JP2008230153A - ガスバリア性ポリプロピレン系積層フィルム - Google Patents

ガスバリア性ポリプロピレン系積層フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】酸素や水蒸気などに対するガスバリア性、透明性及び層間接着性が高いポリプロピレン系積層フィルムを提供する。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂で構成されたコア層と、このコア層の一方の面に形成され、かつ少なくともポリプロピレンホモポリマーで構成されたスキン層と、このスキン層の上に形成され、かつエステル結合及び/又はウレタン結合を有するアンカー剤とシランカップリング剤とを含有するアンカー層と、このアンカー層の上に形成され、かつ水溶性ビニル系重合体と層状無機化合物とで構成されたバリア層とで構成された積層フィルムを調製する。前記バリア層は、さらに加水分解縮合性基を有する有機金属化合物を含んでいてもよい。前記積層フィルムは、バリア層の上に、接着層を介して、さらに押出ラミネートで形成されたシーラント層を有していてもよい。
【選択図】なし

Description

本発明は、酸素などに対するガスバリア性に優れ、食品などを包装するのに有用なポリプロピレン系積層フィルム及びその製造方法に関する。
食品、医薬品、精密電子部品などの被包装体を包装フィルムで包装する場合、内容物の劣化を防止するために、ガスバリア性が要求されるとともに、内容物の視認性が必要な用途では、フィルムの透明性も同時に要求される。また、近年、電子レンジの普及に伴い、調理済みまたは半調理食品(以下、調理食品と総称する)が、包装されたまま電子レンジで加熱される場合がある。また、前記調理食品は、包装後にレトルト処理される場合も多い。そのため、このような包装フィルムには、レトルト処理や電子レンジでの加熱に対する耐性が要求される場合もある。
ポリプロピレン系フィルムは、優れた透明性や光沢性などの光学特性、引張特性やヤング率に代表される機械特性、実質上の無毒性や無臭性などの特性を備えているため、特に食品や医薬品用の各種包装フィルムとして広く用いられている。しかし、ポリプロピレン系樹脂はガスバリア性が低いため、ポリプロピレン系フィルムに対して、塩化ビニリデン系重合体、ポリビニルアルコール系重合体、エチレン−ビニルアルコール系重合体、シロキサン系重合体をコーティングする方法が提案されているが、水蒸気バリア性などの改善効果は十分でない。また、アルミやシリカなどの金属又は金属酸化物を蒸着する方法はガスバリア性を改善することはできるが、製造工程が煩雑になり、回収後の再資源化も困難となる。
このような問題を解決するため、特開平9−150484号公報(特許文献1)には、熱可塑性樹脂基材の少なくとも片面上に水溶性高分子及び無機系層状粒子を主たる構成成分とした被膜を形成したフィルムであり、前記被膜面の表面粗さパラメータRt/Raが20以下であるガスバリア性フィルムが開示されている。この文献には、熱可塑性樹脂基材として、ポリエステル、ポリプロピレンなどで構成された基材が記載されている。
また、特開2000−158601号公報(特許文献2)には、少なくとも無機層状化合物と樹脂とを含む樹脂組成物からなる層上に、ヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層が押出ラミネートにより積層されたフィルム積層体であって、前記樹脂組成物からなる層及び熱可塑性樹脂層が、互いに対向面のうち、少なくとも一方の層における他方の層との対向面に表面改質処理された処理表面を有している積層体が開示されている。この文献には、ポリプロピレンなどで構成された基材フィルムが記載されている。
また、特開2003−191404号公報(特許文献3)には、熱可塑性樹脂フィルムよりなる基材層と珪素アルコキシドの加水分解物、層状珪酸塩及びポリビニルアルコール系樹脂よりなるガスバリア層とを含む積層体であって、上記ガスバリア層における光散乱により測定した散乱体の回転半径(Rg)が2.4μm以下であり、且つ前記ガスバリア層に存在する層状珪酸塩の層間に珪素アルコキシド及び/又はその加水分解物が存在するガスバリア性フィルムが開示されている。この文献には、基材層として、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂などが記載されている。
また、特開2005−1242号公報(特許文献4)には、熱可塑性樹脂フィルムからなる基材フィルム(A)と、基材フィルム(A)の少なくとも片面に形成されたアンカー剤層(B)と、さらにアンカー剤層(B)の上に形成されたバリア層(C)とから構成されてなるガスバリアフィルムであって、アンカー剤層(B)にアンカー剤及びシランカップリング剤を含有し、かつ30℃、70%RH下で6時間連続測定した際の酸素透過土が100ml/(m・24時間・MPa)以下であるガスバリアフィルムが開示されている。この文献には、基材フィルムとして、ポリプロピレンなどで構成されたフィルムが記載されている。
さらに、特許第3584359号公報(特許文献5)には、結晶性ポリプロピレン75〜94重量%と石油樹脂及び/又はテルペン樹脂25〜6重量%を含み、かつブロッキング防止剤又は帯電防止剤を配合しないコア層(C)と、コア層(C)の裏面にエチレンを0.1〜5重量%含有するランダム共重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S)と、コア層(C)の表面に単独重合型のポリプロピレンを含むスキン層(S′)を有する少なくとも三層の積層フィルムであって、コア層(C)の結晶性ポリプロピレンは、融点が160℃以上、アイソタクチック指数が97%以上である積層フィルムが提案されている。この文献には、スキン層(S)に、塗布層(B)としてポリビニルアルコール又はポリビニルアルコールと無機層状化合物との混合物を形成してもよいことが記載されている。
しかし、これらのフィルムでは、層間接着性(特に基材とバリア層との接着性)や成形性、バリア層の強度が充分でなく、例えば、バリア層に押出ラミネートによりシーラント層を形成すると、バリア層に割れなどが発生し易い。
特開平9−150484号公報(請求項1、7及び8、実施例) 特開2000−158601号公報(請求項1、実施例) 特開2003−191404号公報(請求項1、実施例) 特開2005−1242号公報(請求項1、実施例) 特許第3584359号公報(請求項1及び4、実施例)
従って、本発明の目的は、酸素や水蒸気などに対するガスバリア性、透明性及び層間接着性が高いポリプロピレン系積層フィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、押出ラミネートに供しても、割れやクラックの発生を抑制でき、高いガスバリア性を保持できるポリプロピレン系積層フィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高温で処理(例えば、ボイル)しても、ガスバリア性を保持できるポリプロピレン系積層フィルム及びその製造方法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリプロピレン系樹脂で構成された基材となる層において、層状無機化合物を含むバリア層を形成する側に、特定のアンカー層を介して、少なくともポリプロピレンホモポリマーで構成されたスキン層を形成すると、酸素や水蒸気などに対するガスバリア性、透明性及び層間接着性を同時に向上できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の積層フィルムは、ポリプロピレン系樹脂で構成されたコア層と、このコア層の一方の面に形成され、かつ少なくともポリプロピレンホモポリマーで構成されたスキン層と、このスキン層の上に形成され、かつエステル結合及びウレタン結合からなる群から選択された少なくとも一種を有する接着性樹脂とシランカップリング剤とを含有するアンカー層と、このアンカー層の上に形成され、かつ水溶性ビニル系重合体と層状無機化合物とで構成されたバリア層とで構成されている。前記バリア層は、さらに加水分解縮合性基を有する有機金属化合物を含んでいてもよい。前記積層フィルムは、バリア層の上に、接着層を介して、さらにポリオレフィン系樹脂で構成されたシーラント層が形成されていてもよい。このシーラント層は押出ラミネートで形成されていてもよい。前記コア層は、メルトフローレートが5g/10分以下のポリプロピレン系樹脂で構成されていてもよい。本発明の積層フィルムは、バリア層とスキン層とのラミネート強度が100g/15mm以上であり、かつ温度90℃で30分間熱水処理した後の積層フィルムが、酸素透過度150ml/(m・24時間・MPa)以下であってもよい。
本発明には、コア層とスキン層とを共押出により形成する工程と、スキン層の上に塗布によりアンカー層を形成する工程と、アンカー層の上に塗布によりバリア層を形成する工程とを含む前記積層フィルムの製造方法も含まれる。この製造方法には、バリア層を形成した後、温度25〜70℃及び湿度20〜85%RHの条件下で積層フィルムをエージング処理する工程が含まれていてもよい。この製造方法には、さらに、バリア層の上に、シーラント層を押出ラミネートする工程が含まれていてもよい。
本発明では、ポリプロピレン系樹脂で構成された基材となる層において、層状無機化合物を含むバリア層を形成する側に、アンカー層を介して、少なくともポリプロピレンホモポリマーで構成されたスキン層が形成されているため、酸素や水蒸気などに対するガスバリア性、透明性及び層間接着性を同時に向上できる。また、押出ラミネートに供しても、割れやクラックの発生を抑制でき、高いガスバリア性を保持できる。さらに、高温で処理(例えば、ボイル)しても、ガスバリア性を保持できる。
本発明の積層フィルムは、コア層と、このコア層の一方の面に形成されているスキン層と、このスキン層の上に形成されているアンカー層と、このアンカー層の上に形成されているバリア層とで構成されている。さらに、バリア層上に、接着層を介して、シーラント層が形成されていてもよい。
[コア層]
コア層は、ポリプロピレン系樹脂で構成されている。ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー(プロピレン単独重合体)の他、ポリプロピレンコポリマー(プロピレン系共重合体)であってもよい。コポリマーとしては、プロピレンと、オレフィン類(例えば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどのα−C2−6オレフィンなど)とのランダム共重合体、例えば、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレン−ブテンランダム三元共重合体などが挙げられる。コポリマーの場合、共重合性単量体の割合は、例えば、20重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%、さらに好ましくは0.3〜5重量%(特に0.5〜3重量%)程度であってもよい。さらに、ポリプロピレン系樹脂は、結晶性(又は結晶質)ポリプロピレン系樹脂であってもよく、非結晶性(又は非結晶質)ポリプロピレン系樹脂であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、アタクチック構造であってもよいが、アイソタクチックやシンジオタクチック構造などの立体規則性を有していてもよい。これらのうち、結晶性などの点から、アイソタクチック構造を有するポリプロピレン系樹脂が好ましい。
これらのポリプロピレン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、結晶性ポリプロピレン系樹脂、特に、ポリプロピレンホモポリマー(例えば、結晶性ポリプロピレンホモポリマー)が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、特に限定されず、例えば、140〜170℃、好ましくは145〜168℃、さらに好ましくは150〜165℃(特に155〜160℃)程度である。なお、本発明では、ポリプロピレン系樹脂の融点は、DSC法で測定できる。
ポリプロピレン系樹脂において、JIS K 7210に準じたメルトフローレート(MFR)は、成形性の点から、例えば、5g/10分以下(例えば、0.5〜5g/10分)、好ましくは1〜4.5g/10分、さらに好ましくは1.4〜4g/10分(特に1.8〜3.5g/10分)程度であってもよい。
コア層は、さらに、石油樹脂及び/又はテルペン樹脂を含んでいてもよい。石油樹脂及び/又はテルペン樹脂により、積層フィルムの水蒸気に対するバリア性を向上できる。石油樹脂及び/又はテルペン樹脂は、極性基を含まない樹脂であるのが好ましい。
石油樹脂としては、シクロペンタジエン系や高級オレフィン系炭化水素を主原料とする樹脂(例えば、ジシクロペンタジエン樹脂など)、又はこれらの水添樹脂(例えば、水添率80%以上の樹脂)が例示できる。このような石油樹脂としては、例えば、荒川化学(株)製の商品名「アルコンP−120」、トーネックス社製の商品名「エスコレッツE5320HC」が挙げられる。石油樹脂の軟化点は、125℃以上、ガラス転移温度は、60℃以上(65〜85℃程度)である。
テルペン樹脂としては、ピネン、カレン、ミルセン、オシメン、リモネン、テルピノレン、テルピネン、サビネン、トリシクレン、ピサボレン、ジンギペレン、サンタレン、カンホレン、ミレン、トタレンなどのテルペン類を原料とした樹脂又はこの水添樹脂(水添率80%以上の樹脂など)が例示できる。
ポリプロピレン系樹脂と、前記テルペン樹脂及び/又は石油樹脂(両樹脂を含む場合は合計量)との割合(重量比)は、例えば、前者/後者=99/1〜50/50、好ましくは97/3〜60/40、さらに好ましくは95/5〜65/35程度である。
また、コア層には、必要に応じて、種々の添加剤、例えば、可塑剤又は軟化剤、アンチブロッキング剤(ブロッキング防止剤)、滑剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、着色剤、分散剤、難燃剤、結晶核成長剤、炭化水素系重合体(スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂などのクマロン樹脂、フェノール樹脂、ロジンとその誘導体やそれらの水添樹脂など)、充填剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが挙げられ、フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(例えば、日本チバガイギー社、イルガノックス1010)などが例示できる。
本発明では、コア層は、スキン層で被覆されているため(特に両面にスキン層を有している場合)、これらの添加剤を含んでいてもブリードアウトが抑制されるが、スキン層との接着性の点から、これらの添加剤(例えば、帯電防止剤や低分子有機滑剤など)が実質的に含まれていないのが好ましい。
コア層の厚みは、例えば、3〜100μm、好ましくは5〜50μm、さらに好ましくは10〜30μm(特に12〜25μm)程度である。
[スキン層]
本発明の積層フィルムでは、スキン層(第1のスキン層)もポリプロピレン系樹脂で構成され、ポリプロピレンホモポリマーを含んでいる。スキン層におけるポリプロピレンホモポリマーは、ホモポリマーとしての性質を阻害しない範囲での共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、前記コア層の項で例示された単量体(例えば、エチレンなど)などが挙げられる。共重合性単量体の割合は、ポリプロピレン中に1重量%以下(例えば、0.0001〜0.8重量%、特に0.001〜0.5重量%程度)であってもよい。本発明では、スキン層がポリプロピレンホモポリマーを含むことにより、積層フィルムの強度や層間接着性を向上でき、押出ラミネートに供してもバリア層の割れやクラックの発生が抑制される。一般的に、ホモポリマーの割合が増えると、表面は滑らかになり、接着性は減少する傾向にあるが、予想に反し、本発明では、ホモポリマーを含有させることにより、積層フィルムの成形性や強度を向上できることを見出した。さらに、本発明では、ポリプロピレン系樹脂で構成された基材層を、コア層とスキン層とで構成された二層以上の層構造とすることにより、ガスバリア性や透明性と、バリア層に対する接着性との両立を可能としている。
スキン層には、さらに、ポリプロピレンコポリマーが含まれていてもよい。ポリプロピレンコポリマーとしては、前記コア層の項で例示されたプロピレン−α−オレフィン共重合体などが例示できる。これらのポリプロピレンコポリマーの重合形態は特に限定されないが、コポリマーとしては、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、特にプロピレン−エチレンランダム共重合体が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、例えば、151〜165℃、好ましくは152〜164℃、さらに好ましくは153〜163℃(特に154〜162℃)程度である。ポリプロピレン系樹脂の融点がこの範囲にあると、積層フィルムの強度や層間接着性を向上できる。
なお、本願明細書では、ポリプロピレン系樹脂の融点は、ホモポリマー単独の場合は、ホモポリマーの融点であり、ホモポリマーとコポリマーとの組み合わせの場合、ホモポリマーの融点とコポリマーとの融点とを両者の重量割合に応じて平均した融点を意味する。
本発明では、ポリプロピレンホモポリマーとポリプロピレンコポリマーとの割合は、ポリプロピレンホモポリマーが含まれていれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂の融点を目安として調整してもよい。具体的には、両者の割合は、例えば、ポリプロピレンホモポリマー/ポリプロピレンコポリマー=100/0〜10/90程度の範囲から選択でき、例えば、99.9/0.1〜20/80、好ましくは99/1〜30/70、さらに好ましくは97/3〜40/60(特に95/5〜50/50)程度の範囲から選択できる。
ポリプロピレン系樹脂のMFR(JIS K 7210)は、3g/10分以上(例えば、3〜20g/10分)、好ましくは3〜16g/10分、さらに好ましくは4〜12g/10分程度である。さらに、スキン層のポリプロピレン系樹脂のMFRは、コア層のMFRよりも大きい方が好ましい。ホモポリマーとコポリマーとを組み合わせている場合、各ポリマーのMFRが、それぞれ、この範囲にあるのが好ましい。
スキン層は、さらに、ブロッキング防止剤(アンチブロッキング剤)又は粒子状滑剤を含んでいてもよい。ブロッキング防止剤としては、フィルム成形時の温度より高い融点又は軟化点を有する成分、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機系微粉末、エンジニアリングプラスチックなどの高耐熱性熱可塑性樹脂、架橋樹脂(架橋アクリル系樹脂、架橋メラミン系樹脂など)、熱硬化性樹脂などが例示できる。好ましいブロッキング防止剤には、無機微粉末(シリカなど)、架橋樹脂(架橋ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの架橋アクリル系樹脂、架橋スチレン系樹脂など)などが挙げられる。
ブロッキング防止剤は、不定形でもよいが、真球状であるのが好ましい。ブロッキング防止剤の平均粒子径は、スキン層の厚みに応じて10μm以下の範囲から選択でき、0.1〜7.5μm、好ましくは0.3〜5μm、さらに好ましくは0.5〜4μm(特に1〜3μm)程度である。
ブロッキング防止剤の含有量は、特に制限されるものではないが、透明性を維持する観点から、例えば、重量基準で、30000ppm以下(例えば、10〜20000ppm)、好ましくは15000ppm以下(例えば、10〜10000ppm)であり、20〜5000ppm(例えば、30〜2000ppm)程度であってもよい。
スキン層は、バリア層を積層するための層である。バリア層は、積層フィルムのガスバリア性などを向上させるために積層される。このスキン層は、少なくともポリプロピレンホモポリマーで構成されているため、バリア層(又はアンカー層)との接着性又は追随性に優れている。さらに、適度な流動性を有しているため、フィルム成形性にも優れ、例えば、塗布時におけるロールとの間で、剥離時の帯電やブロッキングによって、外観の傷やゴミの巻き込みが抑制される。
スキン層は、さらに、前記コア層の項で例示された添加剤を含んでいてもよいが、接着性の点から含んでいないのが好ましい。特に、前記コア層とは異なり、ブリードアウトする可能性を有する添加剤、例えば、帯電防止剤、石油樹脂及び/又はテルペン樹脂、低分子有機滑剤(高級脂肪酸アミドなど)などは全て実質的に含有しないのが好ましい。
スキン層の表面は、表面処理されているのが好ましい。表面処理としては、慣用の表面処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾンや紫外線照射処理などが利用でき、コロナ放電処理が好ましい。フィルムを延伸する場合、表面処理は、フィルムの延伸処理に先立って行ってもよいが、延伸後に行う場合が多い。スキン層の表面張力は、例えば、36mN/m以上(例えば、37〜55mN/m)、好ましくは38〜50mN/m、さらに好ましくは38〜45mN/m程度であってもよい。
スキン層の厚みは、例えば、0.6μm以上、好ましくは0.8〜30μm、さらに好ましくは1〜10μm(特に1.5〜5μm)程度である。スキン層の厚みが0.6μm未満である、二軸延伸フィルムの場合に、厚みが不安定になり、バリア層との接着性が低下するとともに、外観不良が発生する。
[第2のスキン層]
コア層の他方の面には、さらにポリプロピレン系樹脂で構成された第2のスキン層が形成されていてもよい。ポリプロピレン系樹脂としては、前記コア層の項で例示されたポリプロピレン系樹脂が挙げられる。これらのポリプロピレン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ポリプロピレンホモポリマーが好ましい。ポリプロピレンホモポリマーとしては、第1のスキン層の項と同様に、微量の他の共重合性単量体を含む共重合体であってもよい。ポリプロピレン系樹脂の融点及びMFRについても第1のスキン層のポリプロピレン系樹脂と同様である。
第2のスキン層も、さらに、第1のスキン層の項で例示されたブロッキング防止剤(アンチブロッキング剤)又は粒子状滑剤を含んでいてもよい。その含有量も第1のスキン層と同様である。第1及び第2のスキン層のアンチブロッキング剤は、同一であってもよく、異なっていてもよい。第2のスキン層も、さらに、前記コア層の項で例示された添加剤を含んでいてもよいが、接着性の点から、ブリードアウト成分(特に帯電防止剤、石油樹脂、テルペン樹脂、低分子有機滑剤など)を含まないのが好ましい。
第2のスキン層は、アンチブロッキング性及び滑り性の点から、第2のスキン層同士の動摩擦係数は0.6以下(例えば、0.05〜0.6)、例えば、0.1〜0.5、好ましくは0.15〜0.45程度である。
第2のスキン層の表面は表面処理してもよいが、表面処理しないのが好ましい。第2のスキン層の表面の表面張力は、例えば、40mN/m以下(例えば、20〜38mN/m)、好ましくは20〜36mN/m、さらに好ましくは25〜35mN/m程度であってもよい。
第2のスキン層の厚みは、例えば、0.5μm以上、好ましくは1〜30μm、さらに好ましくは1.5〜10μm程度である。
[バリア層]
バリア層は、水溶性ビニル系重合体と層状無機化合物とで構成されている。水溶性ビニル系重合体としては、例えば、ビニルアルコール系重合体などが含まれる。ビニルアルコール系重合体としては、例えば、ポリビニルアルコールなどの単独重合体や、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのC2−3オレフィン−ビニルアルコール共重合体などが例示できる。これらの水溶性ビニル重合体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ガスバリア性の点から、ポリビニルアルコールやエチレン含量の少ないエチレン−ビニルアルコール共重合体(例えば、エチレン含量30モル%以下、好ましくは10モル%以下)、特にポリビニルアルコールが好ましい。
ビニルアルコール系重合体(特にポリビニルアルコール)のケン化度は、80モル%以上の範囲から選択できるが、好ましくは96モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上(特に99.5モル%以上)程度である。ビニルアルコール系重合体(特にビニルアルコール系重合体)の重合度は、例えば、200以上(例えば、200〜5000)、好ましくは400〜5000、さらに好ましくは500〜3000程度である。
層状無機化合物としては、膨潤性の含水ケイ酸塩、例えば、スメクタイト群粘土鉱物(モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサイトなど)、バーミキュライト群粘土鉱物(バーミキュライトなど)、カオリン型鉱物(ハロイサイト、カオリナイト、エンデライト、ディッカイトなど)、フィロケイ酸塩(タルク、パイロフィライト、マイカ、マーガライト、白雲母、金雲母、テトラシリリックマイカ、テニオライトなど)、ジャモン石群鉱物(アンチゴライトなど)、緑泥石群鉱物(クロライト、クックアイト、ナンタイトなど)などが例示できる。これらの層状無機化合物は、天然物でも合成物でもよい。これらの層状無機化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの膨潤層状無機化合物のうち、スメクタイト群粘土鉱物、特にモンモリロナイトが好ましい。層状無機化合物の平均粒子径(平面形状の平均粒子径)は、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μm程度である。
水溶性ビニル系重合体と層状無機化合物との割合(重量比)は、前者/後者=99/1〜70/30、好ましくは98/2〜75/25、さらに好ましくは95/5〜80/20程度である。
層状無機化合物は、ガスバリア性と層間の密着性とを両立させる点から、微粒子化処理されているのが好ましい。微粒子化処理された層状無機化合物は、通常、板状又は扁平状であり、平面形状は特に制限されず、無定形状などであってもよい。微粒子化処理された層状無機化合物の平均粒子径(平面形状の平均粒子径)は、例えば、0.01〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μm程度である。無機化合物の濃度は、例えば、0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは2〜5重量%程度である。
微粒子化処理は、溶液中で高圧分散処理されるのが好ましい。溶媒としては、水又は水溶性溶媒(メタノールやエタノールなどの低級アルコールやアセトンなど)が例示でき、通常、水又は水を含む混合溶媒(水とエタノールとの混合溶媒など)が使用される。
高圧分散処理における処理圧力は、例えば、20MPa(約200kgf/cm)以上(例えば、20〜100MPa)、好ましくは20〜80MPa程度、さらに好ましくは40〜60MPa程度である。処理方法としては、例えば、層状無機化合物を溶媒に膨潤させた後、高圧ホモジナイザーにより前記圧力で攪拌することにより、高圧分散する方法が挙げられる。このような高圧分散処理は、複数回(例えば、2〜10回)、好ましくは2〜7回、さらに好ましくは2〜5回程度行う。
バリア層は、さらに加水分解縮合性基を有する有機金属化合物を含んでいてもよい。加水分解縮合性基を有する有機金属化合物には、有機ケイ素化合物、有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物などが含まれるが、通常、有機ケイ素化合物が汎用される。
これらのうち、加水分解性縮合基を有する有機ケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラC1−4アルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、(イソ)プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシランなどのC1―12アルキルトリC1−4アルコキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのジC2―4アルキルジC1−4アルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシランなどのアリールC1−4アルコキシシランなどが挙げられる。
前記有機ケイ素化合物は、いわゆるシランカップリング剤であってもよい。シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ基含有シランカップリング剤[例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシランなどの脂環式エポキシ基を有するC1−4アルキルトリC1−4アルコキシシラン、グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリブトキシシランなどのグリシジルオキシC1−4アルキルトリC1−4アルコキシシラン、3−(2−グリシジルオキシエトキシ)プロピルトリメトキシシランなど]、アミノ基含有シランカップリング剤[例えば、アミノメチルトリエトキシシラン、2−アミノエチルトリメトキシシラン、1−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどのアミノC2−4アルキルC1−4アルコキシシラン、N−アミノメチルアミノメチルトリメトキシシラン、3−(N−アミノメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリメトキシシランなどのN−アミノC1−4アルキルアミノC1−4アルキルトリC1−4アルコキシシランなど]、ビニル基含有シランカップリング剤(例えば、ビニルトリメトキシシランなどのビニルトリC1−4アルコキシシランなど)、エチレン性不飽和結合基含有シランカップリング剤[例えば、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランなどの(メタ)アクリロキシC2−4アルキルC1−4アルコキシシランなど]、メルカプト基含有シランカップリング剤(例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトC2−4アルキルトリC1−4アルコキシシランなど)、カルボキシル基含有シランカップリング剤(2−カルボキシエチルトリメトキシシランなどのカルボキシC2−4アルキルトリC1−4アルコキシシランなど)などが挙げられる。
これらの加水分解性縮合基を有する有機金属化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどのテトラC1−4アルコキシシランなどが汎用される。
加水分解性縮合基を有する有機金属化合物の割合は、水溶性ビニル系重合体100重量部に対して、例えば、SiO換算で、90〜500重量部、好ましくは100〜350重量部、さらに好ましくは120〜250重量部(特に120〜200重量部)程度である。
バリア層には、慣用の加水分解触媒、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、(ポリ)リン酸などの無機酸、有機リン酸、蟻酸、(無水)酢酸、洛酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸などの有機酸などを添加してもよい。これらの触媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの触媒のうち、少なくともポリリン酸を含む触媒が好ましい。なお、ポリリン酸は、例えば、二リン酸、三リン酸、四リン酸、五リン酸などのポリリン酸の混合物であってもよい。加水分解触媒の割合は、例えば、ドープ中0.01〜1重量%(特に0.05〜0.5重量%)程度である。
バリア層にも、コア層の項で例示された慣用の添加剤や、架橋剤(例えば、ポリエチレングリコールなどのポリオール系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤など)などが含まれていてもよい。
バリア層の厚み(乾燥厚み)は、例えば、0.2〜5μm程度の範囲から選択でき、例えば、0.2〜2μm、好ましくは0.3〜3μm、さらに好ましくは0.5〜2μm程度である。
[アンカー層]
アンカー層は、接着性樹脂で構成されたアンカー剤及びシランカップリング剤を含有している。接着性樹脂としては、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、イミノ基含有ポリマー、ブタジエン系ポリマーなどが挙げられる。これらの接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの接着性樹脂のうち、接着性及び柔軟性の点から、エステル結合及び/又はウレタン結合を有する樹脂が好ましい。エステル結合及び/又はウレタン結合を有する接着性樹脂には、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂が含まれ、ポリエステルウレタン系樹脂などのポリウレタン系樹脂が特に好ましい。ポリウレタン系樹脂は、例えば、イソシアネート基を有するプレポリマー[ジオール成分(エチレングリコールや1,4−ブタンジオールなどの脂肪族ジオール成分と、アジピン酸などのジカルボン酸とから得られたポリエステルジオールなど)と、ジイソシアネート成分(トリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートなど)との反応により生成するイソシアネート基含有プレポリマーなど]と、ポリオール成分(前記ジオール成分など)とで構成された二液硬化型ウレタン系樹脂であってもよい。
シランカップリング剤としては、前記バリア層の項で例示されたシランカップリング剤が使用できる。これらのシランカップリング剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのシランカップリング剤のうち、アミノ基含有シランカップリング剤、特に、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノC2−4アルキルC1−4アルコキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−[N−(2−アミノエチル)アミノ]プロピルメチルジメトキシシランなどのN−アミノC1−4アルキルアミノC1−4アルキルトリC1−4アルコキシシランが好ましい。
シランカップリング剤の割合は、アンカー剤100重量部に対して、例えば、0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度である。
さらに、アンカー層にも、前記バリア層の項で例示された架橋剤(特にイソシアネート系架橋剤)や慣用の添加剤が含まれていてもよい。架橋剤の割合は、例えば、アンカー剤100重量部に対して、例えば、1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部、さらに好ましくは10〜20重量部程度である。
アンカー層も、通常、溶媒を用いてドープとして調製される。溶媒としては、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、芳香族炭化水素類(トルエンなど)などが挙げられ、通常、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルなどを使用される。
アンカー層の厚み(乾燥厚み)は、例えば、0.01〜3μm程度の範囲から選択でき、例えば、0.02〜2μm、好ましくは0.03〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.8μm程度である。
[シーラント層及び接着層]
シーラント層は、積層フィルムにヒートシール性などを付与するために形成され、ヒートシール性を有していれば特に限定されず、用途やラミネート方法に応じて、オレフィン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂(酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体など)、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂などの各種熱可塑性樹脂などを利用できるが、通常、オレフィン系樹脂が使用される。オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はアイオノマー、非晶性ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリエチレン系樹脂、例えば、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などが汎用される。
シーラント層の厚みは、特に限定されず、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜70μm程度である。
シーラント層は、通常、接着層を介して、バリア層の上に形成される。接着層を構成する接着性樹脂としては、例えば、前記アンカー層の項で例示された接着性樹脂が使用できる。なかでも、前記接着性樹脂のうち、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン系樹脂など)、ポリウレタン系樹脂(例えば、前述のポリエステルウレタン系樹脂など)、イミノ基含有ポリマー(例えば、ポリエチレンイミンなどのポリアルキレンイミンなど)、ブタジエン系ポリマー(例えば、エポキシ化ポリブタジエン、マレイン酸変性ポリブタジエンなど)などが好ましい。特に、押出ラミネートの場合、接着層は、シーラント層と同じオレフィン系樹脂(特にポリエチレン系樹脂)であってもよい。また、ドライラミネートの場合は、ポリウレタン系樹脂などであってもよい。
接着層の厚みは、ラミネートの種類に応じて選択でき、例えば、0.01〜100μm程度の範囲から選択でき、押出ラミネートの場合、例えば、1〜50μm、好ましくは5〜40μm、さらに好ましくは10〜30μm程度である。他のラミネートの場合、アンカー層と同程度の厚みである。
[積層フィルム及びその製造方法]
本発明の積層フィルムは、ガスバリア性に優れており、特に、耐熱性も高く、例えば、温度90℃で30分間熱水処理した後の酸素透過度[単位:ml/(m・24時間・MPa)]は、例えば、150以下(例えば、0.1〜150)、好ましくは0.5〜100、さらに好ましくは1〜80(特に5〜60)程度である。
本発明の積層フィルムにおいて、バリア層とスキン層とのラミネート強度(シーラント層を形成していない状態で、温度20℃、湿度70%RH下)は、例えば、100g/15mm以上、好ましくは100〜1000g/15mm、さらに好ましくは120〜500g/15mm(特に130〜400g/15mm)程度である。
本発明の積層フィルムは、透明性にも優れており、高い視認性を有している。具体的には、JIS K 7129に準じた4枚ヘイズ値が、例えば、18%以下、好ましくは1〜18%、さらに好ましくは3〜17%(特に5〜16%)程度である。さらに、全光線透過率は、30%以上(例えば、40〜100%)、好ましくは50%以上(例えば、60〜95%)、さらに好ましくは70%以上(例えば、75〜90%)程度であってもよい。
本発明の積層フィルムにおいて、コア層とスキン層との積層方法(ラミネート方法)としては、特に限定されず、接着剤層を介して又は介することなくラミネートする慣用の方法、例えば、ドライラミネート法、ウエットラミネート法、押出しラミネート法、ホットメルトラミネート法、共押出しラミネート法などが利用できる。これらの方法のうち、コア層を構成するポリプロピレン系樹脂(又はその組成物)と、スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂(又はその組成物)とを、それぞれ、1軸又は2軸押出機に供給し、溶融混練してダイ[フラット状、T状(Tダイ)、円筒状(サーキュラダイ)など]で積層されて共押出しされる共押出しラミネート方法が好ましい。
積層フィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、延伸(又は延伸処理、通常、一軸又は二軸延伸)された延伸フィルム(特に、二軸延伸フィルム)であるのが好ましい。延伸フィルムの製造方法としては、慣用のフィルム製造方法を利用できるが、特に、共押出ラミネートされた積層フィルムをチルロール(冷却ロール)に巻き取って接触させながら冷却した未延伸フィルムを、慣用の方法で一軸又は二軸延伸する方法が好ましく利用できる。二軸延伸は、同時二軸延伸であってもよく、逐次二軸延伸であってもよい。二軸延伸フィルムにおいて、フィルム引取方向(MD方向)の延伸倍率は、例えば、2〜10倍、好ましくは3〜9倍、さらに好ましくは4〜8倍程度であってもよい。また、フィルム幅方向(TD方向)の延伸倍率は、例えば、5〜20倍、好ましくは6〜15倍、さらに好ましくは7〜13倍程度である。また、延伸後、必要に応じて、応力を緩和させるためにヒートセットを行ってもよい。ヒートセット温度は、樹脂の種類などに応じて適宜選択でき、例えば、80〜250℃、好ましくは90〜240℃、さらに好ましくは100〜230℃程度であってもよい。
本発明では、共押出したラミネートフィルムをチルロールで冷却する場合に、チルロールの温度(ロール内部の温度)は、例えば、25〜65℃、好ましくは30〜60℃、さらに好ましくは35〜50℃程度である。さらに、チルロールの周辺環境における冷却方法は、空気雰囲気下で冷却する方法(空冷)であってもよいが、水浴中での冷却方法(水冷)の方が好ましい。周辺環境の温度は、常温であってもよく、チルロールと同程度の温度に調整してもよい。本発明では、さらに、積層フィルムをチルロールに巻き取る場合において、スキン層(第1のスキン層)をチルロールと接触する状態で巻き取るのが好ましい。特に、第1のスキン層をチルロールと接触させて水冷すると、第1のスキン層の表面に凹凸が形成されるためか、バリア層との接着性を向上できる。
第1のスキン層には、アンカー層を形成した後、バリア層を形成する。アンカー層及びバリア層は、いずれも、前述のドープ液を塗布することにより形成できる。ドープ液の塗布方法は、慣用の方法、例えば、グラビアコーティング、リバースコーティング、ドクターコーティング、バーコーティング、ディップコーティングなどを利用できる。そして、前記塗布液を塗布した後、それぞれの工程の後において、例えば、適当な温度(例えば、50〜150℃、好ましくは80〜120℃程度)で乾燥することにより、アンカー層及びバリア層を形成してもよい。乾燥時間は、例えば、5〜120秒、好ましくは10〜90秒程度である。
本発明では、バリア層を形成した後、エージング処理するのが好ましい。エージング処理温度は25℃以上であり、エージングを促進する点からは高い方が好ましいが、フィルムの収縮を抑制し、かつエージングを促進させる点から、例えば、30〜80℃、好ましくは35〜70℃、さらに好ましくは40〜60℃(特に45〜55℃)程度である。エージング時間も、エージングを促進する点からは長い方が好ましいが、作業性なども考慮すると、例えば、6時間以上(例えば、12時間〜30日程度)、好ましくは1〜25日間、さらに好ましくは2〜20日(特に2.5〜16日程度)である。
さらに、このエージング処理に伴って加湿処理するのが好ましい。加湿処理は、慣用の加湿器(蒸気加湿方式又は水噴霧方式の加湿器)などを用いて処理できる。湿度は、エージングを促進する点からは、高い方が好ましいが、高すぎると、結露などによりフィルムの表面平滑性などが低下する場合がある。具体的には、水噴霧方式の加湿器などを用いて、前記温度範囲(例えば、50℃程度)において、例えば、湿度20〜85%RH、好ましくは湿度25〜80%RH、さらに好ましくは湿度30〜70%RH程度の条件下でエージング処理してもよい。加湿下でエージング処理を行うと、フィルムに水分を補充しつつエージングでき、バリア層における未反応の加水分解縮合反応を促進できるためか、積層フィルムのラミネート強度やガスバリア性をさらに向上できる。
得られたバリア層の上にシーラント層を形成する方法としては、予め作製したシーラント層を貼り合わせるドライラミネート法、溶剤を含まない接着剤を用いるノンソル(無溶剤型)ラミネート法、接着層を溶融押出しながら予め作製したシーラント層と圧着する押出ラミネート法、シーラント層の塗布液を塗布するコーティング法などが挙げられる。本発明では、いずれのラミネート方法にも用いることができるが、本発明の積層フィルムは、ラミネート温度が高温となる押出ラミネートに供しても、バリア層に割れやクラックが発生するのが抑制されるとともに、高いラミネート強度を保持できるため、特に、押出ラミネート法に用いるのが有用である。
押出ラミネート法における押出方法としては、エキストルージョン法(フラット状やT状ダイを用いた方法など)などの押出成形法などを用いることができる。ラミネート温度(接着層の溶融押出温度)は、例えば、250〜400℃、好ましくは280〜350℃程度である。接着性を高めるために、バリア層の表面はオゾン処理などで表面処理されているのが好ましいが、本発明では、接着層を高温で溶融押出することによりラミネートしても優れたフィルム特性を保持するため、バリア層を表面処理することなく、高温でラミネートに供することにより、高い接着性を確保できる。
シーラント層を形成する方法において、バリア層とシーラント層との間に、前記接着層を介さなくてもよいが、通常、前記接着層が介される。接着層は、前記アンカー層と同様に、接着成分を含む塗布液をコーティングする方法により形成できる。接着層の塗布量は、乾燥重量で、例えば、0.005〜5g/m、好ましくは0.005〜4g/m、さらに好ましくは0.005〜3g/m程度である。
シーラント層が形成された積層フィルムは、エージング処理するのが好ましい。エージング処理温度は、例えば、25〜70℃、好ましくは30〜60℃、さらに好ましくは35〜55℃程度である。エージング時間は、例えば、6時間以上(例えば、7時間〜30日程度)、好ましくは8時間〜20日間、さらに好ましくは10時間〜10日(特に12時間〜5日間程度)である。シーラント層を形成した後のエージング処理は、主として、シーラント層とバリア層との接着性を向上させるために行われるが、このようなエージング処理に伴って前述の加湿処理を行ってもよい。
本発明の積層フィルムは、内容物を酸素や湿気などによる腐敗・劣化などから保護するために有効であるため、例えば、食品[例えば、菓子類(キャンディー、チョコレート、米菓、まんじゅう、スナック、ビスケット、クッキーなど)、パン類(菓子パン、カステラ、サンドイッチ、食パンなど)、穀物類(おにぎり、麺類など)、乳製品(チーズ、バターなど)、海苔、野菜、果物、肉類など]、医薬品又は化学品(例えば、薬品又は薬剤など)、精密電子部品などの包装材料又は容器などに利用できる。被包装体(内容物)は、室温で固形、半固形又は流動物であってもよい。これら種々の被包装体のうち、本発明のフィルムは、食品の包装に用いるためのフィルム(食品用包装フィルム)として好適に利用できる。特に、耐熱性が高く、レトルト処理又は電子レンジ処理も可能であるため、電子レンジ用食品、レトルト食品、冷凍食品、マイクロ波殺菌などにも利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、「部」及び「%」は、特にことわりのない限り、重量基準である。なお、実施例及び比較例で得られたフィルムの物性の評価方法及び塗布液の調製例は以下の通りである。
[酸素透過度(O2−TR)]
ASTMD−3985に従って、得られたフィルムを所定の大きさに切断し、酸素透過度測定器(モコン(MOCON)社製、商品名「OX−TRAN2/20 SH MODULE」)を用いて、温度20℃、相対湿度70%RHの条件下で酸素透過度(透過率)を測定した。測定は、シーラント層を押出ラミネートする前のフィルムと、押出ラミネート後のフィルムについて測定した。さらに、押出前のフィルムについては、90℃の熱水中に30分間浸漬したフィルム(ボイル後フィルム)についても酸素透過度を測定した。
[ラミネート強度]
積層フィルムのスキン層の上に、二液硬化型ポリエーテルウレタン系ラミネート用接着剤(東洋モートン(株)製、商品名「TM329」及び「CAT−8B」と、酢酸エチルとを、TM329/CAT−8B/酢酸エチル=4.8/4.8/10.4(重量比)の割合で混合した接着剤)、乾燥後の厚みで2.5g/mとなるように塗布して乾燥させた後、ポリプロピレンフィルム(東洋紡績(株)製、商品名「P1153」、表面に36dync/cm以上のコロナ放電処理をしたフィルム、厚み30μm)のコロナ放電処理面と前記スキン層とを圧着し、ラミネート処理した。このフィルムを40℃、30%RHで24時間保存した後、15mm幅の短冊状に裁断して試験片を作製した。この試験片の剥離強度を、JIS K 7127に準じて、次のようにして測定した。すなわち、試験片の積層フィルムの端部と、ポリプロピレンフィルムの端部とをそれぞれ保持して、300mm/分の速度で積層フィルムとポリプロピレンフィルムとを180°剥離し、MD方向の剥離強度を測定した。
(バリア層のコーティング液の調製例1)
水にモンモリロナイト(クニミネ工業(株)製、クニピアRG)を濃度が3%になるように加え、室温で撹拌しながら一次分散を行った後、衝突型高圧分散装置((株)スギノマシン製、HJP−25030)を用いて、二次分散させ、モンモリロナイトの分散液を調製した。
このモンモリロナイト分散液に、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業(株)製、「ゴーセノールNL−05」)を添加し、固形分濃度が2.5重量%で、ポリビニルアルコールとモンモリロナイトとが、固形分比(重量比)で、ポリビニルアルコール/モンモリロナイト=2/1となるように調整した後、エタノールの濃度が30%になるように、水及びエタノールを添加した。次に、90℃まで昇温し、ポリビニルアルコールを溶解させ、混合溶液を調製した。
得られた固形分2.5重量%の混合溶液に、テトラエトキシシランをポリビニルアルコール100重量部に対し、テトラエトキシシランのケイ素量がSiO換算で、150重量部となるように添加した。さらに、この溶液に対して、ポリリン酸を0.2%となるように添加し、30分間室温で混合し、A液を調製した。
(バリア層のコーティング液の調製例2)
テトラエトキシシランの割合を、SiO換算で、150重量部とする以外は、調製例1と同様にしてB液を調製した。
(バリア層のコーティング液の調製例3)
ポリビニルアルコールとモンモリロナイトとの固形分比(重量比)を、ポリビニルアルコール/モンモリロナイト=75/25とする以外は、調製例1と同様にしてC液を調製した。
(アンカー層のコーティング液の調製例)
メチルエチルケトン中に、ポリエステルウレタン樹脂(東洋紡績(株)製、「UR8300」100部、TDI系イソシアネート(三井化学ポリウレタン(株)製、「A−10」)10部を添加し、十分に撹拌した後、撹拌を続けながら、さらにシランカップリング剤(信越化学工業(株)製、アミノシラン系シランカップリング剤「KBM−602」)10部を添加することによって調製した。
実施例1
コア層として、アイソタクチックポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、「F203T」、MFR=2.5g/10分)を用いるとともに、スキン層として、アイソタクチックポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、「FY4」、MFR=5g/10分、融点161℃)100部、及びポリメタクリル酸メチル粒子(日本触媒(株)製、「エポスター」、平均粒径2μm)0.1部のブレンド物を用いた。コア層、スキン層の各原料を、それぞれTダイを備えた押出機に供給し、250〜260℃の温度で共押出した。さらに、各押出機からダイ内部へ供給されて積層された溶融樹脂組成物は、内部を40℃の温水が循環しているチルロールで巻き取られて水浴中で冷却した。チルロールでの冷却においては、スキン層がチルロールと接触して冷却されるとともに、コア層はチルロールとは接触せずに水冷されるように押出機を配置した。このような方法で冷却された積層フィルムは、製膜速度250m/分の速度で、130〜160℃で縦方向に5倍に延伸し、続いて160℃で横方向に10倍に延伸した後、160℃で5秒間熱処理して、チルロール面側(スキン層)にコロナ放電処理を行った後、厚み20μm(コア層18μm、スキン層2μm)の積層フィルムを得た。
コロナ処理されたスキン層の上に、前記アンカー層のコーティング液を塗布量0.5g/m(乾燥重量)で塗布し、100℃で10秒間乾燥した。続いて、バリア層のコーティング液として、A液を塗布量1.5g/m(乾燥重量)で塗布し、100℃で10秒間乾燥した。得られた積層フィルムの酸素透過度は20ml/(m・24時間・MPa)であった。得られた積層フィルムは、温度50℃及び湿度50%RHで72時間エージングした。
次に、320℃で溶融させたポリエチレンをバリア層の上に厚み20μmで押出し、テンション8kg/mで、シーラント層として、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東洋紡績(株)製、L6102、30μm)を用いて圧着することにより、押出ラミネートを行い、積層フィルムを得た。さらに、この積層フィルムは、温度40℃で48時間エージングした。得られたフィルムについて特性を評価した結果を表1に示す。
実施例2
バリア層のコーティング液をB液とする以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムについて特性を評価した結果を表1に示す。
実施例3
スキン層として、エチレン2%含有ランダムポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、「F415T」、MFR=15g/10分、融点150℃)100部、アイソタクチックポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、「SA3A」、MFR=11g/10分、融点160℃)100部、及びポリメタクリル酸メチル粒子(日本触媒(株)製、「エポスター」、平均粒径2μm)0.2部のブレンド物を用いる以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。なお、スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂混合物の融点は155℃であり、得られたフィルムの特性とともに表1に示す。
比較例1
スキン層として、エチレン2%含有ランダムポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、「F415T」、MFR=15g/10分、融点150℃)100部、及びポリメタクリル酸メチル粒子(日本触媒(株)製、「エポスター」、平均粒径2μm)0.1部のブレンド物を用い、アンカー層を形成せずにバリア層のコーティング液をC液とし、かつ押出ラミネートのテンションを10kg/mとする以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムについて特性を評価した結果を表1に示す。
比較例2
スキン層として、エチレン2%含有ランダムポリプロピレン(日本ポリプロ(株)製、「F415T」、MFR=15g/10分、融点150℃)100部、及びポリメタクリル酸メチル粒子(日本触媒(株)製、「エポスター」、平均粒径2μm)0.1部のブレンド物を用いる以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムについて特性を評価した結果を表1に示す。
比較例3
アンカー層を形成しない以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムについて特性を評価した結果を表1に示す。
実施例4及び5
バリア層の乾燥後に、温度50℃及び湿度10%RHでエージングする以外は実施例1又は2と同様にして積層フィルムを得た。得られたフィルムについて特性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2008230153
表1の結果から明らかなように、実施例の積層フィルムは、ラミネート強度が高く、ボイル後の酸素透過度も低い。特に、実施例1〜3の積層フィルムは、ラミネート強度と酸素透過度とを高度に両立できる。これに対して、比較例の積層フィルムは、ラミネート強度が低く、酸素透過度も高い。

Claims (9)

  1. ポリプロピレン系樹脂で構成されたコア層と、このコア層の一方の面に形成され、かつ少なくともポリプロピレンホモポリマーで構成されたスキン層と、このスキン層の上に、形成され、かつエステル結合及びウレタン結合からなる群から選択された少なくとも一種を有する接着性樹脂とシランカップリング剤とを含有するアンカー層と、このアンカー層の上に形成され、かつ水溶性ビニル系重合体と層状無機化合物とで構成されたバリア層とで構成されている積層フィルム。
  2. バリア層が、さらに加水分解縮合性基を有する有機金属化合物を含む請求項1記載の積層フィルム。
  3. バリア層の上に、接着層を介して、さらにポリオレフィン系樹脂で構成されたシーラント層が形成されている請求項1記載の積層フィルム。
  4. シーラント層が押出ラミネートで形成されている請求項3記載の積層フィルム。
  5. コア層が、メルトフローレートが5g/10分以下のポリプロピレン系樹脂で構成されている請求項1記載の積層フィルム。
  6. バリア層とスキン層とのラミネート強度が100g/15mm以上であり、温度90℃で30分間熱水処理した後の積層フィルムが、酸素透過度150ml/(m・24時間・MPa)以下である請求項1記載の積層フィルム。
  7. コア層とスキン層とを共押出により形成する工程と、スキン層の上に塗布によりアンカー層を形成する工程と、アンカー層の上に塗布によりバリア層を形成する工程とを含む請求項1記載の積層フィルムの製造方法。
  8. バリア層を形成した後、温度25〜70℃及び湿度20〜85%RHの条件下で積層フィルムをエージング処理する工程を含む請求項7記載の製造方法。
  9. バリア層の上に、シーラント層を押出ラミネートする工程を含む請求項7記載の製造方法。
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