JP2007108429A - 表示装置とそれを備えた車両用ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】表示器と、これを透過照明する光源と、光源からの光を均一化して表示器を透過照明させる拡散板とを備える表示装置において、表示器を透過する照明光の輝度の低下を抑えつつ、その輝度ムラを低減させる。
【解決手段】表示装置２は、透過照明されることによって所望の情報を表示する表示器２１と、表示器２１の背後に配置されて表示器２１を透過照明する光源２２と、光源２２が発する光を均一化する拡散板２４と、拡散板２４で均一化された光を表示器２１へ集光させて表示器２１を透過照明させる第１集光レンズ２３とを備える。これにより、第１集光レンズ２３により透過照明光の輝度の低下を抑えつつ、拡散板２３により透過照明光の輝度ムラを低減できる。
【選択図】図５

Description

本発明は、表示装置とそれを備えた車両用ヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。

車両用ヘッドアップディスプレイ装置（ＨＵＤ）は、表示装置と反射鏡とウィンドシールドの内面に形成されたハーフミラーとを備える。

表示装置は、情報を表す表示光を出射するものであり、反射鏡は、表示装置からの表示光をハーフミラー（ウィンドシールド）へ向けて反射するものであり、ハーフミラーは、反射鏡からの反射光を運転者側へ向けて反射するものである。ＨＵＤは、ハーフミラーが反射鏡からの反射光を運転者側へ反射することによって、表示装置の情報を虚像として運転者に認識させるものである。

表示装置は、透過照明されることによって所望の情報を表示する液晶パネル等の表示器と、これを透過照明する光源とを備える。

液晶パネルと、これを透過照明する光源とを備える一般の表示装置において、光源として複数の発光ダイオードを面状に配置し、この発光ダイオードと液晶パネルの間に拡散板を設けるものが開示されている（特許文献１を参照）。
特開平１−１７９９１３号公報

特許文献１では、記載されていないが、拡散板は、複数の発光ダイオードが発する光を均一化して液晶パネルを透過する照明光の輝度ムラを低減しようとするものである。しかし、発光ダイオードの光源は、殆んど点光源であるため、液晶パネルを透過する照明光の輝度ムラを充分に低減できない恐れがある。

一方、この輝度ムラを低減するため、拡散板が光を均一化する機能（光を拡散させる機能）を高めることが考えられる。しかし、この場合、液晶パネルを透過する照明光が、この拡散板によってより拡散されるため、透過照明光の輝度が低下するという問題が生じる。

このような表示装置をＨＵＤに用いれば、透過照明光の輝度ムラが低減できない場合、ＨＵＤの表示に表示ムラが発生するという問題が生じ、透過照明光の輝度が低い場合、ＨＵＤの表示が弱まるという問題が生じる。

この問題は、液晶パネルに限らず、透過照明されることによって所望の情報を表示する表示器に共通する問題であり、発光ダイオードに限らずランプ等の光源にも共通する問題であり、ＨＵＤに限らず、透過照明されることによって所望の情報を表示する表示器と、これを透過照明する光源と、光源からの光を均一化して表示器を透過照明させる拡散板とを備える表示装置に共通する問題である。

本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、表示器と、これを透過照明する光源と、光源からの光を均一化して表示器を透過照明させる拡散板とを備える表示装置において、表示器を透過する照明光の輝度の低下を抑えつつ、その輝度ムラを低減させることを目的とする。

本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。

請求項１に記載の表示装置は、透過照明されることによって所望の情報を表示する表示器と、表示器の背後に配置されて表示器を透過照明する光源と、光源が発する光を均一化する拡散板と、拡散板で均一化された光を表示器へ集光させて表示器を透過照明させる第１集光レンズとを備える構成とする。

この構成では、光源が発する光を、拡散板により均一化させ、この均一化されると共に拡散されて広がった光を、第１集光レンズにより集光させて表示器を透過照明させる。これにより、第１集光レンズにより透過照明光の輝度の低下を抑えつつ、拡散板により透過照明光の輝度ムラを低減できる。

請求項２に記載の表示装置は、光源と拡散板の間に配置されて光源が発する光を拡散板へ集光させる第２集光レンズを備える構成とする。

この構成では、光源が発する光を第２集光レンズにより拡散板へ集光させるため、上述の効果を得つつ透過照明光の輝度の低下をより抑えることができる。

請求項３に記載の表示装置は、光源を複数個備え、第２集光レンズを、複数の光源の各々に対応させて複数個備える構成とする。

この構成では、複数個の光源を設け、第２集光レンズを、この複数個の光源の各々に対応させて同じ複数個設ける。これにより、大きい面積を有する表示器を備える表示装置において、上述の効果を得ることができる。

請求項４に記載の表示装置は、光源が発光ダイオードで構成され、表示器が液晶パネルで構成される構成とする。

この構成でも、上述の効果を得ることができる。

請求項５に記載の車両用ヘッドアップディスプレイ装置は、請求項１ないし請求項４のいずれか一項に記載の表示装置を備えた車両用ヘッドアップディスプレイ装置であって、表示器を透過し且つ所望の情報を表す表示光を、自車両のウィンドシールドへ向けて反射する反射鏡と、ウィンドシールド側に設けられて反射鏡からの反射光を反射する反射体とを備える構成とする。

この構成では、車両用ヘッドアップディスプレイ装置が請求項１ないし請求項４のいずれか一項に記載の表示装置を備える。これにより、車両用ヘッドアップディスプレイ装置において、その表示が弱まることを抑えつつ、その表示ムラを低減させることができる。

以下、本発明による表示装置を、車両用ヘッドアップディスプレイ装置に適用した場合を例にして図面に基づいて説明する。

（構成）
図１は、本発明の一施形態による車両用ヘッドアップディスプレイ装置１の全体構成を示す模式図である。

図２は、車室内前方のインストルメントパネ７、ウィンドシールド８及びその周辺を示す模式図である。

図３は、図１に示す車両用ヘッドアップディスプレイ装置１の内部構成を示す斜視模式図である。

図４は、図３に示す表示装置２の内部構成を示す図３中のＶＩ矢視図である。

図５は、図４中のＶ−Ｖ線断面図である。

図６は、本発明の一実施形態による車両用ヘッドアップディスプレイ装置１（表示装置２）の電気回路構成を説明する回路構成図である。

車両用ヘッドアップディスプレイ装置（ＨＵＤ）１は、図１に示すように、表示装置２と、反射鏡である平面鏡３と凹面鏡４と、ウィンドシールド８の内面（車室内側の面、図１において右側の面）に形成された反射体であるハーフミラー６とを備える。インストルメントパネル７の内部（図１において下側）に配置されたケーシング５は、表示装置２と平面鏡３と凹面鏡４とを内蔵する。

ハーフミラー６は、図２に示すように、ウィンドシールド８において運転席側（図２において右側）に形成される。表示装置２等を内蔵するケーシング５は、ハーフミラー６の図２において下側、即ち、コンビネーションメータ１１の背後、インストルメントパネル７の図１において下側に配置される。

表示装置２は、例えば走行速度の情報を表す表示光を出射するものであり、平面鏡３と凹面鏡４は、表示装置２からの表示光をハーフミラー６（ウィンドシールド８）へ向けて反射するものであり、ハーフミラー６は、凹面鏡４からの反射光を運転者Ｍへ向けて反射するものである。

ＨＵＤ１は、ハーフミラー６が凹面鏡４からの反射光を運転者Ｍへ反射することによって、表示装置２が出射した表示光が表す情報の実像２Ａを、運転者Ｍに虚像２Ｂとして認識させるものである。

ケーシング５内において、表示装置２と平面鏡３と凹面鏡４とは、図３に示すように配置される。即ち、平面鏡３は、表示装置２が出射した表示光を凹面鏡４へ反射可能な位置に配置され、凹面鏡４は、平面鏡３からの反射光をハーフミラー６へ反射可能な位置に配置される。凹面鏡４は、虚像２Ｂを実像２Ａに対して拡大表示させるものである。

表示装置２は、図４と図５に示すように、表示器である液晶パネル２１と、光源である発光ダイオード２２と、第１集光レンズ２３と、拡散板２４と、第２集光レンズ２５と、発光ダイオード２２が実装されるプリント基板２６とを備える。これらは、ケーシング部２７に内蔵される。

液晶パネル２１は、透過照明されることによって所望の情報（例えば走行速度）を表示するものであり、発光ダイオード２２は、液晶パネル２１の背後に配置されて液晶パネル２１を透過照明するものである。第２集光レンズ２５は、発光ダイオード２２が発する光を所定の領域、即ち、拡散板２４へ集光させる凸状のレンズであり、拡散板２４は、第２集光レンズ２５で集光された光を均一化するものである。第１集光レンズ２３は、拡散板２４で均一化され且つ拡散されて広がった光を所定の領域、即ち、液晶パネル２１へ集光させて液晶パネル２１を透過照明させる凸状のレンズである。

ここで、液晶パネル２１は、例えば、横方向（図４において上下方向）へ長い形状を有し、発光ダイオード２２を、この横方向へ１列に５個配置させる。第２集光レンズ２５を、５個の発光ダイオード２２の各々に対応させて、即ち、この横方向へ１列に５個配置させる。５個の第２集光レンズ２５は、アクリル樹脂等の透明樹脂等から一体的に形成される。

拡散板２４と第１集光レンズ２３も、同様にして、アクリル樹脂等の透明樹脂等から形成される。但し、拡散板２４は、入射光を均一化（拡散）するため、光拡散処理が施される。

発光ダイオード２２が発する光は、液晶パネル２１を、第２集光レンズ２５と拡散板２４と第１集光レンズ２３とを介して透過照明する。これにより、液晶パネル２１は、走行速度を表示し、表示装置２は、この走行速度を表す表示光を出射する。

尚、図１と図３を理解し易くするため、ケーシング５を、１点鎖線で図示し、図４と図５を理解し易くするため、ケーシング部２７を、１点鎖線で図示している。

以上説明した、本実施形態によるＨＵＤ１（表示装置２）の電気回路構成について、図６に基づいて説明する。

マイクロコンピュータ等から構成される制御装置９には、バッテリ１３から電力が常時供給される。イグニッションスイッチ１２が、その作動状態（オンまたはオフ）を検出可能に接続され、当該自動車の走行速度を検出する速度センサ１０が検出信号を入力可能に接続される。また、制御装置２７には、液晶パネル２１や発光ダイオード２２やコンビネーションメータ１１も接続される。
（作動）
上記構成において本実施形態によるＨＵＤ１の作動を説明する。

運転者によってイグニッションスイッチ１２がオンされると、制御装置９は、それを検出して作動を開始する。即ち、図６において、速度センサ１０からの出力信号に基づき、当該自動車の車速を算出し、この車速を液晶パネル２１に表示させ、発光ダイオード２２を点燈する。

発光ダイオード２２からの光は、図５に示すように、光路Ｐ１に従って第２集光レンズ２５に入射し、第２集光レンズ２５により集光されて拡散板２４へ入射する。この入射光は、光路Ｐ２に従って、拡散板２４により均一化（拡散）されて第１集光レンズ２３へ入射する。この入射光は、光路Ｐ３に従って、第１集光レンズ２３により集光されて液晶パネル２１を透過照明する。

即ち、殆んど点光源である発光ダイオード２２からの光は、第２集光レンズ２５と第１集光レンズ２３とにより効率良く集光され、且つ、その間に配置された拡散板２４により均一化されて、液晶パネル２１を透過照明する。これにより、液晶パネル２１の照明光は、その輝度の低下が抑えられつつその輝度ムラが低減されて、液晶パネル２１を透過照明することができる。この結果、液晶パネル２１の表示が弱まることを抑えつつ、その表示ムラを低減することができる。

ここで、拡散板２４は、その輝度が均一化された面発光部として機能するものといえる。

液晶パネル２１は、透過照明されることによって走行速度を表示し、表示装置２は、車速を表す表示光を出射する。

表示装置２が出射した表示光（車速表示の実像２Ａ）は、図１と図３で示すように光路Ｐ４に従って平面鏡３へ入射し、平面鏡３により光路Ｐ５に従って凹面鏡４へ向かって反射する。表示光（車速表示の実像２Ａ）は、凹面鏡４により拡大され、光路Ｐ６に従ってハーフミラー６へ向かって反射する。拡大された表示光（実像２Ａ）は、ハーフミラー６により、図１に示すように、光路Ｐ７に従って運転者の目Ｍに入射する。

これにより、運転者は、拡大された車速表示の虚像２Ｂをハーフミラー６の前方（図１において左方向）に認識する。この際、運転者は、ハーフミラー６を通して景色も認識できるため、ハーフミラー６上で景色に重ねて車速表示の虚像２Ｂを認識できる。

ここで、液晶パネル２１の表示が弱まることを抑えつつ、その表示ムラを低減することができるため、車速表示の虚像２Ｂも、その表示が弱まることを抑えつつ、その表示ムラを低減することができる。

また、車両用ヘッドアップディスプレイ装置の一般的効果として、運転者は、視線移動時間を短くすることができ、焦点調整負荷を低減できる。

以上のように、本実施形態による表示装置２は、透過照明されることによって所望の情報を表示する表示器である液晶パネル２１と、液晶パネル２１の背後に配置されて液晶パネル２１を透過照明する光源である発光ダイオード２２と、発光ダイオード２２が発する光を均一化する拡散板２４と、拡散板２４で均一化された光を液晶パネル２１へ集光させて液晶パネル２１を透過照明させる第１集光レンズ２３とを備える。

この構成では、発光ダイオード２２が発する光を、拡散板２４により均一化させ、この均一化されると共に拡散されて広がった光を、第１集光レンズ２３により集光させて液晶パネル２１を透過照明させる。これにより、第１集光レンズ２３により透過照明光の輝度の低下を抑えつつ、拡散板２３により透過照明光の輝度ムラを低減できる。

尚、液晶パネル２１の表示、即ち、車両用ヘッドアップディスプレイ装置１の表示は、車速に限らず、簡易ナビゲーション、ナイトビュー等とすることができる。

また、上述の例では、発光ダイオード２２と拡散板２４の間に配置されて発光ダイオード２２が発する光を拡散板２４へ集光させる第２集光レンズ２５を備える構成としたが、第２集光レンズ２５を省略しても、上述の効果を得ることができる。

但し、第２集光レンズ２５を追加することにより、上述の効果を得つつ透過照明光の輝度の低下をより抑えることができる。

また、上述の例では、５個の第２集光レンズ２５を一体的に形成したが、別体として形成することができる。

また、上述の例では、発光ダイオード２２を、横方向（図４において上下方向）へ１列に５個配置させたが、液晶パネル２１の形状や大きさに応じて、縦方向へ１列としたり他の個数や複数列とすることができる。

また、表示器は、液晶パネル２１に限る必要はなく、透過照明されて所望の情報を表示するものであれば良く、例えば、透明シートに所定のシンボルが印刷されて透過照明されるインジケータやウォーニング等とすることができる。インジケータやウォーニングは、透過照明されることでそのシンボルが示す情報を知らせたり、そのシンボルが示す警告をするものである。

また、本発明による表示装置２は、車両用ヘッドアップディスプレイ装置１以外に適用することができる。

上述したように、拡散板２４により均一化され且つ拡散されて広がった光を第１集光レンズ２３により集光させて液晶パネル２１を透過照明させるため、表示装置２の視野角は、狭くなる。しかし、車両用ヘッドアップディスプレイ装置（ＨＵＤ）１は、虚像２Ｂを遠方に表示するものであり、これを運転者に視認させるものであるため、ＨＵＤ１の視野角を狭くすることが可能である。即ち、表示装置２の視野角を狭くすることが許容される。

つまり、本発明による表示装置２は、その視野角が狭いことが許容される車両用ヘッドアップディスプレイ装置等に適用されて最適である。

また、上述の例に限らず、上述の例の種々の組み合わせや、種々の変形例が考えられる。

図１は、本発明の一施形態による車両用ヘッドアップディスプレイ装置１の全体構成を示す模式図である。 図２は、車室内前方のインストルメントパネ７、ウィンドシールド８及びその周辺を示す模式図である。 図３は、図１に示す車両用ヘッドアップディスプレイ装置１の内部構成を示す斜視模式図である。 図４は、図３に示す表示装置２の内部構成を示す図３中のＶＩ矢視図である。 図５は、図４中のＶ−Ｖ線断面図である。 図６は、本発明の一実施形態による車両用ヘッドアップディスプレイ装置１（表示装置２）の電気回路構成を説明する回路構成図である。

符号の説明

１ 車両用ヘッドアップディスプレイ装置（ＨＵＤ）
２ 表示装置、２１ 液晶パネル（表示器）、２２ 発光ダイオード（光源）
２３ 第１集光レンズ、２４ 拡散板、２５ 第２集光レンズ
２６ プリント基板、２７ ケーシング部
３ 平面鏡（反射鏡）、４ 凹面鏡（反射鏡）、５ ケーシング
６ ハーフミラー（反射体）、７ インストルメントパネル、８ ウィンドシールド
９ 制御装置、１０ 速度センサ、１１ コンビネーションメータ
１２ イグニッションスイッチ、 １３ バッテリ

Claims (5)

1. 透過照明されることによって所望の情報を表示する表示器と、
   前記表示器の背後に配置されて、該表示器を透過照明する光源と、
   前記光源が発する光を均一化する拡散板と、
   前記拡散板で均一化された光を前記表示器へ集光させて該表示器を透過照明させる第１集光レンズとを備えることを特徴とする表示装置。
2. 前記光源と前記拡散板の間に配置されて、該光源が発する光を該拡散板へ集光させる第２集光レンズを備えることを特徴とする請求項１に記載の表示装置。
3. 前記光源を複数個備え、
   前記第２集光レンズを、前記複数個の前記光源の各々に対応させて該複数個備えることを特徴とする請求項２に記載の表示装置。
4. 前記光源は、発光ダイオードで構成され、
   前記表示器は、液晶パネルで構成されることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか一項に記載の表示装置。
5. 請求項１ないし請求項４のいずれか一項に記載の表示装置を備えた車両用ヘッドアップディスプレイ装置であって、
   前記表示器を透過し且つ前記所望の情報を表す表示光を、自車両のウィンドシールドへ向けて反射する反射鏡と、
   前記ウィンドシールド側に設けられて反射鏡からの反射光を反射する反射体とを備えることを特徴とする車両用ヘッドアップディスプレイ装置。

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