JP2008231420A - 溶剤可溶性ポリイミド共重合体及びそれを含有するポリイミドワニス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のエステル基含有テトラカルボン酸二無水物と脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボン酸二無水物混合物(A)と特定のアルキレンジアミン及び/又はポリオキシアルキレンジアミンを含むジアミン(B)を、(A)成分と(B)成分とのモル比を(A):(B)=0.80〜1.20の範囲でイミド化反応に供して得られるポリイミド共重合体とする。
【選択図】なし
Description
(1)ポリイミド共重合体のテトラカルボン酸二無水酸成分として、エステル基含有テトラカルボン酸二無水酸と脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水酸とを併用することにより、柔軟性に優れ、吸水率が低いポリイミド共重合体が得られること。
(2)ポリイミド共重合体のジアミン成分として、脂肪族ジアミンを使用することにより、重合反応を阻害する塩の形成が極めて少なく、重合が容易となること。
(3)上記(1)と上記(2)との要件を充足するポリイミドの溶剤可溶性が極めて高いこと。
(4)上記(1)と上記(2)との要件を充足するポリイミドは難燃性に優れること。
(5)さらに、ジアミン成分として分子内にエーテル基を含有するポリオキシアルキレンジアミンを共重合することにより、溶剤可溶性、難燃性を損なうことなく、より柔軟性に優れたポリイミド共重合体が得られること。
本発明は、係る知見に基づいて完成されたものであり、以下の項目にあるポリイミド共重合体及びそのボリイミドワニスを提供するものである。
一般式(1)
で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(A1)と炭素数8〜30の脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物(A2)とを含むテトラカルボン酸二無水物混合物と、
(B)成分:
(i)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)を含むジアミン、又は、
(ii)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)と
一般式(2)
で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B2)及び
一般式(3)
で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含むジアミンとを、
(A)成分と(B)成分とのモル比を(A):(B)=0.80〜1.20:1の範囲でイミド化反応に供して得られる溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
一般式(1)
で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(A1)と炭素数8〜30の脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物(A2)とを含むテトラカルボン酸二無水物混合物と、
(B)成分:
(i)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)を含むジアミン、又は、
(ii)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)と
一般式(2)
で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B2)とを含むジアミンとを、
(A)成分と(B)成分とのモル比を(A):(B)=0.80〜1.20:1の範囲でイミド化反応に供して得られる、上記項1に記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
(A2)成分が、
一般式(4)
で表される脂環族テトラカルボン酸二無水物、
一般式(5)
で表される脂環族テトラカルボン酸二無水物、及び
一般式(6)
で表される脂環族テトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種(A2a)であり、
(B1)成分が、炭素数2〜18の直鎖状のアルキレンジアミン(B1a)と炭素数2〜18の分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1b)とからなるアルキレンジアミンであり、
(B2)成分が、一般式(2)におけて、X2が炭素数3又は4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であり、h+i+jの合計が3〜35の範囲であるポリオキシアルキレンジアミンである、上記項1〜4の何れかに記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
(B1b)成分が、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、上記項5に記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
(1)本発明で使用される上記(A)成分と(B)成分から得られるポリイミド共重合体は、溶剤可溶性、柔軟性と難燃性のバランス、電気絶縁性に優れる。
(2)本発明のポリイミド共重合体は、耐吸水性が良好である。
(3)本発明のポリイミド共重合体から成形体を製造するに際し、塗布工程や乾燥工程においてシロキサン系アウトガスが実質的に発生しない。
(4)(B)成分として、上記(B1)成分と(B2)成分とを併用した場合、ポリイミド共重合体の柔軟性がより向上する。
(5)本発明のポリイミドワニスは、貯蔵安定性に優れる。長期間の保管によっても、本ポリイミド共重合体の析出が抑制され、或いはポリイミドワニスゲル化が抑制される。また、(B)成分として、上記(B1a)成分と(B1b)成分とを併用する場合、貯蔵安定性がより向上する。
(6)本発明のポリイミド共重合体は、耐熱性が良好である。
本発明のポリイミド共重合体は、反応溶媒存在下、特定のテトラカルボン酸二無水物混合物(A)と特定のジアミン(B)とを特定の仕込み比率にて、好ましくは不活性ガス雰囲気下で、加熱撹拌しながら、常法に従ってイミド化反応して得られる溶剤可溶性ポリイミド共重合体である。
より詳細には、前記の特定のテトラカルボン酸二無水物混合物(A)とは、一般式(1)で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(A1)と炭素数8〜30の脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物(A2)とを含むテトラカルボン酸二無水物混合物を意味する。
また、前記の特定のジアミン(B)とは、(i)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)を含むジアミン、又は、(ii)該(B1)成分と一般式(2)及び/又は一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(それぞれB2、B3である。)とを含むジアミンを意味する。
また、前記の特定の仕込み比率とは、(A)成分と(B)成分とのモル比が(A):(B)=0.80〜1.20:1の範囲を意味する。
本ポリイミド共重合体は、(A)成分と(B)成分との基本構造単位(−[A−B]−)を有しており、それぞれの成分は(A1)成分、(A2)成分、(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分の複数成分を用いるので通常ランダム共重合体である。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、混合物とはイミド化反応中に、2つの成分、例えば(A)成分では(A1)成分と(A2)成分が存在することを意味しており、イミド化反応に供する前に2つの成分を予め混合しておくことに限定するものではない。
本発明のポリイミド共重合体の製造に際しては、(A)成分として、エステル基含有テトラカルボン酸二無水物(A1)成分と炭素数8〜30の脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物(A2)成分を必須成分として使用する。
具体的には、1,2−エチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−プロピレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−テトラメチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,5−ペンタメチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサメチレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,3−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−フェニレンビス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性と柔軟性のバランスに特に優れる点から、1,2−エチレンビス(アンヒドロトリメリテート)が推奨される。
(A1)成分は、単独で又は2種以上を組み合わせてイミド化反応に供することができる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、脂肪族テトラカルボン酸二無水物とは、4つのカルボキシル基が結合している炭素原子全てが脂肪族炭素であるものを意味し、脂環族テトラカルボン酸二無水物とは、4つのカルボキシル基が結合する炭素原子の少なくとも1つが脂環構造を構成しているものを意味する。
(A2)成分における炭素数とは、4つのカルボキシ基を含めた炭素数の総数である。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ペンタンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
脂環族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1]−ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物等、ビシクロ[2,2,2]−オクテン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−4−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−7−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3−メチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物等が挙げられる。
前記脂環族テトラカルボン酸二無水物の市販品としては、例えば、新日本理化社製の「リカシッド TDA−100(製品名)」(4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物)、大日本インキ社製の「エピクロン B−4400(製品名)」(5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物)等が挙げられる。
他のテトラカルボン酸二無水物としては、芳香族テトラカルボン酸二無水物が例示される。具体例としては、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
これらの他のテトラカルボン酸二無水物を用いる場合、全テトラカルボン酸二無水物のモル数に対して、好ましくは15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、特に5モル%以下の範囲であることが好ましい。
本発明のポリイミド共重合体の製造に際しては、(B)成分として、(i)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)を含むジアミン、又は、(ii)該(B1)成分と上記一般式(2)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B2)及び上記一般式(3)で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含むジアミンを使用する。
前記(B1b)成分としては、具体的に2−メチルペンタメチレンジアミン、2−メチル−2,4−ペンタンジアミン、2,2-ジメチルプロパン−1,3−ジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンが例示される。これらの中でも、柔軟性の観点から、好ましくは炭素数6〜10の分岐鎖状のアルキレンジアミン、より好ましくは2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンが推奨される。
(B1a)成分と(B1b)成分との併用は、貯蔵安定性がより向上する点で特に好ましい態様である。
また、一般式(2)におけるh、i及びjは、それぞれ0〜50であり、好ましくはそれぞれ0〜35の整数であり、且つ、h+i+jの合計は2〜50であり、好ましくは3〜35、より好ましくは5〜35の整数である。かかる範囲内において、特に柔軟性と耐熱性のバランスの観点において有意な差が認められる。
(B2)成分の市販品の具体例としては、ハンツマン社製(英語表記;HUNTSMAN社製)の、ジェファーミン(英語表記;JEFFAMIN) D−230、D−400、D−2000、XTJ00(ED−600)、XTJ−502(ED2003)、EDR−148、XTJ−542、XTJ−533、XTJ−536などが挙げられる。
また、一般式(3)におけるkは、1〜30の整数であり、好ましくは10〜20の整数である。
(B3)の市販品の具体例としては、イハラケミカル工業社製のエラスマー1000Pなどが挙げられる。
他のジアミン成分としては、当該分野で用いられている公知のジアミンを用いることができる。例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシベンゼン)、9,9−ビス(3−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−ジアミノ−3,3’5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’5,5’−テトラプロピルジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族ジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4、4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルエタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビス(アミノメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の脂環族ジアミン又は脂環基を含む脂肪族ジアミンが挙げられる。
これらの他のジアミン成分を用いる場合、その使用量は、全ジアミン成分の15モル%以下、より好ましくは10モル%以下、特に5モル%以下の範囲でイミド化反応に供することが好ましい。
本発明のポリイミド共重合体は、公知の方法に従って、上記(A)成分と(B)成分とから製造することができる。例えば、(i)(A)成分と(B)成分とを加熱し、生成水を系外に除去しながらイミド化反応させる方法、(ii)(A)成分と(B)成分とのポリアミド酸を製造した後、無水酢酸等の脱水作用のある化合物を用いて化学閉環させる方法などが例示される。製造にあたっては、安全性の面から不活性ガス雰囲気下で行うことが推奨される。
生成水を効率よく反応系外に除去する為に水と同伴する液体又はガス体を使用することが推奨される。その同伴する液体又はガス体とは、一般に還流液、共沸剤、同伴剤或いは同伴ガス等と称されるものである。該還流液としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素などが挙げられる。還流液を使用する場合、その使用量は、反応溶媒に対して、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは5〜20重量%が推奨される。添加時期は、特に制限はなく、反応溶媒を仕込む時から反応系に加えてもよく、またイミド化反応の直前に加えてもよい。水と同伴する液体は、反応溶媒の一部を成すものではあるが、使用目的を重視して単に還流液という。
(A)成分と(B)成分との仕込みモル比は、(A):(B)=0.80〜1.20:1の範囲である。ポリイミドワニスの貯蔵安定性の観点から、(A)成分と(B)成分とのモル比は、(A):(B)=1.01〜1.20:1が好ましい。また、得られるポリイミド成形体の機械的物性の観点から、(A)成分と(B)成分とのモル比は、(A):(B)=1.00〜1.10:1の範囲が好ましい。
(A1)成分と(A2)成分との仕込みモル比は、特に限定されないものの、得られるポリイミド成形体の柔軟性及びポリイミドワニスの貯蔵安定性の観点から、(A1):(A2)=90:10〜10:90の範囲が好ましく、より好ましくは(A1):(A2)=75:25〜25:75の範囲が推奨される。
また、(B)成分として、(B1)成分と(B2)成分及び(B3)成分からなる群から選ばれる少なくとも1種(B2・B3)とを併用する場合(即ち上記項1に記載の(ii)の態様の場合)、その仕込みモル比は、特に限定されないものの、得られるポリイミド成形体の柔軟性と難燃性のバランスの観点から、好ましくは(B1):(B2・B3)=99:1〜35:65の範囲、より好ましくは(B1):(B2・B3)=95:5〜60:40の範囲が推奨される。
前記(B1)成分において、(B1a)成分と(B1b)成分とを併用する場合、その仕込みモル比は、特に限定されないものの、得られるポリイミド成形体の柔軟性の観点から、(B1a):(B1b)=99:1〜35:65の範囲が好ましく、また、柔軟性と溶剤可溶性の観点から、(B1a):(B1b)=75:25〜50:50の範囲がより好ましい。
前記(B2・B3)成分において、(B2)成分と(B3)成分の仕込みモル比は、(B2):(B3)成分=100:0〜50:50の範囲が好ましく、より好ましくは100:0〜75:25の範囲が推奨される。
本発明のポリイミドワニスは、本発明のポリイミド共重合体と有機溶剤を含有するものである。該ポリイミド共重合体の含有量は、有機溶剤100重量部あたり、1〜120重量部であり、ワニスの粘度安定性(貯蔵安定性)及び取り扱いの容易さの観点から、好ましくは20〜90重量部、より好ましくは40〜80重量部の範囲が推奨される。
また、本ポリイミドワニスから塗膜やフィルム状などの形態のポリイミド成形体を得たい場合、乾燥工程における乾燥効率を向上させる目的で、低沸点の有機溶剤を併用することが好ましい。係る低沸点の有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、プロピレングリコールモノメチルエーテル、又はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが例示される。これらの低沸点の有機溶剤を使用する場合、その使用量は、全有機溶剤の重量に対して、1〜30重量%、好ましくは、5〜20重量%の範囲が推奨される。
これらの中でも、ポリイミドワニスの粘度安定性や吸湿性の観点から、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、メチルプロピレングリコールアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、特にN−メチルピロリドン及びγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種とエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートとの組み合わせが推奨される。
このようなフェノール系化合物の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,6−ビス(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、1,4−ジヒドロキシアントラキノン、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、2,4−ジベンゾイルレゾルシノール、4−t−ブチルカカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,5−トリヒドロキシベンゾフェノン、α−トコフェロール、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]テレフタレート、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などが挙げられる。この中でも、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビスフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ビス[2−(2−ヒドロキシ−5−メチル−3−t−ブチルベンジル)−4−メチル−6−t−ブチルフェニル]テレフタレート、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
本発明に係るポリイミド成形体は、上記項10〜12の何れかに記載のポリイミドワニスから公知の成形方法を用いて得られるものである。ポリイミド成形体の形態は、薄膜、塗膜、フィルム状、シート状などが例示され、その形態は所望の用途に応じて適宜選択される。
さらに、本発明のポリイミド共重合体は、FPCやTABのベースフィルム、接着フィルム、電線の被覆材料などとしても用いることができる。
ポリイミド成形体(ポリイミド共重合体)の分子量は、特に制限がないが、溶剤可溶性、機械的物性(特に柔軟性)、熱的特性のバランスの観点から、数平均分子量として、好ましくは5,000〜100,000、より好ましくは8,000〜50,000、特に10,000〜35,000の範囲で、重量平均分子量として、好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは12,000〜100,000、特に20,000〜100,000、さらに好ましくは25,000〜80,000の範囲が推奨される。尚、分子量は、後述の実施例の項に記載の方法で測定される値である。
(A1)成分;
TMEG:1,2−エチレンビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名「リカシッドTMEG−100」,新日本理化社製)
(A2)成分;
TDA:4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸二無水物(商品名「リカシッドTDA−100」,新日本理化社製)
(他のテトラカルボン酸二無水物);
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PMDA:無水ピロメリット酸
(B1a)成分;
C10DA:デカメチレンジアミン
C12DA:ドデカメチレンジアミン
(B1b)成分;
TMHDA:2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンと2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの混合物(商品名「トリメチレンヘキサメチレンジアミン」,東京化成工業社製)
(B2)成分;
XTJ−542:一般式(2)における、X2がテトラメチレン基、R1〜R3がメチル基、h+i+jの合計が14であるポリオキシアルキレンジアミン(「ジェファーミン XTJ−542」,全アミン価109.8,ハンツマン社製)
D−400:一般式(2)における、X2が1,2−プロピレン基、R1〜R3がメチル基、h+i+jの合計が5〜6であるポリオキシアルキレンジアミン(商品名「ジェファーミン D−400」,全アミン価246.9,ハンツマン社製)
(B3)成分;
エラスマー1000P:一般式(3)において、X2がテトラメチレン基、n=10〜20であるポリオキシアルキレンジアミン(商品名「エラスマー1000P」,全アミン価90.4,イハラケミカル工業社製)
なお、上記全アミン価とは試料1gを中和するのに要する塩酸に当量の水酸化カリウムのmg数で表わす(日本油化学協会制定の基準油脂分析試験法)。
(他のジアミン);
BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)
反応溶媒・有機溶剤;
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
GBL:γ−ブチロラクトン
(1)溶剤可溶性の評価
溶剤可溶性は、イミド化反応終了後の反応系内の状態を目視で観察して評価する。その評価の基準は次のとおりである。該基準では、○が溶剤可溶性に優れる、×が溶剤可溶性に劣るとの評価になる。
○;析出物の発生も反応溶液のゲル化も全く認められなかった。
△;析出物の発生または反応溶液のゲル化が僅かに認められた。
×;析出物の発生または反応溶液のゲル化が明らかに認められた。
貯蔵安定性は、樹脂濃度40重量%のポリイミドワニスを25℃で静置にて貯蔵したポリイミドワニスの外観の変化を目視で観察し評価する。その評価の基準は、次のとおりである。該基準では、◎が貯蔵安定性に特に優れる、×が貯蔵安定性に劣るとの評価になる。○及び◎が実用的なレベルと評価される。
◎;評価開始後4ヶ月以上、析出物の発生及びワニスのゲル化が認められなかった。
○;評価開始後3ヶ月以上、析出物の発生及びワニスのゲル化が認められなかった。
△;評価開始後3ヶ月未満で析出物の発生またはワニスのゲル化が認められた。
×;評価開始後24時間以内に析出物の発生またはワニスのゲル化が認められた。
ポリイミド共重合体の反応溶液(ポリイミドワニス)約1gをジメチルホルムアミド約30mlで希釈して、分子量測定用の試料溶液を調製する。ゲルパーミエーションクロマトクラフィー(GPC)を用いて下記の測定条件でポリエチレンオキサイド換算の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求める。
[測定条件]
装置:島津製作所 RID−6A
カラム:ShodexGPC AD802−S、AD803−S、AD−804S及びAD805Sを直列に連結
カラム温度:40℃
溶離液:(10mmol/L−臭化リチウム+10mmol/L−リン酸)/ジメチルホルムアミド
流速:1.0mL/min
検出器:RI
柔軟性は、ガラス転移温度(℃)を以て評価する。ガラス転移温度(Tg)が低いほど、柔軟性が高いとの評価になる。
具体的な操作としては、ポリイミドワニスをキャストしてポリイミド成形体を作成する。次に下記の測定条件で動的粘弾性測定装置を用いてその成形体のガラス転移温度(℃)を求める。ガラス転移温度は、損失弾性率E’’と貯蔵弾性率E’との比(E”/E’)で表される損失正接tanδを測定し、得られるtanδのピークトップとする(図1参照)。
[測定条件]
装置:ユーピーエム社製 RHEOGEL−E4000
測定条件:引っ張りモード
波形:正弦波
振動数:10Hz
昇温速度:5℃/分
電気絶縁性は、体積固有抵抗値(Ω・cm)を以て評価する。該抵抗値が高いほど、電気絶縁性が高いとの評価になる。
具体的な操作としては、ポリイミドワニスをテフロン(米国デュポン社の登録商標)のシート上に塗布して、120℃、1.5時間の条件で減圧乾燥して、厚み約50μmのフィルム状のポリイミド成形体を作成する。そのフィルムから15cmx15cmにカットして試験片を作成する。ADVANTEST社製の、振動容量型エレクトロメーターTR8401、絶縁抵抗測定用電源TR300C及び絶縁抵抗計TR43Cを使用し、印加電圧500V、25℃x60%RHの条件下で、その試験片の体積固有抵抗値を測定する。
吸水率が1.5重量%以下の場合、吸水率が低いと判断され、実用的なレベルと評価される。
具体的な操作としては、ポリイミドワニスをテフロンのシート上に塗布して、120℃、1.5時間の条件で減圧乾燥して、厚み約50μmのフィルム状のポリイミド成形体を作成する。そのフィルムの重量をW1とし、25℃で24時間蒸留水に浸漬した後表面の水滴を拭き取ったフィルムの重量をW2とし、下記の算出式(1)に従って吸水率を算出する。
吸水率(重量%)=[(W2−W1)/W1]×100 (1)
難燃性は、消炎時間(秒)を以て評価する。その評価の基準は次のとおりである。該基準では、○が難燃性がある、◎は難燃性に優れているとの評価となる。◎又は○が、実用的性があると判断する。
◎;消炎時間が70秒以内で、試料上方55mm以上が未燃焼のまま残ったもの。
○;消炎時間が70秒以内に消炎したもの。
×;消炎時間が70秒を超えたもの。
具体的な操作としては、ポリイミドワニスをテフロンのシート上に塗布して、120℃、1.5時間の条件で減圧乾燥して、厚み約50μmのフィルム状のポリイミド成形体を作成する。そのフィルムをISO6722(耐火炎伝播性試験)に準拠して消炎時間を測定する。
耐熱性は、ポリイミド成形体の反りとカプトン(米国デュポン社の登録商標)から剥がれの状態を目視で観察し評価した。その評価の基準は次のとおりである。該基準では、◎が耐熱性に特に優れる、×が耐熱性に劣るとの評価になる。○及び◎が、実用的なレベルと評価される。
◎;ポリイミド成形体の反り及びカプトンからの剥がれが認められない。
○;ポリイミド成形体の反り及びカプトンからの剥がれが殆ど認めらない。
△;ポリイミド成形体の反り又はカプトンからの剥がれの何れかが僅かに認められる。
×;ポリイミド成形体の反り又はカプトンからの剥がれが認めらる。
具体的な操作としては、ポリイミドワニスをカプトン上に塗布して、120℃、1.5時間の条件で減圧乾燥して、塗膜状のポリイミド成形体を作成する。その成形体を150℃で100時間の試験条件で加熱試験する。
ポリイミドワニスの樹脂濃度(重量%)は、次の方法に従って求める。ポリイミドワニス10mgを精秤し(小数点以下第2位まで)、TG−DTA装置(セイコーインスツル社製 装置名;EXSTAR6000、TG−DTA6200)にセットし、下記の測定条件下で、350℃における重量を測定する。得られた測定値を用いて、下記の計算式(2)に従って算出する。
測定条件;昇温速度:5℃/分,流通窒素量:100ml/分,測定開始温度:30℃
(計算式)
ポリイミドワニスの樹脂濃度(重量%)=(W1/W0)×100 (2)
W1;350℃における測定サンプルの重量(g)
W0;測定開始前の測定サンプルの重量(g)
尚、イミド化終了時の反応溶液中のポリイミド樹脂の樹脂濃度も、同じ測定方法で求める。
窒素導入管、撹拌機、留出口、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコに、反応溶媒としてNMP 116g、還流液としてキシレン 13g、(A)成分として、TMEG 20.9g(0.051mol)及びTDA 15.3g(0.051mol)、(B)成分として、C10DA 17.2g(0.100mol)を仕込み、窒素気流下で撹拌しながら、180℃まで昇温させた。生成水を系外に除去しながら、イミド化反応をその温度で5時間行ない、本発明のポリイミド共重合体の反応溶液(本発明のポリイミドワニス)を得た。その反応溶液の樹脂濃度は約40重量%であった。これをNMPで樹脂濃度40%に調整した。得られたポリイミドワニスを用いて、各物性の評価に用いる試験片、フィルム、塗膜等(ポリイミド成形体)を作成した。
なお、得られたポリイミド共重合体の反応溶液の一部をメタノールに投じて再沈殿させた。再沈殿したポリマーを室温、減圧下にて乾燥し、その乾燥物の赤外線吸収スペクトル分析を行った。その結果、1715cm−1、1780cm−1にイミド環に由来するカルボニル基の特性吸収を確認した。以下の実施例2〜16でも同様にイミド環に由来するカルボニル基の特性吸収を確認した。
反応基質の組成・種類・比率及び反応溶媒の種類を表1又は表2に記載のものにそれぞれ変更した他は、実施例1と同様に実施して、本発明のポリイミド共重合体の反応溶液(本発明のポリイミドワニス)を得た。得られたポリイミドワニスを用いて、各物性の評価に用いる試験片、フィルム、塗膜等(ポリイミド成形体)を作成した。
実施例2〜16で得られた反応溶液の樹脂濃度は何れも約40重量%であった。それぞれの反応溶媒と同じ種類・組成の有機溶剤で樹脂濃度40%に調整した(なお、実施例14及び実施例15では、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートを用いて濃度調整した。)。
実施例2〜16で得られたポリイミド成形体の作成過程で、何れもボイドや膨れは目視で観察されなかった。
前記ポリイミドワニス或いはポリイミド成形体を用いて、ポリイミド共重合体の分子量、柔軟性(ガラス転移温度)、電気絶縁性(体積固有抵抗値)、吸水率、難燃性及び耐熱性並びにポリイミドワニスの貯蔵安定性を評価し、その結果をそれぞれ表1及び表2に示した。
反応基質の組成・種類・比率及び反応溶媒の種類を表3に記載のものにそれぞれ変更した他は、実施例1と同様に実施した。しかし、何れの比較例でも、イミド化反応中にゲル化して、反応が困難となった。そのため、各物性の評価ができなかった。
Claims (12)
- (A)成分:
一般式(1)
で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(A1)と炭素数8〜30の脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物(A2)とを含むテトラカルボン酸二無水物混合物と、
(B)成分:
(i)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)を含むジアミン、又は、
(ii)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)と
一般式(2)
で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B2)及び
一般式(3)
で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B3)からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含むジアミンとを、
(A)成分と(B)成分とのモル比を(A):(B)=0.80〜1.20:1の範囲でイミド化反応に供して得られる溶剤可溶性ポリイミド共重合体。 - (A)成分:
一般式(1)
で表されるエステル基含有テトラカルボン酸二無水物(A1)と炭素数8〜30の脂肪族又は脂環族テトラカルボン酸二無水物(A2)とを含むテトラカルボン酸二無水物混合物と、
(B)成分:
(i)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)を含むジアミン、又は、
(ii)炭素数2〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1)と
一般式(2)
で表されるポリオキシアルキレンジアミン(B2)とを含むジアミンとを、
(A)成分と(B)成分とのモル比を(A):(B)=0.80〜1.20:1の範囲でイミド化反応に供して得られる、請求項1に記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。 - (B1)成分が、炭素数2〜18の直鎖状のアルキレンジアミン(B1a)と炭素数2〜18の分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1b)とからなるアルキレンジアミンである、請求項1又は請求項2に記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
- (A2)成分が、炭素数10〜18の脂環族テトラカルボン酸二無水物である、請求項1〜3の何れかに記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
- (A1)成分が、一般式(1)におけるX1がエチレン基であるエステル基含有酸無水物であり、
(A2)成分が、
一般式(4)
で表される脂環族テトラカルボン酸二無水物、
一般式(5)
で表される脂環族テトラカルボン酸二無水物、及び
一般式(6)
で表される脂環族テトラカルボン酸二無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種(A2a)であり、
(B1)成分が、炭素数2〜18の直鎖状のアルキレンジアミン(B1a)と炭素数2〜18の分岐鎖状のアルキレンジアミン(B1b)とからなるアルキレンジアミンであり、
(B2)成分が、一般式(2)におけて、X2が炭素数3又は4の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であり、h+i+jの合計が3〜35の範囲であるポリオキシアルキレンジアミンである、請求項1〜4の何れかに記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。 - (A2a)成分が、上記一般式(4)で表される脂環族テトラカルボン酸二無水物であり、
(B1b)成分が、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン及び2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。 - ポリイミド共重合体の吸水率が1.5重量%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
- ポリイミド共重合体のガラス転移温度(ガラス転移温度は損失弾性率E’’と貯蔵弾性率E’との比(E”/E’)で表される損失正接tanδの極大値である。)が100℃以下である、請求項1〜7の何れかに記載のポリイミド共重合体。
- ポリイミド共重合体の消炎時間が70秒以内である、請求項1〜8のいずれかに記載の溶剤可溶性ポリイミド共重合体。
- 請求項1〜9の何れかに記載のポリイミド共重合体及び有機溶剤を含有するポリイミドワニス。
- ポリイミド共重合体の含有量が、有機溶剤100重量部に対して1〜120重量部である、請求項10に記載のポリイミドワニス。
- 有機溶剤が、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、メチルプロピレングリコールアセテート及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項10又は請求項11に記載のポリイミドワニス。
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