸縮性を有する布帛、テープ等によって形成された少なくとも1本のベルト56によって構成されている。このベルト56の自然状態(伸張していない状態)での長さは、収納用形態のエアバッグ44を取り囲むために必要な長さよりも長い。また、同ベルト56の伸張状態での長さは、膨張展開を完了したエアバッグ44を取り囲むことのできる長さである。そして、第4実施形態では、上記ベルト56として、エアバッグ44の膨張展開期間の前期には自然状態を維持し、後期には伸張される長さを有するものが採用されている。
ベルト56は、収納用形態にされたエアバッグ44の外部において、そのエアバッグ44を略水平方向に取り囲んだ状態で配置されている。ベルト56の両端部は、上述したサイドフレーム部28に固定されている。ベルト56について、収納用形態の上記エアバッグ44の取り囲みに関わらない余剰部分は、たるませられている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の部材、箇所等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記第4実施形態では、エアバッグ44の膨張展開期間の前期には、ベルト56がたるんだ状態となっている。そのため、ベルト56がエアバッグ44の膨張展開の妨げとなることはほとんどない。
エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、それまでたるんでいたベルト56が、膨張展開するエアバッグ44によって引っ張られて、たるみのない状態(緊張状態)となる。このベルト56が伸縮性を有する素材によって形成されていることから、さらにエアバッグ44が膨張展開すると、その膨張展開がベルト56を伸張させることにより行われる。ベルト56には弾性復元力があり、この弾性復元力はベルト56が伸張するに従い増大する。エアバッグ44の膨張展開のエネルギーがベルト56の伸張に消費されてエアバッグ44の展開速度が低下させられる。
従って、第4実施形態によっても、第1実施形態における上記(1)〜(3),(5)と同様の効果が得られる。なお、上記(4)については、これに相当する次の(4B)の効果が得られる。
(4B)長尺部材として、伸縮性を有する素材により形成されたベルト56を用い、その両端部を車両用シート22(サイドフレーム部28)に固定している。そのため、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部を、ベルト56の伸張に消費させ、エアバッグ44の展開速度を確実に低下させることができる。
第4実施形態は、上述した(a),(h),(i),(o)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第4実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(p)ベルト56は、1本に限らず複数本用いられてもよい。
(第5実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態について、図22〜図24を参照して説明する。
第5実施形態では、展開速度低下手段が第1実施形態とは異なる構成によって実現されている。
展開速度低下手段は、エアバッグ44について周縁結合部46により囲まれた領域において、両重合部44A,44Bを分離可能に結合し、エアバッグ44の膨張に伴い分離される内結合部によって構成されている。
ここでは、内結合部は、1本以上(図22及び図23では4本)のティアシーム72によって構成されている。各ティアシーム72は、両重合部44A,44Bを上記周縁結合部46よりも低い強度で結合している。各ティアシーム72は、縫製糸を用いて両重合部44A,44Bを、エアバッグ44の展開方向に略直交する方向に縫合することによって形成されている。各ティアシーム72の両端部は周縁結合部46に接続されている。
そして、ティアシーム72は、次の条件を満たす箇所に設定されている。
条件5:エアバッグ44の膨張展開期間の前期には、ティアシーム72がエアバッグ44の膨張展開の妨げとならないこと。
条件6:エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、ティアシーム72がエアバッグ44の膨張展開の妨げとなって展開速度を低下させ、従来のサイドエアバッグ装置におけるエアバッグと同程度のタイミングで膨張展開を完了させること。
上記両条件5,6を満たす箇所は、両重合部44A,44Bについて、周縁結合部46によって囲まれた領域のうち展開方向前側である。同領域のうち展開方向後側の箇所は、第1実施形態における第2冗長部60と同様の機能を果たす、すなわち、膨張展開期間の前期において、エアバッグ44の速い展開速度V2での膨張展開を許容するための膨張領域Zである。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第1実施形態と同様の部材、箇所等については同一の符号を付して説明を省略する。
上記第5実施形態では、エアバッグ44の膨張展開時期の前期には、図24に示すように、膨張領域Zが収納空間41においてガスにより膨張することで、エアバッグ44が速い展開速度V2にて膨張展開する。このときには、各ティアシーム72は破断されず、両重合部44A,44Bを結合している。
エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、両重合部44A,44Bを結合するティアシーム72が、エアバッグ44の膨張展開を妨げようとする。ここで、エアバッグ44では、両重合部44A,44Bを結合する力が、ティアシーム72において他の箇所(周縁結合部46)よりも小さくされており、同ティアシーム72が同周縁結合部46よりも破断されやすくなっている。そのため、エアバッグ44がさらに膨張展開し続けようとすると、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーがティアシーム72の破断に消費されて、エアバッグ44の展開速度が低下させられる。そして、上記のようにティアシーム72が破断されると、そのティアシーム72によるエアバッグ44の膨張展開を妨げようとする力がなくなる。
特に、第5実施形態では、ティアシーム72がエアバッグ44の展開方向についての複数箇所に設けられている。そのため、エアバッグ44の膨張に伴い、展開方向後側(インフレータアセンブリ47に近い側)から展開方向前側へ向けて順にティアシーム72を破断させることが可能となる。各ティアシーム72を破断させる毎にエアバッグ44の膨張展開のエネルギーを消費させて、エアバッグ44の展開速度を所定の期間(時間)にわたり低下させ続けることが可能となる。
なお、エアバッグ44において膨張領域Zよりも展開方向前側の部分(ティアシーム72の設けられた部分)が折り状態を解消し始めるタイミング、すなわち展開速度がV2からV1に切り替わるタイミング(図13のタイミングt3)は、同エアバッグ44が車両用シート22から飛び出す直前から直後の期間であることが望ましい。
従って、第5実施形態によっても、第1実施形態における上記(1)〜(3)と同様の効果が得られる。なお、上記(4)については、これに相当する次の(4C)の効果が得られる。
(4C)両重合部44A,44Bについて、周縁結合部46によって囲まれる領域に、同周縁結合部46よりも低い強度にて両重合部44A,44Bを結合するティアシーム72を設けている。そのため、エアバッグ44の膨張展開のエネルギーの一部を、ティアシーム72の破断に消費させ、エアバッグ44の展開速度を確実に低下させることができる。
なお、第5実施形態は、上述した(a)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第5実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(q)内結合部を、上記(c)で説明したようなスナップ式の一対の締結部品によって構成してもよい。この場合、両締結部品を、両重合部44A,44Bにおいて相対向する箇所に設ける。このようにすると、両締結部品を相互に結合させることにより、両重合部44A,44Bが結合される。また、エアバッグ44の膨張展開に伴い、両締結部品が分離されることにより、上記両重合部44A,44Bの結合が解除される。
(r)各ティアシーム72を、縫製糸とは異なる手段によって形成してもよい。例えば、接着剤を用い、この接着剤によって両重合部44A,44Bを相互に接着してティアシーム72としてもよい。
(s)ティアシーム72では、その長さが長くなるに従い強度が高くなる特性を有する。そこで、ティアシーム72毎にその長さを異ならせてもよい。このようにすれば、膨張展開期間の後期のうちでも展開速度V1を可変とすることができる。例えば、図25(A)に示すように、展開方向について最も後側のティアシーム72を最も短くし、展開方向前側になるほどティアシーム72を長くしてもよい。この場合、膨張展開期間の後期において、時間の経過とともに展開速度V1の低下度合いが大きくなり、エアバッグ44がゆっくり膨張展開するようになる。
(t)ティアシーム72の延びる方向を変更してもよい。例えば、図25(B)に示すように、エアバッグ44の展開方向に平行となるようにティアシーム72を形成してもよい。この場合、ティアシーム72は、エアバッグ44の膨張展開の進行に伴い、展開方向後側から前側へ向けて順に破断されていく。
なお、上記図25(B)のように、ティアシーム72を1本のみ設けた場合には、そのティアシーム72が破断される前に、インフレータ48からのガスがエアバッグ44の前部に到達して同部分が膨張する可能性がある。
そこで、図25(C)に示すように、エアバッグ44の展開方向に延びるティアシーム72を複数設けてもよい。この場合には、エアバッグ44の全体をバランスよく膨張させながらティアシーム72を破断させることが可能となる。
(第6実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態について、図26及び図27を参照して説明する。
第6実施形態では、展開速度低下手段が第1実施形態とは異なる構成によって実現されている。
ここで、エアバッグ44を収納用形態にする際に同エアバッグ44が折り畳まれることについては前述したが、折り態様には複数の種類が存在する。そして、折り態様に応じて折りの解消のしやすさが異なる。この折りの解消のしやすさは、エアバッグ44の膨張展開のしやすさ、ひいては展開速度と密接な関係がある。折りの解消がしやすい折り態様ほど、展開速度が速くなる。
具体的には、折り態様には、既に説明した蛇腹折りがあるほか、ロール折りと呼ばれるものがある。ロール折りは、エアバッグ44の一方の端部を中心とし、その周りに他の部分を巻き付ける折り態様である。一般に、蛇腹折りされたエアバッグの方が、ロール折りされたエアバッグよりも、折り状態が解消されやすい。従って、インフレータからガスが噴出供給された場合、後者のエアバッグが前者のエアバッグよりも遅く膨張展開する。
この点に着目し、第6実施形態では、図27に示すように、収納用形態にするためにエアバッグ44に蛇腹折り部73及びロール折り部74が形成されている。蛇腹折り部73は、第1実施形態と同様に、エアバッグ44の展開方向後側の部分を車両前方側から車両後方側に向けて、一定幅ずつ交互に折り方向を変えながら折り返す、いわゆる蛇腹折りすることによって形成されている。また、ロール折り部74は、エアバッグ44の展開方向前側の部分を上記のようにロール折りすることによって形成されている。ここでは、ロール折りに際し、エアバッグ44の展開方向前側の端部を中心とし、その周りに展開方向前側部の他の部分を反時計回り方向に巻き付けている。
上記蛇腹折り部73及びロール折り部74は次の条件を満たすように形成されている。
条件7:エアバッグ44の膨張展開期間の前期には、蛇腹折り部73が膨張展開の主たる部分となること。すなわち、この前期には主として蛇腹折り部73の折り状態が解消されるのみで、ロール折り部74の折り状態は解消されない、又はほとんど解消されないこと。
条件8:エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、ロール折り部74が膨張展開の主たる部分となること。すなわち、この後期には、主としてロール折り部74の折り状態が解消され、従来のサイドエアバッグ装置におけるエアバッグと同程度のタイミングで膨張展開を完了させること。
そして、上記蛇腹折り部73及びロール折り部74により、第6実施形態における展開速度低下手段が構成されている。
上記第6実施形態では、インフレータ48の作動開始直後(膨張展開期間の前期)には、図26に示すように、車両用シート22の内部(収納空間41)で主として蛇腹折り部73の折り状態が解消させられる。これに対し、膨張展開期間の後期には主としてロール折り部74の折り状態が解消させられる。ここでは、ロール折り部74は折り状態を解消されながらボディサイド部21に接触した状態で前方へ展開する。
なお、上記ロール折り部74が折り状態を解消し始めるタイミング、すなわち展開速度がV2からV1に切り替わるタイミング(図13のタイミングt3)は、同エアバッグ44が車両用シート22から飛び出す直前から直後の期間であることが望ましい。
従って、第6実施形態によっても、第1実施形態における上記(1)〜(3)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(6)収納用形態にあるエアバッグ44の展開方向後側の部分に蛇腹折り部73を形成するとともに、展開方向前側の部分にロール折り部74を形成している。そのため、膨張展開期間の前期には、エアバッグ44を速い展開速度V2で膨張展開させ、膨張展開期間の後期には、エアバッグ44を遅い展開速度V1で膨張展開させることができる。
なお、第6実施形態は、上述した(a)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第6実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(u)ロール折りに際し、エアバッグ44の展開方向前側部を上記とは逆方向、すなわち時計回り方向に巻き付けてもよい。
(v)エアバッグ44における蛇腹折り部73及びロール折り部74のそれぞれが占める割合を車両に合わせて調整してもよい。
(第7実施形態)
次に、本発明を具体化した第7実施形態について、図28(A),(B)を参照して説明する。
一般に、サイドエアバッグ装置では、インフレータ48からのガスがエアバッグ44の内部に充填されて内圧が上昇することで、同エアバッグ44が膨張展開する。内圧が速く上昇することでエアバッグ44の展開速度が速くなる。上記内圧は、インフレータ48から噴出されてエアバッグ44内に供給されるガスの供給量が多くなるに従い速く上昇する。
そこで、第7実施形態では、インフレータ48から噴出されてエアバッグ44内に供給されるガスの供給量を可変としている。そのために、展開速度低下手段として、以下の構成を採用している。
リテーナ49の下端部には、第1実施形態での窓部52に代え、複数の透孔75が設けられている。透孔75は、インフレータ48のガス噴出口51(図5参照)から噴出されたガスの通路として機能するものである。これらの透孔75は、リテーナ49の周方向については、少なくとも車両前方側となる箇所に設けられている。また、上記複数の透孔75は、少なくとも同リテーナ49の長さ方向については、互いに異なる複数箇所(図28(A),(B)では2箇所)に位置している。ここでは、複数の透孔75を区別するために、上段に位置するものを透孔75Uといい、下段に位置するものを透孔75Lというものとする。
上記リテーナ49の下端部には、有底円筒状をなす可動部材76が同リテーナ49の長さ方向へ移動可能に装着されている。この可動部材76は、初期状態では、図28(A)に示す位置(非制限位置)に保持されている。この非制限位置では、可動部材76は上記透孔75U,75Lのいずれについても塞いでいない。そのため、可動部材76は、インフレータ48から噴出されてエアバッグ44に供給されるガスの供給量を制限しない。ここでのガスの供給量は、単位時間当たりにインフレータ48からエアバッグ44に供給されるガスの量を意味する。
上記可動部材76には、通電により作動し、かつ同可動部材76を図28(B)に示す位置(制限位置)まで移動させるためのアクチュエータ77が駆動連結されている。この制限位置では、可動部材76は下段の透孔75Lのみを塞ぎ、インフレータ48から噴出されてエアバッグ44に供給されるガスの供給量を制限する。
上述した制御装置67は、エアバッグ44の膨張展開期間の前期には、アクチュエータ77を作動させず、可動部材76を図28(A)に示す非制限位置に保持し、同膨張展開期間の後期にはアクチュエータ77を作動させて、可動部材76を図28(B)に示す制限位置へ移動(前進)させる。
そして、上記可動部材76、アクチュエータ77及び制御装置67によって展開速度低下手段が構成されている。
上記の構成によれば、インフレータ48から噴出されてエアバッグ44内に供給されるガスの供給量は、可動部材76の位置に応じて異なる。これに応じて、エアバッグ44の展開速度も異なってくる。インフレータ48から多くの量のガスがエアバッグ44に供給されれば、同エアバッグ44は速い展開速度で膨張展開する。これとは逆に、インフレータ48から少ない量のガスがエアバッグ44に供給されれば、同エアバッグ44は遅い展開速度で膨張展開する。
上記第7実施形態では、エアバッグ44の膨張展開期間の前期には、可動部材76が図28(A)に示す非制限位置に保持される。インフレータ48から噴出されたガスが可動部材76によって制限されることなく、エアバッグ44に供給される。そのため、エアバッグ44にガスが速く充填されて内圧が速く上昇する。エアバッグ44は早い展開速度V2で膨張展開する。
これに対し、膨張展開期間の後期には、可動部材76が図28(B)に示す制限位置へ移動させられる。インフレータ48から噴出されたガスが可動部材76によって制限され、エアバッグ44に供給されるガスの量が少なくなる。エアバッグ44の内圧の上昇が遅くなり、それに伴いエアバッグ44が遅い展開速度V1にて膨張展開するようになる。
従って、第7実施形態によっても、第1実施形態における上記(1)〜(3)と同様の効果が得られるほか、次の効果も得られる。
(7)インフレータ48から噴出されてエアバッグ44に供給されるガスの供給量を可変とする可動部材76を用いている。そのため、エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、アクチュエータ77によって可動部材76を、ガスの供給量を制限する位置へ移動させることにより、エアバッグ44を遅い展開速度V1で膨張展開させることができる。
なお、第7実施形態は、上述した(a)と同様に変更されて実施されてもよい。そのほかにも、第7実施形態は次のように変更されて実施されてもよい。
(w)インフレータアセンブリ47としてリテーナ49を用いない構造に変更してもよい。この場合には、有底円筒状をなす可動部材76をインフレータ48の下端部に対し、同インフレータ48の長さ方向への移動可能に装着する。この可動部材76は、初期状態では、インフレータ48のガス噴出口51を塞がない位置に保持される。そのため、可動部材76は、インフレータ48から噴出されてエアバッグ44に供給されるガスの供給量を制限しない。そして、エアバッグ44の膨張展開期間の後期には、アクチュエータ77によって可動部材76を、ガス噴出口51の一部を塞ぐ位置へ移動させる。この位置では、インフレータ48から噴出されてエアバッグ44に供給されるガスの供給量が制限される。このため、上記第7実施形態と同様の効果が得られる。
なお、上述した第1〜第7実施形態において示された展開速度低下手段は適宜組み合わされて用いられてもよい。
本発明を具体化した第1実施形態において、サイドエアバッグ装置が適用される車両用シートの概略側面図。 車両用シート及びボディサイド部の位置関係を説明する概略平面図。 シートバックにおける車外側の側部の内部構造を示す部分平断面図。 図3におけるサイドフレーム部及びエアバッグモジュールを示す部分平断面図。 エアバッグが展開させられた状態のエアバッグモジュールと乗員との位置関係を示す側面図。 展開状態のエアバッグと、その蛇腹折りに際し設定される折り線との関係を示す側面図。 (A)は図6の状態からエアバッグが蛇腹折りされた状態を示す側面図、(B)はエアバッグが収納用形態にされたエアバッグモジュールを示す側面図。 (A)は図4におけるX部を拡大して示す平断面図、(B)は上記(A)における所定の第1冗長部を拡大して示す部分平断面図。 図8(A)における9−9線に沿った断面構造を示す断面図。 シートバックにおける車外側の側部について、エアバッグの膨張初期の状態を示す部分平断面図。 図10の状態から膨張展開するエアバッグによってサイドサポート部が前方へ膨らませられた状態を示す部分平断面図。 図11の状態からさらに破断予定部においてシートバックが破断された状態を示す部分平断面図。 エアバッグの膨張度の時間変化を示す特性図。 図2におけるA部について、車両用シートの外部でエアバッグが膨張展開する途中の状態を示す部分平面図。 図14の状態から、エアバッグが膨張展開を完了した状態を示す部分平面図。 第1実施形態の変形例を示す図であり、上記図9に対応したベルトの断面構造を示す側断面図。 図16における17−17線に沿った断面構造を示す断面図。 第1実施形態の変形例を示す図であり、上記図4に対応したサイドフレーム部及びエアバッグモジュールを示す部分平断面図。 図18において、ベルトの端部をサイドフレーム部に連結する連結手段を説明するための図であり、(A)は連結状態にされた連結手段を示す部分断面図、(B)は連結解除状態にされた連結手段を示す部分断面図。 本発明を具体化した第2実施形態を示す図であり、(A)はシートバックの収納空間に組み込まれたエアバッグモジュールを示す平断面図、(B)は上記(A)におけるY部を拡大して示す平断面図。 本発明を具体化した第3実施形態を示す図であり、(A)はシートバックの収納空間に組み込まれるエアバッグモジュールを示す側面図、(B)は上記(A)におけるZ部の変形例を拡大して示す部分側面図。 本発明を具体化した第5実施形態において、展開状態のエアバッグとティアシームとの位置関係を示す側面図。 同第5実施形態において、シートバックの収納空間に組み込まれたエアバッグモジュールを示す平断面図。 同第5実施形態において、図11に対応して、膨張展開するエアバッグによってサイドサポート部が前方へ膨らませられた状態を示す部分平断面図。 (A)〜(C)は第5実施形態の変形例を示す図であり、展開状態のエアバッグとティアシームとの位置関係を示す側面図。 本発明を具体化した第6実施形態において、図11に対応して、膨張展開するエアバッグによってサイドサポート部が前方へ膨らませられた状態を示す部分平断面図。 同第6実施形態において、シートバックの収納空間に組み込まれたエアバッグモジュールを示す平断面図。 本発明を具体化した第7実施形態を示す図であり、(A)は可動部材が非制限位置に保持された状態を示す一部破断側面図、(B)は可動部材が制限位置へ移動させられた状態を示す一部破断側面図。
符号の説明
21…ボディサイド部、22…車両用シート、44…エアバッグ、44A,44B…重合部、46…周縁結合部、48…インフレータ、56…ベルト(長尺部材)、57…冗長部、58…第1冗長部、60…第2冗長部、62…保持部、67…制御装置、71…分離予定部、72…ティアシーム(内結合部)、73…蛇腹折り部、74…ロール折り部、76…可動部材、V1,V2…展開速度。

Claims (11)

  1. インフレータと、
    車両用シートに収納され、前記インフレータからのガスにより膨張展開し、前記車両用シートを破断して飛び出し、車両のボディサイド部及び車両用シート間で膨張展開するエアバッグと
    を備えるサイドエアバッグ装置において、
    前記車両の側突を予測するとともに、その予測に応じて側突に先立ち前記インフレータに作動を開始させるインフレータ制御手段と、
    前記インフレータ制御手段による前記インフレータの作動開始に伴い膨張展開するエアバッグについて、少なくとも前記車両用シートの外部では、同エアバッグの展開速度を、側突後にインフレータの作動を開始させたときの展開速度よりも低下させる展開速度低下手段と
    を備えることを特徴とするサイドエアバッグ装置。
  2. 前記展開速度低下手段は、前記エアバッグが前記車両用シート内で膨張し、同車両用シートを前方へ膨らませ始めてから同車両用シートの外部へ出るまでの期間についても前記展開速度を低下させる請求項1に記載のサイドエアバッグ装置。
  3. 前記エアバッグは、折り畳まれることにより収納用形態にされて、前記車両用シートに収納されており、
    前記展開速度低下手段は、自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、かつ前記エアバッグが前記収納用形態にあるときにはたるんだ状態となる冗長部を有する長尺部材を備え、
    前記冗長部は、保持部によりたるんだ状態に保持され、かつ前記エアバッグの膨張展開に伴い前記保持部による保持が解除されるものである請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
  4. 前記エアバッグは、折り畳まれることにより収納用形態にされて、前記車両用シートに収納されており、
    前記展開速度低下手段は、自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、かつ前記エアバッグが前記収納用形態にあるときにはたるんだ状態となる冗長部を有する長尺部材を備え、
    前記冗長部は、保持部によりたるんだ状態に保持され、かつ前記エアバッグの膨張展開に伴い前記保持部による保持が解除される第1冗長部と、前記保持部による保持が解除される前に前記エアバッグの膨張展開に伴い引き伸ばされる第2冗長部とからなる請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
  5. 前記エアバッグは、折り畳まれることにより、前記車両用シートに収納するための収納用形態にされ、
    前記展開速度低下手段は、
    自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、かつ前記エアバッグが前記収納用形態にあるときにはたるんだ状態となり、膨張展開するエアバッグにより緊張させられる長尺部材と、
    前記長尺部材の途中に設けられ、前記エアバッグの膨張展開に伴い分離される分離予定部と
    を備える請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
  6. 前記展開速度低下手段は、伸縮性を有する素材により形成され、かつ自身の端部において前記車両用シート又は前記エアバッグに固定され、膨張展開するエアバッグにより伸張させられる長尺部材を備える請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
  7. 前記長尺部材は前記エアバッグの外部に配置されている請求項3〜6のいずれか1つに記載のサイドエアバッグ装置。
  8. 前記長尺部材は前記エアバッグの内部に配置されている請求項3〜6のいずれか1つに記載のサイドエアバッグ装置。
  9. 前記エアバッグは、基布を二つ折りすることにより得られる一対の重合部、又はそれぞれ基布からなる一対の重合部と、両重合部をそれらの周縁部にて結合する周縁結合部とを備え、
    前記展開速度低下手段は、前記エアバッグについて前記周縁結合部により囲まれた領域において、前記両重合部を分離可能に結合し、前記エアバッグの膨張に伴い分離される内結合部を備える請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
  10. 前記展開速度低下手段は、
    前記車両用シートに収納された前記エアバッグについて、
    その展開方向後側の部分を構成し、かつ蛇腹折りされた蛇腹折り部と、
    前記エアバッグの展開方向前側の部分を構成し、かつロール折りされたロール折り部とを備え、
    前記インフレータの作動開始直後には、前記車両用シートの内部で前記蛇腹折り部の折り状態を解消させ、前記車両用シートの外部では前記ロール折り部の折り状態を解消させることにより、少なくとも前記車両用シートの外部で前記エアバッグの展開速度を低下させる請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
  11. 前記展開速度低下手段は、前記インフレータから噴出されて前記エアバッグに供給されるガスの供給量を可変とする可動部材を備え、同可動部材を、前記ガスの供給量を制限する位置へ移動させることにより、前記エアバッグの展開速度を低下させる請求項1又は2に記載のサイドエアバッグ装置。
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