JP2008225438A - 車両用表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 温度変化に関係なく表示光の発光色度や発光輝度を一定に保つことが可能な車両用表示装置を提供する。
【解決手段】 表示光Lをフロントガラス13に照射し、この照射によって得られた表示像Vを車両11の観察者14に視認させる車両用表示装置であって、第1の有色光L1を発する第1の発光素子23並びに第2の有色光L2を発する第2の発光素子24を備え、第1の有色光L1並びに第2の有色光L2を含む照明光L3で液晶表示パネル21を照明する照明手段22と、照明光L3の光量を検出するカラーセンサ202と、カラーセンサ202から出力される光量データが入力されることで、照明光L3の色度データ並びに照明光L3の輝度データを算出するとともに、この算出された前記色度データ、前記輝度データが予め定められた基本色度データ、基本輝度データになるように第1,第2の発光素子23,24に供給する電力を調整する制御手段55とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】 表示光Lをフロントガラス13に照射し、この照射によって得られた表示像Vを車両11の観察者14に視認させる車両用表示装置であって、第1の有色光L1を発する第1の発光素子23並びに第2の有色光L2を発する第2の発光素子24を備え、第1の有色光L1並びに第2の有色光L2を含む照明光L3で液晶表示パネル21を照明する照明手段22と、照明光L3の光量を検出するカラーセンサ202と、カラーセンサ202から出力される光量データが入力されることで、照明光L3の色度データ並びに照明光L3の輝度データを算出するとともに、この算出された前記色度データ、前記輝度データが予め定められた基本色度データ、基本輝度データになるように第1,第2の発光素子23,24に供給する電力を調整する制御手段55とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、表示器(例えば液晶表示パネル)から発せられる表示光を車両のフロントガラスもしくは専用の反射部材に照射し、この照射によって得られた表示像を車両の利用者に視認させる車両用表示装置に関するものである。
従来より、液晶表示パネルを有する液晶表示装置を用いた車両用ヘッドアップディスプレイが種々提案されており、例えば下記特許文献1に開示されている。かかる車両用ヘッドアップディスプレイは、表示光を車両のフロントガラスあるいはコンバイナと称される半透過板(反射部材)に投影(照射)し、虚像を表示するものである。具体的には、図9に示すように車両用ヘッドアップディスプレイ1は、透光性の窓部2を備えたハウジング3に液晶表示装置4及び反射鏡5を収容したものであり、液晶表示装置4が発した表示光Lは、反射鏡5で反射されて車両のフロントガラスあるいはコンバイナに投影され、虚像を表示するものである。
さらに、液晶表示装置4は、液晶表示パネル6及びこの液晶表示パネル6を透過照明する光源である発光ダイオード(発光素子)7,8を有するものである。発光ダイオード7,8は、図示しない光源駆動回路から所定の電力(電流値)を供給されて発光するものであり、発光ダイオード7は緑色光L1を発し、発光ダイオード8は赤色光L2を発する。液晶表示パネル6は、発光ダイオード7が発した緑色光L1と発光ダイオード8が発した赤色光L2とが混色された橙色の照明光L3で透過照明される。
特開2003−295105号公報
しかしながら、周囲環境や発光ダイオード7,8自身が発する熱等による温度変化(発光ダイオード7,8の特性を含む)に起因して、発光ダイオード7,8の発光色度や発光輝度が変動してしまうという問題があった。かかる発光ダイオード7,8の発光色度や発光輝度の変動は、発光ダイオード7,8の混合光である照明光L3(つまり、表示光L)の発光色度や発光輝度の変動につながり、結果的に表示光Lの発光色度や発光輝度を一定に保つことができないという問題点を有していた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、温度変化に関係なく表示光の発光色度や発光輝度を一定に保つことが可能な車両用表示装置の提供を目的とするものである。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、温度変化に関係なく表示光の発光色度や発光輝度を一定に保つことが可能な車両用表示装置の提供を目的とするものである。
本発明は、表示器から発せられる表示光を車両のフロントガラスあるいは反射部材に照射し、この照射によって得られた表示像を前記車両の利用者に視認させる車両用表示装置であって、第1の有色光を発する第1の発光素子並びに第2の有色光を発する第2の発光素子を備え、前記第1の有色光並びに前記第2の有色光を含む照明光で前記表示器を照明する照明手段と、前記照明光の光量を検出する検出手段と、前記検出手段から出力される光量データが入力されることで、所定の演算処理により前記照明光の色度データ並びに前記照明光の輝度データを算出するとともに、この算出された前記色度データ、前記輝度データが予め定められた基本色度データ、基本輝度データになるように前記第1,第2の発光素子の少なくとも一方に供給する電力を調整する制御手段と、を備えてなることを特徴とする。
また本発明は、前記制御手段は、前記照明光の輝度データ並びに前記照明光の色度データに基づいて算出され、前記第1の発光素子に供給される第1電流値が、理想的な第1電流値と一致し、且つ、前記照明光の輝度データ並びに前記照明光の色度データに基づいて算出され、前記第2の発光素子に供給される第2電流値が、理想的な第2電流値と異なる場合に、前記第2電流値を前記理想的な第2電流値に補正するような電流値補正制御を行うことを特徴とする。
また本発明は、前記電流値補正制御は、前記第2電流値に供給する電流値を段階的に増加もしくは減少させ、前記第2電流値を前記理想的な第2電流値へと近づけることを特徴とする。
本発明によれば、初期の目的を達成でき、温度変化に関係なく表示光の発光色度や発光輝度を一定に保つことが可能な車両用表示装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態を車両用のヘッドアップディスプレイに適用したものを例に挙げて、添付図面に基づいて説明する。
車両用表示装置であるヘッドアップディスプレイ10は、車両11のダッシュボード12内に配設されている(図1参照)。かかるヘッドアップディスプレイ10が投射する表示光Lは、フロントガラス13により観察者(利用者)14側に反射される。観察者14は、虚像Vを風景と重畳させて視認することができる。換言すれば、ヘッドアップディスプレイ10は、ヘッドアップディスプレイ10に備えられる後述する液晶表示パネルから発せられる表示光Lをフロントガラス13に照射し、この照射によって得られた表示像(虚像)Vを観察者14に視認させるものである。これにより観察者14は、虚像Vを風景と重畳させて観察することができる。
ヘッドアップディスプレイ10は、液晶表示装置20,反射器30等をハウジング40内に収容したものである(図2参照)。また液晶表示装置20は、液図3に示すように液晶表示パネル(表示器)21と、この液晶表示パネル21を照明する照明器(照明手段)22と、導光部材201と、カラーセンサ(検出手段)202とを備えている。
液晶表示パネル21は、例えば一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セルの前後面に偏光膜を各々設けたTFT(薄膜トランジスタ)型の液晶表示素子からなるものである。液晶表示パネル21は、車両11に設けられる車速検出手段(後述する)からの出力信号に基づいて、車両11の速度の計測値を数値として表示することができる。なお、液晶表示パネル21によって表示される表示情報は、車速に限らず任意であり、例えばエンジン回転数、走行距離情報、ナビゲーション情報、外気温情報であってもよい。
一方、照明器22は、光源である第1の発光素子23と、前記光源とは発光色の異なる光源である第2の発光素子24と、第1の配線基板25と、第2の配線基板26と、第1の集光レンズ27と、第2の集光レンズ28と、ダイクロイックミラー(透過反射部材)29とを備えている。
第1の発光素子23は、第1の有色光である緑色光L1を発するチップ型発光ダイオードからなり、本実施形態では8個の発光ダイオードが用いられ、これら8個の発光ダイオードは直列接続されているものとする。
第2の発光素子24は、第2の有色光である赤色光L2を発するチップ型発光ダイオードからなり、第1の発光素子23と同様に8個の発光ダイオードが用いられ、これら8個の発光ダイオードは直列接続されているものとする。
第1の配線基板25は、例えば熱伝導性の高い略矩形状のアルミ基板からなり、直列接続された8個の第1の発光素子23が高密度実装されている。
第2の配線基板26は、例えば熱伝導性の高い略矩形状のアルミ基板からなり、直列接続された8個の第2の発光素子24が高密度実装されている。なお、第2の配線基板26の外形形状は、第1の配線基板25の外形形状と略同一となっている。
第1の集光レンズ27は、透光性合成樹脂からなり、個々の第1の発光素子23に対応してダイクロイックミラー29側に突出する凸状の球面27aを複数形成してなり、この球面27aは、各第1の発光素子23から発せられる照明光を集光する機能を有する。そして、この集光された各第1の発光素子23の照明光(各緑色光L1)は、ダイクロイックミラー29側に導かれる。
第2の集光レンズ28は、透光性合成樹脂からなり、個々の第2の発光素子24に対応してダイクロイックミラー29側に突出する凸状の球面28aを複数形成してなり、この球面28aは、各第2の発光素子24から発せられる照明光を集光する機能を有する。そして、この集光された各第2の発光素子24の照明光(各赤色光L2)は、各緑色光L1と同様にダイクロイックミラー29側に導かれる。なお、第2の集光レンズ28(各球面28a)の形状は、第1の集光レンズ27(各球面27a)の形状と略同一であるものとする。
ダイクロイックミラー29は、ガラス基板の前面(つまり、液晶表示パネル21の背面と向かい合う面)に蒸着により形成された反射膜29aを有してなるもので、各緑色光L1の進行方向並びに各赤色光L2の進行方向に対して各々略45度の傾きを有するように傾斜配置されている。
かかるダイクロイックミラー29は、各第1の発光素子23が発した各緑色光L1を透過させるとともに、各第2の発光素子24が発した各赤色光L2を反射させるものである。そして、ダイクロイックミラー29を透過する各緑色光L1と、ダイクロイックミラー29を通じて反射される各赤色光L2とが、ダイクロイックミラー29によって各々混色され、この混色された各照明光(各橙色光)L3が液晶表示パネル21側に導かれることによって、液晶表示パネル21が透過照明される。このことは、各緑色光L1と各赤色光L2とを含む各照明光L3にて、液晶表示パネル21が透過照明されることを意味している。
このように液晶表示パネル21を透過照明し、液晶表示パネル21から照射(出射)される照明光L3は、表示光Lとして液晶表示装置20から発せられ、反射器30側に導かれれる構成となる。
導光部材201は、アクリル等の透光性合成樹脂からなるものであり、照明光L3の一部L4を反射させる反射面201aを有している。かかる導光部材201は、照明光L3の照射範囲Sから照明光L3を入射させることができ、且つ、液晶表示パネル21の表示領域21aを遮らない箇所に配置される(図4参照)。
カラーセンサ202は、例えばその本体部の内部空間に配設された3つの受光素子と、導光部材201との対向面(前記本体部の前面部)に配設されたRGBカラーフィルタ(3原色カラーフィルタ)とを有する既知のフォトセンサからなり、導光部材201の反射面201aで反射された照明光L3の一部L4の光量を前記受光素子にて検出するものであり、図示しない回路基板の配線パターン上に実装されてなる。
この場合、前記受光素子は、前記RGBカラーフィルタのうち赤色カラーフィルタを通過する赤色の光を受光する赤色光受光素子と、前記RGBカラーフィルタのうち緑色カラーフィルタを通過する緑色の光を受光する緑色光受光素子と、前記RGBカラーフィルタのうち青色カラーフィルタを通過する青色の光を受光する青色光受光素子と、を有している。
また、前記RGBカラーフィルタは、略円形であって、前記赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ並びに青色カラーフィルタが均等(3等分)された状態に形成されてなる。
従って、反射面201aで反射された照明光L3の一部L4は、導光部材201から出射されて、導光部材201に対向する前記RGBカラーフィルタを通過して、前記受光素子(この場合、前記赤色光受光素子と前記緑色光受光素子)で受光される。
カラーセンサ202は、その前記受光素子(前記赤色光受光素子と前記緑色光受光素子)によって光(赤色の光、緑色の光)を受光すると、各色光の強度に応じたセンサ検出電流値(赤色光検出電流値、緑色光検出電流値)が前記配線パターン上に流れてなる。
なお、本実施形態では、導光部材201を用いて前記光量をカラーセンサ202により検出するものであったが、前記光量をカラーセンサ202により検出可能な構成であれば、あらゆる構成を採用することができることは言うまでもない。
反射器30は、図2に示すように凹面鏡31と、保持部材32と、ステッピングモータ33とを備えている。凹面鏡31は、樹脂(例えばポリカーボネート)に金属(例えばアルミニウム)を蒸着させ、反射面31aを形成したものである。かかる反射面31aは、凹面となっており、液晶表示装置20が発した表示光Lが拡大されて虚像Vが表示される。なお、凹面鏡31は、保持部材32に両面粘着テープにより接着されている。保持部材32は、樹脂(例えばABS)からなるものであり、歯車部34並びに軸部35が一体に形成されている。保持部材32の軸部35はハウジング40に軸支されている。
ステッピングモータ33の回動軸には歯車36が取付けられており、この歯車36は、保持部材32の歯車部34と噛合されている。凹面鏡31は、保持部材32とともに回動可能な状態で支持されており、ステッピングモータ33により凹面鏡31を回動させ、表示光Lの投射方向を調整することができる。観察者14は、押釦スイッチ(図示しない)を操作し表示光Lが目の位置に反射されるように(すなわち、虚像Vを視認できるように)凹面鏡31の角度を調整する。
ハウジング40には、液晶表示装置20並びに反射器30が収容される。かかるハウジング40には、表示光Lが出射する窓部41が設けられている。この窓部41は、透光性樹脂(例えばアクリル)からなるものであり、湾曲形状になっている。また、ハウジング40には、遮光壁42が設けられており、太陽光等の外光が液晶表示装置20に入射し虚像Vが見えにくくなる現象(ウォッシュアウト)を防止している。この遮光壁42は、平板形状になっており、ハウジング40の上部から斜めに垂下するように形成されている。
図5は、液晶表示装置20の電気的構成を示すブロック図である。なお、図5中、51は車速検出手段、202はカラーセンサ(検出手段)、52は反転増幅回路、53はピークホールド回路、54は記憶手段、55は制御手段、56は液晶駆動回路、57は第1の光源駆動回路、58は第2の光源駆動回路、21は液晶表示パネル、23は第1の発光素子、24は第2の発光素子である。
車速検出手段51は、車両11の速度を検出するための車速センサからなり、車両11の運転状態に応じた車速検出信号を検出し制御手段55に出力するものである。
カラーセンサ202は、前述したように導光部材201の反射面201aで反射された照明光L3の一部L4の光量を検出するものである。また、ここで言う前記光量とは、発光素子の輝度と色度とを含むものと定義する。
また、前記配線パターン上には、前記センサ検出電流値(前記緑色光検出電流値)を第1の出力電圧信号に変換するための電流−電圧変換手段としての第1オペアンプ(図示せず)と、前記センサ検出電流値(前記赤色光検出電流値)を第2の出力電圧信号に変換するための電流−電圧変換手段としての第2オペアンプ(図示せず)と、が実装されてなる。なお、本実施形態の場合、前記第1,第2オペアンプの正電源は5V、負電源は0Vに各々設定されているものとする。
すなわち、カラーセンサ202は、前記緑色光検出電流値を検出し、この検出された前記緑色光検出電流値は、カラーセンサ202と導通に接続された前記第1オペアンプによって前記第1の出力電圧信号に変換され、この変換された前記第1の出力電圧信号が、光量データとして反転増幅回路52に出力されることになる。
また、カラーセンサ202は、前記赤光検出電流値を検出し、この検出された前記赤色光検出電流値は、カラーセンサ202と導通に接続された前記第2オペアンプによって前記第2の出力電圧信号に変換され、この変換された前記第2の出力電圧信号が、光量データとして前記第1の出力電圧信号とともに反転増幅回路52に出力されることになる。
なお、本実施形態の場合、前記第1,第2の出力電圧信号は、第1,第2の発光素子23,24がPWM制御されていることで、パルス波形により出力される。
反転増幅回路52は、前記第1オペアンプによって電圧値に変換された前記第1の出力電圧信号が入力されることで、前記第1の出力電圧信号を反転させるとともにこの反転した状態の前記第1の出力電圧信号を増幅させ、増幅された前記第1の出力電圧信号をピークホールド回路53に出力するものである。また、反転増幅回路52は、前記第2オペアンプによって電圧値に変換された前記第2の出力電圧信号が入力されると、前記第2の出力電圧信号を反転させるとともにこの反転した状態の前記第2の出力電圧信号を増幅させ、増幅された前記第2の出力電圧信号をピークホールド回路53に出力するものである。
ここで、反転増幅回路52における前記第1の出力電圧信号の反転増幅処理の一例を説明する。図6(a)は、第1の発光素子23に供給されてなる前記第1電流値に相当する前記第1の出力電圧信号が、反転増幅回路52に入力された状態の出力波形(パルス波形)の一例を示す。つまり、図6(a)中、所定時間(例えば5μs)である時間T1から時間T2までは、出力電圧信号(前記第1の出力電圧信号)が5Vとなるため第1の発光素子23は非発光状態であり、前記所定時間である時間T2から時間T3までは、出力電圧信号が3Vとなるため第1の発光素子23は発光状態であり、前記所定時間である時間T3から時間T4までは、出力電圧信号が5Vとなるため第1の発光素子23は非発光状態である。
図6(b)は、図6(a)にて図示した前記第1の出力電圧信号の波形を反転させた状態を示す。つまり、図6(b)中、時間T1から時間T2までは、信号を反転させることで出力電圧信号が0Vとなり、時間T2から時間T3までは、信号を反転させることで出力電圧信号が2Vとなり、時間T3から時間T4までは、信号を反転させることで出力電圧信号が0Vとなる。
図6(c)は、図6(b)にて図示した前記第1の出力電圧信号の波形を増幅させた状態の波形を示す。つまり、図6(c)中、時間T2から時間T3までは、信号を増幅させることで出力電圧信号が2Vから例えば5Vとなる。なお、時間T1から時間T2、並びに時間T3から時間T4までは、増幅される前の状態の出力電圧信号が0Vであるため、増幅後の出力電圧信号は0Vのままとなることは言うまでもない。以上、前記第1の出力電圧信号の反転増幅処理について説明したが、前記第2の出力電圧信号の反転増幅処理についても同様な処理が行われる。
ピークホールド回路53は、反転増幅回路52から出力される増幅信号である前記第1,第2の出力電圧信号が入力されると、前記第1,第2の出力電圧信号のピークレベル(ピークレベル値)を保持し、前記第1,第2の出力電圧信号のピークレベル(例えば図6(c)中、前記第1の出力電圧信号のピークレベルは、時間T2から時間T3における出力電圧信号である5Vを指す)を制御手段55にそれぞれ出力する。
記憶手段54は、第1の発光素子23の光束ランク、色度ランクに基づく初期設定電流値である第1補正データと、第2の発光素子24の光束ランク、色度ランクに基づく初期設定電流値である第2補正データとを記憶してなる。
図7は、第1の発光素子23の光束ランク、色度ランクに基づいて、第1の発光素子23に供給すべき前記第1補正データを示す図であり、本実施形態の場合、第1の発光素子23の光束ランク、色度ランクは、ともに3段階に設定されている。なお、以下の説明では、第1の発光素子23についてのみ説明し、第2の発光素子24については詳細説明を省略する。図7中、光束ランクはA,B,Cの3段階に設定され、色度ランクは1,2,3の3段階に設定されるため、初期設定電流値である前記第1補正データは9通りのデータ値が存在する。
すなわち、図7中、光束ランクがAで色度ランクが1なら、前記第1補正データ値である電流値A1が第1の発光素子23に最初に供給すべき初期設定電流値であるものとし、光束ランクがAで色度ランクが2なら、電流値A2が第1の発光素子23に最初に供給すべき初期設定電流値であるものとし、光束ランクがAで色度ランクが3なら、電流値A3が第1の発光素子23に最初に供給すべき初期設定電流値であるものとする。以下、光束ランクがB,Cの場合も同様に、色度ランクに応じて電流値B1〜B3、C1〜C3が第1の発光素子23に最初に供給すべき初期設定電流値であるものとする。
制御手段55は、処理動作のプログラムが記憶されたROMや演算値を一時的に記憶するRAM、並びに前記プログラムを実行するためのCPU等を有するマイクロコンピュータからなる。
かかる制御手段55は、ピークホールド回路53から出力される前記第1,第2の出力電圧信号(前記光量データ)のピークレベルが入力信号として入力されることで、所定の演算処理により照明光L3の色度データ、輝度データを算出する。
具体的には、照明光L3の前記輝度データは、前記第1の出力電圧信号の単一パルス波形における、前記第1の出力電圧信号のピークレベル値及びこの第1の出力電圧信号のピークレベル値が出力されている時間から算出される緑色光L1の輝度データ、並びに前記第2の出力電圧信号の単一のパルス波形における、前記第2の出力電圧信号のピークレベル値及びこの第2の出力電圧信号のピークレベル値が出力されている時間から算出される赤色光L2の輝度データを用いて、所定の演算処理により算出される。なお、照明光L3の前記輝度データとは、表示像(虚像)Vの明るさを意味する。
また、照明光L3の前記色度データは、前述した緑色光L1の輝度データ、赤色光L2の輝度データ、並びに前記第1,第2の出力電圧信号のピークレベル値を用いて、所定の演算処理により算出される。そして、このように算出された照明光L3の前記輝度データ、前記色度データを用いて、所定の演算処理により、第1,第2の発光素子23,24に各々供給されることになる前記第1,第2電流値が算出される。
ここで、第1,第2の発光素子23,24に供給されるべき理想的な電流値は、照明光L3の基本輝度データ(目標輝度データ)、基本色度データ(目標色度データ)に基づいて所定の演算処理により算出可能となっている。なお、前記基本色度データ(前記目標色度データ)とは、この場合、既知であるCIE色度図において、望ましい(目標とする)照明光L3の波長(色度)の領域(範囲)を指す。また、前記基本輝度データ(前記目標輝度データ)とは、表示像(虚像)Vの明るさが、望ましい(目標とする)所定の明るさとなっている状態のことを指す。
制御手段55は、照明光L3の前記輝度データ、前記色度データに基づいて算出された前記第1,第2電流値(算出値)と、照明光L3の前記目標輝度データ、前記目標色度データに基づいて算出された理想的な(目標とする)第1,第2電流値(目標値)とを比較し、前記算出値である前記第1電流値と前記理想的な第1電流値とが異なる場合、前記算出値を前記理想的な第1電流値に補正(調整)するような電流値補正制御を行うとともに、前記算出値である前記第2電流値と前記理想的な第2電流値とが異なる場合、前記算出値を前記理想的な第2電流値に補正(調整)するような電流値補正制御を行う。なお、このとき、例えば前記算出値である前記第1電流値と前記理想的な第1電流値とが一致している場合は、前記算出値である前記第2電流値のみを前記理想的な第2電流値に補正すればよい。
従って、前述した電流値補正制御は、算出された照明光L3の前記輝度データと前記色度データとが、予め定められた照明光L3の前記基本輝度データ、前記基本色度データになるように、第1,第2の発光素子23,24の少なくとも一方に供給する電流(電力)を調整することと実質的に同じ意味をなしている。
ところで、図8は、仮に前記算出値である前記第2電流値と前記理想的な第2電流値とが異なる際に、第2の発光素子24に供給されてなる前記第2電流値を前記理想的な第2電流値に補正するための電流値補正制御の一例を示している。以下、この第2の発光素子24に対する電流値補正制御を図8に基づき説明する。
例えば、図8では、ある時間t1に到達する前において、前記算出値である前記第2電流値(つまり第2の発光素子24に供給されてなる電流値)が200mAであり、前記理想的な第2電流値が300mAであるとする。
この場合、まず制御手段55は、前記理想的な第2電流値(300mA)と前記算出値である前記第2電流値(200mA)との差を算出する。この差は、300ー200=100mAと算出される。そして、制御手段55は、この差を記憶手段54に記憶されてなる正の整数N(本実施形態ではNを5とする)で除算した除算値(第1調整値)を算出する。例えばN=5の場合、前記第1調整値は、100mA/5=20mAと算出される。
次に、制御手段55は、時間t1に到達した際に、前記算出値である前記第2電流値(200mA)に、前記第1調整値(20mA)を付加(加味)した220mAなる第1調整電流値が前記第2電流値として設定される。そして、前記第1調整電流値は、時間t1から例えば100ms経過後の時間t2に到達するまで維持される。
次に、制御手段55は、時間t2に到達する前において、前記理想的な第2電流値(300mA)と時間t2に到達するまで維持されてなる前記第2電流値である前記第1調整電流値(220mA)との差を算出する。この差は、300ー220=80mAと算出される。そして、制御手段55は、この差を前記整数Nで除算した除算値(第2調整値)を算出する。前記第2調整値は、80mA/5=16mAと算出される。
次に、制御手段55は、時間t2に到達した際に、時間t2に到達するまで維持されてなる前記第1調整電流値(220mA)に、前記第2調整値(16mA)を付加した236mAなる第2調整電流値が前記第2電流値として設定される。そして、前記第2調整電流値は、時間t2から例えば100ms経過後の時間t3に到達するまで維持される。
次に、制御手段55は、時間t3に到達する前において、前記理想的な第2電流値(300mA)と時間t3に到達するまで維持されてなる前記第2電流値である前記第2調整電流値(236mA)との差を算出する。この差は、300ー236=64mAと算出される。そして、制御手段55は、この差を前記整数Nで除算した除算値(第3調整値)を算出する。前記第3調整値は、64mA/5=12.8mAと算出される。
次に、制御手段55は、時間t3に到達した際に、時間t3に到達するまで維持されてなる前記第2調整電流値(236mA)に、前記第3調整値(12.8mA)を付加した248.8mAなる第3調整電流値が前記第2電流値として設定される。そして、前記第3調整電流値は、時間t3から例えば100ms経過後の時間t4に到達するまで維持される。
以後、詳細説明は省略するが、時間t4、t5、t6・・・においても、上述と全く同様な電流値補正制御が制御手段55によりなされる。つまり、このことは、前記電流値補正制御が、前記算出値である前記第2電流値と前記理想的な第2電流値とが異なる場合に、図8に示すように前記算出値として算出されてなる前記第2電流値に供給する電流値を所定時間毎に段階的に増加させ、前記算出値である前記第2電流値を前記理想的な第2電流値へと限りなく近づけるような制御であることを意味してなる。
つまり、時間t6での電流値調整後の前記第2電流値の値は、約273.8mAとなるが、時間t6以降、前記電流値補正制御を複数回繰り返すことで、時間t6での電流値調整後の前記第2電流値の値である273.8mAは、前記理想的な第2電流値(300mA)により近づくことになる。以上が、第2の発光素子24に対する前記電流値補正制御の一例である。
なお、本実施形態においては、前記電流値補正制御が、前記算出値である前記第2電流値を段階的に増加させ、前記理想的な第2電流値へと近づけるような制御を行う例について説明したが、例えば、逆に前記算出値である前記第2電流値が、前記理想的な第2電流値よりも大きい場合には、前記電流値補正制御が、前記算出値である前記第2電流値を段階的に減少させ、前記理想的な第2電流値へと近づけるような制御を行うことは言うまでもない。
そして、制御手段55は、第1の光源駆動回路57を介して第1の発光素子23を点灯駆動させるべく、第1の光源駆動回路57に駆動制御信号を出力するような制御を行う。つまり、制御手段55は、第1の発光素子23に前記理想的(最適)な第1電流値を供給するように、第1の光源駆動回路57に駆動制御信号を出力する。また、制御手段55は、第2の光源駆動回路58を介して第2の発光素子24を点灯駆動させるべく、第2の光源駆動回路58に駆動制御信号を出力するような制御を行う。つまり、制御手段55は、第2の発光素子24に前記理想的(最適)な第2電流値を供給するように、第2の光源駆動回路58に駆動制御信号を出力する。
従って、第1,第2の発光素子23,24には、前記理想的な第1,第2電流値がそれぞれ供給され、これにより第1の発光素子23が所望の光量を有するように緑色に発光し、第2の発光素子24が所望の光量を有するように赤色に発光する。そして、再度、緑色光L1と赤色光L2とをダイクロイックミラー29にて混色させ、混色された照明光L3の一部L4がカラーセンサ202により検出される。以後、図5に示すように信号(第1,第2の出力電圧信号)は、カラーセンサ202→反転増幅回路52→ピークホールド回路53→制御手段55へと伝送され、前記理想的な第1電流値を第1の発光素子23に絶えず供給するとともに、前記理想的な第2電流値を第2の発光素子24に絶えず供給するような処理が行われる。
かかる実施形態によれば、周囲環境や各発光素子23,24自身が発する熱等による温度変化によって、各発光素子23,24の発光輝度や発光色度が変動するのを抑制し、第1の発光素子23には前記温度変化に関係なく前記理想的な第1電流値が常時、供給されるとともに第2の発光素子24には前記温度変化に関係なく前記理想的な第2電流値が常時、供給されるため、各発光素子23,24から発せられる光の混合光である照明光L3(つまり、表示光L)の発光輝度や発光色度を前記温度変化に関係なく一定に保つことが可能となる。
なお、制御手段55は、車速検出手段51から入力される前記車速検出信号に基づいて所定のプログラム(演算)処理を行い、液晶駆動回路56を介して液晶表示パネル21を動作させるべく、液晶駆動回路56に駆動制御信号を出力するような制御を行う。これにより液晶表示パネル21に車両11の車速を表示させる。
また本実施形態では、液晶表示パネル21から発せられる表示光Lが、車両11のフロントガラス13に照射される例について説明したが、例えばフロントガラス13に表示光Lを良好に観察者14方向に反射させるコンバイナフィルムを設けてもよいし、あるいはフロントガラス13とは別の専用の反射部材に表示光Lを照射する構成としてもよい。
なお本実施形態では、発光色が異なる2種類の発光素子23,24を用いたものであったが、例えば発光色が異なる3種類の発光素子を用いてもよい。
11 車両
13 フロントガラス
14 観察者(利用者)
21 液晶表示パネル(表示器)
22 照明器(照明手段)
23 第1の発光素子
24 第2の発光素子
29 ダイクロイックミラー(透過反射部材)
54 記憶手段
55 制御手段
202 カラーセンサ(検出手段)
L 表示光
L1 緑色光(第1の有色光)
L2 赤色光(第2の有色光)
L3 橙色光(照明光)
V 表示像(虚像)
13 フロントガラス
14 観察者(利用者)
21 液晶表示パネル(表示器)
22 照明器(照明手段)
23 第1の発光素子
24 第2の発光素子
29 ダイクロイックミラー(透過反射部材)
54 記憶手段
55 制御手段
202 カラーセンサ(検出手段)
L 表示光
L1 緑色光(第1の有色光)
L2 赤色光(第2の有色光)
L3 橙色光(照明光)
V 表示像(虚像)
Claims (3)
- 表示器から発せられる表示光を車両のフロントガラスあるいは反射部材に照射し、この照射によって得られた表示像を前記車両の利用者に視認させる車両用表示装置であって、
第1の有色光を発する第1の発光素子並びに第2の有色光を発する第2の発光素子を備え、前記第1の有色光並びに前記第2の有色光を含む照明光で前記表示器を照明する照明手段と、
前記照明光の光量を検出する検出手段と、
前記検出手段から出力される光量データが入力されることで、所定の演算処理により前記照明光の色度データ並びに前記照明光の輝度データを算出するとともに、この算出された前記色度データ、前記輝度データが予め定められた基本色度データ、基本輝度データになるように前記第1,第2の発光素子の少なくとも一方に供給する電力を調整する制御手段と、を備えてなることを特徴とする車両用表示装置。 - 前記制御手段は、
前記照明光の輝度データ並びに前記照明光の色度データに基づいて算出され、前記第1の発光素子に供給される第1電流値が、理想的な第1電流値と一致し、且つ、
前記照明光の輝度データ並びに前記照明光の色度データに基づいて算出され、前記第2の発光素子に供給される第2電流値が、理想的な第2電流値と異なる場合に、
前記第2電流値を前記理想的な第2電流値に補正するような電流値補正制御を行うことを特徴とする請求項1記載の車両用表示装置。 - 前記電流値補正制御は、前記第2電流値に供給する電流値を段階的に増加もしくは減少させ、前記第2電流値を前記理想的な第2電流値へと近づけることを特徴とする請求項2記載の車両用表示装置。
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Publication Number | Publication Date |
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