JP2008218247A - 絶縁電線およびワイヤーハーネス - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性、耐水性、耐摩耗性および耐薬品性が良好な絶縁電線を提供すること。
【解決手段】(A)ポリエステル系樹脂95〜50重量部、(B)ポリカーボネート系樹脂5〜50重量部、上記(A)および(B)の合計100重量部に対して、(C)官能基を有する重合体1〜45重量部、(D)リン酸エステル系化合物1〜45重量部、(E)有機化クレー0.5〜15重量部を含有する組成物より形成された絶縁体層を有する絶縁電線とする。(C)官能基を有する重合体は、(c1)カルボン酸基および/または酸無水基を有する重合体、(c2)エポキシ基を有する重合体、および、(c3)グリシジル基を有する重合体から選択される1種または2種以上であると良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、絶縁電線およびワイヤーハーネスに関するものである。
従来、例えば、自動車部品などの車両部品、電気・電子機器部品などの配線として用いられる絶縁電線には、一般に、ハロゲン系難燃剤を添加した塩化ビニル樹脂組成物を導体の外周に被覆したものが広く用いられてきた。
しかしながら、上記絶縁電線は、ハロゲン元素を含有しているため、車両の火災時や電気・電子機器の焼却廃棄時などの燃焼時に、有害なハロゲン系ガスを大気中に放出し、環境汚染の原因になるという問題があった。
そのため、地球環境への負荷を抑制するなどの観点から、近年では、上記塩化ビニル樹脂組成物から、ポリエチレンなどのポリオレフィンに水酸化マグネシウムなどの金属水和物を添加したポリオレフィン系樹脂組成物へ、絶縁体層材料の代替が進められている。
ポリオレフィン系樹脂組成物を用いた絶縁電線としては、例えば、特許文献1には、直鎖状ポリエチレンとカルボン酸変性ポリエチレンとのブレンドポリマ100重量部に対して水酸化マグネシウム30〜100重量部を含有する組成物を絶縁体層材料として用いた絶縁電線が開示されている。
特開平7−176219号公報
この種の絶縁電線は、ポリオレフィン系樹脂組成物のベースが、ほとんど吸水性および加水分解性を示さないポリオレフィンであるため、重要な電線特性の一つである耐水性には優れている。
しかしながら、通常、ポリオレフィン系樹脂組成物を十分に難燃化させるためには、難燃剤(水酸化マグネシウムなど)を多量に添加せねばならず、これにより、耐摩耗性などの機械的特性が極端に低下しやすいといった問題があった。この問題は、絶縁体層に高い耐摩耗性などが要求される薄肉絶縁電線では、とりわけ顕著になりやすい。
また、絶縁電線には、上記以外にも良好な耐薬品性を有していることが要求されることがある。溶剤の種類にもよるが、絶縁電線と溶剤とが長時間接触すると、絶縁体層が劣化してしまうからである。
このように、絶縁体層材料として、ポリオレフィン系樹脂組成物を用いて、難燃性、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性のバランスを採るのも困難な状況になってきている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、ポリオレフィン系樹脂組成物とは異なる系の組成物を絶縁体層材料として用いることにより、難燃性、耐水性、耐摩耗性および耐薬品性が良好な絶縁電線を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討した結果、主にエンジニアリングプラスチック材料を絶縁体層に用い、この系にて成分バランスを採れば良いのではないかと考えるに至った。
すなわち、本発明に係る絶縁電線は、(A)ポリエステル系樹脂95〜50重量部、(B)ポリカーボネート系樹脂5〜50重量部、上記(A)および(B)の合計100重量部に対して、(C)官能基を有する重合体1〜45重量部、(D)リン酸エステル系化合物1〜45重量部、(E)有機化クレー0.5〜15重量部を含有する組成物より形成された絶縁体層を有することを要旨とする。
ここで、上記(C)官能基を有する重合体は、(c1)カルボン酸基および/または酸無水基を有する重合体、(c2)エポキシ基を有する重合体、および、(c3)グリシジル基を有する重合体から選択される1種または2種以上であると良い。
また、上記有機化クレーを構成するクレーは、スメクタイト系のクレーであると良い。
また、上記絶縁体層を凍結粉砕したものをアセトン抽出し、アセトン抽出残分をトルエンで溶出してトルエンに易溶である成分を除去した後、170℃でキシレンに溶出し、キシレンに溶解した成分を除去し、残った成分をヘキサフルオロイソプロパノールで溶解した後、THFにて溶解しない成分(1)と溶解する成分(2)とに分離し、上記成分(1)に含まれるカルボキシル基の濃度が80eq/ton以下、かつ、上記成分(2)に含まれるカルボキシル基の濃度が120eq/ton以下であると良い。
また、上記絶縁体層は最外層に有していると良い。
また、上記絶縁体層の厚みは0.4mm以下であると良い。
一方、本発明に係るワイヤーハーネスは、上記絶縁電線を有することを要旨とする。
本発明に係る絶縁電線は、その絶縁体層が上記特定の組成物より形成されている。そのため、難燃性、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性のバランスが良好である。
ここで、上記(C)成分が、上記(c1)〜(c3)から選択される1種または2種以上である場合には、耐薬品性を発現しやすくなる。これは有機化クレーとの反応性が増し、含有成分の分散性を向上させることができるためであると考えられる。
また、上記のようにして特定されるカルボキシル基の濃度が、成分(1)については80eq/ton以下、成分(2)については120eq/ton以下である場合には、絶縁体層が加水分解し難いので、熱が加わるような環境下であっても高い耐水性を発現できる。
また、上記特定の組成物より形成された絶縁体層が最外層にある場合には、優れた難燃性、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性を発揮しやすい。
また、上記絶縁体層の厚みが0.4mm以下と薄肉であっても、優れた耐摩耗性を発揮できることから、引っ掻き傷などの外傷も付き難い。
一方、本発明に係るワイヤーハーネスは、上記絶縁電線を有している。そのため、ハーネス作製時における絶縁電線の配索時などに、絶縁電線の絶縁体層を端子などで引っ掻いても傷が付き難いなどの利点がある。また、ハーネス使用時などに、絶縁体層が摩耗したり、水や薬品に侵されたりし難いので、長期にわたって高い信頼性を確保しやすいなどの利点がある。また、絶縁電線の絶縁体層を薄肉化しやすいことから、ワイヤーハーネスの細径化を図りやすいなどの利点がある。
以下、発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下では、本実施形態に係る絶縁電線を「本電線」と、本実施形態に係るワイヤーハーネスを「本ワイヤーハーネス」ということがある。
1.本電線
本電線は、被覆材として、特定の組成物より形成された絶縁体層(以下、「特定の絶縁体層」ということがある。)を有している。
1.1 被覆材の層構成など
本電線は、絶縁体層を1層有していても良いし、複数層有していても良い。絶縁体層が1層よりなる場合には、この層が特定の絶縁体層に該当する。絶縁体層が複数層よりなる場合には、特定の絶縁体層は、何れの層にあっても良い。好ましくは、薄肉化しやすいなどの観点から、絶縁体層は1層であると良い。
本電線の具体的な層構成としては、例えば、導体の外周に特定の絶縁体層が1層直接被覆された構成や、導体の外周に1層または2層以上の絶縁体層(特定の絶縁体層、他の絶縁体層、その組み合わせなど)が被覆され、その外周に特定の絶縁体層が被覆された構成などを例示することができる。
上記特定の絶縁体層は、好ましくは、最外層に配置されていると良い。火(熱)、水や溶剤などの液体、摺動などの外的要因を最も受けやすい表層部位に位置しておれば、その効果を発揮しやすいからである。
上記特定の絶縁体層の厚さとしては、その好ましい上限値としては、具体的には、例えば、柔軟性、取扱い性などが良好であるなどの観点から、0.4、0.35、0.3、0.25、0.2mmなどを例示することができる。一方、これら上限値と組み合わせ可能な好ましい下限値として、具体的には、例えば、0.06mm、0.08mm、0.1mmなどを例示することができる。
1.2 導体
上記導体としては、具体的には、例えば、単線、複数本の素線が撚り合わされた撚線、圧縮された撚線などを例示することができる。また、導体の材質としては、具体的には、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの金属(合金含む)を例示することができる。なお、導体が撚線からなる場合、各素線は、それぞれ同じ材質であっても良いし、2種以上の異なる材質の組み合わせであっても良い。また、その導体径などは、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
1.3 特定の組成物
ここで、上記特定の組成物は、以下の(A)、(B)、(C)、(D)(E)成分を必須成分として含有している。以下、これら各成分について詳細に説明する。
<(A)成分>
(A)成分は、ポリエステル系樹脂である。上記ポリエステル系樹脂は、熱可塑性を有するものであれば何れのものであっても使用することができる。
上記ポリエステル系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリブチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレンナフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート系樹脂などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。これらのうち、好ましくは、押出成形による加工性に優れる、結晶性が高いなどの観点から、ポリブチレンテレフタレート系樹脂である。
上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、テレフタル酸単位を主体とするジカルボン酸単位および1,4−ブタンジオール単位を主体とするジオール単位から主としてなり、その代表的なものとしては、具体的には、例えば、テレフタル酸単位と1,4−ブタンジオール単位とで構成されるポリブチレンテレフタレートなどを例示することができ、本発明では好適に用いることができる。
なお、上記ポリブチレンテレフタレート系樹脂は、ポリブチレンテレフタレートに限定されるものではなく、必要に応じて他のジカルボン酸単位および/または他のジオール単位を有していても良い。
上記他のジカルボン酸単位としては、具体的には、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウムなどの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、これらのエステル形成性誘導体(メチルエステル、エチルエステルなどの低級アルキルエステルなど)などから誘導されるジカルボン酸単位などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
一方、上記他のジオール単位としては、具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなどの炭素数2〜10の脂肪族ジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどから誘導されるジオール単位などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記ポリエステル系樹脂の含有量は、95〜50重量部の範囲内とする。95重量部を上回ると、ドリップが激しくなるため、難燃性が低下するし、リン酸エステルもブルームしやすくなるなどの傾向が見られる。一方、50重量部を下回ると、耐摩耗性が低下するし、非晶部分が増え、耐薬品性も低下しやすくなるなどの傾向が見られる。
好ましくは、90〜55重量部、より好ましくは、85〜60重量部の範囲内であると良い。
<(B)成分>
(B)成分は、ポリカーボネート系樹脂である。上記ポリカーボネート系樹脂としては、具体的には、例えば、芳香族ヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルまたはホスゲンとを反応させることにより得られうる、熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体などを例示することができる。なお、熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体または共重合体は、分岐鎖を有していても良い。
上記芳香族ヒドロキシ化合物としては、具体的には、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−P−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4−ジヒドロキシジフェニルなどを例示することができる。
上記炭酸ジエステルとしては、具体的には、例えば、ジフェニルカーボネート、などを例示することができる。
上記ポリカーボネート系樹脂の含有量は、5〜50重量部の範囲内とする。50重量部を上回ると、耐摩耗性が低下するし、耐薬品性も低下しやすくなるなどの傾向が見られる。一方、5重量部を下回ると、ドリップが激しくなり、難燃性が低下するし、リン酸エステルもブルームしやすくなるなどの傾向が見られる。
好ましくは、10〜45重量部、より好ましくは、15〜40重量部の範囲内であると良い。
<(C)成分>
(C)成分は、官能基を有する重合体である。上記官能基は、基本的には、後述する(E)有機化クレーとの反応性を有しておれば良い。
上記官能基を有する重合体としては、具体的には、例えば、(c1)カルボン酸基および/または酸無水基を有する重合体、(c2)エポキシ基を有する重合体、(c3)グリシジル基を有する重合体などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。以下、(c1)〜(c3)についてより具体的に説明する。
(c1)カルボン酸基および/または酸無水基を有する重合体としては、例えば、グラフト法や直接(共重合)法などによってカルボン酸基や酸無水基が導入(酸変性)された重合体などを例示することができる。
用いる重合体としては、例えば、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体などのスチレン系樹脂や、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、これらの水添物などのスチレン系熱可塑性エラストマーなどといったスチレン系重合体;ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)など)、ポリプロピレン(ホモ、ランダム、ブロック)、ポリブテン、α−オレフィン共重合体(エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA);エチレン−アクリル酸ブチル共重合体(EBA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などといったオレフィン系重合体;上記オレフィン系重合体(但し、この主鎖部分が酸変性される)に上記スチレン系重合体がグラフトされたグラフト共重合体などが挙げられる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
また、カルボン酸基や酸無水基を導入する化合物としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸などのα,β−不飽和ジカルボン酸またはこれらの無水物、アクリル酸、メタクリル酸、フラン酸、クロトン酸、ビニル酢酸、ペンテン酸などの不飽和モノカルボン酸などを例示することができる。これらは1種または2種以上併用しても良い。これらのうち、好ましくは、マレイン酸、無水マレイン酸などである。
(c1)としては、好ましくは、無水マレイン酸変性スチレン系重合体、無水マレイン酸変性オレフィン系重合体、無水マレイン酸変性オレフィン系重合体にスチレン系重合体をグラフトしたグラフト共重合体である。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
(c2)エポキシ基を有する重合体としては、例えば、グラフト法や直接(共重合)法などによってエポキシ基が導入(エポキシ変性)された上記スチレン系重合体、上記エポキシ変性スチレン系重合体に、上記スチレン系重合体がグラフトされたグラフト共重合体などを例示することができる。 これらは1種または2種以上含まれていても良い。
また、エポキシ基を導入する化合物としては、具体的には、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステルおよびα−クロロアクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、フマール酸などのグリシジルエステル類またはビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジルオキシエチルビニルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類、p−グリシジルスチレンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
(c3)グリシジル基を有する重合体としては、例えば、グリシジル基が共重合成分に含まれるエチレン系共重合体、グリシジル基が共重合成分に含まれるオレフィン系共重合体に上記スチレン系重合体がグラフトされたグラフト共重合体などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記グリシジル基が共重合成分に含まれるエチレン系共重合体としては、例えば、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体(EGMA)などを例示することができる。
また、グリシジル基が共重合成分に含まれるオレフィン系共重合体に上記スチレン系重合体がグラフトされたグラフト共重合体としては、例えば、エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体−グラフト−ポリスチレン(EGMA−g−PS)、エチレン−メタクリル酸グリシジル−グラフト−アクリロニトリル−スチレン共重合体(EGMA−g−AS)などを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記(C)重合体の含有量は、上記(A)および(B)の合計100重量部に対して、1〜45重量部の範囲内とする。45重量部を上回ると、耐摩耗性が低下するなどの傾向が見られる。一方、1重量部を下回ると、耐熱水性が低下するし、耐老化特性も低下しやすくなるなどの傾向が見られる。
好ましくは、2.5〜35重量部、より好ましくは、3〜40重量部の範囲内であると良い。
<(D)成分>
(D)成分は、リン酸エステル系化合物である。上記リン酸エステル化合物としては、具体的には、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルジ2,6−キシレニルホスフェートなどのハロゲンを含有しない芳香族リン酸エステル、1,3フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、1,3フェニレンビス(ジ2,6キシレニルホスフェート)、1,4フェニレンビス(ジ2,6キシレニルホスフェート)などのハロゲンを含有しない芳香族縮合リン酸エステルなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記リン酸エステル系化合物の含有量は、上記(A)および(B)の合計100重量部に対して、1〜45重量部の範囲内とする。45重量部を上回ると、可塑化が進行し、耐摩耗性が低下するなどの傾向が見られる。一方、1重量部を下回ると、難燃性が低下するなどの傾向が見られる。
好ましくは、2〜35重量部、より好ましくは、3〜30重量部の範囲内であると良い。
<(E)成分>
(E)成分は、有機化クレーである。有機化クレーとは、有機オニウムイオンなどの有機成分が層間に導入されたクレーのことである。
上記有機オニウムイオンとしては、具体的には、例えば、アンモニウムイオン、スルホニウムイオン、ホスホニウムイオンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
これらのうち、材料との相溶性などの観点から、好ましくは、アンモニウムイオンである。
上記アンモニウムイオンとしては、具体的には、例えば、ジアルキルジメチルアンモニウムイオン、アルキルジメチルベンジルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ジヒドロキシエチルアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルジメチルアンモニウムイオン、2−エチルヘキシルアルキルジメチルアンモニウムイオン、ジアルキルメチルアンモニウムイオン、アルキルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムイオン、アルキルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムイオンなどを例示することができる。これらは1種または2種以上含まれていても良い。
上記クレーとしては、例えば、モンモリロナイト、サボナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロライトなどのスメクタイト系クレー、バーミキュライト、ハロイサイト、マイカなどを例示することができる。
これらのうち、比表面積などの観点から、スメクタイト系クレーが好ましく、より好ましくは、モンモリロナイトを主成分とするスメクタイト系クレーである。
上記有機化クレーの含有量は、上記(A)および(B)の合計100重量部に対して、0.5〜15重量部の範囲内とする。15重量部を上回ると、耐摩耗性が低下するなどの傾向が見られる。一方、0.5重量部を下回ると、耐薬品性が低下するなどの傾向が見られる。
<任意成分>
上述した通り、上記特定の組成物は、上記(A)〜(E)成分を必須成分として含有しているが、これら成分以外にも、他の任意成分を必要に応じて含有していても良い。
上記任意成分としては、例えば、難燃性をより向上させるなどの観点から、シアヌル酸またはイソシアヌル酸とトリアジン系化合物との塩などを例示することができる。上記塩を含有させる場合には、上記(A)および(B)の合計100重量部に対して、好ましくは、1〜20重量部の範囲内、より好ましくは、1〜10重量部の範囲内とすると良い。
なお、上記塩としては、シアヌル酸またはイソシアヌル酸とトリアジン系化合物との付加物が好ましく、それぞれモル比で1:1、1:2の組成を有していると良い。また、上記トリアジン系化合物としては、具体的には、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミンなどを例示することができる。好ましくは、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンである。
また他にも、通常、プラスチックス・ゴム用添加剤として使用される配合剤、具体的には、例えば、酸化防止剤(フェノール系、硫黄系、リン系など)、光安定剤、金属不活性剤(銅害防止剤など)、加水分解防止剤(カルボジイミド系、エポキシ系など)、滑剤(脂肪酸系、脂肪酸アマイド、金属せっけん系、炭化水素系(ワックス系)、エステル系、シリコン系など)、造核剤、帯電防止剤、着色剤、難燃助剤(シリコン系、窒素系、ホウ酸亜鉛など)、カップリング剤(シラン系、チタネート系など)、柔軟剤(プロセスオイルなど)、亜鉛系化合物(酸化亜鉛、硫化亜鉛など)、補強剤(ガラス繊維、ワラストナイトなど)、充填剤(炭酸カルシウムなど)などを例示することができる。これらは本発明の趣旨を損なわない範囲内で適宜配合することができ、1種または2種以上含まれていても良い。
1.4 カルボキシル基の濃度
本電線では、上記特定の絶縁体層を凍結粉砕したものをアセトン抽出し、アセトン抽出残分をトルエンで溶出してトルエンに易溶である成分を除去した後、170℃でキシレンに溶出し、キシレンに溶解した成分を除去し、残った成分をヘキサフルオロイソプロパノールで溶解した後、THFにて溶解しない成分(1)と溶解する成分(2)とに分離し、成分(1)に含まれるカルボキシル基の濃度が80eq/ton以下、より好ましくは、70eq/ton以下、かつ、成分(2)に含まれるカルボキシル基の濃度が120eq/ton以下、より好ましくは、110eq/ton以下であると良い。
上記カルボキシル基の濃度が上記範囲内にあれば、特定の絶縁体層が加水分解し難く、とりわけ、水以外にも熱が加わる環境下に本電線が曝された場合もあっても高い耐水性を発揮しやすくなるからである。
なお、上記カルボキシル基の濃度の下限については、特に限定されるものではない。その濃度が少なければ少ないほど耐水性の観点から有利だからである。
また、上記カルボキシル基の濃度は、成分(1)または成分(2)をそれぞれ適当な有機溶媒に溶解し、水酸化アルカリ溶液にて酸−アルカリ滴定することにより求めることができる。
また、カルボキシル基が含まれるか否かは、IRもしくはNMRなどの分析手法により確認することができる。
2.本電線の製造方法
本電線の製造方法としては、以下のような方法を例示することができる。なお、以下では、本電線の構成が、例えば、導体の外周に特定の絶縁体層が1層直接被覆された構成である場合について説明する。
すなわち、先ず、必要量の必須成分と、他の任意成分や添加剤などを適宜配合し、これらを通常のタンブラーなどでドライブレンドしたり、もしくは、バンバリミキサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸押出機、ロールなどの通常の混練機で混練するなどして、上記組成物のペレットを作製する。この場合、各種配合成分を一括でブレンドして練りを行っても良いし、一部の配合成分を中間フィーダーなどから途中で添加して練りを行っても良い。
好ましくは、低温性向上などの観点から、(B)成分、(C)成分、(D)成分(E)成分を押出機などに供給して混練し、その後、(A)成分を押出機の途中から供給して混練する方法、(B)成分、(C)成分、(D)成分(E)成分を押出機などに供給して混練してペレットを作製し、このペレットと(A)成分とを再度押出機に供給して混練する方法などによると良い。
次いで、得られたペレットを必要に応じて乾燥させ、押出成形機を用いて、導体の外周に上記組成物を任意の厚さで被覆すれば、特定の絶縁体層を有する本電線を得ることができる。
なお、絶縁体層が複数層よりなる場合には、各絶縁体層の形成材料を、上記と同様にして、所望の層順となるように押出被覆すれば良い。
3.本ワイヤーハーネス
本ワイヤーハーネスは、本電線を有している。具体的には、本ワイヤーハーネスは、本電線を少なくとも含んだ電線束が、ワイヤーハーネス保護材により被覆されてなる。
ここで、上記ワイヤーハーネス保護材は、上記電線束の外周を覆い、外部環境などから電線束を保護する役割を有するものである。
このワイヤーハーネス保護材を構成する基材としては、ノンハロゲン系樹脂組成物、塩化ビニル樹脂組成物などを好適に用いることができる。
ノンハロゲン系樹脂組成物としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体などのポリオレフィンに、金属水和物(水酸化マグネシウムなど)などのノンハロゲン系難燃剤や各種添加剤を添加してなるポリオレフィン系難燃樹脂組成物などを例示することができる。
また、このワイヤーハーネス保護材の形態としては、テープ状に形成された基材の少なくとも一方の面に粘着剤が塗布されたものや、チューブ状、シート状などに形成された基材を有するものなどが挙げられ、用途に応じて適宜選択して用いることができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(供試材料)
本実施例において使用した供試材料を以下にまとめて示す。
(A)成分
・ポリブチレンテレフタレート(PBT)[日本ジーイープラスチックス(株)製、「Valox310」]
・ポリエチレンテレフタレート(PET)[ユニチカ(株)製、「MA−2103」]
(B)成分
・ポリカーボネート(PC)[出光興産(株)製、「タフロンA1900」]
(C)成分
(c1)
・無水マレイン酸変性スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(MAH−SEBS)[クレイトンポリマージャパン(株)製、「クレイトン FG1901X」]
・エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体−グラフト−アクリロニトリル−スチレン共重合体(E/EA/MAH−g−AS)[日本油脂(株)製、「モディパー A8400」]
・無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体(MAH−EVA)[アルケマ社製、「OREVACR G18216」]
・無水マレイン酸変性エチレン−アクリル酸メチル共重合体(MAH−EMA)[アルケマ社製、「OREVACR G18630」]
(c2)
・エポキシ基含有スチレン系熱可塑性エラストマー(epoxy−スチレン系TPE)[ダイセル化学工業(株)製、「エポフレンド AT501」]
・エポキシ変性ポリスチレン−グラフト−ポリスチレン(epoxy/PS−g−PS)[東亞合成(株)製、「レゼタ GP−505」]
(c3)
・エチレン−アクリル酸エステル−グリシジルメタクリレート共重合体(E−GMA)[アルケマ社製、「LOTADER AX8900」]
・エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体−グラフト−ポリスチレン(EGMA−g−PS)[日本油脂(株)製、「モディパー A4100」]
・エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体−グラフト−アクリロニトリル−スチレン共重合体(EGMA−g−AS)[日本油脂(株)製、「モディパー A4400」]
(D成分)
・トリフェニルホスフェート(リン酸エステル<1>)[味の素ファインテクノ(株)製、「レオフォスTPP」]
・レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(リン酸エステル<2>)[味の素ファインテクノ(株)製、「レオフォスRDP」]
・ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(リン酸エステル<3>)[味の素ファインテクノ(株)製、「レオフォスBAPP」]
(E成分)
・モンモリロナイトを主成分とする有機化スメクタイト系クレー(有機化クレー)[SOUTHERN CLAY社製、「Cloisite 10A」]
(その他)
・ポリプロピレン(PP)[日本ポリプロ(株)製、「EA7A」]
・エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)[三井・デュポンポリケミカル(株)製、「EV360」]
・フェノール系酸化防止剤[旭電化工業(株)製、「AO−50」]
・イオウ系酸化防止剤[川口化学工業(株)製、「アンテージクリスタル」]
・リン系酸化防止剤[チバスペシャルティケミカルズ(株)製、「Irgafos168」]
・加水分解防止剤[ラインケミー社製、「スタバクゾールII」]
・光安定剤[チバスペシャルティケミカルズ(株)製、「TINUVIN320」]
・銅害防止剤[旭電化工業(株)製、「CDA−1」]
(絶縁電線の作製)
初めに、二軸押出機を用いて、後述する表に示した配合にしたがって各成分を混練し、ペレタイザーにてペレット状に成形することにより、実施例および比較例に係る絶縁電線の絶縁体層の形成に用いる組成物を得た。
次いで、得られた各ペレットを乾燥させた後、押出成形機により、軟銅撚線の導体(断面積0.35mm)の外周に各組成物を1層押し出し被覆し、実施例および比較例に係る絶縁電線を得た。この際、各絶縁電線における絶縁体層の被覆厚さは全て0.20mmとした。
上記のようにして得られた絶縁電線について、各絶縁体層を凍結粉砕したものをアセトン抽出し、アセトン抽出残分をトルエンで溶出してトルエンに易溶である成分を除去した後、170℃でキシレンに溶出し、キシレンに溶解した成分を除去し、残った成分をヘキサフルオロイソプロパノールで溶解した後、THFにて溶解しない成分(1)と溶解した成分(2)とに分離した。次いで、得られた成分(1)をベンジルアルコールに溶解した後、これにクロロホルムを加えた。一方、得られた成分(2)をテトラヒドロフランに溶解した後、これにクロロホルムを加えた。そしてこれらをそれぞれ水酸化ナトリウム溶液で滴定することにより、各絶縁電線について、各成分(1)および(2)に含まれるカルボキシル基の濃度を測定した。
(試験方法)
以上のように作製した各絶縁電線について、難燃性、耐水性、耐摩耗性、耐薬品性について評価を行った。
すなわち、難燃性については、ISO 6722に規定される「燃焼試験」に準拠して評価した。
また、耐水性については、ISO 6722に規定される「耐熱水性試験」に準拠して評価した。
また、耐摩耗性については、ISO 6722に規定される「摩擦摩耗試験」に準拠する試験により評価した。ここでは、上記規格におけるサイクル数(導体が露出するまでのサイクル数)が7Nの荷重で最小回数で300回以上であった場合を合格とした。
また、耐薬品性については、各絶縁電線3本を、サリチル酸メチルに浸漬し、130℃×200時間の条件で老化させた後、各絶縁電線を取り出し、自己径巻き付けを行って、3本とも絶縁層に亀裂がない場合を合格とし、亀裂が生じた場合を不合格とした。
以下の表1〜2に、本実施例に係る絶縁電線、比較例に係る絶縁電線における絶縁体層を形成する組成物の成分配合、評価結果などをまとめて示す。
Figure 2008218247
Figure 2008218247
上記表2によれば、比較例に係る絶縁電線は、難燃性、耐熱水性、耐摩耗性、耐薬品性の評価項目のうち、何れかに難点があることが分かる。
すなわち、より具体的には、比較例1は、(A)成分の含有量が規定範囲外(過多)であり、かつ、必須成分である(B)成分、(C)成分および(E)成分を全く含んでいない。そのため、難燃性、耐熱水性、耐摩耗性、耐薬品性の何れも満足しない。
比較例2は、(A)成分の含有量が規定範囲外(過多)であり、かつ、必須成分である(B)成分および(D)成分を全く含んでいない。そのため、難燃性を満足しない。
比較例3は、必須成分である(E)成分を全く含んでいない。そのため、耐薬品性を満足しない。
比較例4は、(A)成分の含有量が規定範囲外(過多)であり、かつ、(B)成分の含有量が規定範囲外(過少)である。そのため、難燃性を満足しない。
比較例5は、(A)成分の含有量が規定範囲外(過少)であり、かつ、(B)成分の含有量が規定範囲外(過多)である。そのため、難燃性を満足しない。
比較例6は、(C)成分の含有量が規定範囲外(過多)である。そのため、耐摩耗性を満足しない。
比較例7は、(E)成分の含有量が規定範囲外(過多)である。そのため、耐熱水性、耐摩耗性、耐薬品性を満足しない。
比較例8は、(D)成分の含有量が規定範囲外(過多)である。そのため、耐熱水性を満足しない。
比較例9は、必須成分である(C)成分を全く含んでいないので、耐熱水性を満足しない。また、他に比較して、成分(1)および成分(2)中のカルボキシル基の濃度も高めである。このように、成分(1)および成分(2)中のカルボキシル基の濃度が高くなると、耐熱水性を満足し難くなる傾向があることが分かる。
これらに対して、上記表1によれば、本実施例に係る絶縁電線は、難燃性、耐熱水性、耐摩耗性、耐薬品性のバランスが良好であることが確認できた。

Claims (7)

  1. (A)ポリエステル系樹脂95〜50重量部、
    (B)ポリカーボネート系樹脂5〜50重量部、
    前記(A)および(B)の合計100重量部に対して、
    (C)官能基を有する重合体1〜45重量部、
    (D)リン酸エステル系化合物1〜45重量部、
    (E)有機化クレー0.5〜15重量部、
    を含有する組成物より形成された絶縁体層を有することを特徴とする絶縁電線。
  2. 前記(C)官能基を有する重合体は、
    (c1)カルボン酸基および/または酸無水基を有する重合体、(c2)エポキシ基を有する重合体、および、(c3)グリシジル基を有する重合体から選択される1種または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記クレーは、スメクタイト系クレーであることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁電線。
  4. 前記絶縁体層を凍結粉砕したものをアセトン抽出し、アセトン抽出残分をトルエンで溶出してトルエンに易溶である成分を除去した後、170℃でキシレンに溶出し、キシレンに溶解した成分を除去し、残った成分をヘキサフルオロイソプロパノールで溶解した後、THFにて溶解しない成分(1)と溶解する成分(2)とに分離し、前記成分(1)に含まれるカルボキシル基の濃度が80eq/ton以下、かつ、前記成分(2)に含まれるカルボキシル基の濃度が120eq/ton以下であることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の絶縁電線。
  5. 前記絶縁体層を最外層に有することを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の絶縁電線。
  6. 前記絶縁体層の厚みは0.4mm以下であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の絶縁電線。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の絶縁電線を有することを特徴とするワイヤーハーネス。
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