JP2008209665A - ヘッドアップディスプレイ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表示像の色ムラを抑制すると同時に表示像の視認性を良好にすることが可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】 緑色光L1を発する第1の光源23と、赤色光L2を発する第2の光源24と、緑色光L1を透過させるとともに赤色光L2を反射させるダイクロイックミラー29と、緑色光L1並びに赤色光L2を含む照明光L3にて照明される透過型表示素子21とを備え、透過型表示素子21から発せられる表示光Lをフロントガラス13に照射し、この照射によって得られた表示像Vを利用者14に視認させるヘッドアップディスプレイ装置であって、第1,第2の光源23,24から発せられる緑色光L1、赤色光L2は、略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に各々入射されてなり、且つダイクロイックミラー29と透過型表示素子21との間に拡散部材201を配設した。
【選択図】図3
【解決手段】 緑色光L1を発する第1の光源23と、赤色光L2を発する第2の光源24と、緑色光L1を透過させるとともに赤色光L2を反射させるダイクロイックミラー29と、緑色光L1並びに赤色光L2を含む照明光L3にて照明される透過型表示素子21とを備え、透過型表示素子21から発せられる表示光Lをフロントガラス13に照射し、この照射によって得られた表示像Vを利用者14に視認させるヘッドアップディスプレイ装置であって、第1,第2の光源23,24から発せられる緑色光L1、赤色光L2は、略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に各々入射されてなり、且つダイクロイックミラー29と透過型表示素子21との間に拡散部材201を配設した。
【選択図】図3
Description
本発明は、液晶表示パネル等の透過型表示素子から発せられる表示光を車両のフロントガラスあるいはコンバイナ等の専用の反射部材に照射し、この照射によって得られた表示像を車両の利用者に視認させるヘッドアップディスプレイ装置に関するものである。
従来、この種のヘッドアップディスプレイ装置にあっては、例えば下記特許文献1に記載されているものが知られている。かかる特許文献1に記載されてなる車両用ヘッドアップデスプレイ装置を図7、図8を用いて説明する。ヘッドアップディスプレイ装置Aは、図7に示すように透光性の窓部1を備えたハウジング2の内部に表示装置3及び反射鏡4を収容したものであり、表示装置3が発した表示光Lは、反射鏡4で反射されて車両のフロントガラスあるいはコンバイナに投影(照射)され、虚像(表示像)を表示するものである。
この場合、表示装置3は、図8に示すように緑色光L1を発する緑色LEDからなる第1の光源5と、赤色光L2を発する赤色LEDからなる第2の光源6と、緑色光L1を透過させるとともに赤色光L2を反射させるダイクロイックミラー(透過反射部材)7と、緑色光L1と赤色光L2とが混色された混合光L3にて照明される液晶表示パネル(透過型表示素子)8とを有している。
第1,第2の光源5,6は、図示しない光源駆動回路から所定の電力(電流値)を供給されて発光する複数個の発光ダイオードからなり、第1の光源5は、図8中、ダイクロイックミラー7の右方に配設され、第2の光源6は、図8中、ダイクロイックミラー7の下方に配設されてなる。
ダイクロイックミラー7は、ガラス基板の前面(液晶表示パネル8の背面と向かい合う面)に蒸着により形成された反射膜7aを有してなるもので、緑色光L1の進行方向並びに赤色光L2の進行方向に対して各々45度の傾きを有するように傾斜配置されてなる。
かかる構成によれば、第1の光源5から発せられる緑色光L1と、第2の光源6から発せられる赤色光L2とが、ダイクロイックミラー7を通じて混色されて液晶表示パネル8側に混合光(橙色光)L3として進み、これにより液晶表示パネル8が、混合光L3で透過照明される。
そして、液晶表示パネル8を透過照明してなる混合光L3は、液晶表示パネル8から表示光Lとして出射される。かかる液晶表示パネル8が出射してなる表示光Lは、反射鏡4で反射されて前記車両のフロントガラス等に照射され、この照射によって得られた前記表示像を車両の利用者に視認させる。これにより前記車両の利用者は、前記表示像を風景と重畳させて視認することができる。
特開2003−295105号公報
ところで、第1の光源5である緑色LEDや第2の光源6である赤色LEDから発せられる光は、放射角(光照射領域角度)が大きく、様々な方向へ進む。このため、ダイクロイックミラー7に入射される緑色LED(第1の光源5)からの光(放射光)は、ダイクロイックミラー7における背面7b(反射膜7aが形成される面とは反対側の面)に対して入射角が異なる状態で入射されてなる。またダイクロイックミラー7に入射される赤色LED(第2の光源6)からの光(放射光)は、ダイクロイックミラー7における反射膜7aの形成された面に対して入射角が異なる状態で入射されてなる。
図9は、各光源5,6とダイクロイックミラー7とを詳細に示した図である。但し、以下の説明では、光源5,6のうち、図8に示す光源5a,6aについてのみ説明し、光源5a,6a以外の他の光源5,6については説明を省略する。例えば前記緑色LEDの場合、図9中、ダイクロイックミラー7の背面7bにおいて、第1の光源5aの真上(光軸B1上)に位置する入射位置P1と、光軸B1からやや外れた位置となる入射位置P2とで、前記入射角が異なる状態で光が入射されることになる。より詳述すれば、ダイクロイックミラー7の背面7bに対して垂直方向に延びる垂線(法線)Nと入射位置P1とのなす角度X1は理想入射角である45度となるが、ダイクロイックミラー7の垂線Nと入射位置P2とのなす角度X2は前記理想入射角よりも小さくなり、例えば略30度となる。
また前記赤色LEDの場合、図9中、ダイクロイックミラー7の前記前面(反射膜7aの形成された面)において、第2の光源6aの真上(光軸B2上)に位置する入射位置P3と、光軸B2からやや外れた位置となる入射位置P4とで、前記入射角が異なる状態で光が入射されることになる。より詳述すれば、ダイクロイックミラー7の垂線Nと入射位置P3とのなす角度X3は前記理想入射角である45度となるが、ダイクロイックミラー7の垂線Nと入射位置P4とのなす角度X4は前記理想入射角よりも小さくなり、例えば略30度となる。
このことは第1の光源5a(前記緑色LED)から発せられる光が、入射位置P1と入射位置P2とで、ダイクロイックミラー7に対する入射角が異なることになり、第2の光源6a(前記赤色LED)から発せられる光が、入射位置P3と入射位置P4とで、ダイクロイックミラー7に対する入射角が異なることになることを意味している。
そして、入射位置P1からダイクロイックミラー7内を透過してなる緑色光L11(緑色光L1の一部)と、入射位置P3にてダイクロイックミラー7を通じて反射されてなる赤色光L21(赤色光L2の一部)とが混色されて、混合光L31(混合光L3の一部)となる。これと同時に入射位置P2からダイクロイックミラー7内を透過してなる緑色光L12(緑色光L1の一部)と、入射位置P4にてダイクロイックミラー7を通じて反射されてなる赤色光L22(赤色光L2の一部)とが混色されて、混合光L32(混合光L3の一部)となる。
この際、混合光L31は、ダイクロイックミラー7に対する各光源5a,6aの光の入射角が前記理想入射角(45度)に相当する入射位置P1,P3にて混色された照明光からなる。また混合光L32は、ダイクロイックミラー7に対する各光源5a,6aの光の入射角が45度ではなく略30度に相当する入射位置P2,P4にて混色された照明光からなる。
しかしながら、上述した混合光L31と混合光L32のように、ダイクロイックミラー7に対する各光源5a,6aの光の入射角が異なる構成にて混色された光にあっては、混合光L31を構成する緑色光L11と赤色光L21とのバランスと、混合光L32を構成する緑色光L12と赤色光L22とのバランスが崩れてしまうという現象が生じる。
その理由は、各光源5a,6aの光が前記理想入射角を有してダイクロイックミラー7に到達してなる場合と、前記理想入射角とは異なる入射角を有してダイクロイックミラー7に到達してなる場合とで、ダイクロイックミラー7の透過率特性(つまり、透過率と波長との関係を示す透過率曲線)が大きくシフトしてしまうからである(ここでは詳細図示省略)。換言すれば、ダイクロイックミラー7は、45度の理想(基準)入射角に対して光の入射角のずれが生じると、その透過率特性が大きく変化(変動)するという特性を有してなるものである。なお、かかる透過率特性(前記透過率曲線)において、透過率が0パーセントであるということは、反射率が100パーセントであることは言うまでもない。
具体的には、入射角が前記理想入射角である45度の場合は、混合光L31を構成する緑色光L11と赤色光L21との比が5対5の割合であるのに対し、入射角が前記理想入射角ではない30度の場合は、混合光L32を構成する緑色光L12と赤色光L22との比が5対5ではなく3対7の割合となってしまうという現象が生じることになる。
従って、混合光L31と混合光L32とからなる混合光L3は、色ムラを有した状態(混合光L32が混合光L31よりもやや赤っぽくなってしまった状態)で液晶表示パネル8を透過照明し、これに伴い液晶表示パネル8が発する表示光Lの前記フロントガラス等への照射により形成される前記表示像が色ムラを有した状態で前記利用者に視認されてしまうという問題点を有していた。
また混合光L3は、色ムラを有した状態で液晶表示パネル8にダイレクトに到達する構成となっているため、例えば前記利用者が頭部を左側、または右側に大きく傾けた状態で前記表示像を視認しようとすると、前記表示像の輝度が低下し、これにより上述した前記表示像の色ムラの発生に加えて前記表示像の視認性が低下してしまうという問題点を有しており、以上の点で更なる改良の余地が残されていた。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、表示像の色ムラを抑制すると同時に表示像の視認性を良好にすることが可能なヘッドアップディスプレイ装置の提供を目的とするものである。
そこで本発明は、前述の課題に対して対処するため、表示像の色ムラを抑制すると同時に表示像の視認性を良好にすることが可能なヘッドアップディスプレイ装置の提供を目的とするものである。
本発明は、第1の有色光を発する第1の光源と、第2の有色光を発する第2の光源と、前記第1の有色光を透過させるとともに前記第2の有色光を反射させる透過反射部材と、前記第1の有色光並びに前記第2の有色光を含む照明光にて照明される透過型表示素子とを備え、前記透過型表示素子から発せられる表示光を車両のフロントガラスあるいは反射部材に照射し、この照射によって得られた表示像を前記車両の利用者に視認させるヘッドアップディスプレイ装置であって、前記第1,第2の光源から発せられる前記第1,第2の有色光は、略平行光束化された状態で前記透過反射部材に各々入射されてなり、且つ前記透過反射部材と前記透過型表示素子との間には、前記透過反射部材から出射される略平行光束化された前記照明光を拡散させるための拡散部材が配設されてなることを特徴とする。
また本発明は、前記透過反射部材に入射される前記第1,第2の有色光は、第1,第2の集光レンズあるいは第1,第2の反射体を通じて各々略平行光束化されてなることを特徴とする。
本発明によれば、初期の目的を達成でき、表示像の色ムラを抑制すると同時に表示像の視認性を良好にすることが可能なヘッドアップディスプレイ装置を提供できる。
(第1実施形態)以下、本発明の第1実施形態を車両用のヘッドアップディスプレイ装置に適用したものを例に挙げて、添付図面に基づいて説明する。
ヘッドアップディスプレイ装置10は、車両11のダッシュボード12内に配設されている(図1参照)。かかるヘッドアップディスプレイ装置10が投射する表示光Lは、車両11のフロントガラス13により車両11の利用者14側に反射される。利用者14は、虚像Vを風景と重畳させて視認することができる。換言すれば、ヘッドアップディスプレイ装置10は、ヘッドアップディスプレイ装置10に備えられる後述する透過型表示素子から発せられる表示光Lをフロントガラス13に照射し、この照射によって得られた表示像(虚像)Vを利用者14に視認させるものである。これにより利用者14は、虚像Vを風景と重畳させて観察することができる。
ヘッドアップディスプレイ装置10は、表示装置20,反射器30等をハウジング40内に収容したものである(図2参照)。また表示装置20は、図3に示すように透過型表示素子21と、この透過型表示素子21を照明する照明手段22と、透過型表示素子21と照明手段22の後述するダイクロイックミラーとの間に配設される拡散部材201とを備えている。
透過型表示素子21は、例えば一対の透光性基板に液晶を封入した液晶セルの前後面に偏光膜を各々設けたTFT(薄膜トランジスタ)型の液晶表示パネルからなるものである。透過型表示素子21は、車両11に設けられる車速センサやエンジン回転センサからの出力信号に基づいて車速,エンジン回転数を計測する演算回路(図示しない)並びにこの演算結果に基づいて前記液晶を駆動する液晶駆動回路(図示しない)によって、車両11の速度またはエンジン回転数の計測値を数値として表示することができる。なお、透過型表示素子21によって表示される表示情報は、車速やエンジン回転数に限らず任意であり、例えば走行距離情報、ナビゲーション情報、外気温情報であってもよい。
一方、照明手段22は、第1の光源23と、第2の光源24と、第1の配線基板25と、第2の配線基板26と、第1の集光レンズ27と、第2の集光レンズ28と、ダイクロイックミラー(透過反射部材)29とを備えている。
第1の光源23は、第1の有色光である緑色光L1を発する複数個のチップ型発光ダイオードからなる。また本実施形態の場合、個々の第1の光源23は、その光照射領域角度が第1の光軸C1を中心として左右にそれぞれ略60度の指向性を持つものが採用されている。このことは、個々の第1の光源23は、その光照射領域角度がそれぞれ略120度であることを意味している。
第2の光源24は、第2の有色光である赤色光L2を発する複数個のチップ型発光ダイオードからなる。また本実施形態の場合、個々の第2の光源24は、第1の光源23と同様に、その光照射領域角度が第2の光軸C2を中心として左右にそれぞれ略60度の指向性を持つものが採用されている。このことは、個々の第2の光源24は、その光照射領域角度がそれぞれ略120度であることを意味している。
第1の配線基板25は、例えば熱伝導性の高い略矩形状のアルミ基板からなり、複数個の第1の光源23が高密度実装されてなる。
第2の配線基板26は、例えば熱伝導性の高い略矩形状のアルミ基板からなり、複数個の第2の光源24が高密度実装されてなる。なお、第2の配線基板26の外形形状は、第1の配線基板25の外形形状と略同一となっている。
第1の集光レンズ27は、透光性合成樹脂からなり、個々の第1の光源23に対応してダイクロイックミラー29側に突出する凸状の球面部27aを複数形成してなる。そして、前記光照射領域角度を有して第1の光源23から発せられる緑色放射光は、第1の光源23の発光面と対向するように第1の光源23の真上に位置してなる受光面27bを通じて第1の集光レンズ27内部に照射される。
かかる緑色照射光のうち、第1の光軸C1上を直進する前記緑色照射光は、第1の集光レンズ27内部を通過する際に屈折されずにそのまま直進し球面部27aに至り(図4中、光路S1参照)、これ以外の前記緑色照射光は、第1の集光レンズ27内部を通過する際に屈折されて球面部27aに至る(図4中、光路S2参照)。
さらに、光路S1を経て球面部27aに到達してなる前記緑色照射光は、球面部27aから直進光として出射され、ダイクロイックミラー29側に導かれる(図4中、光路S3参照)。また光路S2を経て球面部27aに到達してなる前記緑色照射光は、球面部27aから第1の光軸C1と略平行となるような直進光として出射され、ダイクロイックミラー29側に導かれる(図4中、光路S4参照)。
従って、各第1の光源23から発せられる前記緑色放射光(緑色光L1)は、第1の集光レンズ27から出射されたときに、光路S3,S4のごとき各々略平行光束化された状態で、ダイクロイックミラー29側に進み、ダイクロイックミラー29に入射されてなる。換言すれば、各第1の光源23から発せられる前記緑色放射光(緑色光L1)は、第1の集光レンズ27を通じて各々略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に入射されることになる。
第2の集光レンズ28は、透光性合成樹脂からなり、個々の第2の光源24に対応してダイクロイックミラー29側に突出する凸状の球面部28aを複数形成してなる。そして、前記光照射領域角度を有して第2の光源24から発せられる赤色放射光は、第2の光源24の発光面と対向するように第2の光源24の真上に位置してなる受光面28bを通じて第2の集光レンズ28内部に照射される。
かかる赤色照射光のうち、第2の光軸C2上を直進する前記赤色照射光は、第2の集光レンズ28内部を通過する際に屈折されずにそのまま直進し球面部28aに至り(図5中、光路T1参照)、これ以外の前記赤色照射光は、第2の集光レンズ28内部を通過する際に屈折されて球面部28aに至る(図5中、光路T2参照)。
さらに、光路T1を経て球面部28aに到達してなる前記赤色照射光は、球面部28aから直進光として出射され、ダイクロイックミラー29側に導かれる(図5中、光路T3参照)。また光路T2を経て球面部28aに到達してなる前記赤色照射光は、球面部28aから第2の光軸C2と略平行となるような直進光として出射され、ダイクロイックミラー29側に導かれる(図5中、光路T4参照)。
従って、各第2の光源24から発せられる前記赤色放射光(赤色光L2)は、第2の集光レンズ28から出射されたときに、光路T3,T4のごとき各々略平行光束化された状態で、ダイクロイックミラー29側に進み、ダイクロイックミラー29に入射されてなる。換言すれば、各第2の光源24から発せられる前記赤色放射光(赤色光L2)は、第2の集光レンズ28を通じて各々略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に入射されることになる。なお、第2の集光レンズ28(各球面部28a)の形状は、第1の集光レンズ27(各球面部27a)の形状と略同一であるものとする。
ダイクロイックミラー29は、ガラス基板の前面(つまり、拡散部材201の背面と向かい合う面)に蒸着により形成された反射膜29aを有してなるもので、略平行光束化された各緑色光L1の進行方向並びに略平行光束化された各赤色光L2の進行方向に対して各々略45度の傾きを有するように傾斜配置されてなる。
かかるダイクロイックミラー29は、各第1の光源23が発した各緑色光L1を透過させるとともに、各第2の光源24が発した各赤色光L2を反射させるものである。そして、ダイクロイックミラー29を透過する略平行光束化された各緑色光L1と、ダイクロイックミラー29を通じて反射される略平行光束化された各赤色光L2とが、ダイクロイックミラー29によって各々混色され、この混色された各照明光(各橙色光)L3が略平行光束となって拡散部材201側に導かれる。
ここで、略平行光束化された緑色光L1(光路S3,S4を経た光)がダイクロイックミラー29に入射する際の、ダイクロイックミラー29の背面29bに対して垂直方向に延びる垂線Nと光路S3,S4とのなす角度(緑色光L1のダイクロイックミラー29に対する入射角)K1は、ともに理想入射角である45度となる(図4参照)。同様に、略平行光束化された赤色光L1(光路T3,T4を経た光)がダイクロイックミラー29に入射する際の、ダイクロイックミラー29の垂線Nと光路T3,T4とのなす角度(赤色光L2のダイクロイックミラー29に対する入射角)K2は、それぞれ理想入射角である45度となる(図5参照)。
このようにダイクロイックミラー29に対する緑色光L1(光路S3,S4)の入射角K1が全て一定であり、さらにダイクロイックミラー29に対する赤色光L2(光路T3,T4)の入射角K2が全て一定であることに伴い、ダイクロイックミラー29から出射される略平行光束化された各照明光(各橙色光)L3は、緑色光L1と赤色光L2との割合(バランス)が一定状態に保たれている。
従って、従来のように緑色光L1及び赤色光L2が略平行光束化されていない状態でダイクロイックミラー29に入射してしまうことにより生じていた照明光L3の色ムラが、本実施形態では緑色光L1及び赤色光L2が第1,第2の集光レンズ27,28を通じて略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に前記理想入射角(入射角K1,K2)にて各々入射されることで、ダイクロイックミラー29から出射される照明光L3が、色ムラの解消された状態で拡散部材201側に導かれる構成となる。
つまり、緑色光L1と赤色光L2の光が、ダイクロイックミラー29に対し前記理想入射角にて各々入射される構成を採用したことで、照明光L3を構成する緑色光L1と赤色光L2とのバランスがダイクロイックミラー29の位置(つまり、ダイクロイックミラー29への光の入射位置)に関係なく一定に保たれるため、ダイクロイックミラー29から出射される略平行光束化された照明光L3は、色ムラの抑制された状態で拡散部材201側に導かれる構成となる。
拡散部材201は、例えば乳白色を有する光透過性の合成樹脂からなり、略平板状に形成され、透過型表示素子21の背面に沿うように配設されてなる。かかる拡散部材201は、ダイクロイックミラー29から出射される略平行光束化された照明光L3を拡散させ、且つ透過型表示素子21から発せられる表示光Lを均一化させるための光拡散板としての機能を有してなる。
なお、拡散部材201は、照明光L3を拡散させるとともに表示光Lを均一化させるものであれば、あらゆる構成を適用でき、例えば透過型表示素子21との対向面が凹面を有するレンズを適用することも可能である。また、この場合、拡散部材201の外形形状は、透過型表示素子21の外形形状と略同一となっている。
そして、拡散部材201の前方に位置する透過型表示素子21は、拡散部材201を通じて拡散された色ムラのない照明光L3を照明してなる。さらに、透過型表示素子21を照明してなる照明光L3は、透過型表示素子21の前面側に色ムラの抑制された表示光Lとなって拡散発光し、この表示光Lが反射器30の後述する凹面鏡、ハウジング40の後述する窓部を経て、フロントガラス13側に投影され、これにより利用者14は表示光Lによる色ムラの抑制された虚像Vを視認することができる。
反射器30は、図2に示すように凹面鏡31と、保持部材32と、ステッピングモータ33とを備えている。凹面鏡31は、樹脂(例えばポリカーボネート)に金属(例えばアルミニウム)を蒸着させ、反射面31aを形成したものである。かかる反射面31aは、凹面となっており、表示装置20(透過型表示素子21)が発した色ムラのない表示光Lが拡大されて虚像Vが表示される。なお、凹面鏡31は、保持部材32に両面粘着テープにより接着されている。保持部材32は、樹脂(例えばABS)からなるものであり、歯車部34並びに軸部35が一体に形成されている。保持部材32の軸部35はハウジング40に軸支されている。
ステッピングモータ33の回動軸には歯車36が取付けられており、この歯車36は、保持部材32の歯車部34と噛合されている。凹面鏡31は、保持部材32とともに回動可能な状態で支持されており、ステッピングモータ33により凹面鏡31を回動させ、表示光Lの投射方向を調整することができる。車両11の利用者14は、押釦スイッチ(図示しない)を操作し表示光Lが目の位置に反射されるように(すなわち、虚像Vを視認できるように)凹面鏡31の角度を調整する。
ハウジング40には、表示装置20並びに反射器30が収容される。かかるハウジング40には、表示光Lが出射する窓部41が設けられている。この窓部41は、透光性樹脂(例えばアクリル)からなるものであり、湾曲形状になっている。また、ハウジング40には、遮光壁42が設けられており、太陽光等の外光が表示装置20に入射し虚像Vが見えにくくなる現象(ウォッシュアウト)を防止している。この遮光壁42は、平板形状になっており、ハウジング40の上部から斜めに垂下するように形成されている。
かかる実施形態によれば、第1,第2の光源23,24から発せられる緑色光L1,赤色光L2は、第1,第2の集光レンズ27,28を通じて略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に各々入射されてなることにより、透過型表示素子21は、緑色光L1と赤色光L2とを含む色ムラの抑制された照明光L3にて照明され、且つ色ムラの抑制された表示光Lをフロントガラス13に照射してなる。これにより利用者14は、色ムラの抑制された表示像Vを視認することができる。
これに加えて、ダイクロイックミラー29と透過型表示素子21との間には、ダイクロイックミラー29から出射される略平行光束化された照明光L3を拡散させるための拡散部材201が配設されてなることにより、略平行光束化された色ムラのない照明光L3が拡散部材201を通じて所定角度範囲にて拡散され、その後、かかる拡散光が透過型表示素子21に照射されることで、表示光Lが色ムラのない拡散した状態で発せられることになる。
このような構成としたことによって、利用者14が、例えば頭部を左側、または右側に大きく傾けた状態で表示像Vを視認しようとした場合であっても、表示光Lが所定角度範囲にて拡散されていることで、色ムラの抑制された表示像Vを良好に視認することが可能となる。言い換えれば、利用者14が、例えば色ムラの抑制された表示像Vを良好に視認できる位置から多少動いて、この動いた位置から表示像Vを見た場合であっても、表示像V(表示光L)の輝度変化が抑制されるため、利用者14に色ムラのない良好な表示形態を視認させることが可能となる。
また本実施形態では、各光源23,24が、その光軸C1,C2を中心として左右にそれぞれ略60度の指向性を持つものが採用された例について説明したが、例えば各光源23,24として、光軸C1,C2を中心として左右にそれぞれ略10度程度の高い指向性を持つものが採用された場合にあっては、第1,第2の集光レンズ27,28を廃止してもよい。
(第2実施形態)次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態を説明するが、前述した第1実施形態と同一もしくは相当個所には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。なお、図6は本発明の第2実施形態による表示装置の側面図を示している。
この第2実施形態が、前記第1実施形態と比べて異なる点は、前記第1実施形態にて採用した第1,第2の集光レンズ27,28に代えて第1,第2の反射体51,52を採用し、第1の光源23から発せられる放射光を第1の反射体51によって略平行光束化させて、この略平行光束化された状態の光をダイクロイックミラー29に入射させるとともに、第2の光源24から発せられる放射光を第2の反射体52によって略平行光束化させて、この略平行光束化された状態の光をダイクロイックミラー29に入射させる点である。
第1の反射体51は、例えば曲面形状を有する金属材料あるいは合成樹脂材料からなる第1の基部51aと、この第1の基部51aの前面(ダイクロイックミラー29の背面29bと向かい合う面)に形成されたアルミニウム等の金属蒸着膜からなる第1の反射部51bとを備えている。
そして、図6中、第1の反射体51の下方には、前記第1実施形態にて採用した第1の配線基板25がダイクロイックミラー29における下端部29cの近傍に配設されてなる。かかる第1の配線基板25上には、第1の反射部51bに向けて光を放射してなる第1の光源23が実装されてなる。
また第2の反射体52は、例えば曲面形状を有する金属材料あるいは合成樹脂材料からなる第2の基部52aと、この第2の基部52aの前面(ダイクロイックミラー29の反射膜29aと向かい合う面)に形成されたアルミニウム等の金属蒸着膜からなる第2の反射部52bとを備えている。
そして、図6中、第2の反射体52の右方には、前記第1実施形態にて採用した第2の配線基板26がダイクロイックミラー29における下端部29cの近傍に配設されてなる。かかる第2の配線基板26上には、第2の反射部52bに向けて光を放射してなる第2の光源24が実装されてなる。
かかる第2実施形態によれば、第1の光源23から発せられる前記緑色放射光(緑色光L1)は、第1の反射部51aによってダイクロイックミラー29(背面29b)側に反射されるが、かかる反射光は、図6に示す光路S5のように略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に入射されてなる。これと同時に、第2の光源24から発せられる前記赤色放射光(赤色光L2)は、第2の反射部52aによってダイクロイックミラー29(反射膜29a)側に反射されるが、かかる反射光は、図6に示す光路T5のように略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に入射されてなる。
従って、第1,第2の光源23,24から発せられる緑色光L1,赤色光L2は、第1,第2の反射体51,52を通じて略平行光束化された状態でダイクロイックミラー29に各々入射されてなることにより、透過型表示素子21は、緑色光L1と赤色光L2とを含む色ムラの抑制された照明光L3にて照明され、且つ色ムラの抑制された表示光Lをフロントガラス13に照射してなる。これにより利用者14は、色ムラの抑制された表示像Vを視認することができ、前記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本第2実施形態においても、ダイクロイックミラー29と透過型表示素子21との間に拡散部材201を配設したことにより、利用者14が、例えば色ムラの抑制された表示像Vを良好に視認できる位置から多少動いて、この動いた位置から表示像Vを見た場合であっても、表示像V(表示光L)の輝度変化が抑制されるため、利用者14に色ムラのない良好な表示形態を視認させることができることは言うまでもない。
また前記各実施形態では、ダイクロイックミラー29に入射される緑色光L1、赤色光L2が、第1,第2の集光レンズ27,28あるいは第1,第2の反射体51,52を通じて各々略平行光束化されてなることにより、色ムラの抑制された照明光L3(表示像V)を簡素な構成で得ることができる。
なお前記各実施形態では、透過型表示素子21から発せられる表示光Lが、フロントガラス13に照射される例について説明したが、例えばフロントガラス13に表示光Lを良好に利用者14方向に反射させるコンバイナフィルムを設けてもよいし、あるいはフロントガラス13とは別の専用の反射部材に表示光Lを照射する構成としてもよい。
13 フロントガラス
14 利用者
21 透過型表示素子
22 照明手段
23 第1の光源
24 第2の光源
27 第1の集光レンズ
28 第2の集光レンズ
29 ダイクロイックミラー(透過反射部材)
51 第1の反射体
52 第2の反射体
201 拡散部材
L 表示光
L1 緑色光(第1の有色光)
L2 赤色光(第2の有色光)
L3 照明光
V 表示像(虚像)
14 利用者
21 透過型表示素子
22 照明手段
23 第1の光源
24 第2の光源
27 第1の集光レンズ
28 第2の集光レンズ
29 ダイクロイックミラー(透過反射部材)
51 第1の反射体
52 第2の反射体
201 拡散部材
L 表示光
L1 緑色光(第1の有色光)
L2 赤色光(第2の有色光)
L3 照明光
V 表示像(虚像)
Claims (2)
- 第1の有色光を発する第1の光源と、第2の有色光を発する第2の光源と、前記第1の有色光を透過させるとともに前記第2の有色光を反射させる透過反射部材と、前記第1の有色光並びに前記第2の有色光を含む照明光にて照明される透過型表示素子とを備え、前記透過型表示素子から発せられる表示光を車両のフロントガラスあるいは反射部材に照射し、この照射によって得られた表示像を前記車両の利用者に視認させるヘッドアップディスプレイ装置であって、
前記第1,第2の光源から発せられる前記第1,第2の有色光は、略平行光束化された状態で前記透過反射部材に各々入射されてなり、且つ前記透過反射部材と前記透過型表示素子との間には、前記透過反射部材から出射される略平行光束化された前記照明光を拡散させるための拡散部材が配設されてなることを特徴とするヘッドアップディスプレイ装置。 - 前記透過反射部材に入射される前記第1,第2の有色光は、第1,第2の集光レンズあるいは第1,第2の反射体を通じて各々略平行光束化されてなることを特徴とする請求項1記載のヘッドアップディスプレイ装置。
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- 2007-02-27 JP JP2007046345A patent/JP2008209665A/ja active Pending
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